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「落葉樹林」の版間の差分

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[[乾期]]や冬季がそれほどひどくなければ、樹木は葉を捨てずに切り抜ける。その代わりに、葉を小さく厚く、[[クチクラ]]層を発達させるなど、乾燥や寒期に耐久性を持たせる。
[[乾期]]や冬季がそれほどひどくなければ、樹木は葉を捨てずに切り抜ける。その代わりに、葉を小さく厚く、[[クチクラ]]層を発達させるなど、乾燥や寒期に耐久性を持たせる。


しかし、それでも耐えられない程度のところでは、樹木はつらい時期に葉を捨て、好適な期間だけ葉を広げた方が有利である。このような戦略をとる樹木を'''落葉樹'''という。[[落葉]]樹は毎年葉を作っては捨てるために、一定の資源の消費を負担しなければならない。その代わり、条件の良い時期だけ葉を持てばよいので、葉は薄くてやや広いものが作れる。
しかし、それでも耐えられない程度のところでは、樹木はつらい時期に葉を捨て、好適な期間だけ葉を広げた方が有利である。このような戦略をとる樹木を'''[[落葉樹]]'''という。[[落葉]]樹は毎年葉を作っては捨てるために、一定の資源の消費を負担しなければならない。その代わり、条件の良い時期だけ葉を持てばよいので、葉は薄くてやや広いものが作れる。


[[熱帯]]で年間を通じて多湿であれば、[[熱帯雨林]]が成立する。熱帯の中でもある程度以上乾期が強い地域では、乾期に葉を落とす森林、'''雨緑林'''が成立する。
[[熱帯]]で年間を通じて多湿であれば、[[熱帯雨林]]が成立する。熱帯の中でもある程度以上乾期が強い地域では、乾期に葉を落とす森林、'''雨緑林'''が成立する。

2007年12月1日 (土) 05:54時点における版

落葉樹林

落葉樹林(らくようじゅりん、英語deciduous forest)というのは、一定の季節に一斉に葉を落とす林である。

温暖で水分に不足しない環境が樹木にとっては理想的であり、年間を通じてこの条件が保たれていればそこには常緑樹林が成立する。一方この条件が保てない時期が存在する場合、樹木はこれに対応しなければならなくなる。このとき、もっとも問題になるのがをどうするかである。葉は、樹木にとっては光合成を行うことで栄養を作る大事な部分であり、長持ちさせたい。しかし、葉は薄くて突出しており、乾燥や冷気に弱い構造でもある。

乾期や冬季がそれほどひどくなければ、樹木は葉を捨てずに切り抜ける。その代わりに、葉を小さく厚く、クチクラ層を発達させるなど、乾燥や寒期に耐久性を持たせる。

しかし、それでも耐えられない程度のところでは、樹木はつらい時期に葉を捨て、好適な期間だけ葉を広げた方が有利である。このような戦略をとる樹木を落葉樹という。落葉樹は毎年葉を作っては捨てるために、一定の資源の消費を負担しなければならない。その代わり、条件の良い時期だけ葉を持てばよいので、葉は薄くてやや広いものが作れる。

熱帯で年間を通じて多湿であれば、熱帯雨林が成立する。熱帯の中でもある程度以上乾期が強い地域では、乾期に葉を落とす森林、雨緑林が成立する。

熱帯から高緯度の方向に目を向ければ、亜熱帯から温帯にかけては熱帯雨林より規模が小さく、小さな葉を持つ常緑広葉樹林がある。それより寒い地域では、温帯性の落葉広葉樹林がある。日本ではブナ林がその代表である。

さらに寒い地域では広葉樹は生育できなくなり、針葉樹林が成立する。これも、常緑針葉樹林より寒い地域には、落葉針葉樹林ができる。カラマツ林がそれに当たる。