「饕餮」の版間の差分
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2008年2月19日 (火) 01:09時点における版
饕餮(とうてつ、Tao-tie、拼音:tāotiè)とは、中国神話の怪物。体は牛か羊で、曲がった角、虎の牙、人の爪、人の顔などを持つ。饕餮の「饕」は食物を貪る、「餮」は財産を貪るの意である。何でも食べる猛獣、というイメージから転じて、魔を喰らう、という考えが生まれ、後代には魔除けの意味を持つようになった。一説によると、蚩尤の頭だとされる。
殷代から周代にかけて青銅器や玉器の修飾に部分的に用いられる(饕餮文:とうてつもん)。この頃の王は神の意思を人間に伝える者として君臨していた。その地位を広く知らしめ、神を畏敬させることで民を従わせる為に、祭事の道具であるこのような器具に饕餮文を入れたものとされる。良渚文化の玉琮には、饕餮文のすぐ下に王の顔が彫られたものも出土している。そのため、饕餮の起源は良渚文化の栄えた長江流域で崇拝された神だったといわれている。ただし、これらの装飾が当初から饕餮と呼ばれる存在の描写であったという証拠は何もなく、後世に饕餮文と呼ばれているだけである。そのため、中国考古学の専門家である林巳奈夫はこれを「獣面紋」と呼んでいる[1]。
渾沌(こんとん)、窮奇(きゅうき)、檮杌(とうこつ)とともに「四凶」ともされる。『神異経』をひけば「饕餮、獣名、身如牛、人面、目在腋下、食人」という。
明代には、竜の子である「竜生九子」の一つで、その五番目に当たるとされた。飲食を好むという。故に鼎(煮炊きに使う、足がついた青銅の器)の模様とされる。