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「ACM (ミサイル)」の版間の差分

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=== 配備状況 ===
=== 配備状況 ===
アメリカ空軍は当初AGM-129を2500発導入する予定だったが、現在は核戦力の削減が行われており、保有数は1000発ほどれている。またのうち120発ほどが通常弾頭装備型(CACM)であるとわれる。
アメリカ空軍は当初2500基のAGM-129を導入する予定だったが、冷戦の終結によって1993年に460基で生産を終了した。2002年の[[モスクワ条約]]締結に伴う核戦力の削減が行われており、廃棄する弾頭してW-80が対象となった。W-80核弾頭は巡航ミサイル用の核弾頭であり、こに伴い2007年3月に米空軍はW-80核弾頭を搭載できるAGM-129を400基を退役させると発表、2008年より減勢している。また保有数のうち120発ほどが通常弾頭装備型(CACM)であるとわれている。


=== 搭載数 ===
=== 搭載数 ===

2008年7月28日 (月) 12:48時点における版

AGM-129A/B/C ACM
AGM-129
概要
用途 スタンドオフ・精密戦略攻撃
主契約社 レイセオン
運用開始 1991年
寸法
全長 6.35m
胴体幅 737mm
胴体高 642mm
翼幅 3.10m
発射重量 1.682kg
ACM-129A
弾頭 W-80-1熱核弾頭
核出力 5~150kt
ACM-129B
弾頭 W-90熱核弾頭
ACM-129C
弾頭 貫通弾頭(通常炸薬)
動力
エンジン F112-WR-100
ターボファン×1
推力 3.25 kN
性能(推定値)
最大巡航速度 800km/h
射程 3400km以上

AGM-129 ACMAdvanced Cruise Missileの略であり、直訳すると発達型巡航ミサイルである。

開発経緯

AGM-129 ACM(以下AGM-129)はAGM-86 ALCMの後継の核弾頭搭載空中発射巡航ミサイルとして、1980年代に開発が開始された現用の核弾頭ミサイルである。(※現在では通常弾頭装備のものも存在する。詳しくは後記参照。)

AGM-129にはALCMより長射程、高精度でレーダー断面積と赤外線の放出を大幅に減少させることが要求された。1984年3月にはAGM-129の開発名称が付与され、1985年7月に最初の飛翔試験が行われている。実戦配備は1991年(開発の開始年月日は未公表。) 弾頭にはAGM-86 ALCMと同じW-80-1熱核弾頭を使用している。

系列

AGM-129A

最初にアメリカ空軍への引渡しが開始(1990年6月)されたACMの基本形で、1991年から作戦体制に入っている。弾頭はW-80-1熱核弾頭(5~150 Kt 核出力調節可能)

AGM-129B

本体構造を見直し、ソフトウェアに変更を加え、新しい核弾頭(※不明、おそらくW-90。)を搭載した改良型。

AGM-129C CACM

弾頭を貫通型通常弾頭にしたのがAGM-129CでCACM(通常弾頭発達型巡航ミサイル)と呼ばれる。また誘導装置にディファレンシャルGPSを加え、信頼性を向上している。AGM-129Aから20~30発が改造された。

また、AGM-129B/Cの開発・生産についての情報は極めて限られており、保有兵器一覧にも載せられていないことから存在は極秘であるものと思われる。

構造

基本的に円筒形の断面を有するが、下部のみ平面となっている。また、先端は平面構造の組み合わせで構成されており、これはF-117のようにステルス性を高めるための措置と思われる。本体中央部やや後ろに展開式の翼があり、展開すると26度の前進翼になる。尾部には左右二枚の水平尾翼と下面に垂直尾翼が付いており、誘導に使われる。これらも投下後展開される。これらの翼類はステルス性を高めるため進行方向にすべて同じ角度(26°)で構成されている。

推進装置はF112-WR-100ターボファンエンジンで空気取り入れ口はステルス性を高めるために本体下部にオフセットされている。またエンジンの排気熱は垂直尾翼後部から放出されるが、このとき冷たい大気と混ぜ合わせることで排気温度を下げ、熱による探知を極力下げるように設計されている。また本体にはレーダー波吸収剤がコーティングされ、赤外線の放出を抑えるつや消しの濃黒緑色に塗装されている。また搭載されている電波高度計は発見を避けるため輻射の少ないものを使用している。

その他

仕様

AGM-129は現用アメリカ空軍の核弾頭搭載巡航ミサイルであるため、その情報は限られており、誘導システムなどの詳細な部分も謎に包まれているが、名前から巡航ミサイルであることがわかるため、慣性航法装置と地形照合システム(TERCOM)にGPSが使用されている可能性が高いと思われる。

配備状況

アメリカ空軍は当初2500基のAGM-129を導入する予定だったが、冷戦の終結によって1993年に460基で生産を終了した。2002年のモスクワ条約締結に伴う核戦力の削減が行われており、廃棄する弾頭としてW-80が対象となった。W-80核弾頭は巡航ミサイル用の核弾頭であり、これに伴い2007年3月に米空軍はW-80核弾頭を搭載できるAGM-129を400基を退役させると発表、2008年より減勢している。また保有数のうち120発ほどが通常弾頭装備型(CACM)であると言われている。

搭載数

  • B-52H 12発(すべて機外)
  • B-1B 4発(機内)
  • B-2B 16発(機内)

関連項目