JR西日本321系電車

321系電車（321けいでんしゃ）は西日本旅客鉄道（JR西日本）が2005年（平成17年）12月に投入予定の直流通勤形電車。

概要

207系がデビューしてから15年経つこともあり、時代に合わせた車内サービスを行うため、JR西日本の次世代通勤型車両として製造された。
207系の後継車両であり、最高速度など、基本性能等は207系に準じたものとしている。最高時速は207系と同じ120km/hのため、今後207系と321系に普通電車が統一されると、120km/h運転を前提としたダイヤになるため、高速化が図られることが期待されている。

特徴として、車内のつり広告の位置に準じて3箇所、E231系と同様の液晶ディスプレイ（一部は有機ELディスプレイ）を設置し、207系にあった従来のLED案内に相当する内容と広告を放映することになっている。ちなみに、このデータは現在U@techで試験中の沿線無線WANで配信されるため、沿線無線WANに対応した路線に導入される予定である。

なお、JR福知山線脱線事故の影響により、量産に向けて、若干設計並びに帯の色の見直しが行われる事になった。

• 設計については、先頭車を重さの軽いトレーラー車（モーターなし）からモーター車に変え、急カーブでの遠心力の負担を減らす。
• 帯の色については当初207系と同じ色にする予定であったが、遺族や乗客らの心情に配慮して、紺色とオレンジ色に変更された（なお、紺色とオレンジ色のラインは、1986年11月の福知山線全線電化デビュー時の113系800番台の車体全体の濃黄色に濃青色の太い帯に近い。207系も順次、同様のラインに変更される）。
• 321系は207系より最高速度の低い201系と205系の置き換えが目的であるため、投入線区についてはJR神戸線・JR京都線・JR福知山線からとされている。なお、これにより置き換えられた201系は大阪環状線に、205系は阪和線に転属する。

※また、207系の脱線原因の一つとして挙げらている、先頭T車（付随車）という面についても、JR西日本は、先頭をM車（電動車）化し7両のうち、付随車を1両（5号車）のみにして、編成全体を、6M1T（ただし電動車のMT比は0.5:0.5なので実質的には編成のうち電動車が3両、付随車が4両の3M4T）の編成になった。

207系の脱線の原因は特定されていないが、321系の製造を開始したのが事故前からであり、設計・仕様の大幅な見直しは今からでは不可能なため、試作編成の製造は近畿車輛においてそのまま進められた。今後は、試作編成を用いて秋頃まで試運転を行い、2005年12月頃にデビュー予定である 。

外部リンク

• JR西日本2005年2月定例会見（公式発表）
• 京都新聞・JR西日本新型通勤車両を投入 車内にモニタ画面を設置（車内イメージ図あり）