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「排気ガス処理」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2023年1月12日 (木) 03:46 (UTC)}}
'''排気ガス処理'''(はいきがすしょり)は、[[燃焼]]などによる排気ガスを周辺環境に影響を与えないように処理してから排出することである。
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'''排気ガス処理'''(はいきガスしょり)は、[[燃焼]]などによる[[排出ガス]]([[排気ガス]])を周辺[[環境]]に影響を与えないように処理してから排出することである。


==概要==
== 概要 ==
[[内燃機関]][[ボイラー]][[焼却炉]]などの燃焼機器からは[[燃料]]の燃焼による排ガス、化学薬品製造塗装などの工場からは有害物質を含んだ気体、食品加工畜産などでは臭気を帯びた空気が排出される。これらを無害化・無臭化するため除塵や有害物資の分離などを行うものである。
[[内燃機関]][[ボイラー]][[焼却炉]]などの燃焼機器からは[[燃料]]の燃焼による排ガス、[[化学]][[薬品]][[製造]]、[[塗装]]などの工場からは[[有害物質]]を含んだ[[気体]][[食品]][[加工]]、[[畜産]]などでは[[臭気]]を帯びた[[空気]]が排出される。これらを無害無臭化するため除塵や有害物資の分離などを行うものである。


移動排出元である[[自動車]][[船舶]]などでは、小型軽量の処理装置が求められている。また、[[ガソリン]][[軽油]]の低[[硫黄]]化などの燃料改質や燃焼機器自体の改善による燃焼改善が行われている。
[[移動発生源]]である[[自動車]][[船舶]]などでは、小型軽量の処理装置が求められている。また、[[ガソリン]][[軽油]]、[[重油]]の低[[硫黄]]化([[脱硫]])などの燃料改質や燃焼機器自体の改善による燃焼改善が行われている。


大型の固定排出元である焼却炉[[火力発電]]などでは、[[水]]薬品の使用量や処理に必要な[[エネルギー]]が少なく廃棄物が少ない処理方法が求められている。また、地上へ高濃度の排ガスが到達しいよう高い[[煙突]]が用いられる。
大型の[[固定発生源]]である焼却炉[[火力発電]]などでは、[[水]]薬品の使用量や処理に必要な[[エネルギー]]が少なく、[[廃棄物]]が少ない処理方法が求められている。また、[[地上]]へ高[[濃度]]の排ガスが到達しにくいよう高い[[煙突]]が用いられる。


== サーマルオキシダイザー(燃焼酸化装置) ==
==[[集塵機]]==
{{Main|サーマルオキシダイザー}}
*重力集塵装置 : 重力で粉塵を気体から分離するもの。
*慣性力集塵装置 : 気体の流れる向きを変化させ慣性で粉塵を分離するもの。
*遠心力集塵装置 : 気体のを塔内で旋回させ遠心力で粉塵を分離するもの。
*洗浄集塵装置 : 液体を噴霧し吸着させることにより分離するもの。除塵とともに溶解性有害ガスの除去も可能である。
*電気集塵機 : 粉塵を帯電させ逆に帯電した電極板に吸着させるもの。


== 集塵機 ==
==[[エアフィルタ]]==
{{Main|集塵機}}
*バグフィルタ


* 重力集塵装置 : [[重力]][[埃|粉塵]]を気体から分離するもの。
==有害物質除去==
* 慣性力集塵装置 : 気体の流れる向きを変化させ、[[慣性]]で粉塵を分離するもの。
*消石灰吹き込み
* 遠心力集塵装置 : 気体のを塔内で旋回させ、[[遠心力]]で粉塵を分離するもの([[遠心分離]])
*活性炭吸着
* 洗浄集塵装置 : 液体を噴霧し吸着させることにより分離するもの。除塵とともに溶解性有害ガスの除去も可能である。
*触媒燃焼
* 電気集塵機 : 粉塵を[[帯電]]させ逆に帯電した[[電極]]板に吸着させるもの。


== エアフィルタ ==
==計測技術==
{{Main|エアフィルタ}}
適切な処理のため、[[温度]][[湿度]]流量などのほか以下のような計測が必要とさ

* バグフィルタ

== 有害物質除去 ==
* [[水酸化カルシウム|消石灰]]吹き込み
* [[活性炭]]吸着
* [[触媒]]燃焼
* [[脱硫]]
* [[脱硝]]

== 計測技術 ==
適切な処理のため、[[温度]][[湿度]]流量などのほか以下のような計測が必要とさ
れる。
れる。


[[粉塵]]粒径分布
[[浮遊粉塵|粉塵]]粒径分布
*顕微鏡法
* [[顕微鏡]]
*光散乱法
* 光散乱法
*ふるい分け法
* [[篩|ふるい]]分け法
*液相沈降法
* [[液相沈降法]]
*慣性衝突法
* 慣性衝突法


粉塵量
粉塵量


[[酸素]]濃度
[[酸素]]濃度
*磁気式酸素計
* [[磁気]]式酸素計
*ジルコニア式酸素計
* [[ジルコニア]]式酸素計
*電極式酸素計
* 電極式酸素計


[[二酸化炭素]]濃度
[[二酸化炭素]]濃度
*電気式二酸化炭素計
* 電気式二酸化炭素計
*比重式二酸化炭素計
* 比重式二酸化炭素計


[[一酸化炭素]]濃度
[[一酸化炭素]]濃度
*赤外線式一酸化炭素計
* [[赤外線]]式一酸化炭素計


*オルザットガス分析装置 : 二酸化炭素酸素一酸化炭素の順に吸収液で吸収し気体の体積変化で各成分を測定するもの。
* オルザットガス分析装置 : 二酸化炭素酸素一酸化炭素の順に吸収液で吸収し気体の[[体積]]変化で各成分を測定するもの。


[[硫黄酸化物]]
[[硫黄酸化物]]
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[[カドミウム]]
[[カドミウム]]


==法規==
== 法規 ==
*[[大気汚染防止法]]
* [[大気汚染防止法]]
*[[悪臭防止法]]
* [[悪臭防止法]]

==関連項目==
*[[燃焼管理]]


==外部リンク==
== 関連項目 ==
* [[環境装置]]
* [[燃焼管理]]
* [[自動車排出ガス規制]]
* [[大気汚染モニタリング]]
* [[自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法]](いわゆる[[窒素酸化物|NOx]]・[[粒子状物質|PM]]規制)
* [[三元触媒]]
* [[尿素SCRシステム]]


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2023年1月12日 (木) 03:46時点における最新版

工場に設置されたサーマルオキシダイザー
触媒コンバータ

排気ガス処理(はいきガスしょり)は、燃焼などによる排出ガス排気ガス)を周辺環境に影響を与えないように処理してから排出することである。

概要[編集]

内燃機関ボイラー焼却炉などの燃焼機器からは燃料の燃焼による排出ガス、化学薬品製造塗装などの工場からは有害物質を含んだ気体食品加工畜産などでは臭気を帯びた空気が排出される。これらを無害、無臭化するため、除塵や有害物資の分離などを行うものである。

移動発生源である自動車船舶などでは、小型軽量の処理装置が求められている。また、ガソリン軽油重油の低硫黄化(脱硫)などの燃料改質や、燃焼機器自体の改善による燃焼改善が行われている。

大型の固定発生源である焼却炉、火力発電などでは、、薬品の使用量や処理に必要なエネルギーが少なく、廃棄物が少ない処理方法が求められている。また、地上へ高濃度の排出ガスが到達しにくいよう、高い煙突が用いられる。

サーマルオキシダイザー(燃焼酸化装置)[編集]

集塵機[編集]

  • 重力集塵装置 : 重力粉塵を気体から分離するもの。
  • 慣性力集塵装置 : 気体の流れる向きを変化させ、慣性で粉塵を分離するもの。
  • 遠心力集塵装置 : 気体のを塔内で旋回させ、遠心力で粉塵を分離するもの(遠心分離)。
  • 洗浄集塵装置 : 液体を噴霧し、吸着させることにより分離するもの。除塵とともに溶解性有害ガスの除去も可能である。
  • 電気集塵機 : 粉塵を帯電させ、逆に帯電した電極板に吸着させるもの。

エアフィルタ[編集]

  • バグフィルタ

有害物質除去[編集]

計測技術[編集]

適切な処理のため、温度湿度、流量などのほか以下のような計測が必要とさ れる。

粉塵粒径分布

粉塵量

酸素濃度

二酸化炭素濃度

  • 電気式二酸化炭素計
  • 比重式二酸化炭素計

一酸化炭素濃度

  • オルザットガス分析装置 : 二酸化炭素、酸素、一酸化炭素の順に吸収液で吸収し、気体の体積変化で各成分を測定するもの。

硫黄酸化物

窒素酸化物

塩化水素

フッ素化合物

カドミウム

法規[編集]

関連項目[編集]