「閑院宮」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m Bot作業依頼#Cite webの和書引数追加 |
編集の要約なし タグ: Refタグつき記述の除去 |
||
| 12行目: | 12行目: | ||
|支流= |
|支流= |
||
}} |
}} |
||
'''閑院宮'''（かんいん の みや）は、 |
'''閑院宮'''（かんいん の みや）は、[[日本]]の[[皇室]]における[[宮家]]の一つ。[[世襲親王家]]の四宮家の一つ。 |
||
| ⚫ | |||
第二代当主[[閑院宮典仁親王|典仁親王]]（慶光天皇）の第六男子兼仁親王は、傍系・中御門天皇系である[[後桃園天皇]]（中御門天皇の曾孫）が[[崩御]]したことにより'''[[光格天皇]]'''として[[皇位継承|皇位を継承]]。光格天皇は後に、後桃園天皇の唯一の子女である[[欣子内親王]]を[[中宮]]に冊立し、[[温仁親王]]と[[悦仁親王]]（中御門天皇の来孫）をもうけるが何れも嗣子なく薨去し、中御門天皇の皇統は女系も含めて完全に途絶えてしまう。その後、光格天皇の[[典侍]]である[[勧修寺婧子]]がもうけた'''[[仁孝天皇]]'''が皇位を継承して以来、閑院宮の血統が'''[[徳仁|今上天皇]]たる現在の[[皇室]]'''まで皇統として続いており、仁孝から徳仁までの歴代天皇は全て1[[親等]]の直系子孫たる'''[[皇太子]]'''により皇位が継承され現在に至る。 |
|||
; 創設 |
|||
| ⚫ | |||
[[宝永]]7年（[[1710年]]）、[[東山天皇]]の第六皇子・[[閑院宮直仁親王|直仁親王]]を初代として創設される。 |
|||
閑院宮の[[宮号]]は[[平安時代]]の[[貞元親王]]（[[清和天皇]]皇子）が閑院を号したことに由来するといわれているが、明確ではない。 |
|||
__TOC__ |
|||
{{clear}} |
|||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
当時の[[朝廷 (日本)|朝廷]]では、皇位継承予定者以外の[[親王]]は[[世襲親王家]]を継承する例外を除いては[[出家]]して[[法親王]]となることが慣例となっていた。ところが、[[承応]]3年（[[1654年]]）[[後光明天皇]]が22歳で崩御したときに天皇の近親の皇族男子はほとんどど[[出家]]していて、その後継問題で紛糾した。都が[[平安京]]に移って以降、いったん出家した[[皇族]]が[[還俗]]して践祚した例はなく、このとき[[院政]]を敷いていた[[後水尾天皇|後水尾法皇]]はその第19皇子である高貴宮（後の[[霊元天皇]]）を践祚させようとしたが、高貴宮は生後間もなかったので、四世襲親王家の一つである[[有栖川宮|有栖川宮（花町宮）]]を継承していた良仁親王が高貴宮が成長するまでの間の中継ぎとして践祚して、[[後西天皇]]となった。その苦い経験から、皇統の断絶を危惧した[[新井白石]]が、[[徳川将軍家]]に[[徳川御三家|御三家]]があるように、朝廷にもそれを補完する新たな宮家が必要との建言を[[征夷大将軍|将軍]][[徳川家宣]]に出した。 |
当時の[[朝廷 (日本)|朝廷]]では、皇位継承予定者以外の[[親王]]は[[世襲親王家]]を継承する例外を除いては[[出家]]して[[法親王]]となることが慣例となっていた。ところが、[[承応]]3年（[[1654年]]）[[後光明天皇]]が22歳で崩御したときに天皇の近親の皇族男子はほとんどど[[出家]]していて、その後継問題で紛糾した。都が[[平安京]]に移って以降、いったん出家した[[皇族]]が[[還俗]]して践祚した例はなく、このとき[[院政]]を敷いていた[[後水尾天皇|後水尾法皇]]はその第19皇子である高貴宮（後の[[霊元天皇]]）を践祚させようとしたが、高貴宮は生後間もなかったので、四世襲親王家の一つである[[有栖川宮|有栖川宮（花町宮）]]を継承していた良仁親王が高貴宮が成長するまでの間の中継ぎとして践祚して、[[後西天皇]]となった。その苦い経験から、皇統の断絶を危惧した[[新井白石]]が、[[徳川将軍家]]に[[徳川御三家|御三家]]があるように、朝廷にもそれを補完する新たな宮家が必要との建言を[[征夷大将軍|将軍]][[徳川家宣]]に出した。 |
||
一方、同様の危機感を抱いていた[[東山天皇]]も家宣の[[舅]]でもある[[関白]]・[[近衛基熙]]を通じて、実子である秀宮（直仁親王）に新宮家を創設させるための財政的支援を求めてきた。このため、[[宝永]]7年[[8月11日_(旧暦)|8月11日]]（[[1710年]][[9月4日]]）、直仁親王を初代とする新宮家創設が決定され、8年後に霊元法皇（東山天皇の父、天皇は[[1709年]]（宝永6年）に[[崩御]]）より直仁親王に対して閑院宮の宮号と1000[[石 (単位)|石]]の[[所領]]を下賜された。こうして、[[寛永]]2年（[[1625年]]）の有栖川宮（高松宮）が創設されて以来の新宮家誕生となった。その[[屋敷]]地は、[[京都御苑]]の南西部に与えられた。 |
一方、同様の危機感を抱いていた[[東山天皇]]も家宣の[[舅]]でもある[[関白]]・[[近衛基熙]]を通じて、実子である秀宮（直仁親王）に新宮家を創設させるための財政的支援を求めてきた。このため、[[宝永]]7年[[8月11日_(旧暦)|8月11日]]（[[1710年]][[9月4日]]）、直仁親王を初代とする新宮家創設が決定され、8年後に霊元法皇（東山天皇の父、天皇は[[1709年]]（宝永6年）に[[崩御]]）より直仁親王に対して閑院宮の宮号と1000[[石 (単位)|石]]の[[所領]]を下賜された。こうして、[[寛永]]2年（[[1625年]]）の有栖川宮（高松宮）が創設されて以来の新宮家誕生となった。閑院宮の[[宮号]]は[[平安時代]]の[[貞元親王]]（[[清和天皇]]皇子）が閑院を号したことに由来するといわれているが、明確ではない。その[[屋敷]]地は、[[京都御苑]]の南西部に与えられた。 |
||
霊元法皇が新宮家創設に反対したとする説があるが、法皇の天皇在位中にも新宮家創設を要望して拒否された経緯があり、自分の代には認めず親幕府派の東山天皇の要望によって認めたことへの不満があったとされている。 |
霊元法皇が新宮家創設に反対したとする説があるが、法皇の天皇在位中にも新宮家創設を要望して拒否された経緯があり、自分の代には認めず親幕府派の東山天皇の要望によって認めたことへの不満があったとされている。 |
||
; その後の変遷 |
|||
| ⚫ | |||
安永8年（1779年）、2代[[閑院宮典仁親王|典仁親王]]の代に、白石の慧眼が実際に役立つこととなった。同年、[[後桃園天皇]]が男子なく崩御。そこで、典仁親王の第六王子の[[光格天皇|祐宮師仁王]]が[[光格天皇]]として即位した。 |
|||
* 初代 [[閑院宮直仁親王|直仁親王]]（[[東山天皇]]の第六皇子） |
|||
* 二代 [[閑院宮典仁親王|典仁親王]]（[[光格天皇]]の実父、[[明治]]時代になってから「慶光天皇」の[[諡号]]および[[太上天皇]]の[[尊号]]を贈られる） |
|||
* 三代 [[閑院宮美仁親王|美仁親王]]（光格天皇の異母兄） |
|||
* 四代 [[閑院宮孝仁親王|孝仁親王]]（[[仁孝天皇]]の従兄） |
|||
* 五代 [[閑院宮愛仁親王|愛仁親王]]（[[孝明天皇]]の再従兄） |
|||
* 六代 [[載仁親王]]（[[伏見宮邦家親王]]王子） |
|||
* 七代 [[春仁王]]（皇籍離脱、閑院春仁と名乗る） |
|||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
{{familytree|border=0|SUKEH| | | | | |YOUJI| |TOMOK| | |:|SUKEH=[[閑院宮典仁親王|典仁親王]] <sup>2</sup>|YOUJI=[[鷹司輔平]]<br />（[[鷹司家]]継承）|TOMOK=[[倫子女王]]<br />（五十宮・[[徳川家治]]室）}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree|border=0|YOSHI| |KOUKA| | SUKE | | | | | |ETC |YOSHI=[[閑院宮美仁親王|美仁親王]] <sup>3</sup>|KOUKA=[[光格天皇]]|SUKE=[[鷹司政煕]]|ETC=（4代略）}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree|border=0|TAKAH| |NINKO| | MASA | | | | | | |:||TAKAH=[[閑院宮孝仁親王|孝仁親王]] <sup>4</sup>|NINKO=[[仁孝天皇]]|MASA=[[鷹司政通]]}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree|border=0|NARUH| |KOUME | | HIRO | | | | | | |:||NARUH=[[閑院宮愛仁親王|愛仁親王]] <sup>5</sup>|KOUME=[[孝明天皇]]|HIRO=[[鷹司輔煕]]}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree|border=0| |:| | |MEIJI | |KO |v|SANE | | |:|MEIJI=[[明治天皇]]|KO=治子|SANE=[[三条実美]]}} |
|||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
{{familytree|border=0| | | | |TAISH| | | | | |CHIE |v| KOTOH |TAISH=[[大正天皇]]|CHIE=[[載仁親王妃智恵子|智恵子]]|KOTOH=[[載仁親王]] <sup>6</sup><br />（伏見宮邦家親王王子）}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree|border=0| | | | | SHOW | | | | | | | | | |SHOW=[[昭和天皇]]|HARUH|HARUH=[[閑院宮春仁王|春仁王]] <sup>7</sup><br />[皇籍離脱]}} |
|||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
{{伏見宮系図}} |
|||
== 歴代当主 == |
|||
第二代[[閑院宮典仁親王|典仁親王]]（{{small|すけひと しんのう}}）の時に、新井白石の慧眼が実際に役立つこととなった。[[後桃園天皇]]が崩御し、天皇には崩御の年に誕生した[[皇女]]が一人いるだけであった。そこで、典仁親王の第六王子の[[光格天皇|祐宮師仁王]]が[[光格天皇]]として即位した。なお、光格天皇の[[皇后]]は後桃園天皇の皇女の[[欣子内親王]]である。光格天皇は、実父典仁親王に[[太上天皇]]の[[尊号]]を贈ろうと考えたが、将軍[[徳川家斉]]が父[[一橋治済]]に[[大御所 (江戸時代)|大御所]]の称号を贈ることを嫌った、[[老中]][[松平定信]]の反対に遭い、朝幕間は緊張した（[[尊号一件]]・尊号事件）。なお、この事件で天皇と定信の双方を説得にあたって事態収拾を図った[[関白]][[鷹司輔平]]は初代直仁親王の末子で典仁親王の実弟に当たる。典仁親王は和歌の門弟をとっており、光格朝にはその歌壇に参加する[[公家]]が少なくなかった。門弟の筆頭格が[[芝山持豊]]であったが、彼が[[本居宣長]]に傾倒していたことは、宣長が少なからぬ公家と交際するようになったことの一因であろう。宣長は典仁親王の王子、[[真仁法親王|妙法院宮真仁法親王]]に命ぜられて歌を献じている。真仁法親王は[[円山応挙]]、[[呉春]]らを引き立てたことでも知られ、複数の民間歌人とも交際があった。 |
|||
[[ファイル:Prince&Princess Kanin.jpg|thumb|[[閑院宮載仁親王|載仁親王]]と[[載仁親王妃智恵子|同妃智恵子]]|alt=盛装した[[載仁親王]]と[[載仁親王妃智恵子]]のポートレート。載仁親王は、[[髪型]]は七三分け、カイゼル髭を蓄えている。]] |
[[ファイル:Prince&Princess Kanin.jpg|thumb|[[閑院宮載仁親王|載仁親王]]と[[載仁親王妃智恵子|同妃智恵子]]|alt=盛装した[[載仁親王]]と[[載仁親王妃智恵子]]のポートレート。載仁親王は、[[髪型]]は七三分け、カイゼル髭を蓄えている。]] |
||
その後、閑院宮は直系で継承されたが、天保13年（1842年）、5代[[閑院宮愛仁親王|愛仁親王]]が後嗣なく[[崩御#薨去|薨去]]。愛仁親王の生母の[[鷹司吉子]]が当主格となったのち、[[明治5年]]（[[1872年]]）に[[伏見宮邦家親王]]の王子である[[閑院宮載仁親王|載仁親王]]が6代目として宮家を継承する。 |
|||
[[1947年]]（昭和22年）10月14日、7代・[[閑院宮春仁王|春仁王]]の代で[[臣籍降下|皇籍離脱]]。春仁王に男子がいなかったことから、1988年（昭和63年）6月18日、その薨去をもって断絶。 |
|||
[[明治5年]]（[[1872年]]）[[1月 (旧暦)|1月]]に閑院宮家を継いだ載仁親王は、[[フランス]]へ[[留学]]。[[サン・シール陸軍士官学校]]・[[陸軍騎兵学校]]・[[陸軍大学校]]を卒業し、帰国。[[1891年]]（明治24年）、[[三条実美]]の二女・智恵子と結婚。[[参謀本部 (日本)|参謀本部]]に勤務の後、[[騎兵]][[旅団]]長。[[日露戦争]]では、[[満州軍 (日本軍)|満州軍]][[総司令部]]付きの武官として従軍した。[[1912年]]（大正元年）に[[陸軍大将]]となり、[[1919年]]（大正8年）には[[元帥_(日本)|元帥]]の称号を賜った。[[1931年]]（昭和6年）から[[1940年]]（昭和15年）まで[[参謀本部 (日本)|参謀総長]]を務めた。[[1945年]]（昭和20年）5月、81歳で[[崩御#薨去|薨去]]。[[国葬]]を賜る。また、稀に見る美男子であった。 |
|||
| ⚫ | |||
第七代[[閑院宮春仁王|春仁王]]（{{small|はるひと おう}}）は、載仁親王の第二王子として、[[1902年]]（明治35年）に誕生。[[公爵]][[一条実輝]]の娘・[[春仁王妃直子|直子]]と結婚。その後、[[陸軍大学校]]兵学教官などを経て、[[第二次世界大戦]][[終戦]]時は[[陸軍少将]]として戦争継続を主張した。[[戦後#第二次世界大戦後|戦後]]の[[臣籍降下|皇籍離脱]]の論議では、皇室の藩屏<ref group="字引">{{Cite web|和書|title=藩屏 |url=https://kotobank.jp/word/藩屏-607299 |author=[[小学館]]『デジタル[[大辞泉]]』、小学館『精選版 [[日本国語大辞典]]』|publisher=[[コトバンク]] |accessdate=2020-11-05 }}</ref>が失われるとして反対の論陣を張ったが、[[1947年]]（昭和22年）に皇籍離脱。閑院氏を名乗り、純仁（{{small|すみひと}}）と改名した。戦後の新生活は波乱とスキャンダルに満ちたもので、閑院純仁は実業家としては成功を収めたものの、直子とは離婚。妹の[[華子女王]]は、皇族出身の元[[侯爵]]・[[華頂博信]]と結婚したが、恋愛スキャンダルを起こし離婚。純仁は怒りの余り、兄妹の縁を切るまでに至った。その後純仁は[[1988年]]（昭和63年）6月、85歳で死去。純仁に実子はなく、また[[養子縁組|養子]]を取らなかったので閑院家は断絶となる。 |
|||
<div style="font-size:70%; text-align:center"> |
|||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
{{familytree | N03 | | | | | | | | | | | | | | | | | |N03=北朝3代天皇<br>'''[[崇光天皇]]'''|boxstyle_ N03 =background-color: #d99502;}} |
|||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
{{familytree | 102 | | | | | | | | | | H04 | | | | | |102=102代天皇<br>'''[[後花園天皇]]'''|boxstyle_ 102 =background-color: #d99502;|H04=伏見宮<br>[[貞常親王]]}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree | 113 | | | | | | | | | | |:| | | | | | |113=113代天皇<br>'''[[東山天皇]]'''|boxstyle_ 113 =background-color: #d99502;}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree | 114 | | KN1 | | | | | | |:| | | | | | |114=114代天皇<br>'''[[中御門天皇]]'''|boxstyle_ 114 =background-color: #d99502;|KN1='''初代[[閑院宮]]'''<br>[[閑院宮直仁親王|直仁親王]]|boxstyle_ KN1 =background-color: #f19072;}} |
|||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
{{familytree | | | | | KN3 | | 119 | | |:| | | | | | |119=119代天皇<br>'''[[光格天皇]]'''|boxstyle_ 119 =background-color: #d99502;|KN3=3代閑院宮<br>[[閑院宮美仁親王|美仁親王]]|boxstyle_ KN3 =background-color: #f19072;}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree | | | | | KN4 | | LYF | | |:| | | | | | |LYF='''〔現皇室〕'''|KN4=4代閑院宮<br>[[閑院宮孝仁親王|孝仁親王]]|boxstyle_ KN4 =background-color: #f19072;}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree | | | | | KN5 | | | | | | H20 | | | | | |KN5=5代閑院宮<br>[[閑院宮愛仁親王|愛仁親王]]|H20=伏見宮<br>[[伏見宮邦家親王|邦家親王]]|boxstyle_ KN5 =background-color: #f19072;}} |
|||
| ⚫ | |||
{{familytree | | | | | | | | | | | | | HSM | | KN6 | |HSM=〔伏見宮家〕|KN6=6代閑院宮<br>[[閑院宮載仁親王|載仁親王]]|boxstyle_ KN6 =background-color: #f19072;}} |
|||
{{familytree | |,|-|-|-|v|-|-|-|v|-|-|-|v|-|-|-|+|-|-|-|v|-|-|-|.| | |}} |
|||
{{familytree | 001 | | 002 | | 003 | | 004 | | KN7 | | 006 | | 007 | |KN7=7代閑院宮<br>[[閑院宮春仁王|春仁王]]|boxstyle_ KN7 =background-color: #f19072;|001=[[篤仁王]]|002=[[安藤恭子 (元皇族)|恭子女王]]|003=[[黒田茂子|茂子女王]]|004=[[季子女王]]|006=[[寛子女王]]|007=[[戸田華子|華子女王]]}} |
|||
| ⚫ | |||
</div> |
|||
== 邸宅 == |
|||
{{Anchors|閑院宮邸跡}} |
{{Anchors|閑院宮邸跡}} |
||
== 閑院宮邸跡収納展示館 == |
=== 閑院宮邸跡収納展示館 === |
||
[[ファイル:Kannin-no-miya-tei(Kyoto).jpg|thumb|閑院宮邸跡収納展示館 / 2010年代後期。|alt=旧閑院宮邸の写真（2010年代後期に撮影）]] |
[[ファイル:Kannin-no-miya-tei(Kyoto).jpg|thumb|閑院宮邸跡収納展示館 / 2010年代後期。|alt=旧閑院宮邸の写真（2010年代後期に撮影）]] |
||
| 86行目: | 76行目: | ||
京都御苑内には、閑院宮邸跡収納展示館のほかにも、[[桂宮]]邸（非公開・現在[[宮内庁]]職員宿舎の敷地として利用）が残っている。 |
京都御苑内には、閑院宮邸跡収納展示館のほかにも、[[桂宮]]邸（非公開・現在[[宮内庁]]職員宿舎の敷地として利用）が残っている。 |
||
| ⚫ | |||
== 閑院宮邸と松殿家 == |
|||
| ⚫ | |||
== 幕末の領地 == |
== 幕末の領地 == |
||
2024年6月1日 (土) 04:20時点における版
| 閑院宮家 | |
|---|---|
 | |
| 家祖 |
閑院宮直仁親王 （東山天皇の第6皇子） |
| 種別 |
皇族 （世襲親王家・直宮家） |
| 出身地 | 京都（山城国愛宕郡） |
| 主な根拠地 |
京都（山城国愛宕郡） 東京都 |
| 著名な人物 |
典仁親王 載仁親王 |
| 凡例 / Category:日本の氏族 | |
閑院宮（かんいん の みや）は、日本の皇室における宮家の一つ。世襲親王家の四宮家の一つ。
概要
- 創設
宝永7年（1710年）、東山天皇の第六皇子・直仁親王を初代として創設される。
当時の朝廷では、皇位継承予定者以外の親王は世襲親王家を継承する例外を除いては出家して法親王となることが慣例となっていた。ところが、承応3年（1654年）後光明天皇が22歳で崩御したときに天皇の近親の皇族男子はほとんどど出家していて、その後継問題で紛糾した。都が平安京に移って以降、いったん出家した皇族が還俗して践祚した例はなく、このとき院政を敷いていた後水尾法皇はその第19皇子である高貴宮（後の霊元天皇）を践祚させようとしたが、高貴宮は生後間もなかったので、四世襲親王家の一つである有栖川宮（花町宮）を継承していた良仁親王が高貴宮が成長するまでの間の中継ぎとして践祚して、後西天皇となった。その苦い経験から、皇統の断絶を危惧した新井白石が、徳川将軍家に御三家があるように、朝廷にもそれを補完する新たな宮家が必要との建言を将軍徳川家宣に出した。
一方、同様の危機感を抱いていた東山天皇も家宣の舅でもある関白・近衛基熙を通じて、実子である秀宮（直仁親王）に新宮家を創設させるための財政的支援を求めてきた。このため、宝永7年8月11日（1710年9月4日）、直仁親王を初代とする新宮家創設が決定され、8年後に霊元法皇（東山天皇の父、天皇は1709年（宝永6年）に崩御）より直仁親王に対して閑院宮の宮号と1000石の所領を下賜された。こうして、寛永2年（1625年）の有栖川宮（高松宮）が創設されて以来の新宮家誕生となった。閑院宮の宮号は平安時代の貞元親王（清和天皇皇子）が閑院を号したことに由来するといわれているが、明確ではない。その屋敷地は、京都御苑の南西部に与えられた。
霊元法皇が新宮家創設に反対したとする説があるが、法皇の天皇在位中にも新宮家創設を要望して拒否された経緯があり、自分の代には認めず親幕府派の東山天皇の要望によって認めたことへの不満があったとされている。
- その後の変遷
安永8年（1779年）、2代典仁親王の代に、白石の慧眼が実際に役立つこととなった。同年、後桃園天皇が男子なく崩御。そこで、典仁親王の第六王子の祐宮師仁王が光格天皇として即位した。
その後、閑院宮は直系で継承されたが、天保13年（1842年）、5代愛仁親王が後嗣なく薨去。愛仁親王の生母の鷹司吉子が当主格となったのち、明治5年（1872年）に伏見宮邦家親王の王子である載仁親王が6代目として宮家を継承する。
1947年（昭和22年）10月14日、7代・春仁王の代で皇籍離脱。春仁王に男子がいなかったことから、1988年（昭和63年）6月18日、その薨去をもって断絶。
系図
| 北朝3代天皇 崇光天皇 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 伏見宮 栄仁親王 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 伏見宮 貞成親王 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 102代天皇 後花園天皇 | 伏見宮 貞常親王 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 113代天皇 東山天皇 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 114代天皇 中御門天皇 | 初代閑院宮 直仁親王 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2代閑院宮 典仁親王 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 3代閑院宮 美仁親王 | 119代天皇 光格天皇 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 4代閑院宮 孝仁親王 | 〔現皇室〕 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 5代閑院宮 愛仁親王 | 伏見宮 邦家親王 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 〔伏見宮家〕 | 6代閑院宮 載仁親王 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 篤仁王 | 恭子女王 | 茂子女王 | 季子女王 | 7代閑院宮 春仁王 | 寛子女王 | 華子女王 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
邸宅
閑院宮邸跡収納展示館
.jpg)
環境省京都御苑管理事務所によって京都御苑の敷地内で保存・管理されている[1][2]閑院宮邸跡収納展示館は、江戸時代の公家住宅として、ほぼ完全な形で残る唯一のものである。史跡としては「閑院宮邸跡」名義[2][gm 1]（現在住居表示：京都府京都市上京区京都御苑3[gm 2]。その区画内の南西端に所在）。江戸時代の宮家の生活を知ることができる貴重な遺構である。2003年（平成15年）から3ヶ年をかけて全面的に整備され[3]、一般に見学することができる。ただし、庭園にある池は3分の2しか整備されておらず、残りの3分の1/は相変わらず地中に眠ったままである。有識者や市民から、早期の庭園完全復旧の声が非常に高まっている。磨き抜かれた欅材（けやきざい）の床板に新緑が映りこむ「床みどり」は、邸の観光面での売りの一つ[4][5]。
閑院宮家の当時の敷地は現代のものより広大であり、東は九条池（九条邸の庭園）のすぐ隣まであったとされている。
京都御苑内には、閑院宮邸跡収納展示館のほかにも、桂宮邸（非公開・現在宮内庁職員宿舎の敷地として利用）が残っている。
江戸時代に閑院宮邸のあった場所には、かつて[いつ?]松殿家邸があった。
幕末の領地
国立歴史民俗博物館の『旧高旧領取調帳データベース』より算出した幕末期の閑院宮領は以下の通り。（4村・1,016石余）
四親王家で唯一、山城国ではなく摂津国に所領を有した。
脚注
注釈
- 字引
- Googleマップ
- ^ 旧閑院宮邸（地図 - Google マップ）
- ^ 上京区京都御苑3（地図 - Google マップ）
出典
参考文献
 |
 | この節で示されている出典について、該当する記述が具体的にその文献の何ページあるいはどの章節にあるのか、特定が求められています。 |
- 『歴史読本 2006年11月号 (No.807)』（月刊）新人物往来社〈歴史読本〉、2006年9月22日。ASIN B000IFRVQI。
- 若松正志「閑院宮家の創設」120-127頁。
関連項目
外部リンク
- “閑院宮邸跡収納展示館”. 公式ウェブサイト. 京都御苑、閑院宮邸跡収納展示館. 2020年11月5日閲覧。
- 環境省京都御苑管理事務所. “閑院宮邸跡”. 公式ウェブサイト. 京都御苑. 環境省. 2020年11月5日閲覧。
