コンテンツにスキップ

「ピート・ケー」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
Abzeronow によってCommonsから削除された Improv_Themes_1953.png を除去。理由: per c:Commons:Deletion requests/File:Improv Themes 1953.png.
 
(5人の利用者による、間の6版が非表示)
1行目: 1行目:
{{Infobox Musician <!--Wikipedia:ウィキプロジェクト 音楽家を参照-->
{{Infobox Musician <!--Wikipedia:ウィキプロジェクト 音楽家を参照-->
| Name = ピーター・ウィリアム・ケー
| Name = ピー・ケー
| Img = PietKee.jpg
| Img = PietKee.jpg
| Img_capt =
| Img_capt =
12行目: 12行目:
| School_background = [[アムステルダム音楽院|スウェーリンク音楽院]]
| School_background = [[アムステルダム音楽院|スウェーリンク音楽院]]
| Died = {{死亡年月日と没年齢|1927|8|30|2018|5|25}}
| Died = {{死亡年月日と没年齢|1927|8|30|2018|5|25}}
| Origin = {{NED}}[[ザーンダム]]
| Origin = {{NED}}[[ザーンダム]]
| Instrument = [[オルガン]]
| Instrument = [[オルガン]]
| Genre = [[クラシック音楽]]
| Genre = [[クラシック音楽]]
25行目: 25行目:
| Past_members = <!-- グループのみ -->
| Past_members = <!-- グループのみ -->
| Notable_instruments =
| Notable_instruments =
}}   
}}
{{Portal クラシック音楽}}
{{Portal クラシック音楽}}
'''ピーター・ウィリアム・ケー'''({{lang-nl|Pieter William Kee}}、[[1927年]][[8月30日]] - [[2018年]][[5月25日]])は、[[オランダ]]の[[オルガニスト]]、[[作曲家]]。
'''ピーテル・ウィリアム'''('''ピート''')'''・ケー'''({{lang|nl|Pieter William "Piet" Kee}}、[[1927年]][[8月30日]] - [[2018年]][[5月25日]])は、[[オランダ]]の[[オルガニスト]]、[[作曲家]]。


== 来歴 ==
== 来歴 ==
オランダ[[ザーンダム]]生まれ。スウェーリンク音楽院(現[[アムステルダム音楽院]])にて[[オルガン]]、[[ピアノ]]、[[作曲]]を学び、最優秀賞(Prix d<nowiki>'</nowiki>Excellence)を得て卒業。
オランダ[[ザーンダム]]生まれ。スウェーリンク音楽院(現[[アムステルダム音楽院]])にて[[オルガン]]、[[ピアノ]]、[[作曲]]を学び、最優秀賞 (Prix d<nowiki>'</nowiki>Excellence) を得て卒業する


=== 即興コンクールでの優勝 ===
=== 即興コンクールでの優勝 ===
[[1953年]]、[[ハールレム|ハーレム]]で開かれたオルガン即興コンクールにおいて、彼は[[アントン・ハイラー]]と[[カール・リヒター]]という人の大オルガニストをえて優勝した。課題は、[[アドリアーン・エンゲルス]]の作曲した[[主題]]によって3楽章による楽曲を即興で演奏するというものであった。
[[1953年]]、[[ハールレム]]で開かれたオルガン即興コンクールにおいて、[[アントン・ハイラー]]と[[カール・リヒター]]という2人の大オルガニストをおさえて優勝した。課題は、[[アドリアーン・エンゲルス]]の作曲した[[主題 (音楽)|主題]]によって3楽章による楽曲を[[即興演奏|即興]]で演奏するというものであった。
[[ファイル:Improv Themes 1953.png|thumb|right|1953年ハーレム国際オルガン即興コンクール課題]]
主題は各演奏者に、演奏の1時間前にそれぞれ手渡された。主題と各楽章の内容の指示は以下の通り。
主題は各演奏者に、演奏の1時間前にそれぞれ手渡された。主題と各楽章の内容の指示は以下の通り。
# 主題ⅠとⅡを用いた[[ソナタ]]
# 主題ⅠとⅡを用いた[[ソナタ]]
# 自由な形式による[[間奏曲]]
# 自由な形式による[[間奏曲]]
# 主題Ⅲによる[[フィナーレ]]
# 主題Ⅲによるフィナーレ

この後、[[1954年]]、[[1955年]]と連続して3度優勝を果たしている数少ない奏者である。
この後、[[1954年]]、[[1955年]]と連続して3度優勝を果たしている数少ない奏者である。


=== その後 ===
=== その後 ===
1954年から1988年まで[[アムステルダム]]の[[ミュージック・リセウム]]と[[アムステルダム音楽院|スウェーリンク音楽院]]にて教鞭をとるほか、オルガニストのためのハーレム国際夏期講習会で定期的に講師を務めた。1952年から1987年まで[[アルクマール]]の[[聖ラウレンス教会]]のオルガニスト1956年から1989年までハーレム市オルガニストとして、[[聖バーヴォ大教会]]の世界的に知られる[[クリスチャン・ミュラー]]製オルガンの常任奏者を務めた。
1954年から1988年まで[[アムステルダム]]の[[ミュージック・リセウム]]と[[アムステルダム音楽院|スウェーリンク音楽院]]にて教鞭をとるほか、オルガニストのためのハーレム国際夏期講習会で定期的に講師を務めた。1952年から1987年まで[[アルクマール]]の[[聖ラウレンス教会]]のオルガニスト1956年から1989年までハーレム市オルガニストとして、[[聖バーヴォ大教会]]の世界的に知られる[[クリスチャン・ミュラー]]製オルガンの常任奏者を務めた。


[[即興演奏]]の技術は卓越したものであり、オルガンによる即興のコンクールで頻繁に審査員を務めている。
[[即興演奏]]の技術は卓越したものであり、オルガンによる即興のコンクールで頻繁に審査員を務めている。


作曲家としても、定期的に新しい作品を発表している。近年の作品の中には、2006年3月に[[トーマス・トロッター]]によって初演されたハーレム協奏曲などがある。
作曲家としても、定期的に新しい作品を発表している。近年の作品の中には、2006年3月に[[トーマス・トロッター]]によって初演されたハーレム協奏曲などがある。


[[1988年]]には[[オリヴィエ・メシアン]]とともに、[[王立音楽大学]]のオルガン名誉研究員号を授与された。
[[1988年]]には[[オリヴィエ・メシアン]]とともに、[[王立音楽大学]]のオルガン名誉研究員号を授与された。
54行目: 52行目:


== 作品 ==
== 作品 ==
以下の一覧は作品の一部である。[[ベーレンライター出版社|ベーレンライター]]、[[ペータース |ペータース]]などから出版されている。
以下の一覧は作品の一部である。[[ベーレンライター出版社|ベーレンライター]]、[[ペータース (出版社)|ペータース]]などから出版されている。


=== オルガン作品 ===
=== オルガン作品 ===
* 詩編86編によるトリプティック([[1960年]])
* 詩編86編によるトリプティック([[1960年]])
* '''二つのオルガン作品'''([[1962年]])
* 二つのオルガン作品([[1962年]])
# 「目覚めよ」によるファンタジア
# 「目覚めよ」によるファンタジア
# 受難のコラール
# 受難のコラール
* 手鍵盤のための4つの小品([[1966年]])
* 手鍵盤のための4つの小品([[1966年]])
* 3つのオランダの歌に基づいた[[ヴァレリウス]]への頌歌Gedenck-Clanck 76([[1976年]])
* 3つのオランダの歌に基づヴァレリウスへの頌歌Gedenck-Clanck 76([[1976年]])
* ビオス(7楽章)([[1995年]])
* ビオス(7楽章)([[1995年]])
* [[ペーター・サーンレダム]]の絵画によるThe Organ([[2000年]])
* [[ペーター・サーンレダム]]の絵画によるThe Organ([[2000年]])


=== 他の楽器とオルガンの室内楽作品 ===
=== 他の楽器とオルガンの室内楽作品 ===
* 2つのオルガンと3つのトランペットおよび2つのトロンボーンのための音楽と空間([[1969年]])
* 2つのオルガンと3つのトランペットおよび2つのトロンボーンのための音楽と空間([[1969年]])
* 教会オルガンと3つのストリートオルガンのためのコンフロンテーション([[1979年]])
* 教会オルガンと3つのストリートオルガンのためのコンフロンテーション([[1979年]])
* オルガンと小オルガンまたは電子鍵盤、アルトサクソフォーンおよびソプラノリコーダーのためのネットワーク([[1996年]])
* オルガンと小オルガンまたは電子鍵盤、アルトサクソフォーンおよびソプラノリコーダーのためのネットワーク([[1996年]])
* オルガンと4つの小オルガンのためのフェスティヴァル・スピリット(イギリス聖オーバンス国際オルガン音楽祭コンクール審査委員会委嘱)([[2001年]])
* オルガンと4つの小オルガンのためのフェスティヴァル・スピリット(イギリス聖オーバンス国際オルガン音楽祭コンクール審査委員会委嘱)([[2001年]])
* オルガンと独奏ヴァイオリンおよび打楽器のためのビオスII([[2002年]])
* オルガンと独奏ヴァイオリンおよび打楽器のためのビオスII([[2002年]])
* オルガンとオーケストラのためのハーレム協奏曲(オーケストラは管楽合奏、アルトサクソフォーン、テナーサクソフォーン、コントラバス、打楽器およびハルモニウム)([[2005年]])
* オルガンとオーケストラのためのハーレム協奏曲(オーケストラは管楽合奏、アルトサクソフォーン、テナーサクソフォーン、コントラバス、打楽器およびハルモニウム)([[2005年]])


=== 合唱作品 ===
=== 合唱作品 ===
* 混声合唱と独唱(ソプラノ・アルト・テノール・バス)および任意の通奏低音のための世界(詩・[[ヘンリー・ヴォーン]])([[1999年]])
* 混声合唱と独唱(ソプラノ・アルト・テノール・バス)および任意の通奏低音のための世界(詩・[[ヘンリー・ヴォーン]])([[1999年]])
* 無伴奏混声合唱と2ソプラノ独唱のための天国(詩・[[ジョージ・ハーバート]])([[2000年]])
* 無伴奏混声合唱と2ソプラノ独唱のための天国(詩・[[ジョージ・ハーバート]])([[2000年]])


=== カリヨン作品 ===
=== カリヨン作品 ===
* '''[[フランス・ハルス]]組曲'''([[1990年]])
* [[フランス・ハルス]]組曲([[1990年]])
# 音の大きな曲
# 音の大きな曲
# ユディス・レスターのためのサラバンド
# ユディス・レスターのためのサラバンド
86行目: 84行目:


=== その他 ===
=== その他 ===
* フルート独奏のための飛行([[1992年]])
* フルート独奏のための飛行([[1992年]])
* ヴァイオリンとピアノのためのアップ・ボウ([[1997年]])
* ヴァイオリンとピアノのためのアップ・ボウ([[1997年]])
* リード楽器五重奏のための([[2000年]])
* リード楽器五重奏のための([[2000年]])
* ハルモニウムとオルガンのためのセルヴス([[2006年]])
* ハルモニウムとオルガンのためのセルヴス([[2006年]])


== 録音 ==
== 録音 ==
初期の録音は[[テレフンケン]]、[[HMV]]、[[フィリップス・レコード|フィリップス]]およびGuild labelsでされたものである.
初期の録音は[[テレフンケン]]、[[HMV]]、[[フィリップス・レコード|フィリップス]]およびGuild labelsでされたものである.


[[1989年]]からは、[[シャンドス]]・レーベルから11の録音が発表されている。それらは[[ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク|スウェーリンク]]、[[ヨハン・パッヘルベル|パッヘルベル]]、[[ブルーンス]]、[[ディートリヒ・ブクステフーデ|ブクステフーデ]]、[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ|バッハ]]、[[フェリックス・メンデルスゾーン|メンデルスゾーン]]、[[セザール・フランク|フランク]]、[[アラン]]、[[マックス・レーガー|レーガー]]、[[パウル・ヒンデミット|ヒンデミット]]、[[ヘンドリク・アンドリーセン|アンドリーセン]]、[[オリヴィエ・メシアン|メシアン]]の作品を、[[ハールレム|ハーレム]]の[[聖バーヴォ教会]]、[[アルクマール]]の[[聖ラウレンス教会]]、[[デンマーク]]の[[ロスキルデ大聖堂]]、[[ヴァイガルテン]]の大聖堂、[[フローニンゲン]]の[[マルティーニ教会]]および[[アムステルダム]]の[[コンセルトヘボウ]]などの著名なヨーロッパの楽器で録音したものである。これらの録音のいくつかは現在、[[MP3]]形式でダウンロードできるようになっている。
[[1989年]]からは、[[シャンドス]]・レーベルから11の録音が発表されている。それらは[[ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク|スウェーリンク]]、[[ヨハン・パッヘルベル|パッヘルベル]]、[[ブルーンス]]、[[ディートリヒ・ブクステフーデ|ブクステフーデ]]、[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ|バッハ]]、[[フェリックス・メンデルスゾーン|メンデルスゾーン]]、[[セザール・フランク|フランク]]、[[アラン]]{{要曖昧さ回避|date=2020年5月}}、[[マックス・レーガー|レーガー]]、[[パウル・ヒンデミット|ヒンデミット]]、[[ヘンドリク・アンドリーセン|アンドリーセン]]、[[オリヴィエ・メシアン|メシアン]]の作品を、[[ハールレム|ハーレム]]の[[聖バーヴォ教会]]、[[アルクマール]]の[[聖ラウレンス教会]]、[[デンマーク]]の[[ロスキルデ大聖堂]]、[[ヴァイガルテン]]の大聖堂、[[フローニンゲン]]の[[マルティーニ教会]]および[[アムステルダム]]の[[コンセルトヘボウ]]などの著名なヨーロッパの楽器で録音したものである。これらの録音のいくつかは現在、[[MP3]]形式でダウンロードできるようになっている。


== 著作 ==
== 著作 ==
* バッハのパッサカリアの秘密([[1983年]]6月、仏・[[ディアパゾン]]誌)
* バッハのパッサカリアの秘密([[1983年]]6月、仏・[[ディアパゾン]]誌)
* ブクステフーデのパッサカリアにおける天文学([[1984年]]、[[アルス・オルガニ]]誌)(再版[[2007年]]8月、[[オルガニスト・レビュー]]誌)
* ブクステフーデのパッサカリアにおける天文学([[1984年]]、[[アルス・オルガニ]]再版[[2007年]]8月、[[オルガニスト・レビュー]]誌)
* パッサカリアとシャコンヌにおける数と象徴主義([[1988年]]、[[ジョン・ルースモア協会]])
* パッサカリアとシャコンヌにおける数と象徴主義([[1988年]]、[[ジョン・ルースモア協会]])
* ハイドンの最後の交響曲:ロンドンからの表現?」([[2006年]]冬、[[ミュージカル・タイムズ]]147巻1897号57〜62ページ)
* ハイドンの最後の交響曲:ロンドンからの表現?([[2006年]]冬、[[ミュージカル・タイムズ]]147巻1897号57〜62ページ)

== 脚注 ==
{{reflist}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
107行目: 108行目:
* [http://www.donemus.nl/componist.php?id=462&tab=conc Donemus] オランダ現代音楽協会。ピート・ケー作品と演奏予定一覧
* [http://www.donemus.nl/componist.php?id=462&tab=conc Donemus] オランダ現代音楽協会。ピート・ケー作品と演奏予定一覧
* [http://orgelconcerten.ncrv.nl/ncrv?nav=jlvbuCsHtGAiBzB NCRV] オランダ放送協会。1953年コンクールにおける各演奏者の録音など。
* [http://orgelconcerten.ncrv.nl/ncrv?nav=jlvbuCsHtGAiBzB NCRV] オランダ放送協会。1953年コンクールにおける各演奏者の録音など。
:[[Image:Loudspeaker.png]] [http://orgelconcerten.ncrv.nl/ncrv?nav=vlsiuCsHtGAiBzBeBX アントン・ハイラー]
** [[Image:Loudspeaker.png]] [http://orgelconcerten.ncrv.nl/ncrv?nav=vlsiuCsHtGAiBzBeBX アントン・ハイラー]
:[[Image:Loudspeaker.png]] [http://orgelconcerten.ncrv.nl/ncrv?nav=domguCsHtGAiBzBeBaE ピート・ケー]
** [[Image:Loudspeaker.png]] [http://orgelconcerten.ncrv.nl/ncrv?nav=domguCsHtGAiBzBeBaE ピート・ケー]
:[[Image:Loudspeaker.png]] [http://orgelconcerten.ncrv.nl/ncrv?nav=looluCsHtGAiBzBeBgD カール・リヒター]
** [[Image:Loudspeaker.png]] [http://orgelconcerten.ncrv.nl/ncrv?nav=looluCsHtGAiBzBeBgD カール・リヒター]
* [http://www.hetorgel.nl/ Het Orgel] オランダ語によるオルガンの専門誌。
* [http://www.hetorgel.nl/ Het Orgel] オランダ語によるオルガンの専門誌。


{{Normdaten}}
==脚注==
{{reflist}}

{{DEFAULTSORT:けえ ひいと}}
{{DEFAULTSORT:けえ ひいと}}
[[Category:オランダの作曲家]]
[[Category:オランダの作曲家]]

2023年12月5日 (火) 16:41時点における最新版

ピート・ケー
基本情報
生誕 (1927-08-30) 1927年8月30日
出身地 オランダの旗 オランダザーンダム
死没 (2018-05-25) 2018年5月25日(90歳没)
学歴 スウェーリンク音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 オルガニスト作曲家
担当楽器 オルガン

ピーテル・ウィリアムピート・ケーPieter William "Piet" Kee1927年8月30日 - 2018年5月25日)は、オランダオルガニスト作曲家

来歴

[編集]

オランダのザーンダム生まれ。スウェーリンク音楽院(現アムステルダム音楽院)にてオルガンピアノ作曲を学び、最優秀賞 (Prix d'Excellence) を得て卒業する。

即興コンクールでの優勝

[編集]

1953年ハールレムで開かれたオルガン即興コンクールにおいて、アントン・ハイラーカール・リヒターという2人の大オルガニストをおさえて優勝した。課題は、アドリアーン・エンゲルスの作曲した主題によって3楽章による楽曲を即興で演奏するというものであった。 主題は各演奏者に、演奏の1時間前にそれぞれ手渡された。主題と各楽章の内容の指示は以下の通り。

  1. 主題ⅠとⅡを用いたソナタ
  2. 自由な形式による間奏曲
  3. 主題Ⅲによるフィナーレ

この後、1954年1955年と連続して3度優勝を果たしている数少ない奏者である。

その後

[編集]

1954年から1988年までアムステルダムミュージック・リセウムスウェーリンク音楽院にて教鞭をとるほか、オルガニストのためのハールレム国際夏期講習会で定期的に講師を務めた。1952年から1987年までアルクマール聖ラウレンス教会のオルガニスト、1956年から1989年までハールレム市オルガニストとして、聖バーヴォ大教会の世界的に知られるクリスチャン・ミュラー製オルガンの常任奏者を務めた。

即興演奏の技術は卓越したものであり、オルガンによる即興のコンクールで頻繁に審査員を務めている。

作曲家としても、定期的に新しい作品を発表している。近年の作品の中には、2006年3月にトーマス・トロッターによって初演された『ハールレム協奏曲』などがある。

1988年にはオリヴィエ・メシアンとともに、王立音楽大学のオルガン名誉研究員号を授与された。

2018年5月25日に死去。90歳没[1]

作品

[編集]

以下の一覧は作品の一部である。ベーレンライターペータースなどから出版されている。

オルガン作品

[編集]
  • 詩編86編による『トリプティック』(1960年
  • 二つのオルガン作品(1962年
  1. 「目覚めよ」によるファンタジア
  2. 受難のコラール

他の楽器とオルガンの室内楽作品

[編集]
  • 2つのオルガンと3つのトランペットおよび2つのトロンボーンのための『音楽と空間』(1969年
  • 教会オルガンと3つのストリートオルガンのための『コンフロンテーション』(1979年
  • オルガンと小オルガンまたは電子鍵盤、アルトサクソフォーンおよびソプラノリコーダーのための『ネットワーク』(1996年
  • オルガンと4つの小オルガンのための『フェスティヴァル・スピリット』(イギリス聖オーバンス国際オルガン音楽祭コンクール審査委員会委嘱)(2001年
  • オルガンと独奏ヴァイオリンおよび打楽器のための『ビオスII』(2002年
  • オルガンとオーケストラのための『ハーレム協奏曲』(オーケストラは管楽合奏、アルトサクソフォーン、テナーサクソフォーン、コントラバス、打楽器およびハルモニウム)(2005年

合唱作品

[編集]

カリヨン作品

[編集]
  1. 音の大きな曲
  2. ユディス・レスターのためのサラバンド
  3. フランス・ハルス・トッカータ

その他

[編集]
  • フルート独奏のための『飛行』(1992年
  • ヴァイオリンとピアノのための『アップ・ボウ』(1997年
  • リード楽器五重奏のための『風』(2000年
  • ハルモニウムとオルガンのための『セルヴス』(2006年

録音

[編集]

初期の録音はテレフンケンHMVフィリップスおよびGuild labelsでされたものである.

1989年からは、シャンドス・レーベルから11の録音が発表されている。それらはスウェーリンクパッヘルベルブルーンスブクステフーデバッハメンデルスゾーンフランクアラン[要曖昧さ回避]レーガーヒンデミットアンドリーセンメシアンの作品を、ハーレム聖バーヴォ教会アルクマール聖ラウレンス教会デンマークロスキルデ大聖堂ヴァイガルテンの大聖堂、フローニンゲンマルティーニ教会およびアムステルダムコンセルトヘボウなどの著名なヨーロッパの楽器で録音したものである。これらの録音のいくつかは現在、MP3形式でダウンロードできるようになっている。

著作

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ “Organist en componist Piet Kee (90) overleden” (オランダ語). Orgel Nieuws. (2018年5月25日). http://www.orgelnieuws.nl/organist-en-componist-piet-kee-90-overleden/ 2018年5月27日閲覧。 

外部リンク

[編集]