コンテンツにスキップ

「ネズミイルカ科」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Alexbot (会話 | 投稿記録)
m ロボットによる 追加: simple:Porpoise
R28Bot (会話 | 投稿記録)
m Bot: リダイレクト回避 (WP:BOTREQ)
23行目: 23行目:
</table>
</table>


'''ネズミイルカ科'''(鼠海豚科、Phocoenidae)は、[[クジラ目]][[ハクジラ亜目]]に属する[[科 (生物学)|科]]の一つ。
'''ネズミイルカ科'''(鼠海豚科、Phocoenidae)は、[[クジラ目]][[ハクジラ亜目]]に属する[[科 (分類学)|科]]の一つ。
3属6種で構成される。
3属6種で構成される。



2008年4月19日 (土) 17:59時点における版

ネズミイルカ科
PHOCOENIDAE

イシイルカ Phocoenoides dalli
分類
界:動物界 Animalia
門:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
綱:哺乳綱 Mammalia
目:クジラ目 Cetacea
亜目:ハクジラ亜目 Odontoceti
科:ネズミイルカ科 Phocoenidae

ネズミイルカ科(鼠海豚科、Phocoenidae)は、クジラ目ハクジラ亜目に属するの一つ。 3属6種で構成される。

英語ではネズミイルカはPorpoiseと呼ばれ、その他のイルカDolphinとは区別されている。PorpoiseとDolphinの主な違いはと頭部の形状である。ただし、日常レベルの英語では小型のイルカを差してPorpoiseと呼び、逆にネズミイルカをDolphinと呼ぶこともある。

全て海棲であり、多くは沿岸に棲息する。

分類

ネズミイルカ科 Phocoenidae

解剖学

ネズミイルカ科のイルカは、他の多くのイルカと比べると、小さく、小太りである。 口吻は短く、丸い頭部と丸い顎を有する。 歯の形状は、他のイルカが円錐形であるのに対し、スペード型である。 背びれは、他の多くのイルカが湾曲しているのに対し、ほぼ三角形に近い。

ネズミイルカ科のイルカの体長は最大2.5m程であり、クジラ目の中では最も小さい部類である。 ネズミイルカ科の中で最も小さい種類はコガシラネズミイルカ (Phocoena sinus) であり、体長は1.5m程度である。

行動

ネズミイルカ科のイルカは主に魚類を食べるが、イカ甲殻類を食べることも多い。 多くの場合、10頭程度以下の小さな群を成して行動するが、数百頭もの巨大な群を成す種類もいる。 「カチカチ」というクリック音や口笛のような音を用いて、コミュニケーションを行う。 他の多くのハクジラ亜目の種と同様に反響定位(エコーロケーション)を行うことができる。 ネズミイルカ科のイルカは高速に泳ぐ。 特にイシイルカ (Phocoenoides dalli) は55km/h程であり、クジラ目の中でも最も高速な部類に入る。 他のイルカと比べると、曲芸的な動きは少なく、より慎重に行動する傾向がある。 腹部を上にして仰向けで泳ぐことがあるが、これは配偶者を探すための動作であることが多い。

進化

他のクジラ目の種と同様、ネズミイルカ科のイルカも陸棲哺乳類から進化した子孫である。 おそらくウシ目(偶蹄目)から分化したと考えられている。 海中での棲息を始めたのは約5千万年前と考えられている。 詳しくはen:Evolution of cetaceans(英文。クジラ目の進化)を参照されたい。

人間の影響

多くの国で、ネズミイルカ科のイルカは食用あるいは餌として捕獲されている。 更に様々な漁具による混獲も個体数減少の原因となっている。 コガシラネズミイルカ (Phocoena sinus) はクジラ目の中では最も絶滅の危機に瀕している種であり、現在では高度に工業化された地帯において、限定的に棲息しているに過ぎない。

他のイルカとは違い、ネズミイルカ科のイルカが水族館などにおいて展示飼育されることは稀である。日本においてはスナメリの展示飼育が鳥羽水族館など複数の施設で行われている。ネズミイルカの展示飼育はおたる水族館鴨川シーワールドでの例が報告されている[1]が、極めて稀である。

脚注

  1. ^ 鴨川シーワールド「ネズミイルカの展示を開始」(「南房総とっておきニュース」より)-2007年5月から鴨川シーワールドでネズミイルカの飼育を始めたというニュース。同年2月に鴨川沖の定置網で捕獲されて保護された雌の個体。