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「三菱・ディアマンテ」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2017年7月}}
'''ディアマンテ'''(''Diamante'' )は、[[三菱自動車工業]]が日本国外で製造・販売している上級[[乗用車]]である。[[2005年]]まで日本でも製造・販売されていた。
'''ディアマンテ'''(''DIAMANTE'' )は、[[三菱自動車工業]]がかつて製造・販売していた[[高級車|高級]][[乗用車]]である。


== 歴代モデル ==
== 概要 ==
開発当初は、日本国内向けハードトップ(ギャランΣハードトップの後継、5ナンバーサイズ)と日本国外用セダン(豪州マグナの後継、3ナンバーサイズ)の2種類を計画していたが、開発中に税制改正の時期等の情報をいち早く入手し、全車3ナンバーサイズのハードトップとして発売された(セダンは後に[[三菱・シグマ|シグマ]]として登場)。これにより、競合他社(特に前年秋に[[ホンダ・インスパイア|アコードインスパイア]]/[[ホンダ・ビガー|ビガー]]を発売したばかりの[[本田技研工業|ホンダ]]{{efn|当時の通産省とは[[特定産業振興臨時措置法案|特振法]]の一件で[[本田宗一郎|宗一郎]]時代から折り合いが悪かったとされる。その影響か、両車は3ナンバーボディを追加するには約2年後のマイナーチェンジまで待たなければならないというタイミングの悪さでの発売であった。}})を出し抜くことに成功した。
=== 初代(1990年-1997年) ===

当時、上級小型車もしくはアッパーミドルクラスに属する[[セダン]]は、前出のホンダを除いて[[後輪駆動]]を採用するのが定番であったが、ディアマンテはギャランΣを踏襲したため[[前輪駆動]]となった。また、当時の高級セダンでは珍しく[[四輪駆動]]の設定があったことも特筆される。

ディアマンテの大ヒットに触発され、前輪駆動の3ナンバーサルーンは競合他社においても[[トヨタ・ウィンダム]]、[[マツダ・クロノス]]、[[日産・セフィーロ]]、[[ホンダ・アスコットイノーバ]]等が追従した。

== 初代(1990年-1997年)F10/F20/F07W(K45)系 ==
{{Infobox_自動車のスペック表
{{Infobox_自動車のスペック表
| 車種=普通自動車
| 車種= 普通自動車
| 車名= 三菱・ディアマンテ(初代)
| 車名=
| 車名補=初代
| 車名補= F10/F20/F07W(K45)系
| 1枚目画像の説明=4ドア北米仕様
| 1枚目画像の説明=エスパーダ後期型フロント
| 1枚目画像名=Early Diamante.jpg
| 1枚目画像名=Mitsubishi_diamante_espada_1993_f.jpg
| 2枚目画像の説明=ワゴン欧州仕様 [[三菱・シグマ|シグマ]]コンビ
| 2枚目画像の説明=エスパーダ後期型リア
| 2枚目画像名=Mitsubishi Sigma Kombi front 20071112.jpg
| 2枚目画像名=Mitsubishi diamante espada 1993 r.jpg
| 3枚目画像の説明=シグマコ リア
| 3枚目画像の説明=ワゴ30R-SE(後期型)フロント
| 3枚目画像名=Mitsubishi Sigma Kombi rear 20071112.jpg
| 3枚目画像名=Mitsubishi diamantewagon k45 30r-se 1 f.jpg
| 製造国=
| 製造国=
| 販売期間=ハードトップ:1990年-1995年<br/>ワゴン:1993年-1997年
| 販売期間=[[1990]][[5月]] - [[1997年]](生産終了)
| 設計統括=[[山田尚之]](乗用車商品開発室プロジェクトマネージャー)
| 乗車定員=5人
| デザイン=
| ボディタイプ=4ドア[[ハードトップ]]<br/>5ドア[[ステーションワゴン|ワゴン]]
| 乗車定員=5名
| エンジン=ハードトップ<br/>6G71 2.0L V型6気筒SOHC12バルブ(前期)<br/>6A12 2.0L V型6気筒SOHC24バルブ(後期)<br/>6G73 2.5L V型6気筒DOHC24バルブ<br/>6G72 3.0L V型6気筒DOHC24バルブ<br/>ワゴン<br/>6G72 3.0L V型6気筒SOHC12バルブ
| ボディタイプ=4ドア[[ハードトップ]]<br/>5ドア[[ステーションワゴン]]
| 最高出力=ハードトップ<br/>2.0L 125ps/5,500rpm(前期)<br/>2.0L 145ps/6,000rpm(後期)<br/>2.5L 175ps/6,000rpm<br/>3.0L 210ps/6,000rpm<br/>ワゴン<br/>3.0L 165ps/5,400rpm
| エンジン=[[三菱・6G7型エンジン|6G71]] 2.0L [[V型6気筒]][[SOHC]]12バルブ(前期)<br/>[[三菱・6A1型エンジン|6A12]] 2.0L V型6気筒SOHC24バルブ(後期)<br/>[[三菱・6G7型エンジン|6G73]] 2.5L V型6気筒[[DOHC]]24バルブ<br/>[[三菱・6G7型エンジン|6G72]](Y7) 3.0L V型6気筒SOHC12バルブ(ワゴン)<br/>6G72 3.0L V型6気筒DOHC24バルブ
| 最大トルク=ハードトップ<br/>2.0L 17.5kg・m/3,500rpm(前期)<br/>2.0L 18.5kg・m/4,500rpm(後期)<br/>2.5L 22.6kg・m/4,500rpm<br/>3.0L 27.5kg・m/3,000rpm<br/>ワゴン<br/>3.0L 25.6kg・m/3,200rpm
| エンジン位置=
| トランスミッション=4AT<br/>5MT
| モーター=
| 駆動方式=FF<br/>4WD(ハードトップ)
| 最高出力=2.0L 125ps/5,500rpm(前期)<br/>2.0L 145ps/6,000rpm(後期)<br/>2.5L 175ps/6,000rpm<br/>3.0L 165ps/5,400rpm(SOHC)<br/>3.0L 210ps/6,000rpm(DOHC)
| サスペンション=ハードトップ・ワゴン<br/>F マクファーソンストラット<br/>ハードトップ<br/>R ダブルウイッシュボーン<br/>ワゴン<br/>R 5リンクリジッドアクスル
| 最大トルク=2.0L 17.5kg・m/3,500rpm(前期)<br/>2.0L 18.5kg・m/4,500rpm(後期)<br/>2.5L 22.6kg・m/4,500rpm<br/>3.0L 25.6kg・m/3,200rpm(SOHC)<br/>3.0L 27.5kg・m/3,000rpm(DOHC)
| 全長=4,740mm(ハードトップ)<br/>4,785mm(ワゴン)
| トランスミッション=4速[[オートマチックトランスミッション|AT]]<br/>5速[[マニュアルトランスミッション|MT]]
| 全幅=1,775mm(ハードトップ)<br/>1,780mm(ワゴン)
| 駆動方式=[[前輪駆動]]<br/>[[四輪駆動]]
| 全高=1,410mm(ハードトップ)<br/>1,515mm(ワゴン)
| サス前=マクファーソンストラット
| ホイールベース=2,720mm
| サス後=ダブルウイッシュボーン<br/>5リンクリジッドアクスル(ワゴン)
| 車両重量=1,360kg - 1,660kg(ハードトップ)<br/>1,540kg - 1,590kg(ワゴン)
| 全長=4,740 mm<br/>4,785 mm(ワゴン)
| 全幅=1,775 mm<br/>1,780 mm(ワゴン)
| 全高=1,410 mm<br/>1,515 mm(ワゴン)
| ホイールベース=2,720 mm
| 車両重量=1,360-1,660 kg
| 最大積載量=
| 自由項目1(項目名)=
| 自由項目1(内容)=
| 自由項目2(項目名)=
| 自由項目2(内容)=
| 別名= <!--現地名、地域を記入-->
| 先代=[[三菱・ギャランΣ|三菱・ギャランΣハードトップ]]<br/>[[三菱・エテルナΣ|三菱・エテルナΣハードトップ]]<br/>[[三菱・マグナワゴン]]
| 後継=
| プラットフォーム=
}}
}}
* [[1989年]]の第28回[[東京モーターショー]]に参考出品され[[1990年]][[5月]][[三菱・ギャラン|ギャランΣ]]/[[三菱・エテルナ|エテルナΣ]][[ハードトップ]]の実質的な後継車として発売された。
[[1989年]]の第28回[[東京モーターショー]]に参考出品され、翌[[1990年]]5月にギャランΣ/エテルナΣハードトップの実質的な後継車として発売された。発売当初のキャッチコピーは「'''あのクルマとは違う。ファースト・ミディアムカー宣言'''」「'''やわらかな、深度。'''」、マイナーチェンジ後は「'''ミディアムカーのシナリオはディアマンテがつくる。'''」「'''面白くなってきた。'''」

* 当時、このクラスの上級[[セダン]]は[[後輪駆動|FR]]の駆動方式を採用するのが定番であったが、ディアマンテは[[前輪駆動|FF]]の駆動方式を採用。また、発売当初より[[四輪駆動|4WD]]の設定があり、当時の上級セダンでは珍しかった(後にはFFのみの設定となった)。
* [[BMW]]風の若々しくスポーティでスタイリッシュなスタイル<!--パクではなく、E34の設計図を買ったと言われていますが、資料が見つかりません。-->の3ナンバー専用ボディーに、マルチビジョンや三菱インテリジェントコックピットシステム、電子制御サスペンションに[[4WS]]等のハイテク装備を多数採用、[[排気量]]2.0Lから4.0Lまでの[[自動車税]]の見直しに合わせ、税区分に合致する3種類の[[V型6気筒|V6]]エンジン(3.0L、2.5L、2.0L)を投入し、比較的低い価格帯でFF以外に4WDも(当時このクラス以上のセダンで4WDが選べるのは画期的であっ)選べると言う選択肢の広さもあり<!--、後の3ナンバーミドルクラス乗用車へ与えた影響はかなり大きく-->、ユーザーの好評を得て1990年-[[1991年]][[日本カー・オブ・ザ・イヤー]]も獲得する。<!--COTY対策として、ゴルフ付きの沖縄や、遊興費付きのラスベガス試乗会が[[自動車評論家]]向けに行われ、同時ノミネートのGTOとの票の食い合いを避けてディアマンテに一本化するという意思表示が三菱側からあったそうですが、これもソースをご存知の方がいらっしゃいましたらご提示をお願いします。-->
当時の[[BMW]]風な逆スラント型ノーズを持つスポーティなエクに、マルチビジョンや三菱インテリジェントコックピットシステム、電子制御サスペンションに[[4WS]]等のハイテク装備を多数採用している。また、[[排気量]]2.0Lから4.0Lまでの[[自動車税]]の見直しに合わせ、税区分に合致する3種類の[[V型6気筒]]エンジン(3.0L、2.5L、2.0L)を投入し、比較的低い価格帯で前輪駆動と四輪駆動から選べた選択肢の広さもあり、ユーザーの好評を得て1990年-[[1991年]][[日本カー・オブ・ザ・イヤー]]も獲得した。<!--COTY対策として、ゴルフ付きの沖縄や、遊興費付きのラスベガス試乗会が[[自動車評論家]]向けに行われ、同時ノミネートのGTOとの票の食い合いを避けてディアマンテに一本化するという意思表示が三菱側からあったそうですが、これもソースをご存知の方がいらっしゃいましたらご提示をお願いします。-->

* 初代ディアマンテをベースに開発されたセダン「[[三菱・シグマ|シグマ]]」は事実上の[[姉妹車]]であり、[[三菱・GTO|GTO]]/3代目[[三菱・デボネア|デボネア]]はこの型のディアマンテをベースに作られており、[[大韓民国|韓国]]・[[現代自動車]]の3代目[[ヒュンダイ・ソナタ|ソナタ]]とマルシャーもこの世代のディアマンテの[[プラットフォーム (自動車)|プラットフォーム]]を用いている。
[[1993年]][[3月]]には[[三菱・マグナワゴン|マグナワゴン]]の後継となるディアマンテワゴンが追加発売された。マグナワゴンに引き続き、[[オーストラリア|豪州]][[アデレード]]のオーストラリア三菱で現地[[生産]]される[[輸入車]]であり、本来の型式はF07Wであるが、[[自動車検査証|車検証]]上の型式はK45となる。エンジンはハードトップと異なり、マグナワゴンの上級仕様である[[三菱・ベラーダ|ベラーダ]]と同じV6・3.0LのSOHC(エンジン型式は[[三菱・6G7型エンジン|6G72]]。車検証上の型式はY7)を搭載する。また、リアサスペンションはカーゴスペースへの張り出しと荷重を考慮し、[[リンク式サスペンション|5リンク式]]を採用した。豪州生産ゆえに特殊部品も少なくなく、例えばルーフレールを固定するボルトは[[工具|SST]]を購入しないと外れない。[[欧州]]圏では「[[三菱・シグマ|シグマ]]コンビ」の名称で販売された。
* なお、[[ハードトップ]]の[[モデルチェンジ (自動車)|フルモデルチェンジ]]後も[[ステーションワゴン]]はそのまま[[1997年]]まで継続生産された。

[[三菱・GTO|GTO]]および3代目[[三菱・デボネア|デボネア]]は本車がベースとなっている。


==== 歴史 ====
=== 年表 ===
; [[1990年]][[8]]
; [[1990年]]5
* 車種追加。「30V 4WD」発売。
: 発売。
; [[1990年]][[9]]
; 1990年8
* 車種追加。30R-S」発売。
:30V 4WD」発売。
; [[1990年]][[11]]
; 1990年9
* 特装車速度感応式スポイラー付」発売。
:30R-S」発売。
; [[1991]][[6]]
; 199011
* [[別仕様|特別限定車]]COTY受賞記念車」発売。
:車「速度感応式スポイラー付」発売。
; [[1991年]][[10]]
; [[1991年]]6
: [[特別仕様車|特別限定車]]「COTY受賞記念車」発売。
* マイナーチェンジ(安全対策他)。
; 1991年10月
* 「25V-SE 4WD」追加。「30V」廃止。「30R-SE」、「30R-S」にSRSエアバッグ採用。全車ハイマウントストップランプ標準化。
: マイナーチェンジ。「25V-SE 4WD」を追加し「30V」を廃止。「30R-SE」「30R-S」にSRSエアバッグ採用。全車ハイマウントストップランプ標準化。
; [[1992年]][[1月]]
; [[1992年]]1月
* 特別限定車「25V LIMITED」発売。
: 特別限定車「25V LIMITED」発売。
; [[1992年]][[3月]]
; 1992年3月
* 特別限定車「25E-SE」発売。
: 特別限定車「25E-SE」発売。
; [[1992年]][[10月]]
; 1992年10月
* マイナーチェンジ。
* フロント[[バンパー]]のデザイン、フォグランプ(プロジェクタータイプ)、リヤコンビランプのデザイン変更。エアコンの[[代替フロン]]化、2.0Lエンジンを[[SOHC]][[マルチバルブ|24バルブ]]、145[[馬力]]の[[三菱・6A1型エンジン|6A12型]]に置き換え、[[オートマチックトランスミッション|AT]]の[[ファジィ制御]]化などが主な変更点。「25V-S」、「25E 4WD」を追加。
: マイナーチェンジ。フロント[[バンパー]]のデザイン、フォグランプ(プロジェクタータイプ)、リヤコンビランプのデザイン変更。エアコンの[[代替フロン]]化、2.0Lエンジンを[[SOHC]][[マルチバルブ|24バルブ]]、145[[馬力]]の[[三菱・6A1型エンジン|6A12型]]に置き換え、[[オートマチックトランスミッション|AT]]の[[ファジィ制御]]化などが主な変更点。「25V-S」、「25E 4WD」を追加。
; [[1993年]][[1月]]
; [[1993年]]1月
* 特別仕様車「25V-S LIMITED」発売。
: 特別仕様車「25V-S LIMITED」発売。
; [[1993年]][[3月]]
; 1993年3月
: ディアマンテワゴンを追加。ボディカラーはアスペングリーンとストラトグレーの2色。
* [[三菱・マグナ|マグナワゴン]]の後継としてディアマンテワゴンを追加。本車種も[[オーストラリア|豪州]][[アデレード]]のオーストラリア三菱で[[生産]]される[[輸入車]]となった。本来の型式はF07Wであるが、[[自動車検査証|車検証]]上の型式はK45とされた。
; 1993年5月
* フロントセクションは日本向けにディアマンテと同じスタイルに変更された。リヤサスペンションはカーゴスペースへの張り出しと荷重を考慮し、[[リンク式サスペンション|5リンク式]]を採用した。エンジンはディアマンテと異なり、[[三菱・マグナ|マグナワゴン]]の上級仕様である[[三菱・ベラーダ|ベラーダ]]と同じV6・3.0LのSOHC(エンジン型式は[[三菱・6G7型エンジン|6G72]]。車検証上の型式はY7)を搭載していた。しかし、340万円以上という価格設定ゆえ、国内での販売台数は芳しくなかった。
: ハードトップの特別限定車「25E LIMITED」発売。
; [[1993年]][[5月]]
; 1993年11月
* 特別限定車「25E LIMITED」発売。
: ハードトップをマイナーチェンジ。フロントのボディカラー同色[[フロントグリル|グリル]]、マルチリフレクターの[[ヘッドランプ]]を変更。廉価グレードのEシリーズをベースに「エスパーダ」シリーズを発売<ref group="注釈">それ以前にもC60/70系[[三菱・ランサー|ランサー]]の1600ccのバリュー仕様で「エスパーダ」というグレード名が使用された。</ref>。コストダウンのための設計変更という意味合いが大きく、[[パトカー]]用を除き[[マニュアルトランスミッション|MT]]車の設定が廃止された他、装備品や内装を中心とした見直しが行われる。
; [[1993年]][[11月]]
; [[1994年]][[11月]]
* マイナーチェンジ。
: ワゴンをマイナーチェンジ。本革シートやAVシステム、[[サンルーフ]]などを省いて価格を約90万円引き下げた「30V」を追加した。従来のベースグレードは「30R-SE」とグレード名を変え、運転席[[エアバッグ|SRSエアバッグ]]と[[アンチロック・ブレーキ・システム|ABS]]が追加された{{efn|「30R-SE」はABSを装備したため、フロントのブレーキパッドが「30V」と異なる}}。
* フロントのボディカラー同色[[フロントグリル|グリル]]、マルチリフレクターの[[前照灯|ヘッドランプ]]を変更。廉価グレードのEシリーズをベースに「エスパーダ」シリーズを発売。コストダウンのための設計変更という意味合いが大きく、[[パトロールカー|パトカー]]用を除き[[マニュアルトランスミッション|MT]]車の設定が廃止された他、装備品や内装を中心とした見直しが行われる。
; [[1995年]]
; [[1994年]]12月
: ハードトップが2代目へ[[モデルチェンジ (自動車)|フルモデルチェンジ]]して生産終了するが、ワゴンは初代の販売を継続。
* ワゴンをマイナーチェンジ。マルチパラボラ型ヘッドランプや新デザインのリヤガーニッシュなどを採用して商品力をアップさせるとともに、約340万円という価格設定を見直し、本革シートやAVシステム、[[サンルーフ]]などを省いて価格を約90万円引き下げた「30V」を追加した。なお、従来のベースグレードは「30R-SE」とグレード名を変え、運転席[[エアバッグ|SRSエアバッグ]]と[[アンチロック・ブレーキ・システム|ABS]]が追加された。
; 1995年8月
{{-}}
: ワゴンをマイナーチェンジ。ボディカラーのアスペングリーンが濃色系であるインカグリーンに変更され、マルチパラボラ型ヘッドランプや新デザインのリヤガーニッシュなどを新たに採用した。
; [[1997年]]10月
: ワゴンが2代目へフルモデルチェンジして生産終了。


==== 基本グレード ====
=== 基本グレード ===
; ハードトップ
* ディアマンテ
{| class="wikitable" border="1" style=font-size:small
{| class="wikitable" border="1" style=font-size:small
|-
|-
85行目: 111行目:
|-
|-
| rowspan="4" |20E
| rowspan="4" |20E
| rowspan="2" |1990年05月-1992年09
| rowspan="2" |1990年5月-1992年9
| rowspan="2" |6G71
| rowspan="2" |6G71
| rowspan="2" |V型6気筒SOHC12バルブ
| rowspan="2" |V型6気筒SOHC12バルブ
115行目: 141行目:
|-
|-
| rowspan="2" |25E
| rowspan="2" |25E
| rowspan="9" |1990年05月-1994年12月
| rowspan="9" |1990年5月-1994年12月
| rowspan="5" |6G73
| rowspan="5" |6G73
| rowspan="5" |V型6気筒DOHC24バルブ
| rowspan="5" |V型6気筒DOHC24バルブ
169行目: 195行目:
|}
|}


* ディアマンテワゴン
; ワゴン
{| class="wikitable" border="1" style=font-size:small
{| class="wikitable" border="1" style=font-size:small
|-
|-
205行目: 231行目:
|}
|}


=== 2代目(1995年-2005年)===
== 2代目(1995年-2005年)F30/F40系 ==
{{Infobox_自動車のスペック表
{{Infobox_自動車のスペック表
| 車種=普通自動車
| 車種= 普通自動車
| 車名= 三菱・ディアマンテ(2代目)
| 車名=
| 車名補=2代目
| 車名補= F30/F40系
| 1枚目画像の説明=日本仕様セダン 中期型(19978月-1999年9月)
| 1枚目画像の説明=1997改良型 SE-V フロント
| 1枚目画像名=1997-1999 Mitsubishi Diamante.jpg
| 1枚目画像名=1997-1999 Mitsubishi Diamante.jpg
| 2枚目画像の説明=日本仕様セダン 中期リア
| 2枚目画像の説明=2002年改良 25V-SE フロント
| 2枚目画像名=1997-1999 Mitsubishi Diamante rear.jpg
| 2枚目画像名=Mitsubishi-Diamante-2nd 1999-front.jpg
| 3枚目画像の説明=
| 3枚目画像の説明=ワゴン フロント
| 3枚目画像名=
| 3枚目画像名=Mitsubishi Diamante Wagon (Japan).jpg
| 製造国=
| 製造国=
| 販売期間=セダン:1995年-2005年<br/>ワゴン:1997年-2001年
| 販売期間=[[1995]][[1月]] - [[2005年]][[12月]]
| 設計統括=
| デザイン=[[仲西昭徳]]
| デザイン=[[仲西昭徳]]
| 乗車定員=5
| 乗車定員=5
| ボディタイプ=4ドアセダン(サシュレス)<br/>5ドアワゴン(サッシュレス)
| ボディタイプ=4ドア[[ハードトプ]]<br>5ドア[[ステーションワゴン]]
| エンジン=セダン<br/>6G73 2.5L V型6気筒SOHC24バルブ<br/>6G73 2.5L V型6気筒DOHC24バルブ<br/>6G73 2.5L V型6気筒DOHC24バルブ(GDI)<br/>6A13 2.5L V型6気筒SOHC24バルブ<br/>6G72 3.0L V型6気筒DOHC24バルブ<br/>6G72 3.0L V型6気筒DOHC24バルブ (MIVEC)<br/>6G72 3.0L V型6気筒DOHC24バルブ (GDI)<br/>ワゴン<br/>6G72 3.0L V型6気筒SOHC24バルブ
| エンジン=4G64 2.4L [[直列4気筒]]SOHC16バルブ(豪州仕様)<br/>[[三菱・6G7型エンジン|6G73]] 2.5L V型6気筒SOHC24バルブ<br/>6G73 2.5L V型6気筒DOHC24バルブ<br/>6G73 2.5L V型6気筒DOHC24バルブ([[ガソリン直噴エンジン|GDI]])<br/>[[三菱・6A1型エンジン|6A13]] 2.5L V型6気筒SOHC24バルブ<br/>[[三菱・6G7型エンジン|6G72]] 3.0L V型6気筒SOHC24バルブ<br/>6G72 3.0L V型6気筒DOHC24バルブ (GDI/[[MIVEC]])<br/>6G74 3.5L V型6気筒SOHC24バルブ(豪州・北米仕様)
| エンジン位置=
| 最高出力=セダン<br/>2.5L 175ps/5,500rpm<br/>2.5L 200ps/6,000rpm<br/>2.5L 200ps/6,000rpm (GDI)<br/>2.5L 170ps/5,500rpm<br/>3.0L 230ps/6,000rpm<br/>3.0L 270ps/7,000rpm (MIVEC)<br/>3.0L 240ps/5,750rpm (GDI)<br/>ワゴン<br/>3.0L 200ps/5,500rpm
| モーター=
| 最大トルク=セダン<br/>2.5L 23.0kg・m/4,500rpm<br/>2.5L 24.5kg・m/5,000rpm<br/>2.5L 25.5kg・m/3,500rpm (GDI)<br/>2.5L 23.0kg・m/4,500rpm<br/>3.0L 29.2kg・m/5,000rpm<br/>3.0L 30.7kg・m/4,500rpm (MIVEC)<br/>3.0L 31.0kg・m/3,500rpm (GDI)<br/>ワゴン<br/>3.0L 28.0kg・m/4,500rpm
| 最高出力=2.4L 147ps/5,000rpm(豪州仕様)<br/>2.5L 175ps/5,500rpm<br/>2.5L 200ps/6,000rpm<br/>2.5L 200ps/6,000rpm (GDI)<br/>2.5L 170ps/5,500rpm<br/>3.0L 200ps/5,500rpm (SOHC)<br/>3.0L 230ps/6,000rpm (DOHC)<br/>3.0L 240ps/5,750rpm (GDI)<br/>3.0L 270ps/7,000rpm (MIVEC)<br/>3.5L 210ps/6,000rpm (豪州・北米仕様)
| トランスミッション=4AT<br/>5AT
| 最大トルク=2.4L 21.0kg・m/2,750rpm(豪州仕様)<br/>2.5L 23.0kg・m/4,500rpm<br/>2.5L 24.5kg・m/5,000rpm<br/>2.5L 25.5kg・m/3,500rpm (GDI)<br/>2.5L 23.0kg・m/4,500rpm<br/>3.0L 28.0kg・m/4,500rpm (SOHC)<br/>3.0L 29.2kg・m/5,000rpm (DOHC)<br/>3.0L 31.0kg・m/3,500rpm (GDI)<br/>3.0L 30.7kg・m/4,500rpm (MIVEC)<br/>3.5L 35.0kg・m/4,000rpm (豪州・北米仕様)
| 駆動方式=FF<br/>4WD(セダン)
| トランスミッション=[[INVECS]]-II 4AT<br/>INVECS-II 5AT<br/>5速MT(豪州・北米仕様)
| サスペンション=セダン・ワゴン<br/>F マルチリンク式<br/>セダン<br/>R マルチリンク式<br/>ワゴン<br/>R 5リンク式
| 駆動方式=前輪駆動<br/>四輪駆動
| 全長=4,785mm(セダン)<br/>4,810mm(ワゴン)
| サスペンション=F マルチリンク式<br/>R マルチリンク式
| 全幅=1,785mm
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}}
[[1995年]]1月にモデルチェンジ。三菱自動車工業のサイト内などでは、先代と区別するためにしばしば「'''ニューディアマンテ'''」と表現されている。キャッチコピーは「'''THE FIRST RUN'''」。
* [[1995年]][[1月]]にモデルチェンジ。イメージ的には初代のキープコンセプトだがフロントノーズが逆スラントからやや垂直になりテールランプもL型になった。初代同様に駆動方式もFF/4WDを設定。[[衝突安全ボディー]]「RISE」を採用し安全性を高めた。
* [[MIVEC]]機構を搭載した270psの6G72エンジンを積んだ30M/30M-SE、DOHC24バルブ230ps・6G72型を搭載する30R/30R-SE。2.5LにはDOHC24バルブ200ps・6G73型の25V/25V-SE。省燃費MVV仕様SOHC24バルブ175ps・6G73型レギュラーガソリン仕様の25S/25Eのあわせて2種類4タイプのエンジンがラインナップされていた。初代にあった2.0L・6A12型エンジン仕様は廃止。
* ハイテク装備と安全装備はより洗練されGPS[[カーナビゲーション]]は音声ガイドが付き、連動レーザーレーダークルーズコントロール、[[自発光メーター|ハイコントラストメーター]]、マニュアルモード付き5速ATなどが導入され、[[バブル崩壊]]後に登場した車種の中では充実度が高かった。
* ワゴンについては1997年[[10月]](オーストラリアは4月)にモデルチェンジされた。当初はベースモデルともいえる「ES」と[[ナルディ]]製ステアリング&シフトノブ、本革シート、[[自発光メーター|ハイコントラストメーター]]などを追加した「LS」の2グレード体制であった。エンジンは初代のワゴンと同じV6・3000のSOHCエンジンでリヤサスも5リンク式であった。但し、オートマチックは4速からシーケンシャルモードつきの5速に変更されている。
* なお、この初期型の5速ATには不具合が多く報告されており、注意が必要である。
* 後年にLクラスのステーションワゴンの中心がFRか4WD車になったことで、FFのLクラスワゴンは売れにくく、輸入車であることの不安感やエンジンが3Lのみの設定で売り上げは芳しくなく、同時にステーションワゴンの販売需要が下がったこともあり[[1999年]]10月にグレードをESのみに整理した後、[[2001年]]3月に輸入を終了した。
* このモデルのプラットフォームは現代自動車と傘下の[[起亜自動車]]で幅広く利用され、[[ヒュンダイ・XG|グレンジャー(XG型(ヒュンダイXG))]]、ソナタ(EF型)、[[ヒュンダイ・サンタフェ|サンタフェ(SM型)]]、[[ヒュンダイ・トラジェ|トラジェ]]、[[キア・マジェンティス|オプティマ]]のベースとなった。
* 強化サスペンション/スタビライザーを装備した特別仕様車、Deporte/30M Deporteは希少となっている。


イメージ的には初代のキープコンセプトだが、フロントノーズが逆スラントからやや垂直になりテールランプもL型になった。また、Cd値0.28を実現しながら、ゆとりある居住空間を確保していた。駆動方式は初代同様に前輪駆動と四輪駆動を設定。[[衝突安全ボディー]]「RISE」を採用し安全性を高めた。
==== 歴史 ====

[[MIVEC]]機構を搭載した270psの6G72エンジンを積んだ30M/30M-SE、DOHC24バルブ230ps・6G72型を搭載する30R/30R-SE。2.5LはDOHC24バルブ200ps・6G73型の25V/25V-SE。省燃費MVV仕様SOHC24バルブ175ps・6G73型レギュラーガソリン仕様の25S/25Eの、あわせて2種類4タイプのエンジンがラインナップされていた。なお、初代にあった2.0Lエンジン仕様は廃止された。

ハイテク装備と安全装備はより洗練され、GPS[[カーナビゲーション]]には音声ガイドが付き、連動レーザーレーダークルーズコントロール(カタログではプレビューディスタンスコントロールの名称)、[[自発光メーター|ハイコントラストメーター]]、マニュアルモード付き5速ATなどが導入され、[[バブル崩壊]]後に登場した車種の中では充実度が高かった。

ワゴンはハードトップからやや遅れて1997年10月(オーストラリアのみ同年4月)にモデルチェンジされた。当初はベースモデルともいえる「ES」と[[ナルディ]]製ステアリング&シフトノブ、本革シート、[[自発光メーター|ハイコントラストメーター]]などを追加した「LS」の2グレード体制であった。エンジンは初代のワゴンと同じV6・3000のSOHCエンジンでリアサスペンションも5リンク式であったが、オートマチックは4速からマニュアルモード付きの5速に変更されている。

=== 年表 ===
; 1995年1月
; 1995年1月
* 販売開始。
: フルモデルチェンジして販売開始。
; 1995年6月
: 特別仕様車「ナビゲーションスペシャル」を設定。CDオーディオに加え、ナビゲーションシステムを装着した、2.5L V6DOHC搭載「25V」(5速AT)ベースの特別仕様車。
; 1995年10月
: 特別仕様車「25X」「30Mデポルテ」を設定。
; [[1996年]]1月
: 一部改良。全車に前席エアバッグとシートベルトプリテンショナーを標準化。メイングレードにはABSも装備。
; 1996年9月
: 2.5LのV6エンジン搭載のお買い得な特別仕様車「エスパーダ」を追加。
; [[1997年]]8月
; [[1997年]]8月
: マイナーチェンジ。1次改良型と呼ばれる。3.0Lの[[ガソリン直噴エンジン#三菱・GDI|GDI]]のみとなる。外装の変更点は下部ダクト付フロントバンパー、インナーメッシュのボディ同色アウターグリル、分割式テールランプ。
* マイナーチェンジ。
: この時[[三菱・シグマ|シグマ]]パトカーの後継として[[パトカー]]仕様が設定される。台数は少なく[[埼玉県警察|埼玉県警]]・[[静岡県警察|静岡県警]]・[[長崎県警察|長崎県警]]などでしか配備されておらず製造期間も2年弱と短く、[[三菱リコール隠し|欠陥隠し]]もあったために通常よりも早く姿を消した。耐久性を考慮してこのモデルにはGDIエンジンは搭載されていない。
* 3.0Lの[[ガソリン直噴エンジン|GDI]]のみとなる。外装の変更点は下部ダクト付フロントバンパー、インナーメッシュのボディ同色アウターグリル、分割式テールランプ。中期型と呼ばれる。
; 1997年10月
* この時[[三菱・シグマ|シグマ]]パトカーの後継として[[パトカー]]仕様が設定される。台数は少なく[[埼玉県警察本部|埼玉県警]]・[[静岡県警察本部|静岡県警]]・[[長崎県警察本部|長崎県警]]などでしか配備されておらず製造期間も2年弱と短く、[[三菱リコール隠し|リコール隠し]]もあったために通常よりも早く姿を消した。耐久性を考慮してこのモデルにはGDIエンジンは搭載されていない。
: ワゴンをフルモデルチェンジ(オーストラリアは[[4月]])。ボディ色はローランベージュIIPとグリーンストーンMの2種を設定。
: ハードトップにラグジュアリーな装備を充実した「Fair Way(フェアウェイ)セレクション」シリーズを追加。
; [[1999年]]9月
; [[1999年]]9月
: マイナーチェンジ。2次改良型と呼ばれる。GDIエンジンで2.5Lが復活(但しDOHC・MPI時代は5速だったATは4速となる)。同時にリアビューの意匠の変更によりテールランプの形状がL字型から縦型に変更。 
* マイナーチェンジ。
; [[2000年]]8月
* GDIを積んで2.5Lが復活。テールランプがS150型[[トヨタ・クラウンマジェスタ|マジェスタ]]風の縦型に変更された。
: 一部改良。サイドエアバッグとフォグランプを全車に標準化。フッ素樹脂クリア塗装に代えて、セラミッククリア塗装をオプション設定した。上級グレードには親水鏡面ドアミラー、トランクリッドオープン機能付きキーレスエントリーも装着した。
; 2000年11月
: ワゴンがESのみのモノグレードとなり、LSは廃止。ボディカラーもグリーンストーンのみとなった。
; 2001年
; 2001年
* 日本国外仕様のみマイナーチェンジ。フロントグリルの形状が変更された。
: 日本国外仕様のみマイナーチェンジ。フロントグリルの形状が変更された。
; 2001年10月
: ワゴンが販売終了。
; [[2002年]]10月
; [[2002年]]10月
* [[自動車排出ガス規制]]強化の煽りをけ3L/2.5Lエンジンから旧型の2.5L [[SOHC]]・6A13型エンジンにFF駆動、4ATのみとなり廉価版のEspadaと上級志向の25V-SEの2グレード整理。[[ナルディ]]製ウッドコンビステアリング&シフトノブが標準装備され、外装面ではヘッドライトインナーとグリルがクロームメッキ化される等リフレッシュされるものの、売りであったハイテク装備の殆どは消滅というコストダウンが見受けられる。後期型と呼ばれる。
: マイナーチェンジ。3次改良型と呼ばれる。[[自動車排出ガス規制]]強化の煽りを3L/2.5L GDIエンジンから旧型の6A13型2.5L [[SOHC]]エンジンに4速ATを組み合わせたFFのみとなり廉価版の「エスパーダ」と上級志向の25V-SEの2グレード整理。[[ナルディ]]製ウッドコンビステアリングホイール&シフトノブが標準装備され、外装面ではヘッドランプインナーとグリルがクロームメッキ化される等リファインされるものの、売りであったハイテク装備の殆どは消滅というコストダウンが見受けられる。
; [[2003年]]
; [[2003年]]
* 日本国外仕様のみマイナーチェンジ。
: 日本国外仕様のみマイナーチェンジ。ブーレイ顔が採用された
* ブーレイ顔が採用された。
; [[2004年]]11月
; [[2004年]]11月
: マイナーチェンジ。4次改良型、あるいは最終型と呼ばれる。内装色のグレー/ライトグレーを廃止し、ブラウン/ベージュもブラック/ベージュに変更。エアコン操作パネルが[[三菱・ランサー|ランサー]]等と共通のダイヤル式へ変更され、その位置もオーディオスペースの上から下となる。また[[三菱リコール隠し|不祥事]]等によりナルディ製のステアリングホイール&シフトノブが使えなくなったため、三菱内製品(ステアリングは初代プラウディア・ディグニティ用と同一品)へ変更。エスパーダは「25V」に改名。
* マイナーチェンジ。
; 2005年11月
* エアコンパネルが[[三菱・ランサー|ランサー]]等と共通のダイヤル式へ変更され、また不祥事等によりナルディ製のステアリングを使えなくなったため、三菱純正品へ変更。グレード名を25Vと25V-SEの2つへと整理。
: 生産終了。在庫分のみの対応となる。
; [[2005年]][[12月13日]]
; 2005年[[12月13日]]
* 国内での生産と販売を終了。
: 販売終了。日本国内向けは6代目ランサーに、海外向けは9代目ギャランに統合された。
{{-}}


==== 基本グレード ====
=== 基本グレード ===
; ハードトップ
* ディアマンテ
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* ディアマンテワゴン
; ワゴン
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437行目: 486行目:


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ファイル:Mitsubishi-Diamante-2nd 1999-rear.jpg|日本仕様 後期型(19999月-2005年)リア
1997-1999 Mitsubishi Diamante rear.jpg|1997改良型 SE-V リア
ファイル:2002-2003 Mitsubishi Diamante.jpg|日本国外仕様 2001年-2003年
file:Mitsubishi-Diamante-2nd 1999-rear.jpg|2002改良型 25V-SE リア
ファイル:04-Mitsubishi-Diamante.jpg|日本国外仕様 2003年-2005年
ファイル:1996-1999 Mitsubishi TE-TF Magna Altera LS station wagon 02.jpg|ワゴン(豪州仕様)
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== 車名の由来 ==
== 車名の由来 ==
[[ダイヤモンド]]を意味する[[スペイン語]]。[[三菱グループ]]の社章・[[スリーダイヤ]]に由来する。
[[ダイヤモンド]]を意味する[[スペイン語]]。[[三菱グループ]]の社章・[[スリーダイヤ]]に由来する。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
{{Reflist}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[三菱・シグマ]] - 姉妹車
{{Commons|Category:Mitsubishi Diamante}}
* [[三菱・シグマ]]
* [[三菱・ギャラン]]
* [[三菱・ギャラン]]
* [[三菱・チャレンジャー]] - 初代モデルのフロントグリルがディアマンテのものと酷似している。
* [[三菱・GTO]]
* [[三菱・マグナ]]
* [[三菱・マグナ]]
* [[ダイヤモンドカップゴルフ]] - 「三菱ギャラントーナメント」時代、副賞としてディアマンテが贈られていたことがあった。
* [[ヒュンダイ・XG]]

== 外部リンク ==
{{Commons|Category:Mitsubishi Diamante}}


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[[Category:日本の自動車メーカーの海外生産車種]]
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[[Category:日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞車]]<!--初代-->

2024年5月24日 (金) 11:47時点における最新版

ディアマンテDIAMANTE )は、三菱自動車工業がかつて製造・販売していた高級乗用車である。

概要

[編集]

開発当初は、日本国内向けハードトップ(ギャランΣハードトップの後継、5ナンバーサイズ)と日本国外用セダン(豪州マグナの後継、3ナンバーサイズ)の2種類を計画していたが、開発中に税制改正の時期等の情報をいち早く入手し、全車3ナンバーサイズのハードトップとして発売された(セダンは後にシグマとして登場)。これにより、競合他社(特に前年秋にアコードインスパイア/ビガーを発売したばかりのホンダ[注釈 1])を出し抜くことに成功した。

当時、上級小型車もしくはアッパーミドルクラスに属するセダンは、前出のホンダを除いて後輪駆動を採用するのが定番であったが、ディアマンテはギャランΣを踏襲したため前輪駆動となった。また、当時の高級セダンでは珍しく四輪駆動の設定があったことも特筆される。

ディアマンテの大ヒットに触発され、前輪駆動の3ナンバーサルーンは競合他社においてもトヨタ・ウィンダムマツダ・クロノス日産・セフィーロホンダ・アスコットイノーバ等が追従した。

初代(1990年-1997年)F10/F20/F07W(K45)系

[編集]
三菱・ディアマンテ(初代)
F10/F20/F07W(K45)系
エスパーダ(後期型)フロント
エスパーダ(後期型)リア
ワゴン 30R-SE(後期型)フロント
概要
販売期間 1990年5月 - 1997年(生産終了)
設計統括 山田尚之(乗用車商品開発室プロジェクトマネージャー)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアハードトップ
5ドアステーションワゴン
駆動方式 前輪駆動
四輪駆動
パワートレイン
エンジン 6G71 2.0L V型6気筒SOHC12バルブ(前期)
6A12 2.0L V型6気筒SOHC24バルブ(後期)
6G73 2.5L V型6気筒DOHC24バルブ
6G72(Y7) 3.0L V型6気筒SOHC12バルブ(ワゴン)
6G72 3.0L V型6気筒DOHC24バルブ
最高出力 2.0L 125ps/5,500rpm(前期)
2.0L 145ps/6,000rpm(後期)
2.5L 175ps/6,000rpm
3.0L 165ps/5,400rpm(SOHC)
3.0L 210ps/6,000rpm(DOHC)
最大トルク 2.0L 17.5kg・m/3,500rpm(前期)
2.0L 18.5kg・m/4,500rpm(後期)
2.5L 22.6kg・m/4,500rpm
3.0L 25.6kg・m/3,200rpm(SOHC)
3.0L 27.5kg・m/3,000rpm(DOHC)
変速機 4速AT
5速MT
サスペンション
マクファーソンストラット
ダブルウイッシュボーン
5リンクリジッドアクスル(ワゴン)
車両寸法
ホイールベース 2,720 mm
全長 4,740 mm
4,785 mm(ワゴン)
全幅 1,775 mm
1,780 mm(ワゴン)
全高 1,410 mm
1,515 mm(ワゴン)
車両重量 1,360-1,660 kg
系譜
先代 三菱・ギャランΣハードトップ
三菱・エテルナΣハードトップ
三菱・マグナワゴン
テンプレートを表示

1989年の第28回東京モーターショーに参考出品され、翌1990年5月にギャランΣ/エテルナΣハードトップの実質的な後継車として発売された。発売当初のキャッチコピーは「あのクルマとは違う。ファースト・ミディアムカー宣言」「やわらかな、深度。」、マイナーチェンジ後は「ミディアムカーのシナリオはディアマンテがつくる。」「面白くなってきた。」。

当時のBMW風な逆スラント型ノーズを持つスポーティなエクステリアに、マルチビジョンや三菱インテリジェントコックピットシステム、電子制御サスペンションに4WS等のハイテク装備を多数採用している。また、排気量2.0Lから4.0Lまでの自動車税の見直しに合わせ、税区分に合致する3種類のV型6気筒エンジン(3.0L、2.5L、2.0L)を投入し、比較的低い価格帯で前輪駆動と四輪駆動から選べた選択肢の広さもあり、ユーザーの好評を得て1990年-1991年日本カー・オブ・ザ・イヤーも獲得した。

1993年3月にはマグナワゴンの後継となるディアマンテワゴンが追加発売された。マグナワゴンに引き続き、豪州アデレードのオーストラリア三菱で現地生産される輸入車であり、本来の型式はF07Wであるが、車検証上の型式はK45となる。エンジンはハードトップと異なり、マグナワゴンの上級仕様であるベラーダと同じV6・3.0LのSOHC(エンジン型式は6G72。車検証上の型式はY7)を搭載する。また、リアサスペンションはカーゴスペースへの張り出しと荷重を考慮し、5リンク式を採用した。豪州生産ゆえに特殊部品も少なくなく、例えばルーフレールを固定するボルトはSSTを購入しないと外れない。欧州圏では「シグマコンビ」の名称で販売された。

GTOおよび3代目デボネアは本車がベースとなっている。

年表

[編集]
1990年5月
発売。
1990年8月
「30V 4WD」発売。
1990年9月
「30R-S」発売。
1990年11月
特装車「速度感応式スポイラー付」発売。
1991年6月
特別限定車「COTY受賞記念車」発売。
1991年10月
マイナーチェンジ。「25V-SE 4WD」を追加し「30V」を廃止。「30R-SE」「30R-S」にSRSエアバッグ採用。全車ハイマウントストップランプ標準化。
1992年1月
特別限定車「25V LIMITED」発売。
1992年3月
特別限定車「25E-SE」発売。
1992年10月
マイナーチェンジ。フロントバンパーのデザイン、フォグランプ(プロジェクタータイプ)、リヤコンビランプのデザイン変更。エアコンの代替フロン化、2.0LエンジンをSOHC24バルブ、145馬力6A12型に置き換え、ATファジィ制御化などが主な変更点。「25V-S」、「25E 4WD」を追加。
1993年1月
特別仕様車「25V-S LIMITED」発売。
1993年3月
ディアマンテワゴンを追加。ボディカラーはアスペングリーンとストラトグレーの2色。
1993年5月
ハードトップの特別限定車「25E LIMITED」発売。
1993年11月
ハードトップをマイナーチェンジ。フロントのボディカラー同色グリル、マルチリフレクターのヘッドランプを変更。廉価グレードのEシリーズをベースに「エスパーダ」シリーズを発売[注釈 2]。コストダウンのための設計変更という意味合いが大きく、パトカー用を除きMT車の設定が廃止された他、装備品や内装を中心とした見直しが行われる。
1994年11月
ワゴンをマイナーチェンジ。本革シートやAVシステム、サンルーフなどを省いて価格を約90万円引き下げた「30V」を追加した。従来のベースグレードは「30R-SE」とグレード名を変え、運転席SRSエアバッグABSが追加された[注釈 3]
1994年12月
ハードトップが2代目へフルモデルチェンジして生産終了するが、ワゴンは初代の販売を継続。
1995年8月
ワゴンをマイナーチェンジ。ボディカラーのアスペングリーンが濃色系であるインカグリーンに変更され、マルチパラボラ型ヘッドランプや新デザインのリヤガーニッシュなどを新たに採用した。
1997年10月
ワゴンが2代目へフルモデルチェンジして生産終了。

基本グレード

[編集]
ハードトップ
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 価格
20E 1990年5月-1992年9月 6G71 V型6気筒SOHC12バルブ 1,998cc 125ps/5,500rpm 17.5kg・m/3,500rpm 5MT FF 10.4km/l 1,998,000円
4AT 9.3km/l 2,095,000円
1992年10月-1994年12月 6A12 V型6気筒SOHC24バルブ 1,998cc 145ps/6,000rpm 18.5kg・m/4,500rpm 5MT 12.0km/l 2,182,000円
4AT 10.4km/l 2,279,000円
25E 1990年5月-1994年12月 6G73 V型6気筒DOHC24バルブ 2,497cc 175ps/6,000rpm 22.6kg・m/4,500rpm 5MT FF 9.8km/l 2,355,000円
4AT 9.7km/l 2,452,000円
25V 9.7km/l 2,758,000円
4WD 8.8km/l 2,981,000円
25V-SE FF 9.2km/l 3,050,000円
30R 6G72 V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 210ps/6,000rpm 27.5kg・m/3,000rpm 4AT FF 8.8km/l 3,206,000円
4WD 8.4km/l 3,611,000円
30R-SE FF 8.8km/l 3,914,000円
4WD 8.4km/l 4,319,000円
ワゴン
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 価格
ベースグレード 1993年03月-1994年10月 6G72 V型6気筒SOHC12バルブ 2,972cc 165ps/5,400rpm 25.6kg・m/3,200rpm 4AT FF ??km/l 3,450,000円
30V 1994年11月-1997年10月 2,490,000円
30R-SE 3,380,000円

2代目(1995年-2005年)F30/F40系

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三菱・ディアマンテ(2代目)
F30/F40系
1997年改良型 SE-V フロント
2002年改良型 25V-SE フロント
ワゴン フロント
概要
販売期間 1995年1月 - 2005年12月
デザイン 仲西昭徳
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアハードトップ
5ドアステーションワゴン
駆動方式 前輪駆動
四輪駆動
パワートレイン
エンジン 4G64 2.4L 直列4気筒SOHC16バルブ(豪州仕様)
6G73 2.5L V型6気筒SOHC24バルブ
6G73 2.5L V型6気筒DOHC24バルブ
6G73 2.5L V型6気筒DOHC24バルブ(GDI)
6A13 2.5L V型6気筒SOHC24バルブ
6G72 3.0L V型6気筒SOHC24バルブ
6G72 3.0L V型6気筒DOHC24バルブ (GDI/MIVEC)
6G74 3.5L V型6気筒SOHC24バルブ(豪州・北米仕様)
最高出力 2.4L 147ps/5,000rpm(豪州仕様)
2.5L 175ps/5,500rpm
2.5L 200ps/6,000rpm
2.5L 200ps/6,000rpm (GDI)
2.5L 170ps/5,500rpm
3.0L 200ps/5,500rpm (SOHC)
3.0L 230ps/6,000rpm (DOHC)
3.0L 240ps/5,750rpm (GDI)
3.0L 270ps/7,000rpm (MIVEC)
3.5L 210ps/6,000rpm (豪州・北米仕様)
最大トルク 2.4L 21.0kg・m/2,750rpm(豪州仕様)
2.5L 23.0kg・m/4,500rpm
2.5L 24.5kg・m/5,000rpm
2.5L 25.5kg・m/3,500rpm (GDI)
2.5L 23.0kg・m/4,500rpm
3.0L 28.0kg・m/4,500rpm (SOHC)
3.0L 29.2kg・m/5,000rpm (DOHC)
3.0L 31.0kg・m/3,500rpm (GDI)
3.0L 30.7kg・m/4,500rpm (MIVEC)
3.5L 35.0kg・m/4,000rpm (豪州・北米仕様)
変速機 INVECS-II 4AT
INVECS-II 5AT
5速MT(豪州・北米仕様)
F マルチリンク式
R マルチリンク式
F マルチリンク式
R マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,720 mm
全長 4,785 mm
4,810 mm(ワゴン)
全幅 1,785 mm
全高 1,435 mm
1,500 mm(ワゴン)
系譜
後継 日本:三菱・ランサー(6代目)へ統合
海外:三菱・ギャラン(9代目)へ統合
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1995年1月にモデルチェンジ。三菱自動車工業のサイト内などでは、先代と区別するためにしばしば「ニューディアマンテ」と表現されている。キャッチコピーは「THE FIRST RUN」。

イメージ的には初代のキープコンセプトだが、フロントノーズが逆スラントからやや垂直になりテールランプもL型になった。また、Cd値0.28を実現しながら、ゆとりある居住空間を確保していた。駆動方式は初代同様に前輪駆動と四輪駆動を設定。衝突安全ボディー「RISE」を採用し安全性を高めた。

MIVEC機構を搭載した270psの6G72エンジンを積んだ30M/30M-SE、DOHC24バルブ230ps・6G72型を搭載する30R/30R-SE。2.5LはDOHC24バルブ200ps・6G73型の25V/25V-SE。省燃費MVV仕様SOHC24バルブ175ps・6G73型レギュラーガソリン仕様の25S/25Eの、あわせて2種類4タイプのエンジンがラインナップされていた。なお、初代にあった2.0Lエンジン仕様は廃止された。

ハイテク装備と安全装備はより洗練され、GPSカーナビゲーションには音声ガイドが付き、連動レーザーレーダークルーズコントロール(カタログではプレビューディスタンスコントロールの名称)、ハイコントラストメーター、マニュアルモード付き5速ATなどが導入され、バブル崩壊後に登場した車種の中では充実度が高かった。

ワゴンはハードトップからやや遅れて1997年10月(オーストラリアのみ同年4月)にモデルチェンジされた。当初はベースモデルともいえる「ES」とナルディ製ステアリング&シフトノブ、本革シート、ハイコントラストメーターなどを追加した「LS」の2グレード体制であった。エンジンは初代のワゴンと同じV6・3000のSOHCエンジンでリアサスペンションも5リンク式であったが、オートマチックは4速からマニュアルモード付きの5速に変更されている。

年表

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1995年1月
フルモデルチェンジして販売開始。
1995年6月
特別仕様車「ナビゲーションスペシャル」を設定。CDオーディオに加え、ナビゲーションシステムを装着した、2.5L V6DOHC搭載「25V」(5速AT)ベースの特別仕様車。
1995年10月
特別仕様車「25X」「30Mデポルテ」を設定。
1996年1月
一部改良。全車に前席エアバッグとシートベルトプリテンショナーを標準化。メイングレードにはABSも装備。
1996年9月
2.5LのV6エンジン搭載のお買い得な特別仕様車「エスパーダ」を追加。
1997年8月
マイナーチェンジ。1次改良型と呼ばれる。3.0LのGDIのみとなる。外装の変更点は下部ダクト付フロントバンパー、インナーメッシュのボディ同色アウターグリル、分割式テールランプ。
この時シグマパトカーの後継としてパトカー仕様が設定される。台数は少なく埼玉県警静岡県警長崎県警などでしか配備されておらず製造期間も2年弱と短く、欠陥隠しもあったために通常よりも早く姿を消した。耐久性を考慮してこのモデルにはGDIエンジンは搭載されていない。
1997年10月
ワゴンをフルモデルチェンジ(オーストラリアは4月)。ボディ色はローランベージュIIPとグリーンストーンMの2種を設定。
ハードトップにラグジュアリーな装備を充実した「Fair Way(フェアウェイ)セレクション」シリーズを追加。
1999年9月
マイナーチェンジ。2次改良型と呼ばれる。GDIエンジンで2.5Lが復活(但しDOHC・MPI時代は5速だったATは4速となる)。同時にリアビューの意匠の変更によりテールランプの形状がL字型から縦型に変更。 
2000年8月
一部改良。サイドエアバッグとフォグランプを全車に標準化。フッ素樹脂クリア塗装に代えて、セラミッククリア塗装をオプション設定した。上級グレードには親水鏡面ドアミラー、トランクリッドオープン機能付きキーレスエントリーも装着した。
2000年11月
ワゴンがESのみのモノグレードとなり、LSは廃止。ボディカラーもグリーンストーンのみとなった。
2001年
日本国外仕様のみマイナーチェンジ。フロントグリルの形状が変更された。
2001年10月
ワゴンが販売終了。
2002年10月
マイナーチェンジ。3次改良型と呼ばれる。自動車排出ガス規制強化の煽りを受け、3L/2.5L GDIエンジンから旧型の6A13型2.5L SOHCエンジンに4速ATを組み合わせたFF車のみとなり、廉価版の「エスパーダ」と上級志向の「25V-SE」の2グレードに整理。ナルディ製ウッドコンビステアリングホイール&シフトノブが標準装備され、外装面ではヘッドランプインナーとグリルがクロームメッキ化される等リファインされるものの、売りであったハイテク装備の殆どは消滅というコストダウンが見受けられる。
2003年
日本国外仕様のみマイナーチェンジ。ブーレイ顔が採用された。
2004年11月
マイナーチェンジ。4次改良型、あるいは最終型と呼ばれる。内装色のグレー/ライトグレーを廃止し、ブラウン/ベージュもブラック/ベージュに変更。エアコン操作パネルがランサー等と共通のダイヤル式へ変更され、その位置もオーディオスペースの上から下となる。また不祥事等によりナルディ製のステアリングホイール&シフトノブが使えなくなったため、三菱内製品(ステアリングは初代プラウディア・ディグニティ用と同一品)へ変更。エスパーダは「25V」に改名。
2005年11月
生産終了。在庫分のみの対応となる。
2005年12月13日
販売終了。日本国内向けは6代目ランサーに、海外向けは9代目ギャランに統合された。

基本グレード

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ハードトップ
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 価格
25E 1995年01月-1997年8月 6G73 V型6気筒SOHC24バルブ 2,497cc 175ps/5,500rpm 23.0kg・m/4,500rpm 4AT FF 11.2km/l 2,294,000円
25VtypeS 1995年01月-1996年01月 V型6気筒DOHC24バルブ 200ps/6,000rpm 24.5kg・m/5,000rpm 5AT 9.8km/l 2,526,000円
25V 1995年01月-1997年8月、2004年11月-2005年12月 2,646,000円
25S 1995年01月-1997年8月 6G73 V型6気筒SOHC24バルブ 2,497cc 175ps/5,500rpm 23.0kg・m/4,500rpm 4AT FF 11.2km/l 2,546,000円
1995年01月-1997年8月 4WD 10.0km/l 2,846,000円
25V-SE 1995年01月-1997年8月、1999年9月-2005年12月 6G73 V型6気筒DOHC24バルブ 2,497cc 200ps/6,000rpm 24.5kg・m/5,000rpm 5AT FF 9.8km/l 2,998,000円
1995年01月-1997年8月、1999年9月-2002年10月 4WD 8.9km/l 3,248,000円
30M 1995年01月-1997年8月 6G72(MIVEC) V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 270ps/7,000rpm 30.7kg・m/4,500rpm 5AT FF 9.2km/l 3,178,000円
30R 1995年01月-1997年8月、1999年9月-2002年10月 6G72 V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 230ps/6,000rpm 29.2kg・m/5,000rpm 5AT FF 9.4km/l 3,298,000円
4WD 8.5km/l 3,578,000円
30M-SE 1995年01月-1997年8月 6G72(MIVEC) V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 270ps/7,000rpm 30.7kg・m/4,500rpm 5AT FF 9.2km/l 3,862,000円
30R-SE 1995年01月-1997年8月、1999年9月-2002年10月 6G72 V型6気筒DOHC24バルブ 2,972cc 230ps/6,000rpm 29.2kg・m/5,000rpm 5AT FF 9.4km/l 3,868,000円
4WD 8.5km/l 4,408,000円
ワゴン
グレード 製造年 エンジン型式 エンジン 排気量 最大出力 最大トルク 変速機 駆動方式 燃費 価格
ES 1997年10月-2001年10月 6G72 V型6気筒SOHC24バルブ 2,972cc 200ps/5,500rpm 28.0kg・m/4,500rpm 5AT FF 8.6km/l 2,625,000円
LS 1997年10月-2000年11月 3,248,000円

車名の由来

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ダイヤモンドを意味するスペイン語三菱グループの社章・スリーダイヤに由来する。

脚注

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注釈

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  1. ^ 当時の通産省とは特振法の一件で宗一郎時代から折り合いが悪かったとされる。その影響か、両車は3ナンバーボディを追加するには約2年後のマイナーチェンジまで待たなければならないというタイミングの悪さでの発売であった。
  2. ^ それ以前にもC60/70系ランサーの1600ccのバリュー仕様で「エスパーダ」というグレード名が使用された。
  3. ^ 「30R-SE」はABSを装備したため、フロントのブレーキパッドが「30V」と異なる

出典

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関連項目

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外部リンク

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