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{{Notice|'''この項目では、ある事件の容疑者の実名は記述しないでください。'''記述した場合、[[WP:DEL#B-2|削除の方針ケースB-2]]により緊急削除の対象となります。出典に実名が含まれている場合は、その部分を差し替えてください。|style=stop}}
{{Infobox 組織
| 名称 = 世界平和統一家庭連合
| ロゴ = Family Federation for World Peace and Unification symbol.svg
| 旧称 = 世界基督教統一神霊協会
| 略称 = 家庭連合<br />(旧略称は統一教会、統一協会)
| 設立 = [[1954年]]
| 種類 = [[宗教法人]]
| 地位 =
| 目的 = 教会統一・統一韓国・世界平和<ref>『神様の摂理から見た南北統一 』文鮮明, 世界基督教統一神霊協会, 2000年</ref>
| 本部 = {{KOR}} [[京畿道]][[加平郡]]
| 位置 =
| 言語 =
| 設立者 = [[文鮮明]]
| 幹部呼称 = <!-- 既定値:「会長」 -->
| 幹部氏名 = [[田中富広]](日本教会第14代会長)
| 人物 = [[韓鶴子]](総裁)
| 関連組織 = 韓日人教会、[[原理研究会]]、世界平和宗教連合、世界平和教授アカデミー、世界平和女性連合、世界平和青年連合、日本青少年純潔運動本部、真の家庭運動推進協議会、[[国際勝共連合]]、[[世界日報社]]、光言社、一心病院、世一観光、一和{{sfn|櫻井・中西|2010|p=99}}、トゥルー・ワールド・フーズ、[[ニューズ・ワールド・コミュニケーションズ]]、世日クラブ、清心国際中高等学校、仙和芸術高等学校、[[鮮文大学校]]、清心神学大学院
| 機関 =
}}{{韓国の事物
| title=世界平和統一家庭連合
| picture-type=
| picture=
| caption=
| hangeul=세계평화통일가정연합
| hanja={{Lang|ko|世界平和統一家庭聯合}}
| hiragana=せかいへいわとういつかていれんごう
| katakana=セゲピョンファトンイルガジョンヨナプ
| latin=segye pyeonghwa tongil gajeong yeonhap
| alphabet-type=英語
| alphabet=Family Federation for World Peace and Unification
}}
'''世界平和統一家庭連合'''(せかいへいわとういつかていれんごう、{{lang-en|Family Federation for World Peace and Unification}})は、[[朝鮮半島]]の[[キリスト教]]の土壌から発生し、[[文鮮明]]によって[[1954年]]に[[大韓民国|韓国]]で創設された[[新宗教|新興宗教]]<ref name=":14">{{Cite journal|last=久|first=木村|date=2006-02|title=日韓海底トンネル掘削の黒い野望--旧KCIA、統一教会、許永中を結ぶ糸|url=https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I7796778-00|journal=月刊times|volume=2|pages=42~45}}</ref><ref>{{Cite web |title=「後ろ向きにさせて縛って、顔には水を」…“地獄の拷問”が行われた韓国KCIA「肉局」跡地で目にしたモノ |url=https://bunshun.jp/articles/-/48641 |website=文春オンライン |access-date=2022-07-12 |first=菅野 |last=朋子}}</ref><ref name=":5">{{Cite web |title=公に北朝鮮支援を言い出した統一協会:Foresight {{!}} 記事 {{!}} 新潮社 Foresight(フォーサイト) {{!}} 会員制国際情報サイト |url=https://www.fsight.jp/6958 |website=新潮社 Foresight(フォーサイト) |access-date=2022-07-11}}</ref>の[[宗教団体]]・[[宗教法人]]。<br />旧名称は'''世界基督教統一神霊協会'''(せかいキリストきょうとういつしんれいきょうかい、{{lang-en|Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity}})。<br />略称は'''家庭連合'''(かていれんごう
{{lang-en|Family Federation}})、{{en|'''FFWPU'''}}で旧略称は'''統一教会'''、'''統一協会'''<ref>[https://www.afpbb.com/articles/-/3267413 動画:統一教会の合同結婚式、ウイルス懸念の中で開催] AFPBB News 2020年1月8日</ref><ref name="Lewis">[[世界平和統一家庭連合#Lewis|Lewis 2009. pP93-96]]</ref><ref>{{Cite web |title=世界平和統一家庭連合 公式サイト |url=https://ffwpu.jp/ |website=世界平和統一家庭連合 公式サイト |access-date=2022-07-21 |language=ja}}</ref>(とういつきょうかい {{lang-en|Unification Church}}<ref>[https://www.reuters.com/article/us-china-health-southkorea-masswedding/south-korea-mass-wedding-attracts-thousands-despite-virus-fears-idUSKBN2010TJ South Korea mass wedding attracts thousands despite virus fears] Reuters 2020年2月7日</ref>)。


[[Category:履歴を分離したページ]]
家庭連合(旧:統一教会)は[[宗教学]]では[[キリスト教系の新宗教]]とされ、[[文化庁]]が発行している宗教年鑑ではキリスト教系の[[単立]]に分類されている<ref>[[島薗進]]『何のための「宗教」か?―現代宗教の抑圧と自由』[[青弓社]] [[1994年]]</ref><ref>[[井門富二夫]]『カルトの諸相 キリスト教の場合』[[岩波書店]][[1997年]]</ref><ref>[https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/hakusho_nenjihokokusho/shukyo_nenkan/pdf/h29nenkan.pdf 宗教年鑑 平成29年版] 151頁 文化庁</ref>。また、欧米では[[カルト|カルト宗教]]であるとされている<ref name=":19" />。1994年5月に名称が変更され<ref name="Lewis" />、[[日本]]では遅れて、2015年8月26日に宗教法人名を管轄している文化庁から改称を認証された<ref name="sankei20150901">{{cite web |url=https://www.sankei.com/life/news/150901/lif1509010016-n1.html |title=統一教会が名称変更 「世界平和統一家庭連合」に |website=産経新聞 |date=2015-9-1 |accessdate=2022-7-12 |archivedate=2015-9-1 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20150901100701/https://www.sankei.com/life/news/150901/lif1509010016-n1.html}}</ref><ref name="ucjp20150831">{{cite web |url=https://www.ucjp.org/archives/19452 |title=当法人名が「世界平和統一家庭連合」に改称されました |publisher=世界平和統一家庭連合 |date=2015-8-31 |accessdate=2022-7-21}}</ref><ref>{{cite web |author=藤田庄市 |url=http://www.rirc.or.jp/20th/Rirc20th_inbound.pdf |title=日本における統一教会の活動とその問題点―活字メディアで報道された批判を中心に― |website=[http://www.rirc.or.jp/20th/20th.html 20周年記念誌(デジタル版)] |publisher=[[国際宗教研究所|公益財団法人国際宗教研究所]] 宗教情報リサーチセンター |format=PDF |page=124 |date=2019-3-25 |accessdate=2022-7-21}}</ref>。

== 概説 ==
{{概要節がおかしい|date=2022年7月}}
日本は"エバ国家"で「[[サタン|サタン(悪魔)]]の国<ref name=":232">『文藝春秋』1984年7月 134-151頁</ref>」であるとの[[反日]]教義が教えられている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}<ref name=":26">{{Citation|title=「旧統一教会の会見について」全国霊感商法対策弁護士連絡会が記者会見|url=https://www.youtube.com/watch?v=6TAEw136rrQ|language=ja-JP|access-date=2022-07-15}}</ref>。また、エバ国家である日本の[[LGBT]]や[[同性結婚|同性婚]]、[[夫婦別姓]]は「[[共産主義]]」とされ、認めさせてはならないと説いている<ref name=":26"/><ref name=":18">{{Cite web |title=【旧統一教会の会見について】紀藤正樹弁護士ら全国霊感商法対策弁護士連絡... |url=https://live.nicovideo.jp/watch/lv337692945 |website=ニコニコ生放送 |access-date=2022-07-12}}</ref>。文鮮明の教え([[教義]])の一つとして、文教祖の[[恨|恨(ハン)]]を晴らすのは「'''エバ国家日本をアダム国家韓国の[[植民地]]にすること'''」「'''[[天皇]]を自分(文鮮明)にひれ伏させること'''」としている<ref name=":92">「文鮮明先生御言選集」346巻より</ref><ref name=":122">「文鮮明先生御言選集」328巻より</ref><ref name=":132">哀れな復帰の役軍たち 1969年6月8日 前本部教会</ref><ref name=":172">{{Cite web |title=弁護士会の読書:統一協会信者の救出 |url=https://www.fben.jp/bookcolumn/2008/02/post_1735.php |website=福岡県弁護士会 |access-date=2022-07-12 |language=ja}}</ref>。また、文鮮明が同じく設立した関連団体の[[国際勝共連合]]では、「'''日本は[[生活水準]]を3分の1に減らし、[[租税|税金]]を4倍、5倍にしてでも、[[軍事力]]を増強してゆかねばならない'''」とし、日本の国民に[[生贄|犠牲(生贄)]]になることを要求している<ref>『新版 社会科学辞典』 新日本出版社 1978年第1刷</ref>。

{{main|[[#反日思想]]|[[#反共主義]]}}

[[1978年]]の[[フレイザー委員会#フレイザー報告書|アメリカ合衆国下院の報告書]]では、教団は[[1961年]]に[[大韓民国中央情報部]](KCIA)部長の[[金鍾泌]]が政治的意図をもって組織し、アメリカや日本で[[スパイ|政治工作]]を行っているとされる<ref>{{Cite news |last=Halloran |first=Richard |date=1978-03-16 |title=UNIFICATION CHURCH CALLED SEOUL TOOL |language=en-US |work=The [[New York Times]] |url=https://www.nytimes.com/1978/03/16/archives/unification-church-called-seoul-tool-house-panel-releases-documents.html |access-date=2022-07-13 |issn=0362-4331}}</ref><ref>{{cite book|title=Investigation of Korean-American relations: report of the Subcommittee on International Organizations of the Committee on International Relations, U.S. House of Representatives|url=https://archive.org/details/investigationofk00unit/page/118|page=118|year=1978|author=United States: Congress}} internet archive</ref><ref>『読売新聞』1978年3月23日 夕刊1面</ref>。

また、文鮮明は[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]の[[安倍晋三|安倍晋三元総理大臣]]の祖父である[[岸信介]]と盟友であり、1950年代から日本の政界と協力していた<ref name=":26"/><ref name=":18"/>。岸の自宅付近には統一教会の施設が存在し、そこで岸は交流会や講演会などを行っていた。岸内閣時代の首相公邸は統一教会本部として使用された<ref>{{Cite book|和書|title=日本統一運動史〜日本の統一教会および統一運動の歩み|publisher=光言社}}</ref>。同教団は現在に至るまで、[[国際勝共連合]]等の関連団体あるいは[[#ダミー団体|ダミー団体]]を通じて、[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]等の保守政治家と密接な関係を保ち続けている<ref name=":31">{{Citation|title=【アベマ同時配信中】「ひろゆき×参政党/有田芳生と旧統一教会を考える」7/15(金)よる9時|変わる報道番組 アベプラ|url=https://www.youtube.com/watch?v=E0nZ51_uTDc|language=ja-JP|access-date=2022-07-16}}</ref>。政治家との密接な関係は、教団の宣伝・広報に利用されており、統一協会系月刊誌『世界思想』では、「戦後憲法の終焉」「今こそ日本を取り戻そう」等のフレーズが使われ、[[安倍晋三|安倍晋三元総理大臣]]の写真が過去複数回にわたり表紙に使われていた。これは後述する「[[霊感商法]]」の被害拡大につながると懸念されている<ref>{{Cite web |title=Wayback Machine |url=https://web.archive.org/web/20131103134521/https://www.ifvoc.org/sekaisisou/image/2012_05.jpg |website=web.archive.org |date=2013-11-03 |access-date=2022-07-13}}</ref><ref>{{Cite web |title=旧統一協会系集会にメッセージ/安倍前首相「総裁に敬意」/宣伝利用で霊感商法被害拡大の恐れ |url=https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-09-18/2021091815_01_0.html |website=www.jcp.or.jp |access-date=2022-07-13 |language=ja}}</ref>。

{{main|[[#政治思想・政治活動]]|[[#安倍晋三との関係]]}}

日本統一教会の初代会長は、[[反共主義|反共産主義]]政治団体[[国際勝共連合]]の日本における初代会長[[久保木修己]]である<ref name=":15">{{Cite web |title=美しい国 日本の使命―久保木修己遺稿集 |url=https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784882010814 |website=紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア |access-date=2022-07-11 |language=ja}}</ref>。[[安倍晋三|安倍晋三元総理大臣]]が説いていた国家像である「'''[[美しい国]]'''」と、久保木修己が説いた「'''美しい国'''」との共通点が指摘されている<ref name="tokyonp1931362">{{Cite web |title=旧統一教会側と自民党、改憲案が「一致」 緊急事態条項、家族条項…濃厚な関係が影響?|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/193136/2 |website=東京新聞 |date=2022-08-02 |access-date=2022-08-03 |language=ja}}</ref>。

[[欧米]]では[[カルト|カルト宗教]]とみなされており、韓国、日本、[[アメリカ合衆国|米国]]、[[ウクライナ]]などに拠点が存在する<ref name=":36">{{Cite web |title=安倍政権支持を訴える学生団体の正体は「統一教会」だった! 参院選で跋扈する宗教極右のダミー団体、日本会議も... (2016年7月3日) |url=https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_2385/ |website=エキサイトニュース |access-date=2022-07-11 |language=ja}}</ref><ref name=":19">{{cite news|title=銃撃事件巡り関係を問題視 仏紙、欧米では「カルト宗教」|url=https://nordot.app/919222383674064896|date=2022-07-11|publisher=共同通信}}</ref><ref name=":37">{{Cite web |title=世界平和統一家庭連合 公式サイト |url=https://ffwpu.jp/ |website=世界平和統一家庭連合 公式サイト |access-date=2022-07-11 |language=ja}}</ref><ref name=":38">{{Cite web |title=アメリカ {{!}} 世界平和統一家庭連合 News Online |url=https://unificationnews.jp/tag/usa |access-date=2022-07-11 |language=ja}}</ref><ref name=":39">{{Cite web |title=LINK {{!}} 世界平和統一家庭連合 教会員ポータルサイト FFWPU.Family |url=https://ffwpu.family/link |website=世界平和統一家庭連合 教会員ポータルサイト FFWPU.Family {{!}} 世界平和統一家庭連合教会員のための総合ポータルサイト |date=2017-08-22 |access-date=2022-07-11}}</ref><ref name=":7">{{Citation|title=ウクライナ家庭連合 アーニャ・カルマツカヤ会長メッセージ|url=https://www.youtube.com/watch?v=W_TXmL_QGuY|language=ja-JP|access-date=2022-07-11}}</ref>。[[フランス]]や[[ソビエト連邦|ソビエト連邦諸国]]などでも活動を広めようとしたが、フランスでは[[反セクト法]]により、[[ロシア]]では[[ウラジーミル・プーチン|プーチン政権]]が定めた[[ネオナチ]]勢力([[セクト]]勢力)に対する[[テロリズム|対テロ法]]により、統一教会を[[安全保障条約|安全保障上]]の問題があるとして規制と監視対象とした。また、[[ユダヤ人]]国家である[[イスラエル]]での[[パレスチナ|反パレスチナ]]、パレスチナ[[弾圧]]派などの[[ユダヤ教]][[右翼|右派]]勢力に資金援助を行うなど、[[イスラエル|イスラエル政府]]にも長年関与している<ref name=":54">{{Cite web |title=北朝鮮の背後に潜むカルト統一協会資金でシャロン勝利の恐怖aku451 |url=http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku451.html |website=www.jca.apc.org |access-date=2022-07-20}}</ref><ref name="名前なし-pYqe-1">フランスのセクト規制法 ─敵対か?受容か?─ 中島宏(一橋大学大学院 http://religiouslaw.org/cgi/search/pdf/200403.pdf</ref><ref name="troubletaisaku">[[山口広]]・[[中村周而]]・[[平田広志]]・[[紀藤正樹]] 『カルト宗教のトラブル対策』[[教育史料出版会]] [[2000年]]5月20日</ref><ref name=":30">{{Cite web |title=Kyrgyzstan Bans Unification Church |url=https://www.rferl.org/a/kyrgyzstan_bans_unification_church/24493505.html |website=RadioFreeEurope/RadioLiberty |access-date=2022-07-15 |language=en}}</ref><ref name=":44">{{Cite web |title=【社説】プーチン大統領、次の「戦争相手」は宗教 |url=https://jp.wsj.com/articles/SB10368883563906114164704582188442266512880 |website=WSJ Japan |access-date=2022-07-16 |language=ja}}</ref>。{{main|[[反セクト法]]|[[#旧ソビエト諸国]]|[[#イスラエル]]}}

米国では、日本人信者を利用して水産会社を興し、全米の中・高級寿司屋向けの鮮魚流通の8割を占めて[[寿司]]を広めたりするなど多角的にビジネスを広げ<ref>[https://web.archive.org/web/20220720133201/https://toyokeizai.net/articles/-/604521?page=3 「統一教会」が米国に寿司を広めた知られざる経緯 p.3] 東洋経済ONLINE 2022年7月20日</ref>、韓国では[[財閥|財閥組織]]の扱いを受けており、その巨大な資金力を利用して国際的な政治力も獲得しているが<ref>{{Cite web |title=統一教会と自民党を結ぶ「票とカネ」。菅内閣に9名の利害関係者、日本会議とも共通する思想とは=原彰宏 |url=https://www.mag2.com/p/money/1051713 |website=マネーボイス |date=2021-05-16 |access-date=2022-07-11 |language=ja}}</ref>、教団の運営資金の7割は日本が担っており、その原資は深刻な社会問題となっている'''[[霊感商法]]'''と、'''法外な献金要求等の信者からの経済的搾取'''より得られた金である<ref name="wp130722">{{cite web |url=https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/12/unification-church-japan-shinzo-abe/ |archive-url=https://web.archive.org/web/20220713011112/https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/12/unification-church-japan-shinzo-abe/ |title=How Abe and Japan became vital to Moon’s Unification Church |publisher=Washington Post |date=12 July 2022 |archive-date=13 July 2022 |accessdate=2022-7-13}}</ref>。こうして集められた金は教団の勢力拡大のために日本から韓国やアメリカに送られ、1976年から2010年までの間に日本からアメリカに36億ドルが送金された<ref>[https://web.archive.org/web/20220720133201/https://toyokeizai.net/articles/-/604521?page=4 「統一教会」が米国に寿司を広めた知られざる経緯 p.4] 東洋経済ONLINE 2022年7月20日</ref>。

{{main|[[#経済活動]]}}

[[1960年代]]後半から、学生を狙った反社会的な「'''原理運動'''」による家庭崩壊、学業放棄が社会問題となり、[[霊感商法]]が社会問題になった[[1980年代]]以降、[[朝日新聞社]]や『[[週刊文春]]』によって大々的な批判キャンペーンが展開されたが、教団側は激しく反発し、信者による[[デモ活動|デモ]]などが行われた<ref name="presidentmoon"/>。[[1984年]]には、[[世界日報 (日本)|世界日報]]編集長の[[副島嘉和]]が教団の[[#反日思想|反日思想]]等の実態について、内部告発を行った後に、襲撃を受ける事件が発生。その他にも、教団を批判した人物・[[マスメディア]]への嫌がらせや、教団に関連した不可解な事件が多数発生している。

{{main|[[副島嘉和#副島手記]]|[[副島嘉和#副島襲撃事件]]|[[#原理研問題]]|[[#批判者に対する嫌がらせ・脅迫行為]]}}

統一教会は、[[霊感商法]]と[[マインドコントロール]]を利用した高額な物販と献金に関する問題や、教団が結婚相手を決める[[合同結婚式]]、[[麻薬]]関連の[[資金洗浄|マネーロンダリング]]と[[密輸]]、[[統一教会信徒の拉致監禁問題]]、[[反共主義|反共産主義]]や[[朝鮮統一問題|朝鮮半島の統一]]の支持、[[歴史修正主義]]、[[同性結婚|反同性婚]]、[[夫婦別姓|反夫婦別姓]]、[[反露|反ロシア思想]]、岸信介政権時代からの[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]との関係などの政治との関わりなど、様々な問題で物議を醸している<ref name=":5" /><ref name=":7" /><ref>{{Cite book|title=歴史修正主義とサブカルチャー 90年代保守言説のメディア文化|url=https://books.google.co.jp/books?id=Z3VgEAAAQBAJ&pg=PA20-IA11&lpg=PA20-IA11&dq=%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%95%99%E4%BC%9A%E3%80%80%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E4%B8%BB%E7%BE%A9&source=bl&ots=Fyzl526Edg&sig=ACfU3U0L0V7UwBD2z7ojm4bjsVlr2439NA&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwitorS43_n4AhXJf94KHXaBCn4Q6AF6BAgkEAM#v=onepage&q=%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%95%99%E4%BC%9A%E3%80%80%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E4%B8%BB%E7%BE%A9&f=false|publisher=株式会社青弓社|date=2018-02-28|language=ja|last=倉橋耕平}}</ref><ref name=":25">{{Citation|title=「旧統一教会の会見について」全国霊感商法対策弁護士連絡会が記者会見|url=https://www.youtube.com/watch?v=6TAEw136rrQ|language=ja-JP|access-date=2022-07-15}}</ref>。特に統一教会の[[布教]]方法と、高額な[[献金]]や財物の購入を強いられることが問題とされ、統一教会を相手に元信者らが[[札幌地方裁判所|札幌地裁]]に提訴した[[青春を返せ裁判|「青春を返せ裁判]]」は1987年から2001年までの14年間に及んだ<ref name=":20">{{Cite web |title=青春を返せ裁判原告団・弁護団 {{!}} 教文館キリスト教書部 |url=https://www.kyobunkwan.co.jp/xbook/archives/tag/5fca2384 |website=www.kyobunkwan.co.jp |access-date=2022-07-12}}</ref>。

[[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]によると、判明している分だけで、1987年から2021年までの「霊感商法」による「被害件数」は3万4537件で「被害総額」は約1237億円に上り<ref>{{cite web|url=https://www.stopreikan.com/madoguchi_higai.htm|archive-url=https://web.archive.org/web/20220711202650/https://www.stopreikan.com/madoguchi_higai.htm|title=窓口別被害集計(1987年~)|publisher=全国霊感商法対策弁護士会|archive-date=2022-7-11|access-date=2022-7-12}}</ref>、物販には[[壺]]・[[印鑑]]・多宝塔・[[朝鮮人参]]濃縮液などが用いられ<ref>{{cite web|url=https://www.stopreikan.com/syohin_higai.htm|archive-url=https://web.archive.org/web/20220709195539/https://www.stopreikan.com/syohin_higai.htm|title=商品別被害集計(1987~)上段:被害件数(件)/下段:被害金額(円)|publisher=全国霊感商法対策弁護士会|archive-date=2022-7-11|access-date=2022-7-12}}</ref>、その「被害」の高額さから社会問題化している<ref>{{cite web|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/636d31acb8bc45a05883965132ef6b9d13bf52de|archive-url=https://web.archive.org/web/20220712035849/https://news.yahoo.co.jp/articles/636d31acb8bc45a05883965132ef6b9d13bf52de|title=銃撃男の母と“統一教会” 教団が会見「破綻されたことは知っている」――「合同結婚式」「霊感商法」社会問題化…被害救済の弁護士「今も深刻」|publisher=Yahoo Japanニュース/ 日テレニュース|archive-date=2022-7-12|access-date=2022-7-12}}</ref>。[[2000年]](平成12年)の[[広島高等裁判所|広島高裁]]岡山支部での控訴審では一審を破棄し、統一教会/統一協会の伝道の違法性を認定する全国初の判決が出た<ref name=":20" />。これは日本において、[[宗教団体]]による勧誘・教化行為の違法性を認めた全国初の判決となった<ref name=":20" />。

教団は複数の関連団体や関連企業、[[#ダミー団体|ダミー団体]]を有しており、これも正体を隠して勧誘活動を行うのに役立っている。これらの団体は霊感商法等の教団の反社会性が明らかになった[[1980年代]]以降に、政治家との関係を秘密裏に保つことにも貢献した<ref name="aera19950925"/>。

{{main|[[#ダミー団体]]|[[統一教会関連の企業と団体]]}}

親世代が統一教会の信者である「'''2世信者'''」も社会問題となっている<ref>{{Cite web |title=「大人になっても苦労している2世信者は多い」心境語る『祝福2世』と呼ばれた女性 旧統一教会会長がほとんど言及しなかった”2世信者問題” {{!}} 特集 |url=https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2022/08/090421.shtml |website=MBSニュース |access-date=2022-08-19 |language=ja |first=MBS |last=毎日放送}}</ref>。幼少期から信仰を強要されるなど、[[ドメスティックバイオレンス|ドメスティック・バイオレンス(DV)]]の状態にあった当時の子供達は、信者や教会からの特定を恐れ、息をひそめ生活せざる得ない等の理由により散在状態になっており、弁護団が救済の為に活動している状態である<ref name=":18" /><ref name=":26" />。「統一教会2世被害弁護団」は今も統一教会による被害は発生し続けているとしており、2022年(令和4年)7月8日に発生した[[安倍晋三銃撃事件|安倍晋三銃殺事件]]の犯人の動機に関する弁明を行った統一教会による、「2009年以降は全く問題はおきていない」「犯人の母親の寄付額は把握できていない」等とした会見内容は虚偽だとしており、「統一教会と安倍晋三元総理は大して関係が無く、犯人は思い込んだだけである。」とするメディアの報道姿勢や内容も糾弾している<ref name=":18" /><ref name=":26" />。

{{main|[[#2世信者問題]]}}

[[2012年]]に亡くなった文鮮明と妻・[[韓鶴子]]の7男の[[韓国系アメリカ人]]である[[文亨進]]は、母親の韓鶴子が父親の教え以上に自らの立場を上位の物にしようとしたとして、韓鶴子との違いを明確に表明した事により対立、2013年には韓鶴子により教会の複数の立場から解任され、文亨進は分家組織である[[世界平和統一聖殿]](通称:'''サンクチュアリ教会''')を、アメリカ統一教会とは別にアメリカ国内にて立ち上げた<ref name="Schismatics">{{cite web |last1=Mickler |first1=Michael |title=The Sanctuary Church Schismatics |url=https://appliedunificationism.com/2015/12/14/the-sanctuary-church-schism/ |website=Applied Unificationism |publisher=[[Unification Theological Seminary]] |access-date=November 27, 2020 |date=December 14, 2015}}</ref>。統一教会は現在、文亨進のサンクチュアリ教会を「脱会組織」とみなしており、文亨進が主導した統一運動の変革のほとんどは、彼の解任後に却下された<ref name="Schismatics2">{{cite web |last1=Mickler |first1=Michael |title=The Sanctuary Church Schismatics |url=https://appliedunificationism.com/2015/12/14/the-sanctuary-church-schism/ |website=Applied Unificationism |publisher=[[Unification Theological Seminary]] |access-date=November 27, 2020 |date=December 14, 2015}}</ref><ref name="encourage">{{cite news|title=Unification Church does not encourage firearm use|url=https://www.christiannewspost.com/unification-church-does-not-encourage-firearm-use/|access-date=November 27, 2020|work=Christian News Post|date=February 22, 2018|location=New York}}</ref>。文亨進は有力な[[ドナルド・トランプ|トランプ]]支持者であるとされ、[[:en:AR-15 style rifle|AR-15]]を重要視する“Rod of Iron Ministries”を率いている事で知られ、[[2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件]]にも参加した<ref name=":40">{{cite news|title=Gun Church That Worships With AR-15s Bought a 40-Acre Compound in Texas for Its ‘Patriots’|url=https://www.vice.com/en/article/y3dp8j/gun-church-that-worships-with-ar-15s-bought-a-40-acre-compound-in-texas-for-its-patriots|date=2021-05-28|publisher=VICE|accessdate=2021-10-17}}</ref><ref name=":41">{{cite news|title=MAGA Gun Church That Worships With AR-15s Has Bought a Giant Mountain Property in Tennessee|url=https://www.vice.com/amp/en/article/4avkdw/rod-of-iron-ministries-purchases-property-in-tennessee|date=2021-10-12|publisher=VICE|accessdate=2021-10-17}}</ref><ref name=":42">{{cite news|title=‘Good Way to Die’: The Moonies and the Jan. 6 Insurrection|url=https://www.dcreport.org/2021/08/04/good-way-to-die-the-moonies-and-the-jan-6-insurrection/|publisher=DCReport|accessdate=2021-10-17|date=2021-08-04}}</ref><ref name=":43">{{cite news|title=Trump spoke at a 9/11 'Moonies' conference organized by the widow of the Rev. Sun Myung Moon, praising the controversial Unification Church|url=https://www.businessinsider.com/donald-trump-speaks-at-moonies-911-event-praises-unification-church-2021-9|date=2021-09-12|accessdate=2021-10-17|publisher=business insider}}</ref>。

統一教会が大きく成長した最大の戦略的要因として、[[宗教学者]]で[[北海道大学]][[教授]]の[[櫻井義秀]]は、統一教会が国別に機能を特化させる戦略をあげており、「宗教的競争力のなさを、政治・経済部門の事業多角化とグローバルな事業展開で乗り切ったこと」であると述べている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}。

== 歴史 ==
[[File:Sun_Myung_Moon_and_Hak_Ja_Han.jpg|thumb|文鮮明と妻の韓鶴子]]
朝鮮半島の[[平安北道]][[定州市 (平安北道)|定州]]出身の[[文鮮明]]{{sfn|古田|2011}}{{sfn|クリサイディス|1993|p=39}}(1920年 - 2012年)は、1945年に布教活動を始めた{{sfn|クリサイディス|1993|p=40}}。その後1950年に[[朝鮮戦争]]が勃発、1952年に経典の「原理原本」の草稿が完成した{{sfn|クリサイディス|1993|p=42}}。

[[1954年]][[5月]]に[[大韓民国|韓国]][[ソウル特別市|ソウル]]で、「世界基督教統一神霊協会」を創設した{{sfn|クリサイディス|1993|p=42}}。なお、名称の「神霊」は、主流派キリスト教における[[三位一体]]の[[聖霊]]とは関係がない{{sfn|クリサイディス|1993|p=43}}。

[[1955年]]、文鮮明が「'''[[梨花女子大学校#統一教会事件|梨花女子大事件]]'''」で逮捕される。韓国マスコミからの総批判を浴びる<ref name="sekaisyukyokoudanp270274">村上重良『世界宗教事典』講談社 p270~274</ref>。

[[1961年]]頃、「反共主義」を強調して[[朴正煕]]政権との関係を深める。[[フレイザー委員会]]の調査によれば、[[大韓民国中央情報部]](KCIA)により「'''韓国政府機関'''」として再編された<ref name="sekaisyukyokoudanp270274"/>。

1965年に文鮮明一家と幹部たちは、アメリカに宗教・政治的情宣活動の拠点を移し、世界宣教・経済活動を拡大し巨大な統一運動傘下の組織を創設した{{sfn|櫻井|2004|p=208}}。韓国の多くの少数派宗教団体とは異なり、朝鮮半島を超えて世界中に普及したという特異性を持つ{{sfn|クリサイディス|1993|p=43}}。世界193か国に支部がある。

日本では、[[1958年]]6月に崔奉春(チェ・ボンチュン。通称名[[西川勝]]。<ref name="brainwashed-111" />)が[[密航]]し、統一教会を伝えた<ref name=":0">米本 2009, pp. 73</ref>。崔には[[立正佼成会]]が協力し、[[久保木修己]]ら約50名の青年信者が転向する<ref name="sekaisyukyokoudanp270274"/>。1959年から1965年まで宣教が行われ、同年にアメリカ{{sfn|クリサイディス|1993|p=43}}、イギリスでも布教が行われた。近年は東ヨーロッパと南アメリカで拡大している<ref name="Lewis" />。

[[1964年]]7月16日、日本で宗教法人の認可を受けた{{sfn|櫻井|2004|p=214}}。初代会長になったのは元[[立正佼成会]]信者の[[久保木修己]]だった<ref name=":0" />。同年、「[[原理研究会]]」が設立され全国の大学で学生伝道を開始した<ref name=":0" />。世界平和統一家庭連合の総裁は、[[文鮮明]]の妻である[[韓鶴子]]が就任している(2008年時点){{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|p=117}}。

元[[公安調査庁]]幹部の[[菅沼光弘]]は、[[高橋浩祐]]の取材に対し、統一教会に入会した人の多くは[[日本民主青年同盟|民青]]出身だったとしている<ref name=takahashi>{{cite news|title=「勝共連合」の名称で今も日本保守政界に食い込む“統一教会” 元公安調査庁幹部が警鐘(動画付き)|url=https://news.yahoo.co.jp/byline/takahashikosuke/20220721-00306495|publisher=YAHOO!ニュース|author=高橋浩祐|date=2022-07-21}}</ref><ref>{{cite video|title=元公安調査庁幹部に緊急取材(上)戦後長く続く自民党と統一教会のただならぬ関係に鋭く迫る❗️元公安調査庁調査第2部長、菅沼光弘氏に聞く❗️|url=https://www.youtube.com/watch?v=e1Qlu3pkDE0|date=2022-07-21|publisher=高橋浩祐}}</ref>。

[[1968年]]4月、[[文鮮明]]が[[岸信介]]らの協力を得て反共産主義政治団体「[[国際勝共連合]]」を日本に設立した<ref name=":0" />。

1971年、[[文鮮明]]は大韓民国籍のまま米国に移住した。

1970年代には、1974年にニューヨークの[[マディソン・スクエア・ガーデン]]で、1976年にはニューヨークの[[ヤンキースタジアム]]で2回、そしてワシントンDCの[[ワシントン記念塔]]の敷地内で30万人を前に「アメリカに対する神の希望」について講演するなど、米国で次々と公の場で演説を行った。

1973年、自由民主党の[[岸信介]]は統一教会開祖の文鮮明に朝鮮半島にて出会い、日本に統一教会を広める切っ掛けを生み出した<ref name=":18" /><ref name=":21">{{Citation|title=【"統一教会"の献金などの活動を非難】紀藤正樹弁護士ら全国霊感商法対策弁護士連絡会が記者会見|url=https://www.youtube.com/watch?v=QQPc644aNMs|language=ja-JP|access-date=2022-07-13}}</ref>。文鮮明は岸信介と盟友であり、1950年代から日本の政界と協力していた<ref name=":18" /><ref name=":21" />。岸信介が文鮮明握手した写真は統一教会で「世界でいかに統一教会が認知され、我々の理念が間もなく達成されようとしている。」 といった説明に使われている<ref name=":18" /><ref name=":21" />。

1990年代の前半に[[霊感商法]]や合同結婚式で話題になったが、この時代でさえもあまり信者を獲得できていなかった<ref name=":3">{{Cite web |title=「統一教会」「幸福の科学」で進む信者の高齢化 |url=https://online.sbcr.jp/2015/12/004153.html |website=online.sbcr.jp |access-date=2022-07-08}}</ref>。この合同結婚式によって家庭を持った日本人の信者数は10,000組を超え{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}、2004年時点で統一教会による合同結婚式で韓国人男性と結婚して韓国で暮らす日本人女性信者数も7,000人ほどいる{{sfn|櫻井|2004|p=ⅲ}}。

1975年、統一教会は韓国の[[汝矣島]]で120万人を集めて史上最大の平和的集会を開催した<ref>{{cite book|url=https://books.google.com/books?id=8t-9yx3oG4kC&q=yoido+rally|title=Lifestyle: Conversations with Members of Unification Church&nbsp;– "Quebedeaux, Richard"&nbsp;– Google Книги|access-date=2012-05-23|isbn=9780932894182|last1=Quebedeaux|first1=Richard|year=1982}}</ref>。

1970年代、統一教会は他のいくつかの新宗教運動とともに、[[:en:Anti-cult movement|反カルト運動]]のターゲットとなった。活動家たちは、この運動が会員を「[[洗脳]]」していると非難した<ref name="Guardian">{{cite news|last=Reed|first=Christoper|title=The Rev Sun Myung Moon obituary Korean founder of the Unification church – the Moonies|url=https://www.theguardian.com/world/2012/sep/02/rev-sun-myung-moon|access-date=10 September 2012|newspaper=The Guardian|date=2 September 2012|location=London}}</ref><ref>{{cite web |url=https://2009-2017.state.gov/j/drl/rls/irf/2010/148871.htm |title=Japan |website=U.S. Department of State |access-date=19 January 2019}}</ref>。

1978年、イギリスのタブロイド紙[[デイリー・メール]]は、「家庭を崩壊させる教会」という見出しの記事を掲載した<ref name=":102">William Borders, "Moon's Sect Loses Libel Suit in London," ''[[The New York Times]]'', 1 April 1981.</ref><ref>"The Church That Breaks Up Families," ''Daily Mail'' (London), 29 May 1978.</ref>。その記事は、統一教会が家族を洗脳し、引き離していると非難するものであった。英国統一教会のデニス・オーム所長は、デイリー・メールとその親会社である[[:en:Associated Newspapers|Associated Newspapers]]を相手に名誉毀損訴訟を起こし、英国法史上最長となる6ヶ月の民事訴訟となった<ref name=":10">William Borders, "Moon's Sect Loses Libel Suit in London," ''[[The New York Times]]'', 1 April 1981.</ref><ref>Hilary Devries, ed., "Unification Church loses suit against British paper," ''[[The Christian Science Monitor]]'', 1 April 1981.</ref><ref name=":02">[[James T. Richardson]] and Barend van Driel, "New Religious Movements in Europe: Developments and Reactions" in ''Anti-Cult Movements in Cross-Cultural Perspective'', edited by Anson Shupe and David G. Bromley, 129–170 [144], (New York: Garland, 1994){{ISBN?|date=2022年7月}}</ref>。オーム所長と統一教会は、名誉毀損訴訟、控訴審で敗訴し、[[貴族院 (イギリス)|貴族院]]への提訴も拒否された<ref name=":03">[[James T. Richardson]] and Barend van Driel, "New Religious Movements in Europe: Developments and Reactions" in ''Anti-Cult Movements in Cross-Cultural Perspective'', edited by Anson Shupe and David G. Bromley, 129–170 [144], (New York: Garland, 1994){{ISBN?|date=2022年7月}}</ref>。元の裁判では、アメリカの反カルト精神科医[[:en:Margaret Singer|マーガレット・ターラー・シンガー]]を含む117人の証人の話を聴取した<ref name=":103">William Borders, "Moon's Sect Loses Libel Suit in London," ''[[The New York Times]]'', 1 April 1981.</ref>。原審では、統一教会はAssociated Newspapersに75万ポンドの費用を支払うよう命じられたが、これは控訴後も維持された<ref>Eileen Barker, ''[[The Making of a Moonie|The Making of a Moonie: Choice or Brainwashing?]]'' (1984; repr., Oxford: [[Basil Blackwell]], 1989), 2. {{ISBN?|date=2022年7月}}</ref>。原審の陪審員は関連新聞社に費用を与えただけでなく、[[法務長官 (イギリス)|法務長官]]に統一教会の慈善団体としての地位を再調査するよう要請し、1986年から1988年までの長期の調査の後も解任されなかった<ref name=":11">Eileen Barker, "General Overview of the 'Cult Scene' in Great Britain," ''[[Nova Religio|Nova Religio: The Journal of Alternative and Emergent Religions]]'' 4, no. 2 (2001): 235–240, [236].{{ISBN?|date=2022年7月}}</ref><ref>George D. Chryssides, ''Exploring New Religions'' (London and New York: Cassell, 1999), 358. {{ISBN?|date=2022年7月}}</ref>。ジョージ・クリシデスによれば、英国にいた統一教会の500人のフルタイム信者の約半数が米国に移った<ref>George D. Chryssides, "Britain's Anti-cult movement," in ''New Religious Movements: Changes and Responses'', edited by Jamie Cresswell and Bryan Wilson, 257–273 [268], (London and New York: Routledge, 1999) {{ISBN?|date=2022年7月}}</ref>。統一教会は判決の後、12の主要な教会センターのうち7つを売却した<ref>George D. Chryssides, "Britain's Changing Faiths: Adaptation in a New Environment," in ''The Growth of Religious Diversity: Britain from 1945, Volume II: Issues'', edited by G. Parson, 55–84 [79], London: Routledge, 1994 {{ISBN?|date=2022年7月}}</ref>。[[ドイツ]]のような国の他の反カルト主義者は、ロンドン高裁の判決を法律に組み入れようとした<ref name=":04">[[James T. Richardson]] and Barend van Driel, "New Religious Movements in Europe: Developments and Reactions" in ''Anti-Cult Movements in Cross-Cultural Perspective'', edited by Anson Shupe and David G. Bromley, 129–170 [144], (New York: Garland, 1994){{ISBN?|date=2022年7月}}</ref>。統一教会は、[[デイリー・テレグラフ]]紙に対する同様の裁判を含め、英国で他の名誉毀損や誹謗中傷の裁判に勝利している<ref name=":112">Eileen Barker, "General Overview of the 'Cult Scene' in Great Britain," ''[[Nova Religio|Nova Religio: The Journal of Alternative and Emergent Religions]]'' 4, no. 2 (2001): 235–240, [236].{{ISBN?|date=2022年7月}}</ref>。

1982年、[[文鮮明]]は米国で虚偽の連邦所得税申告と陰謀の罪で有罪判決を受けた:[[:en:United States v. Sun Myung Moon|United States v. Sun Myung Moon]]を参照。彼は[[コネチカット州]][[ダンベリー (コネチカット州)|ダンベリー]]の[[連邦刑務所局|連邦刑務所]]で13ヵ月間服役した<ref>[https://www.washingtonpost.com/wp-srv/national/longterm/cult/unification/profit.htm Moon's Japanese Profits Bolster Efforts in U.S.] ''[[The Washington Post]]'', September 16, 2008</ref><ref>[http://www.christianitytoday.com/ct/2001/augustweb-only/8-6-35.0.html The Unification Church Aims a Major Public Relations Effort at Christian Leaders] ''[[Christianity Today]]'', April 19, 1985.</ref>。起訴・収監された際には、キリスト教右派団体やバプティスト教会、[[米国聖公会|全米黒人カトリック聖職者会]]などの牧師が、文鮮明の無罪と釈放を要求するデモを行った<ref name=":46">{{Cite web |title=統一教会とは何か?安倍晋三・岸信介元首相らとの関係は {{!}} The HEADLINE |url=https://www.theheadline.jp/articles/655 |website=www.theheadline.jp |access-date=2022-07-18}}</ref>。この事件は、モラル・マジョリティー代表の[[ジェリー・ファルエル]]、南部キリスト教指導者会議代表のジョセフ・ローリー、ハーバード大学神学教授の[[ハーヴィ・コックス]]、アメリカ合衆国上院議員で元民主党大統領候補の[[ユージーン・マッカーシー|ユージン・マッカーシー]]などから、選択的起訴であり信仰の自由への脅威であると抗議を受けた<ref>[https://www.thecrimson.com/article/1984/10/11/moons-financial-rise-and-fall-pbab/?dsq=48682316#comment-48682316 Moon's financial rise and fall],''[[Harvard Crimson]]'', October 11, 1984</ref><ref>Introvigne, Massimo, 2000, ''The Unification Church Studies in Contemporary Religion'', Signature Books, Salt Lake City, Utah, {{ISBN|1-56085-145-7}}, [http://www.signaturebooks.com/excerpts/unification.htm excerpt] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20080513174704/http://www.signaturebooks.com/excerpts/unification.htm|date=2008-05-13}}</ref>。

1980年代から、[[文鮮明]]は統一教会のメンバーに「家庭教会」と呼ばれるプログラムに参加するよう指示し、公共サービスを通じて隣人や地域住民に手を差し伸べるようにした<ref>[[Patrick Hickey (politician)|Patrick Hickey]] ''Tahoe Boy: A journey back home'' John, Maryland, Seven Locks Press (2009) {{ISBN|978-0-9822293-6-1}} pp. 163–168</ref>。

1982年、文鮮明は[[アメリカ合衆国|アメリカ]]で[[脱税]]の罪で[[懲役|懲役判決]]を受けた<ref>{{Cite web |title=米紙が斬る「統一教会にとって日本は大事な“金づる”だ」 教団が安倍晋三を重宝した理由 {{!}} 文鮮明帝国の“カネの流れ”に迫る |url=https://courrier.jp/news/archives/294395/ |website=クーリエ・ジャポン |date=2022-07-14 |access-date=2022-07-18 |language=ja}}</ref>。

1984年、日本統一教会元幹部、[[副島嘉和]]と元営業局長井上博明が連名で、[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]][[1984年]]7月号に「これが『[[世界基督教統一神霊協会|統一教会]]』の秘部だ―世界日報事件で『追放』された側の告発」という18頁に渡る手記を暴露発表したことで、初めて日本国内の一部に統一教会の暗部が露見した<ref name="higuchi160">樋田『記者襲撃』p.160.</ref>。

1984年6月10日頃には全国の店舗に並んだが、その直前の1984年6月2日夜、副島が帰宅途中に何者かに襲撃され、全身を刺され瀕死の重傷を負った「'''副島襲撃事件'''」が発生した<ref name="higuchi162">樋田『記者襲撃』p.162.</ref>。襲撃事件時、世界日報の元記者が副島の自宅に偶然おり、副島が瀕死の状態で自宅にたどりついた時の様子を証言している<ref name="higuchi163">樋田『記者襲撃』p.163.</ref>。副島は全身を刺され、最も深い物で刃渡り15㎝まで到達していたが、心臓からわずかに2センチメートル外れており、また世界日報の別の記者が事件直後にたまたま副島の自宅を訪ねており、救急車に担ぎ込まれた事により副島は奇跡的に生還した<ref name="higuchi163-4">樋田『記者襲撃』pp.163-164.</ref><ref name="higuchi1632">樋田『記者襲撃』p.163.</ref>。副島らは、この襲撃事件前後の統一教会との確執に関して原稿を書き『[[週刊文春]]』に持ち込んだが採用されなかった<ref name="higuchi168">樋田『記者襲撃』p.168.</ref>。また、マスコミも襲撃事件を言論事件として取り上げようとするところはなかった<ref name="higuchi168" />。副島らは孤立無援の状態で統一教会の告発を続けたが、さまざまな事情によりグループから脱落者が出て、それを続けることは難しくなっていた<ref name="higuchi168-9">樋田『記者襲撃』pp.168-169.</ref>。偶然ではあるが、1984年秋から『[[朝日ジャーナル]]』が統一教会、霊感商法の批判キャンペーン記事を掲載しはじめたため、副島らが始めた統一教会批判は実質的には『朝日ジャーナル』へ引き継がれることになった<ref name="higuchi168-9" />。この襲撃事件は[[未遂|殺人未遂事件]]としてではなく、[[傷害|傷害事件]]として捜査された<ref name="higuchi164">樋田『記者襲撃』p.164.</ref>。

1990年代、[[ソビエト連邦]]で活動を開始したが、[[ロシア]]を含む多くの[[ソビエト連邦の崩壊|ポスト・ソビエト諸国]]の宗教当局は統一教会を安全保障上の問題があるとして規制と監視対象とした<ref name=":30" />。

1991年、[[文鮮明]]は、統一教会員が故郷に戻り、そこで使徒的活動を行うべきであると発表した。新宗教運動の研究者であるマッシモ・イントロヴィーニュは、このことは運動のメンバーにとって、もはやフルタイムの信者が重要であるとは考えられないことを確認したと述べている<ref name="autogenerated2">Introvigne, 2000</ref>。同年6月2日、「'''副島襲撃事件'''」は犯人を特定できないまま[[公訴時効]]を迎えた<ref name="higuchi164" />。

=== 世界平和統一家庭連合(1994–) ===
1994年5月1日(統一教会創立40周年)、[[文鮮明]]は統一教会の時代が終わったことを宣言し、新しい組織を発足させた。統一教会のメンバーと他の宗教団体のメンバーが共通の目標、特に性的道徳や異なる宗教、国家、人種の間の和解の問題に向けて働く「'''世界平和統一家庭連合」'''(FFWPU)であった。FFWPUは祝福式を共同主催し、他の教会や宗教の何千ものカップルに、以前は統一教会のメンバーだけに与えられていた結婚の祝福が与えられた<ref name="Fisher">[https://www.washingtonpost.com/wp-srv/national/longterm/cult/unification/part2.htm Stymied in U.S., Moon's Church Sounds a Retreat], Marc Fisher and Jeff Leen, [[The Washington Post]], November 24, 1997</ref><ref name="Introvigne, Massimo 2000">Introvigne, Massimo, 2000, ''The Unification Church Studies in Contemporary Religion'', Signature Books, Salt Lake City, Utah, {{ISBN|1-56085-145-7}}, pp. 47–52</ref>。

2000年、FFWPUは、ワシントンD.C.で行われた家族の結束と人種的・宗教的調和を祝う集会「[[:en:Million Family March|100万家族行進]]」を、[[ネーション・オブ・イスラム]]とともに共催した<ref name="archives.cnn.com">{{cite web |url=https://www.cnn.com/ |title=CNN - Breaking News, Latest News and Videos |website=CNN |access-date=19 January 2019}}</ref>。2000年10月16日、同じくルイ・ファラカンが主催した100万人行進の5周年記念日に開催され、ファラカンがメインスピーカーとして登壇した<ref name="ReferenceC">[https://www.nytimes.com/2000/10/16/us/families-arrive-in-washington-for-march-called-by-farrakhan.html Families Arrive in Washington For March Called by Farrakhan], ''[[The New York Times]]'', October 16, 2000</ref>。FFWPUの指導者であるダン・フェファーマンは、ファラカンと文の見解は複数の問題で異なっているが、「神を中心とした家族」という見解は共有していることを認める手紙を同僚に送っている<ref name="clarkson">{{cite news|last=Clarkson|first=Frederick|title=Million Moon March|work=[[Salon.com|Salon]]|publisher=Salon.com, Inc.|date=October 9, 2000|url=https://www.salon.com/news/feature/2000/10/09/march/print.html|access-date=2009-11-05}}</ref>。

2003年、韓国のFFWPUのメンバーは、韓国で「神と平和と統一と家庭のための党」という政党を立ち上げた。新党の発足宣言では、神と平和について国民を教育することによって、[[朝鮮統一問題|朝鮮半島の統一]]を準備することに重点を置くと述べている。FFWPUのある幹部は、日本や米国でも同様の政党を立ち上げると述べた<ref name="iol.co.za">[https://www.iol.co.za/index.php?click_id=126&art_id=qw1047283022536B265&set_id=1 'Moonies' launch political party in S Korea],''The Independent'' (South Africa), March 10, 2003</ref>。FFWPU関連の万国平和連合会の中東平和構想は2003年から、ユダヤ人、イスラム教徒、キリスト教徒の間の理解、尊敬、和解を促進するために、[[イスラエル]]と[[パレスチナ]]の団体ツアーを開催している<ref>Universal peace federation, [https://www.upf.org/peace-and-security/mepi Middle east peace initiative] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20130117072927/http://www.upf.org/peace-and-security/mepi|date=2013-01-17}}</ref><ref>Andrea Noble, The Gazette, [http://ww2.gazette.net/stories/01082009/bowinew114509_32470.shtml Bowie resident pushes for peace], Gazette.net, Jan. 8, 2009</ref>。

[[2009年]]、コンプライアス宣言を行う。これは、印鑑販売会社「新世」の社長らが[[新世事件|霊感商法で逮捕された]]事件の裁判のなかで、統一教会との関連性が一部認定されたことを受けたものである<ref name=tbs0728/><ref>{{cite news|title=旧統一教会の“分岐点”に…霊感商法初の犯罪認定「新生」事件とは? 渡辺博弁護士が振り返る|url=https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308384|date=2022-07-16|publisher=日刊ゲンダイ}}</ref>。

2012年2月の始め、旧[[ソビエト|ソビエト国家]]である[[キルギス]]では、キルギス国家保安委員会、キルギス検察庁、および州宗教問題局が、統一教会の活動が適切な登録なしに非伝統的な宗教的見解を強制的に広めることにより、キルギスの[[国家安全保障]]に脅威を与えたと主張<ref name=":30" />。裁判所に苦情を申し立てた<ref name=":30" />。[[ビシュケク]]裁判所は、キルギスの領土での統一教会の活動を実質上不可能とする判決を下した<ref name=":30" />。

2012年には開祖の[[文鮮明]]が死去し、妻の韓鶴子が組織全体の責任者となったが<ref>[https://ffwpu.jp/about/builder 創始者:文鮮明総裁・韓鶴子総裁御夫妻]</ref>、「家庭連合幹部と母親韓鶴子女史が、後継権を奪い、韓鶴子女史が自ら教主となり、相続権を奪われた」と主張する七男の[[文亨進]]派と分裂した。

その後、文亨進は、{{仮リンク|サンクチュアリ教会|en|Hyung Jin Moon#Sanctuary Church}}を設立した。そして、文亨進は家族連合(韓鶴子率いる統一教会)と裁判で争い(『統一マーク使用権訴訟』)、勝訴した<ref>{{Cite web |title=サンクチュアリ教会 |url=https://www.sanctuary-jp.org/ |website=日本サンクチュアリ協会 |access-date=2022-07-08 |language=ja-JP}}</ref>。

[[サンクチュアリ教会]]の掲げる主張は統一教会とは異なり、「全能の神が与えた権利によって武器を持ち、民が互いと人類の繁栄を守ることのできる平和の警官、平和の兵士の王国」と銃賛美の宗教となっている<ref>{{Cite web |title=“半自動小銃”を賛美し、銃弾の冠をかぶる? ペンシルベニアの小さな村で行われた合同結婚式 |url=https://www.businessinsider.jp/post-163678 |website=BUSINESS INSIDER JAPAN |date=2018-03-13 |access-date=2022-07-08 |language=ja |first=Michelle |last=Mark}}</ref>。同年には[[札幌地方裁判所|札幌地裁]]により、違法な布教活動、伝道や[[献金]]を強いたとして布教活動を[[違法性|違法]]とする判決が下された<ref>{{Cite web |title=統一教会に2.7億円賠償命令 札幌地裁「布教活動は違法」 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG29048_Z20C12A3CR8000/ |website=日本経済新聞 |date=2012-03-29 |access-date=2022-07-12 |language=ja}}</ref>。

[[韓子熙|韓鶴子]]は、現在のこの運動のリーダーであり、公的なスポークスパーソンとして活動している。2019年、日本での集会で講演し、[[環太平洋地域|環太平洋]]諸国間の理解と協力の拡大を呼びかけた<ref>{{cite news|title=Hak Ja Han Moon calls for South Korea Japan Solidarity|work=[[The Washington Times]]|date=October 6, 2019|url=https://www.washingtontimes.com/news/2019/oct/6/hak-ja-han-moon-calls-south-korea-japan-unity-univ/}}</ref>。2020年、家族連合主催の朝鮮半島統一のための対面・仮想集会で講演し、約100万人の参加者を集めた<ref name="ReferenceI">''[[The Washington Times]]'', 11-22-2020, [https://www.washingtontimes.com/news/2020/nov/22/rally-hope-draws-million-attendees-seeking-korean-/ Rally for Hoope Draws Million Attendees]</ref>。

2020年、[[潘基文]]前[[国連事務総長]]が[[鮮鶴平和賞]]を受賞し、100万米ドルの賞金を授与される<ref>''[[Khmer Times]]'': [https://www.khmertimeskh.com/648786/three-leaders-chosen-to-receive-sunhak-peace-prize-awards/ "Three leaders chosen to receive Peace Prize"]</ref><ref>[https://bankimooncentre.org/co-chair-ban-ki-moons-acceptance-speech-sunhak-peace-prize BAN KI-MOON CENTRE : "Co-chair Ban Ki-moon’s acceptance speech for Sunhak Peace Prize"]</ref>。

2021年、統一教会の関連団体が主催するイベント「希望の結集(Rally of Hope)」で[[ドナルド・トランプ]]と[[安倍晋三]]が演説を行った<ref>[[Yeonhap]] News - [https://www.yna.co.kr/view/AKR20210912043000005 Trump: "My greatest achievement during my presidency was contributing to the construction of a new path between the two Koreas."]</ref><ref>[https://www.huffpost.com/entry/trump-moonies-unification-church-hak-ja-han-moon-christofascist_n_613ec306e4b0640100a6884c Huffington Post: "Trump hails Unification Church"]</ref><ref>[https://www.independent.co.uk/news/world/americas/us-politics/trump-moonies-speech-unifaction-church-b1918750.html The Independent: "Trump gives virtual speech"]</ref><ref>[https://newsday.co.tt/2021/09/13/carmona-trump-call-for-korean-reunification/ TRINIDAD AND TOBAGO NEWSDAY: "Carmona, Trump call for Korean reunification"]</ref>。統一教会は、安倍の祖父で元首相の[[岸信介]]や、安倍の父で元外相の[[安倍晋太郎]]と関係がある<ref>{{cite web |author=Akahata |date=October 14, 2006 |title=Prime Minister Abe sent congratulatory telegrams to Unification Church |url=https://www.japan-press.co.jp/2006/2499/cult.html |website=Japan Press Weekly (japan-press.co.jp)|accessdate=2021-09-15}}</ref>。

[[2022年ロシアによるウクライナ侵攻|2022年2月24日からのウクライナ侵攻]]後、[[ウクライナ]]の家庭連合会長アーニャ・カルマツカヤは、「ウクライナは[[人類]]の平和、自由、人権の為に戦っている」とメディアやSNS上などを通じてウクライナ[[愛国心]]と[[反露|反ロシア思想]]を世界へ向けて説いている<ref name=":6">{{Citation|title=ウクライナ家庭連合 アーニャ・カルマツカヤ会長メッセージ|url=https://www.youtube.com/watch?v=W_TXmL_QGuY|language=ja-JP|access-date=2022-07-12}}</ref>。

2022年7月8日、[[安倍晋三銃撃事件|安倍晋三元首相が奈良市で暗殺された]]が、犯人は、安倍が統一教会と強い関係性があると主張し、統一教会への恨みを晴らすために安倍を銃撃したと動機を説明しているとされる<ref name="washingtonpost20220709">{{cite web |author= Michelle Ye Hee Lee and Julia Mio Inuma |url=https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/09/shinzo-abe-assassination-election-blinken/ | title=Abe’s ruling party secures big election win in the aftermath of his killing | publisher=[[ワシントン・ポスト|The Washington Post]] |language=en |date=2022-7-9 | accessdate=2022-7-11 }}</ref><ref>{{cite web |author=Figaro, [[フランス通信社|AFP]] |url=https://www.lefigaro.fr/flash-actu/japon-la-secte-moon-confirme-que-la-mere-de-l-assassin-presume-d-abe-est-une-fidele-20220711 | title=Japon : la secte Moon confirme que la mère de l'assassin présumé d'Abe est une fidèle | publisher=Figaro |language=fr |date=2022-7-11 |accessdate=2022-7-11 }}</ref>。

== 政治思想・政治活動 ==
[[オウム真理教]]などの[[宗教]]問題を専門とする[[ジャーナリスト]]出身の[[有田芳生]]は、統一教会の本質について、「[[多国籍企業]]を上回る準軍事的な国際政党」「宗教という仮面をかぶった経済=政治複合組織である」との見解を示し、その活動は[[日本]]、[[韓国]]、[[アメリカ合衆国]]をはじめ、世界を股にかけるものとしている<ref name="aritagenri1625">有田芳生『統一教会とは何か ー 追い込まれた原理運動』教育史料出版会 p16~25</ref>。

[[1978年]]に公表された[[米下院]]の[[フレイザー委員会|フレイザー委員会報告書]]では、「厳格な規律をもった国際政党の特徴を備えている」と評価されており、教団の最終目的を、[[教祖]]の[[文鮮明]]を頂点とする「世界的な[[政教一致]]国家を樹立すること」だと断定している<ref name="aritagenri1625" /><ref>有田芳生『統一教会とは何か ー 追い込まれた原理運動』教育史料出版会 p105</ref>。教祖の文鮮明本人は「[[現人神]]である自分を中心とする神国政治を創る」と言っていたとされる<ref>有田芳生『統一教会とは何か ー 追い込まれた原理運動』教育史料研究会 p106</ref>。

[[神田外語大学]]の[[民族主義|民族主義運動]]の専門家であるジェフリー・J・ホールは、統一教会は冷戦時代に後に安倍派となる岸派と協力していたことを指摘しており、無償のボランティアの提供は、選挙において価値を発揮したと述べている<ref name=":17" />。

2022年7月8日に発生した[[安倍晋三銃撃事件]]後の同年7月19日、統一教会元会長[[郭錠煥]]は記者会見にて、「(創設者の故)文鮮明総裁は(安倍氏の祖父の)岸信介元首相と近かった。(父の)[[安倍晋太郎]]元外相とも近かったと承知している」と指摘した<ref name=":53">{{Cite web |title=旧統一教会元会長が指摘「文鮮明総裁は岸信介元首相と近かった。安倍晋太郎元外相とも近かった」 - 社会 : 日刊スポーツ |url=https://www.nikkansports.com/general/news/202207190001329.html |website=nikkansports.com |access-date=2022-07-20 |language=ja}}</ref>。{{main|[[#安倍晋三との関係]]}}

[[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]事務局長代行を務める[[紀藤正樹]]によると、統一教会の信者は自民党の応援団として選挙活動などにも駆り出されているが<ref name=":18" /><ref name=":21" /><ref name=":25" />、2012年(平成24年)に発足した[[第2次安倍内閣|第二次安倍政権]]以降、国会議員が統一教会の行事へ公然と参加するようになった<ref name=":18" /><ref name=":25" />。統一教会との関係を深めると大臣などへの出世が早まる事が認知され、自民党議員らは教会からの寵愛を受けるために統一教会のイベントに参加するなど関わりを深めていった<ref name=":18" /><ref name=":21" /><ref name=":26" />。統一教会との関係を問題視している自民党議員も一部存在はしたが、彼らは党内での発言権は弱く、出世コースからは事実上外されている<ref name=":18" /><ref name=":21" /><ref name=":26" />。信者は[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]への投票を求められる事を、統一教会2世の被害者が語っている<ref name=":18" /><ref name=":21" /><ref name=":26" />。

統一教会2世被害者弁護団は「統一教会は自身らに都合のいい関係の議員を求めており、自由民主党の議員以外にも関係を持っているが、やはり大部分は自由民主党議員である」、と語っており、1990年代の時点で日本の国会議員の内、百数十名(多くは自民党)の秘書は統一教会の信者であり、議員たちの活動は統一教会へ報告され、指示を受けていた<ref name=":26" /><ref>{{Cite web |title=旧統一教会と国会議員の“ただならぬ関係”…霊感商法対策連絡会はずっと危惧していた|安倍元首相銃撃で見えた 統一教会の実態 |url=https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308224 |website=日刊ゲンダイDIGITAL |access-date=2022-07-16}}</ref>。2018年、自民党代議士が統一教会青年イベントに連続出席<ref name=":16">{{Cite web |title=やや日刊カルト新聞: 自民党代議士が統一教会青年イベントに連続出席、来賓祝辞で教祖への感銘を“鮮明”に語る |url=http://dailycult.blogspot.com/2018/10/blog-post_23.html |website=やや日刊カルト新聞 |date=2018-10-23 |access-date=2022-07-12 |last=鈴木エイト}}</ref>。来賓祝辞で教祖への感銘を鮮明語った<ref name=":16" />。

教団は[[国会議員]]のみならず[[地方議員]]にも接近をはかっており、学生[[ボランティア]]などを口実に議員に接近し、ビラ配りなどの活動を熱心に行うと言う。このときも[[#ダミー団体|ダミー団体]]を表に出して、あくまで旧統一教会の信者であることは隠して接近する。[[ジャーナリスト]]の[[いのうえせつこ]]によれば、教団が地方議員に接近する主な理由は、議員の支援者名簿の入手や、議員とつながりのある[[富裕層]]をリストアップして、教団のターゲットを洗い出すことだという<ref>{{Cite web |title=旧統一教会の学生信者が議員に近づく巧妙な手口 決まり文句は「ボランティアで選挙を手伝わせて」|url=https://dot.asahi.com/dot/2022080900079.html |website=AERA dot. |access-date=2022-08-19 |language=ja}}</ref>。

2022年8月に[[TBSテレビ|TBS]]が教団との関係について、全国会議員に「旧統一教会の関連イベントに出席したり祝電を送ったりしたことがあるか」と調査を行った結果、「ある」と答えたのは、[[自民党]]が60人、[[日本維新の会]]が9人、[[立憲民主党]]が5人、[[公明党]]が1人、[[参政党]]が1人だった。選挙支援を受けたことが「ある」と答えたのは、自民党が14人だった。[[政治献金]]を受けたのは自民党議員4人と[[国民民主党]]の[[玉木雄一郎]]だった(全国会議員中、回答率は76%)<ref>{{Cite web |title=【独自】全国会議員アンケート 旧統一教会へのイベント出席・祝電は78人(5日午前10時現在) |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/115309?display=1 |website=TBS |access-date=2022-08-06 |language=ja}}</ref>。

また、宗教ジャーナリストの[[鈴木エイト]]がまとめた資料によると、2022年7月の時点で、少なくとも112人の[[国会議員]]が教団と関与しているとされ、その内訳は[[自民党]]は98人、[[立憲民主党 (日本 2020)|立憲民主党]]は6人、[[日本維新の会]]は5人、[[国民民主党 (日本 2020)|国民民主党]]は2人だった<ref>{{Cite web |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/c3dd03283bae7f89d2a022c22d2dbe560bc258e6 |title=旧統一教会と「関係アリ」国会議員リスト入手! 歴代政権の重要ポスト経験者が34人も |publisher=Yahooニュース |accessdate=2022-07-20}}</ref>。

[[法学者]]の[[南野森]]は、[[新興宗教]]を含め、一般論として[[政治家]]が宗教団体と関係を持つことは問題がないとしつつも、「不法行為を繰り返しているし、自分たちが宗教団体であることを隠してアプローチしてくるところが決定的に他の宗教団体と違う」として、旧統一教会は一般的な宗教団体とは区別して、交流を持つべきではないとしている<ref>{{Cite web |title=不法行為多く 他宗教と相違 九州大・南野森教授(憲法学) |url=https://mainichi.jp/articles/20220809/ddm/003/010/159000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-08-20 |language=ja}}</ref>。

元信者のジャーナリストである[[多田文明]]は、教団は否定しているものの、組織的な教団による政治家への投票指示があったとしている<ref>{{cite news|title=「票の割り振り」 “統一教会”は否定 元信者のジャーナリスト「日本の政治を動かしていくのが最終目的」|url=https://news.ntv.co.jp/category/society/3809e2fd23374c31b0f5fd417da139d4|date=2022-07-21|publisher=日テレニュース}}</ref>。

=== 韓国を中心とする世界統一運動 ===
{{See also|#教典}}

=== 反共主義 ===
[[文鮮明]]は戦闘的な反共産主義者であり{{sfn|ストーム |1993|pp=279-282}}、共産主義は神の摂理に基づく民主主義に対抗する悪魔によるものと主張していた{{sfn|ネメシェギ |1985}}。韓国主導の南北統一を望む[[西側諸国]]、特に西側諸国の反共派から相互支持を獲得することで統一教会は規模を拡大した<ref>理論政策第276~287 号 - p114 1991年</ref>。

教団は共産主義革命の防止を主たる目的とし、日本においては[[岸信介]]らが中心となり、[[1968年]](昭和42年)に韓国と日本で「[[国際勝共連合]]」(通称「勝共連合」)という政治団体を組織した。勝共連合では[[反共主義]]が徹底されており、共産主義は神を否定するサタンの思想であると説く「勝共思想(勝共理論)」<ref name="shokyoriron">{{Cite web |url=https://www.ifvoc.org/riron/riron.html |title=勝共思想講座 |publisher=国際勝共連合(IFVOC) |accessdate=2011-03-06}}</ref> の啓蒙を運動方針の第一義に掲げ<ref name="shokyohosin">{{Cite web |url=https://www.ifvoc.org/opinion/opinion_nentou2011.html |title=平成24年 五大標語/国際勝共連合 運動方針 |publisher=国際勝共連合(IFVOC) |date=2012-01-01 |accessdate=2012-06-21}}</ref>、具体的には[[国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案|スパイ防止法]]や[[青少年有害社会環境対策基本法案|青少年健全育成法]]の制定運動、[[日本国憲法]]や[[教育基本法]]改正の推進、性教育に関する[[教科書問題|教科書改訂]]や子宮頸がんワクチン撲滅キャンペーンなどに取り組む一方、選択的[[夫婦別姓]]制度や[[ジェンダーフリー]]、[[人権擁護法案]]、[[日本における外国人参政権|外国人への参政権]]付与には反対する<ref>{{Cite web |url=http://fwpjapan.easy-magic.com/user/index.php?menu_id=41&mode=view_content&news_content_id=130&page |title=新・男女共同参画案ジェンダーフリーが蠢動 専業主婦狩り・夫婦別姓・過激性教育…「家族破壊」策持ち込む |date=2010-05-01 |work=世界平和連合(FWP)公式ウェブサイト |accessdate=2010-12-01}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://fwpjapan.easy-magic.com/user/index.php?menu_id=41&mode=view_content&news_content_id=127&page |title=外国人参政権いま付与する時でない 残存する国際共産主義 主権と安全が脅かされる |date=2010-02-01 |work=世界平和連合(FWP)公式ウェブサイト |accessdate=2010-12-01}}</ref>。また[[専守防衛]]・[[非核三原則]]・[[武器輸出三原則]]の破棄などを提唱し<ref>{{Cite web |url=https://www.ifvoc.org/opinion/opinion_anzen01.html#2011_0112 |title=日本を守る10の誓いとは― |publisher=国際勝共連合(IFVOC) |date=2011-01-12 |accessdate=2012-06-29}}</ref>、{{要出典|範囲=[[原子力発電所]]の必要性も唱えている。|date=2016年2月}}

なお、教団では、[[LGBT]]、[[同性結婚|同性婚]]や[[夫婦別姓]]を、教義の中で「生活共産主義」と呼び、エバ国家日本には許されないとして認めさせてはならないと説いている<ref name=":26" /><ref name=":18" /><ref>『朝日ジャーナル』1988年12月2日号 p1~3</ref>。

1976年(昭和51年)の第78回国会外務委員会で、[[田英夫]]は、元在米韓国大使館付武官であった朴普煕と非常に親交のあったというロバート・ロランドというユナイテッド航空の人物が、1967年(昭和41年)に文鮮明が「世界反共連合を設立するために日本の山中湖畔で児玉譽士夫、笹川良一と会合をした」「この会合の結果、世界反共連合というものが1968年の1月に韓国に本部を持って発足をし、同年(68年)4月には日本支部が設立され岸信介氏がこれに加わった」と証言している、と述べている<ref name="san19761021">第078回国会 参議院 外務委員会 第4号 昭和51年(1976年)10月21日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/078/1110/07810211110004c.html 議事録])</ref>。

ことに自民党の「韓国[[ロビー活動|ロビー]]」といわれる政治家と親密で<ref name="sekaisyukyojiten">[[村上重良]]『世界宗教事典』([[講談社]]、2000年7月10日)ISBN 978-4061594364</ref>、古くは[[岸信介]]や[[福田赳夫]]、[[安倍晋太郎]]といった領袖が[[文鮮明]]主催のパーティーに参席したり、同僚議員を教義セミナーへ勧誘するなどして尽力<ref name="gendai19990227">{{Cite journal|和書|journal=週刊現代|issue=1999年2月27日号|pages=200-205|publisher=講談社}}</ref>。1989年(平成元年)に東京で開かれた「勝共推進議員の集い」<ref group="注釈">勝共連合と協力関係にある議員は一般に「勝共推進議員(または勝共議員)と呼ばれる。{{要出典|date=2016年2月}}</ref> には自民党・[[民社党]]を中心とする国会議員232名が一堂に会しており、近年でもシンパ議員は250人にのぼると漏れ伝わった<ref>{{Cite journal|和書|title=統一教会の政界工作発覚 秘密内部文書入手|url=https://megalodon.jp/2012-0816-2231-21/www.peeep.us/92744a7b|journal=週刊ポスト|issue=1998年08月07日号|publisher=小学館|archiveurl=https://web.archive.org/web/20121219163137/https://megalodon.jp/2012-0816-2231-21/www.peeep.us/92744a7b|archivedate=2012年12月19日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。自民党内には嘗て教団が支援する教育関係の議員連盟が設立されたこともあり<ref name="post20050422">{{Cite journal|和書|journal=週刊ポスト|issue=2005年4月22日号|publisher=小学館}}</ref>、地方議員が関連団体の地元支部で役職に就くことも珍しくない<ref group="注釈">多くの地方議員が世界平和連合の各県連合会で議長や理事または勝共連合の支部長を務めていると、機関紙の思想新聞が報じている{{要出典|date=2016年2月}}。</ref>。

{{See also|#韓国を中心とする世界統一運動}}

1977年(昭和52年)の第80回国会文教委員会で、政治家の[[大塚喬]]は、「1961年の朴政権発足とともに、その庇護のもとに急速に勢力を伸ばしてまいりました。」と述べている<ref name="sekaisyukyojiten" /><ref name="san19770407">第080回国会 参議院 文教委員会 第8号 昭和52年(1977年)4月7日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/080/1170/08004071170008c.html 議事録])</ref>。後に教団ナンバー2となる[[朴普煕]]を始めとした韓国軍の高級将校も入教しており、系列企業の「統一産業」が小銃工場を建設する際に、文鮮明の側近となった[[朴普煕]]と[[朴正煕]]大統領(当時)が事業支援について協議したことや、公務員教育が国際勝共連合で行われたことなどが報じられた<ref name="nt19760525">『ニューヨーク・タイムズ』1976年5月25日付</ref>。昭和53年の第84回国会予算委員会で、内藤功は「米国議会フレーザー委員会におきまして「米韓関係の調査」と題する報告書が公表された。その中で統一教会は[[大韓民国中央情報部|KCIA]]が政治活動の目的のために組織したものだ、こういう[[中央情報局|米CIA]]資料を公開しております。」と述べ、園田直(当時国務大臣)は 「米国下院国際関係委員会の国際機構小委員会、いわゆるフレーザー委員会が米韓関係に関する調査との関連で先月開催した一連の公聴会の冒頭、韓国中央情報部長であった金鍾泌氏が統一教会を設立した旨の米政府部内資料が公開されたということは承知しており、すでにその資料の写しを取り寄せ済みでございます。ただ、同資料がどのような裏づけを持ってやられたものか等を含め、同資料の性格はまだ判明しておりません。なお、この公聴会では、後日、22日だと思いますが、公聴会で統一関係者が右資料の趣旨を否定する証言を行った旨、これまた報道で承知しております。」と述べている<ref name="san19780403">第084回国会 参議院 予算委員会 第23号 昭和53年(1978年)4月3日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/084/1380/08404031380023c.html 議事録])</ref>。

日本では、[[日本共産党]]をターゲットにさまざまな妨害工作を仕掛けていたとされる。[[有田芳生]]が[[右翼]]の畑時夫から得た証言として、[[袴田里見]]副委員長が共産党を除名になった直後の[[1978年]]に、統一教会の[[久保木修己]]会長と[[国際勝共連合]]の梶栗玄太郎理事長が、[[京都市]]内のホテルで、袴田と面識があった畑時夫と面会し、「金はいくらかかってもいいから袴田をなんとか手に入れることができないか。共産党を攻撃する材料ができる」と相談したという<ref>有田芳生『統一教会とは何か ー 追い込まれた原理運動』教育史料出版会 p108~110</ref>。

ソ連では、共産主義が失速した後、西側から様々な新興宗教が進出していたが、文鮮明もソ連人を援助し、1990年4月にモスクワで開かれた統一教会の世界メディア会議の後、[[ミハイル・ゴルバチョフ|ゴルバチョフ]]と個人的に面会し、日本の経済界に働きかけて対ソ投資について調査させることを約束した{{sfn|ストーム |1993|pp=279-282}}。

==== 北朝鮮融和路線への転換 ====
統一教会は[[共産主義国]]である[[北朝鮮]]と「宗教の自由を認めず、弾圧している」として長年敵対関係にあった。政治団体である「[[国際勝共連合]]」という「反共組織」を通じて、反共の先頭に立って「共産主義撲滅」「打倒金日成政権」の運動・活動を展開していた。[[文鮮明]]は、北朝鮮の[[金日成]]主席を「共産主義の悪魔」と攻撃し、[[1950年]]12月以降から韓国へ移住するまで北朝鮮部分に住んでいて拷問を受けたこと、3年近くの興南監獄で多くの罪なき囚人たちが死んでいくのを見たことで「反共思想」に至ったと述べている<ref name=":2">{{Cite web |title=統一教会・文鮮明教祖は、なぜ北朝鮮に行ったのか? {{!}} familyforum |url=https://familyforum.jp/2013112225785 |website=familyforum.jp |date=2013-11-22 |access-date=2022-07-08 |language=ja |last=Gen-chan}}</ref>。北朝鮮もまた文鮮明教祖を「反共の頭目」と痛烈に批判していたように統一教会と北朝鮮はまさに不俱戴天の間柄だった<ref name=":1">{{Cite web |title=30年前の「統一教会」教祖の電撃訪朝から予見するローマ教皇訪朝の可能性(辺真一) - 個人 |url=https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20211203-00270976 |website=Yahoo!ニュース |access-date=2022-07-08 |language=ja}}</ref>。

しかし、[[ベルリンの壁]]の崩壊と東欧社会主義諸国の瓦解後である1991年11月30日に、文は金日成による[[招聘]]を受けて北朝鮮を電撃訪問し、金日成主席と会談している。金日成は「連邦制による祖国統一実現のためには反共主義者とも手を握る必要がある」として、文をVIP待遇で「統一の使者」として受け入れるよう指示していた。これは、北朝鮮の党国際局・対韓担当の祖国平和統一委員会などの反対を押し切った判断であった<ref name=":1" />。教団系メディア『世界日報』によれば、'''金日成と文鮮明の会談では北朝鮮に対して教団が経済的支援を約束する合意がなされた。'''また『[[聯合通信]]』が報じたところによると、北朝鮮側は先立って[[原油]]輸入代金として1億5000万ドルの献金を求めた<ref>『毎日新聞』 1991年12月7日号 朝刊 7面</ref>。

満40年10か月ぶりの北朝鮮訪問後の1991年12月7日に北京での声明文「北朝鮮から帰って」において、「北朝鮮に恨(ハン・恨み)が多いと言えば誰よりも多い人間です。」「過去40年の[[冷戦|東西冷戦時代]]に誰よりも徹底した反共指導者であり、国際勝共連合の創始者として一生を勝共闘争に捧げてきたことは、世界がみな知っております」「冷戦時代の終焉とともに招来した平和の運勢を世界的に拡散させるために、私は「世界平和連合」を創設し、国際的平和運動を主導しています。」「統一祖国の明るい新世紀を迎える準備を急ぎましょう。」と冷戦崩壊後に対北朝鮮方針を転換した理由を述べている<ref name=":2" />。

教団などは文鮮明が[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]を訪問し、朝鮮半島の非核化宣言の合意形成に成功したお陰でこの時期の半島での戦争を避けられたと主張している<ref>{{cite news|url=https://foreignpolicy.com/2012/09/04/the-strange-life-of-reverend-sun-myung-moon/|title=The Strange Life of Reverend Sun Myung Moon|publisher=[[フォーリン・ポリシー|Foreign policy]]|date=2012-09-04|accessdate=2021-10-15}}</ref>。訪朝後は経由地の[[北京]]で「私が過去40年の東西冷戦時代に誰よりも徹底した反共指導者であり、国際勝共連合の創始者として一生を勝共闘争に捧げてきたことは、世界がみな知っている」としつつ「しかし、私の勝共思想は共産主義を殺す思想ではなく、彼らを生かす思想、すなわち人類救済の思想」<ref>{{cite web |url=https://familyforum.jp/2013112225785 |title=統一教会・文鮮明教祖は、なぜ北朝鮮に行ったのか? |date=2013-11-22 |author= |work= |accessdate=2016年7月24日}}</ref><ref>文鮮明「北朝鮮から帰って」1991年12月7日</ref> とする声明文を発表した。

2012年9月3日に世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創始者の文鮮明が死亡した際には、北朝鮮の金正恩第1書記は遺族に弔電を送り、「文鮮明先生は逝去したが、民族の和解と団結、国の統一と世界平和のために傾けた先生の努力と功績は末永く伝えられるだろう」との哀悼の意を表している<ref>{{Cite web |title=asahi.com(朝日新聞社):金正恩氏、文鮮明氏の遺族に弔電 - 北朝鮮関連 |url=http://www.asahi.com/special/08001/TKY201209050150.html |website=www.asahi.com |access-date=2022-07-08}}</ref>。

2013年1月22日には北朝鮮と世界基督教統一神霊協会(統一教会)の合弁会社「平和自動車(Pyeonghwa Motors)」の最高経営責任者(CEO)で、米国市民権を持つ朴相権へ追加投資を引き出すために、北朝鮮から平壌市の名誉市民証を授与されている<ref>{{Cite web |title=北朝鮮、米国人に名誉市民証を授与 統一教会との合弁会社CEO |url=https://www.afpbb.com/articles/-/2922647 |website=www.afpbb.com |access-date=2022-07-08 |language=ja}}</ref>。

=== 反日思想 ===
日本は「[[サタン|サタン(悪魔)]]の国<ref name=":232" />」であるとの[[反日]]教義が教えられている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}<ref name=":252">{{Citation|title=「旧統一教会の会見について」全国霊感商法対策弁護士連絡会が記者会見|url=https://www.youtube.com/watch?v=6TAEw136rrQ|language=ja-JP|access-date=2022-07-15}}</ref>ほか、教祖の[[文鮮明]]は[[日本民族]]や[[天皇]]への侮辱的・差別的な発言を繰り返していたことでも知られる<ref name=":92" /><ref name=":122" /><ref name=":132" /><ref name=":172" />。

[[文鮮明]]は教義の一つとして、「日本の[[天皇]]と韓国の王とが交差結婚をしなければならない。」「日本の[[皇室]]と(文教祖の)孫たちが結婚する時が来て、すべての国の王権の代表者たちと結婚する時代に入る。」「韓国が支配された立場とは逆に日本を支配するところまでいかなければなりません。」と説いた<ref name=":9">「文鮮明先生御言選集」346巻より</ref><ref name=":12">「文鮮明先生御言選集」328巻より</ref><ref name=":13">哀れな復帰の役軍たち 1969年6月8日 前本部教会</ref>。

統一教会の教典「[[原理講論]]」の韓国版には「日本は[[サタン|サタン(悪魔)]]の国」であるとしており、文鮮明教祖は[[イエス・キリスト]]の再来と書かれており、日本支部会長扮する[[今上天皇|天皇陛下]]が文教祖一家にひざまずく儀式を行っている<ref name=":23">『文藝春秋』1984年7月 134-151頁</ref>。

このほかにも、統一教会内部では「[[昭和天皇]]は霊界で、『原理講論』を一生懸命勉強している。そのことが、私たちのこの世での活動を助けてくれている」「天皇家には色情因縁があるから[[皇太子]]殿下は婚期が遅れている」と教えられている。文鮮明は、皇太子がまだ独身の時代に、「結婚相手を統一教会信者の中からあてがう」との趣旨の発言をしていた<ref>「文鮮明統一教会教祖が皇太子結婚で超問題発言」『週刊文春』1993年7月1日号 p52~55</ref>ほか、「[[韓民族]]に重い原罪を負っている日本人の結婚相手は、動物でももったいないくらいだ」とも説いていた<ref name="bunshun20220728p3336" />。

文鮮明は[[イエス・キリスト]]の「[[再臨|再臨論]]」も説いており、「韓国のキリスト教を過酷に[[迫害]]した」「[[天照大神]]を崇拝してきた[[全体主義|全体主義国家]]」と教会から批評される日本と、[[共産主義|共産化]]した[[中華人民共和国|中国]]は「サタンの国」であるため、イエスが再臨する『[[再臨|東の国]]』とは韓国であるとしている<ref name=":2922">{{Cite web |title=再臨論2 {{!}} 世界平和統一家庭連合 教会員ポータルサイト FFWPU.Family |url=https://ffwpu.family/library/divineprinciple/secondadvent/secondadvent2 |website=世界平和統一家庭連合 教会員ポータルサイト FFWPU.Family {{!}} 世界平和統一家庭連合教会員のための総合ポータルサイト |date=2011-04-28 |access-date=2022-07-15}}</ref>。また、「[[メシア]]を迎え得る国となるために我々は第三[[イスラエル (民族)|イスラエル選民]]となければならない」としている<ref name=":2922" />。

[[阪神淡路大震災]]について、教団内部では、日本での献金が滞ったことや、犯罪歴などを理由に教祖の文鮮明の入国を拒否したことへの「[[天罰]]」であるとの趣旨の教えが流布されていた<ref>「統一教会 阪神大震災の被災者を嗤った文鮮明教祖の大暴言」『週刊文春』1995年3月2日号 p54~57</ref>。

統一教会は韓国と日本では史観が違っており、韓国では献金などのノルマなどは厳しくないが、日本国内での統一教会の信仰者はまず始めに全財産の額の把握を教会にされる<ref name=":18" /><ref name=":21" />。その後「地獄に行く、天国にいけない」と教えられ、莫大な献金を促される<ref name=":18" /><ref name=":21" />。全財産を捧げる事を教義としており、破産しても借金する方法を教える事で貢がせ続ける<ref name=":18" /><ref name=":21" />。

日本統一教会は「先祖の罪業を辿って償わないと不幸になる」という論理を教義の一つとしており、人値の先祖辺り70万円以上の定額寄付を促される。最終的に信者の財産を絞りつくす為にも、定額寄付は信者の資産ごとにコミットメントされ、場合によって縄文時代にまで家系図を遡るように作成され恐怖を植え付けさせ続ける<ref name=":18" />。
統一協会の教義の確信は「[[堕落論]]」にあり、この教義を利用して霊感商法を行っている<ref name="wp130722" />。この教義の中の「万物復帰」という教えは、「全ての万物は神に捧げなければならない」という統一教会の集金システムであり、最終的に信者の全財産を捧げさせる為の物である<ref name=":18" /><ref name=":21" />。

統一教会の教義には、日本人女性を[[マインドコントロール|マインドコントロール(洗脳)]]し、韓国人男性と強制的に結婚させて韓国の血の入った子を産ませることで、「日本の穢れた血」を浄化するという教えもあり<ref name=":18" /><ref name=":26" />、「'''[[合同結婚式]]'''」(信者は「祝福」と呼ぶ)と呼ばれる教団内婚制をとり、教祖のインスピレーションに従って信者同士で結婚する{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}。「合同結婚式」の参加費用でも日本人は差別されており、日本人は1人あたり50万円から150万円なのに対し、[[韓国人]]は5万円(25万[[ウォン]])未満ほどだという(1988年当時)。小規模な閉鎖的コミュニティを除き、教団内婚制をとる巨大教団はほかには見られない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}。

[[慰安婦問題]]も罪悪感を植え付け、マインドコントロールするために利用されており<ref>[https://www.mbs.jp/news/feature/kansai/article/2022/07/090064.shtml 【記者会見の全容】「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の会見『夫からの暴力』『自己破産』旧統一教会の二世信者も出席し"苦悩" 語る]</ref>、[[2012年]]当時、[[韓国]]では教団系の「韓日の歴史を克服し、友好を推進する会」が「[[慰安婦問題]]について、心よりお詫びします」と[[土下座]]するパフォーマンスを韓国各地で繰り返していた。メンバーは教団の合同結婚式で韓国に嫁いでいった日本人妻で、「日本人は植民地時代の罪を韓国人にあがない続けなければならない」と叩き込まれていたという<ref>『AERA』2012年9月17日号 p65</ref>。

世界で活動する教団の運営資金の7割は日本での「'''[[霊感商法]]'''」から得られたものであり<ref name="wp130722" />、日本は「金のなる木」、集金の場所として扱われた{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}<ref name=":25" />。

また韓国の系列企業のビジネスには、日本の献身(無給に近い待遇で、教団の指示のもと様々な活動に従事すること{{sfn|櫻井|2004|p=215}})した信者による物販で稼ぎ出された資金が使われていた{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}。

=== 学術界への浸透 ===
教団は[[学術界]]への浸透も図っており、教団系の学者・文化人組織「[[世界平和教授アカデミー]]」等の団体を通じてシンパへの支援を続けていたとされる。特に教団と近いとされたのは、[[物理学者]]の[[福田信之]]だった。[[1976年]]の[[衆議院]]文教委員会では、当時[[筑波大学]]副学長だった福田の教団との密接な関係が政治的・宗教的中立性の観点から問題視された。福田は[[1983年]]11月に米国で開かれた統一教会教祖・[[文鮮明]]主宰の昼食会に参加していたほか、文鮮明が脱税により米国で逮捕されたことについて、教団や[[国際勝共連合]]の機関紙に「米国の歴史的な汚点」などと米当局を非難する談話を寄せていた。福田はたびたび[[韓国]]に渡航していたが、大学側はその目的について把握していなかった。また、福田が[[筑波大学]]学長を務めていた[[1984年]]に新設された「国際関係学類」について、教団系の「世界平和教授アカデミー」の会員や、改憲・核武装論者が多く「政治色が強い」「まるで政治団体のよう」として問題視された。[[朝日新聞]]は関係者の証言として、福田が「世界平和教授アカデミー」の活動を基盤に、[[右傾化]]・[[自民党]]の政治路線への寄与を狙っている可能性について言及した<ref>『朝日新聞』 1984年9月1日号 朝刊 3面</ref><ref>『朝日新聞』 1985年7月10日号 朝刊 3面</ref>。

=== 各国政府・政党との関係 ===
==== 韓国 ====
[[フレイザー委員会]]に関連して公開された、[[1963年]]から[[1965年]]にかけて作成された統一教会に関する米[[中央情報局]](CIA)による3つの秘密報告書によれば、[[1954年]]に[[文鮮明]]によって設立された統一教会は、[[1961年]]に[[大韓民国中央情報部]](KCIA)部長の[[金鍾泌]]の指示で「'''韓国政府機関'''」として再組織され、莫大な資金力を背景にアメリカや日本で秘密裏に政治活動を行っている。また教団は、米国で「韓国文化自由財団」というフロント組織を持ち、この組織の名目上のリーダーは[[梁裕燦]]だが、本当のリーダーは陸軍将校[[朴普煕]]であるという<ref name="名前なし-rKH--2">『朝日新聞』1978年3月17日 朝刊 3面</ref>。

[[1977年]]5月5日、米[[ニューヨーク・タイムズ]]紙は、[[金炯旭]]を取材、「[[コリアゲート]]」に関与する[[朴東宣]]が、[[1960年]]からKCIAの[[工作員]]であるとの証言を得ている。この他、当時の韓国駐カナダ大使、'''統一教会[[教祖]]・[[文鮮明]]と文鮮明の顧問・[[朴普煕]]もKCIAの工作員であることも明かしている'''<ref>『読売新聞』1977年6月6日 朝刊 4面</ref>。

[[1977年]]6月、[[早稲田大学]]で「在日韓国人政治犯救援会」が教団系の「[[原理研究会]]」と公開討論を行い、その中で原理研は、教団の活動が[[大韓民国中央情報部]](KCIA)に好感を持たれていること、原理研が勧誘活動で入手した資料や写真がOBを通じて、KCIAに流出する可能性があることを認めている<ref name="名前なし-rKH--2" />。

韓国では教団自ら政党を設立して政界進出を企図することもある。2008年4月に行われた[[第18代総選挙 (大韓民国)|総選挙]]では「平和統一家庭党」から全245地方区(選挙区)と13比例区に候補を立て臨むも全員落選。更に、政党得票率が全有効票の2%に満たなかったため、選挙法の規定により政党登録を抹消されることとなった<ref>{{Cite web |url=http://www1k.mesh.ne.jp/reikan/jittai/jittai_heiwa.htm |title=平和統一家庭党解説 |work=霊感商法の実態 |publisher=全国霊感商法対策弁護士連絡会 |accessdate=2012-06-22}}{{リンク切れ|date=2013年11月}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2008/04/post_e18e.html |title=〈情報〉家庭党登録取り消しへ |work=有田芳生の『酔醒漫録』 |date=2008-04-13 |accessdate=2010-11-22}}</ref>。こうした教団の動きに対し同選挙では、「統一教会対策協議会」を中心に全キリスト教派が連携し、統一家庭党候補への落選運動も展開された<ref>{{Cite news|url=https://www.christiantoday.co.jp/articles/1973/20080212/news.htm|title=韓国総選挙 統一教会系候補者が全国で立候補の動き キリスト教会が対抗策を展開|newspaper=CHRISTIAN TODAY|publisher=Christian Today Co., Ltd.|date=2008-02-12}}</ref>。

==== 米国共和党 ====
1970年代から[[文鮮明]]はアメリカに居を構えて、大規模な講演会を幾たびも開催した。日本から渡米した信者らも活発に伝道と経済活動をした。自ら創刊した[[保守]]系新聞『[[ワシントン・タイムズ]]』などのマスメディアで政治的に保守政党である[[共和党 (アメリカ)|共和党]]を一貫してバックアップしたほか、[[リチャード・ニクソン|ニクソン]]などの[[共和党 (アメリカ)|米国共和党]]政治家を支援し、関係を築いてきた<ref>{{cite news|title=Bush Sr. To Celebrate Rev. Sun Myung Moon – Again|url=https://www.motherjones.com/politics/2007/04/bush-sr-celebrate-rev-sun-myung-moon-again/|date=2007-04-29|accessdate=2021-10-15|publisher=[[:en:Mother Jones (magazine)|Mother Jones]]}}</ref><ref>{{cite news|title=Sun Myung Moon, founder of Unification Church, dies at 92|url=https://www.nbcnews.com/news/world/sun-myung-moon-founder-unification-church-dies-92-flna975974|publisher=NBC NEWS|date=2012-09-03|accessdate=2021-10-15}}</ref><ref>{{cite news|title='Moonies' founder dies, aged 92|url=https://www.irishtimes.com/news/moonies-founder-dies-aged-92-1.734537|publisher=[[アイリッシュ・タイムズ|The Irish Times]]|date=2012-09-03|accessdate=2021-10-15}}</ref>。

その政治的・社会的影響力について、1976年の''[[ニューヨーク・タイムズ]]''紙は、その活動を以下のように報じている<ref name=":46" />。<blockquote>急成長している文鮮明のグループは、米国内で韓国政府への支持を確立するため多くの努力を払っている<ref name=":46" />。これらは、議会での集中的な[[ロビー活動]]、著名な政治家や実業家、地域リーダーへの働きかけ、韓国で戦争が起こった場合に参戦することを誓う熱心な[[信者|信奉者]]の育成、[[共産主義]]を攻撃して、韓国とアメリカの[[愛国]]的テーマを結びつける入念なPRキャンペーンなどの形式を取っている<ref name=":46" />。</blockquote>

元[[アメリカ合衆国大統領]]の[[ジョージ・H・W・ブッシュ]]は[[1995年]]に日本で開催された教団系の「[[世界平和女性連合]]」で講演している。[[1996年]]には、[[アルゼンチン]]で創刊された教団系の新聞のパーティーでスピーチをしていた<ref name="aera20040510">『AERA』2004年5月10日号 p36~38</ref><ref>{{cite news|title=Bush Addresses Group Tied to Rev. Moon|url=https://apnews.com/article/33eb0acde60ea936600e904499ec3fd2|date=1995-09-15|publisher=AP|accessdate=2021-10-15}}</ref><ref name="excerpt">[http://www.signaturebooks.com/excerpts/unification.htm excerpt] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20030429161208/http://www.signaturebooks.com/excerpts/unification.htm|date=29 April 2003}} The Unification Church Studies in Contemporary Religion, Massimo Introvigne, 2000, Signature Books, Salt Lake City, Utah, {{ISBN|1-56085-145-7}}</ref>。ブッシュはまた、教団系の[[ワシントン・タイムズ]]紙について、「自分の政権はもちろん、アメリカの国益の推進のために計り知れない役割を果たしてくれた」と評価。同紙は[[レーガン]]政権時も[[旧ソ連]]への対抗政策「[[戦略防衛構想]](SDI)」を擁護する役割を果たしている<ref name="aera19950925" />。[[有田芳生]]は、教団は[[共和党 (アメリカ)|米国共和党]]と密接な関係にあり、ブッシュの一連の言動は、その交際の一環とみるべき、としている<ref name="aera19950925" />。

息子の[[ジョージ・W・ブッシュ]]も[[2002年]]5月に[[ワシントンD.C.|ワシントン]]で開かれたワシントン・タイムズ紙創刊20周年の集まりにメッセージを寄せている<ref name="aera20040510" />。

さらにブッシュ一族の中には統一教会の信者がいるとの噂もあった<ref name="aera20040510" />。

==== 日本 ====
日本での選挙の際にも信者を運動員として派遣し主に頑強な右派候補を積極的に支援することが知られ、1986年(昭和61年)の[[第14回参議院議員通常選挙|衆]]・[[第38回衆議院議員総選挙|参]]ダブル選挙では教団が肩入れした候補150人のうち134人を当選させ、後にその全員が教義セミナーを受講したと勝共連合の機関紙が伝えた<ref>『思想新聞』1986年7月20日号</ref>。1978年(昭和53年)の第84回国会地方行政委員会で、政治家の[[正森成二]]は、勝共連合が「「やっぱり杉村氏は極秘党員か」、こういうビラを全戸に一斉に配布いたしました。」と述べている<ref name="syu19780601">第084回国会 衆議院 地方行政委員会 第24号 昭和53年(1978年)6月1日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/084/0050/08406010050024c.html 議事録])</ref>。

[[1977年]]7月、[[警視庁]]は、統一教会品川大田支部長の男(33)を選挙違反の疑いで逮捕した。男は都議選・永井辰男候補の運動員だった。別の信者に指示して、[[品川区]]内の50戸に同候補の推薦文の載せたはがきを配布させ、報酬として6万円を渡した疑い<ref>『読売新聞』1977年7月28日号 朝刊 21面</ref>。

教団の日本の政治への影響力を高める方法として主流だったのは、信者を[[議員秘書]]に育成して[[国会議員]]のもとに派遣することだったとされる。

当時[[ジャーナリスト]]として活動していた[[有田芳生]]の調査によれば、[[1991年]]当時、自民党の[[新井将敬]]と[[東力]]、[[民社党]]の[[菅原喜重郎]]の[[公設秘書]]が統一教会の信者だったという。[[私設秘書]]はさらに多く、自民党の[[高橋一郎]]、[[伊藤公介]]、[[平沼赳夫]]、[[原健三郎]]、[[大塚雄司]]らの議員秘書が信者だったとされ、ある自民党大物議員も「こんなものじゃない。私設秘書だって数十人の規模でいる」と証言していたというほどだった。1990年2月の大塚の選挙活動には数十人規模の信者が関与していたとされ、[[カンパ]]、[[ポスター]]貼り、他陣営候補者のポスター破り、推薦[[はがき]]の宛名書き、演説会の案内状書き、支持依頼の[[電話]]などを熱心に行ったという。教団は[[京都]]の[[嵐山]]と[[神戸]]の[[須磨区|須磨]]の関連施設を、信者を議員秘書とするための養成所とし、話し方、接待の仕方、お茶の出し方、受付や[[名刺]]交換、電話の応対の作法などを泊まりがけで叩きこんだとされる<ref>有田芳生『統一教会とは何か ー 追い込まれた原理運動』教育史料出版会 p90~103</ref>。このほかにも、勝共連合では「まず秘書として食い込み議員の秘密を握り、次に自ら議員になれ」との指示が下されているという<ref name="gendai19990227" />。

文鮮明本人がアメリカで行った演説の内容として「先生(文鮮明が使う一人称)は、[[上院議員]]一人あたり三人の若い夫人を割り当てるだろう。・・・・・上院議員を正道に戻すには、まずその助手たち、とくに秘書たちを友達にしなければならない」([[1972年]])「先生には、多数の美貌の女性たちが必要である。三百人ほど必要である。先生は上院議員一人あたり三人の若い夫人を割り当てるだろう。一人は選挙、一人は渉外、一人はパーティーを担当する。もし女性会員たちが多くの点で上院議員たちにまさっていれば、その上院議員はまさにわれわれの会員のとりこになるだろう」([[1973年]])とあり、同様の戦術を米国でも行っていたことを教祖自ら語っていたことになる<ref>有田芳生『統一教会とは何か ー 追い込まれた原理運動』教育史料研究会 p105~106</ref>。

政治家の[[中村敦夫]]は、[[1998年]](平成10年)の第143回国会法務委員会で、国会議員に対して統一教会やその政治組織などから秘書が派遣されており、多い人は統一教会から一人の議員に、9人もの秘書がついているというようなこともあったと述べている<ref name="san19980922">第143回国会 参議院 法務委員会 第3号 平成10年(1998年)9月22日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/143/1080/14309221080003c.html 議事録])</ref>。在任中の[[法務大臣]]であった[[保岡興治]]が政策秘書として使う信者(1800双)<ref group="注釈">教団の行う合同結婚式は参加するカップル数により、それぞれ「6500組合同結婚式」「3万組国際合同結婚式」などと命名され、信者は自身が祝福(結婚)を受けた式の参加人数により「6500双(6500組)」「3万双(3万組)」と呼ばれる。{{要出典|date=2016年2月}}</ref><ref>[http://www.ucjp.org/?page_id=21 祝福結婚とは]</ref> を[[秘書官]]に登用したことが週刊誌で報じられ<ref>{{Cite journal|和書|title=森内閣にまたも大問題 保岡興治法相の秘書官はあの『合同結婚式』参加者|journal=FRIDAY|issue=2000年9月8日号|publisher=講談社}}</ref> 国会で追及を受けたこともある<ref name="san20000830">第149回国会 参議院 決算委員会 第2号 平成12年(2000年)8月30日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/149/0015/14908300015002c.html 議事録])</ref>。1992年(平成4年)3月には国会議員による法務大臣への働きかけが奏功し、本来であれば米国で1984年に受けた実刑判決の影響で日本へ入国できない文鮮明が、14年ぶりの来日を果たし各地で説教した<ref name="san19980922" /><ref>{{Cite news|url=http://utenti.multimania.it/esashi/abesin21.JPG|title=統一教会・文教主の特別入国 自民6議員も要請状 法務省回答|newspaper=朝日新聞|date=1992-11-07}}{{リンク切れ|date=2013年11月}}</ref>。

また秘書となった信者が自ら選挙に立候補するケースもあり、例えば[[渡辺美智雄]]([[国会議員]])の元秘書(6000双)で、霊感商法でトーカーと呼ばれる霊能師を担当していた者が衆院選候補に転身し、後に自民党が公認<ref name="kaminokuninohoukai" /> している。2010年(平成22年)にも市議選への女性信者の出馬が発覚した<ref>{{Cite web |url=http://dailycult.blogspot.jp/2010/11/blog-post_4109.html |title=統一教会(統一教会)信者?が松戸市議選に立候補していた! |work=やや日刊カルト新聞 |date=2010-11-16 |accessdate=2012-06-20}}</ref>。

弁護士の渡辺博は、[[安倍晋三]]への銃撃事件を受けて会見し、「二十数年前の調査では、統一教会の信者百数十人が自民党などの国会議員の秘書になっていた」と述べている<ref name="kyodo47reikanbengo">{{Cite news|title=動機は「私怨」、国葬は「民主主義守る」ため?  霊感商法被害1237億円、弁護士らが安倍氏に抗議文|website=共同通信|date=2022-07-15|url=https://www.47news.jp/8053716.html|accessdate=2022-07-16}}</ref>。

[[有田芳生]]によれば、1980年代から始まった「[[スパイ防止法]]」の制定運動など、自民党の一部議員が推進する政策にも教団の思惑が反映されているという。また、「[[日韓トンネル]]」の建設推進運動の背後にも、教団関係者の暗躍がみられるとしている<ref>有田芳生『原理運動と若者たち』教育史料出版会 p152~173</ref>。

1987年(昭和62年)の第109回国会法務委員会で、政治家の安藤巖は「霊感商法をやっておる「世界のしあわせ」、「世界のしあわせ北海道」、「世界のしあわせ名古屋」あるいは「世界のしあわせ九州」、「(世界のしあわせ)広島」」といった団体から自民党の保岡興治議員、桜井新議員、亀井静香議員に政治献金がなされており、政治資金報告書によると、わかっている範囲で保岡が400万円、桜井が150万円、亀井が300万円、また自民党の中村文教部会長が国際勝共連合から10万円の政治献金を受け取っていると述べている<ref name="syu19870916">第109回国会 衆議院 法務委員会 第11号 昭和62年(1987年)9月16日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/109/0080/10909160080011c.html 議事録])</ref>。
1977年(昭和52年)の第80回国会予算委員会で、政治家の[[石橋政嗣]]は、総理あてに原理運動被害者父母の会から出された陳情書の中に、「(真っ先に自民党に陳情したが)多くは儀礼的な挨拶だけで、中には『自民党では、この問題はタブーです』とハッキリ断られた人も居ります。」と書かれている、と述べている<ref name="syu19770207">第080回国会 衆議院 予算委員会 第2号 昭和52年(1977年)2月7日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/080/0380/08002070380002a.html 議事録])</ref>。

[[1987年]]8月には、「[[霊感商法]]」の卸元の1つだった「世界のしあわせ名古屋」が自民党の小島善吉・静岡県議とともに[[静岡県警]]を訪れ、「今後、誤解を招くような商法は一切しない」との説明をしていたことがわかった。県議は「[[国際勝共連合]]に頼まれた」としている<ref>朝日新聞 1987年8月28日 夕刊</ref>。

[[有田芳生]]によれば、[[1992年]]3月の[[文鮮明]]来日時にも、自民党関係者との密接なつながりが見られたという。文鮮明は過去に二度来日したが、[[出入国管理法]]に違反して宗教活動を行なったため、[[1979年]]・[[1981年]]・[[1982年]]にわたり、入国を三度拒否されている。この異例の来日が実現した背景には自民党副総裁の[[金丸信]]の働きかけがあったとされる。来日した文鮮明は29日に[[中曽根康弘]]と会談し、30日夜には「北東アジアの平和を考える国会議員の会」が主催した晩餐会で、三十一人の国会議員の前で講演を行なった。31日には金丸信と密室で会談した。金丸との会談の内容は主に[[北朝鮮]]をめぐるものだったとされ、[[金日成]]の親書を金丸側に手渡したとの噂まであった<ref>有田芳生『統一教会とは何か ー 追い込まれた原理運動』教育史料出版会 p84~90</ref>。

[[韓国]]の統一教会で発行された『統一世界』[[1990年]]4月号では、文鮮明本人が日本の政治に対する影響力の大きさを自慢する[[演説]]の要旨を紹介している<ref name="arita106107">有田芳生『統一教会とは何か ー 追い込まれた原理運動』教育史料研究会 p106~107 ISBN 4876522332</ref>。

{{Quotation|日本の今度の選挙だけでも、私たちが押してあげたのが、百八議席当選しました。今回、私たちが援助しなければ、無所属で出てきた中曽根なんか吹けば飛んだよ。また派閥で見れば、中曽根派は六十二議席にもなって、安倍派は八十三議席です。私がそういうふうに作ってあげたんですよ。この二派閥を合わせるといくつになりますか?それで安倍とか中曽根は、原理の御言を聞け!と言ったら聞きはじめました | 文鮮明の演説より抜粋『統一世界』1990年4月号<ref name="arita106107"/> }}

[[1993年]]6月の東京都議選で立候補し落選した自民党の佐藤良平派による[[公選法]]違反(個別訪問)の捜査で、警視庁は教団系の政治団体「[[国際勝共連合]]」が組織的に関与したとして、[[渋谷区]][[宇田川町]]の本部など数カ所の家宅捜索を行なった<ref>『毎日新聞』 1993年7月8日号 夕刊 11面</ref>。

[[2003年]]当時、教団による政界との関係強化が下達され、関係の深い落選議員への支援が指示されている<ref name="aera20040510" />。

[[2009年]]の[[第45回衆議院議員総選挙]]で落選した自民党の[[萩生田光一]]が、頻繁に[[八王子市]]の教団関連施設を訪れ、何度も挨拶をしていたとされる。萩生田は自身を「浪人生」として「政界に戻らせてください」と言っていたとされ、実際に教団からの萩生田への支援として、信者によるビラ配りやポスターの貼り付け、電話掛けなどが行われていたという。[[TBS]]の取材に答えた信者は、「萩生田さんを政界に戻すことが、神様の計画というか使命」と教えられていたと語る<ref>{{Cite web |title=「萩生田さんを政界に戻すことが神様の計画」…旧統一教会元信者が証言“落選中の萩生田氏を手伝った”|url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/129006?display=1|website=TBS|access-date=2022-08-20 |language=ja}}</ref>。

宗教ジャーナリストの[[鈴木エイト]]は、「政治家が教団に求めるのは『票集め』ではありません。選挙戦での運動員、事務所スタッフなどの『人的貢献』です。それは政治家が何よりほしがるもので、教団は無尽蔵に提供してくれるわけです。政治家と旧統一教会――その関係は、世間一般の人たちが思うよりも、ずっと深いものなのです」と語っている<ref name="smartflashninoyumoon">{{Cite news|title=安倍元首相銃撃事件で注目の旧統一教会「主導イベント」国家公安委員長が呼びかけ人だった!|website=FLASH|date=2022-07-15|url=https://smart-flash.jp/sociopolitics/191574/1|accessdate=2022-07-16}}</ref>。

[[2022年]]1月、教団系の『世界日報』に、[[改憲]]派として、自民党の[[古屋圭司]]、[[日本維新の会]]共同代表の[[馬場伸幸]]、[[国民民主党 (日本 2020)|国民民主党]]の[[榛葉賀津也]]の三人が共演した<ref>{{Cite web |url=https://sub.worldtimes.co.jp/politics/143863.html |title=2022年憲法改正 わが党はこう挑む |publisher=世界日報 |accessdate=2022-07-20}}</ref>。

[[自民党]]所属の参議院議員である[[青山繁晴]]によると、[[第26回参議院議員通常選挙|2022年の参議院選]]に際して、ある派閥の長に対して党の候補が統一教会から支援を受けているか確認したところ、事実だと返答があったとしている<ref>{{cite web |title=自由民主党の立候補者と ( 旧 ) 統一教会の関係をめぐって、わたしが参院選の前に行動したこと |url=https://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=4287 |website=青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road |date=2022-07-18 |accessdate=2022-07-19}}</ref><ref>{{cite news|title=“統一教会”と政治家の関係… 自民党の現職議員が証言 参院選で「票を割り振り」も?|url=https://news.ntv.co.jp/category/politics/41b298aff07e4870923366527708cb5d/|date=2022-07-20|publisher=日テレニュース}}</ref>。

弁護士の[[紀藤正樹]]は、[[安倍晋三銃撃事件]]を受けて、政治と教団の関係について「国会内に[[特別委員会]]を設置するなど、本気でやらなければ、何年か後に同じことが起きる。それは、国として大きすぎるダメージとなることでしょう」と語っている<ref name="aera20220802p2021">『AERA』2022年8月2日号 p20~21</ref>。

===== 自民党幹事長との密接な関係 =====
[[2002年]]4月、当時自民党幹事長であった[[山崎拓]]が統一教会信者の女性と[[不倫]]関係にあり、教団側に国家機密が漏れる危険性があったとされる。山崎と関係があった女性は東京の九段にあるマンションに住んでいたが、彼女は毎週末に八王子にあるアパートの1室に通っており、そこは信者が共同生活をする統一教会の関連施設そのものだったという。[[有田芳生]]はこの女性を、二十四時間教団の施設で生活する「献身者」ではなく、普段は働いて週末には施設に通い教義を学ぶ「勤労青年」と呼ばれる信者であり、この女性は自ら政治家に接近し、情報を引き出すための「特別な使命」が教団から課せられた人物であるとし、教団が[[北朝鮮]]に近い立場にあることから北朝鮮などに国家機密が流出する危険性を指摘した<ref>「山崎拓幹事長も証人喚問せよ 夜這い不倫OLは統一教会ホームにいた!」『週刊文春』2002年4月4日号 p30~34</ref>。

山崎は一連の不倫報道を[[名誉毀損]]とし、週刊文春に対し5000万円の[[損害賠償]]を請求する訴訟を提起したが、2003年9月、[[東京地裁]]は「記事は真実か真実と信じる相当の理由があった」と判断、山崎側の敗訴が確定した<ref>『産経新聞』2003年9月9日 朝刊</ref>。

===== 警察捜査への政治圧力 =====
ジャーナリストで元参議院議員の[[有田芳生]]によると、有田は[[1995年]]に[[警察庁]]関係者に警察庁幹部から依頼を受けて教団についての講義を行った。当時[[オウム真理教]]の次に摘発をしようとしていると聞かされていたが、結局摘発はなかった。その10年後、[[警視庁]]幹部二人から「政治の力」により摘発を阻まれたと聞かされたとしている<ref>{{cite video|title=肌感覚で知る永田町の統一教会 有田芳生さん 【The Burning Issues vol.23】|url=https://www.youtube.com/watch?v=XSkjNmGpaSI&t=4854s|publisher=デモクラシータイムス|date=2022-07-17}}</ref><ref>{{cite web |title=羽鳥&玉川氏が絶句フリーズ 有田議員が旧統一教会捜査に「圧力」と発言「政治の力」トレンド入り |url=https://www.daily.co.jp/gossip/2022/07/18/0015481319.shtml |publisher=デイリースポーツ |accessdate=2022-07-18}}</ref>。

[[上越教育大学]]教授の[[塚田穂高]]は、「旧統一教会の場合は、教団を追及や捜査から守ってもらうために政治に近づき続けた面も強い」とし、「政治家が『よくあるつきあい』で済ませてよい相手ではなかった」として、教団による政治家へのアプローチの背景には、捜査を回避する目的があるとの趣旨の発言をしている<ref name="aera20220802p2021" />。

[[2012年]]には、元警察官僚の[[平沢勝栄]]が、この種のアプローチを受けたのではないかとの話があった。[[週刊新潮]]の報道によれば、平沢の発言を収録した[[テープ]]が流出し、そのテープには平沢の声で「各地で今、5、6ヶ所警察とトラブってんだよ。それで結局、警察けしからんって言ってんだよなあ、統一教会は。それで私にそれをやってくれって…」などの発言が収録されていたという。この発言について、平沢が、統一教会から警察の捜査について相談され、警察との窓口役を務めざるを得なくなり、困惑したのではないかとの関係者の証言があった。なお、平沢は教団との関与を否定している<ref>『週刊新潮』2012年12月20日号 p39~40</ref>。

「[[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]」のメンバーで弁護士の[[川井康雄]]は、[[第1次安倍内閣|第1次安倍政権]]終了後の[[2007年]]頃から、教団に関連した違法行為の刑事事件化が相次いでいた一方で、[[2012年]]の[[第2次安倍内閣|第2次安倍政権]]発足後に再び刑事事件化することは少なくなったことを指摘した上で、教団と政治家の関係性は明らかであるとした。同じく弁護士の[[山口広]]は、教団は政治だけでなく、言論・学術界などにも食い込んでおり、違法な霊感商法の被害について警察や行政が積極的に取り組まないように、圧力をかけてもらうように働きかけていることを証言している<ref name="businessinsider257381">{{cite web |title=「旧統一教会と政治家のつながりは明らか」紀藤弁護士らが海外メディア向けに会見 |url=https://www.businessinsider.jp/post-257381 |publisher=Business Insider |accessdate=2022-08-09}}</ref>。

また、[[2005年]]と[[2006年]]の[[公安調査庁]]の報告書で「'''特異集団'''」として位置づけられていた教団が、[[第1次安倍政権]]下の[[2007年]]で項目から外れていたことがわかっている。同報告書では教団について、「危機感や不安感をあおって勢力拡大を図り、不法事案を引き起こすことも懸念される」としていた。対象から外れた理由について、[[日本政府]]は「時々の公安情勢に応じて取り上げる必要性が高いと判断したものを掲載している」としている<ref>{{cite web |title=「特異集団」は旧統一教会 公安庁報告書、安倍政権下で項目消える|url=https://www.asahi.com/articles/ASQ8H5SRWQ8HUTIL01W.html|publisher=朝日新聞|accessdate=2022-08-19}}</ref>。

==== イスラエル ====
2001年、文鮮明は[[イスラエル]]の首相選挙でリクード党のシャロンに選挙資金の援助を行ってる<ref name=":54" />。2002年11月30日の放送では、イスラエルの[[アリエル・シャロン]]が、[[リクード|リクード党]]の党首選挙での[[ベンヤミン・ネタニヤフ]]に勝った資金は、アメリカのシカゴを拠点とする文鮮明の統一協会から流れていると断言した<ref name=":54" />。

イスラエルの首相選挙で、リクードのシャロン候補が勝利し、政権党が労働党からリクードに交代することになった<ref name=":55">{{Cite web |title=イスラエル選挙で「冷戦後」が終わった中東 |url=https://tanakanews.com/b0207sharon.htm |website=tanakanews.com |access-date=2022-07-20}}</ref>。これは、冷戦後の国際情勢の中でパレスチナ問題を解決しようとして1993年に締結された「[[オスロ合意]]」の体制が崩壊したことを意味している<ref name=":55" />。パレスチナ問題が中東情勢の中核をなしていることから考えて、中東地域では「冷戦後」という一つの時代が終わったことになる<ref name=":55" />。イスラエルでは、建国前のシオニズム運動発祥の時代から現在まで、右派と左派の2つの流れがある<ref name=":55" />。右派は、[[ユダヤ教]]をイスラエルの建国精神の中心に置き、[[パレスチナ人]]が住んでいる[[ヨルダン川]]西岸地域までを含めた地域を「神から与えられたユダヤ人の故郷」であると考え、[[パレスチナ人]]を弾圧し、できれば西岸から出て行ってもらうことを究極の目標としている<ref name=":55" />。

西岸は1967年の[[第三次中東戦争|第3次中東戦争]]の大勝利でヨルダンから奪ったものだが、この大勝利こそ、神がユダヤ人に西岸を与えた証拠だと[[極右]]の人々は考えている<ref name=":55" />。彼らにとって、パレスチナ人とその背後にいる[[アラブ世界|アラブ諸国]]は交渉相手ではなく、追い出すべき敵となっている<ref name=":55" />。首相選挙で勝利したシャロン氏が党首をしているリクードが、右派政党の代表的存在である<ref name=":55" />。

一方、イスラエルの左派の考え方は[[社会主義]]に基づき、民族や宗教を越え、ユダヤ人とパレスチナ人が共存するイスラエルを作ろうとするものである<ref name=":55" />。イスラエル建国運動はもともと左派の考え方が発祥になっている<ref name=":55" />。左派政党の中核は労働党で、敗北したバラク氏が党首をしていた<ref name=":55" />。

アメリカの[[ビル・クリントン|クリントン前大統領]]が音頭をとって続いていた中東和平交渉は、左派的な和解の精神に立脚している<ref name=":55" />。この方向性は、1992年に労働党のラビン氏が政権を取った後、イスラエルとパレスチナがオスロ合意を締結したことで始まった<ref name=":55" />。この合意は、パレスチナ人が住んでいる西岸と[[ガザ地区]]にパレスチナ人国家を作り、イスラエルとパレスチナを友好関係の兄弟国家にするシナリオである<ref name=":55" />。

リクードはパレスチナ人とアラブ諸国を信頼しない立場にたち、イスラエルの安全保障のためにはパレスチナ人への寛容政策を取るべきではないと主張し、和平交渉に消極的だった(リクードは自由主義を信奉するタカ派の非宗教政党)<ref name=":55" />。また、極右派の宗教勢力は「神から約束の地として与えられた西岸地域にパレスチナ人が国家を建設することを許すのは神への冒涜だ」と考え、オスロ合意に反対した。ラビンは95年に暗殺されたが、極右イスラエル人の中には「神を冒涜したのだから殺されて当然だ」と考える人々が多い<ref name=":55" />。

しかし2001年に文鮮明は中東和平を望まない政党を支持していながら、2003年シャロンの2次内閣が出発後、摂理と称して「エルサレム宣言」「中東和平イニシアチブ(ワシントン宣言)」とあたかも中東和平を推進している団体のように装っていた<ref name=":54" /><ref name=":55" /><ref name=":56">2003年イスラエルから聖職者帰国報告後のみ言葉</ref>。

=== その他政治に関する一覧 ===
* 統一教会と実質一体で、仏教を装い霊感商法を行う<ref name="brainwashed-123" /> 霊石愛好会の主催にて各地で開かれた霊感商法を擁護する集会に、当時の国会議員らが祝電を寄せたことが批判を受けた<ref>『[[朝日新聞]]』[[1987年]]7月26日 朝刊</ref><ref>郷路征記弁護士による [http://www.glo.gr.jp/sj008.htm#01 札幌青春を返せ訴訟・最終準備書面]</ref>。
* [[2006年]](平成18年)5月に国内12カ所で開催された「[[天宙平和連合]](UPF)‐祖国郷土還元日本大会」へ、現役閣僚をはじめ多数の政治家が祝電を送っていたことが露見し<ref>{{Cite news|url=https://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-07-14/2006071414_01_0.html|title=統一教会への祝電54人 安倍氏ら国会議員・知事 抗議集会で報告|newspaper=しんぶん赤旗|publisher=日本共産党中央委員会|date=2006-07-14}}</ref><ref name="segye20060514">{{Cite news|url=https://www.segye.com/Service5/ShellView.asp?TreeID=1052&PCode=0007&DataID=200605141645000294|title=서구사회만 따라가는 일본, 참가족 회복해야 UPF 조국향토환원 일본대회(西欧社会だけに続く日本、参加家族回復すべきUPF祖国郷土還元日本大会)|newspaper=Segye.com|publisher=世界日報社|date=2006-05-14|language=韓国語}}</ref>、教団の活動に正当性を与える行為だとして批判された。なお大会の模様は教団公式サイトより動画配信された。
* [[2007年]](平成19年)、千葉県流山市議選にて統一教会関係者が民主党公認で出馬していることが[[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]の調査で判明した<ref>2007年4月14日 しんぶん赤旗</ref>。
* 2008年(平成20年)12月、教団関係者の運営するNPO法人「未来構想戦略フォーラム(JFFSI)」が中心となって開かれたシンポジウムを外務省が後援。他にも同フォーラム主催の会合や講演会では現職の大使や[[山田宏|首長]]、官僚が講演している<ref name="asahi20090616">{{Cite news|url=https://megalodon.jp/2009-0617-1756-33/www.asahi.com/national/update/0616/TKY200906160158.html|title=(cache) 統一教会系NPOイベント、外務省が後援 - 社会|newspaper=asahi.com|publisher=朝日新聞社|date=2009-06-16}}</ref>。
* 2009年(平成21年)に霊感商法で初の懲役判決となった「新世」事件では、教団本部への捜索を阻止するために複数の自民党議員が司法当局に圧力をかけている<ref>[http://kwout.com/cutout/w/39/n8/pmv_bor.jpg 『しんぶん赤旗』2010年1月5日]</ref>。
* 2009年9月、[[第45回衆議院議員総選挙|衆議院選挙]]で民主党から出馬した[[萩原仁]]を支援した教会(協会)関係者が公職選挙法違反で逮捕された<ref>{{Cite news|url=https://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009090500211|title=民主・萩原氏支援の経営者逮捕=運動員に現金報酬容疑-大阪府警|newspaper=jiji.com|publisher=時事通信社|date=2009-09-05}}{{リンク切れ|date=2010年11月}}</ref>。
* [[第22回参議院議員通常選挙|参院選]]間近の2010年(平成22年)5月、 [[山谷えり子]]への支援ならびに[[有田芳生]]への落選運動を通達する教団の内部文書が流出し物議を醸した<ref name="suisei20100520">{{Cite web |url=http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/05/post_d0a0.html |title=【参院選】統一教会が「有田退治」の方針 |work=有田芳生の『酔醒漫録』 |date=2010-05-20 |accessdate=2010-11-22}}</ref>。翌月には信者による有田に対する選挙妨害が行われた<ref>{{Cite web |url=http://arita.tanigawa.info/touitsu.html |title=有田芳生への誹謗・中傷ビラと統一教会への通知文 |publisher=参議院議員有田芳生公式ウェブサイト |accessdate=2010-11-21 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20100628020734/http://arita.tanigawa.info/touitsu.html |archivedate=2010年6月28日 |deadlinkdate=2017年9月}}</ref>。
* 2010年11月6日に国際勝共連合が新宿で行った「沖縄・尖閣諸島をまもれ!緊急国民集会」では、中国の覇権主義への抗議と[[尖閣諸島中国漁船衝突事件|尖閣漁船衝突事件]]での国の対応を批判し打倒民主党も呼びかけられた<ref>{{Cite web |publisher=国際勝共連合(IFVOC) |title=沖縄・尖閣諸島をまもれ!緊急国民集会 |url=https://www.ifvoc.org/monthly/2010_12.html#2010_1106 |date=2010-11-06 |accessdate=2012-08-30}}</ref>。
* 2011年(平成23年)に統一教会系団体が主催・後援し<ref group="注釈">主催は「アジアと日本の平和と安全を守る全国大会実行委員会」([http://zenkokuforum.net/ 公式サイト])、後援は[[国際勝共連合]]・世界平和連合・平和大使協議会・世界日報・[[世界平和教授アカデミー]]・NPO法人にっぽん文明研究所など{{要出典|date=2016年2月}}。</ref> 全国各地で開催した「アジアと日本の平和と安全を守る全国大会」に現職・元職の国会議員や地方議員が多数参加した<ref name="dailycult20111203">{{Cite web |url=http://dailycult.blogspot.jp/2011/12/blog-post.html |title=[カルトと政治]統一教会系政治団体の全国集会に参加した2人の現役国会議員 |work=やや日刊カルト新聞 |date=2011-12-03 |accessdate=2012-06-14}}</ref>。
* 2013年(平成25年)3月7日、統一教会系団体が[[靖国神社]]で「戦没者と東日本大震災犠牲者」の[[慰霊祭]]を行った<ref>[https://www.cyzo.com/2013/04/post_12945_entry.html 統一教会系団体が靖国神社で慰霊祭] 1ページ 日刊サイゾー2013年4月1日16時00分配信(2022年8月13日閲覧)</ref><ref>[https://www.christiantoday.co.jp/articles/31285/20220809/uccj-statement.htm 「終戦の日」の国会議員の靖国神社参拝を憂慮・反対 日本基督教団が声明] Christian Today2022年8月9日14時25分配信(2022年8月13日閲覧)</ref><ref name="bl202209">[[鈴木エイト]][{{Google books|blB_EAAAQBAJ|page=PA20|plainurl=yes}} 「現状は検証・解決に向かっていない 旧統一教会問題と安倍暗殺」]『[[紙の爆弾]]』2022年9月号20-21ページ、[[鹿砦社]]</ref>。団体名は「[[世界平和統一家庭連合#ダミー団体|宗教新聞社]]」および「平和大使協議会」であり、慰霊祭では靖国神社の元[[宮司]]・湯澤貞{{Interp|湯沢貞|原文では「湯沢貞氏が「宗教新聞の立場から」と称して…」|和文=1}}が「宗教新聞の立場から」と称して挨拶を行った<ref>[https://www.cyzo.com/2013/04/post_12945_entry_2.html 統一教会系団体が靖国神社で慰霊祭] 2ページ 日刊サイゾー2013年4月1日16時00分配信(2022年8月13日閲覧)</ref>。この慰霊祭は、統一教会が[[第2次安倍内閣|安倍政権]]と自民党との関係を深める狙いの行動の一つであったと[[鈴木エイト]]は見ている<ref name="bl202209"/>。[[神社界]]は[[創価学会]]とは異なり、集めることができる[[献金]]や[[票]]はごく少なかった<ref name="bl202209"/>。そこで統一教会は、表向きは[[NPO法人]]を称して神社に献金([[玉串料]]の納入)を行い、[[氏子]]への投票依頼・[[改憲]]賛同者署名・募金活動を行うことで、神社界への影響力を高めていったという<ref name="bl202209"/>。なお、全国の神社を統括する[[神社本庁]]に[[総長]]が二人いるなど、神社界には分裂が表れている<ref name="bl202209"/>。神社本庁に詳しいジャーナリストは「神社本庁の事務局には、統一教会の隠れ信者がいると噂される。彼らの教義からすれば、[[世界平和統一家庭連合#反日思想|サタンの宗教である神道]]を分裂させることは理にかなっている」と述べている<ref name="bl202209"/>。
* 2021年9月12日(日本時間)に開催された天宙平和連合主催のイベント『THINK TANK 2022 希望前進大会』に安倍晋三がビデオメッセージを寄せた<ref name="washingtontimes20210911">{{cite web |url=https://www.washingtontimes.com/news/2021/sep/11/trump-magnificent-reality-denuclearized-korea-with/ |title=Trump:‘Magnificent reality’of denuclearized Korea within reach |author=Ben Wolfgang |newspaper=The Washington Times |publisher=The Washington Times, LLC. |date=2021-09-11 |accessdate=2021-09-15}}</ref><ref name="dailycult20210912">{{cite web |url=https://dailycult.blogspot.com/2021/09/blog-post.html |title=速報!!安倍晋三前内閣総理大臣が統一教会系大規模イベントで演説、韓鶴子に敬意を表す |author=鈴木エイト |website=[[藤倉善郎#「やや日刊カルト新聞」|やや日刊カルト新聞]] |date=2021-09-12 |accessdate=2021-09-15}}</ref><ref name="litera20210914">{{cite web |url=https://lite-ra.com/2021/09/post-6019.html |title=安倍晋三が「統一教会」イベントでトランプと共演! 前総理としてカルトの総裁を絶賛、同性婚や夫婦別姓を「偏った価値観」と攻撃 |author=編集部 |website=[[LITERA]] |publisher=株式会社ロストニュース |date=2021-09-14 |accessdate=2021-09-15}}</ref>。天宙平和連合の関連組織であるUPFインターナショナルとワシントン・タイムズの依頼に安倍晋三が応じたことで実現した<ref name="dailycult20210912" /><ref name="akahata20210918">{{cite web |url=https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-09-18/2021091815_01_0.html |title=旧統一協会系集会にメッセージ/安倍前首相「総裁に敬意」/宣伝利用で霊感商法被害拡大の恐れ |website=[[しんぶん赤旗]] |publisher=[[日本共産党中央委員会]] |date=2021-09-18 |accessdate=2021-09-19}}</ref>。全国霊感商法対策弁護士連絡会は[[9月17日]]、ビデオメッセージを寄せた安倍晋三に対し抗議文を送付、同日開かれた記者会見で抗議文を公開した<ref name="dailycult20210917">{{cite web |url=https://dailycult.blogspot.com/2021/09/blog-post_17.html |title=霊感商法対策の弁護士団体が安倍晋三前首相に公開抗議文 |author=[[藤倉善郎]] |website=[[藤倉善郎#「やや日刊カルト新聞」|やや日刊カルト新聞]] |date=2021-09-17 |accessdate=2021-09-19}}</ref><ref name="dailyshincho20220713">{{cite web |url=https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07130601/?all=1 |title=凶弾に倒れた安倍元総理に「旧・統一教会」被害弁護団から届いていた“警告書”と、いまなお続く4つの「献金返還訴訟」 |website=デイリー新潮 |publisher=[[新潮社]] |date=2022-7-13 |accessdate=2022-7-14}}</ref>。
* [[警察]]組織を統括する立場にある[[国家公安委員長]]の[[二之湯智]]は[[2021年]]4月に[[京都市]]の[[国立京都国際会館]]で開催される予定だった教団系のイベント『新型コロナ終息を願う京都1万人祈りの集い』の『呼びかけ人』に、[[田中英之]]、[[木村弥生]]、[[繁本護]]とともに名を連ねていたことが判明している<ref name="smartflashninoyumoon" />。
{{See also|#関係人物}}

== 名称 ==
[[File:Unification_Church_symbol.svg|thumb|以前のシンボルマーク]]
1954年の設立当時の名称である'''世界基督教統一神霊協会'''は「全キリスト教会を霊的に統合させる協会」を意味する{{sfn|クリサイディス|1993|p=43}}。英語名の「神霊」の部分には Holy Spirit が充てられ、Holy Spirit Association for the Unification of World Christianityとなっているが、これは命名当時に他に適切な訳語が思いつかなかったためであるという{{sfn|クリサイディス|1993|p=43}}。

統一教会は、社会における家族の重要性を強調しており<ref name="Lewis" />、それを反映して1994年5月に名称が'''世界平和統一家庭連合'''に変更された。日本で、2015年6月2日に所管する文化庁に変更申請書を提出し、同年8月26日付で名称変更が認証された<ref name="sankei20150901" /><ref name="ucjp20150831" />{{efn|[[下村博文|下村]]文科大臣の時にそれまでの慣例を破って認証されたため、[[共産党]]の[[宮本徹]]衆院議員が当時の決裁文書の開示の請求をしたところ、認証理由などがすべて黒塗りの文書が開示された<ref name=tbs0728>{{cite video|title=犯罪摘発も解散命令出ず “統一教会”が存在し続けたワケ 【7月28日(木) #報道1930】|url=https://www.youtube.com/watch?v=npKCR-F4ktw&|date=2022-07-29|publisher=TBS NEWS DIG Powered by JNN}}</ref>。}}{{efn|[[前川喜平]]は[[1997年]]に[[文化庁]]宗務課長だったころに、教団が名称変更を求めてきたが実態に変更がないため認めなかったとしている<ref>{{cite tweet|title=2020年12月1日午後0:38のツイート|number=1333616540160167938|user=brahmslover|author=前川喜平|date=2020-12-01|accessdate=2022-07-22}}</ref><ref>{{cite news|title=前川喜平氏が明かす「統一教会」名称変更の裏側【前編】文化庁では教団の解散が議論されていた|url=https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308472|publisher=日刊ゲンダイ|date=2022-07-22}}</ref>。}}。

教団の名称変更について、政治的な力が働いているとの指摘がある。当時の[[文化庁]]宗務課長だった[[前川喜平]]は、教団から最初の名称変更申請があった[[1997年]]当時、「実態が変わっていないのに、名前だけ変えることはできない」として、[[認証]]できないとして、申請しないよう教団に要請したことを明かした上で、2015年に実現した名称変更について、「当時の文科相([[下村博文]])の意思が働いていたのは100%間違いない」と指摘。さらに名称変更の申請について、[[日本共産党]]の[[宮本徹]][[衆議院議員]]が[[文化庁]]に情報開示を請求したところ、文書は名称の変更理由の部分が黒塗りとなっており、教団が提出した文書はすべてが黒塗りになっていた<ref>{{Cite web |title=旧統一教会から名称変更「当時の文科相の意思だ」…元次官指摘、下村・末松氏は否定 |url=https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220806-OYT1T50108/ |website=読売新聞 |access-date=2022-08-10 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=旧統一教会 名称変更の真相は…元文科次官「外部の力が働いた」|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000264119.html |website=テレビ朝日 |access-date=2022-08-10 |language=ja}}</ref>。

教団は、政治介入の指摘に対し、[[2015年]]当時、「主務官庁が拒否するならば訴訟もやむを得ない」として意見書を提出したことを明かした上で、「純粋な法律問題」として、政治的介入や不正の存在を否定した<ref>{{Cite web |title=旧統一教会・世界平和統一家庭連合が会見 名称変更に「主務官庁は難色を示した」 |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/120525?display=1 |website=TBS |access-date=2022-08-10 |language=ja}}</ref>。

韓国では'''統一教'''{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅰ}}{{sfn|古田|2011}}、日本では旧称の略称の'''統一教会'''、またキリスト教会側からはキリスト教の教会と混同されないよう'''統一協会'''と記載され、英語では'''Unification Church'''(統一教会)<ref name="Lewis" />、'''Unificationism'''(統一主義)、開祖の姓から俗に'''Moonies'''(ムーニーズ)の名で知られる{{sfn|クリサイディス|1993|p=14}}。ただし、信者はムーニーズを蔑称と考えており、自らそう名乗ることはない{{sfn|クリサイディス|1993|p=14}}。文鮮明が率いる組織の集合体は'''統一運動'''と呼ばれる{{sfn|クリサイディス|1993|p=313}}。今は、「天の父母様聖会」と、呼ばれている。

== 教理 ==
[[File:Sunmyungmoon.jpg|thumb|文鮮明(1982年)]]
=== 教典 ===
統一教会の教典は1966年に初版が刊行された『[[原理講論]]』(原理講話)とされる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=28-29}}。日本語版は1967年に刊行され、日本の統一教会信者は長らく教典として重視しており、これを基に信仰心を形成してきた{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=28-29}}。日本の教団幹部や彼らに教化された教団信者の世界観・信仰観を知るための、検討の対象となる文献である{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=28-29}}。[[文鮮明]]の『原理原本』をもとに、劉孝元(ユ・ヒョウォン)が『[[原理講論]]』をまとめ、表向きは「聖書の解説書」と称するが、実質的教典として扱われている{{sfn|石井|2002}}。

『[[原理講論]]』は、[[文鮮明]]の高弟である劉孝元(教会長、1970年死去)が、[[文鮮明]]の『原理原本』を増補し、彼の説教を整理したものである{{sfn|石井|2002}}。

『原理原本』(1952年発行)は、韓国の神秘主義的キリスト教改革運動の流れを汲む「イスラエル修道院」の{{仮リンク|金百文|ko|김백문}}<ref>[http://www.atsnu.org/_chboard/bbs/board.php?bo_table=m5_1&wr_id=201083 神学資料室]</ref>(キム・ベンムン。キリストの親臨を主張した、柳明花の信奉者のひとり[[白南柱]]の弟子{{sfn|古田|2011}})の著作『基督教根本原理』<ref name="kkg">[http://www.kportalnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=20749 金百文の基督教根本原理連載1]</ref>(1946年3月2日起草、1958年3月2日発行)の執筆中に文鮮明が盗作したという証言がある{{Efn|「文鮮明は金百文が1952年釜山東来で避難中に執筆した原稿『堕落、復帰原理』を見て『原稿校正を見て差し上げる』と持って行って6ヶ月以上持って来ない騒動を起こした」<ref>{{Cite web |url=http://www.amennews.com/news/articleView.html?idxno=8687 |title=교회와신앙-이스라엘 수도원 |website=amennews |date=2008-07-07 |accessdate=2022-08-17 |language=ko}}</ref>}}。

それに対し統一教会側は「金百文の著作が世に出る前に、『原理原本』そして『原理解説』(1957年発行)が作成された」と主張している。

『[[原理講論]]』は初版以降数度改版され、新しい部分も追加されている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=28-29}}。初版には、メシアが文鮮明であること、メシアが誕生する国が、韓国であることの論証部分はないが、第3版には追加されている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=28-29}}。

『[[原理講論]]』のはしがきには、本書が完成版ではなく、編者により適時増補、または加筆修正される可能性のあることが説明されている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=28-29}}。『[[原理講論]]』の言葉を勝手に解釈したり、自分の言葉を付け加えることは、分派発生の原因になるとして信者には禁止されている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=32}}。

ハンガリー人のカトリック[[神学者]]・[[神父]]で[[上智大学]]神学部教授であった{{仮リンク|ネメシェギ・ペトロ|hu|Nemeshegyi Péter}}は、『[[原理講論]]』では、神は「ゲルマン民族を新しい選民として立て」たという主張を基に、古代末期以後の歴史はすべてゲルマン民族に集中して語られていて、カトリック教会はキリスト教の堕落したものとして描かれており、ルターが新しい福音の光をもたらした存在とされるなど、韓民族を現在の選民であるとする最後の唐突な飛躍を除き、ゲルマン・アングロサクソン系のプロテスタンティズムの立場で書かれていると述べている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。(日本語版では削除されているが、英語版『原理講論』には、「韓国の民が神によって選ばれた第三の[[イスラエル]]となる」と書かれている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。)

聖書に預言された再臨のキリストが文鮮明であるとすることから、[[エホバの証人]]・[[モルモン教]]([[末日聖徒イエス・キリスト教会]])と共に全てのキリスト教会から[[異端]]と見なされている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅰ}}<ref>[[ホセ・ヨンパルト]] カトリックとプロテスタント-どのように違うか- サンパウロ 1968.8.Aug P.32~3</ref>。

弟子がまとめた教説よりも、生きている文鮮明が直接語った言葉こそが神の教えと考えられるため、初期の説教内容をまとめた『[[原理講論]]』だけでなく、教祖の言葉をまとめた『文鮮明先生御言選集』(360巻以上)、『御旨と世界』(1985年)などの説教集、信者の規律についての『御旨の道』なども併せて教義体系を構成しており、近年では説教集『天聖経』(2003年編纂)が『原理講論』以上に重視されるようになっているといわれる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=28-29}}。

=== 教義・教説 ===
統一教会で「原理」とは、文鮮明が霊的体験や独学によって与えられた啓示とされる。他方で文鮮明は1945年に妻の崔先吉と共にイスラエル修道院に通い{{仮リンク|金百文|ko|김백문}}の教え<ref name="kkg">[http://www.kportalnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=20749 金百文の基督教根本原理連載1]</ref>を学んで盗作したという証言がある<ref>
[http://www.amennews.com/news/articleView.html?idxno=8687 교회와신앙-이스라엘 수도원]</ref>。
統一教会の信者は「原理」は[[旧約聖書]]・[[新約聖書]]の解釈であり、究極的、決定的な真実であると信じている{{sfn|クリサイディス|1993|p=45}}。

「原理」は主に「創造」、「堕落」、「復帰」の3つの部分からなる<ref>[https://ffwpu.jp/about/doctrine 家庭連合の教義]</ref>。『[[原理講論]]』は文鮮明の[[啓示]]の様々な解釈を書いたもので、「原理」とは厳密に区別されている{{sfn|クリサイディス|1993|p=45}}。1954年に統一教会が創立されて以降、一貫して、[[聖書#キリスト教|聖書]]よりも『原理講論』が重要視されており{{sfn|石井|2002}}、現存する聖書によるキリスト教の正典を超越すると考えられている{{sfn|クリサイディス|1993|p=45}}。この節は本書の内容を中心に述べる。

『[[原理講論]]』の「堕落論」には、「人間始祖の堕落によって、その子孫が、一人残らず、神の血統を受け継ぐことができず、サタンの血統を受け継いでしまった」と記され、「真の父母として降臨されるイエスのみがこれを知り、清算することができる」とする一説が記されている<ref>[https://ffwpu.family/library/divineprinciple/fall/fall2 原理講論:第二章 堕落論]</ref>。

プロテスタントの[[日本基督教団]]牧師・宗教研究者の石井智恵美は、教義内に明確な記述はないが、信徒にとって教祖の文が「再臨のイエス」=「人類と霊界を結ぶ比類ない存在」であることが信仰の前提であると述べている{{sfn|石井|2002}}。神の愛を中心に結婚し、完全な子供を産み、真実の家族を作ることで、地上の楽園(地上天国)を建設することが目指される<ref name="#1">[https://ffwpu.family/library/divineprinciple/creation1/creation2#1-3 原理講論:第一章 創造原理]</ref>。

ネメシェギは、『[[原理講論]]』の思想の特徴として、朝鮮半島の陰陽説、文鮮明が受けたキリスト教的教育に由来する一神論と旧・新約聖書の権威の容認、根本主義的な聖書解釈、象徴的聖書解釈、科学性の主張、終末論的歴史神学、神との「霊交」で得られたという「啓示」を挙げ、『原理講論』の教えの根拠は、実際には哲学・自然科学・客観的な聖書解釈・キリスト教会の教えのいずれでもなく、真の根拠は著者が述べているように、文鮮明が受けたという「啓示」であると述べている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。

統一教会ではキリスト教における「[[再臨|再臨論]]」も説いており、韓国を[[蕩減|蕩減復帰]]の民族的な基台を立て、第三[[イスラエル (民族)|イスラエル選民]]となければならないとしている<ref name=":29">{{Cite web |title=再臨論2 {{!}} 世界平和統一家庭連合 教会員ポータルサイト FFWPU.Family |url=https://ffwpu.family/library/divineprinciple/secondadvent/secondadvent2 |website=世界平和統一家庭連合 教会員ポータルサイト FFWPU.Family {{!}} 世界平和統一家庭連合教会員のための総合ポータルサイト |date=2011-04-28 |access-date=2022-07-15}}</ref>。

信徒は「'''ムーニー(Moonie、Moonies)'''」と称される<ref>Eileen Barker. "The Unification Church: A Kaleidoscopic Introduction." ''Society Register'' 2, no. 2 (2018): 19–62.</ref><ref>{{Cite web |title=統一教会創始者の文鮮明氏が死去、92歳 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News |url=https://www.afpbb.com/articles/fp/2898836 |website=www.afpbb.com |access-date=2022-07-18}}</ref><ref>{{Cite web |title=Unification Church: A global religious movement |url=https://www.japantimes.co.jp/news/2022/07/12/national/unification-church-sun-myung-moon-shinzo-abe/ |website=The Japan Times |date=2022-07-12 |access-date=2022-07-18 |language=en-US |first=No |last=Author}}</ref>。

=== 神の世界創造の目的 ===
神はこの世からの刺激によって、はじめて喜びに満たされるとされている<ref name="#1" />。旧約聖書の創世記第1章28節「生めよ、増えよ、地を従わせよ」から、神の創造の目的は3つあるとされ、統一教会では三大祝福と呼ばれている。

# 「生めよ(פרו)」を、人格完成、個性完成せよと解釈する{{sfn|クリサイディス|1993|p=49}}。但しヘブライ語「פרו(ペルー)」にはそのような意味はない。また神は人が創造される前、全ての生き物に対しても与えている<ref name="soseiki">創世記1章20-22節</ref>。
# 「増えよ(ורבו)」子供を産み増やせ{{sfn|クリサイディス|1993|p=49}}を、家庭完成せよと解釈する。但し神は人が創造される前、全ての生き物に対しても与えている<ref name="soseiki">創世記1章20-22節</ref>。「神の二性性相が各々個性を完成した実体対象として分立されたアダムとエバが夫婦となり、合体一体化して子女を生み殖やし、神を中心として家庭的な四位基台をつくらなければならないのである」とされる<ref>[https://ffwpu.family/library/divineprinciple/creation1/creation2 原理講論:第一章 創造原理 第三節 創造目的]</ref>。
# 「地を従わせよ(ומלאו )」を、万物を主管せよと解釈する。これが神が人間にだけ与えたもの。神、人類、その他の生物の調和のとれた理想的な世界を創造することを意味する{{sfn|クリサイディス|1993|p=49}}。「万物世界に対する人間の主管性の完成を意味する」とされる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=34-35}}。人間は完全な家庭を築くことで、完全な社会、国家、世界を実現するために「増殖」できるのである{{sfn|クリサイディス|1993|p=49}}。統一教会が説く神の目的には、「人間の個性完成」という、近代主義的な発想が持ち込まれている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=34}}。また、家庭形成という「アジア的家族主義を織り込んだ人間論」(櫻井)も神の創造目的に取り入れられている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=34}}。

==== 楽園追放と原罪 ====
『旧約聖書』の「創世記」には、神が創造した最初の人類である[[アダムとエバ]]が、罪を犯し楽園を追放される逸話がある。エバが蛇にそそのかされて、次にアダムがエバにそそのかされて、食べることを禁じられていた[[知恵の樹]]の実を食べた。この蛇はしばしば悪魔であると解釈される。この罪のために、二人は神に罰せられて、人間は死や労働、出産の痛みといったあらゆる生の苦しみを持つようになり、この世に罪と死とのろいが入り込んだとされる。西方教会では、これがアダムとエバから全人類に「[[原罪]]」(ラテン語: peccatum originale)として受け継がれていると考えられている。神学者の[[宮本久雄]]は、統一教会における原罪とは、狭義には人間の神との関係の破綻、神と人間との生命的な関係の虚無化を意味しており、従って本来は、モラル規範への単なる違反や男女の性的欲求とは直接関係がないと述べている{{sfn|宮本|2002}}。(詳細は「[[原罪]]」を参照)

『[[原理講論]]』の著者は、文鮮明の説教から[[ルシファー]](『原理講論』では「ルーシェル」。「Lucifer」の北朝鮮式発音。魔王サタンが堕落する前の天使の頭の呼称)の堕落を次のように説明している。ルシファーは元々神に最も近い大天使で{{sfn|クリサイディス|1993|p=51}}、神の愛を独占するような位置にいたが、神が人間を創造した後はその愛が減少したと感じた{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=43-44}}。ルシファーは嫉妬に駆られてエバを誘惑し{{sfn|クリサイディス|1993|p=51}}、エバは10代の処女であったが{{sfn|クリサイディス|1993|pp=51-52}}、「神のように目が開けることを望み、時ならぬときに、時ならぬものを願」い、両者には授受作用(相互作用)が生じ、「不倫なる霊的性関係」を結んだ{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=43-44}}。統一教会ではこれを「霊的堕落」と呼ぶ{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=43-44}}。天使は肉体を持たないため、これは肉体的な交わりではなく、霊的交わりであった{{sfn|クリサイディス|1993|pp=51-52}}。

ことの重大さに気が付いたエバは、罪悪感から神の元に戻りたいと願い、神が定めた配偶者であるアダムと結ばれようと、彼をそそのかし性的関係を結んだ{{sfn|クリサイディス|1993|pp=51-52}}{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=43-44}}。エバは神の元に戻れたと思ったが、ルシファーとの「授受」は真の配偶者との「授受」だけでは回復されず、さらにエバとアダムが性的関係を持つことは神の意志ではなく、神の祝福を受けていなかった{{sfn|クリサイディス|1993|pp=51-52}}。エバは3重に罪を犯しており、神に従うべきであり、婚約者を裏切るべきではなく、婚約者と共に完全に精神が成長してから性的関係を持つべきだった{{sfn|クリサイディス|1993|pp=51-52}}。アダムとエバは、自らの個性を完成する前に時期尚早な夫婦関係を結び、それは神ではなくルシファーを中心としたものであったため{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=110-111}}、人間は家庭形成に失敗したのである{{sfn|櫻井・中西|2010|p=34}}。これは「肉的堕落」と呼ばれる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=43-44}}。

以降すべての人間は、善と悪、神の要素と堕天使の要素を併せ持つ存在になった{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=110-111}}。アダムはエバと性的関係を結ぶことで、エバがルシファーから受け継いだすべての要素を受けつぎ、子々孫々にもサタン(ルシファー)の血統が継承されているという{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=44-45}}。これが統一教会における「原罪」である{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=44-45}}。原罪は遺伝によって伝わるようなものとされている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。アダムとエバはその罪によって、人類を偽りの主、サタンに仕えさせることになった{{sfn|クリサイディス|1993|p=53}}。

==== イエス・キリストと再臨のメシア ====
統一教会では、イエス・キリストは既成神学における[[三位一体]]の存在ではなく{{sfn|古田|2011}}、霊的な三位一体と解釈する<ref>[http://www.famipaz.org/principio/jpprincp7.php 原理講論・第四節(二)三位一体論]
</ref>。心情的には神と一体であるが{{sfn|古田|2011}}、イエスを神と言えるのは「すべての完成した人間は神と一体である」という意味においてのみであり{{sfn|ネメシェギ |1985}}、「創造理想を体現した男性」としてその価値は認められる{{sfn|ネメシェギ |1985}}。この点が、主流派キリスト教と最も異なる点である{{sfn|ネメシェギ |1985}}。イエスは、司祭[[ザカリア|ザカリヤ]]と[[イエスの母マリア|マリア]]の間に生まれた原罪のない人間であると考えられている{{sfn|古田|2011}}。

イエス・キリストは、サタンが不当に奪った神の「主管性」を回復し、堕落した人類を原罪のない善の人類に産み直し、神を中心に据えた新し人間の血統を築き、地上天国を築くために来たとされている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=110-111}}{{sfn|クリサイディス|1993|p=56}}{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=51-52}}。[[聖霊]]は女性神であり、真の母でありエバであるとされる{{sfn|ネメシェギ |1985}}{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=51-52}}。神はユダヤ民族をはじめとする全人類を救うための代償として、イエスの肉体をサタンに引き渡さざるをえず、イエスの肉体はサタンの侵入を受け虐殺されたとしている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。そのためイエスの肉体が復活することはなく、今は霊人間として神のもとに生きているという{{sfn|ネメシェギ |1985}}。

イエスは十字架上で死に、それは人類の霊的救済のための蕩減条件(代償)になり{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=112-113}}、霊的救いが達成されたが、新しい血統を築くことはできなかったため、救いの摂理は完成されていないと考えられている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=112-113}}{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=47-48}}。

イエスの死はイエス自身の失敗によるものではなく、洗礼者ヨハネや弟子たちといったほかの人間がイエスを裏切り、見捨て、ユダヤ人が彼を受け入れなかったためであると考えられている{{sfn|クリサイディス|1993|p=56}}{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=47-48}}。統一教会の信者たちは、神はイエスの死を「神の国」を築くための手段にしようとはしなかったことを強調する{{sfn|クリサイディス|1993|p=56}}。

宗教史学者の[[古田富建]]は、統一教会の教理の核心は、神、イエスの「[[恨]](ハン)」を解くこと、つまり「恨解(ハンプリ)」{{要出典|date=2022年4月}}であると述べている{{sfn|古田|2011}}。「恨」とは、朝鮮文化を語るときに[[クリシェ]]として用いられる言葉で、その意味合いには幅があるが、韓国近代宗教史の研究者の川瀬貴也は「様々な要因で叶えられなかった思いが、澱のように沈んでいる状態」と表現している{{sfn|川瀬|2001}}。

韓国の民族的な霊魂観においては、夭折者・横死者は成仏できず、怨みを抱いた「怨魂」となって彷徨うとされており、特に無念を抱えた者、子孫を残さずに死んだ者の恨みは強く、生者に災いをもたらすとされる{{sfn|川瀬|2001}}。こうした死者の恨みを鎮める儀礼が「恨解」である{{sfn|川瀬|2001}}。

統一教会では、人間の堕落のために神の創造目的を果たすことができず、神に「恨」を作ったと考えており、神はこの「恨」を解くためにメシアとしてのイエスを遣わしたが、人間が「責任分担」(5%の責任)を果たせずイエスを殺してしまったため、神の「恨」はさらに大きなものになったとされている、と説明している{{sfn|古田|2011}}。

1960~70年代の韓国のキリスト教の一部では、「恨」を教義に取り入れている{{sfn|古田|2006}}。[[李龍道]]はイエスを人間として理解しようとし、三位一体を否定していた{{sfn|古田|2011}}。

古田富建は、李龍道らはイエスを悲しみや痛みを抱える人間としてとらえ、その孤独や悲しみを理解し共感しようとする姿勢が、聖主教ではシャーマナイズ化された「恨解」の儀礼となっていき、統一教会では教義の根幹になっていると述べている{{sfn|古田|2011}}。1965年ごろに、「恨」という言葉が文鮮明の説教に定着した{{sfn|古田|2006}}。

[[イエス・キリスト]]を救世主として崇める一方、イエスがやり残した多くのことを成就するために、「再臨のイエス」が[[韓国]]に生まれると主張している{{sfn|石井|2002}}。それは、地上に戻ったイエス・キリストではなく、イエスが霊界から支援する、聖書に示されている普通の人間であるとしている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=112-113}}。

[[文鮮明]]はメシアが、出生する時期や場所といった条件を示しているが、メシアが生まれる地とは韓国であり、示された条件には文鮮明自身が適合する{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=112-113}}。神学的には、メシアは一組の男女である<ref name="Lewis" />。

[[文鮮明]]は1960年に、23歳若い17歳の信者[[韓鶴子]]と結婚し、メシア的使命の一環として14人の子供をもうけた{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|p=106}}。

文鮮明は1992年に自身と妻が全人類の真の父母であり、救世主で、再臨の主であり、メシアであることを宣言した{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=112-113}}。この宣言の前が「新約の時代」、以降が「成約の時代」であるとされる{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=112-113}}。[[新宗教]]や[[ニューエイジ]]などを研究し、統一運動を肯定的にとらえる[[ウェールズ大学]]のサラ・ルイスは、この宣言以降、信者自身がメシアになりうるというように強調されるようになり、文鮮明がメシアであるということへの言及は減ってきていると述べている<ref name="Lewis" />。

メシアを受け入れることができなければ、ユダヤ人やローマ時代のキリスト教徒、江戸時代の[[キリシタン]]のような受難を罰として与えられると考えられている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=47-48}}。

==== 人間における神の要素とサタンの要素の戦い ====
人間の堕落は、上記の神と人間の関係を損なったという縦の軸(信仰基台)だけでなく、もうひとつ人間を人間性自体から引き離したという横の軸(実体基台)があるとされる{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=110-111}}。横の軸の堕落は、旧約聖書におけるアダムとエバの息子[[カインとアベル]]の、兄カインが弟アベルを殺したという逸話に基づいている。この人類最初の殺人によって、人間における神の要素とサタンの要素が分離し、互いに争うことになり、横の軸の堕落が起こったとされる{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=110-111}}。

「最初の兄弟」の間の敵意は、歴史を通して民族、国内・国際的レベルで繰り返されており、20世紀における無神論的共産主義(カインの勢力)と神を畏れる民主主義(アベルの勢力)の衝突に明らかに見られるという{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=110-111}}。

世界中に民主主義が現れたのは神の復帰摂理によるもので、共産主義の専制政治はそれに対抗する悪魔によるものである{{sfn|ネメシェギ |1985}}。従って、第三次宗教改革によって、理念的に共産主義勢力を屈服させ、世界を一つの地上的な「神の国」に統一することが目指される。

文鮮明は、もし理念的戦いに勝利、つまり共産主義のイデオロギーが敗北しなければ、第三次世界大戦が起こり、サタン側の共産主義が敗北するだろうとしている{{sfn|ネメシェギ |1985}}{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=110-111}}。そして原子力による第三次産業革命がおこり、幸福で理想的な社会環境が世界的に建設される{{sfn|ネメシェギ |1985}}。その時全人類はキリスト教(統一教会)を受け入れ、最後に神を中心とした、神主義が現れなければならない、という{{sfn|ネメシェギ |1985}}。

==== 二性性相(陰陽二元論) ====
初期には、『[[原理講論]]』で説かれた統一原理は宗教と科学を統一する原理であると考えられていた{{sfn|櫻井・中西|2010|p=33}}。神の存在の弁証も自然科学的な因果論的推測に基づき、結果から原因を探ろうとしている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=33}}。被造世界を観察することで、神の神性を知ることができると考え、観察によって知れることは、被造物がすべて陽性と陰性の二性による授受作用(相互作用)により存在するということであり、存在というものは性相(内性{{sfn|クリサイディス|1993|p=46}}、性質を示す内性)と形状(外形{{sfn|クリサイディス|1993|p=46}}、内性が現れた外形)の二相を持つとしている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=33}}。

神は霊とエネルギーという二重の性質からなるとされ、この2つによってあらゆるものが生まれるとされる<ref name="Lewis" />。神はエデンの園でアダムとエバを作り、神自身の二重性を反映させた<ref name="Lewis" />。人間には外形である肉体と、内性である精神が備わっているとされる{{sfn|クリサイディス|1993|p=46}}。

神の内性の本質は心とも呼ばれ、神がどのように人間の復活を達成しようとしているかを理解するには、神の心にある愛、喜び、悲しみといった、もっとも奥深い神の感情を理解することが重要であると考えられている{{sfn|クリサイディス|1993|p=46}}。人間は神の似姿として想像されたのだから、神は男性的な面と女性的な面の両方を持つと考えられているが、習慣的に神は男性として「父」と呼ばれている{{sfn|クリサイディス|1993|p=47}}。

被造物がすべて陽性と陰性の二性を持つという考え方は陰陽二元論であり、宗教社会学者の[[櫻井義秀]]は、「この発想は統一教会が人間を男性性と女性性において理解し、双方の性質が合体した時に繁栄・繁殖がもたらされるという基本的なモチーフから出てきている」と述べ、極めて民族的、東アジア的な感覚に根差したものであり、イスラエル・アラブの民の神の理解と著しく異なることを指摘している{{sfn|櫻井・中西|2010|pP=34-35}}。内と外、男性と女性は対極にあるのではなく、それぞれがもう一方の要素を内在していると考えられている{{sfn|クリサイディス|1993|p=47}}。

==== 四位基台 ====
四位基台という概念は、神と、神の二性性相から生まれた男性(主体)、女性(客体)、男女の相互作用(授受作用)で生まれた子(合性体)が、それぞれほかの3つの対象と相互作用を持ち、「主体と合性一体化をなすという菱型モデル」である。

==== 祝福 ====
[[File:Bodacolectivasectamoon.jpg|thumb|合同結婚式(1982年)]]
{{main|合同結婚式}}
イエス・キリストによる救済は霊的救済のみに留まり、子孫を残さず天に上げられたため、肉的救済はメシヤに託され、文鮮明夫妻が人類の真の父母として信者に「祝福」を与えなければならないとしている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅰ}}{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅷ}}。祝福は、鮮明夫妻司式の合同結婚式で教祖に配偶者を決めてもらう信者同士の結婚である{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅰ}}。結婚したカップルだけが天の御国に入ることができ{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=113-114}}、祝福を受けた家庭からは原罪のない子供が生まれるとされており{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅰ}}、特に重要な儀式である{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=113-114}}。祝福は象徴的な堕落の撤回のプロセスであり、これによってサタンの血統から自由になり、メシアの血統に結び付けられる。無原罪の子をなし、神を中心とする家庭を完成させることが目的であるとされる{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅲ}}。

祝福では、メシアとの一体化による「血統転換」を象徴する秘儀ともとることができる「聖酒式」が行われていた。初期の合同結婚式では、新婦が「聖酒」を半分飲み、残りを新郎が飲み干す儀式が行われていた{{sfn|榛|2010|pp=20-21}}。儀式に使われるワインには、文鮮明と韓鶴子の結婚式で使われたワインがわずかに含まれ、受け手の血統を転換する力があるとされる{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=113-114}}。

1992年時点では聖酒式ではなく、文夫妻が参加者一人一人に水滴をかける「聖水儀式」が行われていた。また祝福を受ける前には、すべての罪を贖い合うことを象徴する、結婚する男女が互いにバットのような棒で互いの臀部を3回たたく「蕩減棒」という儀式も行われた{{sfn|榛|2010|pp=20-21}}。挙式後は家庭生活に入る前に、最低40日間の「聖別期間」という心身を清める準備期間があり、夫婦の性交はその後に行われる。最初の性交には詳細な手順が決められている{{sfn|榛|2010|pp=20-21}}。

カップルのマッチングの権威は、文鮮明から各国の祝福委員会に次第に移譲された{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=115-116}}。祝福を受けた妻たちがスタッフとして入るなどしているこの委員会が、資格を持った候補者たちを、相手の好みのデータを基に組み合わせる{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=115-116}}。相手が気に入らなければ、断って次の紹介を頼む人もいる<ref>[http://nikkan-spa.jp/1060188 「国際合同結婚式」で結ばれた日本人男女8組の結婚観を聞いてみた。「25歳では遅い」「神の導きなので誰でもいい」…etc.] 鶴野充茂 2016.02.24 日刊SPA!</ref>。

現在では、40日間の分離期間を除く蕩減条件は削除されている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=115-116}}。いずれにしても、過去から現在に至るまで教団で祝福する男女のカップルのマッチングは、女性(妻)の方が1〜4歳程度年長である「姉さん女房」となるように組み合わせられる場合が多い。教祖一家である文一族や既成祝福の場合を除き、男性(夫)が年長者であるカップルは稀である。

宗教学者の{{仮リンク|ダグラス・E・コーワン|en|Douglas E. Cowan}}、宗教社会学者の{{仮リンク|デイヴィッド・G・ブロムリー|en|David G. Bromley}} は、初期には祝福を受けるために多くの奉仕が求められたが、現在は候補者は24歳以上で3年以上会員であることが求められ、儀式も簡素化されていると述べている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=115-116}}。

1992年には、祝福には非会員も候補に入れられるようになり、90年代半ばには、存命中の信者と亡くなった配偶者との再結合、信者の先祖も祝福の候補に含まれるようになった{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=115-116}}。2016年の合同結婚式には、主催者によると62カ国から約3000組が参加し、うち日本からは778人、オンラインでも世界から1万2000組が参加したという<ref name="spa">[https://nikkan-spa.jp/1060133 旧統一教会が開催した「国際合同結婚式」に潜入。どんな人たちが参加しているのか?] 鶴野充茂 2016.02.24 日刊SPA!</ref><ref name="touyou">[https://toyokeizai.net/articles/-/106119 旧統一教会、3000組が韓国で合同結婚式 2012年に死去した文鮮明氏の妻が司会] 2016年02月22日 東洋経済オンライン</ref>。会場で結婚した3000組のうち1000組は新規の結婚で、残りの2000組は入信前に結婚しており、改めて祝福を受けるために出席した<ref name="touyou" />。

ジャーナリストの鶴野充茂は、統一教会によると、コミュニティ内の出生率は第二次ベビーブーム時並みの2.1人、基本的には結婚率100%で、離婚率は1.7%と非常に低いと述べている<ref name="spa" />。

2016年5月、フジテレビの番組「みんなのニュース」の中で、合同結婚式が取り上げられており、かつては直接会ったことがない信者同士を文鮮明氏が“組み合わせ”ていたが、現在は、教団のマッチングサポーターと呼ばれる仲人が、信者から希望をヒアリングして、信者の相手探しを手伝うことになっている、と報道されている{{要出典|date=2018-09}}。

==== 同性愛 ====
統一教会は祝福による男女の結婚・家族形成による救いを主張しているので、それに反する同性愛は「創造の原理に反する不自然な関係」であるとして否定・批判している<ref name="魚谷">魚谷俊輔 [http://suotani.com/materials/kensyou/kensyou-5 第五章 統一教会の結婚観について] 「洗脳」「マインドコントロール」の虚構を暴く</ref><ref>[https://dailynk.jp/archives/39570 【キリスト教保守と韓国社会-2-】統一教会だけじゃない!! こんなにある「お騒がせ教団」] DailyNK Japan</ref>。統一教会は「同性愛は倫理道徳の問題であり、人権問題ではない」、「キリスト教はもちろんのこと、同性愛を“罪”とみなすのは、古今東西の主要な宗教で共通している」と述べている<ref name="同性愛">[http://www.ffwpu-pr.org/%E5%BA%83%E5%A0%B1%E5%B1%80%E5%93%A1%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/2015%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%82%92%E5%B7%A6%E5%8F%B3%E3%81%99%E3%82%8B%E5%90%8C%E6%80%A7%E5%A9%9A%E5%95%8F%E9%A1%8C/ 日本の未来を左右する同性婚問題] 世界平和統一家庭連合(旧 統一教会)広報局サイト 雲外蒼天</ref>。同性婚を認めれば、「不倫はもちろんのこと、一夫多妻や近親相姦などの“権利”を主張することも可能となる。さらには、文字にするのもおぞましいが、『獣婚』(獣姦、動物とセックスすること)も論理的には認めざるを得なくなる」と、国や時代でも大きく異なる複婚・ポリアモリーや近親婚などへの偏見や蔑視を交えて主張している<ref name="同性愛" />。

==== 霊魂観 ====
統一原理では、アジア的な霊魂観が説かれている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=34-35}}。被造世界は神に似た人間を標本に創造されたため、あらゆる存在は心と体からなる人間に似ているとされ、独特な霊界、霊人間の存在が説かれる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=34-35}}。霊界は霊的な五官で知覚される実在世界であるという{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=34-35}}。霊人間は現実の人間の合わせ鏡のようなものであり、霊魂を浄化するには身体の浄化や贖罪が必要であり、それをしなければ地獄行きであるとされる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=34-35}}。天国には地上に建設される地上天国と、その建設に伴ってできる霊界の天国があり、死後に霊界天国で安らぐために地上天国の建設が目指される{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=34-35}}。

==== 終末観 ====
現在は、サタンの支配する罪悪世界から、神が支配する創造理想世界に転換される終末(末世)であるとされる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=46-47}}。

; 復活
: 復活とは、サタンの支配圏に堕ちた立場から、神の支配圏内に復帰するその過程を意味するとされる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=47-48}}。統一教会では、イエスが埋葬された3日後に弟子たちの前に現れた復活など、キリスト教の伝統的な復活論は全く顧みられていない{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=47-48}}。聖徒、善霊、悪霊といった霊界をさまよう霊は、地上の人間に憑依して思いを遂げるとされ、霊たちの助けで摂理が進むとされる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=49-50}}。

==== [[蕩減|蕩減(とうげん)]] ====
:; 原義([[漢字語 (朝鮮語)|朝鮮起源の漢字語]])
:: 借金を全部帳消しにすること。借債を悉く免除してやること。remission(ゆるし)。<ref>精解「韓日辞典」高麗書林</ref><ref>[https://ja.dict.naver.com/#/search?query=%ED%83%95%EA%B0%90&range=all Search result for '탕감' Naver English-Korean Dictionary 日本語]</ref><ref>[https://ko.dict.naver.com/#/search?query=%ED%83%95%EA%B0%90 Search result for '탕감' Naver English-Korean Dictionary 韓国語]</ref><ref>[https://en.dict.naver.com/#/search?query=%ED%83%95%EA%B0%90 Search result for '탕감' Naver English-Korean Dictionary 英語]</ref><ref>[https://ejje.weblio.jp/content/remission remissionの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書]</ref> 「蕩」の字義は「すっかり無くする。『蕩尽/掃蕩』」<ref name="t-3">小学館 大辞泉</ref>
:: 韓国では一般に金融用語として「債務の減免」の意味で使われ<ref name="t-4">[http://divineprinciple.web.fc2.com/djkim_tanggam.html 「蕩減」の意味を金東俊教授に聞く]</ref>、頻繁にマスコミに登場する<ref>[https://www.google.co.jp/search?q=%ED%83%95%EA%B0%90&hl=ko&biw=1536&bih=714&sxsrf=ALiCzsYncTNcC79OMP7RRmeF-JOFwYf_TA%3A1651320398125&ei=TiZtYvmeB_PP2roPx9W1yAk&ved=0ahUKEwj5_fXt37v3AhXzp1YBHcdqDZkQ4dUDCA4&uact=5&oq=%ED%83%95%EA%B0%90&gs_lcp=Cgdnd3Mtd2l6EAMyBggAEAcQHjIGCAAQBxAeMgYIABAHEB4yBggAEAcQHjIGCAAQBxAeMgYIABAHEB4yBggAEAcQHjIGCAAQBxAeMgYIABAHEB4yBggAEAcQHkoECEEYAEoECEYYAFAAWABgqQNoAHAAeACAAW-IAW-SAQMwLjGYAQCgAQHAAQE&sclient=gws-wiz Google検索"탕감"]</ref>。また韓国語聖書で負債や罪の「ゆるし」の訳に用いられており<ref group="注釈">聖書に記載されている箇所 ネヘミヤ10/31、マタイ18/27、マタイ18/32、ルカ7/42、ルカ7/43。</ref><ref>[http://www.holybible.or.kr/cgi/biblesrch.php?VR=99&QR=%C5%C1%B0%A8&OD= 다국어 성경 Holy-Bible "탕감"]</ref>、韓国のキリスト教会の説教でも頻繁に用いられる<ref>[https://www.google.co.jp/search?q=%EA%B7%B8%EB%A6%AC%EC%8A%A4%EB%8F%84%E3%80%80%ED%83%95%EA%B0%90&hl=ko&biw=1536&bih=714&sxsrf=ALiCzsZQa3Yr4I3SH0pxKKAIqjKuMJAKjA%3A1651295115472&ei=i8NsYrfFHIaH-Aa15amQDg&ved=0ahUKEwj3tpvWgbv3AhWGA94KHbVyCuIQ4dUDCA4&oq=%EA%B7%B8%EB%A6%AC%EC%8A%A4%EB%8F%84%E3%80%80%ED%83%95%EA%B0%90&gs_lcp=Cgdnd3Mtd2l6EAxKBAhBGAFKBAhGGABQAFgAYNYcaAJwAHgAgAEAiAEAkgEAmAEAwAEB&sclient=gws-wiz Google検索"그리스도 탕감"]</ref>。
:; 原理用語
:: 統一教会の教義「統一原理」の中核にあたる救済観を「蕩減復帰原理」という。文鮮明教祖が「蕩減」と言う時、99%は統一教会独自の用語である「蕩減条件」「蕩減復帰」「蕩減復帰原理」いずれかの略語で、原義で言うことは1%未満<ref>[http://divineprinciple.web.fc2.com/multi_mean.html 「蕩減」には複数の意味がある]</ref>。文鮮明教祖の原義の解釈は「小さな条件で大きな負債を赦すこと」<ref>[http://divineprinciple.web.fc2.com/defi_smmoon_01.html 「蕩減」文鮮明師による定義]</ref>であるのに対し、劉孝元著「原理講論」では「本来の位置と状態を復帰するために必要な条件を立てる(満たす)こと」<ref>[https://ffwpu.family/library/divineprinciple/restoration 緒論 (一)蕩減復帰原理]</ref>、崔元福による英訳では「indemnity(賠償)」<ref>[http://www.unification.net/dp96/dp96-2-0.html#Part2 Divine Principle]</ref><ref>プログレッシブ英和中辞典(小学館)「indemnity」の「2 賠償金,補償金;損害賠償」</ref>と異なる定義をしている。<ref>[http://divineprinciple.web.fc2.com/Lec_mis_tg.html 原理講義の間違い例「蕩減」]</ref>これを読んだ金東俊神田外語大名誉教授は「これは間違い」と明言している<ref>[http://divineprinciple.web.fc2.com/djkim_dp.html 「蕩減」金東俊教授が原理講論を訳す]</ref>。この教会自ら陥った誤認によって国内外のキリスト教会からの批判を招いている<ref>日本のキリスト教会はキリスト教とは相容れない「東洋的発想」と批判している。森山諭著「統一教会からまことのメシヤへ」、川崎経子著「原理運動を憂慮する」</ref><ref> [https://dictionnaire.sensagent.leparisien.fr/indemnity+unification+church/en-en/#cite_ref-15 Criticism of the Unification Church concept of indemnity]</ref><ref>[https://howwelldoyouknowyourmoon.tumblr.com/post/650833755214381056/indemnity-is-a-moon-trap "Indemnity is a Moon Trap"]</ref>。
:: 教会内部では無原罪で生まれた再臨のキリストとされる文鮮明(今それは否定され再臨のキリストは妻韓鶴子<ref>[https://trueparents.jp/?page_id=1767 真のお母様の「無原罪性」―「血統転換、私は母胎からなのです」の意味について | 真の父母様宣布文サイト]</ref>)が生誕した韓国を最も迫害したとする日本が支払うべき「賠償(indemnity)」の意味で使われることが多い。<ref>[http://www.rirc.or.jp/20th/Rirc20th_inbound8_Fujita.pdf 藤田庄市著「日本における統一教会の活動とその問題点」P.134]</ref>
:; 信者達の認識
:: 救済、正確には復帰のプロセスは、神と人間の関係という縦の次元と、人間同士の関係という横の次元がある{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=110-111}}。復帰は、信心や行いではなく、蕩減(とうげん。償いの意)によって得られるとされる{{sfn|クリサイディス|1993|pp=58-59}}。人類はメシアが出現できるだけの「基台」を築くように務めなければならない{{sfn|クリサイディス|1993|pp=58-59}}。救済の摂理において、神の責任分担は95%、人類の自己責任分が5%であるとされる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=50-51}}。神が求めるのは、人間の罪を償いうるに足る以下のものだが、その正確な量は神によって決められるとされる{{sfn|クリサイディス|1993|pp=58-59}}。摂理の成就は、信者の信仰と働き次第であり、よって完全な献身を求められる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=50-51}}。

===== 日本「エバ」論 =====
日本のセミナー等で、『原理講論』で説かれる堕落の経緯と復帰の歴史を説明される際に、韓国は「アダム国家」、日本は「エバ国家」とされ、先に堕落したエバがアダムに侍ることは当然であると説かれている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=50-51}}。

朝鮮を植民地支配し民族の尊厳を踏みにじった日本はエバと同じであり、韓国に贖罪しなければならないとされているのである{{sfn|櫻井・中西|2010|p=435}}。合同結婚式では、日本人女性・韓国人男性のカップルが多く生み出されており、結婚した日本人女性は韓国人の夫や家族に尽くすことが求められる{{sfn|櫻井・中西|2010|p=435}}。サタンと姦淫したエバである日本とアダムとされる韓国という構図で規定される<ref>{{cite journal|title= 「韓日祝福」で韓国に渡った日本人女性たちの「その後」|url=https://keiho.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=401&item_no=1&page_id=13&block_id=21 |author= 武田里子|year=2017|journal=アジア太平洋研究センター年報|volume=14|publisher= 大阪経済法科大学附属アジア太平洋研究センター|issn=1349-1997}}</ref>。

[[朝鮮半島]]は[[男性器]]、日本は[[女性器|女性の陰部]]といった比喩も存在する<ref>{{cite video|title=問われる政治との距離 激震・旧統一教会と日本政治【7月22日 (金) #報道1930】| TBS NEWS DIG|url=https://www.youtube.com/watch?v=GoTRyhI7uak|date=2022-07-22|publisher=TBS NEWS DIG Powered by JNN}}</ref>。

== 信徒数 ==
2008年時点で統一教会は世界の200近い国で活動しており、日本と韓国を中心に300万人といわれるが、研究者たちは、事実上の会員はアメリカの数千人の信者を含め、数万人程度と考えている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=116-119}}。

1995年12月31日現在の[[文化庁]]宗教団体信者数統計によれば日本の信徒数は477,000人だが、これは各教団からの申告に拠るもので、統計の全信者数を合計すると全人口を超えてしまい、実際の信者数とはズレがあるため、統一教会の477,000人という数字も実際とは異なると考えられる。

[[マスメディア]]による批判報道(特に『[[朝日新聞]]』と『[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]』)や度重なる多額の献金要求の影響もあって、信者数は減少したといわれる。ジャーナリストの米本和宏は、1992年以降の激しい批判報道やその後の貨幣復帰疲れ(献金疲れ)で退会した信者は相当に多く、累計の入会数56万人に対し現在(2009年時点)で活動している信者は推定6万人、残り50万人は退会したか退会同然の状態であると述べている{{sfn|米本|2010|p=71}}。

== 批判 ==
=== 多額の献金要求 ===
[[1988年]]5月、献金名目で土地や建物を安く売却させたとして、都内の無職女性(67)と[[千葉県]]の会社員(37)が教団に対し、約7500万円の損害賠償請求訴訟を[[東京地裁]]に起こしている。訴状によると、無職女性の土地や[[アパート]]を9400万円で売却させ、うち5400万円を献金させた。会社員は、高額な多宝塔や羽毛布団などを買わされたとしている<ref>『毎日新聞』1988年5月7日号 朝刊 23面</ref>。

[[1992年]]4月、男性(58)ら一家4人が、「詐欺的な説得で多額の資金を提供させられた」として、約19億3000万円の損害賠償請求訴訟を[[東京地裁]]に起こした。訴状によると、教団関係者が男性の[[農地]]を担保に借金をさせ、16億4000万円を教団に貸金名目で提供させたとしている<ref>『毎日新聞』1992年4月8日号 朝刊 26面</ref>。

[[1996年]]6月、関東地方在住の女性(67)ら3人が、教団に13億2800万円の損害賠償請求訴訟を起こした。訴状によれば、1989年5月から12月にかけて、土地を担保に[[ノンバンク]]に借金をさせ、約13億を献金させた<ref>『毎日新聞』1996年6月15日号 朝刊 27面</ref>。

[[1998年]]頃、統一教会の元信者の男性が教団に対し、19億円の損害賠償を求める訴訟を[[東京地裁]]に提起した。男性は[[栃木県]]の資産家の家に生まれたが、大学在学中に入信、以後、多額の献金を求められ、[[1986年]]から[[1991年]]までに総額32億を寄付し、先祖代々の土地の大半を失ってしまった。教団は当初争う構えを見せたが、最終的に19億の支払いを認める形で和解した。弁護団は判決回避のためとみている<ref>『週刊新潮』2002年10月31日号 p46</ref>。

[[朝日放送]]の取材に答えた[[大阪府]]在住の元信者は、三男の自殺による精神的ショックから入信に至り、[[1993年]]から[[2006年]]の13年のあいだに、三男の[[生命保険]]金など3000万円近い金額を教団に献金したと語った<ref>{{Cite web |title=元信者語る“旧統一教会への献金” 「金があると災いが…」息子の保険金など3000万円献金|url=https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_15705.html|website=朝日放送|access-date=2022-07-31}}</ref>。

[[2005年]]から[[2010年]]にかけて、警察による[[霊感商法]]の摘発が相次いだことから、不特定多数を狙った霊感商法は下火になり、集金方法は「狭く、深く」少数の信者から大金を搾取するようになっているという<ref name="bunshun20220728p3336">「統一教会vs「週刊文春」」『週刊文春』2022年7月28日号 p33~36</ref>。

[[2006年]]10月3日、「家計が途絶える」と脅すなどの教団信者による違法な勧誘の結果、多額の献金をさせられたとして[[足立区]]の資産家女性(68)が教団と信者4人を訴えていた裁判で、東京地裁は教団の[[使用者責任]]を認めた上で、約2億8900万円の支払いを命じた<ref>『毎日新聞』 2006年10月4日号 朝刊 26面</ref>。

[[2008年]]4月10日、「先祖が地獄で苦しんでる」などと信者に脅され、約2億2000万円を献金させられたとして教団に損害賠償請求訴訟を起こしていた[[千葉県]]の女性(70)に対し、教団側は2億3000万円を支払う示談に応じた。教団は「教団は関与せず信者間の和解である」とした<ref>『毎日新聞』 2008年4月11日号 朝刊 29面</ref>。

[[2012年]]7月3日、元信者の女性(37)が、教団と国に対し、約4300万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起した。教団に対しては、不安を煽られ、献金や「献身」と呼ばれる労働行為を強いられたこと、国に対しては是正措置を講じる義務があったのに放置した責任があったとした<ref>『産経新聞』2012年7月4日号 朝刊</ref>。

[[2014年]]3月24日、元信者ら40人が、違法な布教活動で献金や宝石購入を強いられたとして、教団に合計1億990万円の損害賠償を求めていた裁判で、札幌地裁は、元信者3人の請求を一部認める形で、合計3850万円の支払いを命じた。判決では布教活動を「経済的利益を獲得する目的」とし「[[信教の自由]]を侵害する行為」と認定した<ref>『産経新聞』2014年3月25日号 朝刊</ref>。

[[2016年]]6月28日、[[東京高裁]]は、教団の指示で元妻が多額の献金をしていたとして、60代男性に対して3428万円の損害賠償の支払いを教団に命じた裁判の[[控訴審]]で、組織的な関与を認めた上で賠償金を3789万円に増額した。教団は献金は信者の[[自由意志]]によるものと主張したが、裁判では、献金をしないと不幸になるとして、夫の預金を献金するように指示したと認定された<ref>『産経新聞』2016年6月29日号 朝刊 22面</ref>。

[[2020年]]2月28日、東京地裁は、教団に対し、違法な勧誘で多額の献金をさせられたとして520万円の損害賠償請求訴訟を提起していた60代の元信者女性に対しての、470万円の損害賠償支払いを命じた<ref>『産経新聞』2020年2月29日号 朝刊 22面</ref>。

[[2022年]]7月、教団による被害の救済に取り組む「全国霊感商法対策弁護士連絡会」は、毎日新聞の取材に対し、献金の違法性を認定し、返金を命じる[[民事裁判]]の判決が近年も相次いでおり、教団は現在でも信者に献金や奉仕を強要している、と強調した<ref>{{Cite web |title=旧統一教会、献金強要相談今も 違法性、司法も判断 弁護士ら指摘|url=https://mainichi.jp/articles/20220713/ddf/041/040/010000c|website=毎日新聞|access-date=2022-07-31}}</ref>。

=== 原理研問題 ===
統一教会系の学生組織『[[原理研究会]]』は、1960年代以降[[社会問題]]になり、複数の事件・訴訟が発生。原理研に加入した学生は学業を放棄して活動に熱中し、帰宅せず教団関連施設に泊まり続けるようになった。さらには親に「金を出さなければ親子の縁を切る」「遺産の前渡しだ」などと寄付金を要求し、要求が受け入れられないと[[断食]]をしたり、「サタン」と親を罵ったり、「殉教する」と自殺をほのめかしたりと、異常な言動をするようになり、「家庭破壊」の被害が続出した。原理研の活動は、路上での布教や募金活動を不眠不休で行うなどの重労働で、過労で入院する学生も多かったという。原理研の運動が盛んだった[[早稲田大学]]では、大学側は学生に対し学業に復帰するように要請するも、布教に専念するために退学に至る学生も現れた<ref>『朝日新聞』1967年7月7日号 夕刊 10面</ref><ref>『朝日新聞』1967年7月15日号 夕刊 10面</ref><ref>『朝日新聞』1967年8月8日号 朝刊 14面</ref>。原理研による家庭崩壊の被害に遭った親らは、「原理運動対策全国父母の会」を結成、[[渋谷]]にある統一教会本部前で「わが子を家庭、学校に返せ」などのプラカードを掲げてデモ行進を行った<ref>『朝日新聞』1967年9月17日号 朝刊 14面</ref>。

[[1967年]]12月には、教団信者2人が[[大分県]]内の滝壺で溺死、原理運動の修練活動中だったと見られる<ref>『朝日新聞』1967年12月6日号 朝刊 15面</ref>。

[[1968年]]9月、「原理運動対策全国父母の会」は教団会長の[[久保木修己]]を[[刑事告訴]]した。告訴状によると、[[神奈川県]][[厚木市]]に総工費7億円で「修練所」を建設すると称し、学生の親から寄付金を募ったが、募金終了後1年以上たっても着工せず、経理報告もしなかったため、寄付金[[詐欺]]であるとした<ref>『読売新聞』1968年9月29日号 朝刊 14面</ref>。

[[1970年]]8月、原理研の修練会に参加していた学生が、全身打撲による衰弱で死亡した。原理研の幹部らが不法に監禁し医師にも診察させなかったことが原因として、関係者7人が[[書類送検]]されている<ref>『朝日新聞』1970年8月15日号 夕刊 9面</ref>。

[[1976年]]には、[[フランス]]の「原理運動」[[パリ]]本部で手製の爆弾が爆発、教団関係者2人が重傷を負った。原理運動はフランス国内でも社会問題化しており、「子供を取り戻す会」が全国で3つもつくられていた<ref>『朝日新聞』1976年1月24日号 朝刊 23面</ref>。

[[1976年]]9月ごろ、米国の移民局は、「原理運動」に関与する統一教会の信者約700人を[[不法滞在者]]として国外追放する手続きを指示した。これらの信者の多くは、日本人と韓国人で、連邦判事が「[[宣教師]]見習」としての資格を認めないと裁定していた<ref>『読売新聞』1976年9月6日号 朝刊 3面</ref>。

[[1977年]]2月、原理運動に反対する「原理被害者更生会」の顧問が男女2人に鉄パイプで襲撃される事件が発生。顧問は統一教会に一時入信した経験から、原理運動の被害者を社会復帰させる活動をしており、これまで約100人を更生させたと話していた。教団側は関与を否定<ref>『朝日新聞』1977年2月6日号 夕刊 19面</ref>。

[[1977年]]4月、[[渋谷署]]は統一教会保安係の男(31)を[[傷害]]、暴行の疑いで逮捕した。男は、教団に入信した長男、長女と面会に来た「原理運動対策全国父母の会」のメンバーに対し、「不法侵入で110番するぞ。帰れ、帰れ」と恫喝し、二人を手をつかんで押し出し、壁に体を押し付けるなどの暴行を加えた。また、別の日に教団責任者に面会を求めてきた「父母の会」のメンバーにも暴行、全治5日のけがをさせた<ref>『読売新聞』1977年4月12日号 夕刊 7面</ref>。

[[1978年]]6月、[[青山学院大学]]で、原理研究会と対立する「反原理共闘」のメンバーら合わせて約20人で乱闘騒ぎが発生。1人が全治5日のけが<ref>『読売新聞』1978年7月1日号 朝刊 22面</ref>。

[[1982年]]11月、[[東京大学]]駒場北寮で、反原理運動サークル「文理研」の寮生3人がいる部屋に、約10人の男が乱入し殴る蹴るの暴行を加えた。駆けつけた警察官に対して、一部学生らがスクラムを組んで立ち入りを拒んだために、[[機動隊]]が出動し4人が[[公務執行妨害]]で逮捕された<ref>『読売新聞』1982年11月29日号 朝刊 22面</ref>。

[[1983年]]には、[[徳島県]]で原理研に加入した娘を家に連れ帰った親を相手取って、原理研側が人身保護請求訴訟を提起した。[[徳島地裁]]は「娘の幸福を願った親の愛情に基づく正当な親権の行使」として請求を棄却している<ref>『朝日新聞』1983年12月12日号 夕刊 15面</ref>。

[[1988年]]12月、「原理研究会」の指示に従って就職した元信者が、理由もなく給料を天引きされ、1日あたり1100円の賃金しか支給されず、毎日15時間から21時間にわたる長時間労働も強いられ「[[タコ部屋]]同様の生活を強いられた」として、元勤務先の「セイロジャパン」に対して未払いの賃金や[[慰謝料]]を求める訴訟を[[東京地裁]]に提起した<ref>『朝日新聞』1988年12月14日号 朝刊 26面</ref>。

現在でも多くの大学は「原理研究会」への注意喚起を公式に発信している。特に、[[上智大学]]、[[青山学院大学]]、[[同志社大学]]、[[明治学院大学]]等の[[ミッション系大学]]は、教団を名指しで批判しており、上智大学は「キリスト教の名を語って人を惑わす新興宗教」として、「巧妙な手段を使ってキリスト教の学校や諸機関にまぎれこみ、騙された人を引きずりこんで、あちこちに被害が出ています」としており、青山学院大学は「サークルのふりをした危険な宗教団体」として、一般的なキリスト教の教えと大きな隔たりがあると、警告を発している。同志社大学も、教団を「'''破壊的カルト'''」として、「不安や恐怖をあおり、日本や世界が滅びるなどと脅かし、お金をたくさん取る団体」と厳しく批判し、明治学院大学も「多くの被害者を出してきた宗教団体」として、教団への注意を呼びかけている<ref>{{Cite web |title=「キリスト教」を名乗る団体について |url=https://www.aoyamagakuin.jp/rcenter/warning.html |website=青山学院大学 |access-date=2022-08-04 }}</ref><ref>{{Cite web |title=近年では、キリスト教の諸派の間で相互の対話や協力が盛んになったと聞きます。それではなぜ、「統一協会はキリスト教ではない」と言って排斥するのですか。|url=https://sophia-catholicjesuit.jp/qa/68/|website=学校法人上智学院 |access-date=2022-08-04 }}</ref><ref>{{Cite web |title=人のとりこにされないように|url=https://www.christian-center.jp/chapelhour/2014/wed_tanabe/0723.html|website=同志社大学キリスト教文化センター |access-date=2022-08-04 }}</ref><ref>{{Cite web |title=チャペルアワー(礼拝)|url=https://www.meijigakuin.ac.jp/gakusei/mg_diary/2020DIARY_02.pdf|website=明治学院大学 |access-date=2022-08-04 }}</ref>。

==== 散弾空気銃問題 ====
[[1968年]]秋頃から、原理運動の関係者の間で、[[韓国]]製の散弾[[空気銃]]が出回っていることが判明し、問題となった。この銃は全国の原理運動関係者に市販され、1969年2月1日までに793丁の所持申請が[[警察]]に出された。63丁は年齢などの問題で受理されなかったが、446丁は猟銃扱いで許可された。この空気銃は通常よりも威力が高く、[[散弾銃]]に近い性能をもっていることから、禁止の方向で検討が始められた<ref>『朝日新聞』1969年3月10日号 夕刊 11面</ref>。

=== 2世信者問題 ===
両親が教団の信者である「'''2世信者'''」も深刻な[[社会問題]]になっている。幼少期から信仰を強要される、教義に従う生き方を強制される[[心理的虐待]]を受けてきた、献金のために[[貧困]]に苦しんだ、との証言が多数報告されている。自分も「元2世信者」であると語る20代の女性は、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の取材に答え、「2世信者」の苦しみを語った。女性は幼い頃から親に従い信仰をしてきたが、徐々に違和感を感じたという。小学生の時に、[[教祖]]・[[文鮮明]]の血が入っているとされる赤[[ワイン]]を飲まされると「まずくて、気持ち悪かった」と感じたといい。中学生くらいから、信仰を拒否するようになった。親は給料の大半を教団への献金に費やしてきたといい。狭いアパートで高価な統一教会の「聖本」や「[[壺]]」に囲まれて生活をしていたという<ref>{{Cite web |title=“統一教会”「2世信者」の苦悩  子供のころ“文鮮明氏の血が入っているとされるワイン”飲まされ…|url=https://news.ntv.co.jp/category/society/031a8c1ef6394cdd9b61c3131cca25ee|website=日本テレビ |access-date=2022-07-30}}</ref><ref>{{Cite web |title=“統一教会”「2世信者」の苦悩  子供のころ“文鮮明氏の血が入っているとされるワイン”飲まされ…|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/6a175ae16ac1dbe6d69c8c8ce1f0eb9deb3aa47e|website=Yahooニュース |access-date=2022-07-30}}</ref><ref>{{Cite web |title=米紙が「統一教会信者2世」を取材 文鮮明が日本人に植えつけた「罪の意識」とは|url=https://courrier.jp/news/archives/295766/|website=クーリエジャポン|access-date=2022-07-30}}</ref><ref>{{Cite web |title=容疑者の供述から見える宗教依存の親による「カルト2世」への虐待の実態|url=https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71081|website=JBPress|access-date=2022-07-30}}</ref>。

別の「2世信者」女性は『[[週刊文春]]』の取材に答え、「絶対に異性を好きになってはいけない」と[[恋愛]]を厳しく制限されていたことを明かした。恋愛に興味を持たないように、本や[[漫画]]、テレビ番組も厳しく制限された。20代になって[[恋人]]ができ、そのことを親に打ち明けると「お前はサタンだろう!」と相手を脅迫しにいき、破局に至った。女性の弟は「合同結婚式」に頼らず、自分で相手を見つけて結婚したが、弟がそのことを打ち明けると、親が「殺しに行く」と言ったため、警察沙汰になった。弟は親と絶縁したという<ref>{{Cite web |title=「絶対に人を好きになるな」「弟は両親と絶縁」「ずっと貧乏」統一教会 “合同結婚式二世”の苦悩|url=https://bunshun.jp/articles/-/55994|website=文春オンライン|access-date=2022-07-30}}</ref>。

「[[合同結婚式]]」で出会った両親の元に生まれた別の30代女性は、[[毎日新聞]]の取材に対し、両親は布教活動などに熱心で家を留守にすることが多く、夕食は一人で食べることがほとんどだったと語る。両親は給料の大半を教団への献金に費やしてきたため、生活は貧しく、小石や虫が混じる「くず米」を食べていたという。やはり家には[[壺]]や印鑑、多宝塔が置かれ、文鮮明の写真が飾られていた<ref>{{Cite web |title=「信仰するふり」でつないだ家族 旧統一教会2世を救った言葉とは|url=https://mainichi.jp/articles/20220728/k00/00m/040/130000c|website=毎日新聞|access-date=2022-07-30}}</ref>。

[[小学館]]『[[週刊ポスト]]』の取材に答えた別の20代後半の「2世信者」女性も、幼少期から貧困に悩まされてきたという。小遣いは1円ももらえず、親戚からもらった[[お年玉]]も献金のため没収された。服もボロボロで、集団登校では『くさいから来るな』といじめにも遭った。高校生ではじめた[[コンビニ]]の[[アルバイト]]で稼いだお金も、全額両親に渡していたという<ref>{{Cite web |title=「お年玉まで『メシア様に返すんだよ』と没収され」20代女性が語る“統一教会2世”の苦しみ|url=https://www.news-postseven.com/archives/20220729_1778756.html|website=ニュースポストセブン|access-date=2022-07-30}}</ref>。

40代の「2世信者」女性は「親孝行になるんだ」と親に従い高校生のころに入信した。21歳の時に「合同結婚式」に参加、結婚前に一度も会ったこともない当時19歳の[[韓国人]]と結婚した。夫は無職で気に入らないことがあると度々暴力を振るった。しかし、教団に相談すると「あなたの信仰が足りない」と言われただけだった。男性とは離婚に至り、教団が紹介した別の男性と再婚したが、男性は女性の[[クレジットカード]]を使い込み、女性は[[自己破産]]に至った<ref>{{Cite web |title=【解説】弁護士たちが“統一教会”猛批判 「二世」女性が苦しみ告白…創始者の「マッチング」で結婚も…|url=https://news.ntv.co.jp/category/society/4d46d998d3ba408888e2a3aad7d8f03b|website=日本テレビ|access-date=2022-07-30}}</ref>。

2022年8月23日、[[立憲民主党 (日本 2020)|立憲民主党]]は国会内で元信者からヒアリングを行った。夫と子供と共に出席した「元2世信者」女性は、両親が高額な献金をしたために家庭環境は貧しくそれが原因でいじめを受けたこともあり、高校生の頃からアルバイトをしていたが200万円あまりの給与はすべて献金のために両親に没収されたと証言した。両親は現在も熱心な信者で、父は教会長を務めていたことがあり、母は婦人部長などを請け負い政治の面でも選挙活動を手伝いやウグイス嬢をしたりしていたという。また女性は結婚前に参加が義務付けられている修練会において公職者から[[セクシャルハラスメント|セクハラ]]を受け、韓国にある教団施設では精神が崩壊した信者を数多く目の当たりにするなどし、2016年頃に脱会した<ref>{{Cite web |title=旧統一教会修練会でセクハラ「宗教名乗るカルト」元信者告発 教団施設に精神崩壊した信者多数 - 社会 : 日刊スポーツ |url=https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202208230000539.html |website=nikkansports.com |access-date=2022-08-23 |language=ja}}</ref>。

=== 規制論 ===
教団が長期にわたって深刻な社会問題を引き起こしてきたことから、教団に対する規制を求める声も根強い。[[弁護士]]の[[紀藤正樹]]は「旧統一教会は、本人の財産状況を確認して、ギリギリまでお金を出させる手法で、過去30年余りで1230億円以上の被害が確認されている。行政側は、宗教団体による[[霊感商法]]には、[[信教の自由]]などからタッチできないという認識があり、問題の根深さにつながっている」とした上で、[[オウム真理教]]事件を契機に欧米で[[カルト]]対策が進んだ一方、日本では手付かずである現状を指摘した<ref>{{Cite web |title=旧統一教会への規制 事件の背景 検証を”被害者支援の弁護士|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220722/k10013731341000.html|website=NHK|access-date=2022-08-11 |language=ja}}</ref>。

[[国民民主党]]の[[玉木雄一郎]]は、「今問われているのは政治とカルトの問題だ。宗教をまといながら、反社会的な行動を行うことはあってならない。場合によっては法整備も必要だ」として、フランスなど他国の法規制を参考にし、法整備も含めた対策を検討するとして、党内に調査会を設ける方針を明らかにした<ref>{{Cite web |title=国民、旧統一教会で党内調査会 玉木氏「場合によっては法整備」|url=https://mainichi.jp/articles/20220805/k00/00m/010/183000c|website=毎日新聞|access-date=2022-08-11 |language=ja}}</ref>。また2022年8月21日の記者会見で、一般の宗教法人と反社会的な団体を区別するための法案提出を検討していることを明らかにした。「反社会的行為を、政治のみならず社会が排除できる仕組みを整えたい」と述べ、秋の臨時国会を視野に策定を進めると同時に「わが党としては、旧統一教会と決別することを徹底したい」と強調した<ref>{{Cite web |title=国民民主の玉木氏、宗教法人区別へ法案検討 |url=https://www.sankei.com/article/20220821-JZZGCPROF5J75OPJQZYEM3JIV4/ |website=産経ニュース |date=2022-08-21 |access-date=2022-08-24 |language=ja |first=SANKEI DIGITAL |last=INC}}</ref>。

[[社会心理学]]者の[[西田公昭]]は、「海外では特定の団体をカルトと認定し、その思想を子どもに教えること自体を違法とする国もある」として、教団に対する規制を国が実行する必要性を説いているほか、「宗教」と「カルト団体」と一緒にしてはいけないとして、旧統一教会と他宗教団体を同等に扱うことに否定的な見解を示した<ref>{{Cite web |title=「国がカルト対策を」 旧統一教会めぐり専門家―安倍氏銃撃1カ月|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2022080800092|website=時事通信|access-date=2022-08-11 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=母親の脱会を機に弁護士になった男性が語る旧統一教会…脱カルト協会理事「宗教とカルト団体を一緒にしてはいけない」|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/e3b2c983e9aa3be59f35d6a2281271b604236203|website=Yahooニュース|access-date=2022-08-11 |language=ja}}</ref>。

教団による選挙妨害を経験した元[[足利市]]長の[[大豆生田実]]は、「消費者問題にとどめるのではなく、統一教会が大手を振って活動できる土壌を整えてしまっている日本の政治環境や法制度の問題に切り込むべき」として、課税の強化などを含む[[宗教法人法]]の改正を主張しているほか<ref name="gendai97951"/>、[[宗教学者]]の[[島薗進]]は、旧統一教会が多くの被害者を生んできたとして、反社会的な問題を繰り返し起こす団体の[[宗教法人]]認証取り消しを可能とする[[宗教法人法]]の改正を検討すべきとの見解を示した<ref name="tokyonp197008_1">{{Cite web |title=日本に「カルト規制法」は必要か 旧統一教会問題で野党に動き フランスでは先進事例 |url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/197008/1 |website=東京新聞 |access-date=2022-08-20 |language=ja}}</ref>。

[[法学者]]の[[中島宏 (法学者)|中島宏]]は、フランスの[[反セクト法]]に触れ、制定をめぐって[[信教の自由]]を侵害するとの懸念が示されたことから、違法行為に着目して規制するようになったことを指摘した。その上で、「日本が学ぶべきは、法規制とあわせたセクトを巡る情報提供や注意喚起、未成年者保護、宗教が絡む問題に対処するための公務員研修などだ」との見解を示した<ref name="tokyonp197008_1"/>。

一方で、[[弁護士]]・[[タレント]]の[[橋下徹]]は、[[日本テレビ]]系の『[[ミヤネ屋]]』で「反カルト法のような法律を導入すべき」と主張した共演者の[[紀藤正樹]]に対し、「教義内容や内心に踏み込むのは危険」と否定的な見解を示している。すると、紀藤は「'''70年から80年代で欧米で議論されていた、40年前の議論を蒸し返している'''」と反論、さらに「'''基本的には信教の自由には立ち入らない。諸外国の常識で、カルト規制法もそう。そしてカルト規制法は団体規制なので、宗教団体に限らない'''」と橋下の見解を否定した<ref>{{Cite web |title=橋下徹「ミヤネ屋」で紀藤氏に徹底論破される「同じ弁護士なのに」と呆れ声|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/f154f9004b83c4e140d7443161b1a6a0b866cff9|website=Yahooニュース|access-date=2022-08-11 |language=ja}}</ref>。

=== 勧誘活動批判 ===
統一教会の勧誘の手法は厳しい批判の対象となっている。
{{main|[[#勧誘活動]]}}

=== 教義・教説 ===
宗教社会学者の[[櫻井義秀]]は、ルシファーとエバが「不倫なる霊的性関係」を結んだという聖書における根拠はないと指摘している{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=43-44}}。アダムとエバが楽園追放前に性的関係を結んだという聖書の根拠はなく、『旧約聖書』「創世記」四章一節では、実際に二人が夫婦になったのは楽園の外であることが明言されている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=45}}。また、霊的堕落・肉的堕落が不倫の性関係であるという根拠は聖書にはない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=45}}。

現在の[[聖書学]]では、旧約の諸文書には原罪の観念はないと理解されている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=39}}。櫻井は、統一原理では、「仮説を公理として議論を進めていって、議論に必要な概念(二性性相、四位基台、肉身と霊人など)もまた直感・霊感的に想定可能な準公理として用いながら、すべての議論を展開していく」と述べている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=36-37}}。

カトリック神学者のネメシェギ・ペトロは、『[[原理講論]]』を対象とした論文において、この書において哲学、自然科学、歴史、聖書解釈学、神学等においての主張は、完全に確信のあるものとして羅列されているが、その裏付けは非常に弱いか全くないと述べている{{sfn|ネメシェギ|1985}}。文鮮明の理性は鋭く、思弁を好んで入るが、思惟方法は全く独特で、教育を受けているが狭い分野に限られており、独学者であることは明白であるという{{sfn|ネメシェギ|1985}}。文鮮明の思考の特徴は、[[ミシェル・フーコー]]が前近代的な思考方法の特徴として明らかにした類似に基づく考え方([[呪術的思考]]の一種)であり、『[[原理講論]]』の歴史神学の論証の多くはこのタイプであり、この思考方法は近代以後の思想界では通用しないと述べている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。

ネメシェギは、人間は皆悪魔の血を引いているとされるが、統一教会の楽園追放の話においても、人類はサタン(ルシファー)とエバの子孫ではなく、アダムとエバの子孫とされており、そうであるなら、統一教会の原罪を遺伝的にとらえる考え方と統一教会の楽園追放の話は合致しないと述べている{{sfn|ネメシェギ|1985}}。

イエスの死が、罪深い人類を正当な理由で虜にしていた悪魔に支払われた身代金のようなものであったという説は、古代に幾人かの[[教父]]が唱えていたが、これには聖書的な根拠はなく、キリスト教神学では中世には捨てられている{{sfn|ネメシェギ|1985}}。また、人類の歴史を神とサタンに分け、人々を恣意的(この分別の基準は、良識や常識の判断と必ずしも一致しないとされる)に神の側、悪魔の側に分けることは、狂信的で極めて危険であると指摘している{{sfn|ネメシェギ|1985}}。ある宗教が天の側により近い宗教の邪魔をする場合、それはサタンに属するとされ、『[[原理講論]]』の倫理観では、それを滅ぼすためにはあらゆる行動が許され、善とされることになる{{sfn|ネメシェギ|1985}}。

また、ネメシェギは次のことを指摘している。『[[原理講論]]』では、旧約聖書に書かれた様々な出来ごとを文字通りに受け取り、その年代も書かれたとおりであるとする根本主義的な聖書解釈(現代聖書学の立場では支持されない)と、聖書の表現を字義通りにではなく象徴的に解釈する象徴的聖書解釈が混在している{{sfn|ネメシェギ|1985}}。

ネメシェギは、歴史学から否定されていることを事実とする一方、他のことを単なる象徴としているが、どちらの解釈を用いるかの判断基準はなく、文鮮明の独断にしか思われない{{sfn|ネメシェギ|1985}}。

科学と宗教とを混合するような考え方は、現代のキリスト教哲学の認識論ではすでに排除されているが、『[[原理講論]]』には認識論が全くない{{sfn|ネメシェギ|1985}}。世界の終末を計算するための歴史観は、非神学的、非学問的であり、その歴史観には驚くほど空白が多く、ギリシア・シリア・ロシア等の東方、ラテン系、アジア・アフリカ系諸民族は全く無視されている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。

神に二性性相があるとし、それを性的にとらえることは極めて危険であり、このような神理解から、統一教会の思想で性が過度に大きな位置を占め、結婚が絶対視されているのであろうと述べている{{sfn|ネメシェギ|1985}}。独身性・童貞性に対する評価が全くないという点でも、世界三大宗教のどれとも区別される{{sfn|ネメシェギ|1985}}。神の永遠の幸せがこの世なしにはあり得ず、初めてこの世から得られるという考え方は、キリスト教的な神信仰ではなく、神を進化するもののように考える汎神論の系統のものであるという{{sfn|ネメシェギ|1985}}。

==== 諸問題との関連 ====
宗教学者[[島薗進]]は新宗教における「隔離型教団」の代表的な例として[[オウム真理教]]、[[エホバの証人]]、[[幸福会ヤマギシ会]]と共に統一教会をあげている<ref>島薗進『現代救済宗教論』[[青弓社]]2006年</ref>。

櫻井義秀は、万物復帰の教えが教団の資金調達と密接に関連することを指摘している{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=34-35}}。

「霊的な子ども」を生み出すことと考えられていた「勧誘活動」と共に、「資金調達」はサタンの領域から神の領域への合法的な金銭の移動と考えられ重視された{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=118-119}}。勧誘活動と資金調達は、共に非常に儀式的な活動であり、たとえその活動で敵意にさらされようと、愛を与え、多くの人に復帰に関わる機会を与える活動と考えられていた{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=118-119}}。多くの信者は、寄付した人がその行為の霊的意義を認識しているか否かに関わらず、神の領域へ資金を移動することで利益を得ると信じている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=118-119}}。宗教学者の{{仮リンク|ダグラス・E・コーワン|en|Douglas E. Cowan}}、宗教社会学者の{{仮リンク|デイヴィッド・G・ブロムリー|en|David G. Bromley}} は、これが一部の資金調達チームの「聖なる詐欺」の実践、寄付の見込みのある人からさらにお金をだまし取ることに結びついたと述べている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=118-119}}。

合同結婚式も統一教会がカルト視される一因となっている。教団内婚制で世代が再生産されるため、ピークを越えたとはいえ教団の持続力は強い。教団内婚制も、[[カルト]]視されたり[[マインド・コントロール]]疑惑が持ち上がる一因になっている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅶ}}。

日本では1992年には、歌手で女優の[[桜田淳子]](当時34歳)、元新体操選手の[[山崎浩子]](やまさきひろこ、当時32歳)、元バドミントンの世界チャンピオンの[[徳田敦子]](当時36歳)ら有名人が韓国ソウルのオリンピック・スタジアムで行われる「3万組国際合同祝福結婚式」(前年までに12回行われ、計2万組の夫婦が誕生していたとされる)に参加することが公になり、マスコミでスクープとして飛びつき、過熱気味な報道が繰り広げられた{{sfn|榛|2010|pp=18-19}}。次第に霊感商法被害や、見知らぬ異性同士が教祖のマッチングで結婚するのは不気味だと、激しいバッシングに変わった{{sfn|米本|2010|pp=62-69}}。

[[1993年]]には前年の合同結婚式に参加した山崎が突如行方不明になり、統一教会側は拉致監禁であると記者発表してデモ行進を行った{{sfn|米本|2010|pp=62-69}}。1か月後、[[週刊文春]]の独占で山崎の動静が伝えられ、その後山崎はテレビで婚約破棄と脱会宣言した{{sfn|米本|2010|pp=62-69}}。1990年代以降、元信者が結婚無効を求める裁判も相次いでいる{{sfn|榛|2010|pp=20-21}}。

==== 「血分け」批判と諸見解 ====
{{see also|血分け|韓国のキリスト教#特徴・批評}}
カトリック神学者のネメシェギ・ペトロは、神に陰陽説を当てはめるという考え方から性が過度に大きく扱われているが、性的乱交のような腐敗は今のところ見られないと述べている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。櫻井義秀は、統一教会の布教当初、血分けの疑惑が持ち上がったが、それは未確認のまま終わっていることを紹介している{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=70-71}}。

1955年の梨花女子大事件の時も、「血分け」と称して淫行が行われているのではないかという疑いがもたれたが、文鮮明の容疑は兵役法違反及び不法監禁であり、無罪となっている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=414-415}}。

韓国では、統一教会は数ある異端の一つと認識されているが、単に宗教団体というよりある種の財閥と認識されている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=408}}。日本ほど反社会的宗教団体とは見なされておらず、韓国ではむしろ、日本で「摂理」と呼ばれる[[キリスト教福音宣教会]]が教祖による女性信者への性的暴行などで社会問題となっている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=414-415}}。

櫻井義秀は、文鮮明が初期の信者たちと「血統転換」をどのようにやったかは伝聞でしかないと述べており、統一教会の血分け疑惑に関して著書でさらなる論考はしていない{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=70-71}}。そして文鮮明が、北朝鮮の興南牢獄に収監され国連軍の進攻で解放された経験や「血分け」スキャンダル等の迫害を受けたことを受難として、メシアにふさわしい[[聖痕]]として教説化したことを指摘している{{sfn|櫻井・中西|2010|p=104}}。

ポリテクニック・サウスウェストの哲学科助教授・バーミンガム市のセリーオーク・カレッジ新宗教運動センター理事の{{仮リンク|ジョージ・D・クリサイディス|en|George Chryssides}}は、統一教会は血分け教、セックス教であるという主張には裏付けがなく、想像の域を出ていないと述べ{{sfn|クリサイディス|1993|p=156}}、次のように解説している。

統一教会の初期には、夜遅くまで講話が行われることがあり、その際は夜間外出禁止令のために信者たちは朝まで帰宅できなかったが{{sfn|クリサイディス|1993|p=43}}、敵対者はこれを不道徳な性的行為、乱交パーティーであると批判し噂が広まった{{sfn|クリサイディス|1993|p=44}}。官憲が1954年に文鮮明と信者四人を逮捕し、罪状には姦通罪も含まれていた{{sfn|クリサイディス|1993|p=43}}。しばらくして徴兵拒否以外のすべての罪状は取り除かれ、徴兵拒否も無罪となり3か月後に釈放された{{sfn|クリサイディス|1993|p=43}}{{sfn|クリサイディス|1993|p=159}}。キリスト教主流派や統一教会の批判者は、統一教会は批判者が[[血分け]]と呼ぶ性の入会式を行っており、救世主的教祖が女性の新入団者と性行為を行って女性を浄化し、その上で夫と性行為を行い夫の浄化と子孫の浄化を復帰するということを行っていると主張している{{sfn|クリサイディス|1993|p=155}}。

しかし、クリサイディスは、統一教会がこれらを実践しているという情報は、いずれも間接的なものにとどまっており、統一教会と性の儀式を結びつける証言はごくわずかしかないとのべている{{sfn|クリサイディス|1993|p=156}}。統一教会の信者であるユー・ヒョーウォン夫人は、歴史的に統一教会と関係のある聖主教で裸体儀式(楽園で人間が裸体であったことにちなむもので、性儀式ではない)が行われていたため、統一教会もその槍玉に挙げられると述べている。

ヨン・ポクチョンによる、文鮮明がキリスト教主流派から「血分け教」の開祖とも呼ばれる[[李龍道]]に出会い傾倒していたという証言は、年代が史実と合致しない{{sfn|クリサイディス|1993|p=157}}。クリサイディスは、ユー夫人の見解の方がヨンの証言より問題が少ないと述べている{{sfn|クリサイディス|1993|p=158}}。またクリサイディスは、現実問題として、教祖が合同結婚式に参加する8,000人もの花嫁と性交渉を行うことは不可能であると述べている{{sfn|クリサイディス|1993|p=160}}。

クリサイディスは反カルト派や主流キリスト教の論者で、統一教会は血分け教、セックス教であると批判する論者は、「血」は実物なのか象徴なのか、性行為の相手は救世主である教祖なのか配偶者なのか、後者の場合、集会で行われるのか非公開であるのかを論じることもなく、出どころの不確かな引用、さらなる孫引きを行っていると述べている{{sfn|クリサイディス|1993|p=159}}。

クリサイディスは、「血分け」(ピガルム)というハングルが存在するのだから、その言葉が指す何らかの宗教儀式(乱交パーティーではない)は朝鮮半島にあっただろうと推測することはできる{{sfn|クリサイディス|1993|p=160}}が、正確にどの新キリスト教集団が血分けを実践していたかはわからず、統一教会が行っていたことを裏付けるだけの証拠はないと述べている{{sfn|クリサイディス|1993|p=160}}。

統一教会が元々「セックス教団だ」、「入会した女性信者は儀式と称する教祖との性行為を強いられる」、「血分け教である」、というバッシングは、1995年の文鮮明の逮捕に関する噂が元になっていると思われるが{{sfn|クリサイディス|1993|p=159}}、その後の無罪放免になった顛末は無視されているという{{sfn|クリサイディス|1993|p=159}}。

クリサイディスは、統一教会に血分けの疑惑がかかるのは、同会が婚姻外の性交渉を厳しく戒めていること、血統の復帰の過程は婚姻関係の中だけで「原理的」性交渉として行われること点から見ても筋が通っていないと論じている{{sfn|クリサイディス|1993|p=160}}。クリサイディスは、このような主張が行われるのは、糾弾する側が悪意を持っているということか、より寛容に解釈するならば、血分けの実践と「祝福」(合同結婚式)の後の夫婦間の決められた手順の性行為を混同したのだろう、と述べている{{sfn|クリサイディス|1993|pp=160‐161}}。

==== キリスト教主流派によるもの ====
異端・カルト110番によると異端・カルトである<ref>https://cult110.info/cult-info/</ref>。また日本カトリック司教団が1985年6月22日に出した世界基督教統一神霊協会に関する声明では、キリスト教ではなく、ましてやカトリックでもないことを示し、キリスト教一致運動としてのエキュメニズムの対象にもなり得ないことを明確に宣言とある<ref>https://www.cbcj.catholic.jp/1985/06/22/4022/</ref>。

キリスト教は世界中に布教されたが、その過程で様々に変質し、伝道する国の文化に順応してきた{{sfn|クリサイディス|1993|pp=21-22}}。世界の新宗教の多くはキリスト教の伝道活動の影響を受けて発生している{{sfn|クリサイディス|1993|pp=21-22}}。キリスト教の他文化への順応は、1世紀における[[ヘレニズム]]化のように容認される場合もあれば、認められない場合もある{{sfn|クリサイディス|1993|pp=21-22}}。

キリスト教が土着の宗教と混合して生まれた宗教が、キリスト教の主流派から認められず、その宗教がキリスト教であると主張した場合、[[モルモン教]]のように主流の教会から異議を申し立てられたり、[[ラスタファリアン]]のように独立した宗教を形成することもあった{{sfn|クリサイディス|1993|pp=21-22}}。

櫻井義秀は、統一教会は独特の聖書解釈が見られる『原論講論』を教典とし、教祖・文鮮明が再臨主であると主張していることから、キリスト教の主流派からは異端と見なされていると述べている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅰ}}。統一教会側は、キリスト教の主流ではないが、その教えは韓国に伝来したキリスト教の土着化による正当なものだと主張している{{sfn|クリサイディス|1993|pp=21-22}}。

文鮮明はプロテスタント的なキリスト教の影響を受けており、聖書の正典を知るために教会の伝承が必要であるとは考えない{{sfn|ネメシェギ|1985}}。しかし、キリスト教の最大会派であるカトリック教会では、[[エキュメニズム]]の対象にもなり得ないため、キリスト教ではない宗教であると宣言している<ref>[https://www.cbcj.catholic.jp/1985/06/22/4022/ カトリック中央協議会HP 世界基督教統一神霊協会に関する声明] 世界基督教統一神霊協会に関する声明 1985/06/22 司教団・司教協議会 日本司教団関連文書 諸文書</ref>。

ジョージ・D・クリサイディスは、統一教会を研究する際は、キリスト教の主流の信仰・実践と比較して「逸脱したキリスト教徒」とするのは単純に過ぎ、キリスト教だけでなく韓国の宗教と文化的背景を考慮し{{sfn|クリサイディス|1993|pp=21-22}}、韓国の伝統的な宗教とキリスト教宣教師の到来と活動の結果生まれた新キリスト教集団にルーツを探り研究する必要があると指摘している{{sfn|クリサイディス|1993|pp=21-22}}。独自の神学は仏教、儒教、道教、シャーマニズム等の土着の諸宗教の影響も受けている<ref name="Lewis" />。

宗教社会学者の[[マーク・マリンズ]](Mark R. Mullins)は日本の[[キリストの幕屋]]や[[イエス之御霊教会]]を「メイド・イン・ジャパンのキリスト教」と名付けて、キリスト教の土着化の例として欧米に紹介した{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=78-79}}。死者に[[戒]]を授け仏弟子とする日本の仏教が「仏教の土着化」であるなら、先祖に洗礼を授けることも「キリスト教の土着化」になるかもしれないが、これは[[バプテスマ]]や自発的信仰を重視する[[プロテスタント]]との根幹にかかわることであり、異論もある{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=78-79}}。

[[櫻井義秀]]は、こうした日本のキリスト教のマイノリティ教派を土着化の事例として認めるならば、韓国におけるキリスト教系新宗教も土着化の事例に相当するかもしれないと述べてる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=78-79}}。宗教社会学的には、どちらも外来宗教の土着化と見なせる{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=78-79}}。櫻井は、但し、十字架上のイエス・キリストの血による贖罪を最終的な救済として認めるか否かでキリスト教と異端を分けることは、教派の神学としてはあり得るだろうと述べている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=78-79}}。

統一教会は、イエス・キリストは霊的救済のみに成功し、肉的救済はメシヤに託されたとしており、十字架上のイエス・キリストの死を最終的な救済とは考えない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=47}}。

統一教会は、アメリカの保守的な宗教指導者・政治的指導者たちと連携を築き、これによって社会的存在感を確固たるものにしてきた{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|p=107}}。文鮮明は、アメリカの[[キリスト教根本主義]]者[[ジェリー・ファルエル]]牧師が設立した私立のクリスチャン大学である[[リバティ大学]]が経済的危機に直面した際に多額の資金援助をするなど、多くの保守派の活動に援助を行った{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|p=104}}。

発生の背景には、1930年代の[[韓国のキリスト教]]における神秘主義的な運動があり、独立後の朝鮮戦争を経た1950年代以降の韓国において生まれた、新宗教運動の潮流の一つである<ref name="Lewis" />。その神学は、仏教、儒教、道教、シャーマニズム、さらに韓国のキリスト教の影響を受けており、西洋的文脈になじまない信念も見られる<ref name="Lewis" />。宗教的コミュニオンへの家族的没入が統一教会の実践的規律になっている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=35}}。

カトリックの聖職者の減少を憂慮していたザンビア出身の大司教{{仮リンク|エマニュエル・ミリンゴ|en|Emmanuel Milingo}}は、2001年に韓国人鍼灸医師マリア・スンと合同結婚式で結婚し破門されかかった<ref name="hamon">[http://senese.cocolog-nifty.com/koukishin/2006/10/post_73e1.html ミリンゴ大司教、破門される] イタリアに好奇心 2006年10月2日</ref>。ミリンゴはスンと別れて静かに暮らしてたが、2006年にワシントンでスンと共にカトリック教会における聖職者妻帯の認可を求め、4人の妻帯司祭を司教に任命し、自動的に破門された<ref name="hamon" />。

カトリック神学者のネメシェギ・ペトロは、統一教会はキリスト教、特にカトリック的キリスト教とは本質的に異なる宗教であり、キリスト教に属する諸教会・教団の再統合を目指すエキュメニカル運動の対象外であると述べている{{sfn|ネメシェギ |1985}}。また、統一教会はキリスト教との関係という点で、[[マニ教]]と非常によく似ているという{{sfn|ネメシェギ |1985}}。(マニ教は[[サーサーン朝ペルシャ]]の[[マニ (預言者)|マニ]](3世紀)を開祖とする二元論的な宗教で、統一教会と異なり性を忌むべき悪と見なしていたが、イエスを高く評価し、開祖[[マニ (預言者)|マニ]]こそが最終的な真理をもたらすものであり、自説が宗教・哲学・科学全ての問題を理性的に解決する真理であると主張し、人類の最終的な唯一の宗教にならなければならないと考え、信徒は世界的な布教を行い、強固な宗教組織を作り、社会生活においても互いに連帯していた{{sfn|ネメシェギ|1985}}。)

ネメシェギは、人間と悪魔が性交できるといった神話的な思想は絶対に排除しなければならないものであり、原罪の教えは人間の悪魔化についての教えではなく、この世の一切の悪いことは神の意志に適うものではなく、神との調和を取り戻すことで、神の助けによってそれらの一切を取り除くことができるという希望を抱かせる教えであると述べている{{sfn|ネメシェギ|1985}}。統一教会は、イエスの復活を認めないからこそ、その死の理解が間違っているという{{sfn|ネメシェギ|1985}}。

またネメシェギは、次のように批判している。『[[原理講論]]』は文鮮明が受けたという啓示を根拠にしているが、啓示の客観的根拠は本書では述べられておらず、その教説には誤りが多く、実際に神の啓示であるとは思われず、文鮮明が啓示であると思い込んだのは、若い時からかかわっていた神霊主義的現象や、朝鮮半島のシャーマニズムの影響であったかもしれない{{sfn|ネメシェギ |1985}}。また陰陽論を神に当てはめるやり方は、キリスト教神学と哲学が初めから支持してきた神の絶対的超越性、独立、自己充足性、純一性、自由についての教説とは一致しておらず、神の絶対的超越性を十分理解できていないからこそ、被造世界にみられる特徴をそのまま神に当てはめてしまっているという{{sfn|ネメシェギ|1985}}。

日本では、日本カトリック司教団がカトリック信者向けに、「私たちは、一つの人間家族をつくり上げることの意義を否定するものではありませんが、この世界基督教統一神霊協会がキリスト教ではなく、ましてやカトリックでもないことを示し、キリスト教一致運動としてのエキュメニズムの対象にもなり得ない」ことを宣言し、その教えはカトリックの教えと明確に相反するため、統一教会のいかなる運動や会合などにも関与しないように注意を喚起している<ref>[https://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/cbcj/850622.htm 世界基督教統一神霊協会に関する声明] 1985年6月22日 (定例司教総会において)日本カトリック司教団</ref>。

プロテスタントの[[日本基督教団]]牧師・宗教研究者の石井智恵美は、キリスト教を名乗ることについては、正統派キリスト教による根強い批判が見られると述べている{{sfn|石井|2002}}。

キリスト教の主流派における公式の教会会議や委員会の中には、統一教会の統一思想に反対し、キリスト教であるという主張に異議を表明したり{{sfn|クリサイディス|1993|pp=21-22}}、危険性を警告するものもある。

1975年には、フランスのカトリック司教協議会が統一教会の危険性について警告書を出している<ref name="カトリック中央協議会">[https://www.cbcj.catholic.jp/jpn/library/book/hand2008/cult.htm カトリック情報ハンドブック2008 巻頭特集 特集1 キリスト教界のカルト問題対応 久志利津男] 「統一教会問題キリスト教連絡会」カトリック中央協議会</ref>。パナマの司教会議も、同一の立場から統一教会の実態について述べる司牧書簡を発表した<ref name="カトリック中央協議会" />。

1976年には、ニューヨーク大司教区が、アメリカのユダヤ系委員会、全米教会会議と共に、統一教会は反キリスト教的・反民主的であるという共同声明を出した<ref name="カトリック中央協議会" />。

プロテスタントの[[日本基督教団]]は、教団として統一教会対策に取り組んでおり<ref name="カトリック中央協議会" />、ジャーナリストの米本和広は、日本基督教団は総会で「統一教会を潰す」という決議を採択したと述べている{{sfn|米本|2010|pp=62-69}}。

[[日本福音同盟]]は統一教会はキリスト教ではないと表明し、様々な姿と紛らわしい組織体を持ち、それらを通じて多くの人々を勧誘し「[[マインドコントロール]]」していると断じ、その活動に憂慮を示している<ref>[http://eiko-church.com/guide/cult/statement 日本福音同盟(JEA)声明] 1993年6月2日 日本福音同盟第8回総会総会議長 村上宣道、理事長 藤本栄造</ref>。

統一教会に対するこれらの動きは日本基督教団だけでは限界があると考えられたため、キリスト教諸教派に協力が呼びかけられ、2004年「統一教会問題キリスト教連絡会」が発足した<ref name="カトリック中央協議会" />。そこに、[[カトリック中央協議会]]、[[在日大韓基督教会]]、[[日本聖公会]]、[[日本バプテスト連盟]]、[[日本福音ルーテル教会]]が新たに加わり、日本のキリスト教エキュメニカル運動団体・[[日本キリスト教協議会]]が[[オブザーバー]]として参加した。そして、定期的に会合を開いて情報交換を行い、統一教会問題の啓発冊子『これが素顔!』を作成、「連絡会」所属の司祭、牧師と「霊感商法対策弁護士連絡会」の弁護士、「全国統一教会被害者家族の会」の有志メンバーが訪韓し、韓国のキリスト教諸派に日本における統一教会の実態を伝えた<ref name="カトリック中央協議会" />。

統一教会などのカルト視される新宗教の信者に対する[[脱会カウンセリング]](特定教団に入信した信者はマインドコントロールされているために信者であり続けるとみなし、家族とカウンセラーが積極的に信者当人の信仰問題に介入することでマインドコントロールを解き、教団から脱会させようという特殊なカウンセリング)には、信教の自由などの面から問題視する向きもあり、強制棄教であるというジャーナリストによる批判もある{{sfn|櫻井|2005}}。

この脱会カウンセリングに関わるキリスト教関係者もおり、1998年以降、統一教会信者と[[エホバの証人]]の信者が、違法に脱会・棄教を強要されたとして、家族や関係者、脱会カウンセリングに関わった牧師が相次いで提訴されている{{sfn|櫻井|2005}}。このような裁判は2005年時点で5件あり、2件が信者の請求を全て棄却し、3件が一部に違法行為があったとして損害賠償の請求を認めた(うち1件はエホバの証人){{sfn|櫻井|2005}}。

統一教会が聖酒には「父母の愛の象徴が入っている」と表現したせいか、聖酒には「精液」が混入されていると報道されたこともあったが、統一教会側は事実無根であると述べている{{sfn|榛|2010|pp=20-21}}。

同性愛者の信者は、当然同性愛を「克服」しなければ教会に残ることはできない<ref name="魚谷" />(同性を愛するのは倫理道徳に問題があるから、同性愛者が人種のマイノリティのように権利を求めることは間違いとされるため)。

渋谷区で同性パートナーシップ制度の条例案が提出され、これに反対するチラシが組織的にポスティングされた。チラシでは、条例でエイズが蔓延する、言論の自由を侵害する、伝統的な家族制度に混乱をもたらし、学校教育や子供の躾にも悪影響を及ぼすなどと主張されていた。チラシの連絡先は、統一教会の関連組織として知られるpure love allianceである<ref>[https://buzzap.jp/news/20150306-pla-against-lgbt-partnership/ 同性パートナー条例案に絡み「反同性婚」のチラシが渋谷区でポスティングされる、統一教会との関連指摘も BUZZAP!] エキサイト</ref>。

2008年に大阪府の堺市立図書館で、男性同士の愛や絆を扱う女性向けのジャンル「[[ボーイズラブ]]」小説が収蔵・貸出されていることを非難する「市民の声」によって廃棄が要求され、ボーイズラブとされた5,500冊の本が開架から除去される「[[ボーイズラブ#堺市立図書館「BL」本排除事件|堺市立図書館「BL」本排除事件]]」が起きたが、これに統一教会の関連会社「[[世界日報社]]」が関与していたのではないかと指摘されている<ref>[https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/sonota/kansa/kansakajokyo/sochijokyo/201228kansa48.html 平成20年12月28日 堺市監査委員公表 第48号] 堺市</ref><ref>[https://mxixtxbx.hatenablog.com/entry/20130817/p1 堺市立図書館BL小説撤去事件(2008年)]</ref>。

2012年の設立者の文の死後に組織は分裂したため、韓国でも脱会者が相次いでいるが、まだ地方の不動産を保有しているため韓国内では影響力は残している<ref>[https://news.livedoor.com/article/detail/12928019/ 桜田淳子の復活の裏に統一教会の内紛?3派に分裂し対立が泥沼化]</ref>{{出典無効|date=2017-09-27}}<ref>統一教会が貪る「2018年平昌五輪」淵弘</ref>{{要ページ番号|date=2017年9月}}。

[[日本共産党]]の政党機関紙「[[しんぶん赤旗]]」を刊行する「赤旗」は、文鮮明は若い時「混淫派」とよばれる[[血分け]](ピガルム、「血の浄化」を意味する{{sfn|クリサイディス|1993|p=155}})教の信者であり、血分け教とはセックス教であると主張した<ref>[[世界平和統一家庭連合#赤旗|「赤旗」社会部 1989, p112]]</ref>。また、統一教会の教義は「文鮮明との血分け(セックス)によって人間は清められ、無原罪の子を産むことができる」というものであると断じ、激しく批判している<ref>[[世界平和統一家庭連合#赤旗|「赤旗」社会部 1989, p115]]</ref>(「赤旗」の主張の情報源は、上記批判を掲載した書籍『赤旗―統一教会元会員の証言』には記載されていない)。統一教会に対する通俗的なバッシングには、しばしばこのような主張が見られる。

また、[[ワシントン市]]の統一教会所属の「ユニヴァーサル・バレエ団」と[[レニングラード]]市の[[マリインスキー・バレエ|キーロフ・バレエ団]]は公式に関係を結び、1990年代初頭には統一教会のロック・グループ「オリジナル・マインド・バンド」が、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、チェコスロバキアで演奏するなど、東欧で活発に活動した{{sfn|ストーム |1993|pp=279-282}}。

== 関連事件 ==
=== 赤報隊事件の関与疑惑 ===
2人の[[朝日新聞]]社所属の記者が殺傷され、2人の首相が脅迫された[[言論弾圧]][[テロ]]事件である[[赤報隊事件]]について、教団の関与が疑われ捜査の対象となった<ref name="aritasekihotai">{{Cite web |title=『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』赤報隊の影を追う「覚悟と矜持」 |url=https://facta.co.jp/article/201804023.html |website=FACTA |access-date=2022-07-18 |language=ja}}</ref><ref>有田芳生「二人殺傷、朝日新聞阪神支局襲撃から10年 赤報隊と統一教会を結ぶ点と線」『週刊文春』1997年5月15日、 40-44頁</ref>。朝日新聞社の発行する『[[朝日ジャーナル]]』などが統一教会を批判していたこと<ref>朝日ジャーナル 『追及ルポ 霊感商法』朝日新聞社、2002年</ref>や、教団系の[[国際勝共連合]]が[[街宣車]]を繰り出し朝日新聞批判の街頭[[演説]]を繰り返していたこと、[[霊感商法]]批判を繰り返していた『朝日ジャーナル』編集部宛てに「社員のガキをひき殺す」などの脅迫状が送付されていたこと<ref name="sekihotai134137">樋田毅『記者襲撃 ー 赤報隊事件30年目の真実』岩波書店 p134~137</ref>、「とういつきょうかいの わるくちをいうやつは みなごろしだ」との統一教会の名前を使った[[脅迫状]]が事件後に送付されたこと<ref>[https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=110805206X00319870515 衆議院会議録情報 第108回国会 法務委員会 第3号]</ref>が指摘されている。

=== 副島嘉和襲撃事件 ===
{{main|[[副島嘉和#副島手記]]|[[副島嘉和#副島襲撃事件]]}}統一教会系新聞[[世界日報 (日本)|世界日報]]は[[1980年代]]初頭赤字経営だったが、編集長として統一教会幹部の役職が与えられてた副島嘉和が、独立可能なほど興隆させる<ref name=":32">樋田『記者襲撃』</ref>。それを乗っ取りと見た統一教会は、渋谷のビルを[[国際勝共連合|勝共連合]]信者約百人で[[占拠]]・[[監禁]]・[[暴行罪|暴行]]し、福島を強制解任した<ref name=":32" />。[[副島嘉和]]と元営業局長井上博明は、連名で[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]][[1984年]]7月号に「これが『[[世界基督教統一神霊協会|統一教会]]』の秘部だ―世界日報事件で『追放』された側の告発」という18頁に渡る手記を暴露発表した事で、1970年代の10年間で日本から韓国へ約2000億円が送金された事など、初めて日本国内の一部に統一教会の内情が露見した<ref name="higuchi160" /><ref name=":31" />。1984年6月10日頃には全国の店舗に並んだが、その直前の1984年6月2日夜、副島が帰宅途中に何者かに襲撃され、全身を刺され瀕死の重傷を負った「'''副島襲撃事件'''」が発生<ref name="higuchi162" />。この襲撃事件時、世界日報の元社会部記者が副島の自宅に偶然おり、副島が瀕死の状態で自宅にたどりついた時の様子を証言している<ref name="higuchi163" />。副島は全身を刺され、最も深い物で刃渡り15㎝まで到達していたが、心臓からわずかに2センチメートル外れており、また世界日報の別の記者が事件直後にたまたま副島の自宅を訪ねており、救急車に担ぎ込まれた事により副島は奇跡的に生還した<ref name="higuchi163-4" /><ref name="higuchi1632" />。

この事件の後、統一教会は「副島は闇の世界と深い付き合いがあった。闇の世界のプロの刺客に襲われたようだ」との風説を盛んに流している<ref>樋田『記者襲撃』p.164.</ref>。

副島らは、この襲撃事件前後の統一教会との確執に関して原稿を書き『[[週刊文春]]』に持ち込んだが採用されなかった<ref name="higuchi168" />。また、マスコミも襲撃事件を言論事件として取り上げようとするところはなかった<ref name="higuchi168" />。副島らは孤立無援の状態で統一教会の告発を続けたが、さまざまな事情によりグループから脱落者が出て、それを続けることは難しくなっていた<ref name="higuchi168-9" />。偶然ではあるが、1984年秋から『[[朝日ジャーナル]]』が統一教会、霊感商法の批判キャンペーン記事を掲載しはじめたため、副島らが始めた統一教会批判は実質的には『朝日ジャーナル』へ引き継がれることになった<ref name="higuchi168-9" />。この襲撃事件は[[未遂|殺人未遂事件]]としてではなく、[[傷害|傷害事件]]として捜査された<ref name="higuchi164" />。しかし、犯人を特定できないまま、[[1991年]]6月2日に[[公訴時効]]を迎えた<ref name="higuchi164" />。

=== カリフォルニア女性信者強姦殺人事件 ===
[[1985年]]4月、[[アメリカ合衆国]][[カリフォルニア州]]の住宅街で訪問販売活動中の信者女性(22)が、住人の男に強姦・殺害された事件が発生している。女性は1984年8月に「布教のためアメリカに行く」と告げて、渡米していた。事件後、女性の遺族は教団関係者ら5者を相手取り、総額3900万円の[[損害賠償]]請求訴訟を提起。治安の悪い危険地域で、1人で訪問販売をさせていたことで、安全を指導し、危険を防止する義務を怠ったとして責任を追及した。裁判は教団側が2000万円を支払うことで和解に至った<ref name="asahij19870130p615">『朝日ジャーナル』1987年1月30日号 p6~15</ref>。

=== ウルグアイ女性信者自殺事件 ===
[[1996年]]12月2日、南米[[ウルグアイ]]で教団の信者女性が宿泊先のホテルから投身自殺している。女性は教団の布教活動のために、3人の子供と夫を残し単身で11月中旬から渡航、首都[[モンテビデオ]]で研修を受けた後、[[ブラジル]]で1年の布教活動に従事する予定だった。夫は現地の警察に対し、妻は文化の違いなどから「精神的にまいっていたようだ」と説明。女性は自殺直前にも[[コーヒー]]カップを床に叩きつけるなどの異常行動をとり、「精神的にとっても疲れている」「日本が恋しい、子供たちが恋しい」と語っていた<ref name="bunshun19961219p160163">「投身自殺者まで出した統一教会ウルグアイ研修 日本人女性信者4200人が集団渡航」『週刊文春』1996年12月19日号 p160~163</ref>。

=== 東大生男女刺傷事件 ===
[[1999年]]1月19日、[[東京大学]][[教養学部]]2年の男子生徒(19)が、同級生の女子(20)を刃物で刺し、全治1か月の重傷を負わせる事件が発生した。女子生徒は統一教会信者で、「[[原理研究会]]」の勧誘のために男子生徒に信者であることを明かさずに接近したが、これをきっかけに男子生徒が[[ストーカー]]と化したという。男子生徒は[[PHS]]に1日何十回も脅迫電話をかける、待ち伏せする、寮に押し寄せるなどのつきまとい行為を繰り返していた。さらに女子生徒に信仰をやめさせるために、セミナーに通いはじめていたが、女子生徒が合同結婚式に参加していたことを知り、精神的に追い詰められ、凶行に及んだとみられている。男子生徒は逮捕後、何度も『彼女に騙された』と語っていた<ref>「東大生男女刺傷事件 女子学生は統一教会「合同結婚式」に参加していた!」『週刊文春』1999年2月4日号 p170~171</ref>。

===海上自衛官による北朝鮮無断渡航事件===
[[2006年]]に[[海上自衛隊]][[岩国基地]]所属の3等海佐(42)が、統一教会のツアーで宗教行事に参加するために[[北朝鮮]]に渡航していたことが判明し、減給2ヶ月の処分を受けている<ref>『毎日新聞』 2006年12月29日号 朝刊 23面</ref>。

=== 麻薬関連のマネーロンダリングと密輸 ===
2020年1月20日、統一教会の南米代表(総裁:ハク・ジャハン)が[[麻薬]]関連の[[資金洗浄|マネーロンダリング]]と密輸で[[連邦捜査局|米国連邦捜査局(FBI)]]に逮捕・起訴された事実が遅ればせながら明らかになり、被告人と教会幹部との接点が疑われている<ref name=":4">{{Cite web |title=[단독] 통일교 남미대표, 돈세탁·마약밀매 혐의로 美법원 기소, 교단 지도부와 커넥션 의혹 |url=http://www.wikileaks-kr.org/news/articleView.html?idxno=75311 |website=위키리크스한국 |date=2020-01-21 |access-date=2022-07-11 |language=ko}}</ref>。

同年20日、米司法省によると、米司法省は世界平和統一連盟の政治団体である国際平和議員連盟(IAPP)の会長シンシア・エリザベス・タラゴ・ディアスらパラグアイ国籍の3人を起訴した。FFWPU)は、2019年11月21日(現地時間)、FBIの捜査結果に基づき、[[資金洗浄|マネーロンダリング]]とドラッグ密輸の容疑でニュージャージー州地方裁判所に提訴した<ref name=":4" />。タラゴはパラグアイの元国会議員(MP)で、他に夫のレイモン・ヴァと両替商の幹部ロドリゴ・アルバレンガ・パレデスが共にに起訴された<ref name=":4" />。

タラゴとヴァの夫婦はマネーロンダリングにより空港に到着した直後の同日にニューアーク・リバティ空港近くのホテルで逮捕され、現在はニュージャージー州モンマス郡の連邦刑務所に収監された<ref name=":4" />。共犯者のAlvarengaは未逮捕であるが、[[国際刑事警察機構|国際刑事警察機構(インターポール)]]に指名手配されていおり、[[パラグアイ]]に潜伏しているとみられる<ref name=":4" />。

=== その他 ===
[[1976年]]5月、[[ニューヨーク]]・ブルックリンで日本人の青年信者が布教活動中に強盗に襲われ死亡<ref name="yomiuri19760824">『読売新聞』1976年8月24日号 夕刊 10面</ref><ref name="bunshun19961219p160163" />。

[[1976年]]6月、教団系のホテル「ニューヨーカー・ホテル」で、手動式エレベーターの20階からアメリカ人青年(21)が転落死<ref name="yomiuri19760824" />。

[[1976年]]8月、[[ニューヨーク]]で日本人の青年信者(23)が教団系のホテル「ニューヨーカー・ホテル」の22階から転落死。ニューヨーク市警の調べによると自殺とみられる。[[読売新聞]]は、統一教会の秘密的な活動状況から、すんなりと「自殺」と受け取れないとしている。また、当時ニューヨークでは、観光ビザで米国を訪れ、日本料理店で[[不法就労]]し、移民局から摘発される信者が増えていたという<ref name="yomiuri19760824" /><ref name="bunshun19961219p160163" />。

[[1980年]]12月、[[タンザニア]]で統一教会の信者が闇ドル売買のおとり捜査に引っ掛かり、逃げようとして射殺される事件が発生。タンザニアでは布教が禁止されていた<ref>「統一教会が信者1600人を済州島に「強制連行」」『週刊文春』1994年3月17日号 p160~163</ref>

[[2013年]]8月、[[韓国]]北部の統一教会関連施設で、日本人信者とみられる女性がほかの日本人2人を巻き添えに[[焼身自殺]]を図り、大やけどの重体<ref>『毎日新聞』 2013年8月23日号 夕刊 13面</ref>。

== 各国での活動 ==
1970年代中盤から80年代中盤までに日本での霊感商法で稼いだ資金のうち、8億ドルはアメリカに[[送金]]され、統一教会のアメリカでの大規模な布教活動やロビイング活動に利用された。この資金源はアメリカの信者には秘密であった<ref name="wp130722" />。それらの資金を利用して、韓国、日本、米国で[[保守|保守系]][[新聞|日刊紙]]を刊行しており、文鮮明が推進した事業には、日本では1975年創刊の保守系新聞[[世界日報 (日本)|世界日報]]<ref>{{Cite web |title=世界日報 |url=https://www.worldtimes.co.jp/ |website=The Sekai Nippo DIGITAL |access-date=2022-07-13 |language=ja}}</ref>、1982年に文鮮明はアメリカの保守系新聞である[[ワシントン・タイムズ]]<ref>{{Cite news|title=Mother of Abe killing suspect is Unification Church member, church says|url=https://www.reuters.com/world/asia-pacific/mother-suspect-abe-killing-was-member-unification-church-church-says-2022-07-11/|work=Reuters|date=2022-07-11|access-date=2022-07-11|language=en|first=Kiyoshi|last=Takenaka|first2=Ju-min|last2=Park|first3=Tim|last3=Kelly}}</ref>、国際ニュースメディア企業「[[ニューズ・ワールド・コミュニケーションズ]]」、などがあり、特に財閥組織である「トンイル・グループ(世界基督教統一神霊協会維持財団)」はその代表格である<ref name="Columbia Journalism Review">{{cite web |url=https://www.cjr.org/resources/index.php?c=newsworld |title=Who Owns What: News World Communications, Inc. |access-date=2020-09-18 |date=2003-11-24 |work=The Columbia Journalism Review |url-status=live |archive-url=https://www.webcitation.org/6AMKqOyDA?url=http://www.cjr.org/resources/index.php?c=newsworld |archive-date=1 September 2012 |quote=News World Communications is the media arm of Reverend Sun Myung Moon's Unification Church. Holdings: Newspapers and Magazines: GolfStyles Magazine, Middle Eastern Times, The Segye Ilbo (South Korea), The Sekai Nippo (Tokyo), Tiempos del Mundo (Online Only), [[World and I]]. Wire Service: [[United Press International]] (UPI).}}</ref><ref name="Yahoo! Finance profile">{{cite web |url=http://biz.yahoo.com/ic/54/54437.html |title=Yahoo Finance - Business Finance, Stock Market, Quotes, News |website=biz.yahoo.com |access-date=28 January 2018}}</ref><ref name="Shapira C1">{{cite news|title=Moon group buys back Washington Times|newspaper=The Washington Post|date=3 November 2010|page=C1|first=Ian|last=Shapira}}</ref>。

=== 日本 ===
[[ファイル:FFWPU photo.png|thumb|[[東京都]][[渋谷区]][[松濤]]の日本本部(2017年9月10日撮影)]]
[[1958年]]、当時まだ国交のなかった日本での伝道のため崔奉春(日本名:西川勝)を[[不法滞在|密入国]]させ<ref name="brainwashed-111">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.111-122「統一教会の顔」</ref>[[1959年]]<ref name="post_829f">{{cite web|url = http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2012/09/post_829f.html|title = 統一教会の文鮮明教祖死去にあたって|date = 2012-09-03|author = 有田芳生|work = 有田芳生の『酔醒漫録』|accessdate = 2013年1月10日}}</ref> 10月<ref name="brainwashed-111" /> に日本統一教会を立ち上げ、[[1964年]]には東京都知事の認証で[[宗教法人]]となった<ref name="brainwashed-111" /><ref name="post_829f" />。1960年代初めには[[立正佼成会]]の[[庭野日敬]]会長(当時)の指示で統一教会の教えを学んでいた立正佼成会の青年部の信者50名ほどが統一教会に転じ、2年後に日本の会長になった[[久保木修己]]をはじめ、後に教団幹部となる者が出た。

戦後の外来宗教としては古い部類であり、[[福音宣教|ミッション]](伝道団)であると考えるならば、その中では日本で最も勢力を拡大している{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅵ}}。

日本では多くの社会問題を起こしたことから、社会的評価は低いが、政治家との強い関係や経済組織を持ち{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅵ}}、数十万の日本人を活動に巻き込み{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅵ}}、現在も数万人の熱心な日本人信者を持つなど{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅵ}}、社会的影響力は弱いものではない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅵ}}。

日本において最初に問題になったのは「'''[[原理研究会]]'''」であった。大学生の子どもの様子がおかしい、ホームや教会に寝泊まりしながら販売活動や募金活動や布教活動に奔走しており、家に戻れと言っても言うことを聞かず、[[原理研究会]]や統一教会の批判をすると血走った尋常ではない目で反論して来る、果ては大学を中退し、[[合同結婚式]]に参加する<ref name="cultchildren-148">『カルトの子』pp.148-182「神の子」。</ref>。これを朝日新聞が1965年7月7日に「親泣かせの原理運動」と報じた<ref name="whatis-7">『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』pp.7-34「統一教会は何を狙っているか」。</ref> のが皮切りである。

1960・70年代には、統一教会の学生組織である「[[原理研究会]]」が大学構内で示威的な布教活動を行い、大学を中退して統一教会に献身する学生が問題となった{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅱ}}。現在も大学では学生を守るための対策が講じられている{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=ⅳ-ⅴ}}。

統一教会は、霊障や祟りを強調し、占いや先祖祭祀の観念を利用するなど、日本の宗教文化を偽装した布教を行い、違法な物品販売活動で資金集めをした。

1980年代には姓名判断や印相鑑定と絡めたいわゆる「[[霊感商法]]」が大きな社会問題となり{{sfn|櫻井|2004|p=ⅲ}}、1989年には霊感商法被害対策弁護師団が結成された{{sfn|櫻井|2004|p=ⅲ}}。

統一教会がらみの訴訟が1986年以降100件を超え、献金勧誘行為の違法性と賠償責任を認める判決が複数ある<ref>[[#Lewis|井上まどか 2009. pP93-96]]</ref>。また、金銭トラブルや教義の妥当性だけでなく、「人生の目的」「生そのものをより良くする」「自分らしく生きる」「幸せな家庭、家族」を望む志向性そのものの侵害、すなわちスピリチュアリティを巡るトラブルという点も注目された{{sfn|弓山|2004|p=201}}。

日本では2008年の[[特定商取引法]]の改正以来、統一教会の物販の販社にも司法の手が及ぶようになってきたため、集金が困難になってきている。[[浅見定雄]]は、日本からの資金を命綱とするとするこれまでの在り方に、大きな転換を迫られていると述べている{{sfn|浅見|2012}}。

1967年9月<ref name="cultchildren-148" /> には、自分の子供は洗脳を受けたから家出したと考える親たちが「原理運動対策全国父母の会」を結成<ref name="cultchildren-148" /><ref name="whatis-7" /> し、教団本部に対し
* 原理運動のために家出する者を「すばらしい」とほめて、家庭を破壊するような指導をやめる<ref name="cultchildren-148" />
* 学業を続ける者を「罪悪なり」とする大学の原理研内の風潮を改める<ref name="cultchildren-148" />
* 子女に無理な献金を強要し、無報酬労働をさせない<ref name="cultchildren-148" />
などの9項目を申し入れた<ref name="cultchildren-148" /> が効果はまるでなかった<ref name="cultchildren-148" />。

1977年6月に早稲田大学で反原理運動が始まり、全国に広がった<ref name="whatis-7" />。

統一教会は、他のキリスト教や新宗教の団体には見られない特異な勧誘方法(統一教会所属していた[[鄭明析]]による新宗教団体・[[キリスト教福音宣教会|摂理]]は同様の手法を使っている{{sfn|櫻井|2004|p=ⅵ}})と、教化システムを確立している。

統一教会では、入信、回心を経てしばらくすると教団に献身することが求められるが、青年信者のうち一定の割合が献身してしまうことから{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=ⅵ-ⅶ}}、一般にはこのような急激な態度変化は[[洗脳]]、[[マインド・コントロール]]であるという認識が少なくなかった{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=ⅵ-ⅶ}}。しかし、[[宗教学|宗教研究]]や[[宗教社会学]]では、統一教会の事例であっても自発的な入信、回心であると理解されており{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=ⅵ-ⅶ}}、マインド・コントロールされたという[[臨床心理]]や[[社会心理学]]の立場と、学問や法廷で20年以上論争が続いてきた{{sfn|櫻井・中西|2010|pp=ⅵ-ⅶ}}。

日本では、当初は自覚的な参画者からなる宗教運動だったが{{sfn|櫻井|2004|p=ⅲ}}、1980年代に大きな路線転換があり{{sfn|櫻井|2004|p=ⅲ}}、以降、教団名や活動内容を説明した上での布教活動を30年近く行っていない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=4-5}}。

統一教会の「新規の入り口」は文化系サークルや教養講座、鑑定所等に擬態したものであったため{{sfn|櫻井・中西|2010|p=4-5}}、日本の統一教会には、宗教団体とは自ら信じて集まった人の団体であるという「宗教」の前提が通用しない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=4-5}}。信仰とは自発的なものであるはずだが、日本の統一教会の信仰には、そうとも言い切れない複雑さがある{{sfn|櫻井・中西|2010|p=4-5}}。韓国では正体を隠した勧誘は行われていない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=408}}。

1980年代からは[[印章|印鑑]]、壷、多宝塔、[[オタネニンジン|高麗人参]]濃縮液等の販売の比重が高まり<ref name="whatis-7" />、「マインドコントロールで一般の人を信者とし、霊感商法などで金をだまし取る」と批判を浴びて社会問題化し有名になった。

{{main|#霊感商法}}

統一教会の宣教活動には社会の規範意識や法律と軋轢のある部分が多く、宗教学者の[[櫻井義秀]]は、「教説の創唱性、教祖のカリスマ、教団内婚制という点だけを取り上げても、宗教学的には新宗教と定義して構わないし、再臨主を称する教祖を信奉する少数者の集団という意味では宗教社会学的には[[カルト]]と類型化される」述べている{{sfn|櫻井・中西|2010|p=ⅰ}}。

韓国では異端、偽宗教といわれることもあるが、霊感商法や正体を隠した勧誘といった日本のような社会問題化する教団活動を行っておらず、献身(後述)や布教の強要もなく{{sfn|櫻井・中西|2010|p=414}}、祝福献金の金額は日本よりはるかに安いといわれており{{sfn|櫻井・中西|2010|p=414}}、日本のような特異な信仰になっていない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=414}}{{sfn|櫻井・中西|2010|p=408}}。このように被害者がおらず、日本での被害の実態もあまり報道されていないことから、韓国ではあまりカルトとは見なされていない{{sfn|櫻井・中西|2010|p=408}}<ref name="nakanishi">[[#nakanishi|中西 2008.]]</ref>。

1992年に芸能人の[[桜田淳子]]・元新体操選手の[[山崎浩子]]が合同結婚式に参加したことが報道され、翌年、 山崎浩子が脱会し記者会見で「私はマインド・コントロールされていました」と述べて自らの体験を語ったことからマインド・コントロール・洗脳であるという批判が高まり、1980年代末まで盛り上がっていた活動は以降停滞した{{sfn|櫻井|2004|p=215}}{{sfn|浅見|2012}}。

日本統一教会は資金面でも人材面でも世界の統一教会の供給源になっている<ref name="brainwashed-111" />。

また日本の信者から徹底的に集めた金銭をアメリカでの事業立ち上げに使用されたと報道され<ref>{{Cite web |title=4700億円以上をアメリカに送金済み…統一教会が日本人信者から徹底的に巻き上げた本当の理由 全米に9000店ある寿司レストランの大半は取引先 {{!}} PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) |url=https://web.archive.org/web/20220801060645/https://president.jp/articles/-/60068 |website=web.archive.org |date=2022-08-01 |access-date=2022-08-01}}</ref>、多額の献金によって崩壊した家庭が多いとされている<ref>{{Cite web |title=家庭崩壊も母は脱会せず、深めた「疑似家族」との関係 - イザ! |url=https://web.archive.org/web/20220725032130/https://www.iza.ne.jp/article/20220723-J632X6VOJJMSXFBNGFNYVD3EW4/ |website=web.archive.org |date=2022-07-25 |access-date=2022-08-01}}</ref><ref>{{Cite web |title=【統一教会】旧統一教会・元2世信者が壮絶人生を激白…家庭崩壊への道、2度目の離婚と自己破産、一家離散|日刊ゲンダイDIGITAL |url=https://web.archive.org/web/20220726161136/https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308477 |website=web.archive.org |date=2022-07-26 |access-date=2022-08-01}}</ref><ref>{{Cite web |title=【統一教会】旧統一教会にとって日本は“金ヅル”…韓国本部に「年間200億円」送金の仰天と衝撃の献金実態|日刊ゲンダイDIGITAL |url=https://web.archive.org/web/20220801061407/https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/309115 |website=web.archive.org |date=2022-08-01 |access-date=2022-08-01}}</ref><ref>{{Cite web |title=旧統一教会の正体 植民地支配の怨みを解くため日本はただの献金組織【報道1930】 {{!}} TBS NEWS DIG |url=https://web.archive.org/web/20220726073622/https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/103895 |website=web.archive.org |date=2022-07-26 |access-date=2022-08-01}}</ref><ref>{{Cite web |title=なぜ信じるのか。脱会信者が赤裸々に明かす「統一教会」の手口(週刊現代) {{!}} マネー現代 {{!}} 講談社 |url=https://web.archive.org/web/20220801061609/https://gendai.media/articles/-/97649 |website=web.archive.org |date=2022-08-01 |access-date=2022-08-01}}</ref>。

赤旗は、経済活動で得た金の大半を[[文鮮明]]に送金、その額は一時年間約1億ドル(当時のレートで約240億円)に達してその私腹を肥やした他、その反共右翼政治活動の資金源となっていたと述べている<ref name="brainwashed-111" />。また赤旗は、信者は言葉も分からないまま外国へ送られ花売りやキャンデー売りをさせられ、場合によっては観光ビザで入国して現地の系列企業で働き国外退去を命じられた例もあり<ref name="brainwashed-111" />、美人の女性会員を動員して対米議会工作に当たらせたとも言われ、元会員の証言では文鮮明が日本の女性会員を集めて「君たちを各国大使の貢ぎ物にする」と語ったことがあると述べている<ref name="brainwashed-111" />。

赤旗は、崔奉春は「日本宣教の父」と言われていたが1987年1月に退会し、末端会員を「伝道」「募金」「経済」と称する金集めに駆り立てる教団のやり方を批判、「良心的に生きない人は偽善者ではないのか」「私は、信仰の道を行っても、絶対に自分の良心と理性だけは、殺したくない」と語っている、と述べている<ref name="brainwashed-111" />。

2016年には、テレビ東京の番組「[[ナゼそこ?|世界ナゼそこに?日本人 〜知られざる波瀾万丈伝〜]]」の中で、合同結婚式で海外信者と結婚した統一教会信者が、信者であることを隠し、虚偽の経緯・経歴で複数回にわたり出演しているなどとして、全国霊感商法対策弁護士連絡会が同局に事実関係や出演の経緯などについて回答するよう申し入れた。局側は「きちんと取材した結果に基づいたもの」と回答している<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASJ6B6DSJJ6BUCVL01Y.html テレ東番組「旧統一教会信者が多数回出演」 弁護士指摘] 2016年6月10日 朝日新聞</ref>。

=== 欧州 ===
[[ヨーロッパ]]各国では [[1980年代]]に[[世界基督教統一神霊協会]](統一協会)に入信した信者と家族の間で問題が頻発したことを受け、当時のフランス首相、[[ピエール・モーロワ]]から調査を委嘱された下院議員、[[アラン・ヴィヴィアン]]が [[1985年]]4月、「フランスにおけるセクト、精神的自由の表現か悪質なかつぎ屋か」と題する報告書を提出した<ref name="whatis-35" />。 その後[[1984年]]4月と6月に[[欧州共同体|EC]]議会が統一教会に対する対策を求めるに当たっての調査の中で同様の問題のある[[宗教団体]]があることが認識されるようになった<ref name="troubletaisaku2">[[山口広]]・[[中村周而]]・[[平田広志]]・[[紀藤正樹]] 『カルト宗教のトラブル対策』[[教育史料出版会]] [[2000年]]5月20日</ref>。これにより樹立されたフランスの[[反セクト法]]は、統一教会、[[サイエントロジー]]、[[エホバの証人]]、[[創価学会]]、[[崇教真光]]などの現地法人がフランス国内での犯罪性や人権侵害の度合いなどに基づき[[セクト]]として取り扱われた<ref>{{Cite web |title=Loi About-Picard {{!}} UNADFI |url=https://www.unadfi.org/mot-clef/loi-about-picard/ |website=www.unadfi.org |access-date=2022-07-16}}</ref>。

=== 米国 ===
アメリカ進出当初、統一教会は活発な活動で欧米のメディア及び研究者の注目を集め、宗教社会学の古典的業績のかなりの部分が統一教会の研究で生み出された{{sfn|櫻井|2004|pp=208-209}}。そして1980年代の路線転換後をフォローする研究者がいなかったため、これ以前の研究が教団に利用された{{sfn|櫻井|2004|p=212}}。

アメリカでは1970年代以降、共同的な組織から権力を分散した家庭的な構造に移行し、「ホームチャーチ(家庭教会)」として知られる一つの家族の家庭で暮らすことが奨励されるようになった{{sfn|クリサイディス|1993|pp=118-119}}。ホームチャーチは地域の家族に仕え、責任を持つよう期待される{{sfn|クリサイディス|1993|pp=118-119}}。

1980年代に祝福を受けた会員のほとんどは、この落ち着いた生活スタイルになり、統一教会の正会員をやめ賛助会員として、個人的な家庭と仕事を持って暮らしている{{sfn|クリサイディス|1993|pp=118-119}}。しかし、文鮮明の子息で末っ子の[[文亨進]]が2015年頃にアメリカ合衆国でワールド・ピース・アンド・ユニフィケーション・サンクチュアリー教会(通称:サンクチュアリー教会)を[[分派]]的に設立している。[[クーリエ・ジャポン]]によると、教会の信念はキリスト教と聖書に根ざしてはいるが、「武器信仰」が特徴であり、経典は独自のものとなっている<ref>{{Cite web |title=統一教会の分派の不穏な動き 米南部に広大な土地を購入し“トレーニング施設”を建設予定 {{!}} 「AR-15ライフル」など武器を崇拝 |url=https://courrier.jp/news/archives/265391/ |website=クーリエ・ジャポン |date=2021-10-25 |access-date=2022-07-08 |language=ja}}</ref>。

教祖[[文鮮明]]と[[韓鶴子]]の7男の[[韓国系アメリカ人]]であり、アメリカ家庭連合(アメリカ統一教会)会長であった[[文亨進]]は、父親の文鮮明が2012年に亡くなった後、母親の韓鶴子が父親の教え以上に自らの立場を上位の物にしようとしたとして、韓鶴子との違いを明確に表明した事により対立、2013年には韓鶴子により教会の複数の立場から解任され、文亨進は分家組織である[[世界平和統一聖殿]](通称:'''サンクチュアリ教会''')を、アメリカ統一教会とは別にアメリカ国内にて立ち上げた<ref name="Schismatics" />。統一教会は現在、文亨進のサンクチュアリ教会を「脱会組織」とみなしており、文亨進が主導した統一運動の変革のほとんどは、彼の解任後に却下された<ref name="Schismatics2" /><ref name="encourage" />。文亨進は有力な[[ドナルド・トランプ|トランプ]]支持者であるとされ、[[:en:AR-15 style rifle|AR-15]]を重要視する“Rod of Iron Ministries”を率いている事で知られ、[[2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件]]にも参加した<ref name=":40" /><ref name=":41" /><ref name=":42" /><ref name=":43" />。

韓鶴子(文鮮明夫人)は[[1993年]]に「真の父母と成約時代」と題する講演を米国議会で行なったが、その日(7月28日)を記念して(教団はその日を記念してと言っているが、実際の関連性は不明である)米政府は「父母の日」という国民の祝日を定めた([[1994年]]9月30日下院本会議可決、10月4日上院本会議可決、10月14日[[ビル・クリントン]]大統領の署名により正式法制化、米公法103-362)[http://www.chojin.com/history/fubonohi.htm]。

=== 中華人民共和国 ===
中国では、1997年に「[[邪教]]」であると当局によって認定されており、活動は違法ととなる<ref>{{Cite news|title=[https://mainichi.jp/articles/20220730/k00/00m/030/142000c 中国、旧統一教会は「違法な邪教」 安倍氏銃撃で一掃の正当性強調]|newspaper=[[毎日新聞]]|date=2022-07-30}}</ref>。

=== 中華民国(台湾) ===
戒厳令が終わった頃に台湾に伝来した<ref>{{Cite web |url=https://news.cts.com.tw/cts/international/202207/202207112085329.html |title="統一教會"在台有分支 重家庭.促集體配婚 |access-date=2022年7月30日}}</ref>。台湾にも支部があり16の教会、1万人ほどの信者がいる<ref>{{Cite web |url=https://tw.news.yahoo.com/%E7%8D%A8%E5%AE%B6-%E6%8F%AD%E7%A7%98%E5%8F%B0-%E7%B5%B1-%E6%95%99-%E5%85%A8%E5%8F%B016%E8%99%95%E6%95%99%E6%9C%83-132404188.html |title=獨家》揭秘台「統一教」 全台16處教會、教友達萬人 |access-date=2022年7月30日}}</ref>。2000年から20年間続けて内政部に優秀宗教団体として表彰されており<ref>{{Cite web |url=https://unification.org.tw/archives/651# |title=109年績優宗教團體 表揚大會 |access-date=2022年7月30日 |publisher=統一教台湾總會}}</ref>日本とは別でカルト、タブーとはなっていない。

また政治活動も行っており天宙和平統一家庭黨という政党を2014年に設立している<ref>{{Cite web |url=https://www.moneypost.jp/933679 |title=【GRICI】政教一致を謳う統一教会は台湾で政党結成【中国問題グローバル研究所】 |access-date=2022年7月30日 |publisher=マネーポスト}}</ref>。

=== 旧ソビエト諸国 ===
統一教会は[[1980年代]]から[[ソビエト連邦]]にて活動を始めていたが、ソ連で[[ペレストロイカ|ペレストロイカが]]始まると、堂々と布教活動をするようになった<ref name=":50">{{Cite web |title=ロシアでも暗躍した統一教会、その手口と衰退の理由は?ロシアのカルト研究家に聞く、知られざる過去 |url=https://jp.sputniknews.com/20220716/12027220.html |website=Sputnik 日本 |date=20220716T0809+0900 |access-date=2022-07-18 |language=jp |first=徳山 |last=あすか}}</ref>。

[[1990年]]4月、[[文鮮明]]はソビエト連邦を訪問し、国家元首であった[[ミハイル・ゴルバチョフ]]と会談<ref name=":50" /><ref>{{Cite web |title=文鮮明氏が死去 統一教会の創始者 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0300G_T00C12A9000000/ |website=日本経済新聞 |date=2012-09-03 |access-date=2022-07-18 |language=ja}}</ref>。[[クレムリン]]の敷地内にある[[ロシア正教会]]の重要な教会、[[生神女就寝大聖堂|ウスペンスキー大聖堂]]で統一教会の儀式を行なった<ref name=":50" />。文鮮明は「統一教会はやがてロシアで国教として受け入れられるだろう」と発言した<ref name=":50" />。

ロシア宗教・宗派研究センター協会会長のアレクサンドル・ドヴォルキンは、「ソ連の国家元首が、現役の一国のトップとして一番最初に文鮮明に会ってしまった。周囲の人々のプロ意識がなかったとしか思えない」と語っている<ref name=":50" />。

統一教会はまず、莫大な資金を注ぎ込んで[[ロシア教育省]]と太いパイプを築いた<ref name=":50" />。学校の教師らをロシア南部・ビーチリゾートの[[サナトリウム]]へ旅行に連れていき、そこでセミナーを行い、ビデオを見せるなどして[[啓発|啓蒙活動]]を展開した<ref name=":50" />。

「統一教会は、ソビエト人のメンタリティというものをあまり理解できていなかったと思います<ref name=":50" />。無料でビーチに行きたいから行っただけ、戻ってきてからは何もしないという人が多かったのです<ref name=":50" />。しかし強く感化された人もいて、ひとクラス丸ごと生徒を統一教会の儀式に連れていった教師もいた<ref name=":50" />。それをフランスのテレビ局が取材していたので、よく覚えています。」とドヴォルキンは話している<ref name=":50" />。

統一教会は[[ロシア語]]で「私の世界と私」という教科書を作った<ref name=":50" />。この教科書はロシア全土のおよそ一万の学校で採用され、特にカルムキヤ共和国では、当時の首長と関係を築き、共和国内の全ての学校が採用した。カルムキヤはロシアの中でも数少ない[[仏教|仏教国]]である。統一教会は一応キリスト教系の新宗教であるはずだが、ドヴォルキンは全く関係ないと否定する<ref name=":50" />。

ドヴォルキンは、「ロシアは多民族の国ですから、統一教会は地域によって、自分たちの主張を変えていました。カルムキヤでは仏教徒に、イスラム教の地域ではムスリムに対し、それぞれ耳ざわりの良いことを吹き込んでいたわけです。また、最初はロシア正教会の聖職者が統一教会のセミナーに参加することもありました。文鮮明は、色々な宗教の代表者を自分たちのイベントに招くことを好んだからです。しかしロシア正教会の方は、これはおかしいと気づき、行くのをやめました。」としている<ref name=":50" />。

日本では[[安倍晋三銃撃事件]]での容疑者のように「2世」の悲劇が注目されがちだが、ロシアでは親の意に反して子どもが入信してしまうケースが目立ったという<ref name=":50" />。

ドヴォルキンによると、「[[霊感商法]]や[[寄付]]などで日本が統一教会の資金源になっていることは有名ですが、ロシアの場合は、90年代から2000年代にかけては市民が寄付できるほどのお金を持っていませんでした。ロシアにおける手口はこうです。若い信者は、縁もゆかりもない他の町に引っ越しさせられ、アパートの一室に押し込められて集団で生活します。朝から晩まで路上に立って、通行人に施しを求めます。大体は、冷たくされるわけですね。でも、信者は、その冷たくされることこそが、試練だと捉えています。狭い部屋に戻ると、一番寄付を集められなかった人が罰を受けます。そんな中でも、他に友達や頼れる人がいないので、信者の信仰の心は強まり、自分たちは正しいことをしているという気持ちがさらに高まるのです。」とされている<ref name=":50" />。

統一教会は、米国と日本のメディアに大きな影響を及ぼしたが、ロシアではその試みはうまくいかなかった<ref name=":50" />。ドヴォルキンは「特に統一教会が盛んに活動した90年代は、私有財産という概念が誕生したばかりで、社会の何もかもが瞬く間に変化し、盗みや殺人も日常茶飯事だった」と振り返る<ref name=":50" />。そこへ乗り込んでいくのはリスクが大きすぎた<ref name=":50" />。注いだ活動資金の額に比べると結果が見合わなかったため、文鮮明は徐々にロシアへの関心を失っていった<ref name=":50" />。

ドヴォルキンは、統一教会が衰退したのは他にもいくつかの要素が重なったためだと指摘する<ref name=":50" />。例えばゴルバチョフ財団は、長きにわたり統一教会の資金で運営されてきた<ref name=":50" />。しかしゴルバチョフは西側では人気があるが、ロシアでの人気はさほどない<ref name=":50" />。ゴルバチョフ財団は、統一教会が望むような影響力を持てなかった<ref name=":50" />。

「[[オウム真理教]]がロシアで有名になったことは、統一教会の活動にも影響を与えました。オウムの危険性がクローズアップされたことで、統一教会もそれと同列で、危ない存在ではないかと、社会全体が危機感を抱き始めました。それ以外にも他のカルト宗教がどんどん出てきて、競争も激しくなり、統一教会の衰退は、2012年の文鮮明の死去とそれに伴う家族間の継承権争いによって決定的となりました。90年代というロシアが最も混乱した時期と、統一教会の全盛期が重なったことは、不幸中の幸いでした。ロシアがもっと安定した時期に彼らが入り込んできていたら、より大きい影響を及ぼす存在になっていたことでしょう。」とドヴォルキンは語っている<ref name=":50" />。

[[ロシア]]を含む多くの[[ソビエト連邦の崩壊|ポスト・ソビエト諸国(ロシア寄りの旧ソビエト諸国)]]の宗教当局は、統一教会を安全保障上の問題があるとして規制と監視対象とした<ref name=":30" />。ロシアを含む多くのポスト・ソビエト国家の宗教当局は、統一教会の運動を[[セクト]]([[ネオナチ]])と呼び厳しく批判し、その結果それらの場所で統一教会の活動が抑制された<ref name=":30" />。

2012年2月の始め、旧[[ソビエト|ソビエト国家]]である[[キルギス]]では、キルギス国家保安委員会、キルギス検察庁、および州宗教問題局が、統一教会の活動が適切な登録なしに非伝統的な宗教的見解を強制的に広めることにより、キルギスの[[国家安全保障]]に脅威を与えたと主張<ref name=":30" />。裁判所に苦情を申し立てた<ref name=":30" />。[[ビシュケク]]裁判所は、キルギスの領土での統一教会の活動を実質上不可能とする判決を下した<ref name=":30" />。

[[2016年]]、[[ウラジーミル・プーチン|ウラジミール・プーチン]]及びプーチン政権は、[[ネオナチ]]勢力([[セクト]]勢力)への新たな対テロ法として、新興宗教勢力に対する布教活動や私的な参拝を禁ずるとし、すべての伝道師や布教者は「登録済み」の組織に所属していなければならない事を取り決めた<ref name=":44" />。これにより、ロシア国内における統一教会の活動は事実上不可能となった<ref name=":44" />

[[ウクライナ]]では現在も拠点が存在している<ref name=":36" /><ref name=":19" /><ref name=":37" /><ref name=":38" /><ref name=":39" /><ref name=":7" />。[[2022年ロシアによるウクライナ侵攻|2022年2月24日からのウクライナ侵攻]]後、[[ウクライナ]]の家庭連合(ウクライナ統一教会)会長アーニャ・カルマツカヤは、「ウクライナとはロシアと戦っているだけではありません。[[人類]]の平和、自由、人権の為に戦っているのです。」とメディアやSNS上などを通じてウクライナ[[愛国心]]と[[反露|反ロシア思想]]を世界へ向けて説いている<ref name=":6" />。

== 経済活動 ==
統一教会では、資金調達は罪深いサタンの領域から罪のない神の領域への合法的な金銭の移動と考えられている。それは、勧誘活動と共に非常に儀式的な活動であり、多くの人に(相手がその霊的意義を認識していなくても)復帰に参与する機会を与えるものと考えられていた{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=118-119}}。

韓国と日本での商業上の関心は、工業分野で多様化し、鉱山、建設、製造、製薬を含んでおり、韓国やブラジルで相当の大きさの不動産保有地を手に入れている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=116-117}}。また海域への関心もあり、いくつもの漁業事業が設立されている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=116-117}}。

統一教会のこれらの幅広い企業活動は、単に利益を得るためだけではなく、「文鮮明を新しいメシアとする世界復帰という統一教会の使命を果たすための経済基盤」でもある{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=116-117}}。

日本ではより多くの「献身者」を出すことが目指され、違法な布教、資金調達活動が20年以上行われた{{sfn|櫻井|2004|p=215}}。[[スピリチュアリティ]](霊性)を濫用した収奪のシステムは、額においても国際的なネットワークのスケールにおいても非常に大規模で、組織的で高度に計算されたものであった{{sfn|弓山|2004|p=203}}。

統一教会元広報局長<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35">『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』pp.35-82「統一教会に何が起こっているか」。</ref> で[[世界日報 (日本)|世界日報]]編集局長<ref name="whatis-7"/> だった[[副島嘉和]]によると、1975年<ref name="whatis-7"/> 文鮮明から日本統一教会に送金命令が下り<ref name="whatis-7"/>、毎月約20億円<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35"/>、1985年までの<ref name="whatis-7"/> 10年間に合計約2000億円が文鮮明に送金された<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35"/>。これに伴い被害相談額だけで2001年までの25年間で1100億円を超える大きな傷跡を残した<ref name="post_829f"/>。

赤旗は、「元会員の一人は、幹部が何もせずにぜいたくな暮らしをしていることに裏では不満もあったと証言した」と述べている<ref name="brainwashed-87"/>。

信者による莫大な献金は、アメリカ本部に送られ、そこから世界各国の統一教会に流れるが、ジャーナリストの米本和宏は、韓国に最も多く送られており、使い道は関連施設費(土地購入・建設費)、新規の事業投資と赤字補填に充てられていると述べている{{sfn|米本|2010|pp=75-77}}。

2009年に日本統一教会の会長徳野英治が、印鑑や風水など霊が絡む物品販売の禁止、「家系図等を用い、先祖の因縁ないし先祖開放等を理由に(した)献金」の禁止、ビデオセンターに勧誘する場合は統一教会の名前を明示すること、「霊能力に長けているといわれる人物をして、その霊能力を用いた献金の奨励・勧誘行為をさせない」という、これまで社会から批判されてきた問題点の一掃を目指す新方針を示した{{sfn|米本|2010|pp=74-75}}。

この統一教会の動きについては、警察を意識した通達文に過ぎないのではないかという意見もあるが、ジャーナリストの米本和広は、韓国統一教会員の話として、2008年に新潟で統一教会系企業の社員が逮捕され(1983年の青森事件以来の教会員の逮捕である)、それを文鮮明に報告した際に怒りを買ったことを紹介している{{sfn|米本|2010|pp=74-75}}。

2008年、文鮮明の息子でハーバード大卒の文国進が日本担当になり、各企業の役員に民間人を入れ、横領などを繰り返した腐敗幹部を一掃、教会員役員をリストラするなどの改革を行い、万年赤字であった朝鮮人参販売会社の一和を黒字転換するなど、統一教会系企業を次々再生させている{{sfn|米本|2010|pp=75-77}}。この改革で日本からの献金を赤字補填に当てる必要はなくなったが、2009年時点では日本の信者への献金要請は続いている{{sfn|米本|2010|pp=75-77}}。

1996年から韓国を中心にするこれまでの方針を転換し、[[南アメリカ|南米]]に地上天国のモデルを作るとして、[[ブラジル]]のジャルジンとパンタナール<ref name="cultchildren-148" /> に未開発の広大な土地を買っている。

=== 関連企業や関連団体 ===
{{main|統一教会関連の企業と団体}}
世界基督教統一神霊協会の財産を管理するため1963年に世界基督教統一神霊協会維持財団が設立<ref name="whatis-35"/> され、その元に多くの企業を擁している。韓国では[[財閥]]の一つとみなされ、系列企業は「統一教グループ<ref name="whatis-35"/>」と呼ばれ、宗教としてより統一系企業の方が有名<ref name="whatis-7"/> で、文鮮明は事業家としてのイメージが強いという<ref name="whatis-7"/>。文鮮明の親族がそれらの企業の幹部になっていることもある。漁業事業の一つトゥルー・ワールド・フーズ社は、アメリカ最大の寿司用魚の卸業者で、アメリカで75%のシェアを持っているという報告(2006年)もある{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=116-117}}。2021年には8300以上の顧客を持ち、寿司レストランの7割から8割の食材供給を担い、年間で500億円もの年間売上を誇るなど、名実ともにアメリカの寿司産業界を支配している<ref>{{Cite news|title=The Untold Story of Sushi in America|url=https://www.nytimes.com/interactive/2021/11/05/magazine/sushi-us.html|work=The New York Times|date=2021-11-05|access-date=2022-07-13|issn=0362-4331|language=en-US|first=Daniel|last=Fromson}}</ref>。

赤旗は、日本では霊感商法に関する社会の追及を逸らしごまかすため「霊石愛好会」や「[[天地正教]]」といった仏教色の強い団体を作っていたと述べている<ref name="brainwashed-67">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.67-68「責任分担」</ref>。また赤旗は、系列企業は普通の企業を装い和服や不動産の売買など多様な経済活動をしていると述べている<ref name="brainwashed-111"/>。

=== メディア事業 ===
宗教学者の{{仮リンク|ダグラス・E・コーワン|en|Douglas E. Cowan}}、宗教社会学者の{{仮リンク|デイヴィッド・G・ブロムリー|en|David G. Bromley}} は、全企業の中で最も顕著なものはメディア事業であり、その世界観を伝えるためのメディア組織が世界中で設立され続けていると述べている{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=116-117}}。統一教会のメディア「[[ワシントン・タイムズ]]」は、今日アメリカの政治的保守層の間で非常に影響力があり、この新聞を刊行する[[ニューズ・ワールド・コミュニケーションズ]]社は、2000年に由緒ある[[UPI通信社]]を買収した{{sfn|コーワン・ブロムリー|2010|pp=116-117}}。

=== 募金 ===
ジャーナリストの[[米本和広]]は、真の目的を明かさず、難民救済などと嘘を言って行なわれていたと述べている<ref name="cultchildren-148"/>。集まったカンパから自分たちの食費を出しており、従事者も当時から全額が難民に届いていないことを知っていた<ref name="whatis-35"/>。

=== 訪問販売 ===
これまで信者たちは様々な経済活動をして来た。「赤旗」は、苦学生を装い、玄関で土下座して売ることから「土下座商法」と呼ばれたこともあると述べている<ref name="brainwashed-111"/>。また「赤旗」は、数名で「マイクロ隊」と呼ばれる隊を組み、[[マイクロバス]]やワンボックスタイプの[[ライトバン]]に寝泊りしながら、全国を[[募金詐欺|インチキ募金]]<ref name="brainwashed-111"/> や[[珍味]]やハンカチ<ref name="brainwashed-111"/> やマスコット<ref name="brainwashed-111"/> 等の販売で回ったと述べている。極端な睡眠不足で自動車を運転するので[[交通事故]]も多く、例えば[[1988年]]12月には7人が乗った[[ワゴン車]]が[[尾鷲市]]で[[ガードレール]]に激突し2人の女性信者が即死している<ref name="whatis-35"/>。

弁護士の[[郷路征記]]は、「札幌青春を返せ訴訟・最終準備書面」で、統一教会は組織的、体系的に脱税をしており、関連会社のハッピーワールドでは、委託セールスマン(会員)に落とした70%の利益はハッピーワールド本社に個人の必要生活費を除いて全額献金するシステムで、証言では信者が受け取るのは月四万二千円のお小遣いとお昼代のみであったと述べている<ref>「[http://www.glo.gr.jp/sj014.htm#01 札幌青春を返せ訴訟・最終準備書面]」「甲第六号証 資料I[[ハッピーワールド]]販売促進資料」参照)</ref>。

=== 霊感商法 ===
先祖の因縁話などをもとにした詐欺・脅迫まがいの物品販売であった<ref name="whatis-7"/>。
==== 手口のマニュアル化とその「成果」 ====
{{see also|霊感商法}}
元信者によれば、効能を謳って販売し薬事法(現[[医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律]])違反に問われ販売に行き詰まっていた[[オタネニンジン|高麗人参]]や、美術品としてはあまり売れなかった[[大韓民国|韓国]]の統一教会系企業「一信石材」が製造した[[大理石]]壺を売るために、教義を使って売って行こうということになったのが霊感商法の始まりだという<ref name="kaminokuninohoukai"/>。

それまでの先祖の因縁に絡めたトークに代え、「壺は[[霊界]]を解放するため」、「救いのためには血統を転換しなければならない」という教団の教義を使い、「[[オタネニンジン|高麗人参]]は血を清めるため」というようにトークを体系化して行き、統一教会の基本トークを作り上げた。

[[1977年]]から[[1978年]]頃には霊能者役のトーカーが全国から400人ほど集められて体験交流会が行われた<ref name="kaminokuninohoukai" />。

トークの体系化により、それまで5-6時間かかっていた販売時間が2-3時間に短縮され、3日間ぐらいの展示会で1億-2億円(悪いところでも5千万円)の売り上げがあった。この展示会を毎日のように北海道から九州まで行い、[[1983年]]から[[1984年]]までの間は、韓国の[[文鮮明]]のもとに100億円を送金する月まであったとされる<ref name="kaminokuninohoukai"/>。

統一教会系企業「一信石材」から壺や多宝塔を統一教会系の商社「[[ハッピーワールド]]」が輸入し、全国に8社あった「世界のしあわせ」(旧社名)に卸し、統一教会の信者が委託販売員という名目で働く100社以上の販社で販売した<ref>『Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト』。</ref>。

1980年代初めから、[[占い]]などを切っ掛けに、ゲストを「霊場」と呼ばれる会場に連れて行き、[[系図|家系図]]などを鑑定しながら、[[霊能者]]を装った信者が聞き出した本人や家族の不幸の原因を先祖の因縁話を使って説明し「先祖が救われる」「このままでは不幸になる」などと不安を煽り、法外な値段で[[壺]]、[[多宝塔]]などを買わせてきた<ref>『Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト』p.42。</ref>。

==== 典型的な手口 ====
[[姓名判断]]、印相鑑定、[[手相]][[占い]]等でアプローチする。ゲストを連れて行った案内役の信者は、[[霊能者]]を装った信者を徳の高い「先生」のように扱い、「霊山でご修業を積まれ、過去、現在、未来を見通す霊力をお持ちです」「大変人気のある方で、相談に乗ってもらえるのはかなりラッキー」など、いかにその霊能者が優れているかを説いて信頼させる<ref group="注釈">[[世界基督教統一神霊協会の関連用語]]で「ヨハネトーク」。{{要出典|date=2016年2月}}</ref><ref group="注釈">[http://www.glo.gr.jp/sj008.htm#01 札幌青春を返せ訴訟・最終準備書面] に詳しい説明がある。</ref>。

物品の契約をしたゲストには[[クーリングオフ]]([[訪問販売]]の一種と考えられる場合が多いので)を阻止するために、それにあたる期間は人に言えば御利益がなくなる、あるいは不幸な目に遭う等と説明をしたり、現金一括払いに持ち込もうとするなど、全てにおいて用意周到に考え抜かれている<ref name="k101syuhoumu">第101回国会 [[衆議院]] [[法務委員会]] 第8号 [[昭和]]59年([[1984年]])4月11日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/101/0080/10104110080008c.html 議事録])</ref>。

==== 社会問題化 ====
これらの「[[霊感商法]]」は[[マスメディア]]で度々その被害や手口が報じられた。[[1987年]]([[昭和]]62年)[[2月]]には、全国の[[弁護士]]により「[[全国霊感商法対策弁護士連絡会|全国霊感商法被害対策弁護士連絡会]]」が結成された<ref name="whatis-7"/>。[[国民生活センター]]や各地の消費生活センター等に多くの苦情が寄せられ、多額の金銭的被害を生んだこの商法は大きな[[社会問題]]となった。

「霊感商法」に関係した各地の販社は、設立後2-3年で次々と解散し、遠隔地に住所移転したり社名を変えたりした<ref name="whatis-7"/>。「TV100」は“Total Victory”の略と言われ、[[ハッピーワールド]]元社長で当時の経済の責任者であった古田元男は「文鮮明からの指示ではなかったが、小柳定夫副社長(当時)と相談し、文鮮明が言ったかのように誇張して話したことがある」と語っている<ref name="kaminokuninohoukai"/><ref>「霊感商法」問題取材班 『霊感商法の真相』p.40 世界日報社 1996年8月16日)</ref>。

昭和62年の衆議院法務委員会で、[[警察庁刑事局]][[生活安全局|保安部]]生活経済課長の上野治男は「最近、私どもの都道府県の警察の相談の窓口等へ、先祖のたたりがあるとか、そういったことでもってそのたたりを解消するためと称して高価なものを売りつけるということで相談のあるケースがかなりございます。昨年は、一年間に二百件ほど相談が来ております。それからそういったものに対しまして、従来から各種の悪質商法について私ども取り締まりをしておるわけでございますが、その取り締まりの中でもこの種の商法というのは人の弱みといいますか、人の不安につけ込むというもので、悪質商法の中でも最も悪質なものの一つということで、全国の警察に繰り返し厳しく取り締まるように指示をしておるところでございます。その結果、この数年間で十三件検挙した事例が出ております。各種の法令を適用して検挙しておる実態でございます」と答弁した<ref name="k19860515">第108回国会 衆議院 法務委員会 第3号 昭和62年([[1987年]])5月15日 ([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/108/0080/10805150080003c.html 議事録])</ref>。

赤旗は、「霊石愛好会」は1988年1月[[北海道]][[帯広市]]で「天地正教」として法人登記していると述べている<ref name="brainwashed-123">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.123-129「天地正教の顔」</ref>。赤旗は、「弥勒菩薩を本尊とする」「南無霊妙大慈尊というお経を作る」等仏教を装っているが、教祖の川瀬カヨは統一教会の古参会員であり、天地正教の道場にある祈祷室には文鮮明の写真が飾られ、この道場で統一教会の献身儀式が行われるなど実体的に統一教会と一体であり、悪事を隠す仮面として仏教の装いを作っているに過ぎないと述べている<ref name="brainwashed-123"/>。

教団側は信者に向けては「昭和57年ごろから文先生が創設した政治団体国際勝共連合が日本を共産主義の間接侵略から守るために[[国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案|スパイ防止法]]制定運動を活発に推進しました。これに対して[[日本共産党|共産党]]および[[日本社会党|社会党]]は制定運動の資金源が統一教会であると誤認し、教会攻撃のために引き起したのがいわゆる”霊感商法問題”です。」という説明をした<ref name="tyuwa19920912">『中和新聞』平成4年([[1992年]])9月12日号</ref><ref>『霊感商法の真相―誰もここまでは迫れなかった』[[世界日報 (日本)|世界日報]] [[1996年]]</ref> が、その一方で世間に向けては「教会一切の収益事業はおこなっておらず、教会員の献金によってのみ運営されています。…個人の職業に対しては一切関与するものではありません。ゆえにいかなる商法とも教会は関連ありません。」と教団の関与を全面否定してきた<ref name="tyuwa19920912"/>。

しかし日本弁護士連合会は1988年3月にまとめた『霊感商法被害実態とその対策について』の中で、この悪徳商法が統一教会信者によって組織的に行なわれていることを具体的証拠をもって証明し、結論として「霊感商法に関わる販売業者群の背後には統一教会の存在が推認される」とした<ref name="whatis-7" />。

「霊感商法」が社会的な問題になった1990年頃から、信者達は着物、貴金属、絵画、毛皮、[[オタネニンジン|高麗人参]]等の商品を展示会形式で販売するようになった<ref>『Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト』pp.52-54。</ref>。

[[1994年]]7月12日、[[日本社会党]](当時)の[[北村哲男]]が「霊感商法」などの反社会的なことを行う統一教会に対する政府の見解を質す[[質問主意書]]を政府に提出したが、政府は[[村山富市]][[内閣総理大臣|首相]]名で「[[宗教法人法]]第79条は、[[宗教法人]]が行う公益事業以外の事業の停止命令について規定しているが、所轄庁である東京都知事は、いわゆる霊感商法については、現在、統一教会の規則には事業として記載されておらず、また、統一教会が行っている事業であるという確証もないことから、現在のところ、同条を適用することは基本的に困難であると判断している。」と回答した<ref>[https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/129/touh/t129009.htm 答弁書第九号 内閣参質一二九第九号] 平成6年([[1994年]])7月12日(参議院公式ウェブサイト){{リンク切れ|date=2013年11月}}</ref>。

しかし民事訴訟では[[霊感]]のない信者を“徳の高い霊能者の先生”に仕立てて売るための詳細なマニュアルがあったことや、「連絡協議会」の存在を教団が主張し始めたのは、民事訴訟が提起されてから7年も経ってからであり、証人に立った教団側の信者もその存在を知らなかったと証言し<ref name="sosyoutaisaku">[http://www.glo.gr.jp/sj006.htm#01 「青春を返せ訴訟」札幌地裁判決の最終準備書面 七 訴訟対策]([http://www.glo.gr.jp/right.html 郷路法律事務所] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20060703212450/http://www.glo.gr.jp/right.html |date=2006年7月3日 }})</ref>、裁判所からも当時の「連絡協議会」の存在を示す実体もないと認定された([http://www1k.mesh.ne.jp/reikan/japanese/hanketu/sapporo/sappo2.htm 2001年6月29日 札幌地裁])。

[[訴訟]]においては、1984年1月12日、[[青森地方裁判所]]が、[[大理石]]の壺を販売した信者2名の販売行為が[[恐喝罪]]に当たるとして[[懲役]]2年6月([[執行猶予]]5年)の[[判決 (日本法)|判決]]を下したが、教団事体の責任は問われなかった<ref name="yoboukyuusai">『宗教トラブルの予防・救済の手引―宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準』</ref>。その後、教団は[[1990年]]頃までは[[弁護士]]からクレームがあれば、お金を払って[[和解]]していた。[[1993年]]<ref>[http://blog.chikushi-lo.jp/2011/02/blog-post_25.html ちくし法律事務所]</ref>(平成5年)[[福岡地方裁判所|福岡地裁]]の訴訟において、原告は教団から有利な和解条件を持ちかけられたが、裁判で決着を着けなければという思いから和解を拒否<ref name="kaminokuninohoukai"/>、これ以降、教団の責任を認める判決が<ref>[http://www1k.mesh.ne.jp/reikan/japanese/hanketu/tokyo2/tokyo2.htm 東京地裁 2000年4月24日判決]{{リンク切れ|date=2013年11月}}</ref>相次ぐようになった。

[[2009年]][[6月11日]]の[[印章|印鑑]]販売をめぐる[[特定商取引に関する法律|特定商取引法]]違反事件では渋谷教会に対する[[捜索|家宅捜索]]に[[警視庁公安部]]が乗り出した。<ref name="sankei">[https://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090611/crm0906110756005-n1.htm 「印鑑買わねば命なくなる」と印鑑販売の疑い 統一教会を捜索 警視庁(産經新聞ニュース)] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20090614041853/http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090611/crm0906110756005-n1.htm |date=2009年6月14日 }}</ref> またそれを遡る[[5月27日]]の[[福岡県]]の事件においては[[福岡県警察|福岡県警]][[公安課|公安一課]]が立件した。<ref name="nishinippon">[https://web.archive.org/web/20090614061808/http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/98286 「印鑑買わねば命なくなる」と統一教会信者 霊感商法事件 県警「信者獲得が狙い」 会社を書類送検(西日本新聞)]</ref>以前はこの種の[[悪徳商法|悪質商法事犯]]には[[警視庁]]や各県警の[[生活安全部]]が担当していたが<ref name="k19860515"/>、[[オウム真理教事件]]以降、[[カルト]]に対しては[[公安警察|公安部]]が担当している<ref name="sankei"/><ref name="nishinippon"/>。

{{main|新世事件}}

=== 自己啓発セミナー ===
統一教会のビデオセンターなどは[[自己啓発セミナー]]<ref group="注釈">別名「気づきのセミナー」とも言い、「隠れた能力を開発する」などというふれこみで急増している「産業」である。受講料が非常に高額で、洗脳状態に陥りまともな社会生活ができなくなるなどと社会問題化した。{{要出典|date=2016年2月}}</ref> を装っていた。赤旗は、横浜市の統一教会系自己開発セミナー「グローバル・アイ」のマークは自己開発セミナーの最大手ライフダイナミックスのマークを反転させただけであると述べている<ref name="brainwashed-87">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.87-102「様々な体験」</ref>。赤旗は、会場はビデオセンターの他大学の原理研究会グループのたまり場だったり、主婦協会員のための託児所だった例もあると述べている<ref name="brainwashed-87"/>。

赤旗は、実際の講義は第一段階が「創造論」「堕落論」「復帰論」など宗教的な布教であり、毎週末に箱根の研修センタ−で2泊3日の合宿を行なったと述べている<ref name="brainwashed-87"/>。赤旗は、アイドル歌手のコンサートや[[東京ディズニーランド]]ツアーなど若者受けする催しもあったと述べている<ref name="brainwashed-87" />。赤旗は、1987年の講師は[[世界日報 (日本)|世界日報]]の論説委員長であった井上茂信<ref name="brainwashed-87" /> や、[[国際勝共連合]]新宿支部長で[[千葉大学]]名誉教授であった[[清水馨八郎]]<ref name="brainwashed-87" /> など統一教会系組織の幹部であったと述べている。赤旗は、受講料は入会金や旅費を含めて7万円、受講生の帰宅時には再会を約束する手紙を渡すなどの手法も自己開発セミナーと同じであると述べている<ref name="brainwashed-87" />。

=== 「還故郷」運動 ===
[[1991年]][[9月29日]]に文鮮明は[[世界日報 (韓国)|世界日報]]講堂で「故郷へ帰れ」という演説を行ない<ref name="whatis-7"/>、教会活動に専念する献身者の制度が解消され、各自が故郷に戻って定職につき、親族へ伝道するように方針転換がなされた。これは内部では「還故郷」と呼ばれた<ref name="kaminokuninohoukai">{{Cite book|和書|author=有田芳生|year=1997|title=「神の国」の崩壊 : 統一教会報道全記録|publisher=教育史料出版会|isbn=9784876523177}}</ref>。これは日本で霊感商法が問題になって1987年から送金額が減り始め、1991年になってからはほとんど送金されなくなり、従前[[世界日報 (韓国)|世界日報]]や一和が出していた大赤字を埋められなくなって統一教グループ全体の資金繰りが苦しくなり、新たな資金源としての合同結婚式への参加人数を増やすため、経営不振の企業から信者を退職させて合理化すると同時に、故郷に帰して韓国農村で結婚できていない男性を捜し「信者になれば日本人女性と結婚させてやる」と勧誘させるためだったという<ref name="whatis-35"/>。

=== 献金 ===
ジャーナリストの[[米本和広]]は、統一教会に関する社会的に非難されてしかるべき問題として、信者に対する「高額でエンドレスな献金」要請を上げている{{sfn|米本|2010|pp=70-72}}。販売活動や募金活動の目的は、文鮮明への献金である<ref name="cultchildren-148"/>。文鮮明一家が贅沢な暮らしをしていることは長男の嫁の暴露本などで明らかにされているが、最盛期で2000億円に上った献金すべてを文一家が使い切れるわけでもなく、献金は、金銭に限らずすべてを神に返し、地上天国の出現を目指す「万物復帰」と関連している{{sfn|米本|2010|pp=70-72}}。

ただしこれはあくまで宗教における象徴的な概念であり、世界の統一教会の信者の中で、献金に追われているのは日本の信者だけである{{sfn|米本|2010|pp=70-72}}。日本だけが献金に追われていることについては、文鮮明によって日本が「エバ国家」(罪深き国)とされたことに関連しているが、なぜ日本がエバ国家であるかは明確には説明されていない{{sfn|米本|2010|pp=70-72}}。日本が文鮮明が生まれた朝鮮半島を支配していたことへの感情との関連や、1970年代は日本は高度成長期のただ中で、多額の献金が期待できると考えられたのではないかとも指摘されている{{sfn|米本|2010|pp=70-72}}。

* 10分の3献金 - 赤旗は、ある組織では月に2回、収入の10分の1の献金が奨励されて来たと述べている<ref name="brainwashed-74">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.74-78「献金の摂理」</ref>。
* 臨時の献金 - 赤旗は、霊感商法が批判を受けてから、韓国大統領選挙やアメリカ大統領選挙を口実にしてよく指示されるようになったと述べている<ref name="brainwashed-74"/>。
* 巨大プロジェクトによる資金集め
** 国際ハイウェイ構想 - 「東洋と西洋の諸国を高速道路で連絡し、地上天国の実現を促進する」という「国際ハイウェイ構想」を提唱、「国際ハイウェイ建設事業団」を結成、第一段階として日本、韓国、中国、南アジア、中近東を経由してソ連に至る高速道路を建設するとし、その一部として[[日韓トンネル]]を建設する[[日韓トンネル研究会]]を結成、[[佐賀県]][[鎮西町]](現[[唐津市]]鎮西町)に調査斜坑掘削を始め、巨大プロジェクトを売り物に技術者、学者、資金集めをしており<ref name="brainwashed-143">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.143-146「日韓トンネルの顔」</ref>、1980年代に信者達が多額の献金をしたと言われているが、実際には日韓トンネルの調査斜坑掘削で400m程掘った以外に具体化の動きはない<ref name="whatis-35"/><ref name="brainwashed-143"/>。関係者は100年たっても完成しないだろうと公言しているという<ref name="whatis-7"/>。
** パンダ・モータース - [[1988年]]から[[盧泰愚]]大統領の[[北方外交]]に呼応して[[中華人民共和国]]に「パンダ・モータース」(パンダ自動車)という自動車会社を作るとして信者に献金が要請された。[[広東省]][[恵州市]]に15,000,000[[坪]]の土地を借りて10億[[ドル]]以上を投資し年間30万台の自動車を作る計画で、家や土地まで[[担保]]に入れて借金する信者まで出したが、この計画は成功しなかった。一方で計画を進めていた朴普煕は広東省長の伝手で[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]に進出するきっかけとなる[[朴敬允]]と出会う<ref>『新東亜』2000年9月号</ref>。
* 教会にノルマを課し高額な本の販売 - ただし教団は「『聖本』も『天聖経』も商品ではない」とし、「贈呈にあたっては、献金のみが考慮されているものではありません。」と述べている<ref>[http://www.uc-japan.org/news.aspx?id=338&pg=0 TBSテレビ「報道特集」への抗議及び謝罪・訂正要求2006年6月19日]([http://www.uc-japan.org/news.aspx?id=338&pg=0 「世界基督教統一神霊協会」公式ウェブサイト]</ref>。
** [[2000年]]、文鮮明の既存の説教集7冊の合本、『文鮮明御言葉集、「成約時代と理想天国」』と題する本(文鮮明のサインと一冊ごとに番号が付いている)を『聖本』と名づけ、30,000,000円<ref name="cultchildren-148"/> 献金した者にその本を贈り与えるとされ、300の教会に一冊の[[ノルマ]]が課せられた<ref name="cultchildren-148"/> という [http://kmcc.sakura.ne.jp/clt/3000man.pdf .(PDF)]。

== 勧誘活動 ==
教団と長らく戦ってきた弁護士によれば、教団は[[マインド・コントロール]]のため、[[社会心理学]]に裏づけられた緻密な[[マニュアル]]やシステムを、過去30年以上にわたる組織の経験に基づいて巧妙に作り上げているという。教団の勧誘の特徴として、「'''正体を隠して'''」行うことが知られている。街頭で声をかけるときに「宗教ではない」と嘘をついたり、教団名を隠し、信者は正体を隠した上で、街頭や大学内で[[アンケート]]などを装い声をかけ、「教養講座」「カルチャーセンター」「自己啓発」「無料映画会<ref name="brainwashed-6">[[世界平和統一家庭連合#赤旗|赤旗社会部pp]].6-11「駅頭にて」</ref>」「マンガ研究会<ref name="brainwashed-6" />」などとだましてターゲットを「'''ビデオセンター'''」に誘い込む<ref name="cult110p180181">山口広、滝本太郎、紀藤正樹 『Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト』(民事法研究会 全訂増補版 2004年2月)p180~181</ref><ref name="culttroublep1820">山口広,中村周而,平田広志,紀藤正樹『カルト宗教のトラブル対策』教育史料出版会 p18~20</ref><ref name="mooniemindcontrolp2965">郷路征記『統一協会マインドコントロールのすべて 人はどのようにして文鮮明の奴隷になるのか』p29~65</ref>。

やはり「ビデオセンター」が教団関連施設であることは隠され、[[自己啓発セミナー]]であるとか、教養講座であるとか偽装される。ビデオセンターには「'''トーカー'''」と呼ばれる専門の勧誘スタッフがおり、ターゲットに長時間、執拗にビデオ講義の受講を決断するまで説得を試みる。ビデオセンターでは「'''エゴグラム'''」と呼ばれる簡単な[[心理テスト]]が行われ、この結果により「トーカー」はターゲットが勧誘に適した人物であるかを判断する。ビデオ講座の受講は有料であり、5万円ほどを支払わせるか、金のないターゲットには「トーカー」からその場で借りさせる。これも[[心理学]]的に受講を続けさせる効果があるという。ビデオ講座の受講を決心したターゲットには、「'''口外禁止」の約束をさせる'''。これは、統一教会の手口を知っている人に正体を見破られたり、他人にビデオの内容を話すことで、他者から疑問を投げかけられたりすることを防ぐためである<ref name="cult110p180181" /><ref name="culttroublep1820" /><ref name="mooniemindcontrolp2965" />。

こうしてビデオ講座が始まるが、やはり[[宗教]]であることは明かされずに、'''特定の恐怖の対象を作り上げて不安を煽り、その恐怖からの解放の手段として教団の教義を段階的にすり込んでいく'''。どのビデオを見せるか、ビデオを見せる順番はターゲットごとにカスタマイズされるが、最初のビデオの内容は[[戦争]]、[[飢餓]]、[[不倫]]、[[非行]]、[[エイズ]]、[[環境問題]]といった[[社会問題]]である。次いで、統一教会の教義の一部である「'''堕落論'''」のビデオを見せていく、これは「人間の歴史は堕落して落ちたところから元へ戻る歴史の繰り返しである」といったものである。次に、「霊界」についてのビデオで恐怖を刷り込んでいく、すなわち「霊界」には地獄があり、このまま堕落した生き方をすれば地獄に落ちる、といったものである。スピリチュアルや[[超能力]]に関心のあるターゲットであれば、この時点で強い恐怖を植え付けられるという。「堕落論プロローグ」というビデオでは、現代の性の乱れを、[[旧約聖書]][[創世記]]の[[失楽園]]とこじつけた話をすり込み、その後の和動で「トーカー」は、「罪が淫行であるゆえ、男性はエバを誘惑した天使長と同じである」「女性はアダムを誘惑した当時のエバである」とし、若者の[[恋愛]]感情や性衝動と結びつけて「あなたは堕落している」と迫るという。これが効かなかったターゲットには、先祖の因縁、すなわち「あなたの先祖には色情狂がいた」などと迫り「地獄に落ちる」と恐怖を煽る。そして、世界を堕落から救う手段として「[[メシア]]」の存在が明かされる<ref name="cult110p180181" /><ref name="culttroublep1820" /><ref name="mooniemindcontrolp2965" />。

ビデオセンターで12巻のビデオ受講<ref name="brainwashed-12">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.12-17「ビデオセンター」</ref> の後、ツーデイズ修練会(2日間)<ref name="brainwashed-12" />、ライフトレーニング(約2週間)<ref name="brainwashed-12" />、フォーデイズ修練会(4日間)<ref name="brainwashed-12" /> と続くが、内容は「エバが淫行したことで人間はサタンの子孫であり、これを救える救い主は一人しかいない」という話が繰り返し教えられるだけで、結局「その救い主は誰か」は明らかにされない<ref name="brainwashed-12" />。ライフトレーニングは長期にわたるため親に不審を抱かせる場合もあるが、説明する手引書も用意されている<ref name="brainwashed-30">『わたしは"洗脳"された』p.30-35「ライフトレーニング」。</ref>。聖書の引用はされるが決して「聖書の何ページを開け」とは言わず、前後の文脈を無視した引用部分を読み上げるだけである<ref name="brainwashed-46">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.46-47「世界情勢」</ref>。「救世主が文鮮明である」旨明かされるのはフォーデイズの最後であるとされる<ref name="brainwashed-36">[[#赤旗|赤旗社会部]]pp.36-39「フォーデイズ」</ref>。また組織内での地位や入会歴で少しでも上位の者に対しては絶対服従を強いられ、同等の者同士で話してはいけないことになっており、それで不平不満が出るのを防いで統制を保っているとされる<ref name="brainwashed-78" />。

== 批判者に対する嫌がらせ・脅迫行為 ==
=== マスメディア ===
統一教会に対するマスコミ報道は霊感商法が社会問題となった80年代から90年代初頭にかけてブームとなった。その先駆となったのは[[朝日新聞社]]が発行する『[[朝日ジャーナル]]』で、不安を煽り、高額な[[壺]]や[[高麗人参]]濃縮液を法外な値段で売りつける[[悪徳商法]]の一種として、「[[霊感商法]]」批判キャンペーンを展開していた。統一教会側は殺到する批判報道に対し、大々的なマスコミの[[情報操作]]に乗り出したとされる。当時、[[芸能人]]の[[桜田淳子]]や[[新体操]]選手の[[山崎浩子]]、[[作家]]の[[飯干晃一]]の娘・[[飯星景子]]が入信し、話題をさらっていたが、教会を批判するメディアには、ニュースバリューのある合同結婚式の取材をさせない、協力的なメディアには情報を与えるという手法を使ったとされる<ref name="presidentmoon">{{Cite web |title=このままでは第2、第3の「事件」が起きる…「統一教会ブーム」を知る元週刊誌編集長が抱く危機感 |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/444465d05fad8e0e8a914c622d4e91935022eedd|website=Yahooニュース |access-date=2022-07-20 |language=ja}}</ref>。

とりわけ教団に批判的だった[[週刊文春]]や[[朝日新聞社]]には、信者が直接的な行動に出ることがあったとされ、週刊文春の記事によれば、社屋を「あなた方は宗教を弾圧して信仰の自由を奪う、最悪のサタンである!」「人類のメシアとして再臨された文先生とご家族を悪くいうな」と叫ぶ信者のデモ隊に囲まれたことがあったという<ref>{{Cite web |title=統一教会 vs.「週刊文春」 取材班はサタンと呼ばれ、信者が会社を包囲 |url=https://bunshun.jp/denshiban/articles/b3591|website=週刊文春 |access-date=2022-07-20 |language=ja}}</ref>。

当時『朝日ジャーナル』を担当していた[[筑紫哲也]]は、大量の無言・脅迫電話のほか、編集部員・朝日新聞関係者の自宅周辺でのつきまとい行為や[[出前]]の大量無断注文があったと証言している。電話作戦は、朝日新聞社だけでなく、近隣の無関係の施設にも及び、病院、[[築地市場]]、[[日産自動車]]、[[新橋演舞場]]、[[海上保安庁]]にも大量の無言電話が押し寄せたという<ref>『週刊金曜日』1996年9月20日号 p9~14</ref>。

[[1986年]]6月、『[[神奈川新聞]]』が霊感商法を批判する記事を掲載すると、翌日から「壺は悪くない、効くんだ」との趣旨の電話が殺到した。2日目には無言電話が約7000本となり、編集局長も電話で脅迫された<ref name="asahij19870130p615"/>。

[[1987年]]7月、[[新聞労連]]、[[日放労]]、[[出版労連]]、[[民放労連]]などが加盟する日本マスコミ文化情報労組会議は、霊感商法報道に対して「組織的で陰険な妨害行為」が行われていると発表した。霊感商法の実態を伝えるマスコミやミニコミに無言電話が集中したり、「霊石愛好会」を名乗る団体が、放送局や新聞社に押しかけるなどして圧力を加えていたことを指摘した<ref name="名前なし-pYqe-3">朝日新聞 1987年7月10日 夕刊</ref>。

[[1992年]]7月、[[TBS]]の「[[モーニングEYE]]」では、統一教会に批判的な[[東北学院大学]]教授の[[浅見定雄]]や元信者が出演し、統一教会の実態や霊感商法の被害を報じたが、TBSに対し大量の抗議電話や抗議文が殺到した。特に、浅見が出演した7月29日の直後には、浅見を「サタン」として「出演させるな」との趣旨の抗議文170通が送付された。8月5日に「[[筑紫哲也ニュース23]]」で統一教会と合同結婚式の問題を取り上げると、夕方に教団の広報担当者が来社し「TBSの報道は教団を中傷したものである。報道が続くなら、『国際合同結婚式』を含む一切の取材を拒否することもありうる」との趣旨の文章を提出した。[[日本テレビ]]の「[[ルックルックこんにちは]]」でも同様の抗議があったという<ref>朝日新聞 1992年8月7日号 朝刊</ref>。

統一教会の活動を批判的に報じた8月20日午前の「モーニングEYE」の放送終了後にも大量の[[無言電話]]が殺到した。24日だけでも1万9000件にもおよんだ。個別の番組担当や事務系統などの、[[電話帳]]に記載されていない番号を含めてのものだという<ref>朝日新聞 1992年8月26日号 朝刊</ref>。

このような嫌がらせの電話について、元信者の女性がTBSの取材に応え、教団からの指示があったことを明かしている。また、女性は当時の心境を明かし、「統一教会に反対する人はみんなサタン」に見えていたと語り、教団を批判していた弁護士についても「もう顔見るだけで気持ちが悪くて」と語っている<ref name="tbs117555">{{Cite web |title=「昔から自民党を応援するように」元信者が証言 1990年代から続く旧統一教会の政治家への選挙協力 "貯金を全てゼロ"にしても止められない献金の実態【報道特集】 |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/117555?display=1|website=TBS |access-date=2022-08-08 |language=ja}}</ref>。

このほかにも、教団系の[[国際勝共連合]]が[[街宣車]]を繰り出し朝日新聞批判の街頭[[演説]]を繰り返していたとされる<ref name="sekihotai134137"/>。このため、[[#赤報隊事件の関与疑惑]]がとりざたされた。

[[2022年]]7月の[[安倍晋三銃撃事件]]を機に再度世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)への批判報道が過熱化すると、世界平和統一家庭連合は同月31日に教団が[[著作権]]を保有している映像は使用しないよう注意喚起する[[プレスリリース]]をマスコミ各社に出した<ref>{{Cite web |title=【報道機関各位】著作権映像の報道使用に関する注意喚起 |url=https://ffwpu.jp/news/3898.html |website=世界平和統一家庭連合 |date=2022-07-31 |access-date=2022-08-07 |author=広報部}}</ref>。これに対し、[[鈴木エイト]]氏は「報道目的での映像使用は[[著作権法]]で認められている」と反論している<ref>{{Cite web |title=鈴木エイト氏 旧統一教会からの警告文に毅然「メディアが委縮してきたから被害が続いた」 |url=https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/4368584/ |website=東京スポーツ |access-date=2022-08-07 |date=2022-08-07}}</ref>。

2022年8月18日、日本において、世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)への偏向報道が続いているとして、同団体の信者(日本人を含む)など約3500人が日本メディアに対して抗議する集会や[[デモ活動]]を韓国・ソウル市内で行った<ref>{{Cite web |title=旧統一教会 ソウルで抗議集会=「宗教弾圧中断しろ」 |url=https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220818002700882 |website=聯合ニュース |date=2022-08-18 |access-date=2022-08-21 |last=김태균}}</ref><ref>{{Cite web |title=旧統一教会信者ら、韓国でデモ 安倍氏事件めぐる報道に抗議 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3419718 |website=AFP通信 |access-date=2022-08-21 |date=2022-08-18}}</ref><ref>{{Cite web |title=旧統一教会がソウルで大規模デモ、日本での「偏向報道」に抗議 |url=https://jp.reuters.com/video/watch/%E6%97%A7%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%95%99%E4%BC%9A%E3%81%8C%E3%82%BD%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%81%A7%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E3%83%87%E3%83%A2-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%80%8C%E5%81%8F%E5%90%91%E5%A0%B1%E9%81%93%E3%80%8D%E3%81%AB%E6%8A%97%E8%AD%B0%E5%AD%97%E5%B9%95%E3%83%BB18%E6%97%A5-id750781134?chan=8ne30pqz |website=ロイター通信 |access-date=2022-08-21 |date=2022-08-19}}</ref>。

=== 弁護士や個人 ===
霊感商法が社会問題化した1980年代から90年代初頭にかけて、統一教会への反対運動が展開されたが、関係者への激しい嫌がらせが多数報告されている。[[1987年]]当時、[[霊感商法]]を追求する[[弁護士]]の[[山口広]]に対し、「バカヤロー」「しまいには死ぬぞ」などとの[[脅迫電話]]が早朝から深夜まで殺到していた。同弁護士に対しては「[[スパイ防止法]]つぶしに狂奔、霊感商法攻撃も」と書かれた中傷ビラがまかれていたこともわかっている<ref>朝日新聞 1987年4月5日 朝刊</ref>。

同じく霊感商法問題を追求する弁護士の[[河田英正]]に対し、「天誅が下るぞ」「神を冒涜したな」との[[脅迫]]電話が殺到し、何者かによって無断で[[寿司]]の出前を注文されるなどの嫌がらせが行われた。この他にも料理店や葬儀社に同弁護士の名前を使っての偽電話がかかったり、無関係の一般家庭に同弁護士の名前を騙って「[[詐欺]]で告訴するぞ」との電話が約62件あったという。河田は[[偽計業務妨害]]にあたるとして、刑事告発を検討していると語った<ref>朝日新聞 1987年8月9日 朝刊</ref>。

子供が教団に入信した[[名古屋市]]在住の女性は、教団系の[[国際勝共連合]]主催の名古屋集会に出席したり、祝電を打った政治家に手紙で抗議したところ、「てみゃーは共産党か。勝共の役員を脅しやがって。てみゃーみたいなものはぶっ殺すぞ」「死んだら地獄に行くよ」などと脅迫された。さらに勝共連合婦人部を名乗る4人組が自宅に押し寄せたという<ref name="asahij19870130p615" />。

[[奈良市]]で「原理運動に反対する被害者家族の会」が結成されると正体不明のグループによる激しい妨害活動が始まった。代表の男性は妻が統一教会に入信したために抗議運動を行なっていたが、男性の職場には嫌がらせの電話が殺到し、失職を余儀なくされた。同被害者の会の集会には、正体不明の約30人の男女が押しかけ、妨害を行った<ref>朝日新聞 1987年5月29日号 朝刊</ref>。

[[1987年]]6月には、[[長崎市]]で「霊感商法は、統一教会の組織ぐるみの収益活動」などと批判する[[ミニコミ]]誌を発行した男性が、自宅で[[空気銃]]で狙撃され、右足に怪我を負った事件もあった。男性には、これ以前にも正体不明の人物による嫌がらせや数百本の脅迫電話が殺到しており、警察は関連を調べているとした<ref>朝日新聞 1987年6月6日号 夕刊</ref>。その後、[[長崎県]][[弁護士会]]人権擁護委員会は、統一教会長崎教会に対し、ミニコミ誌を発行した男性への嫌がらせを行わないよう勧告した。報告書によると、霊感商法に批判的な報道をしたマスコミや「霊感商法」による被害救済にあたっている全国の弁護士にも同様の嫌がらせがあったとしている<ref>朝日新聞 1988年2月10日号 夕刊</ref>。

[[1988年]]10月、霊感商法問題に取り組む14人の弁護士に対し、[[怪文書|中傷ビラ]]を撒いたとして、[[福岡地裁]]で420万円の[[損害賠償]]を請求されていた霊石愛好会福岡支部長の男(44)が、訴えを認め、[[賠償金]]の支払いに合意している<ref>朝日新聞 1988年10月25日号 朝刊</ref>。

当時、[[キリスト教]]の牧師が信者の脱会説得運動に尽力していたが、牧師に対しても無言電話や嫌がらせ電話、脅迫が一日中殺到しており、「牧師による人権侵害を許すな」とのビラも大量に配られていたという。ビラの末尾には連絡先が書かれており、その住所には教団系施設があった。牧師の自宅周辺には2か月間に渡って街宣車が大音量で徘徊し、牧師の妻への傷害事件まで発生した。説得により脱会を決意した[[山崎浩子]]の叔父は尾行されるようになり、自宅付近では正体不明の人物が徘徊し、不審人物にカバンを奪われる事件も発生した。さらに自宅の電話には[[盗聴器]]が設置され、統一教会幹部を名乗る脅迫状も送付された。脅迫状には教団の本部がある[[渋谷]]の消印が押されており、「神の子山崎さんを奪還するのは正当な権利」と書かれていた。山崎の叔父は精神的圧力により、体重が8キロほど落ちたと話した<ref>「山崎浩子の叔父を激怒させた尾行、盗聴、窃盗、脅迫 卑劣きわまる犯罪」『週刊文春』2003年4月15日号 p182~185</ref><ref name="kinyobi19960920p914">『週刊金曜日』1996年9月20日号 p9~14</ref>。

[[1988年]]8月、統一教会の信者4人が、脱会した元信者の女性を誘拐するために、女性を保護していた秋田県内のキリスト教会に無断侵入したとして、[[住居侵入罪]]で[[刑事告発]]されている。信者4人は、女性の父親を突き飛ばし重傷を負わせていたという<ref>『朝日新聞』1988年8月13日号 朝刊 22面</ref>。

[[1994年]]当時、[[ドイツ]]で統一教会の反対運動を展開している[[キリスト教]]牧師の男性に対して、「赤い牧師は出て行け」「左翼過激派はドイツからいなくなれ」などの嫌がらせ電話が殺到していた。また、街頭では牧師を糾弾する[[署名]]運動も行われていた。この牧師は身の危険を感じ、窓を耐熱二重ガラスに強化するなどの対策を余儀なくされているという<ref>朝日新聞 1994年3月11日 朝刊</ref>。

[[1995年]]頃には、教団が東京の[[成城]]に関連施設の設置を計画し、近隣住民とトラブルになる事件が発生した。近隣住民は教団の[[霊感商法]]や[[マインドコントロール]]、脅迫などの悪評から進出に反対し、「統一協会成城教会を断固阻止する会」を結成し、反対運動を展開した。これに教団は激しく反発し、[[内容証明]]を送付し法的措置を予告。さらに住民に対し「子供たちを皆殺しにする」との差出人不明の脅迫状も送付され、無言電話も殺到した。この運動には地元選出の[[石井紘基]][[衆議院議員]]も協力、土地の貸主と交渉し、貸主の建設会社は教団宛に「契約解除」の通告を出すに至った<ref name="kinyobi19960920p914" />。

元[[栃木県]]議で元[[足利市]]長の[[大豆生田実]]は、[[2001年]]の足利市長選挙に立候補した際に、教団による選挙妨害があったと証言している。この選挙では教団系の「真の家庭運動推進栃木協議会」の支部長が「(大豆生田が)15年前頃に統一教会の会員として活発な活動をしていた」とネット上にデマを書き込み、大豆生田が落選すると、一転して謝罪広告を新聞に掲載した。この選挙妨害について大豆生田は、自身がかつて反統一教会運動に参加していたことが原因だったとしている<ref name="gendai97951">{{Cite web |title=元足利市長の私が体験した「旧統一教会」の選挙妨害とその全手口 |url=https://gendai.media/articles/-/97951|website=現代ビシネス |access-date=2022-08-19 |language=ja}}</ref>。

== 裁判 ==
{{要出典範囲|統一教会に対して起こされた裁判は2006年6月現在、[[1986年]]の初の提訴以来、100件を越えており、このうち83件で[[和解]]。11件で統一教会側の責任を認める判決が最高裁で確定している。|date=2016年2月}}
2016年5月に放送されたフジテレビの「みんなのニュース」の報道によれば、現在、統一教会が抱えている訴訟は3件である{{要出典|date=2018-09}}。

=== 教団側敗訴の判例 ===
; 献金勧誘行為の違法性
:; [[1993年]](平成5年)[[5月27日]]、[[福岡地方裁判所]]での判例
:: 統一教会の「霊感商法」に対する損害賠償請求訴訟で、全国で初めて統一教会の関与と賠償責任を認め、3670万円の支払いを命じる判決が出た。信者らは2人の[[寡婦|未亡人]]に対し、亡くなった夫に関して、先祖の因縁話で、不安を煽り、執拗に迫って高額の献金をさせたり、[[弥勒]]像等を購入させた。福岡地裁は「献金勧誘行為は、布教活動の一環として行われたものであったとしても、その目的、方法、結果において到底社会的に相当な行為であるということはできず、違法であり、[[民法 (日本)|民法]]709条の不法行為に該当する」、「信者らと教団は実質的な指揮監督関係にあり、信者が献金勧誘行為が教団の教義である万物復帰の実践として理解していたことや献金がいずれも教団に帰属していることなどからみて、原告らに対して不法行為責任を負う」と判断し、教団に[[使用者責任]]を認め、献金相当額と慰謝料の支払いを命じた<ref>『[[判例時報]]1526号』(判例時報社)p121、『[[判例タイムズ]]880号』(判例タイムズ社)p247</ref>。
::
:; [[2002年]](平成14年)10月28日、[[新潟地方裁判所]]での判例
:: 元信者が、教団による違法な入信勧誘・教化行為によって損害を受けたとして、不法行為に基づく損害賠償を教団に求めた事案で、裁判所は「信者らもしくは信徒会の伝道・経済行為は、被告(統一教会)が経済的な利益を追求するという目的のもとになされ」「信者らが、文鮮明の配下というべき教団の幹部らの意を受けてその指揮・命令の下に実行された結果と認められ、(中略)原告らに対する、法人としての教団自身の故意に基づく違法行為であると評価することができる。」として民法709条に基づいて、その違法行為による損害を賠償する責任を負うと判断された<ref>{{Cite web|url=https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=6535|title=平成元年(わ)374号 損害賠償請求 新潟地方裁判所判決||accessdate=2022-04-26}}</ref>。
::
:; [[1997年]](平成9年)4月16日、[[奈良地方裁判所]]での判例
:: 信者らの違法な献金勧誘行為により、原告らが損害を被ったとして、教団に対して、民法709条又は715条に基づき損害賠償を請求した事案で、裁判所は教団の献金勧誘のシステムの特徴として、{{要出典|date=2016年2月}}
::# 「万物復帰の教えの下、個々の対象者からその保有財産の大部分を供出させ、被告全体としても多額の資金を集めることを目的とするものである」、{{要出典|date=2016年2月}}
::# 「対象者がある一定レベルに達成するまで、被告の万物復帰の教えはもちろんのこと、被告や文鮮明のことを秘匿あるいは明確に否定したまま、対象者の悩みに応じた因縁話等をして不安感を生じさせあるいは助長させる方法をとっている」{{要出典|date=2016年2月}}
::# 「各種マニュアル等により勧誘方法が全国的に共通していて、組織的に行われている」{{要出典|date=2016年2月}}
::
:: 教団への入会ないしは献金等については「入会ないしは献金等をしようとする者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げ、また、被告への入会ないしは献金等をさせるため、対象者を威迫して困惑させるものであり、方法として不公正なもの」と判断し、教団の献金勧誘のシステムは、「不公正な方法を用い、教化の過程を経てその批判力を衰退させて献金させるものといわざるを得ず、違法と評価するのが相当である。」として教団に原告2人に対する損害賠償を命じた(平成9年([[1997年]])4月16日判決言渡 平成9年4月16日判決原本交付 裁判所書記官 平成6年(1994年)●第二〇七号 損害賠償請求事件)<ref>『[[判例時報]]1648号』p121</ref>。
::
:; [[1999年]](平成11年)3月11日、最高裁判所での判例(一審・東京地裁1997年10月24日)
::
:: 統一教会信者が先祖の因縁などを述べ立てて、高額の献金をさせた行為を違法認定し、教団の使用者責任を認めた<ref>『判例時報』一六三八号 p107</ref><ref name="shinobiyorucult">山口広、滝本太郎、紀藤正樹 『Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト』(民事法研究会 全訂増補版 2004年2月)</ref>
::
:; [[1999年]](平成11年)12月16日、福岡地方裁判所での判例
:; [[2000年]](平成12年)4月24日、東京地方裁判所での判例
::
:: 信者による壺や多宝塔、朝鮮人参濃縮液を売りつける活動で、統一教会の法的責任を認める。いずれも最高裁で確定<ref name="shinobiyorucult"/><ref>『判例時報』一七一七号 p128</ref>。
::
:; [[2004年]](平成16年)2月26日、最高裁判所での判例
::統一教会の違法な勧誘で[[合同結婚式]]への参加を強要されたとして、元信者3人が教団へ損害賠償を求めた裁判で、最高裁判所は教団の上告を棄却。婚姻の自由の侵害を認め、920万円の支払いを命じた高裁判決が確定した<ref>『毎日新聞』 2004年2月27日号 朝刊 30面</ref>。
::
:; [[2005年]](平成17年)4月25日号、[[新潟地方裁判所]]での判例
::違法な勧誘で入信させられ、[[霊感商法]]への従事や[[合同結婚式]]での結婚を強要されたとして、元信者ら35人が教団に総額3億3500万円の損害賠償訴訟を起こしていた裁判で、新潟地裁は[[信教の自由]]や[[財産権]]の侵害を認め、約8700万円の支払いを命じた<ref>『毎日新聞』 2005年4月26日号 朝刊 22面</ref>。
::
:; [[2020年]](令和2年)[[2月28日]]、[[東京地方裁判所]]での判例
:: 信者から違法な勧誘を受けて多額の献金をさせられたとして、東京都に住む元信者の60代女性が約520万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は家庭連合と信者に約470万円を支払うよう命じた。判決では「女性は信者から、亡くなった夫や長男が地獄で苦しんでいるとの不安や恐怖心をあおられ続けており、献金の要求は社会的に相当な範囲を逸脱した違法な行為だ」と指摘し、家庭連合には信者の使用者責任があるとした<ref>{{Cite news |title=旧統一教会に賠償命令 違法勧誘、東京地裁|newspaper=産経新聞|date=2020-02-29|url=https://www.sankei.com/article/20200229-5V6SY5MH5FM6BIWN76GXI62HQU/|accessdate=2022-07-13}}</ref>。
::
:; 準禁治産者申し立て事件
:: 教団に献金を続ける信者に対し、親族が[[家庭裁判所]]に準禁治産者、保佐人選任の申し立てを行い、審判前に保全処分が認められた事例がある<ref>横浜家庭裁判所 1986年12月12日審判ー東京高裁1987年3月30日決定、東京家裁[[八王子市|八王子]]支部 1988年2月8日審判、東京家裁 1992年6月8日審判、横浜家裁川崎支部 1993年11月12日審判、名古屋家裁 1997年8月13日審判、東京家裁 1997年9月29日審判</ref><ref>『宗教トラブルの予防・救済の手引―宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準』pp.155-156。</ref>。しかし、[[2000年]]4月の「禁治産・準禁治産制度」から[[成年後見制度]]への制度変更により、準禁治産の事由に含まれていた「浪費者」を制度の対象から除外したため、このような申し立てはできなくなった。{{要出典|date=2016年2月}}
:
; 伝道に関する違法性([[青春を返せ裁判]])
: 損害については「過酷な経済活動や伝道活動に従事して労役の提供を余儀なくされ、さらに、献身するために勤務先の会社をやめることを余儀なくされるなど献身期間中、従前の人間関係や社会生活等を破壊された。」「文鮮明の選んだ相対者を断ると、自己や先祖の救いの道が閉ざされ、病気や怪我をしたり又は死んだりすることになるとか、死後地獄に行くことになるなどと思って苦悩し、相当の精神的苦痛を被った。」などとして、教団に対し原告の3人に対する慰謝料の支払いを命じた。被告の高裁への控訴、最高裁への上告はいずれも棄却された(平成14年([[2002年]])8月21日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成11年(1999年)(ワ)第18400号 平成15年(2003年)5月13日口頭弁論終結)(平成15年(オ)第1770号 平成15年(受)第1880号)。
:
; 婚姻の無効性
: [[1993年]]10月7日 福岡地裁で、統一教会の[[合同結婚式]]に参加し、教会の指示により婚姻届をした日本人女性が婚姻意思の不存在を理由とした日本人男性との[[婚姻の無効]]の訴えが認められた。信者の福岡高裁への控訴・最高裁への上告ともに棄却([[1995年]][[10月31日]]、[[1996年]][[4月25日]]<ref>『判例時報1483号』p.102。</ref><ref>『判例タイムズ831号』</ref>。
:
; その他
:* 強制改宗をめぐる記事の信憑性
:* 統一教会の現役信者夫婦が、日本人妻の両親と説得に関わった牧師に対し、[[人格権]]に基づき、拉致監禁、棄教強要などの差し止めと、牧師に対し約1330万円の損害賠償を求めた訴訟。

=== 教団側勝訴の判例 ===
; [[統一教会信徒の拉致監禁問題]]の違法性
:; [[人身保護法 (日本)|人身保護請求]]が認められた事例(実質的勝訴)
::* 統一教会信者(30歳男性)が拉致された上、[[精神科|精神病院]]に強制入院させられ改宗を強要された事件で[[人身保護法 (日本)|人身保護]]請求訴訟により解放された事例<ref>昭和55年([[1980年]])人ナ第1号、東京高裁・杉田洋一裁判長</ref>{{要出典|date=2016年2月}}
::* 統一教会信者(26歳女性)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で、[[高村正彦]]弁護士等による人身保護請求訴訟により解放された事例<ref>昭和55年(1980年)人ナ第1号、高松高裁・越智傳裁判長</ref>{{要出典|date=2016年2月}}
::* 統一教会信者(25歳女性、小学校教員)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で、上野忠義弁護士等による人身保護請求訴訟により解放された事例<ref>昭和56年([[1981年]])人第1号、宇都宮地裁・多賀谷雄一裁判長</ref>{{要出典|date=2016年2月}}
::
:; 強制改宗の違法性
:: [[2002年]]2月20日 統一教会の信者(31歳女性)に対して、信者の両親が信者を監禁、脱会を強要した事件において、「逮捕・監禁」は不法行為であり、脱会の説得に協力した牧師も連帯して責任を負うとの判決。被告は[[上告]]はせず判決が確定した。(広島高裁・宮本定雄裁判長){{要出典|date=2016年2月}}
:
; 献金の正当性
: [[2003年]][[11月27日]] 名古屋高裁が統一教会の献金の正当性を認め、原告の献金返還請求を棄却。{{要出典|date=2016年2月}}
: 教団の関連する「天地正教」の導師部長を務めていた元信者が1000万円の献金について、「信者の因縁話によって畏怖して献金したもの」として、「天地正教」への貸付など、約3700万円の損害賠償を求めた事案。{{要出典|date=2016年2月}}
: (2001年)2月28日、名古屋地裁は「自主的に献金した」「統一教会の信者等における脅迫等、違法な働きかけは認められない」として原告の訴えを退けた。1000万円という額についても「宗教活動として許された範囲を遥かに逸脱した違法なものとまでは言えない」と判断した。原告が控訴した名古屋高裁も一審判決を支持。[[2004年]][[10月22日]]、最高裁への上告も棄却され、統一教会側が全面勝訴した。{{要出典|date=2016年2月}}

=== 和解の事例 ===
; 統一教会の信者である夫婦が自分達を連れ去り、脱会の説得を行った親、次女、親族、牧師らの8名を被告として、自分達の意思に反する違法な拉致、監禁及び教団からの脱会の強要等の共同不法行為に基づく差止請求及び損害賠償請求を求めた事案。
: [[2004年]][[1月23日]] 横浜地裁は原告の請求を棄却した。横浜地裁は、「両親の行為が原告の意思に反する、違法な、拉致、監禁及び統一教会からの脱会の強要とまで認めることはできない」「両親による暴行の事実があったと認めることはできない」と判断し、両親に協力した牧師の行為についても「牧師らの指示、指導があったとは言えない」「統一教会からの脱会の強要にあたらない」とし、原告の請求を棄却した [https://web.archive.org/web/20051203071759/http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/c1eea0afce437e4949256b510052d736/4c18333663679b2b49256e3f003b5368?OpenDocument]。
:
; 請求額以上を返金する事で和解した事案
: “因縁話”により2億1千万を献金、画や宝石など1千万円分を購入させられたとして千葉県の女性が、賠償を求めたことに対し、教団側は1億3千万での[[和解]]案を提示。交渉が進展しないため、所管庁たる[[文部科学省]]をも共同被告とした訴状を送付したところ、[[2008年]]3月に2億3千万円の和解案が提示され、和解が成立した<ref>[https://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080408/trl0804082202007-n1.htm 統一教会が2億3000万円で示談 千葉の女性と]([https://sankei.jp.msn.com/top.htm MSN産経ニュース]) {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20091227190729/http://sankei.jp.msn.com/top.htm |date=2009年12月27日 }}</ref>。実損額を超える和解は極めて異例である<ref>[https://kito.cocolog-nifty.com/topnews/2008/04/etyphoon_c8f9.html 注意喚起!!霊感商法の被害急増!そして霊感商法事件で過去最高額の和解!]([https://kito.cocolog-nifty.com/topnews/ 弁護士紀藤正樹のLINK TOP NEWS BLOG版])</ref>。
:
; アメリカにおいて、不当な勧誘(伝道の初期段階に教団の名前を正式に述べなかった「不実表示による詐欺」)、洗脳、虚偽の監禁などを理由として2人の元教会員が訴えた民事訴訟。
: 1審、2審は「訴訟自体が法廷を宗教問題に踏み込ませるものだ」として原告の訴えを棄却したが、カリフォルニア州最高裁は教団の名前を隠した伝道は「聖なる詐欺」(''Heavenly deception'')と呼ばれる、教団の教義に基づく宗教行為であるが、市民が騙され、強制的説得による不利な環境に服従することから保護するという州の利益のために、教団の活動に制限を加えることは憲法上認められるとして、1、2審の略式判決を破棄し、[[陪審制|陪審員]]による[[事実審|事実審理]]をするようにと差し戻した。結果的に教会と原告は和解したが、「信教の自由」があっても、伝道の方法によっては詐欺にもなり得る場合があることを示唆したものとなった(モルコ・リール事件 [[1998年]]10月27日 カリフォルニア最高裁)<ref>Molko v. Holy Spirit Association for Unification of World Christianity,46Cal.3d 1092.726p.2d 46.252 Cal Rpt8 122(Cal.1988)</ref><ref>『カルト宗教のトラブル対策』pp.210-212。</ref><ref>『カルト宗教のトラブル対策』p.219。</ref><ref>『宗教トラブルの予防・救済の手引―宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準』p.160。</ref><ref>『統一教会の検証』pp.131-133。</ref><ref>『統一教会の検証』pp.289-291。</ref>。

== 他の宗教との関係 ==
=== オウム真理教 ===
正体を隠しての勧誘や、[[ビデオ]]を利用した[[マインドコントロール]]など、[[オウム真理教]]と統一教会の手法には多数の類似点が指摘されているほか、この2教団の関係を巡って、複数の疑惑が[[ジャーナリスト]]の[[江川紹子]]と[[有田芳生]]の調査で明らかになっている。[[宮崎県資産家拉致事件]]を巡って、教団系のメディア『宗教新聞』『[[世界日報]]』がオウム真理教の擁護キャンペーンを展開していたことがある。『世界日報』は[[1994年]]9月25日と10月30日に「文春『オウム真理教攻撃』のウソ」との記事を掲載、オウム関係者の証言を強調し、[[週刊文春]]と反オウムの長女を攻撃する内容だった。『宗教新聞』も同様の趣旨の記事を4回に渡って掲載、その内1つは「社説」としてオウムを擁護するものだった。記事を書いた記者は統一教会の熱心な信者で、オウム真理教教祖の[[麻原彰晃]]を「[[ヨガ]]や[[仏教]]をまじめに考えている」と絶賛し、一連の擁護記事についても「オウムの人たちは大変喜んでくれましたよ。私も功徳を積んだと思った」と話していた。これと別に、統一教会幹部と麻原との会談があった、との信者の証言も紹介している<ref>江川紹子,有田芳生「統一教会とオウム真理教が急接近」『週刊文春』1994年11月17日号 p40~44</ref>。

そのほかにも、麻原の[[住民票]]が、オウム真理教の政治進出が話題になった[[1990年]]当時、教団系の[[国際勝共連合]]と密接な関係にあった[[自民党]][[福田赳夫]]派の重鎮・[[山田久就]]衆議院議員が所有する選挙区である[[杉並区]]内のマンションに置かれていたことがあった<ref>江川紹子,有田芳生「統一教会とオウム真理教の奇妙な接点」『週刊文春』1994年11月24日号 p38~41</ref>。

=== 立正佼成会 ===
[[1963年]]、当時の[[庭野日敬]]会長が青年部員を統一教会の修錬会に参加させた結果、次期会長候補とされていた[[久保木修己]]を初めとする50名ほどの会員が統一教会に転じた<ref name="sekaisyukyojiten"/>。

=== 生長の家 ===
1970年[[安保闘争]]の時代に、互いの集会に参加したりするような関係であり、[[谷口雅春]]は「勝共連合は朝鮮の文鮮明と称する予言者を[[八紘一宇]]の世界の中心者とする運動だったので私たちは今まで協力できなかったが、(中略)日本中心の運動にすることが出来れば協力してもよいのである」と述べている<ref>『生長の家』1979年8月号</ref>。

== ダミー団体 ==
それぞれ別組織であり、友好団体だと公言しているが、同一の創設者によって作られ、日本支部では同一の建物で同一のスタッフが運営する組織である。

<ref>{{Cite web |title=成約ビル |url=https://tcc2.seesaa.net/article/434068021.html |website=TOKYOカオスエリアコレクション(TCC2) |access-date=2022-07-11 |language=ja}}</ref>
* 建物名称:成約ビル
* 所在地:東京都新宿区新宿5-13-2
* 竣工:1986年(昭和61年)
* 建物規模:地上5階
** 5F
*** [[天宙平和連合]](UPF)日本事務局
*** 平和大使協議会
*** 平和外交フォーラム
*** ピース・メディア・フォーラム(PMF)
** 4F
*** 真の家庭運動推進協議会
*** PLA-Japan事務局
*** 統一思想研究院
*** 一般財団法人国際ハイウェイ財団
*** 国際ハイウェイ建設事業団
*** 世界平和宗教連合
*** 国際宗教自由連合
*** 世界平和島嶼国家連合
*** 宗教新聞社
*** 東京同胞教会(事務局)
** 3F
*** 東京同胞教会
** 2F
*** 世界平和教授アカデミー
*** 一般社団法人平和政策研究所(分室)
*** アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム
*** 世界平和統一家庭連合
*** 平和統一聯合
*** 天一國歌舞連合
*** 在日平和統一祝福家庭婦人会
*** 世界圓和道連盟日本本部
*** 世界平和青年連合(YFWP)
*** [[日韓トンネル]]推進全国会議
*** 東西南北統一運動国民連合
** 1F
*** セミナールーム
*** 受付

田中富広会長は「私たちの“友好団体”が主催する行事に、安倍元総理がメッセージ等を送られたことはございます。当法人と友好団体の区別がついていなかったのではないか。どちらも創設者が一緒なので、すべてが同じに見えていたのかなと」として、無関係であることを主張した<ref>https://news.yahoo.co.jp/articles/8659b36999993a318648e567ab6ed468261764da</ref >。

その他にも、教団系の団体は多数存在し、密接な関係にある企業も多数存在する。

{{main|[[統一教会関連の企業と団体]]}}

[[弁護士]]の[[山口広]]は、「[[世界平和女性連合]]」について「統一教会のダミー組織」であり、「ロータリークラブの女性版のようなつもりで入会したご婦人がグループ企業の展示会に誘われて高額な買い物をしたり、信者になって献金させられる例を、数多く聞いている」と話している<ref name="aera19950925">『AERA』1995年9月25日号</ref>。

ダミー団体を使って政治家に接近することは全世界で共通する手法だという<ref name="aera19950925"/>。

== セクトまたはカルトと分類された例 ==
{{Main|政府の文書によってセクトと分類された団体一覧}}
統一教会は、いくつかの政府によって、[[セクト]]または[[カルト]]と分類されている。例として以下の政府・議会報告が挙げられる。
* {{Flagicon|FRA}} [[国民議会 (フランス)|フランス国民議会]]委員会報告(1995)([[フランス国家警察]]の[[情報機関]]総合情報局が、複数のセクト監視グループと編集)<ref name="france1995">[https://www.assemblee-nationale.fr/rap-enq/r2468.asp フランス語の報告1995年]([http://cftf.com/french/Les_Sectes_en_France/cults.html 英語の翻訳]), [[国民議会 (フランス)|フランス国民議会]], 議会委員会報告</ref>
* {{Flagicon|FRA}} [[国民議会 (フランス)|フランス国民議会]]委員会報告(1999)(カルトと金銭に関するフランス議会報告、30数団体にし注意を集中させ調査した)<ref name="france1999">{{cite web|url= https://www.assemblee-nationale.fr/dossiers/sectes/sommaire.asp|title= Les sectes et l'argent|accessdate= 2009-04-20|author= フランス国民議会|authorlink= 国民議会 (フランス)|coauthors= |date= 1999-06-10|publisher= République Française|language= French|quote= enquête sur la situation financière, patrimoniale et fiscale des sectes, ainsi que sur leurs activités économiques et leurs relations avec les milieux économiques et financiers [inquiry into the finances, property and income of cults, as well as into their economic activities and their connections with economic and financial circles]}}</ref>
* {{Flagicon|AUT}} [[オーストリア]]連邦環境・青少年省(1996)<ref name="unhcr">[https://www.unhcr.org/cgi-bin/texis/vtx/refworld/rwmain?docid=46bb099f2 信教の自由レポート2006 (International Religious Freedom Report 2006)], (オーストリア), released by the Bureau of Democracy, Human Rights, and Labor, United States Department of State.<br/>"The vast majority of groups termed "sects" by the Government were small organizations with fewer than 100 members. Among the larger groups was the Church of Scientology, with between 5,000 and 6,000 members, and the '''Unification Church'''('''世界基督教統一神霊協会'''), with approximately 700 adherents throughout the country. Other groups found in the country included Divine Light Mission, Eckankar, Hare Krishna, the Holosophic community, the Osho movement([[バグワン・シュリ・ラジニーシ|オショウ]]), Sahaja Yoga, Sai Baba([[サティヤ・サイ・ババ]]), Sri Chinmoy([[シュリ・チンモイ]]), Transcendental Meditation, Landmark Education([[ランドマーク・エデュケーション]]), the Center for Experimental Society Formation, Fiat Lux, Universal Life, and The Family([[ファミリー・インターナショナル]])."</ref>
* {{Flagicon|BEL}} [[ベルギー]]議会調査委員会(1997)<ref name="belgium1997">''Enquête Parlementaire visant à élaborer une politique en vue de lutter contre les practiques illégales des sectes et le danger qu'elles représentent pour la société et pour les personnes, particulièrement les mineurs d'âge. Rapport fait au nom de la Commission d'enquête par MM. Duquesne et Willems. Partie II.'' [Parliamentary Inquiry with the aim of detailing a policy for combating the illegal practices of cults and the danger they represent for society and for people, especially minors. Report made in the name of the Commission of Inquiry by Messieurs Duquesne and Willems. Part 2.] [https://www.dekamer.be/FLWB/pdf/49/0313/49K0313008.pdf available online] -- bilingual report in French and Flemish, retrieved 2007-01-08.</ref>
* {{Flagicon|DEU}} [[ドイツ]]ベルリン上院報告(1997)<ref name="germany1997">{{cite book|last=Rũhle (ed.)|first=Anne|coauthors=Ina Kunst|title= "Sekten": Risiken und Nebenwirkungen: Informationen zu ausgewählten neuen religiõsen und weltanschaulichen Bewegungen und Psychoangeboten.'' [Cults: Risks and Side-effects. Information on selected new religious and world-view Movements and Psycho-offerings]|origdate=October 1994|url=http://www.ariplex.com/ama/amasenat.htm|accessdate=2007-02-06|edition=2nd|volume=1|year=1997|month=December|publisher= Senatsverwaltung für Schule, Jugend and Sport. [Senate Administration for School, Youth and Sport]|language= ドイツ語}}</ref>
* {{Flagicon|PRC}} [[中国共産党中央弁公庁]]報告(2014)<ref>[http://www.newsclip.be/article/2014/06/05/22065.html 中国:邪教11団体のリスト公表、市民に注意呼びかけ]</ref><ref>[http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014061202000135.html 中国「邪教」取り締まり強化経済成長の裏不満吸収し拡大] 東京新聞 2014年7月9日閲覧</ref>

== 関係人物 ==
=== 政治家 ===
==== 日本 ====
{{Anchors|日本の政治家との関係}}
===== 安倍晋三との関係 =====
安倍晋三と教団の関係は、祖父の[[岸信介]]、父親の[[安倍晋太郎]]の親子三代にわたるものであり、[[2022年]]7月8日に発生した[[安倍晋三銃撃事件]]後の同年7月19日、統一教会元会長[[郭錠煥]]は記者会見にて、「(創設者の故)文鮮明総裁は(安倍氏の祖父の)岸信介元首相と近かった。(父の)[[安倍晋太郎]]元外相とも近かったと承知している」と指摘した<ref name=":53" />。また、[[安倍晋三|安倍晋三元総理大臣]]が説いていた国家像である「'''[[美しい国]]'''」と、日本統一教会の初代会長であり、[[反共主義|反共産主義]]政治団体[[国際勝共連合]]の日本初代会長でもある[[久保木修己]]が説いた「'''美しい国'''」との共通点が指摘されている<ref name="tokyonp1931362"/>。

英「[[フィナンシャル・タイムズ]]」紙もその関係を「近すぎる距離」とし、「祖父・岸信介の時代から、日本の[[支配者]]層とメディアが見て見ぬふりをしてきた公然の秘密」と指摘している<ref>{{cite web|title=英紙が「安倍晋三と統一教会の関係」に迫る─それは祖父・岸信介の時代から「公然の秘密」だ|url=https://courrier.jp/news/archives/294114/|website=クーリエジャポン|accessdate=2022-07-19}}</ref>。[[週刊朝日]]の報道によれば、統一教会の日本での拡大には、[[笹川良一]]や[[児玉誉士夫]]らの[[フィクサー]]と岸信介の尽力が大きかったとしており、父親の安倍晋太郎も「勝共推進議員連盟」に参加していたとされる<ref>{{cite web |author=藤田庄市 |url=http://www.rirc.or.jp/20th/Rirc20th_inbound.pdf | title=日本における統一教会の活動とその問題点―活字メディアで報道された批判を中心に― |website=[http://www.rirc.or.jp/20th/20th.html 20周年記念誌(デジタル版)] |publisher=[[国際宗教研究所|公益財団法人国際宗教研究所]] 宗教情報リサーチセンター |format=PDF |page=146 |date=2019-3-25 | accessdate=2022-7-21 }}</ref><ref name="名前なし-pYqe-4">『週刊朝日』2006年6月30日号</ref>。文鮮明が、アメリカの[[CIA]]が創設に深く関与した[[大韓民国中央情報部]]の支援のもとにアジアの反共団体の結成に動き<ref>{{cite news|title=Reverend Moon: Cult leader, CIA asset and Bush family friend|url=https://m.scoop.co.nz/stories/HL1209/S00029/reverend-moon-cult-leader-cia-asset-and-bush-family-friend.htm|date=2012-09-05|author= Bob Fitrakis|publisher=[[:en:Scoop (website)|Scoop]]}}</ref>、笹川が勝共連合の名誉会長に就任すると、協力関係にあった岸も教団に接近。日本本部は岸がかつて所有していた土地に置かれ、教団は様々な訴追を受けずに済んだ。さらに、教団関係者は[[自民党]]の内部にも浸透した<ref>{{cite book|title=Machiavelli's Children Leaders and Their Legacies in Italy and Japan|page=245|author=RICHARD J. SAMUELS}} / {{cite book|pages=247-8|title=マキァヴェッリの子どもたち|translator=鶴田知佳子・村田久美子|author=リチャード・J・サミュエルズ|isbn=978-4-492-21167-0}}</ref>。[[ジミー・カーター|カーター]]政権下の[[1977年]]の[[FBI]]によるレポートなどによると、上記の3者が[[文鮮明]]の強大な支援者となり、また文鮮明は日本政府上層部との繋がりを保っていたとしている<ref>{{cite web|title=The Washington Times / Who pays the bills for the right's daily paper?|url=https://fair.org/extra/the-washington-times/|date=1995-03-01|website=[[:en:Fairness & Accuracy in Reporting|FAIR]]|accessdate=2022-07-11}}</ref>。[[ジェフリー・ジェムズ・ホール]]は[[フィナンシャル・タイムズ|FT]]などの取材に対し、反共産主義活動により自民党の有力な支持団体になった統一教会は、のちに安倍晋三の派閥になる岸の派閥を冷戦期に支持していたとしている<ref name=":17">{{cite news|title=Killing of Shinzo Abe shines spotlight on politicians’ links with Moonies|url=https://www.ft.com/content/a31f0f6d-39c9-4990-9081-057f773d56d4|newspaper=FINANCIAL TIMES|date=2022-07-11|quote=“This group has been one of the bases of the LDP’s campaigns since that time in the cold war when the church was a reliable ally against communism,” “They worked with the Kishi faction of the LDP, which later became the Abe faction.”“Having religious groups that can provide a very reliable group of voters who will definitely turn out on election day, will definitely vote for your party, can provide volunteers for your campaign, is important,”}}</ref><ref>{{cite news|title=Abe’s ruling coalition secures big election win in Japan after his killing|url=https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/09/shinzo-abe-assassination-election-blinken/|newspaper=THE WASHINGTON POST|date=2022-07-09}}</ref>。

元[[公安調査庁]]幹部の[[菅沼光弘]]は、[[高橋浩祐]]の取材に対し、安倍晋太郎が外務相だった時に訪米したときに、アメリカ政界の有力者と晋太郎をつなげたのは統一教会だったと話した<ref name=takahashi/><ref>{{cite video|title=元公安調査庁幹部に緊急取材(下)戦後長く続く自民党と統一教会のただならぬ関係に鋭く迫る❗️元公安調査庁調査第2部長、菅沼光弘氏に聞く❗️|url=https://www.youtube.com/watch?v=_GS7MQUURp0|date=2022-07-21|author=高橋浩祐}}</ref>。

[[週刊文春]]が紹介する統一教会関係者の証言では、[[1980年]]代以降に教団の違法な[[霊感商法]]が社会問題化した後も、別名称の「[[#ダミー団体|ダミー団体]]」を次々作ることで、[[政治家]]との接点を持っていたとしており、その内の一人が安倍晋三であったとしている<ref name="mooninterview2022719">{{cite web |title=《検証》統一教会と安倍元首相との「本当の関係」 |url=https://bunshun.jp/denshiban/articles/b3540 |website=週刊文春 |accessdate=2022-07-19}}</ref>。

2006年5月、[[日本共産党]]の[[機関誌]]である『しんぶん赤旗』などによれば、[[安倍晋三]]は、教団関連団体の天宙平和連合が全国各地で開いた大会の複数会場に内閣官房長官の肩書きで祝電を送付。この前年にも同様の大会への祝電が確認されている<ref name="akahata20061014">{{Cite news|url=https://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-10-14/2006101414_01_0.html|title=安倍首相 保岡元法相 昨年10月にも/統一教会集会に祝電/全国弁連抗議集会で明らかに|newspaper=しんぶん赤旗|publisher=日本共産党中央委員会|date=2006-10-14}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.stopreikan.com/shiryou/shiryo_20060619.htm|title=公開質問状 内閣官房長官「安倍晋三」殿、衆議院議員「保岡興治」殿|publisher=全国霊感商法対策弁護士連絡会|date=2006-06-19|accessdate=2014-04-15}}</ref>。

また、文鮮明が設立した米[[ワシントン・タイムズ]]紙2011年5月10日付に掲載された意見広告に[[安倍昭恵|妻]]と共に署名<ref name="WT20110511"/>。2010年2月と2012年7月には幹部信者(12双)が代表を務めるシンクタンク「世界戦略総合研究所」で講演<ref name="sekaisoken">{{Cite web|url=http://poligion.wpblog.jp/sekaisoken/#i-4|title=統一教会のダミー団体「世界戦略総合研究所」|work=政教ログ|accessdate=2012-06-11}}</ref>{{efn|「やや日刊カルト新聞」のよると、統一教会信者の[[阿部正寿]]が代表を務める教団関連組織「[[世界戦略総合研究所]]」で安倍は第九十代内閣総理大臣の肩書きで講演を行い、またこの団体は議員の口利きがないと使えない参議院[[議員会館]]を利用していたという<ref>{{cite web|title=米国政府への“逆失望”発言の首相補佐官に本紙副代表は1月から“失望中”|url=http://dailycult.blogspot.com/2014/02/blog-post_25.html|website=やや日刊カルト新聞|date=2014-02-25|accessdate=2022-07-21}}</ref>。}}。さらに、『FLASH』誌などは父親の金脈、人脈を継いだため教団とは切るに切れない事情があると報じており<ref>{{Cite journal|和書|title=日本はこの男と心中するのか--安倍晋三窮地! 統一教会『合同結婚式』に祝電!|journal=FLASH|issue=2006年7月4日号|publisher=光文社}}</ref>、教団内では「安倍先生なくしてみ旨は成就できない」と伝えられる<ref name="suisei20100613">{{Cite web|url=http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/06/post_b3f3.html|title=統一教会からの「噴飯物」抗議文書を公開する|work=有田芳生の『酔醒漫録』|date=2010-06-13|accessdate=2012-06-11}}</ref>。

2006年6月、ジャーナリストの[[有田芳生]]は、『[[週刊朝日]]』において、安倍と教会の"祖父の代から脈々と続く関係"について「私は以前、安倍さんから統一教会と[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]の関係について聞かれたことがある。そのときは『統一教会が接近してきている。会おうと言われているが断っている』と言っていました。安倍さんは北朝鮮に対して強硬な立場で総裁選も近いということから考えると、少なくとも本人の意思では(前述の祝電を)送っていないとは思います」とコメントしていたが<ref name="名前なし-pYqe-4"/>、その後長期安定政権樹立を目指していた安倍は、[[2013年]]頃から教団の持つ[[組織票]]と無尽蔵の人員を目当てに、一時は距離を置いていた教団に一転して再接近したとされる<ref name=":58" />。宗教[[ジャーナリスト]]の[[鈴木エイト]]は、安倍晋三と統一教会の関係について、「[[癒着]]」との表現を用いて極めて密接であったとしている<ref name=":58">{{Cite web|url=https://web.archive.org/web/20190206020917/https://hbol.jp/183496/3|title=自民党安倍政権と統一教会。いつ安倍晋三は「変節」したのか<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第2回>|publisher=ハーバービジネスオンライン|date=2019-01-16|accessdate=2022-07-10}}</ref>。有田は[[2022年]]7月の時点では、「岸信介氏、安倍晋太郎氏、安倍晋三氏は三代続けて、統一教会を日本社会に深く浸透させる政治的に重要な役割を果たした」と評価している<ref name="kyodo47reikanbengo2">{{Cite news|title=動機は「私怨」、国葬は「民主主義守る」ため?  霊感商法被害1237億円、弁護士らが安倍氏に抗議文|website=共同通信|date=2022-07-15|url=https://www.47news.jp/8053716.html|accessdate=2022-07-16}}</ref>。

安倍が「じきじきに」後援を依頼して、教団による選挙協力・動員が得られた例として、[[第23回参議院議員通常選挙|2013年夏の参議院議員選挙]]に[[参議院比例区|比例区]]で出馬した[[北村経夫]]があるとされる。鈴木の調査によれば、北村の後援会名簿には教団系の政治団体である[[国際勝共連合]]・[[世界平和連合]]の幹部の名があり、北村の選挙事務所には世界平和連合の女性スタッフが事務員として派遣されていたという。教団による組織票は約8万票であり、北村の総得票数142613票の大半を占めていたとされる<ref>{{Cite web|url=https://web.archive.org/web/20190205091318/https://hbol.jp/183109|title=自民党安倍政権と統一教会。2013年参院選時に蠢いた策動<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第1回>|publisher=ハーバービジネスオンライン|date=2019-01-11|accessdate=2022-07-10}}</ref>。また、安倍政権下で開催された[[桜を見る会]]にも、2013年から2016年にかけて教団関係者が招待されていたとされる<ref>{{Cite web|url=https://web.archive.org/web/20201101024511/https://hbol.jp/206111|title=安倍首相主催の「桜を見る会」、統一教会関係者も招待客に<政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第23回>|publisher=ハーバービジネスオンライン|date=2019-11-12|accessdate=2022-07-11}}</ref>。

[[霊感商法]]の被害者支援を行う[[弁護士]]の集まり「[[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]」が一貫して名称変更反対の申し入れを[[文化庁]]に行ってきた中でも、2015年に教団の「世界平和統一家庭連合」(家庭連合)への名称変更が許可された背景に、安倍の関与があったとされる。なお、名称変更当時の[[文部科学大臣]]であり、安倍とも親しかった[[下村博文]]に対し、教団関係者が陳情したり、[[政治資金パーティ]]のパーティ券を購入したりしていたことが、『[[文春オンライン]]』によって報じられている。ほかにも[[安保法制]]の改定時期に「安倍政権を支えよう!」と街頭で安倍政権支持[[デモ]]を繰り返すなど活発に活動した[[大学生]]集団「勝共UNITE」のバックには教団系の国際勝共連合があり。この集団は教団の二世[[信者]]により結成されたものだったと伝えられる<ref>{{cite web |author=藤田庄市 |url=http://www.rirc.or.jp/20th/Rirc20th_inbound.pdf | title=日本における統一教会の活動とその問題点―活字メディアで報道された批判を中心に― |website=[http://www.rirc.or.jp/20th/20th.html 20周年記念誌(デジタル版)] |publisher=[[国際宗教研究所|公益財団法人国際宗教研究所]] 宗教情報リサーチセンター |format=PDF |page=148 |date=2019-3-25 | accessdate=2022-7-21 }}</ref><ref>{{cite web |author= |url=https://dot.asahi.com/wa/2016062900245.html?page=1 | title=街頭デモで安倍政権を応援 旧統一教会系の国際勝共連合が支援する大学生集団「UNITE」の正体 |website=[[AERA dot.]] |publisher=[[朝日新聞出版]] |date=2016-7-1 | accessdate=2022-7-21 }}</ref><ref>『週刊金曜日』2016年7月22日号。</ref><ref>{{Cite web|url=https://bunshun.jp/articles/-/55989|title=《内部文書入手》 「統一教会」関連団体幹部が名称変更当時の下村博文文科相に陳情、パーティ券購入|publisher=文春オンライン|accessdate=2022-07-20}}</ref>。このほかにも、教団系の雑誌『世界思想』2013年9月号は「安倍政権の救国ロードマップ」を特集し、街頭演説をする安倍晋三の姿を表紙に使った<ref>{{Cite web|url=http://web.archive.org/web/20140708135522/http://www.ifvoc.org/sekaisisou/sekai13_09.html|title=中国「レッド・キャピタリズム」の終焉|publisher=国際勝共連合|accessdate=2022-07-11}}</ref>。

[[2016年]]11月、安倍が大統領就任前の[[ドナルド・トランプ]]と異例の会談を実現した背景に、教団の仲介があったとされている。「[[新潮45]]」の報道によれば、側近から提案を受けた安倍は教団系の国際勝共連合のメンバーに連絡すると、そのメンバーは教祖・文鮮明の妻でUPF総裁の[[韓鶴子]]に電話を入れた。韓鶴子はトランプの娘の[[イヴァンカ・トランプ]]の夫、[[ジャレッド・クシュナー]]に連絡し、[[ペルー]]で開かれるAPEC([[アジア太平洋経済協力会議]])首脳会談前の17日にトランプとの会談が実現したとされる<ref>{{Cite web|url=https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71002?page=5|title=米政治家に根を張る旧統一教会、安倍・トランプの蜜月も演出|publisher=JBpress|accessdate=2022-07-19}}</ref>。

安倍は2021年9月12日(日本時間)に開催された[[天宙平和連合]](UPF)主催のイベント『THINK TANK 2022 希望前進大会』にも、UPFインターナショナルとワシントン・タイムズからの依頼に応じる形でビデオメッセージを寄せている<ref name="washingtontimes20210911" /><ref name="dailycult20210912" /><ref name="litera20210914" /><ref name="akahata20210918" />。このビデオメッセージについて、[[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]は同年9月17日、安倍に対し公開抗議文を送付している<ref name="dailycult20210917" /><ref name="dailyshincho20220713"/>。

[[ワシントン・ポスト]]紙(米国[[ワシントンD.C.]]におけるクオリティペーパー。旧統一教会がオーナーを務めるワシントン・タイムズ紙は全く別の新聞である。)の記事によれば、統一教会と関連団体は、世界のリーダーや[[セレブリティ]]、高名な聖職者に対し、高額の[[謝礼]]を支払って講演を依頼しており、統一教会の名を世に知らしめるのが目的としている<ref>{{Cite web |url=https://news.biglobe.ne.jp/workstyle/0721/pre_220721_2790367135.html |title=安倍元首相だけではない…米メディアが「トランプ元大統領と統一教会の癒着」を相次いで報じる理由(2022年7月21日)|人事・総務のひらめき by BIGLOBE |access-date=2022-08-22 |publisher=biglobe}}</ref>。[[ジョージ・H・W・ブッシュ|H.W.ブッシュ]]元大統領以外にも、[[ジェラルド・R・フォード|フォード元大統領]]、俳優の[[ビル・コスビー]]、旧ソビエトの[[ミハイル・ゴルバチョフ|ゴルバチョフ]]元大統領などの名前も挙がっているという([[ウラジーミル・プーチン|プーチン政権]]以降、統一教会はロシア国内では対テロ法により事実上活動が不可能となっている<ref>{{Cite web |title=【社説】プーチン大統領、次の「戦争相手」は宗教 |url=https://jp.wsj.com/articles/SB10368883563906114164704582188442266512880 |website=WSJ Japan |access-date=2022-08-22 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=Kyrgyzstan Bans Unification Church |url=https://www.rferl.org/a/kyrgyzstan_bans_unification_church/24493505.html |website=RadioFreeEurope/RadioLiberty |access-date=2022-08-22 |language=en}}</ref>)<ref name=":8">{{Cite web |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/a0f858c6286485557916f0701eb5e8537084e313?page=2 |title=《スクープ映像入手》旧統一教会のフロント組織「勝共連合」会長が安倍元首相との“ビデオ出演”交渉の裏話を激白(文春オンライン) - Yahoo!ニュース |access-date=2022-08-23 |publisher=文春オンライン}}</ref>。1960年代から1970年代にかけてアメリカ統一教会の政治部門の元幹部であったアレン・ウッドによれば、1回の謝礼が100万ドルであったこともあるという<ref name=":8" />。[[ワシントン・ポスト]]紙のマーク・フィッシャーの署名記事によれば、安倍も他の多くの世界的指導者と同様に、旧統一教会関連のイベントに登壇し、講演料を得ていたとする<ref>{{Cite web |url=https://courrier.jp/news/archives/294395/ |title=米紙が斬る「統一教会にとって日本は大事な“金づる”だ」 教団が安倍晋三を重宝した理由 {{!}} 文鮮明帝国の“カネの流れ”に迫る {{!}} クーリエ・ジャポン |access-date=2022-08-23}}</ref>。‎安倍元首相は、ドナルド・トランプ前大統領を含む他の多くの世界の指導者と同様に、統一教会関連のイベントに報酬を受けて講演者として登場し、最近では、2021年9月の番組でビデオリンクを通じて講演したという<ref>{{Cite web |url=https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/09/shinzo-abe-assassination-election-blinken/ |title=Former Prime Minister Shinzo Abe's party triumphs after his assassination Friday |access-date=2022-08-23 |publisher=The Washington Post}}</ref>。この‎安倍の[[天宙平和連合]](UPF)主催のイベントへのビデオメッセージについては、トランプからUPFにビデオメッセージが寄せられたことが他ならない機縁になったと、UPF、国際勝共連合、世界平和連合3団体の会長を務める[[梶栗正義]]はしている<ref name=":8" />。他に日本の元首相3人に依頼をしたものの、例えば名前を利用しようとするものとして断られ、安倍元首相のみが依頼に応じたという<ref name=":8" />。

ほかにも、第一次安倍政権で[[内閣総理大臣秘書官]]を務めた[[参議院]]議員の[[井上義行]]は、[[2022年]]7月6日、[[埼玉県]]で行われた教団の会合で、幹部から「(井上は)もうすでに信徒になりました」と紹介され、「信念を持って同性婚反対と言っている」とも演説している<ref>{{Cite web|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/c2230c5e416f888b1c6fa4cdcedda248a68aceb3|title=安倍元首相の秘書官・井上参院候補 旧統一教会集会で「信徒になった」と紹介される|publisher=Yahooニュース|date=2019-07-12|accessdate=2022-07-13}}</ref>。

弁護士の[[山口広]]は「安倍政権になってから、若手の政治家が統一教会のイベントに平気で出席するようになった。それまでは、政治家が参加しても名前は出さないとか、統一教会側も名前を伏せて『衆議院議員が参加してコメントした』と言っていた。安倍さんには、統一教会と仲良くすることに開き直るというか、顕著なものがあり、憂慮していた」と発言している<ref name="kyodo47reikanbengo"/>。また、「[[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]」の弁護団は、[[第1次安倍内閣|第1次安倍政権]]終了後の[[2007年]]頃から、教団に関連した違法行為の刑事事件化が相次いでいた一方で、[[2012年]]の[[第2次安倍内閣|第2次安倍政権]]発足後に再び刑事事件化することは少なくなったことを指摘した上で、教団に対する警察捜査に政治が圧力をかけていた可能性に言及した<ref name="businessinsider257381"/>。なお、安倍元首相襲撃直後、「(容疑者は)安倍元首相が某団体と関係があるものと思って」と発表すれば、十分にその意味が正しく伝わるにもかかわらず、奈良県警からは「安倍元首相が某団体と関係があるものと思いこんで」と、ことさら関係者らに忖度した、誤解を招くような表現内容で、事件の公式発表が行われている。結局、この発表内容は、後になって判明した事実とは全く食い違うものとなっている。

なお、安倍は選挙応援演説中の[[2022年]]7月8日に、41歳の[[海上自衛隊]]に短期在籍経験のある奈良県在住の男から銃撃を受け死亡したが([[安倍晋三銃撃事件]])、犯人の男は、母親が統一教会に多額の献金をした挙句に破産し、家庭が崩壊したことで同教団に恨みを募らせたことにより、殺害が困難な同教団幹部に代わって安倍をターゲットに犯行に及んだことを明かしている<ref>https://gendai.ismedia.jp/articles/-/97322</ref><ref>[https://www.mag2.com/p/news/511216 安倍晋三、統一教会との蜜月を笑顔でカミングアウト。イベント登壇&韓鶴子総裁を称賛で本性あらわ、「票とカネ」目的の歪な関係]</ref>。なお、犯人の男は、前日の7日、朝4時頃に世界平和統一家庭連合奈良家庭教会を銃撃している<ref>[https://news.yahoo.co.jp/articles/4fdec60360a6b1abed43275c3b74945fa754b333 母が多額寄付で破産…容疑者「怨念を抱いた宗教トラブル」]</ref>。

一連の報道を受けて、日本での会長である田中富広が2022年7月11日に記者会見をおこない、犯人の母親が信者であることを認めると共に、安倍との関連性については「[[天宙平和連合|友好団体]](UPF)が主催する行事にメッセージが送られてきたことがあり、『世界平和運動』に関しては賛意を示してくれた」としつつ、「会員や顧問になったことはない」との見解を示した<ref>{{Cite news|title=「安倍氏は会員ではない」 旧統一教会「親しみは持っていた」|newspaper=毎日新聞|date=2022-07-11|url=https://mainichi.jp/articles/20220711/k00/00m/040/167000c|access-date=2022-07-11|author=斎藤文太郎}}</ref>。

この会見について、霊感商法などの宗教問題を専門とする弁護士の[[紀藤正樹]]は、「UPFと統一教会はいわば一体の組織であって、友好団体という言い方は極めてミスリード」と述べ、「多くの信者は区別がつかない」として、田中の見解を完全に否定した<ref name=":27" />。[[2009年]]以降は教団にまつわる献金トラブルがないとの説明も、[[裁判]]の判決文を見せた上で「これは平成25年(2013年)とか27年(2015年)とか、その頃の事件の判決です。その頃でもまだ高額献金をやってた」と完全に否定する見解を示した<ref name=":27">{{Cite web|url=https://news.nicovideo.jp/watch/nw11160276|title=旧統一教会の会見「100%嘘としか言いようがない」モーニングショー紀藤弁護士の断罪に驚きの声|publisher=ニコニコニュース|date=2019-07-12|accessdate=2022-07-13}}</ref>。全国霊感商法対策弁護士連絡会も、[[2009年]]から[[2020年]]にかけて献金を含む被害を年に61件から1113件を確認しているという。[[2021年]]は47件で、被害総額は3億3153万507円という<ref name="kyodo47reikanbengo"/>。

{{main|安倍晋三銃撃事件}}

2022年7月15日、[[岩手県]]の[[達増拓也]]知事は記者会見にて安倍晋三元首相の銃撃事件に関連し、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)とその関連団体が自民党と結び付いていたことが明らかになった」と批判<ref name=":28">{{Cite web |title=「旧統一教会と結び付き」 岩手知事が自民批判 |url=https://www.sankei.com/article/20220715-MH2INATTDFPRNASN4KTJFYTF3A/ |website=産経ニュース |date=2022-07-15 |access-date=2022-07-15 |language=ja |first=SANKEI DIGITAL |last=INC}}</ref>。達増は「自民党や所属議員が団体から選挙で支援を受けている」と指摘すると共に、「政策が極端な特定の宗教団体と関連グループが法外な寄付金を集め、選挙結果や政府の政策に影響を与えている」とし、「そういう団体と深く結び付いている自民党を有権者は支持し続けてくれるのか」と自民党の姿勢を疑問視した<ref name=":28" />。

統一教会への潜入調査を行った経験を持つ中川晴久は、事件の背景には統一協会への接近について問題意識のない政治家たちへの被害者たちの憤りがあるとしながらも、統一教会と直接関係を持つのは選挙地盤が弱い小物の政治家にすぎないとしている<ref name=":24">{{Cite web |title=「統一協会と安倍元総理は関係がない」と私が言う理由 「心のレイプ」の被害者救済を |url=https://www.christiantoday.co.jp/articles/31187/20220716/unification-church-and-shinzo-abe.htm |website=クリスチャントゥデイ |access-date=2022-07-30 |date=2022-07-16 |author=中川晴久}}</ref>。しかし、自民党の元参議院議員・[[伊達忠一]]は、2016年の参議院選挙で、大物議員・安倍晋三による、直接的な教団組織票の割り振りがあったと証言している。この証言について、[[北海道大学]]大学院教授の[[櫻井義秀]]は「自民党が組織的に旧統一教会とやはり関わりを持っていたのかということがだんだん明らかになってきた」と述べている<ref>{{Cite web |title=【解説】伊達前参議院議長 安倍元総理に旧統一教会票を依頼 |url=https://www.htb.co.jp/news/archives_16834.html|website=北海道テレビ|date=2022-07-28|access-date=2022-07-30 |language=ja}}</ref>。

[[2022年]]7月17日、[[安倍晋三銃撃事件]]の犯人の男が、事件以前に「憎むのは統一教会だけだ」「オレが14歳の時、家族は破綻を迎えた」「統一教会の本分は、家族から巻き上げさせたアガリを全て上納させることだ」「統一教会は全世界の敵」などと教団への恨みを[[2019年]]から[[ツイッター]]に投稿していたとみられることが判明した<ref name=":51">{{Cite web|url=https://web.archive.org/web/20220717085323/https://nordot.app/921231206782517248|title=元首相銃撃、手紙で示唆か|publisher=共同通信|date=2022-07-17|accessdate=2022-07-17}}</ref><ref name=":52">{{Cite web |title=安倍元首相銃撃 ツイッターに「統一教会は全世界の敵」 2019年から“恨み”繰り返し投稿か |url=https://news.ntv.co.jp/category/society/660dee4fd05641cf80ad4d0d9d33066d |website=日テレNEWS |access-date=2022-07-19 |language=ja-JP |last=日本テレビ}}</ref>。また、事件の直前に[[中国地方]]に住む男性宛てに、銃撃を示唆する[[手紙]]を送付していたことが判明した。この手紙の中では、「本来の敵ではない」「あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会[[シンパ]]の一人に過ぎない」「オレが憎むのは統一教会だけだ。結果的に安倍政権に何があってもオレの知ったことではない」「安倍政権の功を認識できないのは致命的な歪み」と安倍を評価している<ref name=":51" /><ref name=":52" />。

2022年8月12日、教団は、文鮮明の死後10年にあわせて、ソウルで国際会議を開催。トランプ前政権で国務長官を務めた[[マイク・ポンペオ]]やカナダの[[スティーヴン・ハーパー]]前首相など各国の閣僚経験者が出席した。会合の冒頭、檀上のスクリーンに安倍の顔が映し出され、教団幹部が促す形で、参加者は安倍の死を悼んだ。トランプ前米国大統領は10分にわたるビデオメッセージを送り、「安倍元首相は良き友人であり、偉大な人物であった。人々は彼を懐かしむだろう。深い哀悼の意を表する」と述べた。会議の途中、安倍を追悼するセレモニーも行われた<ref>{{cite web |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/122456?display=1 | title=旧統一教会が韓国・ソウルで国際会議 安倍元総理を追悼するセレモニー、トランプ前大統領ビデオメッセージ寄せる |website=TBS NEWS DIG |publisher=TBSテレビ |date=2022-8-12 | accessdate=2022-8-12 }}</ref><ref>{{cite web |url=https://news.ntv.co.jp/category/international/bac4a0a0c9264cd299110538ed1662a6 | title=“統一教会”大規模会合 各国の閣僚経験者など出席 日本で批判の声高まる中、影響力示した形に | publisher=日テレNEWS |date=2022-8-12 | accessdate=2022-8-12 }}</ref>。

===== 一覧 =====
所属政党は2022年7月現在(物故者は死亡時の所属政党)。
; 北海道
* [[鳩山由紀夫]]([[共和党 (日本)|共和党]]、第93代内閣総理大臣、[[北海道9区]]):2004年3月に世界平和連合が開いた「救国救世全国総決起大会」に出席した<ref name="post20050422" />。[[2022年]]には、統一教会のイベントへの出席や祝電の事実を認め、[[ツイッター]]上で謝罪した<ref>{{cite tweet|author=鳩山由紀夫|number=1549658544861216769|user=hatoyamayukio|date=2022-07-20|accessdate=2022-07-20|title=2022年7月20日午後4:32のツイート}}</ref><ref>{{Cite web |title=鳩山由紀夫氏「合同結婚式で結婚したという噂は完全に嘘」ウワサを完全否定、イベント出席は謝罪 - 社会 : 日刊スポーツ |url=https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202207200000988.html |website=nikkansports.com |access-date=2022-07-22 |language=ja}}</ref>。
; 岩手県
* [[菅原喜重郎]]([[民社党]]、[[比例東北ブロック]]、[[岩手県第2区 (中選挙区)|旧岩手2区]]):2001年6月、教団側の見地から質問主意書を提出<ref>[https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a151104.htm 警視庁立川少年センター臨床心理士の発言に関する質問主意書] 質問第104号 平成13年(2001年)6月19日</ref>。関連組織の「世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)」では共同議長として活躍する<ref>{{Cite journal|和書|title=真の平和を構築できる偉大な指導者|journal=グラフ新天地|issue=2003年11月号|publisher=光言社|url=http://www.chojin.com/person/sugawara_muto.html}}</ref>。
; 福島県
* [[佐藤剛男]](自民党、[[比例東北ブロック]]([[福島1区]])):2006年3月21日、幕張メッセで開催された「天宙平和連合日本大会‐アジア太平洋島嶼国家のパートナーシップ」で祝辞を述べている<ref>{{Cite news|url=https://www.segye.com/Articles/News/Article.asp?aid=20060329000949&cid=3103000000000&dataid=200603291154000019|title=천주평화연합 조국향토 환원대회 문선명 총재 교차결혼·평화의 다리 필요성 천명|work=Segye.com|publisher=世界日報社|date=2006-04-05|language=韓国語}}{{リンク切れ|date=2012年12月}}</ref>。
; 栃木県
* [[船田元]](自民党、[[栃木1区]]、茂木派):[[天宙平和連合]]統一教会関連イベントに祝電<ref name=":59">{{Cite web |title=旧統一教会と関係ある「安倍派議員35人」のリストがコレだ! 自民党内でも圧倒的な人数|日刊ゲンダイDIGITAL |url=https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308709 |website=日刊ゲンダイDIGITAL |access-date=2022-07-23}}</ref><ref>{{Cite web |title=旧統一教会の関連団体に祝電 自民・船田氏が謝罪「不用意な行動」|政治行政,県内主要|下野新聞「SOON」ニュース|下野新聞 SOON(スーン) |url=https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/613490 |website=下野新聞 SOON |access-date=2022-07-23 |language=ja}}</ref>。かつて統一教会系の議連である[[勝共推進議員連盟]]に所属していた<ref>{{Cite web |title=船田 元 |url=https://www.facebook.com/hajime.funada/posts/pfbid01FBYDWbxRxnTBdtbcCZTD3iqry8mSY4e78b3b6mLaaNzCxSEepWi3kiZFXCwG7SNl |website=www.facebook.com |access-date=2022-07-24 |language=ja}}</ref>。
* [[渡辺美智雄]](自民党、[[栃木県第1区 (中選挙区)|旧栃木1区]]):信者(6000双)を秘書に起用しており、この秘書は後に[[第39回衆議院議員総選挙|衆院選]]へ立候補し自民党が公認。同僚議員にはセミナーの受講を勧めたとされる<ref name="gendai19990227" />。
; 群馬県
* [[福田赳夫]](自民党、第67代内閣総理大臣、[[群馬県第3区 (中選挙区)|旧群馬3区]]):政治家の西宮弘は、[[文芸春秋]]の記事(答弁では何年のどの号であるかの言及はなく、どの記事か同定不能)によると、1974年5月7日の「希望の日」晩餐会の祝辞で「アジアに偉大な指導者あらわる、その名は文鮮明、私はこのことをうかがいまして久しいのですが、今日は待ちに待ったその文先生と席を同じくし、又ご高邁なるご教示瀬戸山国務大臣(当時)に対し、にあずかりまして、本当に今日はいい晩だなあと、気が晴ればれとしました」に始まって、最後の結びは「文先生、ほんとうにりっぱなお話をうけたまわりありがとうございました」であったと述べている<ref name="syu19770406">第080回国会 衆議院 法務委員会 第8号 昭和52年(1977年)4月6日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/080/0080/08004060080008c.html 議事録])</ref> 昭和53年(1978年)の第84回国会法務委員会で、政治家の[[横山利秋]]は、瀬戸山国務大臣に対し、文鮮明と福田赳夫は、「ごあいさつが終わった後、文鮮明氏と、これ見えますか、ごらんのようにかたく抱き合っておる、抱擁しておるのであります。当時の大蔵大臣、現在の内閣総理大臣福田赳夫さんが文鮮明氏と、これ以上は抱き合えないくらいに男と男が抱き合った。」と述べ、両者の関係を問い詰めている<ref name="syu19780419">第084回国会 衆議院 法務委員会 第18号 昭和53年(1978年)4月19日([https://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/084/0080/08404190080018c.html 議事録])</ref>。
* [[中曽根康弘]](自民党、第71、72、73代内閣総理大臣、旧群馬3区):文鮮明や[[朴普煕]]が来日した際に会談した<ref group="注釈">1992年3月31日に文鮮明と会談。1994年8月17日の[[朴普煕]]との会談では文鮮明訪朝に関する報告を受けた。{{要出典|date=2016年2月}}</ref>。1992年の3万組合同結婚式へ祝辞を寄せており [http://www.chojin.com/history/30000.htm]、2004年には世界平和連合の大会で講演<ref>{{Cite news|url=http://www.chojin.com/nippo/nippo0403023.htm|title=憲法改正し「平成維新」を 日中韓首脳会談定例化を提案|newspaper=世界日報|date=2004-03-23}}</ref>。{{要出典|範囲=2006年の天宙平和連合‐祖国郷土還元日本大会にも祝電を送っている。|date=2016年2月}}
; 千葉県
* [[猪口邦子]](自民党、元[[少子化担当相]]、[[千葉県選挙区]]、麻生派):統一教会関連イベント出席、会報誌に対談記事掲載<ref name=":59" />。
; 神奈川県
* [[菅義偉]] (自民党、第99代内閣総理大臣、[[神奈川2区]]、無派閥):元[[首相]] 統一教会の金起勲(キムギフン)北米大陸会長を官邸に招待し、面会した<ref name=":59" /><ref name=":60">{{Cite web |title=旧統一教会幹部ご一行を“歓迎”した菅官房長官、高村副総裁らの思惑〈週刊朝日〉 |url=https://dot.asahi.com/wa/2017071200011.html |website=AERA dot. (アエラドット) |date=2017-07-13 |access-date=2022-07-23 |first=The Asahi Shimbun |last=Company}}</ref>。
* [[山本朋広]] (自民党、[[神奈川4区]]、菅義偉G):[[2016年]]2月15日、関連団体の[[天宙平和連合]](UPF)が[[世界平和国会議員連合]](IAPP)を創設。同年11月、日本のIAPP創設大会が参議院議員会館で開催されるが、同大会には当時の閣僚5人を含む63人の国会議員が参加。山本もその中に含まれていた<ref name="nihonokowashita-116-118">{{Cite book|和書 |author=ハーバー・ビジネス・オンライン編集部編著 |title=日本を壊した安倍政権 |publisher=[[扶桑社]] |date=2020-12-2 |pages=116-118 |isbn=978-4594086749 }}</ref><ref>{{Cite web |title=「安倍氏は三代にわたって付き合いがあった」マスコミが書かない○○容疑者・統一教会・自民党をつなぐ点と線 |url=https://president.jp/articles/-/59539 |website=PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) |date=2022-07-13 |access-date=2022-07-14 |language=ja}}</ref>。2017年2月、UPFは韓国のソウルで「第4回ワールドサミット」を開催<ref>{{cite web |url=https://www.telepathy.asia/2017.html | title=韓国ワールドサミット2017 | publisher=世界文化体育大典 |date= | accessdate=2022-7-16 }}</ref>。同時に開催されたIAPPの総会に山本は[[武田良太]]や[[柳本卓治]]とともに参席し<ref name="nihonokowashita-116-118"/>、[[韓鶴子]]総裁から統一教会を国の宗教にするという「国家復帰指令」を受任した<ref name="hbol2020119-p2">{{cite web |author=[[藤倉善郎]] |url=https://hbol.jp/231818/2 |title=統一教会系閣僚9人。安倍政権と変わらぬ菅政権の「新宗教・スピリチュアル・偽科学」関係(2/3ページ) |website=ハーバー・ビジネス・オンライン |date=2020-11-9 |accessdate=2022-7-26 |archivedate=2020-11-9 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20201109093643/https://hbol.jp/231818/2 }}</ref>。同年5月14日、旧統一教会のイベント『孝情文化フェスティバル in TOKYO』に来賓として出席し、韓総裁に[[カーネーション]]の花束をプレゼントした。その際の挨拶で「日頃より世界平和統一家庭連合の徳野会長、また世界平和連合の太田会長を始め本当に皆様には我々[[自由民主党 (日本)|自民党]]に対して大変大きなお力をいただいていますことを改めて感謝を申し上げたいと思います。おかげさまで[[安倍政権]]も5年目を迎えまして『長期安定政権』そのように評価をいただいているところでございます」と述べた<ref>{{Cite web |title=やや日刊カルト新聞: 「答える必要がない」「質問はお断り」統一教会(家庭連合)イベントで来賓挨拶した自民党国会議員が取材拒否 |url=https://dailycult.blogspot.com/2017/06/blog-post_28.html |website=やや日刊カルト新聞 |date=2017-06-07 |access-date=2022-07-13 |author=鈴木エイト}}</ref>。同年7月、山本、武田良太、[[竹本直一]]、[[御法川信英]]、[[穴見陽一]]ら国会議員団は教団幹部とともに渡米、外遊を行った<ref name="nihonokowashita-116-118"/>。2018年10月25日、「国際勝共連合創立50周年記念大会」が[[ザ・キャピトルホテル 東急]]で開催。この集会にも出席した<ref>{{cite web |url=https://www.ifvoc.org/news/ifvoc50th/ | title=創立50周年大会に議員・有識者ら500人が結集 | publisher=[[国際勝共連合]] |date=2018-11-13 | accessdate=2022-7-16 }}</ref><ref name="nihonokowashita-116-118"/>。同年12月、統一教会の関連団体の[[平和大使協議会]]はUPFの後援を受けて、かながわ労働プラザで「アフリカビジョンセミナー」を開催。山本はこのセミナーで来賓挨拶をした。
* [[田中和徳]](自民党、元[[復興相]]、[[神奈川10区]]、麻生派):川崎駅構内で統一教会の機関紙「[[世界日報]]」を名刺とともに配布<ref name=":59" /><ref name=":60" />、統一教会の金起勲(キムギフン)北米大陸会長と自民党本部で面会。統一教会関連イベントに出席<ref name=":60" />。
* [[山際大志郎]] (自民党、元[[経済再生担当相]]、[[神奈川18区]]、麻生派):統一教会関連イベント来賓、祝電<ref name=":59" />。
* [[小林温]](自民党、[[神奈川県選挙区]]):[[天宙平和連合]]イベントに祝電<ref name=":61" />。
; 東京都
* [[下村博文]](自民党、元[[文部科学相]]、[[東京11区]]、安倍派):統一教会関連イベント出席、世界日報社から献金<ref name=":59" />。統一教会幹部が2014年6月に文科大臣だった下村へ陳情を行い、同幹部は下村の後援組織が主催した政治資金パーティーのパーティ券も購入していた。統一教会の改称を認めた当時の文部科学省の大臣だったにも関わらず、改称への関与を否定している<ref>{{Cite web |title=下村博文氏 旧統一教会の改称に関与を全否定も…関連団体との“親密交流”報道で説明求める声(女性自身) |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/cc3b5a878460c2b8938f157a976c9ea6cb3bc0ac |website=Yahoo!ニュース |access-date=2022-07-23 |language=ja}}</ref>。
* [[萩生田光一]] (自民党、[[経済産業相]]、[[東京24区]]、安倍派):統一教会関連イベントで来賓祝辞<ref name=":59" />。
* [[井上信治]] (自民党、元[[万博担当相]]、[[東京25区]]、麻生派):関連団体に会費支払い<ref name=":59" />。
* [[松下正寿]](民社党、[[東京都選挙区]]):''[[松下正寿#人物]]を参照''
* [[吉田公一]](民主党、[[比例東京ブロック]]):有田芳生は、吉田が統一教会が後援するデモ隊から請願書を受け取っており統一教会を支援している議員と述べている<ref name="arita" />。
; 富山県
* [[野上浩太郎]](自民党、元[[農林水産相]]、[[富山県選挙区]]、安倍派):統一教会関連イベントに祝電<ref name=":59" />。
* [[長勢甚遠]](自民党、[[比例北信越ブロック]]([[富山1区]])、町村派):[[天宙平和連合]]イベントに祝電<ref name=":61">{{Cite web |title=統一教会のダミーに祝電「54人政治家リスト」出回る |url=https://facta.co.jp/article/200609047.html |website=FACTA ONLINE |access-date=2022-07-23 |language=ja}}</ref>。
; 石川県
* [[馳浩]](石川県知事):[[天宙平和連合]]イベントに祝電<ref name=":61" />。
; 福井県
* [[稲田朋美]](自民党、[[福井1区]]、安倍派):2006年4月、教団の関連団体「世界平和女性連合(WFWP)‐福井県連合会」が開いた春のつどいに出席<ref>{{Cite web|url=http://www.inada-tomomi.com/katsudou/m_2006060302.html|title=稲田朋美:|work=INADA Tomomi Official Homepage|date=2006-04|accessdate=2012-6-10}}</ref>。2009年11月には同じく教団関連団体である世界平和連合(FWP)の福井県大会で演説<ref>{{Cite web|url=http://www.inada-tomomi.com/katsudou/2009images/20091129b.jpg|title=稲田朋美:活動報告|work=INADA Tomomi Official Homepage|date=2009-11|accessdate=2012-6-10}}</ref>。2010年4月にも前記「女性連合」の催しで講演した<ref>{{Cite web|url=http://www.inada-tomomi.com/katsudou/2010images/20100424b.jpg|title=稲田朋美:活動報告|work=INADA Tomomi Official Homepage|date=2010-04|accessdate=2012-6-10}}</ref>。
* [[高木毅]](自民党、元国対委員長、[[福井2区]]、安倍派):統一教会関連イベントに祝電<ref name=":59" />。
* [[杉本達治]]([[福井県知事]]):[[愛知県国際展示場]]([[常滑市]])で開催された「孝情文化祝福フェスティバル」に祝電を送った<ref name="gendai220718"/>。
; 長野県
* [[小坂憲次]](自民党、元文部科学相、[[長野1区]]、[[石破派]]):[[天宙平和連合]]イベントに祝電<ref name=":61" />。
; 愛知県
* [[池田佳隆]](自民党、[[比例東海]]([[愛知3区]])、安倍派):大規模集会に来賓として出席し、祝辞を述べた<ref>{{cite web |author= |url=http://dailycult.blogspot.com/2017/11/blog-post_16.html | title=統一教会・家庭連合の大規模フェスティバル・愛知大会に同県選出の自民党国会議員が多数出席 | publisher=やや日刊カルト新聞 |date=2017-11-16 | accessdate=2022-7-26 }}</ref><ref>{{cite web |url=https://unificationnews.jp/news/11613 | title=名古屋で盛大に4万名大会「孝情文化祝福フェスティバル」開催 | publisher=[[世界平和統一家庭連合]] |date=2019-10-23 | accessdate=2022-07-13 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200611213813/https://unificationnews.jp/news/11613|archivedate=2020-06-11}}</ref><ref name="nihonokowashita-116-118">{{Cite book|和書 |author=ハーバー・ビジネス・オンライン編集部編著 |title=日本を壊した安倍政権 |publisher=[[扶桑社]] |date=2020-12-2 |pages=116-118 |isbn=978-4594086749 }}</ref>。
* [[工藤彰三]](自民党、[[愛知4区]]、麻生派):[[中日新聞]]の取材に対し、教団関連の政治活動団体「[[世界平和連合]]」に以前から選挙応援を受けてきたと説明<ref name="chunichi20220726">中日新聞2022年7月26日朝刊、社会29面。</ref>。団体側も工藤を選挙で支援してきた事実を認めた。工藤は「政治家としての付き合い」と前置きした上で、教団側が掲げる「[[反共主義]]」と「意識が同じでお付き合いをしている」と説明し、教団関連の別のイベントでもスピーチをしたと述べた。教団側とは[[国会議員]]になる前に知人を介して知り合ったとし、選挙では「人を出してもらい電話をかけてもらうなど、とても助かっている」と話した。教団は[[霊感商法]]などを巡りトラブルが表面化した過去もあるが、工藤は「破壊的な[[カルト]]や[[反社]]と認定されている団体なら付き合わないが、決してそういうわけではない」と指摘。今後の付き合いについて「'''お付き合いしていくつもり'''」と語った<ref>{{cite news|title=自民党議員「反社会的勢力ではないのでお付き合いしていくつもり」「何が問題かよくわからない」旧統一教会との関係めぐる発言に批判の声も|url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/109647|date=2022-07-30|publisher=TBS NEWS DIG}}</ref>。
* [[江崎鉄磨]](自民党、元[[沖縄北方相]]、[[愛知10区]]、二階派):統一教会関連イベントに祝電<ref name=":59" />。
* [[大村秀章]]([[愛知県知事]]):2022年7月22日、大村が2019年10月6日に[[愛知県国際展示場]]([[常滑市]])で開かれた世界平和統一家庭連合(旧[[統一教会]])関連イベント「孝情文化祝福フェスティバル」<ref>{{cite web |url=https://unificationnews.jp/news/11613 | title=名古屋で盛大に4万名大会「孝情文化祝福フェスティバル」開催 | publisher=[[世界平和統一家庭連合]] |date=2019-10-23 | accessdate=2022-07-13 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200611213813/https://unificationnews.jp/news/11613|archivedate=2020-06-11}}</ref>に対して送った[[祝電]]が教団トップの[[韓鶴子]]総裁を礼賛する内容に書き換えられたとして、大村の事務所が教団側に抗議していたことが分かった<ref>中日新聞2022年7月24日朝刊、社会29面。</ref><ref name="jiji220725">{{Cite web |title=旧統一教会、祝電書き換え 「極めて不愉快」―愛知知事|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2022072500401&g=soc |website=時事通信 |date=2022-07-25 |access-date=2022-07-26 |language=ja}}</ref>。
* [[禰宜田政信]]([[碧南市]]長):愛知県知事大村秀章に統一教会イベントへの祝電を依頼した<ref name="mainichi202207222249">{{cite web |author=酒井志帆、山下俊輔、森田采花、川瀬慎一朗 |url=https://mainichi.jp/articles/20220722/k00/00m/010/430000c | title=「旧統一教会が祝電を改ざん」愛知知事が抗議 式典祝いを総裁賛美に | publisher=毎日新聞 |date=2022-7-22 | accessdate=2022-7-23 }}</ref>。祝電の依頼やその改竄について「わからない」「知らない」と答え、自身が信者かどうかは「ノーコメント」と説明している<ref name="jiji220725"/>。
* [[山田拓郎]]([[犬山市]]長):2019年から2021年にかけて旧統一教会や関連団体の行事に合わせて4回参加し、市政報告や挨拶をした<ref>{{Cite news |title=旧統一教会が関係する行事に4回参加 愛知・犬山市の山田拓郎市長「認識の甘さを大変反省している」 |newspaper=メ~テレ |date=2022-08-25 |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/c3c2ca6564cbc0095988906ecf3e402ab8481d68 |access-date=2022-08-25}}</ref><ref>{{Cite news |title=愛知・犬山市長、旧統一教会系イベントに出席 市の後援名義使用も |newspaper=朝日新聞デジタル |date=2022-08-25 |url=https://www.asahi.com/articles/ASQ8T0BFFQ8SOIPE01C.html |access-date=2022-08-25}}</ref><ref>{{Cite news |title=「認識が甘く反省している…」 愛知・犬山市の山田拓郎市長 旧統一教会関連行事に4回参加「今後は一線を引く」 |newspaper=TBS NEWS DIG |date=2022-08-25 |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/134780?display=1 |access-date=2022-08-25}}</ref>。このうち1回は犬山市と市教育委員会が後援名義の使用を許可しており、市などは同月22日に後援を取り消した。また、犬山市は2018年から4年間に渡り教会の関連団体からあわせて35万円の寄付金を受け取り、図書の購入費などに充てていた。山田は「公職者が接点をもつことで、公的に(団体を)奨励するかのような印象を世間に与えてしまう」として謝罪、今後は「組織とは一線を引いて対応したい」とした。
* 天野正基(国民民主党、[[愛知県議会]]議員):「孝情文化祝福フェスティバル」に参加<ref>{{Cite news | url = https://news.yahoo.co.jp/articles/0a161e473cbc3fc0fb59037e949d5aff41eaf8fa | title = 有田芳生氏、旧統一教会イベントに夫婦で参加の愛知県議「信者にカウントされてる」 | publisher = [[デイリーニュース]] | date = 2022-07-26 | accessdate = 2022-07-27 }}</ref>。すでに結婚している夫婦が改めて永遠の愛を誓う「既成祝福式」の代表として夫婦で登壇し、韓鶴子に贈り物を捧げた。翌日の会合では韓を「お母さま」と呼び、「私の議員活動が他の議員の祝福につながるようしっかりと活動してまいることを誓いまして私からの祝意とさせていただきます」などと挨拶した。
* [[青山丘]]([[国民新党]]、比例東海、([[愛知7区]])):[[2006年]][[5月18日]]の天宙平和連合‐祖国郷土還元名古屋大会に出席。2010年12月3日、“拉致監禁”<ref name="dakkai" group="注釈">教団は信者の家族や弁護士、キリスト教牧師などによる脱会支援活動を「拉致・監禁」と呼び非難する{{要出典|date=2016年2月}}。</ref> 反対を訴える決起集会「守れ!日本の人権・信教の自由」では来賓として挨拶した<ref>{{Cite web|url=http://www.ucjp.org/?p=4756
|title=信教の自由を訴える全国一斉デモ|publisher=世界基督教統一神霊協会|work=統一教会公式ホームページ|accessdate=2011-03-06}}</ref>。
* [[鈴木政二]](自民党、元官房副長官、[[愛知県選挙区]]):[[天宙平和連合]]イベントに祝電<ref name=":61" />。
; 静岡県
* [[細野豪志]](自民党、元環境相、[[静岡5区]]、二階派):統一教会機関紙にインタビュー掲載、統一教会関連団体より献金<ref name=":59" />。
; 三重県
* [[鈴木英敬]](自民党、[[三重4区]]、安倍派):三重県知事時代に[[愛知県国際展示場]](同県常滑市)で開催された「孝情文化祝福フェスティバル」に祝電を送った<ref name="gendai220718">{{Cite web |title=【独自】統一教会・名古屋4万人イベントの内部写真《来日した韓鶴子総裁と、礼賛した有名政治家たち》(現代ビジネス編集部) @gendai_biz |url=https://gendai.ismedia.jp/articles/-/97491 |website=現代ビジネス |access-date=2022-07-18 |language=ja}}</ref>。
* [[中川正春]](立憲民主党、元文部科学相、比例東海([[三重2区]])):統一教会関連イベントに祝電<ref name=":59" />。
; 京都府
* [[二之湯智]](自民党、第98・99代[[国家公安委員会委員長]]、[[京都府選挙区]]元参議院議員、[[茂木派]]・[[宏池会 (谷垣派)|谷垣グループ]]):2018年に関連団体が開催した[[京都府]]のイベント「ピースロード」の実行委員長を務め、壇上で挨拶を述べた<ref>{{Cite web |url=https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/843797 |title=旧統一教会系イベントで実行委員長、あいさつも 二之湯智国家公安委員長が認める|publisher=[[京都新聞]] |date=2022-07-26 |access-date=2022-07-26}}</ref>。
* [[前原誠司]]([[国民民主党]]、元[[外相]]、[[京都2区]]):統一教会傘下の[[ワシントン・タイムズ]]に全面意見広告を掲載<ref name=":59" />。
; 大阪府
* [[足立康史]]([[日本維新の会 (2016-)|日本維新の会]]、[[大阪9区]]):統一教会関連団体の[[世界戦略総合研究所]]で講演をしていた<ref name=":62">{{Cite web |title=ひろゆき氏〝統一教会問題〟巡り3議員斬り「嘘をついていた」「ズブズブ」「不勉強」 – 東京スポーツ新聞社 |url=https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/4338587/ |website=東スポWeb |access-date=2022-07-23 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=https://twitter.com/adachiyasushi/status/1546848293002821632 |url=https://twitter.com/adachiyasushi/status/1546848293002821632 |website=Twitter |access-date=2022-07-24 |language=ja}}</ref>。
* [[藤田文武]](日本維新の会幹事長、[[大阪12区]]):過去に関連団体のイベントに参加<ref name="維新"/>。
* [[馬場伸幸]](日本維新の会共同代表、[[大阪17区]]):過去に関連団体のイベントに参加<ref name="維新">{{Cite web|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/0f20ecf4588983e98c63fba6c00cad0e2e32d1bc |title=旧統一教会と政界の関わりが表面化 維新議員も次々と…関連団体のイベントに参加 |website=Yahoo!ニュース |date=2022-07-25 |accessdate=2022-07-26}}</ref>。
* [[松井一郎]](日本維新の会、[[大阪市長]]):日本維新の会代表:統一教会の集会に出席していた<ref>{{Cite web |title=政治と旧統一教会の関係に注目…自民とは歴史的つながり、野党も集会出席や寄付など明らかに |url=https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220722-OYT1T50230/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-07-22 |access-date=2022-07-24 |language=ja}}</ref>。
; 兵庫県
* [[山口壮]](自民党、元[[環境相]]、[[兵庫12区]]、二階派):統一教会関連イベントに祝電<ref name=":59" />。
* [[末松信介]](自民党、文部科学相、[[兵庫県選挙区]]、安倍派):統一教会関係者が2020年、2021年に4万円分の政治資金パーティー券を購入していた<ref>{{Cite web |title=政治と旧統一教会の関係に注目…自民とは歴史的つながり、野党も集会出席や寄付など明らかに |url=https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220722-OYT1T50230/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-07-22 |access-date=2022-07-24 |language=ja}}</ref>。
; 奈良県
* [[高市早苗]](自民党、元[[総務相]]、[[奈良2区]]、無派閥):[[天宙平和連合]]イベント「祖国郷土還元日本大会」に祝電<ref name=":59" />。分派の[[サンクチュアリ教会]]が自民党総裁選で高市を支持する街宣を行った<ref>{{Cite web |title=統一教会から分派「サンクチュアリ教会」指導者が来日 文鮮明7男は集会でアブナイ発言を連発(デイリー新潮) |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/028b9c99425ff2656c4306f94f727d752b4cce9b |website=Yahoo!ニュース |access-date=2022-07-23 |language=ja}}</ref>。
; 鳥取県
* [[石破茂]](自民党、元[[幹事長]]、[[鳥取1区]]):統一教会関連イベントで講演、祝電、機関紙社長から献金<ref name=":59" />。
; 島根県
* [[細田博之]](自民党、[[衆議院議長]]、[[島根1区]]):[[2019年]]に、[[韓鶴子]]が出席した関連団体の会合「国際指導者会議」に出席、内容を安倍晋三に伝えるとしたうえで、韓をほめたたえるスピーチを行った<ref>{{cite news|title=“統一教会”系の会合に自民党重鎮の姿…政界との関係どこまで? 苦しみ続ける元信者「地獄への恐怖」今でも…|url=https://news.ntv.co.jp/category/society/48d1476630564a10962c3ce90f15583c|publisher=日テレニュース|date=2022-07-24|publisher=日テレニュース}}</ref>。
* [[竹下亘]](自民党、[[島根2区]]、竹下派):2012年4月29日に開かれた「アジアと日本の平和と安全を守る島根県フォーラム設立大会」に来賓として参加し祝辞を述べた<ref>{{Cite web|url=http://www.globalfamily.jp/aptf-s/news/12-1.html#120429|title=アジアと日本の平和と安全を守る島根県フォーラム設立大会|date=2012年4月29日|author=APTF島根 真の家庭運動推進協議会|work=「家庭は愛の学校」|accessdate=2014-4-15}}</ref>。
; 岡山県
* [[逢沢一郎]]([[自民党]]、[[岡山1区]]、谷垣G):[[2018年]]、岡山県で開かれた関連団体の会合に出席。豪雨被害の寄付を行った韓鶴子をほめたたえた<ref>{{cite news|title=“統一教会”と政治家 2年前設立の議員連合“顧問”に関連団体「議長」も… 名簿を入手|url=https://news.ntv.co.jp/category/politics/c94c389c96874b70b9beb2d81f5f563a|date=2022-07-25|publisher=日テレニュース}}</ref>。
* [[山下貴司]](自民党、元[[法相]]、[[岡山2区]]、無派閥):統一教会関連イベントに祝電<ref name=":59" />。
* [[加藤勝信]](自民党、元[[内閣官房長官]]、[[岡山5区]]、茂木派):厚労大臣在職中に秘書が統一教会関連イベント代理出席<ref name=":59" />。
; 広島県
* [[中川秀直]](自民党、[[比例中国ブロック]]([[広島4区]])、無派閥):2012年7月30日に古参信者が代表を務める団体「世界戦略総合研究所」が開いたシンポジウムに参加<ref name="sekaisoken" />。2006年5月14日に開かれた天主平和連合(UPF)祖国郷土還元広島大会には祝電を送っている<ref>{{Cite web|url=https://www.stopreikan.com/shiryou/shiryo_20060706.htm|title=公開質問状 文部科学大臣,埼玉県.宮城県知事 他へ|publisher=全国霊感商法対策弁護士連絡会|date=2006-07-06|accessdate=2014-04-15}}</ref>。
; 山口県
* [[高村正彦]](自民党、[[山口1区]]、麻生派):政治家の[[中村敦夫]]は、平成10年(2008年)の第143回国会法務委員会で、「高村はかつて統一教会の代理人であり、ハッピーワールドから時価380万円のセドリックを提供されている」と述べている<ref name="san19980922" />。かつては勝共推進議員であったが、[[外務大臣 (日本)|外務大臣]]に就任した年の[[週刊ポスト]](1998年12月4日号)紙上では統一教会との関係について、[[冷戦]]構造下において[[共産主義]]反対というところで一致していただけで統一教会の[[弁護士]]をやめる際に今後は一切相談は受けないと申し入れたこと、統一教会の教祖[[文鮮明]]に対して[[査証|ビザ]]発給などで便宜を図ったことはないこと、[[1999年]]の入国に協力するつもりはないこと、などを語っている<ref name="shupost1998120401">[[週刊ポスト]] 1998年12月4日号</ref>。また[[週刊現代]](1999年2月27日号)が1999年に行った国会議員への[[アンケート]]に対しては、「弁護士としての関係がかつてあったが、今は何の関係もない」と回答している<ref name="shugendai1999022701">[[週刊現代]] 1999年2月27日号</ref>。
* [[岸信夫]](自民党、第21 - 23代[[防衛大臣]]、[[山口2区]]、安倍派):安倍晋三の実弟で岸信介の孫。2022年7月26日の記者会見で、統一教会との関係について「付き合いもあり、選挙の際もお手伝いをいただいている。電話作戦等々、ボランティアでお手伝いをいただいたケースはあると思う」「選挙だから支援者を多く集めることは必要だと思う」「統一教会に手伝ってもらったというよりは、メンバーの方にお力をいただいたということだ」と述べた<ref>[https://mainichi.jp/articles/20220726/k00/00m/010/080000c 岸防衛相、旧統一教会メンバーと「付き合い」認める 選挙手伝いも]2022年7月26日、毎日新聞。2022年7月26日閲覧</ref>。
* [[安倍晋三]](自民党、第90、96 - 98代内閣総理大臣、[[山口4区]]、安倍派):[[岸信介]]の孫。''[[#安倍晋三との関係]]を参照''
* [[北村経夫]](自民党、[[山口県選挙区]]、安倍派):世界平和連合から支援を受けている<ref>{{Cite news | url = http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201308150478.html | title = 参院選で自民候補支援の宗教団体、靖国参拝に賛否 | publisher = [[朝日新聞]] | date = 2013-08-16 | accessdate = 2013-10-17 }}金曜日朝刊第3面記事</ref>。初出馬した2013年の[[第23回参議院議員通常選挙]]では、安倍が北村の選挙応援を教団に依頼<ref>{{Cite news | url = https://news.yahoo.co.jp/articles/05a36e1c1a1d3878b4c1df47547a7a2d21726485 | title = 統一教会の政界汚染、支援対象は「安倍さんの一存だった」 恩恵を受けた子飼い議員の名 | publisher = [[デイリー新潮]] | date = 2022-07-27 | accessdate = 2022-07-27 }}金曜日朝刊第3面記事</ref>。教団内部文書には「首相からじきじきこの方(北村)を後援してほしいとの依頼」「まだCランクで当選には遠い状況です」「今選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の『死活問題』です」などとあった。2019年の[[第25回参議院議員通常選挙]]でも統一教会内部で北村を応援するビラが出回っていた。北村の事務所は「旧統一教会から支援を受けたことも、見返りを求められたこともありません」と否定している。しかし、当時、選挙事務所のスタッフだった近藤将勝は北村が団体の支援を受けていたと証言したほか、「世界平和連合」も「弊団体が北村経夫氏を支援したことは事実です」と支援を認めた<ref name="biglove220727">{{Cite news | url = https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0727/tbs_220727_5632039376.html | title = 教会での集会・選挙スタッフも教団側から派遣 元選挙スタッフが証言 現職閣僚と教団との関わりも次々と明らかに…岸防衛大臣「選挙の際はお手伝い頂いた」 | publisher = [[BIGLOBEニュース]] | date = 2022-07-27 | accessdate = 2022-07-27 }}</ref>。同年、UPF主催の会合に出席<ref>{{cite video|title=【独自取材】元選挙スタッフ語る“旧統一教会とのつながり” 友好団体「支援は事実」(2022年7月24日)|url=https://www.youtube.com/watch?v=cAlQquCJtt4|date=2022-07-25|publisher=ANNnewsCH}}</ref>。
* [[岸信介]](自民党、第56、57代内閣総理大臣、[[山口県第2区 (中選挙区)|旧山口2区]]):日本における勝共連合設立の中心人物の一人<ref name="sekaisyukyojiten" />。文鮮明が米国で投獄されると「宗教の自由」を侵した過ちであるとし、釈放を求める意見書を米大統領に提出 [http://www.chojin.com/danbury/kishisyojou.htm]。自宅と教団本部は隣接していた<ref>{{cite news|title=What Is the Unification Church and How Is It Related to Shinzo Abe's Assassination?|url=https://www.nbcnewyork.com/news/national-international/unification-church-at-center-of-abe-assassination-under-increased-scrutiny/3775817/|date=2022-07-15|publisher=nbcnewyork}}</ref>。文鮮明や[[久保木修己]]とも会談しており、ときには[[松濤]]本部を訪ねて信者を激励するなど日本統一教会(協会)草創期からの熱心な賛同者である<ref name="boseikokka">{{Cite book|和書|author=久保木修己|year=1996|title=愛天愛国愛人: 母性国家日本のゆくえ|publisher=世界日報社|isbn=9784882010609}}</ref>。
; 徳島県
* [[後藤田正純]](自民党、[[比例四国]](徳島1区)、茂木派):下部団体の天宙平和連合が主催した、文鮮明の三男である文顕進との昼食会に出席。本人もそれを認めている<ref>週刊新潮 2008-12-04 「『文鮮明の息子』と会った『猪木・ボビー・後藤田正純』」</ref>。
; 愛媛県
* [[井原巧]](自民党、[[愛媛3区]]、安倍派):世界平和連合の支援を受ける。2013年5月には、愛媛県内のホテルで、同連合は「井原巧先生を励ます会」を開催した<ref>「統一教会が全面支援した自民党候補者参院選から見えた政権とカルトの歪な関係」フォーラム21、2013年9月号</ref>。
* [[白石徹]](自民党、[[愛媛3区]]、麻生派):教団の関連団体である「アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム」東予地区の世話人を務め<ref>{{Cite web|url=http://ai-yume-kando.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-2e50.html|title=アジアと日本の平和と安全を守るフォーラム|date=2012年1月30日|author=白石徹|work = 白石とおる ホームページ|accessdate=2014-4-15}}</ref>、同じく関連団体の平和大使協議会(AAP)では平和大使に任命されている<ref>{{Cite web|url=http://ai-yume-kando.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-0c1e.html|title=平和大使セミナー|date=2012年1月18日|author=白石徹|work = 白石とおる ホームページ|accessdate=2014-4-15}}</ref>。また、世界平和連合(FWP)は白石の後援会「愛和会」を設立しており、同会は応援歌「ラブ、ラブ、ラブ」の合唱で締めくくられる<ref>{{Cite web|url=http://ai-yume-kando.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-908b.html|title=愛和会、発会式|date=2012年9月23日|author=白石徹|work = 白石とおる ホームページ|accessdate=2014-4-15}}</ref>。他にも、真の家庭運動推推進議会(APTF)が開くクリスマスパーティーや原理復興文化祭などに通う<ref>{{Cite web|url=http://ai-yume-kando.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-bb1f.html|title=クリスマスパーティー|date=2011年12月27日|author=白石徹|work = 白石とおる ホームページ|accessdate=2014-4-15}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://ai-yume-kando.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-6257.html|title=世界平和は家庭から|date=2010年12月24日|author=白石徹|work = 白石とおる ホームページ|accessdate=2014-4-15}}</ref>。
* [[磯崎仁彦]](自民党、元[[内閣官房副長官]]、[[香川県選挙区]]、岸田派):統一教会関連イベント「ピースロード」に参加<ref name="biglove220727"/>。
; 高知県
* [[中谷元]](自民党、元[[防衛相]]、[[高知1区]]、谷垣G):統一教会関連媒体にインタビュー掲載。統一教会関連イベントに祝電<ref name=":59" />。
* [[福井照]](自民党、[[比例四国ブロック]](高知1区)、二階派):2002年1月、世界平和連合‐高知県連合会結成大会に数人の自民党議員と出席<ref>{{Cite news|url=http://www11.ocn.ne.jp/~jcpkochi/minpo/touitukyokai.htm|title=福井照衆議院議員(自民)が統一教会集会に出席|newspaper=KOCHI-MINPO.ONLINE|publisher=高知民報社|date=2002-05-05}}</ref>。2006年5月には天宙平和連合‐祖国郷土還元高松大会へ祝電を送っている<ref>{{Cite news|url=http://www11.ocn.ne.jp/~jcpkochi/minpo/topic/2006/060620fukui.htm|title=福井照・衆院議員(高知1区) カルト教団・統一教会集会に祝電 天宙平和連合祖国郷土還元高松大会|newspaper=KOCHI-MINPO.ONLINE|publisher=高知民報社|date=2006-06-20}}</ref>。
; 福岡県
* [[山崎拓]](自民党、[[福岡2区]]):2002年4月に女性信者とのスキャンダルを週刊誌で報じられ<ref>{{Cite journal|和書|title=山崎拓幹事長も証人喚問せよ 『夜這い不倫OL』は統一教会ホームにいた!--『サタン血統根絶』のステッカーが…|journal=週刊文春|pages=30-34|issue=2002年4月4日号|publisher=文藝春秋社}}</ref> 訴訟へと発展<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20031008095554/http://www.asahi.com/national/update/0908/013.html|title=山崎拓氏、文春に敗訴 交際報道「違法性なし」|newspaper=asahi.com|publisher=朝日新聞社|date=2003-09-08}}</ref>。2005年の天宙平和連合‐福岡大会には祝電を打っている<ref>{{Cite web|title=종교·민족·인종의 벽 넘어 평화세계 건설 매진해야|newspaper=세계일보|publisher=한국신학마당|date=2005-10-04|accessdate=2012-08-31|url=http://theologia.kr/zeroboard/zboard.php?id=idan&page=9&page_num=50&select_arrange=vote&desc=&sn=off&ss=on&sc=on&keyword=&category=&no=408|language=韓国語}}</ref>。
* [[麻生太郎]](第17代[[自民党副総裁]]、第92代[[内閣総理大臣]]、[[福岡8区]]、麻生派):過去に教団機関紙の思想新聞に名刺広告を出している<ref name="booklet">霊感商法の勝共連合=統一教会(日本共産党中央委員会出版局 1987年10月)ISBN 978-4530042204</ref>。警視庁の内部資料からは信者を秘書に起用していたことが発覚<ref name="gendai19990227" />。2011年5月10日付の米紙[[ワシントン・タイムズ]]には、妻・[[麻生ちか子|千賀子]]や安倍晋三らと共に全面意見広告を掲載<ref name="WT20110511">{{Cite web|url=http://jetwit.com/wordpress/wp-content/uploads/2011/05/Arigato+The+Washington+TImes.jpg|title=Thank you, America,|publisher=Washington Times|date=2011-05-10|accessdate=2013-02-15}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.chojin.com/nippo/arigato.html|title=米国の震災支援に「Arigato」日本人有志がWT紙に意見広告|publisher=[[世界日報 (日本)|世界日報]]|date=2011-05-11|accessdate=2013-02-15}}</ref>。[[日韓トンネル]]研究会では顧問を務める<ref>{{Cite web|url= http://sappukei.livedoor.biz/image/20111127071028_58_1.jpg |title= 日韓トンネル研究会九州支部役員 |accessdate= 2020-07-08 |archiveurl= https://archive.fo/FfZyL |archivedate= 2013-04-24 }}</ref>。
* [[三原朝彦]](自民党、福岡9区、竹下派):1999年10月開催の世界平和連合-福岡県連合会に祝電を寄せた。同会には三原の秘書の他、多数の自民党議員及び関係者が出席<ref>{{Cite web|url=https://web.archive.org/web/20001028214026/http://www.ifvoc.gr.jp/fwp/fukuoka/index.html|title=福岡からアジア拓こう 世界平和連合福岡県連合会|date=1999-10-25|newspaper=思想新聞|publisher=国際勝共連合|accessdate=2012-06-20}}</ref>。自身が支部長を務める自民党福岡9区支部が2003年11月に世界平和連合から献金を受けた<ref>{{Cite news|url=https://www.47news.jp/CN/200411/CN2004111701000713.html|title=統一教会系から30万献金 三原衆院議員が支部長|work=47NEWS|publisher=共同通信社|date=2004-11-17}}</ref>。[[日韓トンネル研究会]]顧問。
* [[武田良太]](自民党、元[[総務相]]、[[福岡11区]]、二階派): 統一教会関連イベント参加、統一教会の推進する[[日韓トンネル|日韓海底トンネル推進議連]]結成大会参加<ref name=":59" />。
; 長崎県
* [[宮島大典]](無所属、[[長崎4区]]):2006年5月13日、天宙平和連合‐祖国郷土還元福岡大会に出席<ref name="segye20060514" />。2010年12月に開かれたシンポジウム「信教の自由と人権問題を語る」では会場となった議員会館の使用申請をした<ref>{{Cite web|url=http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/12/post_8b73.html|title=もう1人の統一教会支援議員ーー宮島大典氏(民主党)|work=有田芳生の『酔醒漫録』|date=2010-12-03|accessdate=2012-06-11}}</ref>。
; 熊本県
* [[木原稔]](自民党、元[[首相補佐官]]、[[熊本1区]]、茂木派):統一教会関連イベント実行委員<ref name=":59" />。
; 大分県
* [[衛藤征士郎]](自民党、[[大分2区]]、安倍派):[[日韓トンネル]]推進議員連盟代表であり、2008年5月の「清和政策研究会との懇親の集い」にて配布された政策論文集には{{PDFlink|[https://megalodon.jp/2012-0807-2228-18/seishiro.jp/media/2008/pdf/080519_01.pdf 「日韓トンネル・日韓を鉄路で結び欧州へ直結」]|97KB}} を寄稿。かつては信者5人を秘書に起用しており、勝共連合のセミナーや集会にも参加している<ref name="gendai19990227" />。
; 宮崎県
* [[中山成彬]]([[日本のこころを大切にする党|次世代の党]]、比例九州ブロック([[宮崎1区]])):2003年11月、当時支部長を務めていた自民党宮崎1区支部の世界平和連合からの献金受領が報じられ返還。地元の会合にも同連合のメンバーを出席させている<ref>{{Cite news|url=https://www.47news.jp/CN/200411/CN2004110901000801.html|title=統一教会系団体から献金 100万円、支部長は文科相|work=47NEWS|publisher=共同通信社|date=2004-11-09}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20041111015428/http://www.asahi.com/national/update/1109/008.html|title=統一教会系が中山文科相側に献金 昨年11月、党支部に|newspaper=asahi.com|publisher=朝日新聞社|date=2004-11-09}}</ref>。
; 鹿児島県
* [[保岡興治]](自民党、[[鹿児島1区]]、石原派):政策秘書だった信者を法務大臣就任時([[第2次森内閣]])に秘書官に登用。2005・2006年には下部組織の催しに祝電を寄せた<ref name="akahata20061014" />。「希望の日」晩餐会にも臨席している。
; 沖縄県
* [[下地幹郎]]([[政党そうぞう]]、[[比例九州ブロック]]([[沖縄1区]])、無所属):有田芳生は、下地が統一教会が後援するデモ隊から請願書を受け取っており統一教会を支援している議員と述べている<ref name="arita">[http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/12/post_efd4.html 統一教会の請願を受けた吉田公一(民主党)下地幹郎(国民新党)衆院議員] 有田芳生の「酔醒漫録」2010年12月3日</ref>。
; 参議院議員比例区
* [[井上義行]](自民党、安倍派):「賛同会員」<ref>{{cite news|title=支援集会に旧統一教会“友好団体”安倍氏側近 入信は否定も「賛同会員に」|url=https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000261989.html|date=2022-07-18|publisher=テレ朝news}}</ref>。 [[井上義行#統一教会との関係]]を参照
* [[衛藤晟一]](自民党、無派閥):2014年1月22日、統一教会の重鎮が会長を務める世界戦略総合研究所で講師をしている<ref>{{Cite web|url=http://dailycult.blogspot.jp/2014/02/blog-post_25.html|title=米国政府への“逆失望”発言の首相補佐官に本紙副代表は1月から“失望中”|date=2014年2月25日|author=白石徹|work=やや日刊カルト新聞|accessdate=2014-4-15}}</ref>。
* [[室井邦彦]]([[日本維新の会 (2016-)|日本維新の会]]、比例区):2007年の[[第21回参議院議員通常選挙|参院選]]で配布したビラに幹部信者との写真を掲載。教団の会合では「(文鮮明の)入国のため努力する」と発言している。
* [[山谷えり子]](自民党、比例区、安倍派):''[[#政治に関する出来事]]を参照''
* [[山田宏]](自民党、比例区、安倍派):教団関係者が運営するNPO法人「未来構想戦略フォーラム」で講演<ref name="asahi20090616" />。2011年1月には世界戦略総合研究所で講義した<ref name="sekaisoken_forum">{{Cite web|url=http://sekai-soken.heteml.jp/?q=node/18|title=フォーラム実績 | 世界戦略総合研究所|accessdate=2012-06-10}}</ref>。
* [[神谷宗幣]]([[参政党]]、比例区):教団系メディアの『[[世界日報]]』で3本の記事を執筆していた。なお、世界日報における神谷の記事は、教団と政治の関係が注目されるきっかけになった[[安倍晋三銃撃事件]]の後に削除されている<ref>{{Cite web|title=オピニオンの「ビューポイント」ライター一覧|url=https://web.archive.org/web/20220228105444/vpoint.jp/writerlist|website=世界日報|accessdate=2022-08-04}}</ref><ref>{{Cite web|title=オピニオンの「ビューポイント」神谷 宗幣|url=https://web.archive.org/web/20220722015138/https://vpoint.jp/author/kamiya|website=世界日報|accessdate=2022-08-04}}</ref><ref>{{Cite web|title=日本の教育とオランダの教育|url=https://web.archive.org/web/20220723004235/https://vpoint.jp/world/eu/101534.html|website=世界日報|accessdate=2022-08-04}}</ref>。

==== 米国 ====
* [[ドナルド・トランプ]](前[[アメリカ合衆国大統領]]):退任後の2021年に統一教会主催のオンラインイベント、「シンクタンク2022希望前進大会」で基調演説をし、朝鮮半島の安定化の努力と成果をアピールした<ref name=":33">{{Cite web |title=통일교 행사에 나선 트럼프, “트럼프가 트럼프 했네!” |url=http://www.newsm.com/news/articleView.html?idxno=23415 |website=NEWS M |date=2021-09-23 |access-date=2022-07-16 |language=ko}}</ref>。
* {{仮リンク|ポーラ・ホワイト|en|Paula White}}([[トランプ政権]]のホワイトハウス宗教特別顧問):放送福音伝道者として、統一教会主催の「希望前進大会」に参加したことがある<ref name=":33" />。

==== 韓国 ====
* [[潘基文]](元[[国連事務総長]]):2021年に統一教会主催のオンラインイベントに参加した<ref name=":34">{{Cite web |title=통일교, 유력인사 내세워 이단 이미지 지워 |url=https://www.goodnews1.com/news/articleView.html?idxno=112950 |website=데일리굿뉴스 |date=2021-05-13 |access-date=2022-07-16 |language=ko}}</ref><ref name=":35">{{Cite web |title=바른미디어 통일교 행사에 등장한 무책임한 정치인들! |url=http://www.young119.net/news/articleView.html?idxno=1017 |website=바로알자 |date=2021-09-15 |access-date=2022-07-16 |language=ko}}</ref>。
* [[丁世均]](元[[国務総理 (大韓民国)|韓国国務総理]]、元[[韓国国会]]議長):2021年に統一教会主催のオンラインイベントに参加した<ref name=":34" /><ref name=":35" />。
* [[呉世勲]]([[ソウル特別市長]])<ref name=":35" />
* [[朴亨埈]]([[釜山広域市長]])<ref name=":35" />
* [[梁承晁]]([[忠清南道知事]])<ref name=":35" />
* [[李始鍾]]([[忠清北道知事]])<ref name=":35" />
* [[李庸燮]]([[光州広域市長]])<ref name=":35" />
* [[李喆雨]]([[慶尚北道知事]])<ref name=":35" />
* [[張賢国]]([[京畿道議会]]議長)<ref name=":35" />
* [[郭度栄]]([[江原道議会]]議長)<ref name=":35" />
=== その他 ===
* [[白川司]](政治評論家・翻訳家):教団系メディア『世界日報』で、1本の記事を寄稿していた<ref>{{cite web |title=オピニオンの「ビューポイント」|ライター一覧|url=https://web.archive.org/web/20220706231850/https://vpoint.jp/writerlist|publisher=世界日報|accessdate=2022-08-19}}</ref><ref>{{cite web |title=オピニオンの「ビューポイント」|白川司|url=https://web.archive.org/web/20220415203428/https://vpoint.jp/author/shirakawa|publisher=世界日報|accessdate=2022-08-19}}</ref><ref>{{cite web |title=ウクライナ侵攻の裏に「エネルギー紛争」|url=https://web.archive.org/web/20220416032419/https://vpoint.jp/world/rosia/218740.html|publisher=世界日報|accessdate=2022-08-19}}</ref>。
* [[渡瀬裕哉]]([[参政党]]創設メンバー、政治活動家):教団系の『[[ワシントン・タイムズ]]』で翻訳担当のエグゼクティブ・ディレクターを担当していた<ref>{{Cite web|title=「ワシントン・タイムズ・ジャパン」23日からスタート 質の高い米国情報と分析を提供|url=https://www.atpress.ne.jp/news/199400|website=www.atpress.ne.jp|accessdate=2020-02-04|language=ja}}</ref><ref>[https://sub.worldtimes.co.jp/picture/100342.html 「ワシントン・タイムズ・ジャパン」 23日スタート - 世界日報アーカイブ] 2022年6月5日閲覧</ref>。
=== 支持者 ===
* [[笹川良一]](全国モーターボート競走会連合会、後の日本船舶振興会、現[[日本財団]]の会長):{{要出典|範囲=密入国で逮捕された西川勝の身元引受人を買って出た|date=2012年12月}}。
* [[福田信之]]([[筑波大学]]元学長、理論物理学者):「文鮮明師と金日成主席」(世界日報社1992)等の著書あり<ref>[[福田信之]]『文鮮明師と金日成主席 開かれた南北統一の道』[[世界日報 (日本)|世界日報]](1992年6月)ISBN 978-4882010494</ref>。
* 室生忠(宗教ジャーナリスト):統一教会関連の[[シンポジウム]]の講師等を務めたこともある。月刊誌『[[創 (雑誌)|創]]』(2000年4月号)で浅見定雄が「統一教会信者の『強制説得』請負人」で、「信者を脱会させるために精神病院に『強制収容』する事件に加担した」などとする記事を書いたことを当人から名誉毀損で訴えられ敗訴し、『創』誌に謝罪広告を掲載するよう命じられた<ref>『[[朝日新聞]]』 2001年12月17日付</ref>。
<!--
* {{要出典|範囲=[[稲見友之]](教団の顧問弁護士)|date=2016年2月}}
* {{要出典|範囲= [[加瀬英明]](外交評論家):統一教会の出版社から本を出版、統一教会系の政治集会にも頻繁に出席している。|date=2016年2月}}
-->
* [[桧田仁]](医師・元衆議院議員):2000年4月の衆議院決算行政監視委員会において、脱会支援活動への取り締まり等について教会員の立場で質問。関連団体の集会やシンポジウムには度々参席し講演もする。2010年11月11日付『世界日報』では「拉致監禁は犯罪」と訴えた<ref>{{Cite news|url=https://sub.worldtimes.co.jp/special2/ratikankin/101111.html|title=“拉致監禁”の連鎖|work=世界日報|publisher=世界日報社|date=2010-11-11}}</ref><ref name="dakkai" group="注釈" />。
* [[小林正 (政治家)|小林正]](教育評論家・元参議院議員):教団の関連団体が主催する大会では講演などをしており、世界戦略総合研究所の評議員も務める。憲法改正や教育問題に取り組む関係上、教団との接点が多い。1999年3月13日、世界平和連合・国際勝共連合共催の救国救世全国躍進大会で挨拶。2004年3月22日の世界平和連合‐救国救世全国総決起大会では乾杯の音頭。2004年7月19日には世界平和連合‐神奈川県連合会の役員研修会で講師を務め、2006年開催の天宙平和連合‐祖国郷土還元日本大会にも出席
<!--
* {{要出典|範囲=エマニエル・ミリンゴ(元カトリック大司教):1969年、バチカンが承認していない悪魔払いとヒーリングを行ったため、ルサカの大司教を辞任させられたことがある。 [[2001年]]5月27日、[[聖職者]]の結婚を禁じたカトリック教会の規則を破り、統一教会の合同結婚式で韓国女性ソン・マリアと結婚。反対する[[ローマ教皇庁]]から説得を受け、結婚を解消し、カトリック教会に戻り、[[破門]]を免れた。2006年7月12日、ナショナルプレスクラブの記者会見で「私の妻と私は分離する事ができないし、妻は常に私と一緒に生活している」と以前の言動を翻し、同席したカトリック[[司祭]]らと共に、司祭の結婚を禁じる制度の撤廃運動を再び表明する。その後、バチカンの許可を得ずに4名の司教叙階をしたため、カトリック教会法1382条により自動破門|date=2012年12月}}。
* {{要出典|範囲=ジョージ・スターリングス(米国キリスト教イマニ・テンプル大司教):[[文鮮明]]を「メシヤ」「神の人」「神そのもの」などと積極的に賞賛している。妻は統一教会の合同結婚式で選ばれた日本女性。統一教会では“大司教”の肩書きで紹介されているが、『[[ニューヨーク・タイムズ]]』によれば、スターリングスは[[1989年]]に性的不品行を自らの教区で非難され、ワシントンの大司教(ジェームス・アロイシャス・ヒッキー枢機卿)による処分を拒否し、独自にイマニテンプル教会を開く。そして自らを大司教に任命。それ以来、スターリングスは、カトリックの教義に反して、結婚を願う聖職者を受け入れることで教会を広げようとしてきたという|date=2012年12月}}。
-->

=== 批判者 ===
* [[浅見定雄]](東北学院大学名誉教授):教団の草創期から反対運動に関わっている統一教会反対派の第一人者。数々の著作がある。
* 川崎経子(元[[牧師]]):[[特定非営利活動法人]] 「小諸いずみ会 いのちの家」所長。著書『統一教会の素顔―その洗脳の実態と対策』 ISBN 978-4764262645
* [[有田芳生]]([[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党]]前参議院議員):『[[朝日ジャーナル]]』の[[霊感商法]]報道に加わる。カルト問題についてテレビや雑誌で解説し、教団の問題点を批判する著書も多数<ref name="post_829f" />。
* [[水島総]]((株)[[日本文化チャンネル桜]]代表取締役社長・[[映画監督]]など):同社が制作しているテレビ番組「[[日本文化チャンネル桜|チャンネル桜]]」において、統一教会およびこれから政治的影響力を受けていた民主党・[[社会民主党 (日本 1996-)|社民党]](旧[[日本社会党|社会党]])・自民党内の党内勢力、加えて同教会や[[パチンコ]]業界が[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]を経済的に支援している事について繰り返し批判している<ref>{{cite web |url = https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=IvC0qWkZ1ow |title = 【直言極言】国民運動への逆風、国難突破への決意 桜H23/2/4 | publisher = SakuraSoTV |date = 2011-02-03 |accessdate = 2013-02-14}}</ref><ref>{{cite web |url = https://www.youtube.com/watch?v=pcEJSj2PqEQ |title = 3/3【討論!】パチンコは国を滅ぼすか? 桜H23/6/11 | publisher = SakuraSoTV |date = 2011-06-10 |accessdate = 2013-02-14}}</ref><ref>{{cite web |url = https://www.youtube.com/watch?v=yyMbAvMDp3w |title = さくらじ#71 小川寛大・星飛雄馬と語る、宗教と体罰とAKB48 | publisher = SakuraSoTV |date = 2013-02-08 |accessdate = 2013-02-14}}</ref>。
* [[山口広]]([[弁護士]]):霊感商法被害対策の組織「[[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]」(被害弁連)を事務局長として主導して来た。
* [[紀藤正樹]](弁護士):霊感商法「被害弁連」の中心的存在。テレビでも統一教会問題を取り上げた番組によく出演している。
* 郷路征記(弁護士):統一教会の伝道を「信教の自由」を侵害する違法なものとして訴える違法伝道訴訟([[青春を返せ裁判]])の先駆者。
* [[山口貴士]](弁護士):被害弁連に所属。紀藤正樹の「リンク総合法律事務所」に在籍。[[日本脱カルト協会]]理事・事務局長
* [[中村敦夫]](俳優・元参議院議員):飯干晃一と共に反対運動に注力した。
* [[飯干晃一]](作家):娘の[[飯星景子]]を説得して、離教させた。マスコミや批判書を通じ、統一教会に対する反対活動を積極的に行う。反対集会に参加しては参加者を励ましたり、渋谷の教団本部に出かけて行っては、現役の信者に一人ひとりに「君は間違っているぞ」と説得を繰り返したという。
* スティーブン・ハッサン(社会心理学者): 著書 『マインド・コントロールの恐怖』 ISBN 978-4765230711
* [[高橋紳吾]](「[[東邦大学]][[准教授|助教授]]、精神科医」):日本脱カルト研究会(現:「[[日本脱カルト協会]]」)を設立。マインドコントロール理論から教団をカルトとして解説。
* [[西田公昭]](社会心理学者):カルトによるマインドコントロールに関する研究において、統一教会の資料や元信者の体験を採用しており<ref name="ucnokenshou">魚谷俊輔 『統一教会の検証』(光言社 1999年9月1日)ISBN 978-4876560813 </ref>、オウム事件の裁判において心理鑑定人も務めた<ref>[https://nursing.u-shizuoka-ken.ac.jp/~nishidak/]</ref>。[[日本脱カルト協会]]代表理事
* [[卓明煥]](タクミョンファン):(宗教ジャーナリスト)韓国において著作や講演で統一教会を批判。
* [[櫻井義秀]]([[北海道大学]] [[大学院]][[教授]]):[[宗教社会学]]などの観点からカルト・マインドコントロールに関する研究において統一教会、天地正教などを考察している。
* [[鈴木邦男]](民族派団体「[[一水会 (思想団体)|一水会]]」の元代表):1985年に、『[[朝日ジャーナル]]』に 「勝共連合は民族主義運動の敵だ――文鮮明王朝建設に利用される日本の若者」と題した批判手記を発表<ref>[http://www.asyura.com/sora/bd11/msg/691.html]</ref>。
<!--
* {{要出典|範囲=[[田中康夫]] ([[新党日本]]代表、[[作家]]):ゲストとして出演したラジオ番組で何度か教団を名指しで批判した。|date=2016年2月}}
* [[小林よしのり]](漫画家):叔母(母の実妹)が統一教会に入信したために叔母一家が崩壊し、小林自身も勧誘されて不快な思いをしたり、小林の実父が叔母を脱会させようとして失敗した経緯を「ゴーマニズム宣言」{{要ページ番号|date=2017-10}}に何度か描いている。
-->
* [[世耕弘成]]([[自民党]]参議院議員): [[青山学院大学]]の[[中野昌宏 (社会思想史家)|中野昌宏]]教授に対する裁判の中で、教団や統一教会の学生団体の「[[原理研究会]]」を、「反社会的な団体であるとの印象を抱く者が少なくない」とした<ref>{{cite web|title=「統一教会は反社的」自ら起こした訴訟でそう論じていた世耕参議院議員|url=https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71020|author=青沼 陽一郎|date=2022-07-18|accessdate=2022-07-19|website=JBpress}}</ref>。
* [[石井紘基]](元衆議院議員):生前、統一教会と[[オウム真理教]]との関係や統一教会と政治家のつながりなどを指摘していた<ref>オウム問題を考える議員の会 『オウム事件は終わらない―カルト宗教と日本社会』([[学研ホールディングス|立風書房]] 1996年5月)第8章 カルト宗教の暴走をゆるさぬ政治を</ref>。
* [[黒川敦彦]]([[日本の政党|国政政党]][[NHK党]]幹事長):[[安倍晋三]]を「おじいちゃんの代からCIA」と批判している黒川は、[[統一教会]]は[[反日]][[カルト]]であり、[[安倍晋三]]の祖父の[[岸信介]]が日本に教団を持ち込んだと批判した<ref>{{cite news|url=https://www.washingtonpost.com/world/2022/07/12/unification-church-japan-shinzo-abe/|title=How Abe and Japan became vital to Moon’s Unification Church|date=2022-07-12|newspaper=[[The Washington Post]]}}</ref>。
* [[瀬戸弘幸]]([[極右]]系政治運動家・ジャーナリスト):自身の[[ブログ]]や[[維新政党・新風]]の演説などで、統一教会はカルト宗教であり、国家権力に関わっているから、税金を課すべきであるなどと批判している<ref>[http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/51348148.html カルト・統一教会について]([http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/ せと弘幸Blog『日本よ何処へ』])</ref>。
* [[山野車輪]]([[漫画家]]):『[[マンガ 嫌韓流|嫌韓流3]]』で[[霊感商法]]や自民党と教団の関係について批判的に触れている{{要ページ番号|date=2016年2月}}。
* [[ウィリアム・ウッド]]([[宣教師]]、[[神学者]]):キリスト教[[福音派]]の立場から統一教会を批判する著書を発表し、講演活動を行っている。
* [[尾形守]]([[牧師]]、[[神学者]]):統一教会を異端カルトとする著書[[異端見分けハンドブック]]を発表している。

== 関連団体 ==
: [[国際勝共連合]]や[[世界平和国会議員連合]]、[[世界戦略総合研究所]]など関連団体を含めると、他多数。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注釈"}}
=== 出典 ===
{{Reflist|3}}

== 参考文献 ==
* {{Cite journal |和書|author = 櫻井義秀、中西尋子 |title = 著者からのリプライ (宗教社会学・教団研究の現在と社会との接点-櫻井義秀・中西尋子『統一教会』を検討する-,テーマセッション2,2011年度学術大会・テーマセッション記録) |date =2012-06-16 |publisher =「宗教と社会」学会|journal =宗教と社会|volume =18 |naid = |pages =133-135 |ref ={{SfnRef|櫻井・中西|2012}} }}
* {{Cite journal |和書|author = 古田富建|authorlink =古田富建 |title = 韓国キリスト教系新宗教のイエス観 : [[李龍道]]の晩年期の再考察とその系譜団体のイエス観 |date =2011 |publisher =帝塚山学院大学リベラルアーツ学部 |journal =帝塚山學院大学研究論集|volume = |issue =46 |naid =110008802572 |pages =17-38 |ref ={{SfnRef|古田|2011}} }}
* {{Cite book|和書|ref={{SfnRef|櫻井・中西|2010}} |author1=櫻井義秀|authorlink1=櫻井義秀|author2=中西尋子|authorlink2=中西尋子 |year=2010 |title=統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福 |publisher=北海道大学出版会 |isbn=978-4832967205}}
* {{Cite book |和書 |last= |first= |author={{仮リンク|ダグラス・E・コーワン|en|Douglas E. Cowan}}、{{仮リンク|デイヴィッド・G・ブロムリー|en|David G. Bromley}} |translator= 村瀬義史|year=2010 |title=カルトと新宗教 アメリカの8つの集団・運動 |publisher=キリスト新聞社 |ref ={{SfnRef|コーワン・ブロムリー|2010}} }}
* {{Cite book|和書|author=Sarah Lewis |title=現代世界宗教事典—現代の新宗教、セクト、代替スピリチュアリティ|publisher=悠書館|others= {{仮リンク|クリストファー・パートリッジ|en|Christopher Partridge}} 編、[[井上順孝]] 監訳、井上順孝・井上まどか・冨澤かな・宮坂清 訳 |date=2009 |ref=Lewis}}
* {{Cite book ja-jp |author=榛和夫 執筆|chapter=平成10大宗教事件 現代を震撼させた教団と社会の衝突 3.芸能人は広告塔?【統一教会・合同結婚式騒動】 |title =Books Esoterica 別冊 [図説] 宗教と事件 |publisher=学研マーケティング|year=2009年|ref={{SfnRef|榛|2009}}}}
* {{Cite book ja-jp |author=[[米本和広]] 執筆|chapter=日本を揺るがした新宗教 瀬戸際に立った統一教会 |title =Books Esoterica 別冊 [図説] 宗教と事件 |publisher=学研マーケティング|year=2009年|ref={{SfnRef|米本|2009}}}}
* {{Cite journal |和書 |author = 中西尋子 |title = [https://ci.nii.ac.jp/naid/110006646210 「民衆宗教」としてみた統一教会(「民衆宗教」研究の最前線,パネル,<特集>第六十六回学術大会紀要)] |date = 2008-03-30 |publisher = 日本宗教学会 |journal = 宗教研究 |volume = 81(4) |pages = 930-932 |ref = nakanishi}}
* {{Cite journal |和書|author = 古田富建|authorlink =古田富建 |title = 韓国の「民族性」としての恨のイメージ : 恨の時代的変遷(第二部 個人発表,東アジアにおける宗教の位置,特別テーマ部会,<特集>第六十四回学術大会紀要)|date =2006-03-30 |publisher =日本宗教学会 |journal =宗教研究|volume =79 |issue =4 |naid =110004751994 |pages =961-962 |ref ={{SfnRef|古田|2006}} }}
* {{Cite journal |和書|author = 櫻井義秀|authorlink =櫻井義秀 |title = 「カルト」問題と社会秩序(2) : 脱会カウンセリングと信教の自由 |date =2005-11-25 |publisher =北海道大学 |journal =北海道大学文学研究科紀要|volume = |issue =117 |naid =110006689120 |pages =109-157 |ref ={{SfnRef|櫻井|2005}} }}
* {{Cite book ja-jp |author=[[弓山達也]] 執筆|editor=伊藤雅之・梶尾直樹・弓山達也|chapter=スピリチュアリティの目覚めとその危機 |title =スピリチュアリティの社会学 現代世界の宗教性の探求|publisher=世界思想社|year=2004年|ref={{SfnRef|弓山|2004}}}}
* {{Cite book ja-jp |author=櫻井義秀 執筆 |editor=伊藤雅之・梶尾直樹・弓山達也|chapter=教団発展の戦略と「カルト」問題」 |title =スピリチュアリティの社会学 現代世界の宗教性の探求|publisher=世界思想社|year=2004年|ref={{SfnRef|櫻井|2004}}}}
* {{Cite journal |和書|author = 浅見定雄 |authorlink =浅見定雄 |title = コメント.聖書学・キリスト教研究の領域から (宗教社会学・教団研究の現在と社会との接点-櫻井義秀・中西尋子『統一教会』を検討する-,テーマセッション2,2011年度学術大会・テーマセッション記録) |date =2012-06-16 |publisher =「宗教と社会」学会|journal =帝塚山學院大学研究論集|volume = |issue =18 |naid =110009480546 |pages =129-130 |ref ={{SfnRef|浅見|2012}} }}
* {{Cite book ja-jp |author=[[石井智恵美]] 執筆|editor=[[大貫隆]]・名取四郎・[[宮本久雄]]・[[百瀬文晃]] |chapter=統一教会 |title =[[岩波キリスト教辞典]] |publisher=岩波書店|year=2000年|page=796|isbn=400080202X|ref ={{SfnRef|石井|2002}}}}
* {{Cite book ja-jp |author=[[宮本久雄]] 執筆|editor=[[大貫隆]]・名取四郎・[[宮本久雄]]・[[百瀬文晃]] |chapter=原罪 |title =岩波キリスト教辞典 |publisher=岩波書店|year=2000年|page= 372|isbn=400080202X|ref ={{SfnRef|宮本|2002}}}}
* {{Cite journal |和書|author = 川瀬貴也|authorlink =川瀬貴也 |title =書評:真鍋祐子著, 『烈士の誕生-韓国の民衆運動における恨の力学-』, 平河出版社, 1997年6月刊|date =2001-06-17 |publisher =「宗教と社会」学会 |journal =宗教と社会|volume = |issue =7 |naid =110007653099 |pages =155-160 |ref ={{SfnRef|川瀬|2001}} }}
* [[有田芳生]]『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』(教育史料出版会、 1992年8月) ISBN 978-4876522330 、『「神の国」の崩壊―統一教会報道全記録』(教育史料出版会、1997年9月) ISBN 978-4876523177
* {{Cite book |和書 |last= |first= |author=ジョージ・D・クリサイディス |authorlink=ジョージ・D・クリサイディス |translator= 月森左知|year= 1993 |title=統一教会の現象学的考察 |publisher=新評論 |ref ={{SfnRef|クリサイディス|1993}} }}
* {{Cite book|和書|author=レイチェル・ストーム |title=ニューエイジの歴史と現在 - 地上の楽園を求めて |others=高橋巖・小杉英了 訳 |publisher=角川書店 |series=角川選書 |year=1993 |ref ={{SfnRef|ストーム |1993}} }}
* {{Cite journal |和書|author = [[:hu:Nemeshegyi Péter|Nemeshegyi Peter]](ペトロ・ネメシェギ) |title = 統一教会の教説についての考察 |date =1985-06 |publisher =上智大学神学会 |journal =カトリック研究|volume =47 |issue = |naid =120005873222|pages =57-97 |ref ={{SfnRef|ネメシェギ |1985}} }}

== 関連文献 ==
* 教団側の文献
** 世界基督教統一神霊協会『原理講論』第5版(光言社 1968年7月20日)
** 世界基督教統一神霊協会伝道教育局(訳編) 『原理講論〔重要度三色分け〕』(光言社 2007年7月 ISBN 978-4876569212
** 久保木修己(監)『為に生きる〔改訂版〕―文鮮明師講演集』(光言社; 改訂版 1990年)ISBN 978-4876560172
** 世界基督教統一神霊協会(編)『統一教会の回答 [[日本弁護士連合会|日弁連]]「意見書」への求釈明』(光言社 1999年11月20日)ISBN 978-4876560837
** 増田善彦『「マインド・コントロール理論」その虚構の正体―知られざる宗教破壊運動の構図』(光言社 1996年5月24日)ISBN 978-4876560493
** 朴正華『“私は裏切り者 その時私にサタンが入った!”』(世界日報社 [[1995年]]11月)ISBN 4-88201-059-3
** 魚谷俊輔『統一教会の検証』(光言社 1999年9月1日)ISBN 978-4876560813
* 批判側の文献
** [[洪蘭淑]](著)、林四郎(訳) 『わが父 文鮮明の正体』([[文藝春秋]] [[1998年]]11月)ISBN 978-4163546100
** [[浅見定雄]] 『統一教会 = 原理運動―その見極めかたと対策』([[日本基督教団]]出版局 1987年3月20日)ISBN 978-4818421110
** 川崎経子 『統一教会の素顔 ─新装改訂版―その洗脳の実態と対策』 ([[教文館]] 2008年5月)ISBN 978-4764264335 ※用集も付き、文体平易
** 朴正華 『六マリアの悲劇―真のサタンは、文鮮明だ!!』(恒友出版 1993年10月)ISBN 978-4765230735
** [[山口広]] 『検証・統一教会―霊感商法の実態』(緑風出版 [[1993年]]3月)ISBN 978-4846193669
** [[山口広]](著)、[[紀藤正樹]](著)、[[滝本太郎]](著)『Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト』(民事法研究会; 全訂増補版 2004年2月)ISBN 978-4896281866
** 郷路征記 『統一教会マインドコントロールのすべて―人はどのようにして文鮮明の奴隷になるのか』([[教育史料出版会]] 1993年12月)ISBN 978-4876522507 弁護士である著者が多数の教団の元信者からの聞き取りから、教団が行う[[マインドコントロール]]による教化の詳細を説明)
** 南哲史 『マインド・コントロールされていた私―統一教会脱会者の手記』(1996年 [[日本基督教団]]出版局 1996年4月)ISBN 978-4818402515
** スティーヴン(スティーヴ)・ハッサン(著)、[[浅見定雄]](訳) 『マインド・コントロールの恐怖』(恒友出版 1993年4月)ISBN 978-4765230711
** 茶本繁正 『原理運動の研究』『資料編1・2』([[晩聲社]] 1987年10月25日)、 『原理運動の実態 ファッシズムへの道』([[三一書房]] 1979年5月)ISBN 9784380792243
** 青春を返せ裁判(東京)原告団・弁護団 (編著) 『青春を奪った統一教会――青春を返せ裁判(東京)の記録』([[緑風出版]] 2000年9月)ISBN 978-4846100117
** 全国統一教会被害者家族の会(編) 『自立への苦闘―統一教会を脱会して』(教文館 [[2005年]]10月)ISBN 978-4876997695:(脱会後も後遺症のように続く、「マインド・コントロール」の影響からの立ち直りのための方法を統一教会問題に関わって来た牧師や弁護士たちの経験から提示する)
** 本間てる子 『秋田の母ちゃん統一教会とわたりあう』(ウインかもがわ 2003年8月)ISBN 978-4876997695
** {{Cite book|和書 |title=わたしは"洗脳"された―統一教会元会員の証言|publisher=[[新日本出版社]]|others= [[赤旗]]社会部 編|date=1989 |ref=赤旗}} ISBN 4-406-01773-9
** [[米本和広]]『カルトの子 心を盗まれた家族』[[文藝春秋]] ISBN 4-163-56370-9
** [[日本弁護士連合会]]消費者問題対策委員会(編)『宗教トラブルの予防・救済の手引―宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準』(教育史料出版会 1999年10月)ISBN 978-4876523702
** [[江川紹子]]『「オウム真理教」追跡2200日』[[文藝春秋]] ISBN 4-16-350580-6
* その他
** [[米本和広]]『我らの不快な隣人 統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇』(情報センター出版局 [[2008年]])ISBN 4795847622、[http://www5.plala.or.jp/hamahn-k/gendai.htm 『統一教会信者「脱会」後の重い十字架 書かれざる「宗教監禁」の恐怖と悲劇』]([[講談社]]『[[月刊現代]]』2004年11月号掲載):カルトを批判する立場の著者だが、統一教会が問題のある教団だとしても、親たちが成人に達した信者を拉致監禁し、強制的に説得するという行為は刑法犯罪であり、許されない、と批判)

== 英語の文献 ==
* Sontag, Frederick. 1977. ''Sun Myung Moon and the Unification Church'', Abingdon Press. ISBN 0-687-40622-6
* Bryant, M. Darrol, and Herbert Warren Richardson. 1978. ''A Time for consideration: a scholarly appraisal of the Unification Church''. New York: E. Mellen Press. ISBN 978-0-88946-954-9
* Tingle, D. and Fordyce, R. 1979, ''Phases and Faces of the Moon: A Critical Examination of the Unification Church and its Principles'', Hicksville, NY: Exposition Press ISBN 0-682-49264-7
* Kim, Young Oon, 1980, [http://www.religious.org/ucbooks/UTheol/toc.htm Unification Theology], Barrytown, NY: Unification Theological Seminary, Library of Congress Cataloging number 80-52872
* Matczak, Sebastian, ''Unificationism: A New Philosophy and World View'' (Philosophical Questions Series, No 11) (1982) New York: Louvain. The author is a professor of philosophy and a Catholic priest. He taught at the Unification Theological Seminary.
* Barker, Eileen, ''The Making of a Moonie: Choice or Brainwashing?'' (1984) Blackwell's, Oxford, UK ISBN 0-631-13246-5.
* Durst, Mose. 1984. [http://www.tparents.org/library/unification/books/tbns/0-Toc.htm#Copyright ''To bigotry, no sanction: Reverend Sun Myung Moon and the Unification Church'']. Chicago: Regnery Gateway. ISBN 978-0-89526-609-5
* {{cite journal | last = Bromley | first = David G. | authorlink = | coauthors = | title = Financing the Millennium: The Economic Structure of the Unificationist Movement | journal = Journal for the Scientific Study of Religion, Vol. 24, No. 3 (Sep., 1985), pp. | volume = 24 | issue = 3 | pages = 253–274 | publisher = Blackwell Publishing on behalf of Society for the Scientific Study of Religion | location = | date = September 1985 | doi = | id = | jstor = 1385816 }}
* Fichter, Joseph Henry. 1985. ''The holy family of father Moon''. Kansas City, Mo: Leaven Press. ISBN 978-0-934134-13-2
* Gullery, Jonathan. 1986. ''The Path of a pioneer: the early days of Reverend Sun Myung Moon and the Unification Church''. New York: HSA Publications. ISBN 978-0-910621-50-2
* Biermans, J. 1986, ''The Odyssey of New Religious Movements, Persecution, Struggle, Legitimation: A Case Study of the Unification Church'' Lewiston, New York and Queenston, Ontario: The Edwin Melton Press ISBN 0-88946-710-2
* Sherwood, Carlton. 1991. ''Inquisition: The Persecution and Prosecution of the Reverend Sun Myung Moon''. Washington, D.C.: Regnery Gateway. ISBN 978-0-89526-532-6
* Chryssides, George D., ''The Advent of Sun Myung Moon: The Origins, Beliefs and Practices of the Unification Church'' (1991) London, Macmillan Professional and Academic Ltd. The author is professor of religious studies at the University of Wolverhampton, United Kingdom.
* Yamamoto, J. Isamu, 1995, ''Unification Church'', Grand Rapids, Michigan: Zondervan ISBN 0-310-70381-6
* Hong, Nansook, ''In the Shadow of the Moons: My Life in the Reverend Sun Myung Moon's Family''. Little Brown & Company; ISBN 0-316-34816-3; (August 1998).
* Introvigne, M., 2000, ''The Unification Church'', Signature Books, ISBN 1-56085-145-7
* Ward, Thomas J. 2006, ''March to Moscow: the role of the Reverend Sun Myung Moon in the collapse of communism''. St. Paul, Minn: Paragon House. ISBN 978-1-885118-16-5
* Hickey, Patrick 2009, ''Tahoe Boy: A journey back home''. John, Maryland: Seven Locks Press. ISBN 0-9822293-6-4 ISBN 978-0982229361
* Moon, Sun Myung, 2009, ''As a Peace-Loving Global Citizen''. Gimm-Young Publishers ISBN 0-7166-0299-7

== 関連項目 ==
* [[統一教会関連の企業と団体]]
* [[反共]]/[[国際勝共連合]]
* [[文鮮明]]
* [[韓鶴子]]
* [[世界基督教統一神霊協会の年表]]
* [[世界基督教統一神霊協会の関連用語]]
* [[統一教会信徒の拉致監禁問題]]
* [[天宙平和連合]]
* [[統一教会関連の企業と団体]]
* [[サービスフォーピース]]
* [[世界平和女性連合]]
* [[合同結婚式]]
* [[全国霊感商法対策弁護士連絡会]]
* [[天照皇大神宮教]]
** [[北村サヨ]]
* [[コリアゲート]]
* [[朝鮮の儒教]]
* [[小中華思想]]
* [[韓国起源説]]
* [[反日]]

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Unification Church|世界平和統一家庭連合}}
<!--外部リンクはなるべく増やさないでください。追加を望む場合は、ノートに提議の上合意を得てください-->
* 公式サイト
** [https://ffwpu.jp/ 世界平和統一家庭連合]<!-- index.html からは入れません-->{{ja icon}}
** {{Official website|https://familyfed.org/|Family Federation for World Peace and Unification USA}}{{en icon}}
* 中立的なサイト
** {{教団データベース|206|世界平和統一家庭連合}}
** {{Wayback|url=https://religionfacts.com/unification-church|title=Unification Church|date=20210304103322}}(英語の代表的な宗教比較サイトReligionfacts.comにおける統一教会の解説)

{{世界平和統一家庭連合}}
{{新宗教}}
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[[Category:世界基督教統一神霊協会|*]]
[[Category:政府文書によりセクトと分類された団体]]
[[Category:中華人民共和国により邪教に認定された団体]]
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