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「大森トンネル」の版間の差分

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しかし2代目ウエンチクナイトンネルの完成を待たずして[[2004年]]9月8日、日本列島を縦断していた[[平成16年台風第18号|台風18号]]が北海道に接近。一旦は温帯低気圧になる寸前まで気圧が上がったものの、上陸直前に再発達。大森大橋付近では、気圧の低下と暴風により水位が異常に上昇、地形による反射波が大きな水塊となって大森大橋を襲いコンクリート製の橋脚が持ち上げられる形で落橋。中央付近の橋桁が岸まで流されてしまった。事前に通行止めとなっていたため、人的被害はなかった。
しかし2代目ウエンチクナイトンネルの完成を待たずして[[2004年]]9月8日、日本列島を縦断していた[[平成16年台風第18号|台風18号]]が北海道に接近。一旦は温帯低気圧になる寸前まで気圧が上がったものの、上陸直前に再発達。大森大橋付近では、気圧の低下と暴風により水位が異常に上昇、地形による反射波が大きな水塊となって大森大橋を襲いコンクリート製の橋脚が持ち上げられる形で落橋。中央付近の橋桁が岸まで流されてしまった。事前に通行止めとなっていたため、人的被害はなかった。


大森大橋が通行止めによる近隣住民への影響は大きく、通常なら9.5km程の距離の珊内~神恵内間だが、[[北海道道998号古平神恵内線|道道998号線]]から古平町~積丹町と大きく迂回するしかなく、その距離もおよそ79km程と峠越えを含む8倍の距離を走らざるを得なかった。仮復旧は落橋した区間を仮橋で繋ぐで行われ、12月10日、3か月振りに再開通となった。同時に2代目ウエンチクナイトンネルも供用開始した。
大森大橋が通行止めによる近隣住民への影響は大きく、通常なら9.5km程の距離の珊内~神恵内間だが、[[北海道道998号古平神恵内線|道道998号線]]から古平町~積丹町と大きく迂回するしかなく、その距離もおよそ79km程と峠越えを含む8倍の距離を走らざるを得なかった。仮復旧は落橋した区間を仮橋で繋ぐで行われ、12月10日、3か月振りに再開通となった。同時に2代目ウエンチクナイトンネルも供用開始した。


その後、本復旧に向けたルート案が検討され、被災前と同じルートでの復旧も検討されたが、同じような気象条件になった際に被災する可能性が高く、新トンネルが必要とされ、2005年(平成17年)6月に新トンネルの工事が開始された。新トンネル(1,482m)は大森大橋の山側を迂回 し、既存トンネルである2代目ウエンチクナイトンネル (1,027m)と接合して利用するという方法が取られ、2006年(平成18年)2月に貫通。2代目大森トンネル(2,509m)として2007年(平成19年)3月21日に供用が開始された。<ref>{{Cite web |url=https://rmec.or.jp/wp-content/uploads/2016/03/vol21-32-33.pdf |title=事務所訪問 |access-date=2024年5月20日}}</ref>これにより、2代目ウエンチクナイトンネルは大森トンネルに編入され、現在供用しているが、編入されなかった区間は開通からわずか2年4か月という短さで廃道となった。
その後、本復旧に向けたルート案が検討され、被災前と同じルートでの復旧も検討されたが、同じような気象条件になった際に被災する可能性が高く、新トンネルが必要とされ、2005年(平成17年)6月に新トンネルの工事が開始された。新トンネル(1,482m)は大森大橋の山側を迂回 し、既存トンネルである2代目ウエンチクナイトンネル (1,027m)と接合して利用するという方法が取られ、2006年(平成18年)2月に貫通。2代目大森トンネル(2,509m)として2007年(平成19年)3月21日に供用が開始された。<ref>{{Cite web |url=https://rmec.or.jp/wp-content/uploads/2016/03/vol21-32-33.pdf |title=事務所訪問 |access-date=2024年5月20日}}</ref>これにより、2代目ウエンチクナイトンネルは大森トンネルに編入され、現在供用しているが、編入されなかった区間は開通からわずか2年4か月という短さで廃道となった。

2024年5月21日 (火) 06:40時点における版

国道229号標識
国道229号標識
大森トンネル
概要
路線 国道229号
位置 日本の旗 日本北海道
座標 北緯43度10分09秒 東経140度22分54秒 / 北緯43.16917度 東経140.38167度 / 43.16917; 140.38167座標: 北緯43度10分09秒 東経140度22分54秒 / 北緯43.16917度 東経140.38167度 / 43.16917; 140.38167
現況 供用中
起点 後志総合振興局神恵内村赤石村大森
終点 後志総合振興局神恵内村珊内村キナウシ
運用
開通 2007年3月21日
用途 道路トンネル
技術情報
全長 2,509m
道路車線数 2車線
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大森トンネル(おおもりトンネル)は、北海道古宇郡神恵内村国道229号上にある国道トンネル。全長は2,509メートル。

歴史

この付近はかつて積丹側から、キナウシトンネル、初代ウエンチクナイトンネル、とようみトンネル、大森大橋、大森覆道、初代大森トンネルからなるルートで構成されていたが、豊浜トンネル岩盤崩落事故を受けて行われた調査でウエンチクナイトンネルからとようみトンネルにかけての明かり区間で安全性に問題があると判明、その結果を受けて、既存の初代ウエンチクナイトンネルを山側に延伸する形で、2代目ウエンチクナイトンネルの工事が開始された。

しかし2代目ウエンチクナイトンネルの完成を待たずして2004年9月8日、日本列島を縦断していた台風18号が北海道に接近。一旦は温帯低気圧になる寸前まで気圧が上がったものの、上陸直前に再発達。大森大橋付近では、気圧の低下と暴風により水位が異常に上昇、地形による反射波が大きな水塊となって大森大橋を襲いコンクリート製の橋脚が持ち上げられる形で落橋。中央付近の橋桁が岸まで流されてしまった。事前に通行止めとなっていたため、人的被害はなかった。

大森大橋が通行止めによる近隣住民への影響は大きく、通常なら9.5km程の距離の珊内~神恵内間だが、道道998号線から古平町~積丹町と大きく迂回するしかなく、その距離もおよそ79km程と峠越えを含む8倍の距離を走らざるを得なかった。仮復旧は落橋した区間を仮橋で繋ぐ形で行われ、12月10日、3か月振りに再開通となった。同時に2代目ウエンチクナイトンネルも供用開始した。

その後、本復旧に向けたルート案が検討され、被災前と同じルートでの復旧も検討されたが、同じような気象条件になった際に被災する可能性が高く、新トンネルが必要とされ、2005年(平成17年)6月に新トンネルの工事が開始された。新トンネル(1,482m)は大森大橋の山側を迂回 し、既存トンネルである2代目ウエンチクナイトンネル (1,027m)と接合して利用するという方法が取られ、2006年(平成18年)2月に貫通。2代目大森トンネル(2,509m)として2007年(平成19年)3月21日に供用が開始された。[1]これにより、2代目ウエンチクナイトンネルは大森トンネルに編入され、現在供用しているが、編入されなかった区間は開通からわずか2年4か月という短さで廃道となった。

大森トンネル岩内側坑口は旧道よりも高い場所に建設されており、同時に被災した道の駅オスコイ!かもえないも同じ高さに移転新築し、2010年に開業した。

脚注

  1. ^ 事務所訪問”. 2024年5月20日閲覧。