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「音符」の版間の差分

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==基本的な音符と休符の種類==
==基本的な音符と休符の種類==


;'''全音符'''・'''全休符'''(ぜんおんぷ・ぜんきゅうふ):基本となる音価を持つ。ただし、全休符は通常、拍子にかかわらず(1小節の音価の合計にかかわらず)、1小節休むことを表す。全休符は線の下に接して書かれる。下のように第3間に書かれるのが原則である。
;'''全音符'''・'''全休符'''(ぜんおんぷ・ぜんきゅうふ) :基本となる音価を持つ。ただし、全休符は通常、拍子にかかわらず(1小節の音価の合計にかかわらず)、1小節休むことを表す。全休符は線の下に接して書かれる。下のように第3間に書かれるのが原則である。
;'''2分音符'''・'''2分休符'''(にぶおんぷ/にぶんおんぷ・にぶきゅうふ/にぶんきゅうふ):全音符の2分の1の音価を持つ。2分休符は必ず線の上に接して書かれる。下のように第3間に書かれるのが原則である。
;'''2分音符'''・'''2分休符'''(にぶおんぷ/にぶんおんぷ・にぶきゅうふ/にぶんきゅうふ) :全音符の2分の1の音価を持つ。2分休符は必ず線の上に接して書かれる。下のように第3間に書かれるのが原則である。
;'''4分音符'''・'''4分休符'''(しぶおんぷ/しぶんおんぷ・しぶきゅうふ/しぶんきゅうふ):全音符の4分の1の音価を持つ。
;'''4分音符'''・'''4分休符'''(しぶおんぷ/しぶんおんぷ・しぶきゅうふ/しぶんきゅうふ) :全音符の4分の1の音価を持つ。
;'''8分音符'''・'''8分休符'''(はちぶおんぷ/はちぶんおんぷ・はちぶきゅうふ/はちぶんきゅうふ):全音符の8分の1の音価を持つ。8分音符より細かい音符では符尾が付くが、同じ音符が続くときなどに符尾をつなげて書くことができる。これを連桁という。連桁によって符尾が煩雑にならないばかりでなく、音符のまとまりがわかりやすくなる。
;'''8分音符'''・'''8分休符'''(はちぶおんぷ/はちぶんおんぷ・はちぶきゅうふ/はちぶんきゅうふ) :全音符の8分の1の音価を持つ。8分音符より細かい音符では符尾が付くが、同じ音符が続くときなどに符尾をつなげて書くことができる。これを連桁という。連桁によって符尾が煩雑にならないばかりでなく、音符のまとまりがわかりやすくなる。
;'''16分音符'''・'''16分休符''':全音符の16分の1の音価を持つ。
;'''16分音符'''・'''16分休符''' :全音符の16分の1の音価を持つ。
;'''32分音符'''・'''32分休符''':全音符の32分の1の音価を持つ。
;'''32分音符'''・'''32分休符''' :全音符の32分の1の音価を持つ。
;'''64分音符'''・'''64分休符''':全音符の64分の1の音価を持つ。
;'''64分音符'''・'''64分休符''' :全音符の64分の1の音価を持つ。
;'''128分音符'''・'''128分休符''':全音符の128分の1の音価を持つ。
;'''128分音符'''・'''128分休符''' :全音符の128分の1の音価を持つ。
;'''倍全音符'''・'''倍全休符''':全音符の2倍の音価を持つ。倍全休符は通常、2小節休むことを表す。倍全音符には下に挙げたものの他、いくつかの形がある。
;'''倍全音符'''・'''倍全休符''' :全音符の2倍の音価を持つ。倍全休符は通常、2小節休むことを表す。倍全音符には下に挙げたものの他、いくつかの形がある。


==小節休みの休符==
==小節休みの休符==

2004年9月17日 (金) 01:05時点における版

音符とは、五線記譜法に基づく西洋音楽の楽譜において、ひとつの音を書き表すのに使われる符号である。

音符は、五線譜等の中で、相対的な音の長さ(音価)と時間的な位置、および高さ(音高)を表す。

音符は、音価によって、形が異なる。

それぞれの音符は、符頭(たま)、符幹(ぼう)、符尾(はた)の3部分から成るが、符尾を欠くもの、符幹と符尾を欠くものがある。(符幹と符尾をまとめて符尾と呼ぶこともある)

時間的な位置と音高は、五線譜の中で符頭の位置によって示される。

音符の対になるものに休符がある。休符は音の出ないことを表す。音符や休符は原則として続けて演奏される。

基本的な音符と休符の種類

全音符全休符(ぜんおんぷ・ぜんきゅうふ)
基本となる音価を持つ。ただし、全休符は通常、拍子にかかわらず(1小節の音価の合計にかかわらず)、1小節休むことを表す。全休符は線の下に接して書かれる。下のように第3間に書かれるのが原則である。
2分音符2分休符(にぶおんぷ/にぶんおんぷ・にぶきゅうふ/にぶんきゅうふ)
全音符の2分の1の音価を持つ。2分休符は必ず線の上に接して書かれる。下のように第3間に書かれるのが原則である。
4分音符4分休符(しぶおんぷ/しぶんおんぷ・しぶきゅうふ/しぶんきゅうふ)
全音符の4分の1の音価を持つ。
8分音符8分休符(はちぶおんぷ/はちぶんおんぷ・はちぶきゅうふ/はちぶんきゅうふ)
全音符の8分の1の音価を持つ。8分音符より細かい音符では符尾が付くが、同じ音符が続くときなどに符尾をつなげて書くことができる。これを連桁という。連桁によって符尾が煩雑にならないばかりでなく、音符のまとまりがわかりやすくなる。
16分音符16分休符
全音符の16分の1の音価を持つ。
32分音符32分休符
全音符の32分の1の音価を持つ。
64分音符64分休符
全音符の64分の1の音価を持つ。
128分音符128分休符
全音符の128分の1の音価を持つ。
倍全音符倍全休符
全音符の2倍の音価を持つ。倍全休符は通常、2小節休むことを表す。倍全音符には下に挙げたものの他、いくつかの形がある。

小節休みの休符

パート譜などで数小節休むときに、全休符がまとめられる。前述の通り、1小節休みには全休符、2小節休みには倍全休符を使うが、それ以上8小節休みまで、それぞれ独特の形を持っている。(通常、休符の上に小節数を付記する。)また、それとは別に、付記する数字の数だけの小節を休む休符があり、これは小節数によって形が変わらない。下の図で9小節の休みとなっているものがそれである。なお、これらの休符に、定まった日本語の呼び名はない。楽譜ソフトによっては、連続休符、長休符、大休符などと呼んでいる。

付点音符、付点休符

符頭の右に点を付すことによって、元の音符の1.5倍の長さを表す。点は真右に付けるが、現代の楽譜では符頭が線にあるとき、すぐ上の間にずらして読みやすくする。1段に複数のパートを書く場合には、下のパートですぐ下の間にずらすこともある。

ある音符の半分の音価の音符の付点音符(すなわちある音符の0.75倍の音符)と元の音符の4分の1の音価の音符を並べると全体で元の音符長さとなり(0.75+0.25=1)、このような組み合わせで使われることが多い。この場合、おおむね19世紀初期の作品までは、必ずしも0.75:0.25、すなわち3:1の割合に分かれず、2:1、5:1、7:1等の割合で演奏すべきものがある。

また、6拍子、9拍子、12拍子で1拍の長さを表すためにも使われる。

古い楽譜では、点そのものに元の音符の0.5倍の長さの音価があるかのように、点を元の音符の長さだけ離して書いたものがある。この場合、音符を上または下にずらすことはしない。

複付点音符

符頭の右に点を2つ付すことによって元の音符の1.75倍(1+1/2+1/4)の長さを表す。3つ付すことによって、1.875倍(1+1/2+1/4+1/8)の長さを表すこともある。休符の複付点は滅多に使われない。

連符(連音符)

上記システムでは、基本的な音符を、2等分、4等分、8等分、16等分....2n(nは整数)等分することはできるが、3等分、5~7等分、9~15等分....することはできない。そのような音価を表記するために、連符が用いられる。

  • 基本的な音符を3等分するためには、3連符を用いる。基本的な音符の2分の1の音価の音符を3つ並べ、3の数字を付す。
  • 基本的な音符を5~7等分するためには、5~7連符を用いる。基本的な音符の4分の1の音価の音符を5~7個並べ、5~7の数字を付す。
  • 基本的な音符を9~15等分するためには、9~15連符を用いる。基本的な音符の8分の1の音価の音符を9~15個並べ、9~15の数字を付す。ただし、9連符は3連符の3連符として書かれる場合、基本的な音符の4分の1の音価の音符で書かれることになる。
  • 以後、同様である。原則として、実際の音価より長い音符の中で一番近いものを使う。
  • まれに6拍子、9拍子、12拍子で、1拍の長さを表す付点音符の3分の1の音価の音符を2つ並べて1拍を2等分する2連符が用いられることがある。

下の図で、最初の連符はその合計の音価が2分音符、2つ目以降は全て4分音符である。

その他の長さの音符

その他の長さを正確に書き表すためには、音符の場合にはタイを用いて音価を結合する。休符の場合には、単に並べるだけである。

音符の一覧

休符の一覧