「ヒルギモドキ」の版間の差分
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成木で高さ10m程度となる常緑小高木だが、北限となる[[沖縄県|沖縄]]では高さ4m~5m程度までの個体が多い。他の[[マングローブ]]植物より比較的陸化した砂質の場所を好む。[[幹]]は直立。また、[[呼吸根]]は目立たず、株を中心にした地上部から''匍匐根''として周囲に伸び、その先端で分枝して土壌に入り込む。葉は比較的多肉で、長さ5cm程度で枝の先に多く、互生する。形状は卵形から長楕円形。先端に凹みがあることが大きな特徴である。花期は3-7月。花は[[総状花序]]で腋生。5mm程度で白い5枚の花弁を持つ<ref>[http://www.kyusyu.kokuyurin.go.jp/huresen/pdf/katudou8.pdf 西表島のヒルギモドキについて(第1報)]</ref><ref>[http://www.kyusyu.kokuyurin.go.jp/huresen/pdf/katudou18.pdf 西表島の絶滅危惧種のヒルギモドキについて(第2報)]</ref>。[[萼]](萼筒)は緑色で、先端は裂けるが短い。果実は長さ1cm程度の長楕円形で、緑色で、頂端に萼歯が残る |
成木で高さ10m程度となる常緑小高木だが、北限となる[[沖縄県|沖縄]]では高さ4m~5m程度までの個体が多い。他の[[マングローブ]]植物より比較的陸化した砂質の場所を好む。[[幹]]は直立。また、[[呼吸根]]は目立たず、株を中心にした地上部から''匍匐根''として周囲に伸び、その先端で分枝して土壌に入り込む。葉は比較的多肉で、長さ5cm程度で枝の先に多く、互生する。形状は卵形から長楕円形。先端に凹みがあることが大きな特徴である。花期は3-7月。花は[[総状花序]]で腋生。5mm程度で白い5枚の花弁を持つ<ref>[http://www.kyusyu.kokuyurin.go.jp/huresen/pdf/katudou8.pdf 西表島のヒルギモドキについて(第1報)]</ref><ref>[http://www.kyusyu.kokuyurin.go.jp/huresen/pdf/katudou18.pdf 西表島の絶滅危惧種のヒルギモドキについて(第2報)]</ref>。[[萼]](萼筒)は緑色で、先端は裂けるが短い。果実は長さ1cm程度の長楕円形で、緑色で、頂端に萼歯が残る |
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Image:Lumnitzera racemosa Blanco1.126.png|[[:en:Francisco Manuel Blanco|フランシスコ・マヌエル・ブランコ]]によるヒルギモドキの絵 |
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Image:Lumnitzera racemosa2.jpg|株立ちしたヒルギモドキ(西表島・浦内) |
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== 分布 == |
== 分布 == |
2008年6月3日 (火) 14:18時点における版
ヒルギモドキ | ||||||||||||||||||||||||
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ヒルギモドキ(沖縄県西表島)
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
L. racemosa Willd. | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヒルギモドキ(蛭木擬) |
ヒルギモドキ(蛭木擬、学名:Lumnitzera racemosa)はシクンシ科ヒルギモドキ属の常緑木本。潮間帯に生育するマングローブ樹種のひとつ。なお、和名の似ているヒルギダマシはクマツヅラ科(あるいはキツネノマゴ科)の植物である。
特徴
- 形態
成木で高さ10m程度となる常緑小高木だが、北限となる沖縄では高さ4m~5m程度までの個体が多い。他のマングローブ植物より比較的陸化した砂質の場所を好む。幹は直立。また、呼吸根は目立たず、株を中心にした地上部から匍匐根として周囲に伸び、その先端で分枝して土壌に入り込む。葉は比較的多肉で、長さ5cm程度で枝の先に多く、互生する。形状は卵形から長楕円形。先端に凹みがあることが大きな特徴である。花期は3-7月。花は総状花序で腋生。5mm程度で白い5枚の花弁を持つ[1][2]。萼(萼筒)は緑色で、先端は裂けるが短い。果実は長さ1cm程度の長楕円形で、緑色で、頂端に萼歯が残る
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フランシスコ・マヌエル・ブランコによるヒルギモドキの絵
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株立ちしたヒルギモドキ(西表島・浦内)
分布
東アフリカ熱帯域から南アジア、オーストラリアの熱帯および亜熱帯の海岸に広く分布し、日本国内では、南西諸島(沖縄本島・久米島?・宮古島・石垣島・小浜島・西表島・与那国島)に分布する。分布の北限は沖縄本島である。
日本における生育地
沖縄諸島全体の汽水域にマングローブとして生える。特に沖縄本島の株は本種の世界的な北限でもある。久米島での生育状況は不明で、石垣島と西表島では工事等の影響で自生地が焼失している。このため世界的には広い分布域を持つ本種であるが、日本では個体数が少なく、なおかつ生息地の埋め立てや土砂の堆積、乾燥化した部分への他の植物の侵入・競争により個体数は減少を続けている。またはっきりとした帯状分布を示さずに、マングローブの林縁部などに小群や単一の株として生育する[3]。絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)に指定されている。
日本国外における生育地
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利用
中近東などでは、ラクダ等の飼料として利用されるほか、木炭原料や、パルプとして製紙原料とされる。
保護上の位置づけ
- 絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)
- 沖縄県版レッドデータブック - 絶滅危惧II類
脚注
参考文献
- 沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(菌類編・植物編)-レッドデータおきなわ-』、2006年。
- 環境庁自然環境局野生生物課編 『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物8 植物I(維管束植物)』 財団法人自然環境研究センター、2000年、ISBN 4-915959-71-6。
- 島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧』 九州大学出版会、1997年。
- 多和田真淳監修・池原直樹著 『沖縄植物野外活用図鑑 第4巻 海辺の植物とシダ植物』 新星図書出版、1979年。
- 土屋誠・宮城康一編 『南の島の自然観察』、東海大学出版会、1991年。
- 初島住彦・天野鉄夫 『増補訂正 琉球植物目録』 沖縄生物学会、1994年。
外部リンク
- J-IBIS絶滅危惧種情報 - 環境省版RDBでのヒルギモドキの解説
- oNLINE植物アルバム - ヒルギモドキの写真