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'''地球環境問題'''(ちきゅうかんきょうもんだい)とは、[[環境問題]]の一種で、問題の発生源や[[被害]]が特に広域的な、[[地球]]規模のものを指す。 |
'''地球環境問題'''(ちきゅうかんきょうもんだい)とは、[[環境問題]]の一種で、問題の発生源や[[被害]]が特に広域的な、[[地球]]規模のものを指す。人間活動の影響力の増大によって、環境変化を自然が修復できなくなることによって発生する{{sfn|松岡ほか|2007|p=2}}。 |
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== 主要例 == |
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環境問題の一部は、[[ごみ問題]]、局地的な[[公害]]のように、[[国]]やその一部[[地域]]内で発生し、比較的完結したものに留まる。これに対し、[[地球温暖化]]、[[オゾン層破壊]]、[[酸性雨]]のように、発生源や被害地が必ずしも一定地域に限定できないものがある。このような問題が主に地球環境問題に該当する。 |
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* [[大気汚染]]・[[酸性雨]] |
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== 主な地球環境問題 == |
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主な地球環境問題として、次のようなものがしばしば挙げられる。 |
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[[窒素]]・[[リン]]や[[有機物]]を原因とする[[富栄養化]]で水質汚染が発生する。この原因は1960 - 70年代では工業排水であったが、現在は生活排水である{{sfn|松岡ほか|2007|pp=48-49}}。 |
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* [[オゾン層破壊]] |
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排出された[[フロンガス]]が[[成層圏]]に蓄積することで[[紫外線]]と[[光反応|光化学反応]]を起こし、生成した[[塩素]]原子が[[オゾン]]を破壊する{{sfn|松岡ほか|2007|p=3}}。 |
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* [[フロンガス]]の排出による[[オゾン層破壊]]。 |
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* [[地球温暖化]]・[[海面上昇]]・[[凍土融解]] |
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[[二酸化炭素]]等の[[温室効果ガス]]の放出などによる。 |
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* [[生物多様性]]の減退・[[生態系]]の破壊 |
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狩猟や[[開発]]などに伴う。 |
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* [[自然]]への影響を考えない土地の開発、[[植林]]を考慮しない大規模な[[森林]]の伐採。 |
* [[自然]]への影響を考えない土地の開発、[[植林]]を考慮しない大規模な[[森林]]の伐採。 |
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== 問題点 == |
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これらにおいて、環境への影響が国境を越えて波及する点も、大きな問題の一つである。ある国内で[[環境保護]]のための法整備を進めても、他国での[[環境破壊]]行為によって[[環境被害]]を受けることもあるため、地球環境問題は国際的な枠組みでの対策を必要とするのである。 |
これらにおいて、環境への影響が国境を越えて波及する点も、大きな問題の一つである。ある国内で[[環境保護]]のための法整備を進めても、他国での[[自然破壊|環境破壊]]行為によって[[環境被害]]を受けることもあるため、地球環境問題は国際的な枠組みでの対策を必要とするのである。 |
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* [[河川]]の上流地域(例:[[ネパール]])で森林を伐採することにより、上流の山が保水力を失い、下流(例:[[バングラデシュ]]、[[コルカタ|カルカッタ]]など)で[[洪水]]が発生する。 |
* [[河川]]の上流地域(例:[[ネパール]])で森林を伐採することにより、上流の山が保水力を失い、下流(例:[[バングラデシュ]]、[[コルカタ|カルカッタ]]など)で[[洪水]]が発生する。 |
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* 旧[[東ヨーロッパ|東欧]]諸国での、無害化が不十分な排煙によって、[[ヨーロッパ|欧州]]全体に[[酸性雨]]被害が発生する。 |
* 旧[[東ヨーロッパ|東欧]]諸国での、無害化が不十分な排煙によって、[[ヨーロッパ|欧州]]全体に[[酸性雨]]被害が発生する。 |
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* [[先進国]]での[[二酸化炭素]]排出が[[地球温暖化]]を招くことで、[[島嶼]]諸国が[[海面上昇]]による水没の危機にさらされる。 |
* [[先進国]]での[[二酸化炭素]]排出が[[地球温暖化]]を招くことで、[[島嶼]]諸国が[[海面上昇]]による水没の危機にさらされる。 |
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== 出典 == |
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== 地球環境問題解決への課題 == |
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<references /> |
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地球環境問題は、'''人類に課せられた最重要かつ至難の課題'''であるといわれる。その理由を列挙すると、 |
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* 問題があまりにも広範かつ多岐にわたり、かつ複雑であること。 |
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== 参考文献 == |
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* したがって、問題に関しての因果関係や有効な対策が十分に把握されていないこと。 |
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* {{Citation|和書|editor=松岡憲知・田中博・杉田倫明・村山祐司・手塚章・恩田裕一|year=2007|title=地球環境学―地球環境を調査・分析・診断するための30章―|publisher=古今書院|isbn=978-4-7722-5203-4|ref={{Sfnref|松岡ほか|2007}}}} |
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* 単に表面的な対策だけでは解決不可能で、個人の[[倫理観]]や[[ライフスタイル]]の問題にまで踏み込んで考えなければならないこと。 |
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* 問題に対する各国の利害が一致せず、特に[[先進国]]と[[発展途上国]]との利害対立が大きいこと。 |
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* 地球の人口増加や経済発展と密接な関係があり、しかもそれらと両立させながら解決を図らなくてはならないこと。 |
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* 一般にはまださほど切実な問題とは受け止められておらず、しかしながら対策が遅れれば'''かけがえのない地球'''を回復不能な状態にまで損なう危険性があること。 |
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* [http://www.eic.or.jp EICネット] - 環境情報案内・交流サイト。 |
* [http://www.eic.or.jp EICネット] - 環境情報案内・交流サイト。 |
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* [http://www.worldwatch-japan.org/NEWS/reportindex.htm レポート一覧 | WorldWatch Japan(WWJ)] |
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2023年12月28日 (木) 07:06時点における最新版
地球環境問題(ちきゅうかんきょうもんだい)とは、環境問題の一種で、問題の発生源や被害が特に広域的な、地球規模のものを指す。人間活動の影響力の増大によって、環境変化を自然が修復できなくなることによって発生する[1]。
主要例
[編集]窒素・リンや有機物を原因とする富栄養化で水質汚染が発生する。この原因は1960 - 70年代では工業排水であったが、現在は生活排水である[2]。
排出されたフロンガスが成層圏に蓄積することで紫外線と光化学反応を起こし、生成した塩素原子がオゾンを破壊する[3]。
狩猟や開発などに伴う。
問題点
[編集]これらにおいて、環境への影響が国境を越えて波及する点も、大きな問題の一つである。ある国内で環境保護のための法整備を進めても、他国での環境破壊行為によって環境被害を受けることもあるため、地球環境問題は国際的な枠組みでの対策を必要とするのである。
- 河川の上流地域(例:ネパール)で森林を伐採することにより、上流の山が保水力を失い、下流(例:バングラデシュ、カルカッタなど)で洪水が発生する。
- 旧東欧諸国での、無害化が不十分な排煙によって、欧州全体に酸性雨被害が発生する。
- 先進国での二酸化炭素排出が地球温暖化を招くことで、島嶼諸国が海面上昇による水没の危機にさらされる。
出典
[編集]参考文献
[編集]- 松岡憲知・田中博・杉田倫明・村山祐司・手塚章・恩田裕一 編『地球環境学―地球環境を調査・分析・診断するための30章―』古今書院、2007年。ISBN 978-4-7722-5203-4。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 地球環境 | 外務省
- EICネット - 環境情報案内・交流サイト。
- レポート一覧 | WorldWatch Japan(WWJ)