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「実験動物」の版間の差分

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== 遺伝学的統御と微生物学的統御 ==
== 遺伝学的統御と微生物学的統御 ==

代表的な実験動物であるマウス、ラットでは、現在、数多くの系統(Strain)が存在し、遺伝学的な統御の方法によって、[[近交系]](Inbred strain)、[[クローズドコロニー]](Closed colony)、交雑群(Hybrid)、ミュータント系(mutant strain)に分かれており、疾患モデル動物や遺伝子改変動物も多数作製されている。また、微生物学的な統御方法により、清浄度の高い順に[[無菌動物]](Germ-Free Animals)、ノトバイオート(Gnotobiote)、[[SPF動物]](Specific Pathogen Free Animals)、クリーン動物および[[コンベンショナル動物]]に分類される。
代表的な実験動物であるマウス、ラットでは、現在、数多くの系統(Strain)が存在し、遺伝学的な統御の方法によって、[[近交系]](Inbred strain)、[[クローズドコロニー]](Closed colony)、交雑群(Hybrid)、ミュータント系(mutant strain)に分かれており、疾患モデル動物や遺伝子改変動物も多数作製されている。また、微生物学的な統御方法により、清浄度の高い順に[[無菌動物]](Germ-Free Animals)、ノトバイオート(Gnotobiote)、[[SPF動物]](Specific Pathogen Free Animals)、クリーン動物および[[コンベンショナル動物]]に分類される。


== その他動物 ==
== その他動物 ==

そのほかの実験用動物としての家畜および野生動物では、ネコ、サル類(マーモセット、アカゲザル、カニクイザルなど)、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、トリ類(ニワトリ、ウズラなど)、ツメガエル、メダカ、カイコ、ショウジョウバエなど多岐に渡り、実験の目的・用途により使い分けられている。ただし、これら動物は上述した遺伝学的統御や微生物学的統御は殆んどされていない。
そのほかの実験用動物としての家畜および野生動物では、ネコ、サル類(マーモセット、アカゲザル、カニクイザルなど)、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、トリ類(ニワトリ、ウズラなど)、ツメガエル、メダカ、カイコ、ショウジョウバエなど多岐に渡り、実験の目的・用途により使い分けられている。ただし、これら動物は上述した遺伝学的統御や微生物学的統御は殆んどされていない。


== 動物愛護と法規制 ==
== 動物愛護と法規制 ==

近年、わが国においても実験動物の使用には「[[動物の愛護及び管理に関する法律]](動愛法)」、「[[実験動物の飼養及び保管等に関する基準]]」など厳格な法規制の下、動物愛護・福祉の思想に立脚した飼育および実験の実施が要求されている。すなわち[[動物実験#3R|3R]]の遵守が大原則となり、社会的な趨勢もこれを後押ししている。
近年、わが国においても実験動物の使用には「[[動物の愛護及び管理に関する法律]](動愛法)」、「[[実験動物の飼養及び保管等に関する基準]]」など厳格な法規制の下、動物愛護・福祉の思想に立脚した飼育および実験の実施が要求されている。すなわち[[動物実験#3R|3R]]の遵守が大原則となり、社会的な趨勢もこれを後押ししている。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

*[http://jsla.lin.go.jp/ (社)日本実験動物協会]
*[http://jsla.lin.go.jp/ (社)日本実験動物協会]
*[http://www.jaeat.org/ 日本実験動物技術者協会]
*[http://www.jaeat.org/ 日本実験動物技術者協会]
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*[http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsaae/ 日本動物実験代替法学会]
*[http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsaae/ 日本動物実験代替法学会]
*[http://plaza.umin.ac.jp/JALAM/ 日本実験動物医学会]
*[http://plaza.umin.ac.jp/JALAM/ 日本実験動物医学会]

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[[Category:実験]]
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2007年10月27日 (土) 06:36時点における版

実験動物(Experimental Animals、Laboratory Animals)とは

狭義には試験・研究、教育、生物学的製剤の製造、その他科学上の使用のため、合目的に繁殖・生産した動物を指す。広義には更に産業用動物(家畜)(Domestic Animals)、野生動物(Animals obtained from nature)を科学上の利用に転用したものを含め実験用動物と呼ぶこともある。社会的には家畜、愛玩動物・伴侶動物(Pet、Companion Animals)の次の位置づけとして“第三の家畜”と称することもある。なお、展示用動物(動物園、水族館の動物)の家畜としての位置づけはなされていない。 狭義の実験動物種にはマウスラットスナネズミハムスターモルモットウサギイヌフェレットミニブタなどがある。これら動物は比較的遺伝学的な統御がされており、均質な遺伝的要件を備えていることから動物実験に必要な再現性あるいは精度をある程度担保している。

遺伝学的統御と微生物学的統御

代表的な実験動物であるマウス、ラットでは、現在、数多くの系統(Strain)が存在し、遺伝学的な統御の方法によって、近交系(Inbred strain)、クローズドコロニー(Closed colony)、交雑群(Hybrid)、ミュータント系(mutant strain)に分かれており、疾患モデル動物や遺伝子改変動物も多数作製されている。また、微生物学的な統御方法により、清浄度の高い順に無菌動物(Germ-Free Animals)、ノトバイオート(Gnotobiote)、SPF動物(Specific Pathogen Free Animals)、クリーン動物およびコンベンショナル動物に分類される。

その他動物

そのほかの実験用動物としての家畜および野生動物では、ネコ、サル類(マーモセット、アカゲザル、カニクイザルなど)、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、トリ類(ニワトリ、ウズラなど)、ツメガエル、メダカ、カイコ、ショウジョウバエなど多岐に渡り、実験の目的・用途により使い分けられている。ただし、これら動物は上述した遺伝学的統御や微生物学的統御は殆んどされていない。

動物愛護と法規制

近年、わが国においても実験動物の使用には「動物の愛護及び管理に関する法律(動愛法)」、「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」など厳格な法規制の下、動物愛護・福祉の思想に立脚した飼育および実験の実施が要求されている。すなわち3Rの遵守が大原則となり、社会的な趨勢もこれを後押ししている。

外部リンク