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「新城市会社役員誘拐殺人事件」の版間の差分

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翌[[4月18日]]朝、建設会社役員の家に中年男の声で身代金誘拐の電話がかかり、家族に[[身代金]]1億円を要求。犯人は受け渡し場所を次々と変更。建設会社役員の妻はその都度タクシーで移動をした。最終的に[[東名高速道路]]から身代金を投下するよう犯人は指示したが、警察が現金投下をやめたため受け渡しに失敗。午後9時16分に「取引は停止だ」と通告し、連絡が途絶える。
翌[[4月18日]]朝、建設会社役員の家に中年男の声で身代金誘拐の電話がかかり、家族に[[身代金]]1億円を要求。犯人は受け渡し場所を次々と変更。建設会社役員の妻はその都度タクシーで移動をした。最終的に[[東名高速道路]]から身代金を投下するよう犯人は指示したが、警察が現金投下をやめたため受け渡しに失敗。午後9時16分に「取引は停止だ」と通告し、連絡が途絶える。


[[4月20日]]午前6時半頃、[[愛知県]][[額田郡]][[額田町]](現、[[岡崎市]])の国道近くの山中で、被害者の死体が[[遺棄]]されているのが発見された。遺体には左目付近に打撲傷があり、暴行の上で殺害されたものと思われた。
[[4月20日]]午前6時半頃、[[愛知県]][[額田郡]][[額田町]](現、[[岡崎市]])の国道近くの山中で、被害者の死体が[[死体遺棄|遺棄]]されているのが発見された。遺体には左目付近に打撲傷があり、暴行の上で殺害されたものと思われた。


事件発生当初から警察は、犯人が被害者の行動を知っている顔見知りと見て捜査。被害者と同じ新城JC会員で飲食会社役員X(当時38歳)が浮上。Xは[[4月22日]][[フィリピン]]へ逃亡を謀ったが入国拒否の上で強制送還され、帰国後逮捕された。Xは17日午後10時10分頃、討論会会場の駐車場で被害者を[[殺害]]し、所持していた[[現金]]と[[携帯電話]]を奪取。その後に身代金を要求しており、[[4月19日]]には死体を遺棄していた。動機は「[[フィリピンパブ]]で知り合った[[ホステス]]との[[結婚]]資金などを得るため」というものであった<ref>「「二人の[[御曹司]]」が情熱を傾けたそれぞれの[[未来]]―新城「[[資産]]家三代目」[[誘拐]]殺人事件」上條昌史著、『[[新潮45]]』(2004年1月号、[[新潮社]])</ref><ref>『[[殺戮]]者は二度わらう 放たれし業、跳梁跋扈の9事件』、『新潮45』編集部編、[[新潮文庫]](2004年6月1日、新潮社)</ref>。<!--身代金目的誘拐罪では起訴されず-->また、Xの逃亡を助けたとして飲食会社元従業員Y(当時37歳)も犯人隠避罪で逮捕された。Xは自分も誘拐されたことにして逃亡しようと、Yに依頼してXの自宅へ虚偽の身代金要求の電話をかけさせていた。<!---Xが浮上したきっかけは、新城市内の[[コンビニエンスストア]]で[[プリペイド携帯電話]]を購入している所を、偶然目撃した捜査員が不審に思い自動車ナンバーをチェックしたためであった(2003年当時はプリペイド携帯電話の本人確認が厳格化されておらず、犯罪に悪用されるケースがあった)。--->
事件発生当初から警察は、犯人が被害者の行動を知っている顔見知りと見て捜査。被害者と同じ新城JC会員で飲食会社役員X(当時38歳)が浮上。Xは[[4月22日]][[フィリピン]]へ逃亡を謀ったが入国拒否の上で強制送還され、帰国後逮捕された。Xは17日午後10時10分頃、討論会会場の駐車場で被害者を[[殺害]]し、所持していた[[現金]]と[[携帯電話]]を奪取。その後に身代金を要求しており、[[4月19日]]には死体を遺棄していた。動機は「[[フィリピンパブ]]で知り合った[[ホステス]]との[[結婚]]資金などを得るため」というものであった<ref>「「二人の[[御曹司]]」が情熱を傾けたそれぞれの[[未来]]―新城「[[資産]]家三代目」[[誘拐]]殺人事件」上條昌史著、『[[新潮45]]』(2004年1月号、[[新潮社]])</ref><ref>『[[殺戮]]者は二度わらう 放たれし業、跳梁跋扈の9事件』、『新潮45』編集部編、[[新潮文庫]](2004年6月1日、新潮社)</ref>。<!--身代金目的誘拐罪では起訴されず-->また、Xの逃亡を助けたとして飲食会社元従業員Y(当時37歳)も犯人隠避罪で逮捕された。Xは自分も誘拐されたことにして逃亡しようと、Yに依頼してXの自宅へ虚偽の身代金要求の電話をかけさせていた。<!---Xが浮上したきっかけは、新城市内の[[コンビニエンスストア]]で[[プリペイド携帯電話]]を購入している所を、偶然目撃した捜査員が不審に思い自動車ナンバーをチェックしたためであった(2003年当時はプリペイド携帯電話の本人確認が厳格化されておらず、犯罪に悪用されるケースがあった)。--->

2023年3月30日 (木) 11:37時点における版

新城市会社役員誘拐殺人事件(しんしろしかいしゃやくいんゆうかいさつじんじけん)とは2003年平成15年)4月に愛知県新城市で発生した身代金目的の誘拐殺人事件。

戦後日本で、社会人男性が殺害された身代金目的の誘拐事件は初めてであった。

概要

新城市の建設会社役員(当時39歳・元新城JC理事長)は、2003年4月17日社団法人 新城青年会議所(新城JC)が主催した新城市長選挙公開討論会後に行方不明となる。

4月18日朝、建設会社役員の家に中年男の声で身代金誘拐の電話がかかり、家族に身代金1億円を要求。犯人は受け渡し場所を次々と変更。建設会社役員の妻はその都度タクシーで移動をした。最終的に東名高速道路から身代金を投下するよう犯人は指示したが、警察が現金投下をやめたため受け渡しに失敗。午後9時16分に「取引は停止だ」と通告し、連絡が途絶える。

4月20日午前6時半頃、愛知県額田郡額田町(現、岡崎市)の国道近くの山中で、被害者の死体が遺棄されているのが発見された。遺体には左目付近に打撲傷があり、暴行の上で殺害されたものと思われた。

事件発生当初から警察は、犯人が被害者の行動を知っている顔見知りと見て捜査。被害者と同じ新城JC会員で飲食会社役員X(当時38歳)が浮上。Xは4月22日フィリピンへ逃亡を謀ったが入国拒否の上で強制送還され、帰国後逮捕された。Xは17日午後10時10分頃、討論会会場の駐車場で被害者を殺害し、所持していた現金携帯電話を奪取。その後に身代金を要求しており、4月19日には死体を遺棄していた。動機は「フィリピンパブで知り合ったホステスとの結婚資金などを得るため」というものであった[1][2]。また、Xの逃亡を助けたとして飲食会社元従業員Y(当時37歳)も犯人隠避罪で逮捕された。Xは自分も誘拐されたことにして逃亡しようと、Yに依頼してXの自宅へ虚偽の身代金要求の電話をかけさせていた。

Xは強盗殺人罪と恐喝未遂、死体遺棄の罪で起訴。2005年5月24日、名古屋地裁はXに無期懲役判決(求刑死刑)。双方が控訴したが2006年12月15日、名古屋高裁は地裁の判決を支持、双方控訴せず刑が確定した。Yも懲役2年執行猶予4年の判決を受けている。

この事件では誘拐が発覚した4月18日午後3時半に報道協定が成立したが、午後6時29分にインターネットの匿名掲示板であるまちBBS東海掲示板で「新城で誘拐事件が発生し、1億円請求されている」「新聞社で働いている親からの情報」旨の書き込みがあり、情報漏洩が問題視された。報道協定は死体が確認された4月20日午後3時に解除された。

脚注

  1. ^ 「「二人の御曹司」が情熱を傾けたそれぞれの未来―新城「資産家三代目」誘拐殺人事件」上條昌史著、『新潮45』(2004年1月号、新潮社
  2. ^ 殺戮者は二度わらう 放たれし業、跳梁跋扈の9事件』、『新潮45』編集部編、新潮文庫(2004年6月1日、新潮社)

関連項目