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'''ラボ・パーティ'''(英語表記:Labo Party)は、現在は株式会社ラボ教育センターが運営する外国語教育社会団体。通称ラボ、LABO。 |
'''ラボ・パーティ'''(英語表記:Labo Party)は、現在は株式会社ラボ教育センターが運営する外国語教育社会団体。通称ラボ、LABO。 |
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==歴史== |
== 歴史 == |
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*1966年 株式会社[[テック]](東京イングリッシュ・センター)の一部門としてラボ教育センター発足。 |
*1966年 株式会社[[テック]](東京イングリッシュ・センター)の一部門としてラボ教育センター発足。 |
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*1968年 ラボ・サマーキャンプ開始 |
*1968年 ラボ・サマーキャンプ開始 |
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*1969年 ラボ活動の核をなす、物語テープの第一巻「The Thunder Boy」を発売<ref>『教育ルネサンスへの挑戦』(ラボ教育センター、2002年)P.206</ref>。 また、「テーマ活動」を活動の中心にする<ref>『教育ルネサンスへの挑戦』(ラボ教育センター、2002年)P.206</ref>。 |
*1969年 ラボ活動の核をなす、物語テープの第一巻「The Thunder Boy」を発売<ref>『教育ルネサンスへの挑戦』(ラボ教育センター、2002年)P.206</ref>。 また、「テーマ活動」を活動の中心にする<ref>『教育ルネサンスへの挑戦』(ラボ教育センター、2002年)P.206</ref>。 |
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*1971年 ラボランド設立。(長野県黒姫高原 面積10万㎡、宿泊人数 |
*1971年 ラボランド設立。(長野県黒姫高原 面積10万㎡、宿泊人数650人) |
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*1972年 国際交流開始 179名が米国にホームステイ。 |
*1972年 国際交流開始 179名が米国にホームステイ。 |
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*1973年 財団法人ラボ国際交流センター発足。 |
*1973年 財団法人ラボ国際交流センター発足。 |
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*2016年 ラボ発足50周年を迎える。 |
*2016年 ラボ発足50周年を迎える。 |
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== 参加者 == |
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会員を'''ラボっ子'''、指導者を'''テューター'''と呼ぶ。 |
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=== ラボっ子 === |
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ラボっ子とは、ラボ・パーティにおいて活動を行っている子供たちをさす。 |
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その年代は幅広く、0歳児からのプレイルームがあり、幼稚園、小中高大生や社会人まで活動している。パーティの中心的役割を担ったり、地区の活動にも参加しリーダーとして活躍したりする。また高校生は季節ごとに行われる各地の[[キャンプ]]でのシニアメイトとしても活動できる。大学生はパーティでの活動のほか支部活動に参加し、キャンプでの大学生コーチ、カレッジリーダー、表現活動などに参加できる。 |
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=== テューター === |
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テューターとはラボ・パーティにおいて活動をラボっ子たちの指導をしている成人女性指導者のことをさす。基本的には女性しかなれない。 |
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ラボっ子同様に年齢層は幅広く、20代から70歳以上のテューターも存在する。テューターは月に一度から数ヶ月に一度の割合でテューター研修を行っている。テューターがキャンプに参加すると、キャンプ中は'''ロッジマザー'''などと呼ばれ、ロッジのお母さん的な役割を果たしている。ラボっ子と一緒にホームステイに行き、ステイ先でのラボっ子の様子を聞いたり、日本の本部へ連絡する役割も一部テューターが補っている。ホームステイに行くテューターのことを通称'''シャペロン'''という。 |
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== 活動内容 == |
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子どもに対し、主に英語を通じてコミュニケーション教育、異文化交流などを行う。世界の話や文学、詩や歌に触れる環境(「ラボ・ライブラリ」としてCD が多数制作されており、ラジオドラマのように鑑賞可能)があり、その上で、年齢、国籍などに縛られない交流の機会がある。英語というと誤解されやすいが、決して英語習得を目的とした塾やスクールの類ではない。全国に約3600教室が存在し、それぞれの教室をパーティと呼ぶ。会員は6万ほど<ref>{{Cite book|和書 |
子どもに対し、主に英語を通じてコミュニケーション教育、異文化交流などを行う。世界の話や文学、詩や歌に触れる環境(「ラボ・ライブラリ」としてCD が多数制作されており、ラジオドラマのように鑑賞可能)があり、その上で、年齢、国籍などに縛られない交流の機会がある。英語というと誤解されやすいが、決して英語習得を目的とした塾やスクールの類ではない。全国に約3600教室が存在し、それぞれの教室をパーティと呼ぶ。会員は6万ほど<ref>{{Cite book|和書 |
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|author=神山典士 |
|author=神山典士 |
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|publisher=ラボ教育センター |
|publisher=ラボ教育センター |
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|isbn=978-4898110133 |
|isbn=978-4898110133 |
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}}</ref>。 |
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}}</ref>。なお指導者を'''テューター'''と呼び、会員を'''ラボっ子'''と呼ぶ。また、テューターがラボっ子を指導したり、何かを教えるのではなく、ラボっ子の自主性を大切にし、ラボっ子が自ら活動を企画したり運営したりすることも多い。しかし、「ラボとはなにかということを、当事者であるわれわれがうまく説明できない」<ref>佐藤学 内田伸子 大津由紀夫が語る 言葉の学び、英語の学び』 15頁 </ref>と、ラボ教育センター自身もラボが一体どのようなものか、簡単に説明できない難しさを感じている。一方、門脇厚司は、ラボ・パーティへの参加によって子どもに「社会力」が身につくことを、アンケート結果によって示している<ref>門脇厚司 田島信元『大人になったピーター・パン 言語力と社会力』 アートデイズ 2006年</ref>。主に英語と日本語を中心とした言語活動と、異年齢集団活動による社会力の形成がラボ・パーティで達成されていると思われる。また、仁衡琢磨は、ラボ教育の骨子を「ことば、物語、表現」であるとしている<ref>{{Cite book|和書 |
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テューターがラボっ子を指導したり、何かを教えるのではなく、ラボっ子の自主性を大切にし、ラボっ子が自ら活動を企画したり運営したりすることも多い。しかし、「ラボとはなにかということを、当事者であるわれわれがうまく説明できない」<ref>佐藤学 内田伸子 大津由紀夫が語る 言葉の学び、英語の学び』 15頁 </ref>と、ラボ教育センター自身もラボが一体どのようなものか、簡単に説明できない難しさを感じている。一方、門脇厚司は、ラボ・パーティへの参加によって子どもに「社会力」が身につくことを、アンケート結果によって示している<ref>門脇厚司 田島信元『大人になったピーター・パン 言語力と社会力』 アートデイズ 2006年</ref>。主に英語と日本語を中心とした言語活動と、異年齢集団活動による社会力の形成がラボ・パーティで達成されていると思われる。また、仁衡琢磨は、ラボ教育の骨子を「ことば、物語、表現」であるとしている<ref>{{Cite book|和書 |
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|author=仁衡琢磨 |
|author=仁衡琢磨 |
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|year=2020 |
|year=2020 |
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}}</ref>。 |
}}</ref>。 |
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=== テーマ活動 === |
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==ラボっ子== |
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テーマ活動とは、ラボっ子がグループを組み、協力して1つの劇を作り上げる活動のことをいう。ゴールとして発表会があり、ラボっ子同士作り上げたテーマ活動を見せ合う。 |
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ラボっ子とは、ラボ・パーティにおいて活動を行っている子供たちをさす。 |
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テーマ活動をつくるグループは多彩であり、幼児だけや大学生だけなどの年代別のグループもあれば、幼児から大学生以上までが一緒のグループもある。様々な年代と共に交流を行いながら、物語に親しみ、発表会で表現する。このようなサイクルを重ねることでラボっ子の主体的な成長を促すこのテーマ活動は、ラボ式教育メソッドにおける要となっている。 |
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その年代は幅広く、0歳児からのプレイルームがあり、幼稚園、小中高大生や社会人まで活動している。パーティの中心的役割を担ったり、地区の活動にも参加しリーダーとして活躍したりする。また高校生は季節ごとに行われる各地の[[キャンプ]]でのシニアメイトとしても活動できる。大学生はパーティでの活動のほか支部活動に参加し、キャンプでの大学生コーチ、カレッジリーダー、表現活動などに参加できる。 |
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==テューター== |
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テューターとはラボ・パーティにおいて活動をラボっ子たちの指導をしている成人女性指導者のことをさす。基本的には女性しかなれない。 |
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世界で親しまれている物語を扱うことが多く、英語と日本語を主に言語として利用している。一般的な劇とは全く異なり、道具や衣装を使わず、人の身体ですべてを表現する。動物や妖精、木や海などはもちろん、悲しみや怒りなどの抽象概念についても身体で表現するため、時に創作ダンスのような要素も含む。また、一般的な劇のように方針や動きを指示する監督・演出家がおらず、ライブラリのCD をもとに、物語の理解・演出・配役まですべてラボっこが話し合い自ら作り上げる。 |
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ラボっ子同様に年齢層は幅広く、20代から70歳以上のテューターも存在する。テューターは月に一度から数ヶ月に一度の割合でテューター研修というものを行っている。テューターがキャンプに参加すると、キャンプ中は'''ロッジマザー'''などと呼ばれ、ロッジのお母さん的な役割を果たしている。なお、毎回ではないが、ラボっ子と一緒にホームステイに行き、ステイ先でのラボっ子の様子を聞いたり、日本の本部へ連絡する役割も一部テューターが補っている。ホームステイに行くテューターのことを通称'''シャペロン'''という。 |
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=== キャンプ === |
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==教材== |
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春休み、夏休み、冬休み、GW期間などに全国からラボっ子が集まり、キャンプが行われる。キャンプといってもテント生活ではなくロッジで寝泊りし、テーマ活動やソングバード、普段はできない野外活動等を楽しむ。 |
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テーマ活動やソングバードに使われる音源を収録したCD+本をラボ・ライブラリーと呼び、会員は好きなものを購入できる。通常4枚組CD+本が1セットで、一部は一般の書店でも市販されている。1990年代にCD化される前は、収録時間約15分×13トラックの専用テープ(通称「ラボテープ」。 |
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===ソングバード=== |
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主に英語圏の童謡、わらべ歌(ナーサリーライム)等を英語のみで収録し、ラボっ子は音楽にあわせ踊ったりして楽しむ([[フォークダンス]])。 |
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ソングバードは、不定期に新作が発表される。英語、フランス語、スペイン語、韓国語、中国語の童謡などが収録されている。なお、1990年代のCD化の際にリニューアル録音された歌も多い。 |
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ソングバードとは、以下の7つのものをさす。 |
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* C.W.ニコルのフォークソング 流浪の詩(さすらいのうた) There Were Singing Folk(45曲、1972年1月発表) |
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* We Are Songbirds 歌の好きな小鳥になろう(72曲、1990年12月CD化の際にリニューアル&発表) |
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* We Are Songbirds 2(43曲、1977年6月発表) |
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* We Are Songbirds 3(94曲、1981年3月発表) |
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* POEMS AND NURSERY RHYMES 1(詩17編&歌52曲、1982年12月発表) |
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* POEMS AND NURSERY RHYMES 2(詩46編&歌181曲、1998年6月発表) |
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* ひとつしかない地球 The One and Only Earth(32曲、2004年6月発表) |
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===ラボ・ライブラリー(音声CD)=== |
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1センテンスずつ交互に英語と日本語が語られ(中国語、韓国語などの言語が使われたものもある)、ネイティブの英語を耳で聞きながら物語を楽しめるようになっている。とりあげる題材などは、「[[注文の多い料理店]]」([[宮沢賢治]])や「[[ピーターパン]]」、さらには[[ウィリアム・シェイクスピア|シェイクスピア]]作品など有名な作品も多く、「ハムレット」もそのうちの一つとなっている。 |
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単なる朗読CD ではなく、効果音や音楽も本格的で、『映像の無い映画』と評価できるほど、その完成度、水準は非常に高い。例えば物語を語る[[ナレーター]]には[[久米明]]、[[江守徹]]、[[岸田今日子]]、[[宇野重吉]]、[[橋爪功]]、[[渡辺篤史]]、[[戸田恵子]]、[[上川隆也]]などの著名人、更に、[[観世流]][[能楽]]師・[[観世栄夫]]や[[狂言]]の[[重要無形文化財]]保持者だった[[野村万蔵|六世野村万蔵]]とその子息の四世野村万之丞(現:野村萬)・[[野村万作|二世野村万作]]・[[野村万之介]]が参加した作品もある。 |
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オリジナルのイラストを用いた本は、絵本作家の[[司修]]ら以外にも、前衛芸術家だった[[赤瀬川原平]]、[[高松次郎]]のような現代画家で含み、音楽担当者にも[[林光]]や[[間宮芳生]]の名が見られる。 |
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==テーマ活動== |
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テーマ活動とは、ラボっ子がグループを組み、協力して1つの劇を作り上げる活動のことをいう。世界で親しまれている物語を扱うことが多く、英語と日本語を主に言語として利用している。一般的な劇とは全く異なり、道具や衣装を使わず、人の身体ですべてを表現する。動物や妖精、木や海などはもちろん、悲しみや怒りなどの抽象概念についても身体で表現するため、時に創作ダンスのような要素も含む。また、一般的な劇のように方針や動きを指示する監督・演出家がおらず、ライブラリのCD をもとに、物語の理解・演出・配役まですべてラボっこが話し合い自ら作り上げる。基本的には、テーマ活動をするにあたって、ゴールとして発表会があり、ラボっ子同士作り上げたテーマ活動を見せ合う。テーマ活動をつくるグループも多彩であり、幼児だけや大学生だけなどの年代別のグループもあれば、幼児から大学生以上までが一緒のグループもある。このように、様々な年代と共に交流を行いながら、物語に親しみ、発表会で表現する。このようなサイクルを重ねることでラボっ子の主体的な成長を促すこのテーマ活動は、ラボ式教育メソッドにおける要となっている。 |
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==キャンプ== |
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春休み、夏休み、冬休み、GW期間などに全国からラボっ子が集まり、キャンプが行われる。キャンプといってもテント生活ではなくロッジで寝泊りし、テーマ活動やソングバードはもちろん、普段はできない野外活動を楽しんだりする。 |
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3泊4日で行われることが多く、1棟25人前後で、それにシニアメイト(ラボっ子のリーダー)が男女各1名、ロッジマザー(テューター)がつく。 |
3泊4日で行われることが多く、1棟25人前後で、それにシニアメイト(ラボっ子のリーダー)が男女各1名、ロッジマザー(テューター)がつく。 |
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キャンプ地では野外でフィールド活動などをしている。開催地や季節によって異なるが、黒姫の場合は夏は黒姫山登頂、冬は雪の野外活動などが行われている。また、三日目の夜にはキャンプファイヤーを行い、「キャンプソング」で盛り上がるのが通例。キャンプ地の黒姫は「ラボランド」と言われる施設の為、キャンプファイヤー後は「ラボランドの歌」というテーマ曲を歌いキャンプの締めくくりを飾る。 |
キャンプ地では野外でフィールド活動などをしている。開催地や季節によって異なるが、黒姫の場合は夏は黒姫山登頂、冬は雪の野外活動などが行われている。また、三日目の夜にはキャンプファイヤーを行い、「キャンプソング」で盛り上がるのが通例。キャンプ地の黒姫は「ラボランド」と言われる施設の為、キャンプファイヤー後は「ラボランドの歌」というテーマ曲を歌いキャンプの締めくくりを飾る。 |
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キャンプで全国のラボっ子の一部は、自分たちが考えたキャンソンをキャンプで紹介する。参加したラボっ子がそれを各パーティーに持ち帰り披露することで広まることもある。 |
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キャンプではラボっ子たちは「キャンパー」と呼ばれ、「シニアメイト」と呼ばれるリーダーのもと、割りふられた各ロッジ(活動場所)ごとに行動する。シニアメイトになる事を希望するラボっ子は、原則として高校生以上で、「シニアメイト」登録を行った上で研修を受け、その後晴れてロッジ活動を運営する事になる。各ロッジには、ロッジマザーまたはグループマザーと呼ばれる数名のテューターが配置される。 |
キャンプではラボっ子たちは「キャンパー」と呼ばれ、「シニアメイト」と呼ばれるリーダーのもと、割りふられた各ロッジ(活動場所)ごとに行動する。シニアメイトになる事を希望するラボっ子は、原則として高校生以上で、「シニアメイト」登録を行った上で研修を受け、その後晴れてロッジ活動を運営する事になる。各ロッジには、ロッジマザーまたはグループマザーと呼ばれる数名のテューターが配置される。 |
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キャンプ本部には、「大学生コーチ」が存在している。大学生コーチは多くのシーンでラボ活動の企画・進行を事務局に代わって行う。そのため、大学生コーチ会議で決まった事は、全国のラボ活動に影響を及ぼす。キャンプにおいても、シニアメイトに対する指示を行う等、キャンプ全体の進行を大きく担ってい |
キャンプ本部には、「大学生コーチ」が存在している。大学生コーチは多くのシーンでラボ活動の企画・進行を事務局に代わって行う。そのため、大学生コーチ会議で決まった事は、全国のラボ活動に影響を及ぼす。キャンプにおいても、シニアメイトに対する指示を行う等、キャンプ全体の進行を大きく担っている。 |
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=== ホームステイ === |
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ラボっ子たちを対象として海外でのホームステイプログラムが設定されている。 |
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({{Cite book|和書 |
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|author=神山典士 |
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|year=2005 |
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|title=ひとりだちへの旅 |
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|publisher=ラボ教育センター |
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|isbn=978-4898110133 |
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}}より) |
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北米へ1年間の留学(高校生以上)がある。ラボの国際交流では事前活動への参加が条件となっており、ホームステイに行くことを希望しているラボっ子は事前に申し込みをし、ホームステイに行く前年の11月からホームステイに行く年の7月まで事前活動を行っている。また、ホームステイに行った後も事後活動というものがあり、未来へと続けることができる。また、諸外国からのホームステイの受け入れ等も行っている。 |
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ニュージーランド・韓国・カナダ・アメリカ行きは夏、中国行きは春に行なわれる。 |
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=== オレゴン国際キャンプ === |
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[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[オレゴン州]]に行き、現地の子どもたちと自然を満喫しながら行なう自然キャンプ。 |
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ホームステイとは別に開催され、ホームステイより期間が短い。 |
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キャンプで全国のラボっ子の一部は、キャンプソングを全国のラボパーティーに広げる。考えたキャンソンをキャンプで紹介し、紹介されたラボっ子はそれを各パーティーに持ち帰り披露すると全国に広まる。 |
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お風呂に入れない日などもあり少々大変であるが、たいへん良い経験になる。 |
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===ラボランド黒姫=== |
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== 施設 == |
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=== ラボランド黒姫 === |
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長野県[[黒姫山 (長野県)|黒姫高原]]の3万坪にもおよぶキャンプ施設。 |
長野県[[黒姫山 (長野県)|黒姫高原]]の3万坪にもおよぶキャンプ施設。 |
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などの施設がある。 |
などの施設がある。 |
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== 教材 == |
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==ラボのホームステイ== |
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テーマ活動やソングバードに使われる音源を収録したCD+本をラボ・ライブラリーと呼び、会員は好きなものを購入できる。通常4枚組CD+本が1セットで、一部は一般の書店でも市販されている。1990年代にCD化される前は、収録時間約15分×13トラックの専用テープ(通称「ラボテープ」)であった。 |
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ラボをやっているラボっ子たちはが北米やニュージーランド・韓国・中国へホームステイにいくプログラムがある。({{Cite book|和書 |
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|author=神山典士 |
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|year=2005 |
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|title=ひとりだちへの旅 |
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|publisher=ラボ教育センター |
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|isbn=978-4898110133 |
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}}より) |
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北米へ1年間の留学(高校生以上)がある。ラボの国際交流では事前活動への参加が条件となっており、ホームステイに行くことを希望しているラボっ子は事前に申し込みをし、ホームステイに行く前年の11月からホームステイに行く年の7月まで事前活動を行っている。また、ホームステイに行った後も事後活動というものがあり、未来へと続けることができる。また、諸外国からのホームステイの受け入れ等も行っている。 |
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=== ソングバード === |
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=== ラボっ子がホームステイできる国々 === |
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主に英語圏の童謡、わらべ歌(ナーサリーライム)等を英語のみで収録し、ラボっ子は音楽にあわせ踊ったりして楽しむ([[フォークダンス]])。 |
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ラボっ子は毎年夏に以下の国にホームステイできる。 |
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*ニュージーランド・韓国・カナダ・アメリカ |
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**なお中国ステイのみ春(3月)の出発となる。 |
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ソングバードは、不定期に新作が発表される。英語、フランス語、スペイン語、韓国語、中国語の童謡などが収録されている。なお、1990年代のCD化の際にリニューアル録音された歌も多い。 |
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===オレゴン国際キャンプ=== |
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ホームステイとは別にオレゴン国際キャンプがある。オレゴン国際キャンプとは[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[オレゴン州]]に行き、現地の子どもたちと自然を満喫しながら自然キャンプをする。というプログラムである。ホームステイより期間が短い、お風呂に入れない日などもある少々大変である。たいへん良い経験になる。 |
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以下の作品がある。 |
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* C.W.ニコルのフォークソング 流浪の詩(さすらいのうた) There Were Singing Folk(45曲、1972年1月発表) |
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* We Are Songbirds 歌の好きな小鳥になろう(72曲、1990年12月CD化の際にリニューアル&発表) |
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* We Are Songbirds 2(43曲、1977年6月発表) |
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* We Are Songbirds 3(94曲、1981年3月発表) |
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* POEMS AND NURSERY RHYMES 1(詩17編&歌52曲、1982年12月発表) |
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* POEMS AND NURSERY RHYMES 2(詩46編&歌181曲、1998年6月発表) |
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* ひとつしかない地球 The One and Only Earth(32曲、2004年6月発表) |
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=== ラボ・ライブラリー(音声CD) === |
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1センテンスずつ交互に英語と日本語が語られ(中国語、韓国語などの言語が使われたものもある)、ネイティブの英語を耳で聞きながら物語を楽しめるようになっている。とりあげる題材などは、「[[注文の多い料理店]]」([[宮沢賢治]])や「[[ピーターパン]]」、さらには[[ウィリアム・シェイクスピア|シェイクスピア]]作品など有名な作品も多く、「ハムレット」もそのうちの一つとなっている。 |
|||
単なる朗読CD ではなく、効果音や音楽も本格的で、『映像の無い映画』と評価できるほど、その完成度、水準は非常に高い。例えば物語を語る[[ナレーター]]には[[久米明]]、[[江守徹]]、[[岸田今日子]]、[[宇野重吉]]、[[橋爪功]]、[[渡辺篤史]]、[[戸田恵子]]、[[上川隆也]]などの著名人、更に、[[観世流]][[能楽]]師・[[観世栄夫]]や[[狂言]]の[[重要無形文化財]]保持者だった[[野村万蔵|六世野村万蔵]]とその子息の四世野村万之丞(現:野村萬)・[[野村万作|二世野村万作]]・[[野村万之介]]が参加した作品もある。 |
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オリジナルのイラストを用いた本は、絵本作家の[[司修]]ら以外にも、前衛芸術家だった[[赤瀬川原平]]、[[高松次郎]]のような現代画家で含み、音楽担当者にも[[林光]]や[[間宮芳生]]の名が見られる。 |
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==関連人物== |
== 関連人物 == |
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;[[榊原陽]] |
;[[榊原陽]] |
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:ラボ創業者。1980年に退社して、1981年に[[ヒッポファミリークラブ]]を創設した。 |
:ラボ創業者。1980年に退社して、1981年に[[ヒッポファミリークラブ]]を創設した。 |
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;[[谷川雁]] |
;[[谷川雁]] |
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:ラボ教育を創り、その草創期にラボ教育の手法を確立、教材制作の責任者として |
:ラボ教育を創り、その草創期にラボ教育の手法を確立、教材制作の責任者として1979年の解任までの全てのラボ・ライブラリの制作を行った。また「らくだ・こぶに」の筆名で自ら幾つかのラボ・ライブラリの物語を創った。 |
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;[[C・W・ニコル]] |
;[[C・W・ニコル]] |
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:ラボの黎明期から現在まで深く活動や関連著書、教材の作成に関わっている。 |
:ラボの黎明期から現在まで深く活動や関連著書、教材の作成に関わっている。 |
2021年6月17日 (木) 18:21時点における版
種類 | 株式会社 |
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略称 | ラボ |
本社所在地 |
日本 〒169-0072 東京都新宿区大久保 1-3-21 新宿TXビル2階 |
設立 | 1966年11月 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 言語教育・国内交流(キャンプ)・国際交流・出版事業 |
代表者 | 寺嶋 隆介 |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 20億(2018年6月期) |
従業員数 | 72名(2018年6月) |
決算期 | 6月 |
外部リンク | http://www.labo-party.jp/ |
ラボ・パーティ(英語表記:Labo Party)は、現在は株式会社ラボ教育センターが運営する外国語教育社会団体。通称ラボ、LABO。
歴史
- 1966年 株式会社テック(東京イングリッシュ・センター)の一部門としてラボ教育センター発足。
- 1968年 ラボ・サマーキャンプ開始
- 1969年 ラボ活動の核をなす、物語テープの第一巻「The Thunder Boy」を発売[1]。 また、「テーマ活動」を活動の中心にする[2]。
- 1971年 ラボランド設立。(長野県黒姫高原 面積10万㎡、宿泊人数650人)
- 1972年 国際交流開始 179名が米国にホームステイ。
- 1973年 財団法人ラボ国際交流センター発足。
- 1985年 株式会社ラボ教育センター設立[3]。
- 1986年 ラボ・中国青年交流開始
- 1987年 ラボ日本語教育研修所設立
- 1990年 NHK「英語であそぼ」のイベント ラボ主催。
- 1990年 ラボ・ライブラリーCD市販開始。
- 1995年 ラボ国際交流参加者がのべ36000人になる。
- 1996年 ラボランドロッジ改築。
- 2006年 ラボ言語教育総合研究所設立。
- 2016年 ラボ発足50周年を迎える。
参加者
会員をラボっ子、指導者をテューターと呼ぶ。
ラボっ子
ラボっ子とは、ラボ・パーティにおいて活動を行っている子供たちをさす。
その年代は幅広く、0歳児からのプレイルームがあり、幼稚園、小中高大生や社会人まで活動している。パーティの中心的役割を担ったり、地区の活動にも参加しリーダーとして活躍したりする。また高校生は季節ごとに行われる各地のキャンプでのシニアメイトとしても活動できる。大学生はパーティでの活動のほか支部活動に参加し、キャンプでの大学生コーチ、カレッジリーダー、表現活動などに参加できる。
テューター
テューターとはラボ・パーティにおいて活動をラボっ子たちの指導をしている成人女性指導者のことをさす。基本的には女性しかなれない。
ラボっ子同様に年齢層は幅広く、20代から70歳以上のテューターも存在する。テューターは月に一度から数ヶ月に一度の割合でテューター研修を行っている。テューターがキャンプに参加すると、キャンプ中はロッジマザーなどと呼ばれ、ロッジのお母さん的な役割を果たしている。ラボっ子と一緒にホームステイに行き、ステイ先でのラボっ子の様子を聞いたり、日本の本部へ連絡する役割も一部テューターが補っている。ホームステイに行くテューターのことを通称シャペロンという。
活動内容
子どもに対し、主に英語を通じてコミュニケーション教育、異文化交流などを行う。世界の話や文学、詩や歌に触れる環境(「ラボ・ライブラリ」としてCD が多数制作されており、ラジオドラマのように鑑賞可能)があり、その上で、年齢、国籍などに縛られない交流の機会がある。英語というと誤解されやすいが、決して英語習得を目的とした塾やスクールの類ではない。全国に約3600教室が存在し、それぞれの教室をパーティと呼ぶ。会員は6万ほど[4]。
テューターがラボっ子を指導したり、何かを教えるのではなく、ラボっ子の自主性を大切にし、ラボっ子が自ら活動を企画したり運営したりすることも多い。しかし、「ラボとはなにかということを、当事者であるわれわれがうまく説明できない」[5]と、ラボ教育センター自身もラボが一体どのようなものか、簡単に説明できない難しさを感じている。一方、門脇厚司は、ラボ・パーティへの参加によって子どもに「社会力」が身につくことを、アンケート結果によって示している[6]。主に英語と日本語を中心とした言語活動と、異年齢集団活動による社会力の形成がラボ・パーティで達成されていると思われる。また、仁衡琢磨は、ラボ教育の骨子を「ことば、物語、表現」であるとしている[7]。
テーマ活動
テーマ活動とは、ラボっ子がグループを組み、協力して1つの劇を作り上げる活動のことをいう。ゴールとして発表会があり、ラボっ子同士作り上げたテーマ活動を見せ合う。
テーマ活動をつくるグループは多彩であり、幼児だけや大学生だけなどの年代別のグループもあれば、幼児から大学生以上までが一緒のグループもある。様々な年代と共に交流を行いながら、物語に親しみ、発表会で表現する。このようなサイクルを重ねることでラボっ子の主体的な成長を促すこのテーマ活動は、ラボ式教育メソッドにおける要となっている。
世界で親しまれている物語を扱うことが多く、英語と日本語を主に言語として利用している。一般的な劇とは全く異なり、道具や衣装を使わず、人の身体ですべてを表現する。動物や妖精、木や海などはもちろん、悲しみや怒りなどの抽象概念についても身体で表現するため、時に創作ダンスのような要素も含む。また、一般的な劇のように方針や動きを指示する監督・演出家がおらず、ライブラリのCD をもとに、物語の理解・演出・配役まですべてラボっこが話し合い自ら作り上げる。
キャンプ
春休み、夏休み、冬休み、GW期間などに全国からラボっ子が集まり、キャンプが行われる。キャンプといってもテント生活ではなくロッジで寝泊りし、テーマ活動やソングバード、普段はできない野外活動等を楽しむ。 3泊4日で行われることが多く、1棟25人前後で、それにシニアメイト(ラボっ子のリーダー)が男女各1名、ロッジマザー(テューター)がつく。
代表的なキャンプ地はラボランド黒姫だが、それ以外にも各地の旅館、ペンション、温泉地などをキャンプ地にあてている。近年の開催地は下記のとおり。
過去には道後山(広島県)、高梁(岡山県)、高島(岡山県、瀬戸内海)、阿蘇(熊本県)、座間味島(沖縄県)、五箇山(富山県)、 平郡島(山口県)、石徹白(岐阜県)、蔵王(山形県)、大山(鳥取県)でも開催されていた。
キャンプ地では野外でフィールド活動などをしている。開催地や季節によって異なるが、黒姫の場合は夏は黒姫山登頂、冬は雪の野外活動などが行われている。また、三日目の夜にはキャンプファイヤーを行い、「キャンプソング」で盛り上がるのが通例。キャンプ地の黒姫は「ラボランド」と言われる施設の為、キャンプファイヤー後は「ラボランドの歌」というテーマ曲を歌いキャンプの締めくくりを飾る。
キャンプで全国のラボっ子の一部は、自分たちが考えたキャンソンをキャンプで紹介する。参加したラボっ子がそれを各パーティーに持ち帰り披露することで広まることもある。
キャンプではラボっ子たちは「キャンパー」と呼ばれ、「シニアメイト」と呼ばれるリーダーのもと、割りふられた各ロッジ(活動場所)ごとに行動する。シニアメイトになる事を希望するラボっ子は、原則として高校生以上で、「シニアメイト」登録を行った上で研修を受け、その後晴れてロッジ活動を運営する事になる。各ロッジには、ロッジマザーまたはグループマザーと呼ばれる数名のテューターが配置される。
キャンプ本部には、「大学生コーチ」が存在している。大学生コーチは多くのシーンでラボ活動の企画・進行を事務局に代わって行う。そのため、大学生コーチ会議で決まった事は、全国のラボ活動に影響を及ぼす。キャンプにおいても、シニアメイトに対する指示を行う等、キャンプ全体の進行を大きく担っている。
ホームステイ
ラボっ子たちを対象として海外でのホームステイプログラムが設定されている。 (神山典士『ひとりだちへの旅』ラボ教育センター、2005年。ISBN 978-4898110133。より) 北米へ1年間の留学(高校生以上)がある。ラボの国際交流では事前活動への参加が条件となっており、ホームステイに行くことを希望しているラボっ子は事前に申し込みをし、ホームステイに行く前年の11月からホームステイに行く年の7月まで事前活動を行っている。また、ホームステイに行った後も事後活動というものがあり、未来へと続けることができる。また、諸外国からのホームステイの受け入れ等も行っている。
ニュージーランド・韓国・カナダ・アメリカ行きは夏、中国行きは春に行なわれる。
オレゴン国際キャンプ
アメリカのオレゴン州に行き、現地の子どもたちと自然を満喫しながら行なう自然キャンプ。
ホームステイとは別に開催され、ホームステイより期間が短い。
お風呂に入れない日などもあり少々大変であるが、たいへん良い経験になる。
施設
ラボランド黒姫
長野県黒姫高原の3万坪にもおよぶキャンプ施設。
ペンションと同じような宿泊ロッジが24棟設置されており、それぞれ有名な山や大河などからロッジ名をとりアンデス1やロッキー2のようによばれる。 なおキャンプ期間外は貸し別荘として一般にも開放されている。
また、宿泊ロッジ以外にも
- たろう丸本部 (キャンププログラム運営本部棟 2015/12リニューアル)
- ぐるんぱ城 (本部棟ならびに厨房棟)
- 集雲堂 (集会棟 2010/12リニューアル)
- 鴻来坊 (茶室のある和風建物)
などの施設がある。
教材
テーマ活動やソングバードに使われる音源を収録したCD+本をラボ・ライブラリーと呼び、会員は好きなものを購入できる。通常4枚組CD+本が1セットで、一部は一般の書店でも市販されている。1990年代にCD化される前は、収録時間約15分×13トラックの専用テープ(通称「ラボテープ」)であった。
ソングバード
主に英語圏の童謡、わらべ歌(ナーサリーライム)等を英語のみで収録し、ラボっ子は音楽にあわせ踊ったりして楽しむ(フォークダンス)。
ソングバードは、不定期に新作が発表される。英語、フランス語、スペイン語、韓国語、中国語の童謡などが収録されている。なお、1990年代のCD化の際にリニューアル録音された歌も多い。
以下の作品がある。
- C.W.ニコルのフォークソング 流浪の詩(さすらいのうた) There Were Singing Folk(45曲、1972年1月発表)
- We Are Songbirds 歌の好きな小鳥になろう(72曲、1990年12月CD化の際にリニューアル&発表)
- We Are Songbirds 2(43曲、1977年6月発表)
- We Are Songbirds 3(94曲、1981年3月発表)
- POEMS AND NURSERY RHYMES 1(詩17編&歌52曲、1982年12月発表)
- POEMS AND NURSERY RHYMES 2(詩46編&歌181曲、1998年6月発表)
- ひとつしかない地球 The One and Only Earth(32曲、2004年6月発表)
ラボ・ライブラリー(音声CD)
1センテンスずつ交互に英語と日本語が語られ(中国語、韓国語などの言語が使われたものもある)、ネイティブの英語を耳で聞きながら物語を楽しめるようになっている。とりあげる題材などは、「注文の多い料理店」(宮沢賢治)や「ピーターパン」、さらにはシェイクスピア作品など有名な作品も多く、「ハムレット」もそのうちの一つとなっている。
単なる朗読CD ではなく、効果音や音楽も本格的で、『映像の無い映画』と評価できるほど、その完成度、水準は非常に高い。例えば物語を語るナレーターには久米明、江守徹、岸田今日子、宇野重吉、橋爪功、渡辺篤史、戸田恵子、上川隆也などの著名人、更に、観世流能楽師・観世栄夫や狂言の重要無形文化財保持者だった六世野村万蔵とその子息の四世野村万之丞(現:野村萬)・二世野村万作・野村万之介が参加した作品もある。
オリジナルのイラストを用いた本は、絵本作家の司修ら以外にも、前衛芸術家だった赤瀬川原平、高松次郎のような現代画家で含み、音楽担当者にも林光や間宮芳生の名が見られる。
関連人物
- 榊原陽
- ラボ創業者。1980年に退社して、1981年にヒッポファミリークラブを創設した。
- 谷川雁
- ラボ教育を創り、その草創期にラボ教育の手法を確立、教材制作の責任者として1979年の解任までの全てのラボ・ライブラリの制作を行った。また「らくだ・こぶに」の筆名で自ら幾つかのラボ・ライブラリの物語を創った。
- C・W・ニコル
- ラボの黎明期から現在まで深く活動や関連著書、教材の作成に関わっている。
- 牟岐礼
- 作曲家、編曲家。教材の制作等に多く携わっている。
- 鈴木孝夫
- 言語学者・慶應義塾大学名誉教授。関連著書の執筆等、初期から深く活動に関わっている。
- 斎藤惇夫
- 児童文学者
- 門脇厚司
- 教育社会学者・ラボ言語教育総合研究所代表
- 田島信元
- 発達心理学者
- 宮沢和史
- THE BOOMのヴォーカル。
- ラボ・パーティ40周年記念イベントでラボっ子、テューター及びラボ事務局員のみを対象としたコンサートを行ったり、ラボオリジナル教材の為の書き下ろし曲(ひとつしかない地球)の提供をする等、その活動に関わっている。
参考文献
- 『ひとりだちへの旅―30000人のホームステイ体験』神山典士 (ラボ教育センター 2005/11)
- 『大人になったピーター・パン』門脇 厚司 田島信元 (アートデイズ 2006/12)
- 『ことばの学び、英語の学び』佐藤学 内田伸子 (ラボ教育センター 2011/11)
- 『ことばがこどもの未来をつくる―谷川雁の教育活動から萌え出でしもの』仁衡琢磨 (アーツアンドクラフツ 2020/8)
脚注
- ^ 『教育ルネサンスへの挑戦』(ラボ教育センター、2002年)P.206
- ^ 『教育ルネサンスへの挑戦』(ラボ教育センター、2002年)P.206
- ^ 『教育ルネサンスへの挑戦』(ラボ教育センター、2002年)P.207
- ^ 神山典士『ひとりだちへの旅』ラボ教育センター、2005年。ISBN 978-4898110133。
- ^ 佐藤学 内田伸子 大津由紀夫が語る 言葉の学び、英語の学び』 15頁
- ^ 門脇厚司 田島信元『大人になったピーター・パン 言語力と社会力』 アートデイズ 2006年
- ^ 仁衡琢磨『ことばがこどもの未来をつくる―谷川雁の教育活動から萌え出でしもの』アーツアンドクラフツ、2020年。ISBN 978-4908028519。
関連項目
- 4Hクラブ - ホームステイの主な受け入れ先になっている。