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「こと座」の版間の差分

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{{otheruses|星座|日本のバンド|箏座}}
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}}
}}
'''こと座'''(ことざ、{{Lang-en-short|Lyra}})は、[[星座#国際天文学連合による88星座|現代の88星座]]の1つで、[[トレミーの48星座|プトレマイオスの48星座]]の1つ{{R|Ridpath}}。[[古代ギリシャ]]の[[撥弦楽器]][[リラ (楽器)|リラ]]をモチーフとしている{{R|IAU_constellations|Ridpath}}。古代ギリシャ・[[古代ローマ|ローマ]]の伝承では、[[オリュンポス十二神]]の一柱[[ヘルメース]]が作り、吟遊詩人[[オルペウス]]が携えたリラであるとされる{{R|Ridpath2017}}。


&alpha;星'''[[ベガ]]'''は、全天に21個ある1等星の1つ{{efn2|[[ケンタウルス座アルファ星#ケンタウルス座&alpha;星A|ケンタウルス座&alpha;星A]]リギル・ケンタウルス(Rigil Kentaurus、0.01 等)と[[ケンタウルス座アルファ星#ケンタウルス座&alpha;星B|ケンタウルス座&alpha;星B]]トリマン(Toliman、1.33 等)を分けて数えると22個。}}。東アジアの七夕の伝承では、ベガは[[織姫]](織女)とされ、[[彦星]](牽牛)とされる[[わし座]]&alpha;星[[アルタイル]]と対になる星と見なされている。また、ベガとアルタイル、[[はくちょう座]]&alpha;星[[デネブ_(曖昧さ回避)|デネブ]]の3つの1等星が形作る大きな三角形は'''[[夏の大三角]]'''と呼ばれる。
'''こと座'''(ことざ、琴座、[[ラテン語]]:Lyra)は、[[トレミーの48星座]]の1つ。北天の[[星座]]で、比較的小さい星座である。


== 特徴 ==
&alpha;星は、全天21の1等星の1つであり、'''[[ベガ]]'''([[七夕]]の'''おりひめ星'''、'''織女星''')と呼ばれる。ベガと、[[はくちょう座]]&alpha;星の[[デネブ]]、[[わし座]]&alpha;星の[[アルタイル]](七夕のひこ星、牽牛星)の3つの1等星で、'''[[夏の大三角]]'''と呼ばれる大きな[[二等辺三角形]]を形成する<ref name="astro1"/>。
[[File:LyraCC.jpg|thumb|360px|center|[[2004年]][[5月16日]]に撮影されたこと座の星景写真。初夏から初冬まで長く観望することができる。]]
東をはくちょう座、西を[[ヘルクレス座]]、南を[[こぎつね座]]、北を[[りゅう座]]に囲まれ{{R|StellaNavigator11}}、東側では[[天の川]]と接する。20時[[正中]]は8月下旬頃{{R|Yamada2023}}で、[[北半球]]では主に夏の星座とされる{{Sfn|原恵|2007|pp=156-165}}が、初夏から初冬まで長く観望することができる{{R|StellaNavigator11}}。北端は+47.71&deg;、南端は+25.66&deg;と[[天の赤道]]から北に離れて位置している{{R|boundary}}ため、[[南極圏]]からは全く見ることができないが、[[北極圏]]では星座の全ての星が[[周極星]]となる。


この星座で最も明るく見える1等星の&alpha;星ベガは、全天で5番目、北天では[[うしかい座]]&alpha;星[[アークトゥルス|アルクトゥールス]]に次いで2番目に明るく見える星{{R|Yamaoka2023}}で、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブと形作る大きな三角形は'''[[夏の大三角]]'''として親しまれている{{R|astro1}}{{Sfn|原恵|2007|pp=114-115}}。こと座の東には[[天の川]]が通っており、特に南で接するはくちょう座に掛けては星が豊かに広がる領域である{{R|Ridpath2017}}。空が明るい街中ではベガ以外の星を見ることは難しいが、空が暗い郊外では[[平行四辺形]]に並ぶ &beta;・&gamma;・&delta;・&zeta; の4星を容易に見つけることができる。
都会など空の条件のよくないところでは、明るいベガしか見えないが、そのすぐ近くに3-4等星が[[平行四辺形]]に並んでいるため、空の環境が良ければ比較的見つけやすい星座である。
[[File:Kepler FOV hiRes.jpg|240px|thumb|[[NASA]]の太陽系外惑星探索用宇宙望遠鏡「[[ケプラー (探査機)|ケプラー]]」の観測領域 (Kepler FOV)。2009年12月から2013年5月までの約3年半の運用期間中の観測領域は、[[はくちょう座]]・こと座・[[りゅう座]]にまたがる約100 [[平方度]]の領域であった。]]
[[2024年]]現在、こと座の領域で発見された太陽系外惑星の総数と惑星のある恒星系の数は、はくちょう座に次いで88星座中で2番目に多い{{R|Yamada2023}}。これは、こと座の領域の北東部が、[[2009年]]に打ち上げられた[[アメリカ航空宇宙局]] (NASA) の[[太陽系外惑星]]探索用[[宇宙望遠鏡]]「[[ケプラー (探査機)|ケプラー]]」の観測領域 (Field of View, FOV) に含まれていたためである{{R|KeplerFOV}}。{{-}}


== 主な天体 ==
== 由来と歴史 ==
こと座の起源となる星座がいつどこで生まれたのか、確かなことはわかっていない{{R|Condos1997}}。[[五島プラネタリウム]]の解説員として知られた[[原恵]]は著書『星座の神話』の中で、逆L字形に並ぶ &alpha;・&beta;・&gamma; の姿をL字形の[[ハープ]]に見立てたものであろうとしていたが、これは古代エジプトの墓から出土したL字形のハープを見て原が想起した考えであり{{Sfn|原恵|2007|pp=156-165}}、この見解を支持する文献等は示されていない。アメリカの古典学者テオニー・コンドスは、[[メソポタミア]]の鳥の星座、あるいは[[フェニキア]]の琴の星座のいずれかを起源とする可能性があるとしている{{R|Condos1997}}。
=== 恒星 ===
[[File:Lyra2017.jpg|right|thumb|250px|こと座]]
{{See also|こと座の恒星の一覧}}
以下の恒星には、[[国際天文学連合]]によって正式な固有名が定められている。
* &alpha;星:'''[[ベガ]]'''{{Sfn|原恵|2007|p=163}} (Vega{{R|iaucsn}}) は、こと座で最も明るい恒星で、全天21の1等星の1つ([[実視等級]]0.03等)<ref name="simbad_alpha"/>。[[スペクトル分類|スペクトル型]]A型の[[主系列星]]で<ref name="simbad_alpha"/>、地球から比較的近く、およそ25[[光年]]の距離にある<ref name="simbad_alpha"/>。この星には塵のリングが見つかっており、[[惑星]]が存在するのではないかと考えられている。また、この星は写真に撮影された最初の恒星でもある。西暦13,000年頃には、[[北極星]]になる。
* [[こと座ベータ星|&beta;星]]:シェリアク{{Sfn|原恵|2007|pp=163-164}} (Sheliak{{R|iaucsn}}) は、B型の[[青色巨星|青色輝巨星]](3等星)で、[[変光星]]である。「こと座&beta;型」[[食変光星]]の代表星となっている。8等の伴星のある見かけの[[二重星]]でもある。
* [[こと座ガンマ星|&gamma;星]]:スラファト{{Sfn|原恵|2007|p=164}} (Sulafat{{R|iaucsn}}) は、B型の巨星で、&beta;星と同じく3等星である。[[連星]]でもある。
* [[こと座イータ星|&eta;星]]:アラドファル{{Sfn|原恵|2007|p=164}} (Aladfar{{R|iaucsn}}) は、4等星で、見かけの三重星を成している。
* [[HD 173416]]:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」で[[中華人民共和国]]([[南京市]])に命名権が与えられ、主星はXihe([[羲和]])、太陽系外惑星はWangshu([[望舒]])と命名された{{R|approved}}。
* [[HAT-P-5]]:国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」で[[スロバキア共和国]]に命名権が与えられ、主星はIrena、太陽系外惑星はIztokと命名された{{R|approved}}。


[[紀元前4世紀]]の古代ギリシアの天文学者[[エウドクソス|クニドスのエウドクソス]]の著書『パイノメナ ({{Lang-grc-short|Φαινόμενα}})』を元に詩作されたとされる[[紀元前3世紀]]前半の[[マケドニア]]の詩人[[アラトス|アラートス]]の詩篇『パイノメナ ({{Lang-grc-short|Φαινόμενα}})』では、こと座は '''Λύρα''' (Lyra) という名称で登場しており{{R|PDL_Aratus}}、以降この名称が古代ギリシャ・ローマ時代を通じて使われた。こと座に属する星の数について、紀元前3世紀後半の天文学者[[エラトステネス|エラトステネース]]の天文書『[[カタステリスモイ]] ({{Lang-grc-short|Καταστερισμοί}})』や[[1世紀]]初頭の[[古代ローマ]]の著作家[[ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス]]の『天文詩 ({{Lang-la-short|De Astronomica}})』では8個、[[帝政ローマ]]期[[2世紀]]頃の[[クラウディオス・プトレマイオス]]の天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース ({{Lang-grc-short|ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας}})』、いわゆる『[[アルマゲスト]]』では10個とされた{{R|Condos1997}}。
その他、以下の恒星が知られている。
* &delta;星:青白い6等星([[こと座デルタ1星|&delta;<sup>1</sup>星]])と、4等から5等に変光する[[赤色巨星|赤色輝巨星]]([[こと座デルタ2星|&delta;<sup>2</sup>星]])からなる見かけの二重星である。
* [[こと座イプシロン星|&epsilon;星]]:5等の&epsilon;<sup>1</sup>星と4等の&epsilon;<sup>2</sup>星からなる[[二重星]]。かろうじて肉眼で見分けられるかどうかという程度の[[角距離]]で、全体で4等星となっている。さらに各々の星が[[実視連星]]であり、「二重の二重星」となっていることから'''ダブル・ダブル・スター'''とも呼ばれている<ref name="vixen"/>。望遠鏡ならば、&epsilon;<sup>1</sup>星・&epsilon;<sup>2</sup>星ともに分離でき、4重星になっているのが分かる。
* &zeta;星:4等星と6等星からなる見かけの二重星。双眼鏡で見分けることができる。
* [[こと座R星|R星]]:3.88等から5.0等まで[[脈動変光星|脈動変光]]する「[[半規則型変光星]]」で、SRB型に細分類されている。
* [[こと座RR星|RR星]]:7等から8等まで収縮膨張を繰り返す「[[こと座RR型変光星|こと座RR型]]」脈動変光星の代表星である。


[[10世紀]]の[[ペルシア]]の天文学者[[アブドゥル・ラフマーン・スーフィー|アブドゥッラハマーン・スーフィー]](アッ=スーフィー)が『アルマゲスト』を元に[[964年]]頃に著した天文書『[[星座の書]]』では、「竪琴」を意味する ''al-Silyāq'' と呼ばれ、『アルマゲスト』と同じく10個の星が属するとされた{{R|Ridpath|Hafez2010}}。アッ=スーフィーは、''al-Silyāq'' で最も明るい星を「降りるワシ」を意味する ''al-Nasr al-Wāqiʻ'' と呼んでいた{{R|Ridpath|Hafez2010}}。これは、アラビアで &alpha;・&epsilon;・&zeta; の3星が形作るV字形を翼をたたんだワシやハゲタカに見立てたことに由来しており、天の川を挟んで南側にあるわし座の &alpha;・&beta;・&gamma; の3星を飛んでいるワシやハゲタカに見立てた ''al-Nasr al-Ṭāʼir''{{R|Kunitzsch2006}} と呼んだことに対応するものであった{{R|Ridpath}}。現在のこと座&alpha;星の固有名「ベガ (Vega)」はこの呼称の Wāqi の部分が転訛したものである{{R|Ridpath|Hayamizu2023}}。
=== 星団・星雲・銀河 ===
* [[M56 (天体)|M56]]:[[球状星団]]。約33,000光年の距離にある、やや疎<small>(まば)</small>らな星団。視等級8.3等、実直径約85光年。
* M57([[環状星雲]]):[[惑星状星雲]]。視等級8.8等、距離6,000光年から8,000光年。リング星雲ともいわれる。
[[File:M57 The Ring Nebula.JPG|right|thumb|250px|環状星雲]]


こと座の星をワシやハゲタカと見なすアラビアの文化は、ルネサンス期以降のヨーロッパにも影響を与えた。たとえば[[16世紀]][[ドイツ]]の版画家[[アルブレヒト・デューラー]]が[[1515年]]に製作した北天星図では、こと座の姿はワシに抱えられた[[フィドル]]のような[[弦楽器]]として描かれている{{R|Dürer}}。このワシとリラを組み合わせた意匠は後の星図製作者たちにも引き継がれ、[[ドイツ]]の[[法律家]][[ヨハン・バイエル]]の星図『[[ウラノメトリア]] (Uranometria)』([[1603年]])やドイツの天文学者[[ヨハン・ボーデ]]の星図『ウラノグラフィア (Uranographia)』([[1801年]])でも、ワシの首にひもで括り付けられたリラが、[[ポーランド]]の天文学者[[ヨハネス・ヘヴェリウス]]の天文書『Prodromus Astronomiæ』([[1690年]])ではワシが鉤爪で掴まえたリラが、それぞれ描かれていた{{R|Ridpath|Bayer1603a|Bayer1603b|Bode1801|Hevelius1690}}。一方で、[[オランダ]]の法学者[[フーゴー・グローティウス]]の星座図帳『シュンタグマ・アラテオルム (SYNTAGMA ARATEORVM)』([[1600年]])や[[イギリス]]の天文学者[[ジョン・フラムスティード]]の『[[天球図譜]] (Atlas coelestis)』([[1729年]])ではリラが単独で描かれた{{R|ItoSagawa1999|Flamsteed}}。
=== その他 ===
{{Gallery
* [[WISEPA J182831.08+265037.8]]:知られている中で最も低温の[[褐色矮星]]。
| title=西洋の星図に描かれたこと座とワシの星座絵
| width=360
| height=300
| lines=5
| align=center
| Albrecht Dürer, The Northern Celestial Hemisphere, 1515, NGA 43181.jpg|[[1515年]]にドイツの版画家[[アルブレヒト・デューラー]]が製作した木版画の北天星図。中央近くにワシに抱えられた弦楽器 Lyra が描かれている。
| Lyra Uranometria.jpg|[[ヨハン・バイエル]]『[[ウラノメトリア]]』(1603) に描かれたこと座 (Lyra)。
| Lyra Hevelius1690.jpg|[[ヨハネス・ヘヴェリウス]]『Prodromus Astronomiae』(1690) に描かれたこと座 (Lyra)。
| 8 Uranographia.jpg|[[ヨハン・ボーデ]]『ウラノグラフィア』(1801) に描かれた北天の星座。こと座は Vultur et Lyra(ハゲタカとリラ)として描かれている。
}}
バイエルは『[[ウラノメトリア]]』で、&alpha; から &nu; までの[[ギリシャ文字]]13文字を用いてこと座の13個の星に符号を付した{{R|Bayer1603a|Bayer1603b}}。


[[1922年]]5月に[[ローマ]]で開催された国際天文学連合 (IAU) の設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は '''Lyra'''、略称は '''Lyr''' と正式に定められた{{R|IAU_list|IAU1922}}。{{-}}
== 由来と歴史 ==
&alpha;星、&beta;星、&gamma;星が形作る逆L字形を、古代に使われていたL字形のハープに見立てたものであろうと考えられている{{Sfn|原恵|2007|p=157}}。16世紀ドイツの版画家[[アルブレヒト・デューラー]]の北天星図には[[フィドル]]を抱いた鳥の姿で絵が描かれているが{{R|Dürer}}、その後、『フラムスティード天球図譜』等には[[リラ (楽器)|リラ]]の姿で描かれている{{R|Flamsteed}}。


== 神話 ==
=== 中東 ===
[[紀元前500年]]頃に製作された天文に関する粘土板文書『{{仮リンク|ムル・アピン|en|MUL.APIN}} (MUL.APIN)』の中でこと座の星は、天空に3つある層のうち中央の「アヌの道」に置かれた「牝ヤギ」を表す星座 Mul Uz とされた{{R|White2014|Kondo2021}}。また、ベガは単独で女神ランマ (Lamma) を表すものとされた{{R|White2014|Kondo2021}}。
[[File:Sidney Hall - Urania's Mirror - Lacerta, Cygnus, Lyra, Vulpecula and Anser.jpg|thumb|星図カード集『[[ウラニアの鏡]]』(1824年)に描かれたこと座(右)]]
非常に古い星図には鳥、特にハゲタカ (Vultur cadens) と記載される。はくちょう座、アルタイルとともに、[[ヘーラクレース|ヘラクレス]]の12の冒険の6番目の冒険で殺された鳥とされる。


=== 中国 ===
「こと座」とされるようになってから『[[カタステリスモイ]]』が語る神話は次のとおり。
[[File:Imperial Encyclopaedia - Officialdom - pic0016 - 河鼓三星圖.svg|thumb|240px|中国清代の[[類書]]『[[古今図書集成|欽定古今図書集成]]』の「河鼓三星圖」に描かれた星官「河鼓」と周辺の星。こと座の星々は、画像上部の織女・漸臺・輦道に配されていた。]]
ドイツ人宣教師{{仮リンク|イグナーツ・ケーグラー|en|Ignaz Kögler}}(戴進賢)らが編纂し、[[清|清朝]][[乾隆帝]]治世の[[1752年]]に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、こと座の星は[[二十八宿]]の[[玄武|北方玄武]]七宿の第二宿「[[牛宿]]」に配されていたとされる{{Sfn|伊世同|1981|pp=155-156}}{{R|Osaki1987_1}}。&alpha;・&epsilon;{{sup|1}}・&zeta;{{sup|1}} の3星が布を織る娘を表す星官「織女」に、&delta;{{sup|2}}・&beta;・&gamma;・&iota; の4星が池の中に作られた島を表す星官「漸台」に、R・&eta;・&theta; の3星がはくちょう座の2星とともに宮中の天子専用の道路を表す星官「輦道」に配された{{Sfn|伊世同|1981|pp=155-156}}{{R|Osaki1987_1}}。{{-}}
== 神話 ==
[[File:Sidney Hall - Urania's Mirror - Lacerta, Cygnus, Lyra, Vulpecula and Anser.jpg|thumb|360px|[[19世紀]][[イギリス]]星座カード集『[[ウラニアの鏡]]』に描かれたこと座(画像右側)。]]
古代ギリシャ・ローマの伝承では、こと座は発明の神[[ヘルメース]]が作ったリラであるとされているが、それが星座となる過程は語り手によって異なる。アラートスの『パイノメナ』では、ヘルメースがまだゆりかごにいた頃に亀の甲をくり抜いて作ったリラであり、ヘルメース自らが鳥 (Ὄρνις) の頭と膝を折る人物の膝の間に置いた、とされた{{R|Ito2007}}{{efn2|「鳥」は現在の[[はくちょう座]]、「膝を折る人物」は現在の[[ヘルクレス座]]に当たる。}}。


エラトステネースの『カタステリスモイ』では以下の伝承を伝えている{{R|Condos1997|Hard2015}}。ヘルメースが亀の甲と[[アポローン]]の牛から作ったリラであるとされた。アポローンは牛と引き換えにヘルメースからリラを受け取ると、それに歌を合わせ、文芸の女神[[ムーサ]]たちの1柱である[[カリオペー]]との間の息子[[オルペウス]]に渡した。ヘルメースのリラは、母の[[マイア]]ら[[プレイアデス]]の人数に合わせて7本の弦が張られたものであったが、オルペウスは母カリオペーを含むムーサたちの人数に合わせて弦を9本に増やした。楽器演奏の才に長けたオルペウスはますます名声を上げ、彼が歌うと木々や岩、野獣まで魅了すると言われた。オルペウスは[[ディオニューソス]]への信仰を捨て、太陽神[[ヘーリオス]]とも呼ばれるアポローンを最も偉大な神であると信じることとした。オルペウスは夜明け前に起きてパンガイオン山へ登り、他の誰よりも早くヘーリオスを見るべく夜明けを待つようになった。怒り狂ったディオニューソスはバッサリデス族を差し向け、オルペウスの手脚を引き裂いて方々にばらまかせた。ムーサたちはオルペウスの亡骸を集め、[[オリンポス山]]の北の山腹にある Leibethroe と呼ばれる地に葬った。遺品となったリラはそれを贈るべき相手がいなかったため、ムーサたちはオルペウスと自分たちの記憶が残すべく、リラを星座の間に置くように[[ゼウス]]に乞い願った。ゼウスは彼女らの願いを聞き入れ、リラを天空に置いた{{R|Condos1997|Hard2015}}。
発明の神[[ヘルメース]]が[[リラ (楽器)|リラ]]を発明し、[[アポローン]]が譲り受けて弾いた。この琴はアポローンの息子[[オルペウス]]の物となり、オルペウスは有名な音楽家になった。やがてオルペウスは妻[[エウリュディケー]]を娶ったが、妻は[[毒蛇]]に噛まれすぐに死んだ。悲しんだオルペウスは冥神[[ハーデース]]のところに行き、琴を弾きながら妻を戻してくれるよう頼んだ。ハーデースは琴の調べが大変に美しいのでこれを許可したが、途中決して振り返ってはならないという条件をつけた。帰る途中、あと少しというところでオルペウスは思わず後ろを振り向いてしまい、妻は冥界に連れ戻され、永遠にいることになり、オルペウスは身を投げて死んだ。(一説には、酒神[[ディオニューソス]]の祭りで泥酔した女たちに殺された)琴はそのまま川を流れていたが、[[ゼウス]]が拾い、星座とした。<!-- ギリシア神話の記述説明なので、「Project:ギリシア神話」の指針に基づいて記述訂正。-->


ヒュギーヌスの『天文詩』でも『カタステリスモイ』と同様の伝承が伝えられているが、オルペウスはカリオペーと{{仮リンク|オイアグロス|en|Oeagrus}}の子であるとされ、[[メルクリウス]]{{Efn2|ローマ神話の商売の神で、ギリシャ神話のヘルメースに相当する。}}が発明したリラはメルクリウスからオルペウスに渡されたものとされた{{R|Condos1997|Hard2015}}。また、オルペウスが命を落とす理由が以下のようにより詳細に語られている{{R|Condos1997|Hard2015}}。妻[[エウリュディケー]]の死で嘆き悲しんだオルペウスは、冥界に下りて全ての神々を讃える歌を歌ったが、うっかり[[リーベル]]{{Efn2|ローマ神話の豊穣の神で、ギリシャ神話のディオニューソスに相当する。}}のことを忘れてしまった。このことを恨みに思ったリーベルは、後年オルペウスがオリンポス山あるいはパンガイオン山で歌に興じているところに信徒を差し向けて、オルペウスの手脚を引き裂かせた。あるいは、オルペウスがリーベルの神聖な儀式を盗み見たために殺されたのだとも言われる{{R|Condos1997|Hard2015}}。またヒュギーヌスは、オルペウスを殺したのは[[ウェヌス]]であるとする説も伝えている{{R|Condos1997|Hard2015}}。美少年[[アドーニス]]を巡って争ったウェヌスと[[プロセルピナ]]が[[ユーピテル]]の裁定を仰いだとき、ユーピテルはカリオペーに裁定するよう命じた。カリオペーはそれぞれの女神が半年ずつアドーニスを専有するように裁定したが、この裁定に腹を立てたウェヌスは[[トラキア]]の女たちをオルペウスに夢中にさせて、オルペウスを引き裂かせた。オルペウスの首は海に流されて[[レスボス島]]に漂着した。このことから、レスボス島の島民は音楽の才能に恵まれていると考えられた。この伝承でも、オルペウスのリラはムーサたちによって星座とされている{{R|Condos1997|Hard2015}}。加えてヒュギーヌスは、オルペウスが[[少年愛]]に目覚めて女性を侮辱したように見えたことから女性たちに殺されたとする説も伝えている{{R|Condos1997|Hard2015}}。
=== 東アジアの七夕伝説 ===
{{Main|七夕#織女星と牽牛星の伝説}}
こと座の1等星[[ベガ]]は、中国・日本の七夕伝説では織姫星('''織女'''星)として知られる。[[わし座]]のアルタイルを牛飼いに見立てた恋物語が伝わっている。東アジアでは、7月7日がこの2つの星の祭日である。


== 呼称と方言 ==
== 呼称と方言 ==
[[ラテン語]]名の ''{{lang|la|Lyra}}'' は[[古典ギリシア語]]の ''{{lang|el|λύρα}}'' に由来し、「竪琴」([[リラ (楽器)|リラ]])を意味する。ギリシア語・ラテン語の古典式発音では'''リュラ'''、[[英語]]での発音はカタカナで書き下すと'''ライラ'''に近い<ref name="OED">{{Citation|author=Lesley Brown|title=The New Shorter Oxford English Dictionary. Vol.&nbsp;1:&nbsp;A-M|publisher=[[オックスフォード大学出版局|Clarendon Press]]|place=Oxford|date=1993年|page=1651}}</ref>{{Refnest|group="注"|発音例:{{IPAc-en|ˈ|l|aɪr|ə}} <ref name="OED"/>}}。{{seealso|[[星・星座する方言#ベガ(こ座)とアルタイル(わし座)|ベガ(こと)の方言]]}}
名の ''{{lang|la|Lyra}}'' は[[古典ギリシア語]]で[[撥弦楽器]]の[[リラ (楽器)|リラ]]を意味する ''{{lang|el|λύρα}}'' に由来している{{R|Ridpath}}。ギリシア語・ラテン語の古典式発音では'''リュラ'''、[[英語]]での発音はカタカナで書き下すと'''ライラ'''に近い{{R|OED}}{{Refnest|group="注"|発音例:{{IPAc-en|ˈ|l|aɪr|ə}} {{R|OED}}}}。[[ラテン語]]の学名 Lyra 対応する日本語の学術用語としての星名は「'''こと'''」と定められている{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版|1994|pp=305-306}}。現代中国では'''天琴座'''{{Sfn|伊世同|1981|p=131}}{{R|Osaki1987_2}}と呼ばれている。

明治初期の[[1874年]](明治7年)に[[文部省]]より出版された[[関藤成緒]]の天文書『星学捷径』で「'''リラ'''」という読みと「'''琴'''」という解説が紹介された{{R|Sekito1874}}。また、[[1879年]](明治12年)に[[ノーマン・ロッキャー]]の著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』上巻では「'''リーラ'''」と紹介され{{R|Rakushi_1}}、下巻では「'''天琴宿'''」として解説された{{R|Rakushi_2}}。これらからそれから30年ほど時代を下った明治後期には「'''天琴'''」という呼称が使われていたことが[[日本天文学会]]の会報『天文月報』の第1巻2号掲載の「五月の天」と題した記事中の星図で確認できる{{R|AH190805}}。この「天琴」という訳名は、[[1910年]](明治43年)に「'''琴'''」と改められ{{R|AH191002}}、[[東京天文台]]の編集により[[1925年]](大正14年)に初版が刊行された『[[理科年表]]』にも「'''琴(こと)'''」として引き継がれた{{R|Rika_1925}}。戦中の[[1944年]](昭和19年)に天文学用語が見直しされた際も「'''琴(こと)'''」が継続して使われることとなった{{R|1944jutsugo}}。そして、戦後の[[1952年]](昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|p=316}}とした際に平仮名で「'''こと'''」と決まり{{R|AH195210}}、以降この呼称が継続して用いられている{{Sfn|学術用語集:天文学編(増訂版)|1994|pp=305-306}}{{R|gakujutsu1974}}。

=== 方言 ===
&alpha;・&epsilon;・&zeta; が形作る[[三角形]]のことを、[[福岡県]][[糸島市]]加布里で[[芥屋村]](現・[[糸島市]])出身者から「'''タナバタサン'''(七夕さん)」と呼んでいたとする事例が採集されている{{R|Kitao2018}}。また[[香川県]][[三豊郡]][[詫間町]][[志々島]](現・[[三豊市]])には「'''メンタナバタ'''」という呼称が伝えられている{{R|Kitao2018}}。

&beta;・&gamma;・&delta;・&zeta; の4星が形作る[[平行四辺形]]に対しては、香川県[[丸亀市]][[本島 (香川県)|本島]]では[[瓜]]を切るまな板に見立てた「'''ウリキリマナイタ'''(瓜切り俎)」、[[島根県]][[邑智郡]][[日貫村]](現・[[邑南町]])では「'''ナキリボシ'''(菜切り星)」「'''マナイタボシ'''(俎星)」という呼称が伝えられている{{R|Kitao2018|Nojiri1986}}。また[[熊本県]]隈府(現・[[菊池市]])では、これを七夕のお供え物を入れる竹籠に見立てた「'''タナバタノオコゲ'''(七夕の麻小笥)」という呼称が伝えられていた{{R|Kitao2018|Nojiri1986}}。
{{seealso|[[星・星座に関する方言#ベガ(こと座)とアルタイル(わし座)|ベガ(こと座)の方言]]}}

== 主な天体 ==
=== 恒星 ===
{{See also|こと座の恒星の一覧}}
[[2024年]]4月現在、IAUによって6個の恒星に固有名が認証されている{{R|iaucsn}}。
; [[ベガ|&alpha;星]]
: 太陽系から約25.0 [[光年]]の距離にある{{Efn2|1÷年周視差130.23ミリ秒 ×3.2615638より、小数点第2位を四捨五入して計算。}}、[[見かけの等級|見かけの明るさ]]0.03 等、[[スペクトル分類|スペクトル型]] A0Va の[[A型主系列星]]で、全天21の1等星の1つ{{R|simbad_alpha}}。この星には塵のリングが見つかっている。地球の歳差運動の影響により、西暦13000年から14000年にかけては[[北極星]]となるとされる{{R|Ridpath2017}}{{Efn2|ただし、天の北極に最も近付いたときでも5.7&deg;ほど離れていると予測されている{{R|Ridpath2017}}。}}。
: 波長毎の明るさに大きな差がないことから、[[1953年]]に[[ハロルド・レスター・ジョンソン|ジョンソン]]と[[ウィリアム・ウィルソン・モーガン|モーガン]]が考案し、IAUに採用された「[[ジョンソンのUBVシステム|ジョンソンUBVシステム]]」において、U等級・B等級の基準となる6個の恒星の1つに選ばれた{{R|std_system|JohnsonMorgan1953}}{{efn2|UBVシステムにおいてV等級の原点は、北極標準星野にある国際式標準星の[[写真等級|写真実視等級]]をV等級と同一とみなすことで定義され、U等級とB等級の原点は、A0Vのスペクトルを持つ、ベガ、[[おおぐま座ガンマ星|おおぐま座&gamma;星]]、[[おとめ座109番星]]、[[かんむり座アルファ星|かんむり座&alpha;星]]、[[へびつかい座ガンマ星|へびつかい座&gamma;星]]、そして[[うみへび座C星]] (HR 3314) の6つの星の平均の U-B、B-Vを0とすることで(すなわち U&#61;B&#61;V とすることで)定められた{{R|JohnsonMorgan1953}}。}}。また、等級の原点となるゼロ等級は、ベガの[[スペクトルエネルギー分布]] (SED) を元に定められたベガ等級やAB等級が用いられている{{R|std_system}}。
: [[1983年]]、赤外線天文衛星[[IRAS]]によるベガの測光データの[[遠赤外線]]の波長域に[[赤外超過]]が見られることが発見された{{R|Aumann1984|Yamamura2006}}。これはベガの周囲に[[塵円盤]]が存在することを示したものであると考えられ{{R|Aumann1984|Yamamura2006}}、以後このような赤外超過を示す恒星は「ベガ型星 ({{Lang-en-short|Vega-like star}}{{R|Song2002}})」と呼ばれるようになった{{R|Yamamura2006}}。[[2005年]]には[[アメリカ航空宇宙局]] (NASA) の赤外線宇宙望遠鏡[[スピッツァー宇宙望遠鏡]]の観測データから、この塵円盤の塵は原始惑星系円盤の残骸ではなく、太陽系の[[エッジワース・カイパーベルト]]に相当するような小惑星帯で小惑星や彗星のような小天体が分裂した破片が他の天体と衝突して生成されたものであると推定された。さらに[[2013年]]には、スピッツァーや[[ヨーロッパ宇宙機関]] (ESA) の赤外線天文衛星[[ハーシェル宇宙天文台]]の観測データから、ベガの周囲に2つのリング状の小天体ベルトが存在するという研究結果が発表されている{{R|AstroArts20130109|JPL20130108}}。
: IAUが認証している固有名の「'''[[ベガ]]'''{{R|StellaNavigator11}}(Vega{{R|iaucsn}})」は、一般に[[アラビア語]]で「急降下するワシ」を意味する言葉に由来するものとされている{{Sfn|原恵|2007|pp=156-165}}{{R|Kunitzsch2006}}が、これは本来「地面に降りたワシ(またはハゲワシ)」を意味する言葉であるとする説もある{{R|Suzuki2007}}。
; [[こと座ベータ星|&beta;星]]
: 太陽系から約906 光年の距離にある、見かけの明るさ3.42 等の[[分光連星]]{{R|simbad_beta}}。中心のAa星系は、見かけの明るさ3.6 等の Aa1 と4.0 等の Aa2 で構成される{{R|WDS_beta}}、「半分離型連星 ({{Lang-en-short|semi-detached binary}})」に分類される[[連星#連星の分類|近接連星]]である{{R|simbad_beta}}。より初期質量が重かった Aa2 がより早く進化して巨星となり、[[ロッシュ・ローブ]]からあふれた外層が両星の[[ラグランジュ点|L{{sub|1}}]]から Aa1 に流れ込んでその周囲に[[降着円盤]]を形成している{{R|Harmanec2002}}。Aa1 とAa2 は互いの共通重心を約12.9 日の周期で公転しており、公転周期は年に19秒の割合で遅くなっている{{R|Harmanec2002}}。太陽系からは公転面をほぼ真横から見た形となっている{{R|Orbit_beta}}ため、[[食変光星]]として観測される{{R|GCVS_beta}}。[[潮汐力]]で星の形状が卵形に歪められた結果、食と食の間の見かけの合成光度が連続的に変化するため、[[光度曲線]]から食の開始と終了の正確な時刻を特定することが不可能という特徴を持つ{{R|GCVS}}。このような食変光星の分類「こと座&beta;型変光星 (Beta Lyrae-type eclipsing system, EB) 」のプロトタイプとされており{{R|GCVS}}、極大時3.25 等、第1極小時4.36 等、第2極小時3.85 等の範囲で明るさを変える{{R|GCVS_beta}}。
: 2007年に[[補償光学]]を用いた観測からAa星系から0.54[[秒 (角度)|&Prime;]]離れた位置に発見された Ab は、Aa星系と連星系を成している可能性がある{{R|Roberts, Jr.2007}}。また、45.8&Prime;離れた位置に見える7.13 等の B{{R|simbad_betaB}}と10.6 等の F{{R|simbad_betaF}}は、太陽系からの距離がAa星系と誤差の範囲でほぼ同じであるため、Aa星系と連星系を成している可能性がある{{R|Harmanec2002}}。[[2019年]]には、位置天文衛星[[ヒッパルコス (人工衛星)|ヒッパルコス]]や[[ガイア計画|ガイア]]の観測データから、&beta; Lyr Aa星系を中心に100個ほどの恒星を含む星団の存在が提唱され、Gaia 8 という名称が付けられている{{R|Bastian2019}}。
: Aa1星には、ギリシャ由来のアラビアの言葉で「リラ」を意味する言葉に由来する{{R|Kunitzsch2006}}「'''シェリアク'''{{R|StellaNavigator11}} (Sheliak{{R|iaucsn}}) という固有名が認証されている。
; [[こと座ガンマ星|&gamma;星]]
: 太陽系から約657 光年の距離にある、見かけの明るさ3.25 等、スペクトル型 B9III の青色巨星で、3等星{{R|simbad_gamma}}。アラビア語で「[[亀]]」を意味する言葉に由来する{{R|Kunitzsch2006}}「'''スラファト'''{{R|StellaNavigator11}}(Sulafat{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。
; [[こと座イータ星|&eta;星]]
: 太陽系から約1,120 光年の距離にある、見かけの明るさ4.398 等、スペクトル型 B2.5IV の[[準巨星]]で、4等星{{R|simbad_eta}}。A星はそれ自体が分光連星で、近くに見える9等星のB星と11等星のC星とは三重星を成している{{R|WDS_eta}}。Aa星にはアラビア語で「爪」を意味する言葉に由来するとされる{{R|Allen2013}}「'''アラドファル'''{{R|StellaNavigator11}}(Aladfar{{R|iaucsn}})」という固有名が認証されている。
; [[HD 173416]]
: 太陽系から約433 光年の距離にある、見かけの明るさ6.037 等、スペクトル型 G8 の6等星{{R|simbad_HD173416}}。IAUの100周年記念行事「IAU100 [[NameExoWorlds]]」で[[中華人民共和国]]([[南京市]])に命名権が与えられ、主星は '''Xihe'''([[羲和]])、太陽系外惑星は '''Wangshu'''([[望舒]])と命名された{{R|approved}}。
; [[HAT-P-5]]
: 太陽系から約1,010 光年の距離にある、見かけの明るさ11.95 等、スペクトル型 G1V の[[G型主系列星]]で、12等星{{R|simbad_HAT-P-5}}。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」で[[スロバキア共和国]]に命名権が与えられ、主星は '''Irena'''、太陽系外惑星は '''Iztok''' と命名された{{R|approved}}。
このほか、以下の恒星が知られている。
; [[こと座デルタ2星|&delta;{{sup|2}}星]]
: 太陽系から約770 光年の距離にある、見かけの明るさ4.30 等、スペクトル型 M4II の[[輝巨星]]で、4等星{{R|simbad_delta2}}。近くに見える6等星の&delta;{{sup|1}}星{{R|simbad_delta1}}とは[[見かけの二重星]]の関係にある。変光星としては脈動変光星のグループの1つ「[[長周期変光星]]」のSRC型に分類されているが、確定されてはいない{{R|GCVS_delta2}}。
[[File:Epsilon Lyrae the double-double.jpg|thumb|360px|[[こと座イプシロン星|こと座&epsilon;星]]。画像右側のペアが&epsilon;{{sup|1}}、画像左側のペアが&epsilon;{{sup|2}}である。]]
; [[こと座イプシロン星|&epsilon;星]]
: 太陽系から約158 光年の距離にある、&epsilon;{{sup|1}}と&epsilon;{{sup|2}}の2つの連星系からなる多重連星系。4つの星が小望遠鏡でも分解して観ることができる[[実視連星]]で、「二重の二重星」となっていることから「'''ダブル・ダブル・スター'''{{R|vixen}}({{Lang-en-short|Double Double}}{{R|Ridpath2017|Dawes1867}})」という通称で親しまれている。&epsilon;{{sup|1}}と&epsilon;{{sup|2}}は209.4&Prime;(約3.5[[分 (角度)|&prime;]])離れた位置に見え、双眼鏡でも分離して見ることができる{{R|Ridpath2017}}。
:* &epsilon;{{sup|1}}星系:見かけの明るさ4.991 等、スペクトル型 A3V の&epsilon;{{sup|1}}A星{{R|simbad_epsilon1A}}と、見かけの明るさ6.062 等、スペクトル型 F0V の&epsilon;{{sup|1}}B星{{R|simbad_epsilon1B}}が約2.20&Prime;離れた位置に見える連星系{{R|WDS_epsilonAB}}。2つの星が互いの共通重心を約1800年の周期で公転しているとされる{{R|Orbit_epsilonAB}}。
:* &epsilon;{{sup|2}}星系:見かけの明るさ5.23 等、スペクトル型 A6Vn の&epsilon;{{sup|2}}A星{{R|simbad_epsilon2A}}と、見かけの明るさ5.35 等、スペクトル型A7Vn の&epsilon;{{sup|2}}B星{{R|simbad_epsilon2B}}が約2.40&Prime;離れた位置に見える連星系{{R|WDS_epsilonCD}}。&epsilon;{{sup|2}}A星と&epsilon;{{sup|2}}B星のペアが、互いの共通重心を約720年の周期で公転しているとされる{{R|Orbit_epsilonCD}}。&epsilon;{{sup|2}}A星はそれ自体が分光連星であるとする研究もあるが、伴星の存在を疑問視する見解も出されている{{R|WDS_epsilonCaCb}}。
; &zeta;星
: 太陽系から約158 光年の距離にある連星系{{R|simbad_zeta}}。共に白く見える4等星の &zeta;{{sup|1}}{{R|simbad_zeta1}}と6等星の &zeta;{{sup|2}}{{R|simbad_zeta2}}が約44&Prime;離れた位置にあり{{R|WDS_zeta}}、双眼鏡や小望遠鏡で容易に見分けることができる{{R|Ridpath2017}}。また、&zeta;{{sup|1}}はそれ自体が分光連星である{{R|simbad_zeta1}}。
:* &zeta;{{sup|1}}星:見かけの明るさ4.36 等、スペクトル型 kA5hF0VmF3 のA型主系列星で、4等星{{R|simbad_zeta1}}。[[Am星]]と呼ばれる[[化学特異星]]に分類されており、この複雑なスペクトル分類は[[フラウンホーファー線#用途|カルシウムのK線]]ではA5、それ以外の金属線ではF3、水素線ではF0V の特徴を持つことを示している{{R|Abt1995|VizieR_Abt1995}}。分光連星で、4.3 日という短い周期で互いの共通重心をほぼ真円に近い公転軌道で周回しているとされる{{R|Pourbaix2004|VizieR_SB9}}。
; [[こと座R星|R星]]
: 太陽系から約312 光年の距離にある、見かけの明るさ4.00 等、スペクトル型 M4.5III の赤色巨星で、4等星{{R|simbad_R}}。脈動変光星の分類の1つ「[[半規則型変光星]]」のサブグループSRB型に分類されており、46日の周期で3.88 等から5.00 等の範囲で変光する{{R|GCVS_R}}。
; [[こと座RR星|RR星]]
: 太陽系から約820 光年の距離にある、スペクトル型 kA3hF0 の脈動変光星{{R|simbad_RR}}。[[1899年]][[7月13日]]の[[写真乾板]]から[[ウィリアミーナ・フレミング]]が変光星であることを発見し、[[1901年]]の[[エドワード・ピッカリング]]の論文で公表された{{R|AAVSO_RR_Lyrae}}。HR図上で[[不安定帯]]にプロットされる脈動変光星のグループの1つ「[[こと座RR型変光星]]」のRRab型のプロトタイプとされており{{R|GCVS}}、0.56686776日の周期で、7.06 等から8.12 等の範囲で変光する{{R|GCVS_RR}}。

=== 星団・星雲・銀河 ===
[[18世紀]][[フランス]]の天文学者[[シャルル・メシエ]]が編纂した『[[メシエカタログ]]』に挙げられた天体が2つ位置している{{R|SEDS_Messier}}。
; [[M56 (天体)|M56]]
: 太陽系から約3万3千 光年の距離にある[[球状星団]]{{R|simbad_M56}}。[[1779年]][[1月23日]]にメシエが発見した{{R|SEDS_M56}}。メシエは「星のない星雲」と記録していたが、発見から5年後の[[1784年]]に[[ウィリアム・ハーシェル]]が星の集団であることを確認している{{R|SEDS_M56}}。多くの球状星団に見られるような明るいコアがなく、メシエ天体の中で最も暗いものの1つとされる{{R|SEDS_M56}}。
; [[環状星雲|M57]]
: 太陽系から約2,570 光年の距離にある[[惑星状星雲]]{{R|simbad_M57}}。その見た目から「'''環状星雲'''」や「'''リング星雲'''」の通称で知られる。1779年1月31日にメシエが発見した。メシエの発見を知った{{仮リンク|アントワーヌ・ダルキエ・ド・ペルポワ|en|Antoine Darquier de Pellepoix}}が再発見し、メシエがそのことを新発見であるかのように著述したことから、[[2013年]]までダルキエが発見者であると勘違いされていた{{R|SEDS_M57|TSU20170424}}。中心近くに見える16等星の白色矮星 WD 1851+329 が前駆天体であると考えられている{{R|simbad_M57}}。
{{Gallery
| width=360
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| align=center
| Messier 56 HST.jpg | [[ハッブル宇宙望遠鏡]]の[[掃天観測用高性能カメラ]] (Advanced Camera for Surveys, ACS) で撮像された[[球状星団]][[M56 (天体)|M56]]
| M57 The Ring Nebula.jpg | HSTの[[広視野カメラ3]] (WFC3) によって469 [[ナノメートル|nm]]から673 nm の7つの波長で得られた観測データから合成された[[惑星状星雲]][[環状星雲|M57]]の画像。
}}

== 流星群 ==
こと座の名前を冠した[[流星群]]で、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものは、4月こと座流星群 (April Lyrids, LYR) とこと座&eta;流星群 (eta Lyrids, ELY) の2つ{{R|NAOJ_meteor}}。4月こと座流星群は、[[1861年]]に出現し、約400年の周期で公転する[[サッチャー彗星]] (C/1861 G1 Thatcher) を[[母天体]]とする流星群{{R|NAOJ_major_meteor}}で、4月22日頃に極大を迎える{{R|NAOJ_meteor}}。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
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{{脚注ヘルプ}}

{{Reflist|group="注釈"}}
=== 注釈 ===
{{Notelist2}}


=== 出典 ===
=== 出典 ===
{{Reflist|refs=
{{Reflist|25em|refs=

<ref name="Ian">[[:en:Ian Ridpath|Ian Ridpath]] and [[:en:Wil Tirion|Wil Tirion]] (2007). ''Stars and Planets Guide'', Collins, London. ISBN 978-0007251209. Princeton University Press, Princeton. ISBN 978-0691135564.</ref>
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| title=SIMBAD Astronomical Database
| title=The Constellations
| publisher=[[国際天文学連合]]
| work=Results for NAME VEGA
| url=https://simbad.u-strasbg.fr/simbad/sim-id?protocol=html&Ident=vega
| url=https://www.iau.org/public/constellations/#lyr
| accessdate=2013-01-15}}</ref>
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<ref name="Ridpath">{{Cite web
| last=Ridpath | first=Ian | author-link=イアン・リドパス
| title=Lyra
| website=Star Tales
| url=http://www.ianridpath.com/startales/lyra.html
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| title=Constellation boundary
| publisher=[[国際天文学連合]]
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<ref name="Yamada2023">{{Cite book | 和書
| author=山田陽志郎
| title=天文年鑑2024年版
| chapter=星座 | date=2023-11-30
| publisher=[[誠文堂新光社]] | isbn=978-4-416-11545-9 | pages=328-331}}</ref>

<ref name="NAOJ_meteor">{{Cite web | 和書
| title=流星群の和名一覧(極大の日付順)
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<ref name="Yamaoka2023">{{Cite book | 和書
| author=山岡均 | author-link=山岡均
| title=天文年鑑2024年版
| chapter=主な恒星 | date=2023-11-30
| publisher=[[誠文堂新光社]] | isbn=978-4-416-11545-9 | pages=332-336}}</ref>

<ref name="astro1">{{Cite web | 和書
| title=夏の星空を楽しもう
| title=夏の星空を楽しもう
| work=AstroArts
| work=AstroArts
| url=https://www.astroarts.co.jp/special/2006summer/constellation-j.shtml
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| accessdate=2013-05-11}}</ref>
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<ref name="Ridpath2017">{{Cite book
| last=Ridpath | first=Ian | last2=Tirion | first2=Wil | author-link=イアン・リドパス
| title=Collins Stars and Planets Guide
| publisher=William Collins | date=2017-10 | edition=5th | isbn=978-0-00-823927-5}}(Kindle版、位置No.全5116中 1531-1567 / 31%)</ref>

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| title=Field of View
| publisher=[[NASA]]
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| last1=Condos | first1=Theony
| title=Star myths of the Greeks and Romans : a sourcebook containing the Constellations of Pseudo-Eratosthenes and the Poetic astronomy of Hyginus
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| title=Constellation Myths: with Aratus's Phaenomena
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| publisher=Oxford University Press | publication-place=
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| last=Hevelius | first=Johannes | author-link=ヨハネス・ヘヴェリウス
| publisher=Johann Zacharias Stolle
| title=Johannis Hevelii prodromus astronomiae, exhibens fundamenta, quae tam ad novum planè & correctiorem stellarum fixarum catalogum construendeum, quàm ad onmium planetarum tabulas corrigendas omnimodè spectant; nec non novas & correctiores tabulas solares, aliasque plurimas ad astronomiam pertinentes ... quibus additus est uterq[ue] catalogus stellarum fixarum, tam maior ad annum 1660, quam minor ad annum completum 1700. Acessit corollarii loco tabula motus lunae libratori, ad bina secula proxime ventura prolongata, brevi cum descriptione, eiusque usu
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2024年5月26日 (日) 08:27時点における版

こと座
Lyra
Lyra
属格 Lyrae
略符 Lyr
発音 [ˈlaɪrə]、属格:/ˈlaɪriː/
象徴 リラ[1][2]
概略位置:赤経  18h 13m 52.0497s- 19h 27m 56.0466s[3]
概略位置:赤緯 +25.6641407° - +47.7143936°[3]
20時正中 8月下旬[4]
広さ 286.476平方度[5]52位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
25
3.0等より明るい恒星数 1
最輝星 ベガ(α Lyr)(0.03
メシエ天体 2[6]
確定流星群 2[7]
隣接する星座 りゅう座
ヘルクレス座
こぎつね座
はくちょう座
テンプレートを表示

こと座(ことざ、: Lyra)は、現代の88星座の1つで、プトレマイオスの48星座の1つ[2]古代ギリシャ撥弦楽器リラをモチーフとしている[1][2]。古代ギリシャ・ローマの伝承では、オリュンポス十二神の一柱ヘルメースが作り、吟遊詩人オルペウスが携えたリラであるとされる[8]

α星ベガは、全天に21個ある1等星の1つ[注 1]。東アジアの七夕の伝承では、ベガは織姫(織女)とされ、彦星(牽牛)とされるわし座α星アルタイルと対になる星と見なされている。また、ベガとアルタイル、はくちょう座α星デネブの3つの1等星が形作る大きな三角形は夏の大三角と呼ばれる。

特徴

2004年5月16日に撮影されたこと座の星景写真。初夏から初冬まで長く観望することができる。

東をはくちょう座、西をヘルクレス座、南をこぎつね座、北をりゅう座に囲まれ[9]、東側では天の川と接する。20時正中は8月下旬頃[4]で、北半球では主に夏の星座とされる[10]が、初夏から初冬まで長く観望することができる[9]。北端は+47.71°、南端は+25.66°と天の赤道から北に離れて位置している[3]ため、南極圏からは全く見ることができないが、北極圏では星座の全ての星が周極星となる。

この星座で最も明るく見える1等星のα星ベガは、全天で5番目、北天ではうしかい座α星アルクトゥールスに次いで2番目に明るく見える星[11]で、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブと形作る大きな三角形は夏の大三角として親しまれている[12][13]。こと座の東には天の川が通っており、特に南で接するはくちょう座に掛けては星が豊かに広がる領域である[8]。空が明るい街中ではベガ以外の星を見ることは難しいが、空が暗い郊外では平行四辺形に並ぶ β・γ・δ・ζ の4星を容易に見つけることができる。

NASAの太陽系外惑星探索用宇宙望遠鏡「ケプラー」の観測領域 (Kepler FOV)。2009年12月から2013年5月までの約3年半の運用期間中の観測領域は、はくちょう座・こと座・りゅう座にまたがる約100 平方度の領域であった。

2024年現在、こと座の領域で発見された太陽系外惑星の総数と惑星のある恒星系の数は、はくちょう座に次いで88星座中で2番目に多い[4]。これは、こと座の領域の北東部が、2009年に打ち上げられたアメリカ航空宇宙局 (NASA) の太陽系外惑星探索用宇宙望遠鏡ケプラー」の観測領域 (Field of View, FOV) に含まれていたためである[14]

由来と歴史

こと座の起源となる星座がいつどこで生まれたのか、確かなことはわかっていない[15]五島プラネタリウムの解説員として知られた原恵は著書『星座の神話』の中で、逆L字形に並ぶ α・β・γ の姿をL字形のハープに見立てたものであろうとしていたが、これは古代エジプトの墓から出土したL字形のハープを見て原が想起した考えであり[10]、この見解を支持する文献等は示されていない。アメリカの古典学者テオニー・コンドスは、メソポタミアの鳥の星座、あるいはフェニキアの琴の星座のいずれかを起源とする可能性があるとしている[15]

紀元前4世紀の古代ギリシアの天文学者クニドスのエウドクソスの著書『パイノメナ (古希: Φαινόμενα)』を元に詩作されたとされる紀元前3世紀前半のマケドニアの詩人アラートスの詩篇『パイノメナ (古希: Φαινόμενα)』では、こと座は Λύρα (Lyra) という名称で登場しており[16]、以降この名称が古代ギリシャ・ローマ時代を通じて使われた。こと座に属する星の数について、紀元前3世紀後半の天文学者エラトステネースの天文書『カタステリスモイ (古希: Καταστερισμοί)』や1世紀初頭の古代ローマの著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文詩 (: De Astronomica)』では8個、帝政ローマ2世紀頃のクラウディオス・プトレマイオスの天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希: ἡ Μεγάλη Σύνταξις τῆς Ἀστρονομίας)』、いわゆる『アルマゲスト』では10個とされた[15]

10世紀ペルシアの天文学者アブドゥッラハマーン・スーフィー(アッ=スーフィー)が『アルマゲスト』を元に964年頃に著した天文書『星座の書』では、「竪琴」を意味する al-Silyāq と呼ばれ、『アルマゲスト』と同じく10個の星が属するとされた[2][17]。アッ=スーフィーは、al-Silyāq で最も明るい星を「降りるワシ」を意味する al-Nasr al-Wāqiʻ と呼んでいた[2][17]。これは、アラビアで α・ε・ζ の3星が形作るV字形を翼をたたんだワシやハゲタカに見立てたことに由来しており、天の川を挟んで南側にあるわし座の α・β・γ の3星を飛んでいるワシやハゲタカに見立てた al-Nasr al-Ṭāʼir[18] と呼んだことに対応するものであった[2]。現在のこと座α星の固有名「ベガ (Vega)」はこの呼称の Wāqi の部分が転訛したものである[2][19]

こと座の星をワシやハゲタカと見なすアラビアの文化は、ルネサンス期以降のヨーロッパにも影響を与えた。たとえば16世紀ドイツの版画家アルブレヒト・デューラー1515年に製作した北天星図では、こと座の姿はワシに抱えられたフィドルのような弦楽器として描かれている[20]。このワシとリラを組み合わせた意匠は後の星図製作者たちにも引き継がれ、ドイツ法律家ヨハン・バイエルの星図『ウラノメトリア (Uranometria)』(1603年)やドイツの天文学者ヨハン・ボーデの星図『ウラノグラフィア (Uranographia)』(1801年)でも、ワシの首にひもで括り付けられたリラが、ポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスの天文書『Prodromus Astronomiæ』(1690年)ではワシが鉤爪で掴まえたリラが、それぞれ描かれていた[2][21][22][23][24]。一方で、オランダの法学者フーゴー・グローティウスの星座図帳『シュンタグマ・アラテオルム (SYNTAGMA ARATEORVM)』(1600年)やイギリスの天文学者ジョン・フラムスティードの『天球図譜 (Atlas coelestis)』(1729年)ではリラが単独で描かれた[25][26]

バイエルは『ウラノメトリア』で、α から ν までのギリシャ文字13文字を用いてこと座の13個の星に符号を付した[21][22]

1922年5月にローマで開催された国際天文学連合 (IAU) の設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Lyra、略称は Lyr と正式に定められた[27][28]

中東

紀元前500年頃に製作された天文に関する粘土板文書『ムル・アピン英語版 (MUL.APIN)』の中でこと座の星は、天空に3つある層のうち中央の「アヌの道」に置かれた「牝ヤギ」を表す星座 Mul Uz とされた[29][30]。また、ベガは単独で女神ランマ (Lamma) を表すものとされた[29][30]

中国

中国清代の類書欽定古今図書集成』の「河鼓三星圖」に描かれた星官「河鼓」と周辺の星。こと座の星々は、画像上部の織女・漸臺・輦道に配されていた。

ドイツ人宣教師イグナーツ・ケーグラー英語版(戴進賢)らが編纂し、清朝乾隆帝治世の1752年に完成・奏進された星表『欽定儀象考成』では、こと座の星は二十八宿北方玄武七宿の第二宿「牛宿」に配されていたとされる[31][32]。α・ε1・ζ1 の3星が布を織る娘を表す星官「織女」に、δ2・β・γ・ι の4星が池の中に作られた島を表す星官「漸台」に、R・η・θ の3星がはくちょう座の2星とともに宮中の天子専用の道路を表す星官「輦道」に配された[31][32]

神話

19世紀イギリス星座カード集『ウラニアの鏡』に描かれたこと座(画像右側)。

古代ギリシャ・ローマの伝承では、こと座は発明の神ヘルメースが作ったリラであるとされているが、それが星座となる過程は語り手によって異なる。アラートスの『パイノメナ』では、ヘルメースがまだゆりかごにいた頃に亀の甲をくり抜いて作ったリラであり、ヘルメース自らが鳥 (Ὄρνις) の頭と膝を折る人物の膝の間に置いた、とされた[33][注 2]

エラトステネースの『カタステリスモイ』では以下の伝承を伝えている[15][34]。ヘルメースが亀の甲とアポローンの牛から作ったリラであるとされた。アポローンは牛と引き換えにヘルメースからリラを受け取ると、それに歌を合わせ、文芸の女神ムーサたちの1柱であるカリオペーとの間の息子オルペウスに渡した。ヘルメースのリラは、母のマイアプレイアデスの人数に合わせて7本の弦が張られたものであったが、オルペウスは母カリオペーを含むムーサたちの人数に合わせて弦を9本に増やした。楽器演奏の才に長けたオルペウスはますます名声を上げ、彼が歌うと木々や岩、野獣まで魅了すると言われた。オルペウスはディオニューソスへの信仰を捨て、太陽神ヘーリオスとも呼ばれるアポローンを最も偉大な神であると信じることとした。オルペウスは夜明け前に起きてパンガイオン山へ登り、他の誰よりも早くヘーリオスを見るべく夜明けを待つようになった。怒り狂ったディオニューソスはバッサリデス族を差し向け、オルペウスの手脚を引き裂いて方々にばらまかせた。ムーサたちはオルペウスの亡骸を集め、オリンポス山の北の山腹にある Leibethroe と呼ばれる地に葬った。遺品となったリラはそれを贈るべき相手がいなかったため、ムーサたちはオルペウスと自分たちの記憶が残すべく、リラを星座の間に置くようにゼウスに乞い願った。ゼウスは彼女らの願いを聞き入れ、リラを天空に置いた[15][34]

ヒュギーヌスの『天文詩』でも『カタステリスモイ』と同様の伝承が伝えられているが、オルペウスはカリオペーとオイアグロス英語版の子であるとされ、メルクリウス[注 3]が発明したリラはメルクリウスからオルペウスに渡されたものとされた[15][34]。また、オルペウスが命を落とす理由が以下のようにより詳細に語られている[15][34]。妻エウリュディケーの死で嘆き悲しんだオルペウスは、冥界に下りて全ての神々を讃える歌を歌ったが、うっかりリーベル[注 4]のことを忘れてしまった。このことを恨みに思ったリーベルは、後年オルペウスがオリンポス山あるいはパンガイオン山で歌に興じているところに信徒を差し向けて、オルペウスの手脚を引き裂かせた。あるいは、オルペウスがリーベルの神聖な儀式を盗み見たために殺されたのだとも言われる[15][34]。またヒュギーヌスは、オルペウスを殺したのはウェヌスであるとする説も伝えている[15][34]。美少年アドーニスを巡って争ったウェヌスとプロセルピナユーピテルの裁定を仰いだとき、ユーピテルはカリオペーに裁定するよう命じた。カリオペーはそれぞれの女神が半年ずつアドーニスを専有するように裁定したが、この裁定に腹を立てたウェヌスはトラキアの女たちをオルペウスに夢中にさせて、オルペウスを引き裂かせた。オルペウスの首は海に流されてレスボス島に漂着した。このことから、レスボス島の島民は音楽の才能に恵まれていると考えられた。この伝承でも、オルペウスのリラはムーサたちによって星座とされている[15][34]。加えてヒュギーヌスは、オルペウスが少年愛に目覚めて女性を侮辱したように見えたことから女性たちに殺されたとする説も伝えている[15][34]

呼称と方言

学名の Lyra は、古典ギリシア語撥弦楽器リラを意味する λύρα に由来している[2]。ギリシア語・ラテン語の古典式発音ではリュラ英語での発音はカタカナで書き下すとライラに近い[35][注 5]ラテン語の学名 Lyra に対応する日本語の学術用語としての星座名は「こと」と定められている[36]。現代の中国では天琴座[37][38]と呼ばれている。

明治初期の1874年(明治7年)に文部省より出版された関藤成緒の天文書『星学捷径』で「リラ」という読みと「」という解説が紹介された[39]。また、1879年(明治12年)にノーマン・ロッキャーの著書『Elements of Astronomy』を訳して刊行された『洛氏天文学』上巻では「リーラ」と紹介され[40]、下巻では「天琴宿」として解説された[41]。これらからそれから30年ほど時代を下った明治後期には「天琴」という呼称が使われていたことが日本天文学会の会報『天文月報』の第1巻2号掲載の「五月の天」と題した記事中の星図で確認できる[42]。この「天琴」という訳名は、1910年(明治43年)に「」と改められ[43]東京天文台の編集により1925年(大正14年)に初版が刊行された『理科年表』にも「琴(こと)」として引き継がれた[44]。戦中の1944年(昭和19年)に天文学用語が見直しされた際も「琴(こと)」が継続して使われることとなった[45]。そして、戦後の1952年(昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」[46]とした際に平仮名で「こと」と決まり[47]、以降この呼称が継続して用いられている[36][48]

方言

α・ε・ζ が形作る三角形のことを、福岡県糸島市加布里で芥屋村(現・糸島市)出身者から「タナバタサン(七夕さん)」と呼んでいたとする事例が採集されている[49]。また香川県三豊郡詫間町志々島(現・三豊市)には「メンタナバタ」という呼称が伝えられている[49]

β・γ・δ・ζ の4星が形作る平行四辺形に対しては、香川県丸亀市本島ではを切るまな板に見立てた「ウリキリマナイタ(瓜切り俎)」、島根県邑智郡日貫村(現・邑南町)では「ナキリボシ(菜切り星)」「マナイタボシ(俎星)」という呼称が伝えられている[49][50]。また熊本県隈府(現・菊池市)では、これを七夕のお供え物を入れる竹籠に見立てた「タナバタノオコゲ(七夕の麻小笥)」という呼称が伝えられていた[49][50]

主な天体

恒星

2024年4月現在、IAUによって6個の恒星に固有名が認証されている[51]

α星
太陽系から約25.0 光年の距離にある[注 6]見かけの明るさ0.03 等、スペクトル型 A0Va のA型主系列星で、全天21の1等星の1つ[52]。この星には塵のリングが見つかっている。地球の歳差運動の影響により、西暦13000年から14000年にかけては北極星となるとされる[8][注 7]
波長毎の明るさに大きな差がないことから、1953年ジョンソンモーガンが考案し、IAUに採用された「ジョンソンUBVシステム」において、U等級・B等級の基準となる6個の恒星の1つに選ばれた[53][54][注 8]。また、等級の原点となるゼロ等級は、ベガのスペクトルエネルギー分布 (SED) を元に定められたベガ等級やAB等級が用いられている[53]
1983年、赤外線天文衛星IRASによるベガの測光データの遠赤外線の波長域に赤外超過が見られることが発見された[55][56]。これはベガの周囲に塵円盤が存在することを示したものであると考えられ[55][56]、以後このような赤外超過を示す恒星は「ベガ型星 (: Vega-like star[57])」と呼ばれるようになった[56]2005年にはアメリカ航空宇宙局 (NASA) の赤外線宇宙望遠鏡スピッツァー宇宙望遠鏡の観測データから、この塵円盤の塵は原始惑星系円盤の残骸ではなく、太陽系のエッジワース・カイパーベルトに相当するような小惑星帯で小惑星や彗星のような小天体が分裂した破片が他の天体と衝突して生成されたものであると推定された。さらに2013年には、スピッツァーやヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の赤外線天文衛星ハーシェル宇宙天文台の観測データから、ベガの周囲に2つのリング状の小天体ベルトが存在するという研究結果が発表されている[58][59]
IAUが認証している固有名の「ベガ[9](Vega[51])」は、一般にアラビア語で「急降下するワシ」を意味する言葉に由来するものとされている[10][18]が、これは本来「地面に降りたワシ(またはハゲワシ)」を意味する言葉であるとする説もある[60]
β星
太陽系から約906 光年の距離にある、見かけの明るさ3.42 等の分光連星[61]。中心のAa星系は、見かけの明るさ3.6 等の Aa1 と4.0 等の Aa2 で構成される[62]、「半分離型連星 (: semi-detached binary)」に分類される近接連星である[61]。より初期質量が重かった Aa2 がより早く進化して巨星となり、ロッシュ・ローブからあふれた外層が両星のL1から Aa1 に流れ込んでその周囲に降着円盤を形成している[63]。Aa1 とAa2 は互いの共通重心を約12.9 日の周期で公転しており、公転周期は年に19秒の割合で遅くなっている[63]。太陽系からは公転面をほぼ真横から見た形となっている[64]ため、食変光星として観測される[65]潮汐力で星の形状が卵形に歪められた結果、食と食の間の見かけの合成光度が連続的に変化するため、光度曲線から食の開始と終了の正確な時刻を特定することが不可能という特徴を持つ[66]。このような食変光星の分類「こと座β型変光星 (Beta Lyrae-type eclipsing system, EB) 」のプロトタイプとされており[66]、極大時3.25 等、第1極小時4.36 等、第2極小時3.85 等の範囲で明るさを変える[65]
2007年に補償光学を用いた観測からAa星系から0.54離れた位置に発見された Ab は、Aa星系と連星系を成している可能性がある[67]。また、45.8″離れた位置に見える7.13 等の B[68]と10.6 等の F[69]は、太陽系からの距離がAa星系と誤差の範囲でほぼ同じであるため、Aa星系と連星系を成している可能性がある[63]2019年には、位置天文衛星ヒッパルコスガイアの観測データから、β Lyr Aa星系を中心に100個ほどの恒星を含む星団の存在が提唱され、Gaia 8 という名称が付けられている[70]
Aa1星には、ギリシャ由来のアラビアの言葉で「リラ」を意味する言葉に由来する[18]シェリアク[9] (Sheliak[51]) という固有名が認証されている。
γ星
太陽系から約657 光年の距離にある、見かけの明るさ3.25 等、スペクトル型 B9III の青色巨星で、3等星[71]。アラビア語で「」を意味する言葉に由来する[18]スラファト[9](Sulafat[51])」という固有名が認証されている。
η星
太陽系から約1,120 光年の距離にある、見かけの明るさ4.398 等、スペクトル型 B2.5IV の準巨星で、4等星[72]。A星はそれ自体が分光連星で、近くに見える9等星のB星と11等星のC星とは三重星を成している[73]。Aa星にはアラビア語で「爪」を意味する言葉に由来するとされる[74]アラドファル[9](Aladfar[51])」という固有名が認証されている。
HD 173416
太陽系から約433 光年の距離にある、見かけの明るさ6.037 等、スペクトル型 G8 の6等星[75]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」で中華人民共和国南京市)に命名権が与えられ、主星は Xihe羲和)、太陽系外惑星は Wangshu望舒)と命名された[76]
HAT-P-5
太陽系から約1,010 光年の距離にある、見かけの明るさ11.95 等、スペクトル型 G1V のG型主系列星で、12等星[77]。IAUの100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でスロバキア共和国に命名権が与えられ、主星は Irena、太陽系外惑星は Iztok と命名された[76]

このほか、以下の恒星が知られている。

δ2
太陽系から約770 光年の距離にある、見かけの明るさ4.30 等、スペクトル型 M4II の輝巨星で、4等星[78]。近くに見える6等星のδ1[79]とは見かけの二重星の関係にある。変光星としては脈動変光星のグループの1つ「長周期変光星」のSRC型に分類されているが、確定されてはいない[80]
こと座ε星。画像右側のペアがε1、画像左側のペアがε2である。
ε星
太陽系から約158 光年の距離にある、ε1とε2の2つの連星系からなる多重連星系。4つの星が小望遠鏡でも分解して観ることができる実視連星で、「二重の二重星」となっていることから「ダブル・ダブル・スター[81](: Double Double[8][82])」という通称で親しまれている。ε1とε2は209.4″(約3.5)離れた位置に見え、双眼鏡でも分離して見ることができる[8]
  • ε1星系:見かけの明るさ4.991 等、スペクトル型 A3V のε1A星[83]と、見かけの明るさ6.062 等、スペクトル型 F0V のε1B星[84]が約2.20″離れた位置に見える連星系[85]。2つの星が互いの共通重心を約1800年の周期で公転しているとされる[86]
  • ε2星系:見かけの明るさ5.23 等、スペクトル型 A6Vn のε2A星[87]と、見かけの明るさ5.35 等、スペクトル型A7Vn のε2B星[88]が約2.40″離れた位置に見える連星系[89]。ε2A星とε2B星のペアが、互いの共通重心を約720年の周期で公転しているとされる[90]。ε2A星はそれ自体が分光連星であるとする研究もあるが、伴星の存在を疑問視する見解も出されている[91]
ζ星
太陽系から約158 光年の距離にある連星系[92]。共に白く見える4等星の ζ1[93]と6等星の ζ2[94]が約44″離れた位置にあり[95]、双眼鏡や小望遠鏡で容易に見分けることができる[8]。また、ζ1はそれ自体が分光連星である[93]
  • ζ1星:見かけの明るさ4.36 等、スペクトル型 kA5hF0VmF3 のA型主系列星で、4等星[93]Am星と呼ばれる化学特異星に分類されており、この複雑なスペクトル分類はカルシウムのK線ではA5、それ以外の金属線ではF3、水素線ではF0V の特徴を持つことを示している[96][97]。分光連星で、4.3 日という短い周期で互いの共通重心をほぼ真円に近い公転軌道で周回しているとされる[98][99]
R星
太陽系から約312 光年の距離にある、見かけの明るさ4.00 等、スペクトル型 M4.5III の赤色巨星で、4等星[100]。脈動変光星の分類の1つ「半規則型変光星」のサブグループSRB型に分類されており、46日の周期で3.88 等から5.00 等の範囲で変光する[101]
RR星
太陽系から約820 光年の距離にある、スペクトル型 kA3hF0 の脈動変光星[102]1899年7月13日写真乾板からウィリアミーナ・フレミングが変光星であることを発見し、1901年エドワード・ピッカリングの論文で公表された[103]。HR図上で不安定帯にプロットされる脈動変光星のグループの1つ「こと座RR型変光星」のRRab型のプロトタイプとされており[66]、0.56686776日の周期で、7.06 等から8.12 等の範囲で変光する[104]

星団・星雲・銀河

18世紀フランスの天文学者シャルル・メシエが編纂した『メシエカタログ』に挙げられた天体が2つ位置している[6]

M56
太陽系から約3万3千 光年の距離にある球状星団[105]1779年1月23日にメシエが発見した[106]。メシエは「星のない星雲」と記録していたが、発見から5年後の1784年ウィリアム・ハーシェルが星の集団であることを確認している[106]。多くの球状星団に見られるような明るいコアがなく、メシエ天体の中で最も暗いものの1つとされる[106]
M57
太陽系から約2,570 光年の距離にある惑星状星雲[107]。その見た目から「環状星雲」や「リング星雲」の通称で知られる。1779年1月31日にメシエが発見した。メシエの発見を知ったアントワーヌ・ダルキエ・ド・ペルポワ英語版が再発見し、メシエがそのことを新発見であるかのように著述したことから、2013年までダルキエが発見者であると勘違いされていた[108][109]。中心近くに見える16等星の白色矮星 WD 1851+329 が前駆天体であると考えられている[107]

流星群

こと座の名前を冠した流星群で、IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされているものは、4月こと座流星群 (April Lyrids, LYR) とこと座η流星群 (eta Lyrids, ELY) の2つ[7]。4月こと座流星群は、1861年に出現し、約400年の周期で公転するサッチャー彗星 (C/1861 G1 Thatcher) を母天体とする流星群[110]で、4月22日頃に極大を迎える[7]

脚注

注釈

  1. ^ ケンタウルス座α星Aリギル・ケンタウルス(Rigil Kentaurus、0.01 等)とケンタウルス座α星Bトリマン(Toliman、1.33 等)を分けて数えると22個。
  2. ^ 「鳥」は現在のはくちょう座、「膝を折る人物」は現在のヘルクレス座に当たる。
  3. ^ ローマ神話の商売の神で、ギリシャ神話のヘルメースに相当する。
  4. ^ ローマ神話の豊穣の神で、ギリシャ神話のディオニューソスに相当する。
  5. ^ 発音例:[ˈlaɪərə] [35]
  6. ^ 1÷年周視差130.23ミリ秒 ×3.2615638より、小数点第2位を四捨五入して計算。
  7. ^ ただし、天の北極に最も近付いたときでも5.7°ほど離れていると予測されている[8]
  8. ^ UBVシステムにおいてV等級の原点は、北極標準星野にある国際式標準星の写真実視等級をV等級と同一とみなすことで定義され、U等級とB等級の原点は、A0Vのスペクトルを持つ、ベガ、おおぐま座γ星おとめ座109番星かんむり座α星へびつかい座γ星、そしてうみへび座C星 (HR 3314) の6つの星の平均の U-B、B-Vを0とすることで(すなわち U=B=V とすることで)定められた[54]

出典

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座標: 星図 19h 00m 00s, +40° 00′ 00″