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「UCAV」の版間の差分

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=== 現状 ===
=== 現状 ===
2004現在、UCAVはほぼ完全自律作動することを目指している。飛行ルートやターゲットなどの、任務の詳細を事前にプログムしておき、地上の管制を全く受けずに任務を完遂するいうことだ。しかしなら、現在では兵器の切り離しは地上の人間がっており、制御ループ内に人間も入る形(マン イン ザ ループ)の設計となっている。
2007年にアフガニスタンでMQ-9実戦投入された。兵器のトリガー地上の人間がっており、制御ループ内に人間も入る形(マン イン ザ ループ)の設計となっている。2008年10月、アメリカ空軍第174戦闘飛行隊は、F-16からMQ-9に機材を更新し、最初のUCAVのみによる戦闘攻撃飛行隊となっている。今後は飛行ルートの選定などにおいてもUCAVが完全に自律作動することを目指していると言われている。


== 計画されているUCAV ==
== 計画されているUCAV ==

2009年4月21日 (火) 15:52時点における版

UCAV (Unmanned Combat Air Vehicle)とは、無人航空機無人機、UAV) 、及び、軍用ロボットの一種である。爆撃任務を行うために特に設計されたものを指す。

航空母艦での運用が前提のX-47B

概要

名称について

Unmanned Combat Air Vehicleを直訳すると「無人戦闘航空移動体」となるが、一般には無人戦闘航空機、無人戦闘攻撃機などと呼ばれる。正式な訳語が無い状況であるが、防衛省では戦闘型無人機としている。

無人「戦闘機」と呼ばれることもあるが、有人機のような汎用性は持たず、一般に知られる戦闘機のような空対空戦闘や空中戦を行うわけではない。精密な攻撃のための空中自律行動・戦闘機能を持つものがUCAVとされるが、この戦闘機能とは現在のところは主に対地攻撃が考えられている。



一般的な特徴

  • 用途によって様々な形態が考案されているが、無人であるために比較的小型、軽量であり、ステルス性を取り入れた設計がなされている。
  • 戦闘や事故により機体が破損・墜落しても人的被害が出ない。そのためSEAD(敵防空網制圧)、すなわちレーダーサイト攻撃任務に適すると考えられている。
  • 無人機はパイロットに休息を与える必要がないため、長時間の飛行が可能となる。空中給油を組み合わせることで目標付近での攻撃待機や哨戒を数十時間に渡って行うことなども検討されている。

現状

2007年にイラクとアフガニスタンでMQ-9が実戦投入された。兵器のトリガー地上の人間が握っており、制御ループ内に人間も入る形(マン イン ザ ループ)の設計となっている。2008年10月、アメリカ空軍第174戦闘飛行隊は、F-16からMQ-9に機材を更新し、最初のUCAVのみによる戦闘攻撃飛行隊となっている。今後は飛行ルートの選定などにおいてもUCAVが完全に自律作動することを目指していると言われている。

計画されているUCAV

2007年8月現在、以下のようなUCAVが構想されている:

2007年8月1日、アメリカ合衆国海軍省はノースロップ・グラマン社の開発計画案を承認し、J-UCAS計画(下記参照)を再編した海軍独自の無人戦闘攻撃機開発計画を決定した。最低6億3580万ドル(約762億円)が拠出され、X-47をベースにした無人戦闘攻撃機の実証機の開発が継続されることとなる。
ダッソー主導のもと、サーブ等と開発が進められているデルタ翼ステルスUCAV。2012年にはフランススウェーデンイタリアにおいてテスト飛行が予定されている。
アメリカに遅れる事2007年8月23日、ロシアミグ設計局から突然公開された無人戦闘機のプロトタイプ、『CUAV』と分類呼称している。見た目から『X-45スキー』と称される場合もある。内部兵装ベイを二つ持ち、大型対艦ミサイル『Kh-31 (AS-17 Krytpon)』を運用出来るとされる。

下のUCAVは人間が搭乗可能なもの。

注意:上記のUCAVのなかには、航空機のプロトタイプというよりも技術実証試験機と呼ぶべきものも含まれている。そういったものは、そのままの形で生産され、運用されるわけではない(例:X-36。28%の大きさであり、もし量産されるときには本来のサイズで作られる予定であった)。

計画が中止されたUCAV

ボーイングX-45A UCAV

統合無人戦闘航空システム計画

ボーイングX-45CはDARPAアメリカ空軍海軍共同の統合無人戦闘航空システム(J-UCAS,Joint Unmanned Combat Air System)計画において候補機の一つであったが2006年3月に開発が中止された。これは米空軍が次世代重爆撃機調達計画の大幅繰上げに伴い2006年1月にJ-UCAS計画からの離脱を発表したことにより、J-UCAS計画そのものも中止になったことによるため。X-45は地上からの発進を基本とした空軍寄りの機体であった。

もう一つの候補機であった海軍寄りのノースロップ・グラマン X-47Bも開発が一時中止されたが、こちらは海軍の無人戦闘攻撃機開発計画の実証機として引き続き使用されることが決定している。

候補機の予定された性能

  • ステルス
  • 合成開口レーダーを装備(APG-71またはAPG-8など)
  • レーザ兵器を装備
  • SEADや電子攻撃が可能
  • 精密誘導兵器(JDAMやSDBなど)を投下可能
  • 無人機と地上操作員の間で人工衛星経由でのリアルタイムデータリンクが可能(流動的に変化する戦況に柔軟に対応)
  • 150機程度の生産を予定

計画のスケジュール

  • 2006年中頃:X-45Cが完成
  • 2006年10月:X-47Bが完成
  • 2007〜2009年:運用評価フェイズ
  • 2010年〜:開発フェイズ

外部リンク

関連項目