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「涼宮ハルヒシリーズの登場人物」の版間の差分

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: キョンが物語の視点となっており、発生する事件のほぼ全てに立ち会っている。基本的にはキョンの目線で物語が描かれているが、アニメオリジナルストーリーの「サムデイ イン ザ レイン」(谷川流本人が脚本を担当)では例外として、キョンが出掛けている間、ハルヒや他の団員らがどんな風に過ごしているかという、キョンの視点では見られない物語が描かれている。
: キョンが物語の視点となっており、発生する事件のほぼ全てに立ち会っている。基本的にはキョンの目線で物語が描かれているが、アニメオリジナルストーリーの「サムデイ イン ザ レイン」(谷川流本人が脚本を担当)では例外として、キョンが出掛けている間、ハルヒや他の団員らがどんな風に過ごしているかという、キョンの視点では見られない物語が描かれている。
: 性格は[[事なかれ主義]]。理屈っぽくよく愚痴をこぼすが、人付き合いは良くお人好し。しかし、限度を超えた自己中心歩きをするハルヒに[[堪忍袋]]の緒を切らしたり<ref>第2巻『溜息』194頁以降では、朝比奈みくるを際限なくオモチャにしようとしたハルヒに怒りをぶつけている。</ref>、長門の処分を検討し始めた情報統合思念体に啖呵を切ったり(第4巻『消失』末尾)と、熱い一面も持っている。
: 性格は[[事なかれ主義]]。理屈っぽくよく愚痴をこぼすが、人付き合いは良くお人好し。しかし、限度を超えた自己中心歩きをするハルヒに[[堪忍袋]]の緒を切らしたり<ref>第2巻『溜息』194頁以降では、朝比奈みくるを際限なくオモチャにしようとしたハルヒに怒りをぶつけている。</ref>、長門の処分を検討し始めた情報統合思念体に啖呵を切ったり(第4巻『消失』末尾)と、熱い一面も持っている。
: 女心には鈍感。しかし硬派というわけではなく、朝比奈みくるに対しては「付き合いたい」ともらした事もあり、また彼女にデートに誘われて大喜びもする。
: 過去に女性と付き合った経験はない(と自覚している)ためか、女心には鈍感。しかし硬派というわけではなく、朝比奈みくるに対しては「付き合いたい」ともらした事もあり、また彼女にデートに誘われて大喜びもする。
: [[涼宮ハルヒシリーズ#用語|「機関」]]の調査によれば間違いなく普通の一般人とのことだが、ハルヒに選ばれた人間として、またハルヒを動かす切り札として涼宮ハルヒを取り巻く各組織からは、「鍵」として重要視されている。事実、SOS団内でもハルヒに対して意見をする人間はキョンだけで、他のメンバーはほとんど意見出さない。
: [[涼宮ハルヒシリーズ#用語|「機関」]]の調査によれば間違いなく普通の一般人とのことだが、ハルヒに選ばれた人間として、またハルヒを動かす切り札として涼宮ハルヒを取り巻く各組織からは、「鍵」として重要視されている。事実、SOS団内でもハルヒに対して面と向かって叱責できる人間はキョンだけで、他のメンバーはそのような行動とらない。
: 当初はSOS団の中でも一般人として傍観者の立場を決め込んでいたが、第4巻『消失』の事件で世界が超常現象とは無縁の平凡な日常に変わってしまった際、自分がSOS団として活動する非日常な世界を楽しんでいたことに気づき、そのことを受け入れた。
: 当初はSOS団の中でも一般人として傍観者の立場を決め込んでいたが、第4巻『消失』の事件で世界が超常現象とは無縁の平凡な日常に変わってしまった際、自分がSOS団として活動する非日常な世界を楽しんでいたことに気づき、そのことを受け入れた。
:; ジョン・スミス
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: 声 - [[小野大輔]]
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: 北高1年9組(第9巻『分裂』より2年9組)の男子生徒にして、SOS団副団長。身長178cm。5月という半端な時期に転入してきたことから、ハルヒに「'''謎の転校生'''」としてSOS団に勧誘された。いつも微笑を浮かべ穏和な物腰をしており、同級生に対しても常に敬語を使う。在籍している1年9組は、理数系の特別進学クラス。頭も運動神経もよく、美形でもあり(キョン曰く「適当なポーズをとらせてスーパーのチラシにモデルとして採用したら、コアなファンがつきそうなルックス」「女子高生の5人に1人は振り向く」)、学校でも女子からの人気は高い様子。第3巻『退屈』収録「孤島症候群」でSOS団夏休み合宿の功績により、ハルヒから副団長に任命される。
: 北高1年9組(第9巻『分裂』より2年9組)の男子生徒にして、SOS団副団長。身長178cm。5月という半端な時期に転入してきたことから、ハルヒに「'''謎の転校生'''」としてSOS団に勧誘された。いつも微笑を浮かべ穏和な物腰をしており、同級生に対しても常に敬語を使う。在籍している1年9組は、理数系の特別進学クラス。頭も運動神経もよく、美形でもあり(キョン曰く「適当なポーズをとらせてスーパーのチラシにモデルとして採用したら、コアなファンがつきそうなルックス」「女子高生の5人に1人は振り向く」)、学校でも女子からの人気は高い様子。第3巻『退屈』収録「孤島症候群」でSOS団のゴージャスな夏休み合宿の企画立案の功績により、ハルヒから副団長に任命される。
: 正体は'''[[超能力者]]'''であり、その集団である組織・「機関」に所属する。ハルヒの精神状態の不安定が原因で発生する「[[涼宮ハルヒシリーズ#用語|閉鎖空間]]」への侵入と、その中で破壊活動を行なう「[[涼宮ハルヒシリーズ#用語|神人]]」を倒す能力をもつ。閉鎖空間内では戦闘能力を発揮でき、第3巻『退屈』収録の「ミステリックサイン」では、10分の1の力でも巨大な怪物カマドウマを難無く撃破した。ただし超能力者と言っても上記以外の特殊能力はなく、閉鎖空間やそれに準じた異空間でなければ能力を発揮できない。職務に関連してハルヒの精神面に気を配っており、彼女の内心をそれとなくキョンに伝えることもある。ハルヒを刺激することを避けるため基本的にイエスマンで、ハルヒには自分の意見をあまり言わずに曖昧な態度を取ることが多い。ただし本人曰く、現在の性格や表情などは「ハルヒの願望」に沿った演技であるらしく、そうした演技を強いられる不満をキョンに漏らしたこともある。[[ボードゲーム]]や[[カードゲーム]]などの[[アナログゲーム]]が好きだが、その割に弱く、キョンにはいつも負けている。そのあまりの弱さ故、キョンに「わざと負けてるんじゃないか?」などと疑惑を抱かれているが真偽は不明。
: 正体は'''[[超能力者]]'''であり、その集団である組織・「機関」に所属する。ハルヒの精神状態の不安定が原因で発生する「[[涼宮ハルヒシリーズ#用語|閉鎖空間]]」への侵入と、その中で破壊活動を行なう「[[涼宮ハルヒシリーズ#用語|神人]]」を倒す能力をもつ。閉鎖空間内では戦闘能力を発揮でき、第3巻『退屈』収録の「ミステリックサイン」では、10分の1の力でも巨大な怪物カマドウマを難無く撃破した。ただし超能力者と言っても上記以外の特殊能力はなく、閉鎖空間やそれに準じた異空間でなければ能力を発揮できない。職務に関連してハルヒの精神面に気を配っており、彼女の内心をそれとなくキョンに伝えることもある。ハルヒを刺激することを避けるため基本的にイエスマンで、ハルヒには自分の意見をあまり言わずに曖昧な態度を取ることが多い。ただし本人曰く、現在の性格や表情などは「ハルヒの願望」に沿った演技であるらしく、そうした演技を強いられる不満をキョンに漏らしたこともある。[[ボードゲーム]]や[[カードゲーム]]などの[[アナログゲーム]]が好きだが、その割に弱く、キョンにはいつも負けている。そのあまりの弱さ故、キョンに「わざと負けてるんじゃないか?」などと疑惑を抱かれているが真偽は不明。
: SOS団では「解説役」のポジションにあり、毎回キョンには自分の推論をもっともらしく話したり、煙に巻くような言動をとることが多い。しかし何か問題が発生したときには、キョン、長門と共に解決策を講じる。当初は「機関」の方針である「現状維持」に従い、SOS団のメンバーに対して、何事にもハルヒの機嫌を損ねないことが最優先といった態度を取り、一歩引いたところからハルヒらを観察していることが多く、キョンとは険悪な雰囲気になることも少なくなかった。だが、現在では両者とも随分うち解けた様子である。また、ハルヒについては「魅力的に思う」などの好意的な発言を多々残しており、彼女に関してはそれなりに好意を抱いている節がある。
: SOS団では「解説役」のポジションにあり、毎回キョンには自分の推論をもっともらしく話したり、煙に巻くような言動をとることが多い。しかし何か問題が発生したときには、キョン、長門と共に解決策を講じる。当初は「機関」の方針である「現状維持」に従い、SOS団のメンバーに対して、何事にもハルヒの機嫌を損ねないことが最優先といった態度を取り、一歩引いたところからハルヒらを観察していることが多く、キョンとは険悪な雰囲気になることも少なくなかった。だが、現在では両者とも随分うち解けた様子である。また、ハルヒについては「魅力的に思う」などの好意的な発言を多々残しており、彼女に関してはそれなりに好意を抱いている節がある。

2009年8月8日 (土) 01:52時点における版

涼宮ハルヒシリーズ > 涼宮ハルヒシリーズの登場人物

涼宮ハルヒシリーズの登場人物では、谷川流ライトノベル作品『涼宮ハルヒ』シリーズおよび同作のアニメ版である『涼宮ハルヒの憂鬱』の登場人物について記述する。

  • 原作の出典については、本来のタイトルである「涼宮ハルヒの○○」の「○○」の部分のみで表記する。(例:第1巻『憂鬱』)
  • 年齢・学年は物語開始時のもの。第9巻『分裂』より進級している。主人公キョン他フルネーム・本名がない人物は設定されていない。
  • 声は、アニメ・ゲーム・ドラマCDにおける声優
  • 登場人物の身長のデータは、アニメにおける設定。

注意:以降の記述には涼宮ハルヒシリーズに関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


SOS団

キョン(本名不明)
声 - 杉田智和
本作の主人公。県立北高校1年5組(第9巻『分裂』から2年5組)の男子生徒であり、SOS団団員その1。身長170cm。全作品を通しての語り手であり、ツッコミ役も兼ねる。涼宮ハルヒ絡みの厄介ごとを背負い込む苦労人で、「やれやれ」が口癖。あまり自己主張こそしないが、時に優れた洞察力や行動力を発揮し、危機的状況に陥っても冷静な面がある。映画や文学、古今東西の故事や歴史、宗教、偉人の言動、および様々な科学分野の専門用語などをたびたび引用、暗喩、婉曲表現する衒学家でもあるが、学業の成績はSOS団内で一番(唯一)悪く、定期試験の結果は赤点ギリギリである[1]
「キョン」というのはあだ名で、彼の叔母が彼の本名をもじって呼び、それを彼の妹が広めたもの(第1巻『憂鬱』27頁)。本名は作中で一度も呼ばれたことがないため不明[2]だが、佐々木(後述)によれば「読み方から『キョン』というあだ名は連想できないが、文字は連想でき、どことなく高貴で壮大なイメージを思わせる」とのこと(第9巻『分裂』84頁)。なお、本人はあだ名で呼ばれることは快く思ってはいない様子。家族構成は、両親と妹[3]
キョンが物語の視点となっており、発生する事件のほぼ全てに立ち会っている。基本的にはキョンの目線で物語が描かれているが、アニメオリジナルストーリーの「サムデイ イン ザ レイン」(谷川流本人が脚本を担当)では例外として、キョンが出掛けている間、ハルヒや他の団員らがどんな風に過ごしているかという、キョンの視点では見られない物語が描かれている。
性格は事なかれ主義。理屈っぽくよく愚痴をこぼすが、人付き合いは良くお人好し。しかし、限度を超えた自己中心歩きをするハルヒに堪忍袋の緒を切らしたり[4]、長門の処分を検討し始めた情報統合思念体に啖呵を切ったり(第4巻『消失』末尾)と、熱い一面も持っている。
過去に女性と付き合った経験はない(と自覚している)ためか、女心には鈍感。しかし硬派というわけではなく、朝比奈みくるに対しては「付き合いたい」ともらした事もあり、また彼女にデートに誘われて大喜びもする。
「機関」の調査によれば間違いなく普通の一般人とのことだが、ハルヒに選ばれた人間として、またハルヒを動かす切り札として涼宮ハルヒを取り巻く各組織からは、「鍵」として重要視されている。事実、SOS団内でもハルヒに対して面と向かって叱責できる人間はキョンだけで、他のメンバーはそのような行動をとらない。
当初はSOS団の中でも一般人として傍観者の立場を決め込んでいたが、第4巻『消失』の事件で世界が超常現象とは無縁の平凡な日常に変わってしまった際、自分がSOS団として活動する非日常な世界を楽しんでいたことに気づき、そのことを受け入れた。
ジョン・スミス
第3巻『退屈』収録の「笹の葉ラプソディ」および以降の巻において、3年前の七夕の夜に時間遡行したキョンが、当時中学1年生のハルヒに対して名乗った偽名。この時のハルヒとジョンの出会いがSOS団結成の遠因となっており、「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団(SOS団)」という名称も「世界を大いに盛り上げるためのジョン・スミスをよろしく!!」という彼の発言が元と思われる。ハルヒは「ジョン=キョン」という事実に気づいていないが、初めてキョンと会話が成立した際に、それを疑うような発言をしている(第1巻『憂鬱』29頁)。
第4巻『消失』において、キョンは改変された世界のハルヒに対してこの名前を使用し、世界を修復するチャンスを得た。以後この名前は、ハルヒの力を目覚めさせる切り札として封印している。
なお、この「ジョン・スミス」(John Smith) という名前は、英語圏におけるありふれた名前の象徴であり、日本で言うところの「山田太郎」に相当する。
涼宮 ハルヒ(すずみや はるひ)
声 - 平野綾
本作のヒロイン。北高1年5組(第9巻『分裂』より2年5組)の女子生徒にして、SOS団団長。身長158cm。黒髪黒目[5]の美少女。キョンと同じクラスで、キョンのすぐ後ろの席に座る(何回席替えをしても、ハルヒの能力のためか位置関係は不変)。入学当初は腰まで伸びるストレートヘアで、曜日ごとに髪形を変えていたが、現在は肩にかかる程度の長さで揃え、黄色いリボン付きカチューシャを着けている。プロポーションは、キョン曰く「スレンダーだが、出るとこは出ている」(第1巻『憂鬱』88頁)。
美人で、成績も上位に位置しており[6]、身体能力も高く、第1巻『憂鬱』ではどの運動部からも熱心に入部を薦められていたほど。また料理[7]、楽器演奏[8]、歌唱[8]、人物画作成[9]など多彩な才能を持っており、キョン曰く「性格以外は欠点は無い」。その性格唯我独尊傍若無人猪突猛進かつ極端な負けず嫌いで「校内一の変人」としてその名は知れ渡っている。感情の起伏が激しく、情緒不安定になりやすい。退屈を嫌っており、何か面白いことをいつも探している。目的のためには手段を選ばず、時には恐喝強奪、果ては見知らぬ人にモデルガンを射撃する等まで躊躇なく行なう。自分の都合のいい言葉しか耳に入らず、それ以外の言葉は聞き流す。"地"の性格が露呈する以前の東中時代は多くの男子に告白されて、必ずOKしていたがことごとく振った[10]。朝比奈みくるや鶴屋さん、生徒会長(いずれも後述)など、年上の人物に対しても敬語を使わずタメ口でものを言う(初対面の者との挨拶などは、例外的に敬語を使う)。宇宙人等の不思議な存在がいて欲しいと思う反面、そんなものはいるはずない(少なくともそう簡単に見つかるはずがない)とも思っている矛盾した思考形態を持っている[11]
「恋愛感情は一時の気の迷いで精神病の一種」・「人の恋路を面白がって邪魔するようなことはしない」[12]という持論を持つが、キョンの過去の恋愛をやけに気にしたりする面も持つ。この姿勢について古泉からは「分かっているようで分かっていない。同年代の女子に比べて老成した思考を持っているわけではなく、ひねくれたポーズをつけたがっているだけ」と分析された(第9巻『分裂』91頁)。
実は「どんな非常識なことでも思ったことを実現させる」という、にもなぞらえられるほどの力を持っており、そのため様々な組織が彼女に関心を抱いている。だが本人はその力に全く気付いておらず、無自覚の内にそれは具現化され、キョン達は毎度それに翻弄されている。その力のおよぶ範囲、期間等はハルヒの機嫌や望みの強さに影響されるため、法則性がない。なお彼女の能力が際限なく発揮されたりせず、世界がいまだにバランスを保っている点について、古泉は「彼女自身が奇抜な言動に反し常識的な精神をしており、不可思議な物事を心のどこかで否定しているからである」と推測している。一方でみくるは、「ハルヒの力は『世界を変える』ものではなく、最初から起こることであった『超自然的存在を無自覚に発見する能力』」としており、組織によって見解は異なっている。第1巻『憂鬱』時からみて、3年前の中学1年の頃に何か(「情報の爆発」や「時空の断裂」や「超能力者の発生」を引き起こすようなこと。校庭に不可思議な絵を描いたこと自体ではない)をしたらしいが、詳細は不明。
長門 有希(ながと ゆき)
声 - 茅原実里
北高1年6組(第9巻『分裂』より2年)の女子生徒にして、唯一の文芸部員。身長154cm。ハルヒが文芸部室を乗っ取った際、SOS団団員その2として組み入れられた。ハルヒ曰く「SOS団に不可欠な無口キャラ」。いつも無口で無表情だが、知識欲、食欲は旺盛。谷口曰く「容姿はAランク-(マイナー)」(第1巻『憂鬱』253頁より)。読書を好み、いつも何かしらの本[13]を読んでいる。感情表現に乏しく、表情の変化はほとんどない上、口を開いても淡々と短い言葉でしか話さない。しかしキョンは、長門の表情のナノ単位の動きから感情を読み取れると自負している。自宅室内を含むほとんどの場面で北高の制服を着ており、冬場はその上にダッフルコートを着ている[14]。起伏の小さい体型で、キョン曰く体重も軽い[15]
その正体は、情報統合思念体によって造られた、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースであり、簡単に言えば宇宙人。派閥は、主流派に属する。ハルヒの能力が活性化した、第1巻『憂鬱』の舞台になった時間より3年前頃に生み出された[16]。平時の動作は極めて少ないが、環境情報を改ざんすることができるため、いざというときには常識の範疇を越える身体能力を発揮する。SOS団の中でも飛び抜けて万能であり[17]、メンバーからの信頼も厚い。
駅近くにある分譲マンションの708号室で1人暮らしをしていて、第1巻『憂鬱』ではキョンを自室に招き入れたこともあった。それ以後も、キョンは何か問題が起こるとしばしば長門の部屋を訪れる事になる。
キョンに好意を抱いているようで、彼の言うことなら素直に従うだけでなく、最終的な決定を委ねることも多い。当初はメガネを着用していたが、第1巻『憂鬱』でキョンに「眼鏡をしてない方が可愛いと思うぞ」と言われて以来かけなくなった。
入学当初は情報統合思念体から与えられた多くの情報操作能力を有していたが、より自由に活動をしたいという思いから、自らの能力を意図的に封印して人間らしい一面を手に入れている。いつか長門がふつうの女子高生になる日は遠くないとキョンは推測しており、それを願っている。
情報操作能力に枷をはめた状態でも、コンピュータに関しては高度な技術を発揮する。第5巻『暴走』収録の「射手座の日」でのコンピュータ研究部とのゲーム対決ではSOS団を勝利に導き、その後はコンピュータ研究部に準部員としてたまに訪れている。第9巻『分裂』ではすべてのアプリケーションに対応した自作OSを載せた自作パソコンを置いており、コンピ研部長曰く「世界最強にコンピュータと相性のいい逸材」。
朝比奈 みくる(あさひな みくる)
声 - 後藤邑子
北高2年2組[18](第9巻『分裂』より3年)の女子生徒にして、SOS団副々団長兼書記。身長152cm。ハルヒが「ロリ巨乳萌えマスコット的キャラ」として拉致してきた。キョンに「朝比奈さんより可愛い生物はいない」、谷口に「朝比奈さんを泣かせることは学校の半分(男子全員)を敵にする」と言われるほどの超美少女であり、北高のアイドル。元々は書道部に在籍していたがハルヒによって退部させられ、SOS団専属のメイド兼マスコットとなる。第8巻『陰謀』で、バレンタインデーの翌日に実施したイベントで巫女に扮し、団の活動費を調達した功績により、ハルヒから副々団長に任命された。
真面目で気が弱い性格。特に長門に対しては恐縮し、遠慮がちな態度を取る。ハルヒに玩具扱いされ、毎回様々なコスプレバニーガールメイドなど)をさせられている。しかし、今では強制されたはずのメイドやお茶くみについて勉強したりと、現在の立場をそれなりに楽しんでいる。左胸の上に星形のほくろがある。運動神経は悪い。
その正体は、はるか未来から来た未来人でハルヒの監視係だが、まだ研修生以下の見習いレベルでほとんど権限が無い。そのため未来の情報について話せないことが多く、その場合は「禁則事項です」で返答する。上記のように権限が無いことからか、何一つ状況を知らされていないことが多く、パニックに陥ることもしばしば[19]。長門や古泉のように特別な力というものもほとんどなく、脳内に無形で存在するTPDDを利用した、限定的な時空移動しかできない(しかも利用は任意ではなく許可制)ため、能力的にはほとんど普通の人間である。名目上はキョン達の一年先輩だが、実年齢は不明。
第6巻『動揺』の「朝比奈みくるの憂鬱」では、研修生以下の今の自分を非力だと思い落ち込むが、キョンに今を含めたありのままの自分を肯定され、立ち直った。
未来人であるが故か、船が浮力で浮いている事や浴衣が日本の伝統的服飾である事など、今の時代では当たり前のことも知らないことが多い。
朝比奈 みちる
キョンが鶴屋さん(後述)に、一週間先の未来から来た朝比奈みくるを紹介するときに使った偽名。朝比奈みくるの生き別れた双子の妹という設定にされた。
朝比奈さん(大)
みくるの数年後の姿(長門は「異時間同位体」と呼称している)で、現在よりずっと背が伸び、スタイルもさらに良くなっている。キョン曰く「見る者全てを恋に落とす美貌を持つ」。第1巻『憂鬱』から度々登場し、第3巻『退屈』収録の「笹の葉ラプソディ」以降は「朝比奈さん(大)」として、現在の「朝比奈さん(小)」と区別されている。朝比奈さん(小)からかなり昇進したらしく、朝比奈さん(小)にとって伝えることが禁則事項となっている情報をキョンに教えることもある。勘違いから、自分の胸元に星型のほくろがあることをキョンに口走ってしまった。
第1巻『憂鬱』では本人曰く教師風の服装で登場しており、その後もその服装で登場している。説明のない不可解な行動を取ることが多く、キョン達をしばしば困惑させる。基本的にキョンや長門の前にだけ出現し、朝比奈さん(小)には存在自体が秘密になっている。古泉の前には、意見の相違が原因であるのかは不明だが姿を現したことはない。なお、朝比奈さん(小)(大)ともに長門が苦手な様子。
第7巻『陰謀』の終盤では、朝比奈さん(小)に対する扱いがあまりにも理不尽だったため、キョンの不興を買ってしまった。
古泉 一樹(こいずみ いつき)
声 - 小野大輔
北高1年9組(第9巻『分裂』より2年9組)の男子生徒にして、SOS団副団長。身長178cm。5月という半端な時期に転入してきたことから、ハルヒに「謎の転校生」としてSOS団に勧誘された。いつも微笑を浮かべ穏和な物腰をしており、同級生に対しても常に敬語を使う。在籍している1年9組は、理数系の特別進学クラス。頭も運動神経もよく、美形でもあり(キョン曰く「適当なポーズをとらせてスーパーのチラシにモデルとして採用したら、コアなファンがつきそうなルックス」「女子高生の5人に1人は振り向く」)、学校でも女子からの人気は高い様子。第3巻『退屈』収録「孤島症候群」でSOS団のゴージャスな夏休み合宿の企画立案の功績により、ハルヒから副団長に任命される。
正体は超能力者であり、その集団である組織・「機関」に所属する。ハルヒの精神状態の不安定が原因で発生する「閉鎖空間」への侵入と、その中で破壊活動を行なう「神人」を倒す能力をもつ。閉鎖空間内では戦闘能力を発揮でき、第3巻『退屈』収録の「ミステリックサイン」では、10分の1の力でも巨大な怪物カマドウマを難無く撃破した。ただし超能力者と言っても上記以外の特殊能力はなく、閉鎖空間やそれに準じた異空間でなければ能力を発揮できない。職務に関連してハルヒの精神面に気を配っており、彼女の内心をそれとなくキョンに伝えることもある。ハルヒを刺激することを避けるため基本的にイエスマンで、ハルヒには自分の意見をあまり言わずに曖昧な態度を取ることが多い。ただし本人曰く、現在の性格や表情などは「ハルヒの願望」に沿った演技であるらしく、そうした演技を強いられる不満をキョンに漏らしたこともある。ボードゲームカードゲームなどのアナログゲームが好きだが、その割に弱く、キョンにはいつも負けている。そのあまりの弱さ故、キョンに「わざと負けてるんじゃないか?」などと疑惑を抱かれているが真偽は不明。
SOS団では「解説役」のポジションにあり、毎回キョンには自分の推論をもっともらしく話したり、煙に巻くような言動をとることが多い。しかし何か問題が発生したときには、キョン、長門と共に解決策を講じる。当初は「機関」の方針である「現状維持」に従い、SOS団のメンバーに対して、何事にもハルヒの機嫌を損ねないことが最優先といった態度を取り、一歩引いたところからハルヒらを観察していることが多く、キョンとは険悪な雰囲気になることも少なくなかった。だが、現在では両者とも随分うち解けた様子である。また、ハルヒについては「魅力的に思う」などの好意的な発言を多々残しており、彼女に関してはそれなりに好意を抱いている節がある。
物語が進むにつれ、気持ちの変化が見られる表現が出てくるようになる。第5巻『暴走』収録の「雪山症候群」では、「長門が窮地に追い込まれ、それが「機関」にとって好都合なことなのだとしても、「機関」を裏切ってキョンに味方する」と発言している。また、第7巻『陰謀』では「自分も初対面時には予想もできなかったほどの好意をSOS団に抱いている」と述べ、さらに今や自分の所属団体は「機関」ではなく、SOS団という少数派ではないかと考えるようになりつつあるとまで言っている。

北高関係者

朝倉 涼子(あさくら りょうこ)
声 - 桑谷夏子
1年5組の女子生徒で委員長。身長160cm。長門と同じマンションの505号室に住んでいる。美人で人当たりの良い優等生であり、男女を問わず人気が高い。谷口曰く「容姿はAAランク+(プラス)」(第1巻『憂鬱』22頁より)。
しかしその正体は、長門と同じく情報統合思念体に造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースであり、急進派に属する。元々の役割は長門のバックアップであったが、ハルヒが起こすであろう情報爆発を観測するため、独断でキョンの殺害を企てる。しかし計画を長門に阻止され、戦闘の末に敗れ消滅させられる。その後は長門の情報操作により、急遽父親の都合でカナダへ引っ越したことにされた。
第4巻『消失』では、改変された世界で再登場。長門を気に掛け、守ろうとする態度をとる。
鶴屋さん(つるや さん)
声 - 松岡由貴
朝比奈みくるの同級生で友人の2年生(第9巻『分裂』より3年)の女子生徒。身長160cm。ハルヒにより、SOS団名誉顧問に任命される。テンションは常に高くてノリがよく、面白いことが大好きなのでハルヒとも気が合う。背が高いスレンダー系の八重歯の美少女。「めがっさ」「-にょろ」「ハルにゃん(ハルヒのこと)」などの独特な言い回しを用いる。身体能力は高く、第4巻『消失』でみくるに無理に迫ったキョンを返り討ちにしたほど。文学的才能にも恵まれ[20]、勘が鋭く洞察力に富む。原作では「準団員」の中でも、巻が進むほど登場回数が増えていく。
実家は代々続く名家で、実は古泉の所属する「機関」のスポンサーの一つでもある。鶴屋家と「機関」の間には相互不可侵の取り決めがあり、エージェントとしての古泉も次代当主の彼女には手を出さないよう厳命されていたが、ハルヒの能力のためかそうはならなかった。
SOS団の内情や学校内での各組織の暗躍を直感に近い感覚で把握していると思われ、キョンにそれとなく明かしては驚愕させることもしばしばある。ただしSOS団に関しては、メンバーが楽しそうにしているのを見ることだけが好きで自分で参加するつもりはないと述べており、ハルヒもなぜか彼女を正団員に誘うことはない(第7巻『陰謀』第二章より)。『陰謀』エピローグでは、鶴屋家所有の山(通称・鶴屋山)から掘り出された不思議な出土品(オーパーツ)の出自にかこつけて、「未来人か宇宙人だったら、どっちがいい? 今のうちに決めといた方がいいかも」とキョンに意味深な問いかけをした。
谷口(たにぐち)
声 - 白石稔
1年5組(第9巻『分裂』より2年5組)の男子生徒。身長170cm。キョンの悪友で、オールバックが特徴。成績は、常にキョンととも赤点ギリギリ。軽い性格でナンパ癖があり、気に入った女子に勝手にランク付けをしたりと本人はプレイボーイを気取っているが、ハルヒやキョンからは「アホの谷口」と呼ばれている。たまにSOS団のイベントに駆り出されるが、口では文句を言いつつも、予定をキャンセルしてまで参加するなど割と楽しんでいる様子(第2巻『溜息』)。
ハルヒとは、クラスが中学から高校2年までの5年間連続して一緒であり、中学時代にハルヒが行った奇行の数々を目の当たりにしている。そのため、ハルヒに興味を持ちつつあったキョンに対して、「もし涼宮に気があるなら、やめとけ」と忠告している(第1巻『憂鬱』17頁)。また上記のような理由から、キョンに「機関」の一員ではないかと疑われたこともある(第1巻『憂鬱』165頁)。
第4巻『消失』の改変された世界でも、ハルヒとは中学が一緒だった。そのためハルヒの所在を知っており、キョンにそれを教えたことで世界を元に戻すチャンスを与えた。
ツガノガク版漫画にはアホ毛無しの谷口が登場しているが、アニメの谷口にはアホ毛がある。
国木田(くにきだ)
声 - 松元恵
1年5組(第9巻『分裂』より2年5組)の男子生徒。身長166cm。キョンとは、中学からの友人。どこか飄々とした性格をしており、成績は優秀(佐々木曰く「国木田には相応の学校がある」)。谷口とともに、SOS団のイベントにたまに駆り出される。SOS団の活動に消極的な谷口とは違い、やや協力的である。
阪中(さかなか)
1年5組(第9巻『分裂』より2年)の女子生徒。裕福な家庭に住む、おっとりとしたお嬢様。好きであり、「ルソー」という愛犬を飼っている。語尾に「-のね」と付けることが多い。
球技大会のバレーボールではセッターとして、ハルヒに的確なトスを上げていた。
第4巻『消失』にて苗字のみ登場。その後、第8巻『憤慨』収録の「ワンダリング・シャドウ」で初登場。SOS団にある相談を持ちかける。
涼宮ハルヒの直列』にも苗字のみ登場しており、その際コーラス部の所属である事が判明している。
岡部先生(おかべ -)
声 - 柳沢栄治
1年5組(第9巻『分裂』より2年5組)の担任を務める若い男性の体育教師で、ハンドボール部顧問。キョンや谷口などの成績不振者に個人的に面談の場を設けるなど、生徒のことは親身に考えており、キョンは比較的彼に好印象を抱いている(第8巻『憤慨』より)。
コンピュータ研究部部長(アニメ版ではコンピューター研究会部長)
声 - 小伏伸之
2年生(第9巻『分裂』より3年)の男子生徒。文芸部室の2つ隣にある、コンピュータ研究部(コンピ研)の部長。
ハルヒに、みくるへのでっち上げセクハラ写真を撮られて部員ともども脅迫され、新機種のパソコンを強奪された[21]。その後もハルヒにいいように扱われ続けている。
SOS団とのオンラインゲーム対戦で、自作のゲームに仕込んだインチキを見破られ、その上ゲームプレイ中にプログラムを簡単に書き換えられてしまったことをきっかけに、長門を天才的なプログラマーとして尊敬しており、第9巻『分裂』では彼女に文芸部と兼部してもらい次期部長になってもらおうと考えている。
なお、本名は「ミステリックサイン」において喜緑から言及されはしたものの、アニメでは猫の鳴き声で伏せられた。
喜緑 江美里(きみどり えみり)
声 - 白鳥由里
2年生(第9巻『分裂』より3年)の女子生徒。生徒会役員で、執行部筆頭と書記を兼任している。SOS団に行方不明の彼氏の捜索を依頼した「悩み相談者第1号」でもある。
その正体は長門や朝倉と同じく、情報統合思念体に造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースである。古泉は「一度暴走を起こした長門の監視役」と推測している。彼女がどこの派閥に属しているかは、現時点では確認されていない。
第3巻『退屈』収録の「ミステリックサイン」で初登場。第8巻『憤慨』収録の「編集長★一直線!」、第9巻『分裂』にも生徒会長と共に登場しているほか、第9巻『分裂』第2章のβ-4において、喫茶店ウェイトレスアルバイトをしていた。このときは、北高の生徒会役員は原則としてアルバイトが禁止されているので、キョンに対して「会長には内密に」と耳打ちしている。
生徒会長(本名不明)
2年生(第9巻『分裂』より3年)の男子生徒。冷徹・陰湿な生徒会長(鶴屋さん曰く「三国志で言えば司馬懿」)で、SOS団を疎ましく思っている。しかしその実態は「機関」の外部協力者で、「涼宮ハルヒが望む生徒会長らしい生徒会長」を演じている。その仮面の下はかなり含むところがあり、その裏側を隠しているいわゆる不良ではあるが、本来の性格はある意味で「非常に正直」でもある。未成年であるにも拘らず、喫煙をしている。
第8巻『憤慨』収録の「編集長★一直線!」で初登場し、第9巻『分裂』にも喜緑江美里と共に登場する。
ENOZ(エノッズ)[22]
第6巻『動揺』の「ライブアライブ」に登場するガールズバンド。原作では3人組(ボーカルとギターを同じ人物が担当)であったが、アニメでは4人となった。なお「ENOZ」の名称があるのはアニメ版のみで、原作においては名称は設定されておらず、登場人物の名前も明かされていない。
名称の由来は、メンバーの榎本(E)・中西(N)・岡島(O)・財前(Z)の頭文字をとったものとされている。「ライブアライブ」での文化祭当日はメンバーの体調不良のため、急遽代役としてボーカルに涼宮ハルヒ、ギターに長門有希を起用する。その後日談にあたる「サウンドアラウンド」では本来のメンバーが復帰し、ライブハウスで合同ライブを行った。
好評であったため、代役ボーカルの涼宮ハルヒ役の平野綾名義でCDが出されている。
榎本 美夕紀(えのもと みゆき) 
声 - 門脇舞
担当はボーカル
中西 貴子(なかにし たかこ)
声 - 永田亮子
担当はギター
岡島 瑞樹(おかじま みずき)
声 - 広江美奈
担当はドラム
財前 舞(ざいぜん まい)
声 - 中山さら
担当はベース

その他

キョンの関係者

キョンの妹(本名不明)
声 - あおきさやか
キョンの妹で小学5年生(第9巻『分裂』より6年生)。小学5年生にしては幼い容姿をしており、キョン曰く「今でも小学校低学年にしか見えない」とのこと。
耳に届いた愛称をすぐさま採用してしまう為、兄のことを「キョンくん」と呼び(キョン自身は妹からそう呼ばれるのを嫌がっている)、そのあだ名を定着させる一因となった。その他にも、ハルヒのことは鶴屋さんの影響か「ハルにゃん」、飼い猫のシャミセンは「シャミ」と呼び、お気に入りの様子。「シャミの歌」というでたらめな一瞬で思いついた歌を、いつも歌っている。みくるによく懐く。アニメでは、ピーマンが嫌い。
シャミセン
声 - 緒方賢一
キョンの家の飼い猫で、珍しいオスの三毛猫。元々は文化祭の映画制作中に、悪い魔法使いの使い魔としてハルヒが適当に選んだノラ猫であり、名前もそのときに付けられた(猫の皮は楽器の三味線の材料として用いられることから)。その後、キョンの家で飼い猫として暮らすようになる。
キョンの部屋を寝床にしており、やたらとかまってくる妹よりキョンに懐いている。
撮影の期間中は人語を話したり、その後も凍結された情報生命体を長門の手によって体内に宿すことになるなど、様々な事件に巻き込まれる。人語を話したときの声は、キョン曰く「朗々たるバリトン」だった。
中河(なかがわ)
第6巻『動揺』収録の「ヒトメボレLOVER」に登場。私立男子高1年でアメフト部所属。中学3年生のとき、キョンとクラスメイトだった。ある理由から長門に一目惚れしてしまう。
吉村 美代子(よしむら みよこ)
キョンの妹の親友で、通称「ミヨキチ」。第8巻『憤慨』収録の「編集長★一直線!」において文芸部の会誌を作る際、キョンが執筆した私小説的恋愛(?)小説の登場人物として登場。とても小学生には見えないほど大人びた、線の細いすらっとした体型の美人で、キョン曰く「あと5年も待てば、朝比奈さんの対抗馬になっているかもしれない」人物。
佐々木(ささき)
第9巻『分裂』にて登場。キョンの中学校の友人であり、古泉曰く「十人中八人が一見して目を惹かれる実に魅力的な女性」。話し相手が男友達のときのみ、一人称が「」となり、独特な喋り方になる(ハルヒに対しては普通に話していたが、ハルヒは「面白いキャラだが、不自然に作っている感じがする」と言っていた)。
ハルヒ同様に閉鎖空間を発生させている。ただし、佐々木のそれはハルヒのものとは若干異なり、常に発生しているが中に神人はいない、ハルヒの閉鎖空間は灰色で太陽の光すらない不安定な空間なのに対し、佐々木の閉鎖空間はクリーム色をとことん希釈したような、光に満ちた空間であり非常に安定したものであるという点がある。またその空間内の建物は電気が通っている。
中学時代にキョンと学習塾が同じで、塾に行くときはキョンが佐々木を自転車の後ろに乗せて通っていたため、周りからは二人が付き合っているように誤解されていた。キョンが「変な女が好き」といわれる原因となった人物[23]
ハルヒと同じく「恋愛感情は病気の一種」という自論を持つ。

「機関」関係者

多丸 圭一(たまる けいいち)
声 - 井上和彦
古泉の親戚を名乗る中年の男性。その正体は「機関」の組織員の一人。第7巻『陰謀』では、警官として再登場。
多丸 裕(たまる ゆたか)
声 - 森川智之
古泉の親戚で多丸圭一の弟と設定されているが、正体は「機関」の組織員の一人。第7巻『陰謀』では、圭一とともに警官として再登場。
森 園生(もり そのう)
声 - 大前茜
多丸圭一のメイドとして登場する女性。その正体は「機関」の組織員の一人。古泉を呼び捨てにしていることから、キョンは古泉の上司ではないかと疑っている[24]
若い女性だが、車を運転していたことから免許が取れる年齢であることがわかる。
新川(あらかわ)
声 - 大塚明夫
多丸圭一の執事として登場する壮年の男性。正体は「機関」の組織員の一人。第7巻『陰謀』では、卓越したドライビングテクニックを披露した。
橘 京子(たちばな きょうこ)
第7巻『陰謀』で初登場し、第9巻『分裂』で再登場(藤原と同様に、『陰謀』では名前は出ていなかった)。髪型はツインテール。みくる(みちる)を誘拐した犯人のうちの一人で、「機関」の敵対組織の幹部。可憐な容姿で、キョン曰く「笑顔には可愛げの成分がタップリ振りかけられている」。
佐々木の閉鎖空間に入れる超能力者で、佐々木こそがハルヒの持っている力を本来持つべき者であったと主張する。
古泉一樹・長門有希・朝比奈みくるのように、自分(橘)、周防、藤原という超能力者、宇宙人、未来人のメンバーを集めた。佐々木に力を戻そうとしているが、佐々木をはじめとしてメンバーからの協力はほとんどなく、空回り気味。

未来人関係者

ハカセくん(本名不明)
ハルヒの家の近所に住んでいる礼儀正しい少年。時折、ハルヒが臨時の家庭教師となって彼の家で勉強をみている。
「ハカセくん」とは、キョンが命名したあだ名。みくる曰く、未来では歴史に名を残す偉業を行った人物であるとの事。
藤原(ふじわら)
第7巻『陰謀』で初登場し、第9巻『分裂』に再登場。(『陰謀』では名前は出ていなかった)。
朝比奈みくるとは別の組織に所属する詳細不明の未来人(本当に別の組織に所属するかは不明)。現在とは地続きだがみくるとは別の未来からやって来ており、みくるの組織とは敵対している模様。彼にとっての過去の世界、すなわち現在を見下している。
現在に時間遡行して来ている目的は不明だが、本人の発言から涼宮ハルヒ(もしくは佐々木)の時空を改変する力の観測に来ている様子(第9巻『分裂』より)。

宇宙人関係者

周防 九曜(すおう くよう)
第9巻『分裂』で登場。長い黒髪が特徴。見た目は光陽園学院に通う女生徒だが、実体は天蓋領域が遣わしたTFEI端末。長門同様無口だが、沈黙を表す文が長門が「……」(三点リーダ)で表されるのに対し九曜は「――」(ダッシュ)で表される。
スペックは不明だが、長門を始めとする情報統合思念体のTFEI端末達に比べてもなお、著しく人間味に乏しいエキセントリックな性格で、キョンと初めて会ったときはまともに会話すら出来ず、長門の能力をもってしても意思の疎通を行うことがほとんどできないほどである。

サブキャラクター

管理人
声 - 青野武
登場は第1巻『憂鬱』のみ(第4巻『消失』にて名前のみ出る)。長門や朝倉が住むマンションの管理人。耳が遠い。
大森 栄二郎(おおもり えいじろう)
声 - 平松広和
第2巻『溜息』に登場。大森電器店店長。店の売り上げは、あまり芳しくない様子。SOS団の自主制作映画のスポンサーの一人であり、撮影用のデジタルビデオカメラをスポンサー料として提供した。
アニメオリジナルエピソード『サムデイ イン ザ レイン』にも登場し、次回作のスポンサー料として、SOS団にストーブを提供する。
山土 啓治(やまつち けいじ)
ヤマツチモデルショップ店長。SOS団の自主制作映画のスポンサーの一人で、モデルガンを提供。こちらも、経営状況は芳しくない様子。
森村 清純(もりむら きよすみ)
声 - 柳沢栄治
森村青果店店長。46歳。SOS団の映画に出演しており、劇中の設定ではみくる扮する朝比奈ミクルを雇っている。
鈴木 雄輔(すずき ゆうすけ)
声 - 望月健一
鈴木文具店店長。65歳。SOS団の映画に出演しており、また店舗を撮影場所に提供している。

ゲームオリジナルキャラクター

三栖丸 ミコト(みすまる -)
声 - 小清水亜美
涼宮ハルヒの並列』で登場。ハルヒたちが出会ったツインテールの少女。元は資産家の令嬢だったが、現在は没落してしまっている様子。
伊集院 泰一郎(いじゅういん たいいちろう)
声 - 小清水亜美
『涼宮ハルヒの並列』で登場。伊集院財閥の御曹司で、物語の舞台となる豪華客船「オーベロン号」のオーナーの青年。

以上で涼宮ハルヒシリーズに関する核心部分の記述は終わりです。


脚注

  1. ^ 特に理数系を苦手とする。ただし、第8巻『憤慨』収録「ワンダリング・シャドウ」170頁によると、一年生三学期の期末テストではハルヒの指導のおかげで赤点ラインからの脱出を果たした。
  2. ^ 作者によれば、「まともな名前をつけてもよかったが、最初から最後までけったいなニックネームで呼ばれ続けるというのもマヌケでいいのではないか」とのこと。また特徴に関しては、「当初の予定では超能力者の一人にしようかと考えていたが、プロローグを書いている途中でなぜか一般人になってしまった」とのこと(Yahoo!ブックス-インタビュー 谷川流より)。
  3. ^ 第5巻『暴走』収録の「エンドレスエイト」において、甥と姪の存在も確認されている。ツガノガクのコミック版では、祖父と祖母も登場している。
  4. ^ 第2巻『溜息』194頁以降では、朝比奈みくるを際限なくオモチャにしようとしたハルヒに怒りをぶつけている。
  5. ^ アニメではやや茶色がかっており、原作イラストでも巻が進むごとにそうなりつつある。
  6. ^ 勉強している様子が窺えないのに、テストの時には30分以上の時間を余して解き終えてしまい、あとは寝ている(第3巻『退屈』収録「ミステリックサイン」133頁)。他にも第5巻『暴走』収録の「エンドレスエイト」終盤では、数学教諭「吉崎」の解法がエレガントさを欠くと一刀両断したり、同巻の「雪山症候群」では提示された謎の数式を一目で「オイラーの多面体定理」だと見抜くなど。
  7. ^ 第5巻『暴走』収録の「雪山症候群」など。ただし学校に弁当を持ってくることはほとんどなく、昼食は学食で食べている。たまに、キョンの弁当を勝手に食べてしまうこともある。
  8. ^ a b 第6巻『動揺』収録の「ライブアライブ」より。なお、原作の「ライブアライブ」では楽器演奏をしていない(突っ立ちのボーカルのみ)など、アニメと原作とでは多少設定が異なる。後出「ENOZ」の項目も参照。
  9. ^ 第6巻『動揺』収録の「猫はどこに行った?」200頁では、SOS団メンバー各自の特徴を的確に捉えた福笑いを自作してきた。
  10. ^ 谷口曰く「最短5分、最長でも1週間」で振っていた(第1巻『憂鬱』20頁より)。
  11. ^ 第1巻『憂鬱』235頁を端緒として、その後も主に古泉によって同様の考察がなされている。
  12. ^ 第1巻『憂鬱』175頁、及び第6巻『動揺』収録の「ヒトメボレLOVER」163頁より。ただし『憂鬱』175頁の発言によれば、これまで恋愛そのものにまったく興味がなかったわけではない様子。
  13. ^ 当初は『ハイペリオン』シリーズなどのハードSFが主だったが、次第に海外ミステリ、さらにそれらの原作まで読み始める。後には対象は文学に限らなくなり、第9巻『分裂』では数学者の伝記や『ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環』らしき書籍等、様々な分野の専門書まで読んでいる。なお、それらの作品は谷川流が選んでいる(『涼宮ハルヒの公式』( ISBN 4-04-853991-4 )84頁より)。
  14. ^ 例外として、第2巻『溜息』では映画撮影用の「魔法使い」の衣装、第3巻『退屈』収録の「涼宮ハルヒの退屈」では上下ジャージ、同巻「孤島症候群」では私服、第5巻『暴走』収録の「エンドレスエイト」では浴衣姿も披露している。
  15. ^ 第5巻『暴走』収録の「エンドレスエイト」では、キョンが自転車の後ろに彼女を乗せて走った際、「重力をコントロールしているのでは?」と思ったほど、体重を感じさせなかった。
  16. ^ キョン達が3年前に時間遡行した際も現在と変わらない姿をしており、身体的成長という概念があるのかは不明。
  17. ^ 料理に関してはハルヒのお墨付きを得るほどの腕前らしい(第9巻『分裂』)が、自分の食事となるとコンビニ缶詰惣菜(第1巻『憂鬱』223頁)や缶レトルトカレー(第7巻『陰謀』107頁)など、あまり凝っていない様子。
  18. ^ 『涼宮ハルヒの公式』及び『超月刊みくる』( ISBN 978-4-04-854328-6 )より。
  19. ^ このことについて古泉は、「未来の情報を現代人に悟られないようにするため、彼女には意図的に何も知らされていない」と推測している(第7巻『陰謀』156頁)。また長門は、みくるは未来を固定するための調整役を担わされていると分析している。
  20. ^ 第8巻『憤慨』収録の「編集長★一直線!」では、自作のスラップスティック小説で読者を抱腹絶倒させたほか、第9巻『分裂』では、和歌について校内百人一首大会第二位のハルヒをしのぐ幅広い知識を披露している。
  21. ^ 第1巻『憂鬱』72頁以降。さらには、配線(LANをコンピ研と文芸部間に張ることも含む)やネットワーク設定までやらされた。
  22. ^ 逆から読むと実在したバンドのZONEと同じ名前になり、ZONEをもじったバンド名となっている。メンバーの名前もZONEのメンバーの名前を意識したものになっており、担当パートも類似している(『涼宮ハルヒの公式』72頁及び114、115頁)。
  23. ^ 「キョンが変な女が好き」と思われていたことは、佐々木の登場よりずっと早く、第6巻『動揺』収録の「ヒトメボレLOVER」110頁において触れられている他に、第1巻『憂鬱』で国木田、第4巻『消失』で朝倉がそれぞれ言及している。
  24. ^ 古泉に対する呼び捨ては、古泉のいないところでキョンとの会話の中で現れた。彼女は、これは一種の謙譲語であると言ってキョンを煙に巻いているが、新川に対しては直接本人に向かって呼び捨てで命令を下していた(第7巻『陰謀』より)。