「交響曲第9番 (ショスタコーヴィチ)」の版間の差分
11行目: | 11行目: | ||
5つの[[楽章]]から構成される。 |
5つの[[楽章]]から構成される。 |
||
*第1楽章 Allegro |
*第1楽章 Allegro |
||
*:[[ソナタ形式]]、変ホ長調、2分の2拍子。軽やかな弦楽と木管楽器の |
*:[[ソナタ形式]]、変ホ長調、2分の2拍子。軽やかな弦楽と木管楽器の導入部で始まる。金管楽器の荒々しいファンファーレを過ぎると一転してピッコロによるひょうきんな主題が奏でられる。この主題が第1楽章を支配している。最後は導入部が再現されて唐突に終わる。戦争の終結を素直に祝うかのような洒落た出来である。 |
||
*第2楽章 Moderato-Adagio |
*第2楽章 Moderato-Adagio |
||
*:[[二部形式]]、ロ短調、4分の3拍子。 |
*:[[二部形式]]、ロ短調、4分の3拍子。 |
||
20行目: | 20行目: | ||
*:[[スケルツォ]]、ト長調、8分の6拍子。 |
*:[[スケルツォ]]、ト長調、8分の6拍子。 |
||
A - B - Aの三部形式 |
A - B - Aの三部形式 |
||
全体的に騒々しい。過ぎ去った戦争の激しさを追想する楽章である。中間部のトランペットが物悲しい響きを奏でる。 |
全体的に騒々しい。過ぎ去った戦争の激しさを追想する楽章である。中間部のトランペットが物悲しい響きを奏でる。タンバリンが加わり華やかさが加わるが、すぐにゆっくりとした悲しげな調べとなりアタッカで次の楽章に続く。 |
||
*第4楽章 Largo |
*第4楽章 Largo |
||
変ロ短調。4分の4拍子 |
変ロ短調。4分の4拍子 |
2007年9月1日 (土) 14:38時点における版
クラシック音楽 |
---|
「Template:クラシック音楽」を このページに使わないで ください。代わりに 「Template:Portal クラシック音楽」を ご利用ください。 |
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 ルネサンス - バロック 古典派 - ロマン派 近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 木管楽器 - 金管楽器 打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 交響曲 - ピアノ協奏曲 ピアノソナタ ヴァイオリン協奏曲 ヴァイオリンソナタ チェロ協奏曲 フルート協奏曲 弦楽四重奏曲 - オペラ 指揮者 - 演奏家 オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 宗教音楽 |
イベント |
音楽祭 |
メタ |
ポータル - プロジェクト カテゴリ |
ドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲第9番変ホ長調作品70は、ショスタコーヴィチが作曲した9番目の交響曲である。
第二次世界大戦のさなかに、第7番、第8番の2作品を発表したショスタコーヴィチは、戦後にこの曲を発表した。いわゆる「戦争3部作」の最後の作品である。初演当時は「勝利の交響曲」とも呼ばれたが、前2作とはかけ離れた軽妙洒脱な作品は、ベートーヴェンが作曲したような壮大な「第九」を望んでいた当局の意向に沿わなかった。彼はその後、いわゆるジダーノフ批判をうけ、その立場を苦境に追い込むこととなる。
- 演奏時間:約25分
- 作曲時期:1945年
- 初演:1945年11月3日、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
構成
5つの楽章から構成される。
- 第1楽章 Allegro
- ソナタ形式、変ホ長調、2分の2拍子。軽やかな弦楽と木管楽器の導入部で始まる。金管楽器の荒々しいファンファーレを過ぎると一転してピッコロによるひょうきんな主題が奏でられる。この主題が第1楽章を支配している。最後は導入部が再現されて唐突に終わる。戦争の終結を素直に祝うかのような洒落た出来である。
- 第2楽章 Moderato-Adagio
- 二部形式、ロ短調、4分の3拍子。
A - B - A - B - コーダ クラリネットの虚無感を漂わせる旋律から始まる。基本的に4分の3拍子であるが、旋律の所々にため息のように4拍子が挿入される。
- 第3楽章 Presto
- スケルツォ、ト長調、8分の6拍子。
A - B - Aの三部形式 全体的に騒々しい。過ぎ去った戦争の激しさを追想する楽章である。中間部のトランペットが物悲しい響きを奏でる。タンバリンが加わり華やかさが加わるが、すぐにゆっくりとした悲しげな調べとなりアタッカで次の楽章に続く。
- 第4楽章 Largo
変ロ短調。4分の4拍子 独立した楽章というよりは、第3楽章から第5楽章への受け渡しという側面が強い。突如トロンボーンのファンファーレが鳴り響く。ファンファーレが終わると、ファゴットのカデンツァが浮かび上がってくる。これを2回繰り返し、ため息のようなパッセージを奏でると、そのまま第5楽章へ突入する。
- 第5楽章 Allegretto
- 終曲、変ホ長調、4分の2拍子。
ファゴットが第4楽章から引き続いて、"行進曲"風の第1主題を奏でるが、どこか物悲しさ、心の迷いを含んでいる。その旋律が1stヴァイオリンに移り、木管による推移となる。再度、第1主題が確保されると、第2主題がハ短調で1stヴァイオリンによって奏される。展開部は、ホルンの合図によって開始され、4分の3拍子を交え不安定感を加えながら展開していく。提示部の木管の推移を弦楽器が刻みだし、ホルンがシンコペーションで追い立てる。その後押しに乗って、テンションが最高潮に達し、再現部となり第1主題がトランペット、トロンボーン、コントラバスのpizz.で現れる。提示部のそれとは違い、他の楽器のやけに明るい伴奏に乗って、勇ましく吹き上げる。直後に、第2主題が変ホ長調で1stヴァイオリンや木管に現れ、これも提示部とは違ってはじけて、とても明るい。この第2主題がトランペットによって中断されると、急にテンポを上げ、第1主題によるコーダとなる。これも4分の3拍子を交えて不安定に走り、一気に駆け抜けて楽章を閉じる。