「日勤教育」の版間の差分
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[[JR福知山線脱線事故]]では、事故を起こした[[運転士]]が過去に日勤教育を受けていたことが明らかになっている。当日、[[伊丹駅 (JR西日本)|伊丹駅]]で60mのオーバーランをするという運転ミスを犯したことから、時間の遅れは自分が日勤教育を受けることにつながるとしてそれを避けるために過度のスピードを出した可能性も指摘されている。その為、日勤教育を恐れた運転士がオーバーランした距離を短く報告してもらうように車掌と口裏合わせをしていた。 |
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2005年7月19日 (火) 09:33時点における版
日勤教育(にっきんきょういく)とは、運転ミスを犯した運転士を常務から外し、再度同じミス起こさないよう行う指導のことである。再教育とも呼ばれることがある。 福知山線事故で西日本旅客鉄道(JR西日本)の日勤教育が報道されて、懲罰的な内容と意味を取り違えられるが大きな間違いである。
内容と波紋
JR西日本において、オーバーランをしたりダイヤを数十秒単位で遅らせた運転士に対して行われる懲罰的指導となっていた。教育というよりは理不尽な私的制裁という判断が無難である。
日勤教育に対しては様々な内部告発が存在している。 それらを要約すれば、日勤教育というものの「教育」とは名ばかりであり、「職場いじめ」に近いものであるという。 ミスを犯したものに肉体的・精神的・経済的な打撃を与えることにより、ミスを犯さないようにしようとせしめる「懲罰」的なものであるという。
この日勤教育により、一年半で7人のJR西日本の職員が自殺されたと言われている。
安全運転を心がけてダイヤが遅れてしまった場合でも日勤教育をされてしまうケースがある。
この問題が社会に表に出るようになったきっかけは、JR西日本尼崎電車区に勤務していた運転士の男性が自殺し、それを労災認定を行わせるために行われた2000年の裁判であり、その裁判では原告である遺族の訴えを大筋に認め、勝訴となる。この問題は2004年11月に参議院でも質疑され、「日勤教育を行うといった体質では今後重大事故を起こしかねない」と追及された。
日勤教育の元になったのは、1986年に日本国有鉄道(国鉄)の分割・民営化に反対した国鉄労働組合(国労)組合員を締め上げるため、「人材活用センター」を作り隔離したことだといわれている。人材活用とは名ばかりで、草むしりなどの雑用をさせ、国労脱退か辞職かの二者択一を迫ったものだったといわれている。なおJR西日本の自殺者はJR西日本労働組合(JR西労)所属であり、2005年4月25日にJR福知山線脱線事故で事故を起こした運転士は西日本旅客鉄道労働組合(JR西労組)の所属であった。いずれも分割・民営化に賛同し、国労と敵対した組合(JR西労はかつての国鉄動力車労働組合(動労)系が中心、現在は全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)傘下。JR西労組はかつての鉄労系が中心、現在は日本鉄道労働組合連合会(JR連合)傘下)の後身である。
ちなみにJR西日本では福知山線脱線事故を受けて、懲罰的な内容を取りやめ、期間も最長で22日間にするなど見直しをしている。JR九州でも同様の内容での日勤教育が行われていた。
影響
JR福知山線脱線事故では、事故を起こした運転士が過去に日勤教育を受けていたことが明らかになっている。当日、伊丹駅で60mのオーバーランをするという運転ミスを犯したことから、時間の遅れは自分が日勤教育を受けることにつながるとしてそれを避けるために過度のスピードを出した可能性も指摘されている。その為、日勤教育を恐れた運転士がオーバーランした距離を短く報告してもらうように車掌と口裏合わせをしていた。