アウグスト・ヴァイスマン

アウグスト・ヴァイスマン

アウグスト・ヴァイスマン（August Weismann, 1834年1月17日 - 1914年11月5日）はドイツの動物学者。フライブルク大学動物学研究所所長。専門は発生学・遺伝学。オーギュスト・ワイスマンなどとも表記される。

教師の父親の元、フランクフルトで生まれた。

ネズミの尾を切り取り、それを育てて子を産ませ、その子ネズミもしっぽを切って育て、それを22世代にわたって繰り返し、ネズミの尾の長さに変化が生じなかったことを示した。 それにより、ラマルクの用不用説およびダーウィンのパンゲン説のような獲得形質遺伝説を批判した。ただしネズミが望んでしっぽを失ったわけではないため、生物の主体性を重視する用不用説にたいする完全な反証にはなっていなかった。パンゲン説への批判はそれ以前にゴルトンのウサギの輸血実験があるが、ゴルトンは先取権を主張しなかった。このために、ヴァイスマンは獲得形質遺伝を否定した最初の生物学者と見なされている。またヴァイスマンはこの結果から、自然選択は万能であると宣言した。

ヴァイスマンは体細胞系列と生殖細胞系列が異なることを発見し、それまで混同されてきた発生と進化を区別した。これによって、発生の詳しいメカニズムが分からなくても進化を論じることが可能になり、遺伝学の発展に寄与した。