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「コダラ」の版間の差分

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コダラなどの[[タラ]]の幼魚の切り身は[[マサチューセッツ州]][[ボストン]]ではスクロッド([[:en:scrod|scrod]])と呼ばれて売られる。ノルウェーではフィスケボッレル(fiskeboller)という魚団子の主な材料ともなる。
コダラなどの[[タラ]]の幼魚の切り身は[[マサチューセッツ州]][[ボストン]]ではスクロッド([[:en:scrod|scrod]])と呼ばれて売られる。ノルウェーではフィスケボッレル(fiskeboller)という魚団子の主な材料ともなる。


近縁の[[タラ属]]とは違い、コダラは塩漬けではなく干物や燻製で保存される。コダラの燻製の一種にフィナン・ハディ(Finnan Haddie)と呼ばれるものがあり、この名前は[[スコットランド]]の漁村 [[フィンドン]]に因み、元々泥炭の上で冷燻製したものである。よくフィナン・ハディはミルクで煮て朝食にされる<ref>[http://www.scotlandontv.tv/scotland_on_tv/video.html?vxSiteId=60fdd544-9c52-4e17-be7e-57a2a2d76992&vxChannel=Food%20Recipes&vxClipId=1380_SMG1149&vxBitrate=300 Full recipe for Finnan Haddie from Scottish chef John Quigley]</ref>。また、コダラの燻製は[[ケジャリー]]という英印折衷の料理の主材料でもある。スコットランド東海岸のアーブロースの町では熱燻製のアーブロース・スモーキー(Arbroath Smokie)が作られており、これは食べる前に更に調理する必要はない。
近縁の[[タラ属]]とは違い、コダラは塩漬けではなく干物や燻製で保存される。コダラの燻製の一種にフィナン・ハディ(Finnan Haddie)と呼ばれるものがあり、この名前は[[スコットランド]]の漁村 [[フィンドン]]に因み、元々泥炭の上で冷燻製したものである。よくフィナン・ハディはミルクで煮て朝食にされる<ref>[http://www.scotlandontv.tv/scotland_on_tv/video.html?vxSiteId=60fdd544-9c52-4e17-be7e-57a2a2d76992&vxChannel=Food%20Recipes&vxClipId=1380_SMG1149&vxBitrate=300 Full recipe for Finnan Haddie from Scottish chef John Quigley]</ref>。また、コダラの燻製は[[ケジャリー]]という英印折衷の料理の主材料でもある。スコットランド東海岸の[[アーブロース]]の町では熱燻製のアーブロース・スモーキー(Arbroath Smokie)が作られており、これは食べる前に更に調理する必要はない。


栄養としては、[[蛋白質]]に優れ、[[ビタミンB12]]、[[ピリドキシン]]、[[セレン]]も豊富で、[[ナトリウム]]と[[カリウム]]のバランスは健康的で[[脂肪]]は非常に少ない。
栄養としては、[[蛋白質]]に優れ、[[ビタミンB12]]、[[ピリドキシン]]、[[セレン]]も豊富で、[[ナトリウム]]と[[カリウム]]のバランスは健康的で[[脂肪]]は非常に少ない。

2008年5月28日 (水) 13:15時点における版

コダラ
保全状況評価
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: タラ目 Gadiformes
: タラ科 Gadidae
: コダラ属 Melanogrammus
Gill, 1862
: コダラ M. aeglefinus
学名
Melanogrammus aeglefinus

(Linnaeus, 1758)

英名
haddock, offshore hake

コダラ北大西洋両岸に生息するタラ科。ポピュラーな食用魚で、商業流通している。

特徴

体長は1.1m以上。白い体に黒い側線が走るのが特徴であり、よく似たポラックという魚は逆に黒い体に白い側線である。また、胸鰭の上に黒い斑があり、"thumbprint"(拇印)、"Devil's thumbprint"(悪魔の拇印)または"St. Peter's mark"(聖ペトロの印)と呼ばれる。

一般的には水深40~133mでよくみられるが、300mの深さにもいる。水温は2~10℃が適温。稚魚は浅い水深を好み、成長するに従い深くなる。通常、成熟したコダラは稚魚のような長い移動はしないが、全年齢で季節性の移動を行う。餌は主に小さな無脊椎動物だが大きな個体は魚も食べる。

繁殖

産卵は1月から6月にかけて行われ、3月末から4月初めがピークである。最大の産卵場所はノルウェー中部沖南西アイスランド付近とジョージズ・バンクである。平均して85万個の卵を産み、大きな雌だと年300万の卵を作る能力がある。

食用魚として

引き網漁トロール漁延縄などで商業漁獲されている。非常に一般的な食用魚であり、生、燻製、冷凍、干物、缶詰の形で流通する。イギリスではタラとカレイに並んでフィッシュ・アンド・チップスの材料となっている。

新鮮なコダラの身は白みの半透明で、タラと同様に調理できる。古くなると身は青白くなる。 コダラなどのタラの幼魚の切り身はマサチューセッツ州ボストンではスクロッド(scrod)と呼ばれて売られる。ノルウェーではフィスケボッレル(fiskeboller)という魚団子の主な材料ともなる。

近縁のタラ属とは違い、コダラは塩漬けではなく干物や燻製で保存される。コダラの燻製の一種にフィナン・ハディ(Finnan Haddie)と呼ばれるものがあり、この名前はスコットランドの漁村 フィンドンに因み、元々泥炭の上で冷燻製したものである。よくフィナン・ハディはミルクで煮て朝食にされる[1]。また、コダラの燻製はケジャリーという英印折衷の料理の主材料でもある。スコットランド東海岸のアーブロースの町では熱燻製のアーブロース・スモーキー(Arbroath Smokie)が作られており、これは食べる前に更に調理する必要はない。

栄養としては、蛋白質に優れ、ビタミンB12ピリドキシンセレンも豊富で、ナトリウムカリウムのバランスは健康的で脂肪は非常に少ない。

脚注

  1. ^ Full recipe for Finnan Haddie from Scottish chef John Quigley

参考文献

  • Sobel (1996). "Melanogrammus aeglefinus". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2006. International Union for Conservation of Nature. 2006年5月11日閲覧 Listed as Vulnerable (VU A1d+2d v2.3)
  • "Melanogrammus aeglefinus" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 24 January. {{cite web}}: |date=|year=|date=の日付が不正です。 (説明)
  • Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2005). "Melanogrammus aeglefinus" in FishBase. May 2005 version.
  • Alan Davidson, North Atlantic Seafood, 1979, ISBN 0-670-51524-8.