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2019年9月4日 (水) 12:16時点における版
ダニエル・ティクトゥム | |
---|---|
2018年マカオGPにて | |
基本情報 | |
生年月日 | 1999年6月8日(25歳) |
出身地 |
イギリス( イングランド) 同・ロンドン |
スーパーフォーミュラでの経歴 | |
デビュー | 2018 |
所属 | TEAM 無限 |
車番 | 15 |
出走回数 | 5 |
過去参加シリーズ | |
2015 2015,17 2015,17 2016,18 2016 2017 2018 |
MSA・フォーミュラ フォーミュラ・ルノー2.0 NEC ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0 FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権 イギリス・フォーミュラ3・オータム・トロフィー GP3シリーズ FIA フォーミュラ2選手権 |
受賞 | |
2017 2018 |
マクラーレン・オートスポーツ・BRDC・アワード オートスポーツ・ナショナル・ドライバー・オブ・ザ・イヤー |
ダニエル・"ダン"・ティクトゥム(Daniel "Dan" Ticktum, 1999年6月8日 - )は、イギリス・ロンドン出身のレーシングドライバー[1]。
マカオ市街地で開催されるFIA F3ワールドカップ(マカオグランプリ)の2017年、2018年優勝者。
レースキャリア
カート
2008年からカート競技のカデットクラスに出場し、2011年にはイギリス国内4タイトルを制覇(British MSA Formula Kart Stars,National ABkC Super One,Brithish Open (ABkC O Plate),British Grand Prix(GP Plate))。
2012年は国際シリーズに参戦し、WSKユーロシリーズとWSKマスターズシリーズのKF3クラスでルーキー最上位を獲得。2013年はCIK FIAヨーロッパ選手権とイギリス国内選手権のKFJクラスで2位、Andrea Margutti Trophyで優勝した。2014年はWSKマスターズで2位、WSKチャンピオンズカップで3位。この年限りでカートを卒業し、フォーミュラカーへステップアップした。
ジュニアフォーミュラ
2015年
2015年はMSAフォーミュラ(イギリスF4)にフォーテック・モータースポーツより参戦。シルバーストンラウンドにて、ライバルのリッキー・コラードとオープニングラップに絡んで後退すると、セーフティカー導入中に10台を抜き、コラードに報復行為とみられる接触を仕掛け、2年間のレース出場禁止(2年目は執行猶予)というペナルティを受けた[2][3]。
2016年
1年間の出場停止を終え、ヨーロッパF3最終戦ホッケンハイムにカーリン・モータースポーツより出場。また、マカオ市街地で毎年行われるF3ワールドカップ(マカオGP)に初挑戦し、土曜日の予選レースで8位、決勝レースはリタイア。
2017年
2017年1月、レッドブルの若手育成プログラム「レッドブル・ジュニアチーム」入りが発表された。この年はユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0シリーズにアーデン・インターナショナルより参戦し、年間ランキング7位(1勝)。GP3シリーズの終盤3ラウンドにDAMSより参戦した。
2年目のマカオGPは8番グリッドからスタートし、マキシミリアン・ギュンターとランド・ノリスを抜いて3位までポジションを上げ、その順位でフィニッシュすると思われた。が、優勝を争っていたセルジオ・セッテ・カマラとフェルディナンド・ハプスブルグが最終ラップの最終コーナーで競り合った末2台ともバリアに衝突し、ティクトゥムに土壇場で勝利が転がり込んだ[4]。年末にはイギリスの優れた若手ドライバーに贈られる「マクラーレン・オートスポーツBRDCアワード」を受賞した[5]。
2018年
2018年はヨーロッパF3選手権にモトパーク・アカデミーより参戦。中盤戦までに4勝してポイント首位に立ち、シリーズチャンピオンを獲りスーパーライセンス取得に必要なライセンスポイントを確保できれば、2019年はトロ・ロッソからF1デビューするのではないかといわれた[6][7]。しかし、シーズン後半戦に調子を上げたミック・シューマッハに逆転され、ランキング2位に終わった。
シューマッハとの対決が注目されたマカオGPでは予選1回目・2回目、予選レースとも1位で通過し、決勝レースもポール・トゥ・ウィンという完全優勝を達成した。マカオGPがF3規格で行われるようになってから連覇したドライバーは、エドアルド・モルタラ(2009年・2010年)、フェリックス・ローゼンクビスト(2014年・2015年)に続く3人目となる[8]。年末にはオートスポーツ・アワードの「ナショナル・ドライバー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた[9]。
また、FIA F2選手権とスーパーフォーミュラ (SF) へダブルエントリーした福住仁嶺の代役として、ティクトゥムはチーム無限よりSF2戦にスポット参戦し、第3戦菅生はリタイア、第4戦富士は11位でフィニッシュした。また、ヨーロッパF3シーズン終了後、FIA F2最終戦アブダビにスポット参戦した。
F2 / スーパーフォーミュラ
2019年
F1参戦に必要なスーパーライセンスの発給条件となる「過去3年間のライセンスポイント40点」に対して、ティクトゥムは2018年終了時点で5点足りておらず[10]、2019年1-2月に開催されるアジアF3ウィンターリーグに参戦した(チャンピオンにはライセンスポイント10点が与えられる[11])。
2019年はFIA F2を選択せず、スーパーフォーミュラにチーム無限よりレギュラー参戦[12]。レッドブル・ジュニアチームの先輩ピエール・ガスリーと同じく、SFで経験を積み、F1昇格を目指す[13]。F1のインシーズンテストにも2度参加し、レッドブル・RB15をドライブした。しかし、SF序盤3戦で1ポイントしか獲得できず、パフォーマンス不足を理由にSFのシート喪失とジュニアチームからの放出を宣告された[14] [15]。
エピソード
- MSAフォーミュラで出場停止処分を受けた際、レッドブルの育成プログラムの責任者ヘルムート・マルコに電話でこの件を伝えると、「ライセンスが戻って来たらまた電話しておいで」と言われたが、レースは諦めなければならないと思い、勉強に専念。しかし、心にはレースへの情熱が沸いてきた。テストは禁じられておらず、父と相談し活動を再開出来たらF3に参戦しようと計画し、小さなサーキットで練習を重ねた[16]。
- 2018年のヨーロッパF3では、中盤戦から連勝し始めたミック・シューマッハに50ポイント以上の差を縮められ、第9戦でポイントリーダーの座を奪われた。そのレース後、ティクトゥムは自身のInstagramで「彼らの速さを言い表すなら“興味深い”という言葉を選ぶ。F3の大勢の関係者がそれに同意するに違いない」「残念だけど、僕は勝ち目のない勝負をしている。僕の名字がシューマッハーではないからだ」などと発言し、批判を受けてその後削除した[17]。
レース戦績
略歴
年 | シリーズ | チーム | レース | 勝利 | PP | FL | 表彰台 | ポイント | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015 | MSA・フォーミュラ・チャンピオンシップ | フォーテック・モータースポーツ | 27 | 3 | 3 | 5 | 10 | 242 | 6位 |
ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0 | コイラネンGP | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | NC† | |
フォーミュラ・ルノー2.0 NEC | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 41 | 23位 | ||
2016 | FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権 | カーリン | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | NC† |
BRDC・イギリス・フォーミュラ3・オータム・トロフィー | ダブル・R・レーシング | 3 | 1 | 0 | 1 | 2 | 59 | 4位 | |
マカオグランプリ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | K.A. | DNF | ||
2016-17 | MRF・チャレンジ・フォーミュラ2000 | MRF・レーシング | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 41 | 11位 |
2017 | フォーミュラ・ルノー・ユーロカップ | アーデン・インターナショナル | 23 | 1 | 1 | 2 | 3 | 134 | 7位 |
フォーミュラ・ルノー NEC | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | NC† | ||
GP3シリーズ | DAMS | 5 | 0 | 0 | 1 | 1 | 34 | 11位 | |
マカオグランプリ | モトパーク | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | K.A. | 1位 | |
2018 | FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権 | 30 | 4 | 5 | 1 | 8 | 308 | 2位 | |
マカオグランプリ | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | K.A. | 1位 | ||
スーパーフォーミュラ | Team Mugen | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 19位 | |
FIA フォーミュラ2選手権 | BWT・アーデン | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 23位 | |
2019 | F3・アジア選手権・ウィンター・シリーズ | ドラゴン・ハイテックGP | 6 | 0 | 2 | 0 | 1 | 38 | 9位 |
スーパーフォーミュラ | Team Mugen | - | - | - | - | - | - | - |
- † : ゲストドライバーとしての出走であるため、ポイントは加算されない。
FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権
年 | エントラント | エンジン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年 | カーリン | フォルクスワーゲン | LEC 1 |
LEC 2 |
LEC 3 |
HUN 1 |
HUN 2 |
HUN 3 |
PAU 1 |
PAU 2 |
PAU 3 |
RBR 1 |
RBR 2 |
RBR 3 |
NOR 1 |
NOR 2 |
NOR 3 |
ZAN 1 |
ZAN 2 |
ZAN 3 |
SPA 1 |
SPA 2 |
SPA 3 |
NÜR 1 |
NÜR 2 |
NÜR 3 |
IMO 1 |
IMO 2 |
IMO 3 |
HOC 1 13 |
HOC 2 20 |
HOC 3 14 |
NC† | 0 |
2018年 | モトパーク | PAU 1 3 |
PAU 2 Ret |
PAU 3 5‡ |
HUN 1 1 |
HUN 2 Ret |
HUN 3 2 |
NOR 1 4 |
NOR 2 Ret |
NOR 3 1 |
ZAN 1 5 |
ZAN 2 6 |
ZAN 3 Ret |
SPA 1 13 |
SPA 2 1 |
SPA 3 5 |
SIL 1 1 |
SIL 2 8 |
SIL 3 6 |
MIS 1 6 |
MIS 2 4 |
MIS 3 4 |
NÜR 1 3 |
NÜR 2 3 |
NÜR 3 4 |
RBR 1 8 |
RBR 2 17†† |
RBR 3 4 |
HOC 1 5 |
HOC 2 7 |
HOC 3 4 |
2位 | 308 |
- 太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)
- † : ゲストドライバーとしての出走であるため、ポイントは加算されない。
- ‡ : ハーフポイント。レース周回数が75%未満で終了したため、得点が半分となる。
- †† : リタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。
GP3シリーズ
年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017年 | DAMS | CAT FEA |
CAT SPR |
RBR FEA |
RBR SPR |
SIL FEA |
SIL SPR |
HUN FEA |
HUN SPR |
SPA FEA |
SPA SPR |
MNZ FEA 13 |
MNZ SPR C |
JER FEA 4 |
JER SPR Ret |
YMC FEA 4 |
YMC SPR 3 |
11位 | 34 |
スーパーフォーミュラ
年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018年 | TEAM MUGEN | SUZ | AUT | SUG Ret |
FSW 11 |
TRM | OKA | SUZ | 19位 | 0 |
2019年 | SUZ 8 |
AUT Ret |
SUG 15 |
FSW | TRM | OKA |
SUZ |
17位* | 1 |
FIA フォーミュラ2選手権
年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018年 | BWT・アーデン | BHR FEA |
BHR SPR |
BAK FEA |
BAK SPR |
CAT FEA |
CAT SPR |
MON FEA |
MON SPR |
LEC FEA |
LEC SPR |
RBR FEA |
RBR SPR |
SIL FEA |
SIL SPR |
HUN FEA |
HUN SPR |
SPA FEA |
SPA SPR |
MNZ FEA |
MNZ SPR |
SOC FEA |
SOC SPR |
YMC FEA 11 |
YMC SPR Ret |
23位 | 0 |
脚注
- ^ “Dan Ticktum 'sometimes engages mouth before brain' - Christian Horner”. www.autosport.com (2018年9月28日). 2018年12月2日閲覧。
- ^ “Daniel Ticktum gets two-year ban for 'disturbing' MSA Formula clash”. AUTOSPORT (2015年11月24日). 2019年1月日閲覧。
- ^ “2017年注目の若手ドライバー 5名”. RedBull.com (2017年2月22日). 2019年1月日閲覧。
- ^ “マカオFIA F3ワールドカップ:最終周の最終コーナーでドラマ! ティクトゥムが優勝飾る”. オートスポーツWeb (2017年11月19日). 2019年1月19日閲覧。
- ^ “レッドブルの若手がマクラーレン・オートスポーツ賞に”. ESPN F1 (2017年12月5日). 2019年1月19日閲覧。
- ^ “トロロッソ・ホンダの候補ティクトゥム「F1で戦う準備はできている」”. オートスポーツWeb (2018年8月22日). 2019年1月19日閲覧。
- ^ “【トロロッソ・ホンダ】2019年のドライバーラインアップ確定が遅れる理由は?”. Topnews (2018年9月20日). 2019年1月19日閲覧。
- ^ “マカオFIA F3ワールドカップ:赤旗中断の荒れたレースを制しダニエル・ティクトゥムが連覇を飾る”. オートスポーツWeb (2018年11月18日). 2019年1月19日閲覧。
- ^ “Autosport Awards 2018: Dan Ticktum wins National Driver of the Year”. AUTOSPORT (2018年12月2日). 2019年1月21日閲覧。
- ^ “スーパーライセンスポイント獲得を目指すティクトゥム。来季SF参戦か?”. jp.motorsport.com (2018年11月16日). 2018年12月2日閲覧。
- ^ “ティクトゥム、アジアF3ウィンターシリーズに参戦”. motorsport.com (2019年1月10日). 2019年1月21日閲覧。
- ^ “山本尚貴がダンディライアンへ移籍、ホンダが2019SF体制を発表”. motorsport.com (2019年1月11日). 2019年1月21日閲覧。
- ^ “日本はF1への新登竜門。レッドブルが育成ドライバー2名を送り込む”. web Sportiva (2018年12月31日). 2019年1月21日閲覧。
- ^ “Patricio O’Ward takes on Super Formula duties in Japan”. Red Bull Junior Team (2019年6月28日). 2019年7月5日閲覧。
- ^ “レッドブルF1代表、ティクトゥム解雇の理由を語る「結果がすべて。スーパーフォーミュラでの不振から、次期F1候補として不適切と判断」”. AUTOSPORT web (2019年7月5日). 2019年7月5日閲覧。
- ^ SUPER FORMULA STAGE 2019 Vol.1 TEAM MUGENドライバー ダニエル・ティクトゥム 日本レースプロモーション 2019年6月25日閲覧
- ^ “レッドブルジュニアのティクトゥムが物議を醸す発言。ミック・シューマッハーの突然の台頭は不可解と主張”. オートスポーツWeb (2018年9月25日). 2019年1月21日閲覧。
外部リンク
DOCOMO TEAM DANDELION RACING | KONDO RACING | TEAM LEMANS | TEAM 無限 | REAL RACING | carrozzeria Team KCMG | ||||||
1 | 山本尚貴 | 3 | 山下健太 | 7 | アーテム・マルケロフ(Rd.1-5) 中山雄一(Rd.6-7) |
15 | ダニエル・ティクトゥム(Rd.1-3) パトリシオ・オワード(Rd.4-6) ユーリ・ビップス(Rd.7) |
17 | トリスタン・シャルパンティエ(Rd.1) 塚越広大(Rd.2-7) |
18 | 小林可夢偉 |
5 | 福住仁嶺 | 4 | 国本雄資 | 8 | 大嶋和也 | 16 | 野尻智紀 | ||||
JMS P.MU/CERUMO·INGING | TEAM IMPUL | VANTELIN TEAM TOM'S | B-MAX Racing team with Motopark | TCS NAKAJIMA RACING | |||||||
38 | 石浦宏明 | 19 | 関口雄飛 | 36 | 中嶋一貴 | 50 | ルーカス・アウアー | 64 | アレックス・パロウ | ||
39 | 坪井翔 | 20 | 平川亮 | 37 | ニック・キャシディ | 51 | ハリソン・ニューウェイ | 65 | 牧野任祐 |