「アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン」の版間の差分
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『'''アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン'''』('''Another Side of Bob Dylan''')は、[[1964年]]にリリースされた[[ボブ・ディラン]]の4枚目の[[スタジオ・アルバム]]。[[アメリカ]]、[[ビルボード]]・チャートで43位、[[イギリス]]、[[全英アルバムチャート|全英アルバム・チャート]]で[[1965年]]に8位を記録した。 |
『'''アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン'''』('''Another Side of Bob Dylan''')は、[[1964年]]にリリースされた[[ボブ・ディラン]]の4枚目の[[スタジオ・アルバム]]。[[アメリカ]]、[[ビルボード]]・チャートで43位、[[イギリス]]、[[全英アルバムチャート|全英アルバム・チャート]]で[[1965年]]に8位を記録した。 |
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「黒いカラスのブルース」で初めてピアノ演奏を披露した以外、すべてアコースティック・ギターとハーモニカによる弾き語りであるという点ではそれまでの[[フォークソング]]のスタイルと変らないが、曲調の上では「アイ・ドント・ビリーヴ・ユウ」や「哀しきベイブ」などにすでにロックの影響が認められる。[[バーズ]]は「オール・アイ・リアリー・ウォント」「スパニッシュ・ハーレム・インシデント」「自由の鐘」「[[マイ・バック・ペ |
「黒いカラスのブルース」で初めてピアノ演奏を披露した以外、すべてアコースティック・ギターとハーモニカによる弾き語りであるという点ではそれまでの[[フォークソング]]のスタイルと変らないが、曲調の上では「アイ・ドント・ビリーヴ・ユウ」や「哀しきベイブ」などにすでにロックの影響が認められる。[[バーズ]]は「オール・アイ・リアリー・ウォント」「スパニッシュ・ハーレム・インシデント」「自由の鐘」「[[マイ・バック・ページズ]]」を[[フォークロック]]のスタイルでカバーしており、[[タートルズ]]も「哀しきベイブ」をカバーしてヒットさせた。以上のことから、次作の『[[ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム]]』(1965年)と共に、フォークロックの始発点に位置づけられるアルバムと言える。 |
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歌詞の面では、「スパニッシュ・ハーレム・インシデント」 「自由の鐘」「マイ・バック・ペ |
歌詞の面では、「スパニッシュ・ハーレム・インシデント」 「自由の鐘」「マイ・バック・ページズ」などで、特定の事柄を描かず、暗喩もしくはシュールなイメージによって性や内面心理・自由の問題などを象徴的に描く作詞法が目立つようになる。この作詞法も後のロックの歌詞に大きな影響を与えることになった。 |
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LP盤裏ジャケットには前作同様、ディラン自身の長編詩が記載されたが前作では読みやすい大きさの活字で記載しきれない部分はインナースリーヴに封入されたが今作ではそのサービスは止め、小さい活字で裏ジャケットに全編を無理矢理、押し込めていた。 |
LP盤裏ジャケットには前作同様、ディラン自身の長編詩が記載されたが前作では読みやすい大きさの活字で記載しきれない部分はインナースリーヴに封入されたが今作ではそのサービスは止め、小さい活字で裏ジャケットに全編を無理矢理、押し込めていた。 |
2009年7月20日 (月) 14:17時点における版
『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン Another Side of Bob Dylan』 | ||||
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ボブ・ディラン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1964年6月9日 アメリカ合衆国 ニュー・ヨーク コロムビア・レコーディング・スタジオ | |||
ジャンル | フォーク | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア | |||
プロデュース | トム・ウィルソン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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ボブ・ディラン アルバム 年表 | ||||
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『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』(Another Side of Bob Dylan)は、1964年にリリースされたボブ・ディランの4枚目のスタジオ・アルバム。アメリカ、ビルボード・チャートで43位、イギリス、全英アルバム・チャートで1965年に8位を記録した。
解説
「黒いカラスのブルース」で初めてピアノ演奏を披露した以外、すべてアコースティック・ギターとハーモニカによる弾き語りであるという点ではそれまでのフォークソングのスタイルと変らないが、曲調の上では「アイ・ドント・ビリーヴ・ユウ」や「哀しきベイブ」などにすでにロックの影響が認められる。バーズは「オール・アイ・リアリー・ウォント」「スパニッシュ・ハーレム・インシデント」「自由の鐘」「マイ・バック・ページズ」をフォークロックのスタイルでカバーしており、タートルズも「哀しきベイブ」をカバーしてヒットさせた。以上のことから、次作の『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』(1965年)と共に、フォークロックの始発点に位置づけられるアルバムと言える。
歌詞の面では、「スパニッシュ・ハーレム・インシデント」 「自由の鐘」「マイ・バック・ページズ」などで、特定の事柄を描かず、暗喩もしくはシュールなイメージによって性や内面心理・自由の問題などを象徴的に描く作詞法が目立つようになる。この作詞法も後のロックの歌詞に大きな影響を与えることになった。
LP盤裏ジャケットには前作同様、ディラン自身の長編詩が記載されたが前作では読みやすい大きさの活字で記載しきれない部分はインナースリーヴに封入されたが今作ではそのサービスは止め、小さい活字で裏ジャケットに全編を無理矢理、押し込めていた。
収録曲
全曲ボブ・ディラン作詞・作曲
Side 1
- オール・アイ・リアリー・ウォント - All I Really Want to Do – 4:04
- 黒いカラスのブルース - Black Crow Blues – 3:14
- スパニッシュ・ハーレム・インシデント - Spanish Harlem Incident – 2:24
- 自由の鐘 - Chimes of Freedom – 7:10
- アイ・シャル・ビー・フリーNo.10 - I Shall Be Free No. 10 – 4:47
- ラモーナに - To Ramona – 3:52
Side 2
- 悪夢のドライブ - Motorpsycho Nitemare – 4:33
- マイ・バック・ペイジズ - My Back Pages – 4:22
- アイ・ドント・ビリーヴ・ユウ - I Don't Believe You (She Acts Like We Never Have Met) – 4:22
- Dのバラッド - Ballad in Plain D – 8:16
- 哀しきベイブ - It Ain't Me Babe – 3:33
アウトテイク
このレコーディング・セッションは、わずか1日で計15曲を録音し、そのうち11曲が収録された。アウトテイクは、「ミスター・タンブリン・マン」、「ママ・ユー・ビーン・オン・マイ・マインド」、 "Denise" 、 "California" の4曲。
ジャック・エリオットとデュエットで「ミスター・タンブリン・マン」が録音されたが、アルバムには収録されなかった。後にソロで再録音し『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』(1965年)に収録。ジャック・エリオットとのバージョンは『ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンドトラック』(2005年)に収録されている。また「ママ・ユー・ビーン・オン・マイ・マインド」は、『ブートレッグ・シリーズ第1〜3集』(1991年)に収録されている。 "Denise" と "California" は、「黒いカラスのブルース」の歌詞を変えたもので、未発表。 "California" は、リメイクされ『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』の「アウトロー・ブルース」として発表された。