コンテンツにスキップ

「ドラえもん百科」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Charon (会話 | 投稿記録)
m 少々カヒツ
1行目: 1行目:
'''ドラえもん百科'''(どらえもんひゃっか)は、[[方倉陽二]]による[[ギャグ漫画]]作品。『[[ドラえもん]]』の設定の解説が主体。雑誌「[[コロコロコミック]]」[[1978年]]5月15日号から[[1981年]]4月号まで連載され、単行本全2巻([[てんとう虫コミックス]])に大方の作品が収録された。
'''ドラえもん百科'''ドラえもんひゃっか)は、[[方倉陽二]]による[[ギャグ漫画]]作品。『[[ドラえもん]]』の設定の解説が主体。雑誌「[[コロコロコミック]]」[[1978年]]5月15日号から[[1981年]]4月号まで連載され、単行本全2巻([[てんとう虫コミックス]])に大方の作品が収録された。


== 概要 ==
== 概要 ==
10行目: 10行目:
さらにキャラクターの性格がオリジナルのドラえもんと異なり、のび太はドジすぎ、しずかはやたらと夢を見る少女、ジャイアンは輪をかけて乱暴者で解説好き、さらにネズミが人格を持って話しかけるなどしており、その個性豊かな点が評判を博し、多くのファンを生んだといわれる。一方でキャラクターの違いを抗議するハガキも来たと作中で語られている。
さらにキャラクターの性格がオリジナルのドラえもんと異なり、のび太はドジすぎ、しずかはやたらと夢を見る少女、ジャイアンは輪をかけて乱暴者で解説好き、さらにネズミが人格を持って話しかけるなどしており、その個性豊かな点が評判を博し、多くのファンを生んだといわれる。一方でキャラクターの違いを抗議するハガキも来たと作中で語られている。


時事ネタも多分に盛り込まれており、「[[スター・ウォーズ]]」や「[[口裂け女|口さけ女]]」など当時の流行も多く見られる。また、作者である方倉本人が劇画タッチの風貌で登場したり、「仕事がない」と嘆く方倉の横に首吊りの縄がある、といった小学生相手にはややブラックと思われる表現があるのも特徴。
時事ネタも多分に盛り込まれており、「[[スター・ウォーズ]]」や「[[口裂け女|口さけ女]]」など当時の流行も多く見られる。また、作者である方倉本人が劇画タッチの風貌で登場したり、「仕事がない」と嘆く方倉の横に首吊りの縄がある、といった小学生相手にはややブラックと思われる表現があるのも特徴。八頭身のドラえもんがハードボイルド風のメロドラマを演じたり、天才となったのび太がウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を読むなどといった逸脱的なお遊びも各所に見られる


また、この「方倉設定」を公式のように扱うドラえもんのクイズ大会([[パオパオチャンネル]]の「ドラえもん博士大賞」)が[[テレビ朝日]](ドラえもんを放送している局)で行われたことがある。これには、方倉設定を熟知していない参加者から不満の声が出たとの説がある。
また、この「方倉設定」を公式のように扱うドラえもんのクイズ大会([[パオパオチャンネル]]の「ドラえもん博士大賞」)が[[テレビ朝日]](ドラえもんを放送している局)で行われたことがある。これには、方倉設定を熟知していない参加者から不満の声が出たとの説がある。
22行目: 22行目:
==関連項目==
==関連項目==
*[[ドラえもん (架空のキャラクター)]]
*[[ドラえもん (架空のキャラクター)]]

{{manga-stub}}


[[Category:ドラえもん|とらえもんひやつか]]
[[Category:ドラえもん|とらえもんひやつか]]

2007年12月22日 (土) 13:25時点における版

ドラえもん百科』(ドラえもんひゃっか)は、方倉陽二によるギャグ漫画作品。『ドラえもん』の設定の解説が主体。雑誌「コロコロコミック1978年5月15日号から1981年4月号まで連載され、単行本全2巻(てんとう虫コミックス)に大方の作品が収録された。

概要

本作は、それまで学年誌などで散発的に解説された『ドラえもん』に関する諸設定を、コロコロコミック誌上で統括し、方倉ならではのオリジナル設定を交えて執筆されたもの。ドラえもん2回目のテレビアニメ化の直後には本作品と同じ設定に基づいたアニメ作品が放送されるなど、本作の影響が多少ある。『ドラえもん』の原作者である藤子・F・不二雄は「後から知って驚いた設定も随分とあります」と述べ、こういった設定を整理するために『2112年 ドラえもん誕生』を製作したと語っている。

後の公式設定と異なる部分もあるため、ファンからは方倉設定と呼ばれることもある。実際、このドラえもん百科によって、多くの読者に認知された設定が藤子・F・不二雄公認の『2112年 ドラえもん誕生』で覆された例もある。有名と思われる例として「ドラえもんとドラミは同じオイルを分けた兄妹で、ドラえもんはうわずみの薄いオイルを使ったためにデキが悪いロボットとなった」という設定は『2112年 ドラえもん誕生』では取り入れられず、単に妹用として作られたロボットとされた。

ドラえもんは、連載開始当初ドタバタが多くコメディー色の強いものであったため、本作中にも、ドラえもんをダメロボットとしてけなすかのような設定が多い。たとえば、「ドラえもんは過去に派遣しても未来を変えられないドジロボットである」「ドラえもんのヒゲや鈴にはそれぞれ便利な機能があるが故障している。修理するにはネズミを規定数捕まえないといけないため、ネズミの嫌いなドラえもんには直すことができない」といった設定がある。また、その他にも、元々黄色かったドラえもんの体が現在では青い理由について、「ネズミに耳をかじられた後の姿を鏡で見たときに、ショックで全身が青ざめてしまったため」という理由であったのが、後の公式設定では「耳を失った自身の姿を見た後、3日間泣き続けて表面の塗装がはがれてしまったため」となっているなども、本作中の設定と後の公式設定との相違がある。

さらにキャラクターの性格がオリジナルのドラえもんと異なり、のび太はドジすぎ、しずかはやたらと夢を見る少女、ジャイアンは輪をかけて乱暴者で解説好き、さらにネズミが人格を持って話しかけるなどしており、その個性豊かな点が評判を博し、多くのファンを生んだといわれる。一方でキャラクターの違いを抗議するハガキも来たと作中で語られている。

時事ネタも多分に盛り込まれており、「スター・ウォーズ」や「口さけ女」など当時の流行も多く見られる。また、作者である方倉本人が劇画タッチの風貌で登場したり、「仕事がない」と嘆く方倉の横に首吊りの縄がある、といった小学生相手にはややブラックと思われる表現があるのも特徴。八頭身のドラえもんがハードボイルド風のメロドラマを演じたり、天才となったのび太がウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を読むなどといった逸脱的なお遊びも各所に見られる。

また、この「方倉設定」を公式のように扱うドラえもんのクイズ大会(パオパオチャンネルの「ドラえもん博士大賞」)がテレビ朝日(ドラえもんを放送している局)で行われたことがある。これには、方倉設定を熟知していない参加者から不満の声が出たとの説がある。

この作品のみの設定が多いが、ドラミタイムマシンチューリップ号」は藤子によって作品中に取り入れられ公式とされた。また、ドラミのゴキブリ嫌いという設定は『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』以降のアニメ作品に取り入れられ、メロンパンが好物という設定や、兄弟で同じオイルを分け合ったという設定は、水田わさびら声優陣シリーズのアニメ作品に取り入れられた。なお、兄弟で同じオイルを分け合ったという設定は、ドラえもんが大量生産されたうちの一体であるという設定(『2112年 ドラえもん誕生』)と矛盾するおそれがあるが、これについての解説はなされていない。

単行本は小学館からてんとう虫コミックスとして2冊刊行されている。その際に連載当時から改訂されている部分がある。

連載当時の最終回は「ドラえもん 怪物くん百科」として掲載され、当時公開された映画『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』の時期に「怪物くん百科」に切り替わり、作者も交替したが、こちらは短命に終わった。

関連項目