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2007年11月30日 (金) 16:17時点における版
原子力船(げんしりょくせん)とは、原子炉を動力源として使う船舶である。原子炉で発生させた熱で蒸気タービンを動かし、それでスクリューを駆動して航行する。軍艦の場合には「原子力艦」と呼ばれることが多い。
特徴
原子炉を動力源としていることから、「長期間、燃料補給をする必要がない」「他の動力機関と比べて、重量や空間比での出力が大きい[世界における原子力船研究開発と運航実績を参照]などの特徴がある。また、潜水艦の場合には「内燃機関や燃焼による蒸気ボイラーとは異なり、酸素を必要としない」ことが大きなメリットとなる。
欠点としては、「原子炉を搭載するため、原子炉事故が起きたときの被害が甚大なものとなる可能性がある」[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。「原子炉は、高い水準での維持管理が必要である」[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。などが指摘できる。
民間船舶用動力として失敗の経験
当初は、民間船舶への原子力動力の導入も検討され、貨客船「サヴァンナ(アメリカ合衆国・1965-1970)」・貨物船「オットー・ハーン(西ドイツ・1968-1979)」・貨物船「むつ(日本・1972-1992)」などが試作された。しかし実用的動力源としては、リスク管理や経済性能(当時)の点で劣ることが徐々に明らかになった。その後、民間船舶としてはの建造は止まっている。
なお、民間用途船舶ではないが、旧ソヴィエト連邦の「レーニン(1959-1989)」をはじめとする北極海砕氷輸送船群が原子力動力を使っている。また第二世代第1船のアルクチカ号は非潜水船として史上初北極点に到達した。
軍用船舶動力としての成功
商用船舶の動力源としては「望ましいと言い切れない」とされた原子力だが、軍用艦船の動力としては評価を受け、多数の原子力船が建造・運用されている。主たる用途は「原子力潜水艦」と「大型の航空母艦」である。
前者は、動力源が酸素(大気)を必要としないことから、長期間潜行したままという運用が可能になることが比類なきメリットとされた。後者は、艦自体が大型であり非常に大きなエネルギーを必要とすることがメリットとされたためである。
主な原子力船
運行または建造中の船
2006年現在
- アメリカ合衆国
- エンタープライズ(世界最初の原子力空母)
- ニミッツ級航空母艦(現在9隻、さらに1隻が建造中)
- ロサンゼルス級原子力潜水艦(攻撃型原潜、62隻中40隻以上が現役)
- オハイオ級原子力潜水艦(戦略型/巡航ミサイル原潜、18隻)
- シーウルフ級原子力潜水艦(攻撃型原潜、3隻)
- ヴァージニア級原子力潜水艦(攻撃型原潜、現在4隻、さらに数隻が建造中)
- ジェラルド・R・フォード級航空母艦
- ロシア
- ソビエツキー・ソユーズ号(ロシア)
- ヤマル号(ロシア)
- キーロフ級ミサイル巡洋艦(4隻中1隻が現役、1隻が改装中)
- ヴィクター級原子力潜水艦(攻撃型原潜、49隻中5隻が現役)
- デルタ級原子力潜水艦(戦略型原潜、43隻中15隻程度が現役)
- タイフーン級原子力潜水艦(戦略型原潜、6隻中2隻が現役、1隻が予備
- オスカー級原子力潜水艦(巡航ミサイル原潜、13隻中6隻が現役、4隻が予備役)
- シエラ級原子力潜水艦(攻撃型原潜、4隻中3隻が現役)
- アクラ級原子力潜水艦(攻撃型原潜、14隻中8隻程度が現役)
- セヴェロドヴィンスク級原子力潜水艦(攻撃型原潜、1隻が建造中)
- ボレイ級原子力潜水艦(戦略型原潜、3隻が建造中)
- イギリス
- ヴァンガード級原子力潜水艦(戦略型原潜、4隻)
- スウィフトシュア級原子力潜水艦(攻撃型原潜、6隻中4隻が現役)
- トラファルガー級原子力潜水艦(攻撃型原潜、7隻)
- アスチュート級原子力潜水艦(攻撃型原潜、3隻が建造中)
- フランス
- シャルル・ド・ゴール(原子力空母)
- リュビ級原子力潜水艦(攻撃型原潜、6隻)
- ランフレクシブル(戦略型原潜)
- ル・トリオンファン級原子力潜水艦(戦略型原潜、現在3隻、さらに1隻が建造中)
- 中華人民共和国
過去運行していた船
- 日本
- アメリカ合衆国
- サバンナ号
- ロングビーチ (原子力ミサイル巡洋艦)
- ベインブリッジ (原子力ミサイル巡洋艦)
- トラクスタン (原子力ミサイル巡洋艦)
- カリフォルニア級原子力ミサイル巡洋艦(2隻)
- ヴァージニア級原子力ミサイル巡洋艦(4隻)
- ノーチラス(世界初の原子力潜水艦)
- シーウルフ(試作攻撃型原潜)
- スケート級原子力潜水艦(攻撃型原潜、4隻)
- スキップジャック級原子力潜水艦(攻撃型原潜、6隻)
- トライトン(攻撃型原潜)
- ハリバット(試作巡航ミサイル原潜)
- パーミット級原子力潜水艦(攻撃型原潜、14隻)
- タリビー(試作攻撃型原潜)
- ジョージ・ワシントン級原子力潜水艦(戦略型原潜、5隻)
- イーサン・アレン級原子力潜水艦(戦略型原潜、5隻)
- ラファイエット級原子力潜水艦(戦略型原潜、5隻)
- ジェームズ・マディスン級原子力潜水艦(戦略型原潜、10隻)
- スタージョン級原子力潜水艦(攻撃型原潜、37隻)
- ベンジャミン・フランクリン級原子力潜水艦(戦略型原潜、12隻)
- ナーワル(試作攻撃型原潜)
- グレナード・P・リプスコム(試作攻撃型原潜)
- 旧ソ連・ロシア
- レーニン号
- ノヴェンバー級原子力潜水艦(攻撃型原潜、14隻)
- ホテル級原子力潜水艦(戦略型原潜、8隻)
- エコー級原子力潜水艦(巡航ミサイル原潜)
- チャーリー級原子力潜水艦(巡航ミサイル原潜)
- ヤンキー級原子力潜水艦(戦略型原潜、34隻)
- K-162(試作巡航ミサイル原潜、別名パパ級)
- アルファ級原子力潜水艦(攻撃型原潜、7隻)
- コムソモレツ(試作攻撃型原潜)
- イギリス
- ドレッドノート(試作攻撃型原潜)
- ヴァリアント級原子力潜水艦(攻撃型原潜、2隻)
- レゾリューション級原子力潜水艦(戦略型原潜、4隻)
- チャーチル級原子力潜水艦(攻撃型原潜、3隻)
- フランス
- ル・ルドゥタブル級原子力潜水艦(戦略型原潜、5隻)
- ドイツ
- オットー・ハーン号