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「リン酸鉄(II)」の版間の差分

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生成、性質
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| MolarMass = 357.49 g/mol
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'''リン酸鉄(II)'''(リンさんてつ、[[英語|英]]''Iron(II) phosphate''もしくは''ferrous phosphate'')は[[鉄]]の[[リン酸塩]]の一種で、[[化学式]]がFe<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>で表される[[無機化合物]]である。'''リン酸第一鉄'''とも呼ばれる。[[農業]]用・[[園芸]]用として[[苔]]の除去に用いられる。水に不溶で、[[モル質量]]は357.49 g/mol。八水和物の形で市販されている。
'''リン酸鉄(II)'''(リンさんてつ、[[英語|英]]''Iron(II) phosphate''もしくは''ferrous phosphate'')は[[鉄]]の[[リン酸塩]]の一種で、[[化学式]]がFe<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>で表される[[無機化合物]]である。'''リン酸第一鉄'''とも呼ばれる。天然には八水和物が[[藍鉄鉱]]として産出する。

== 生成 ==
[[硫酸鉄(II)]]水溶液に空気を遮断した上で、[[リン酸水素二ナトリウム]]水溶液と[[酢酸ナトリウム]]水溶液を加え、2〜3日放置すると八水和物の結晶が析出する。
または[[封管]]中で鉄(II)塩水溶液とリン酸水素二ナトリウム水溶液の混合物を加熱すると析出する。
: 3 Fe<sup>2+</sup>(aq) + 2 HPO<sub>4</sub><sup>2−</sup>(aq) + 8 H<sub>2</sub>O → Fe<sub>3</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>·8H<sub>2</sub>O + 8 H<sup>+</sup>

== 性質 ==
水に不溶で、[[モル質量]]は357.49 g/mol。八水和物の形で市販されている。

一水和物は暗緑色の結晶、六水和物および八水和物は白色の結晶性粉末であるが、空気中では一部酸化され速やかに青色に変化する。藍鉄鉱も空気に触れると同様の変化を起こし、これが鉱物名の由来となっている。

八水和物は[[単斜晶系]]で水に不溶、強酸水溶液に可溶である。

== 用途 ==
[[農業]]用・[[園芸]]用として[[苔]]の除去に用いられる。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2009年9月7日 (月) 04:52時点における版

リン酸鉄(II)
識別情報
CAS登録番号 14940-41-1
特性
化学式 Fe3(PO4)2
モル質量 357.49 g/mol
密度 2.58(八水和物)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

リン酸鉄(II)(リンさんてつ、Iron(II) phosphateもしくはferrous phosphate)はリン酸塩の一種で、化学式がFe3(PO4)2で表される無機化合物である。リン酸第一鉄とも呼ばれる。天然には八水和物が藍鉄鉱として産出する。

生成

硫酸鉄(II)水溶液に空気を遮断した上で、リン酸水素二ナトリウム水溶液と酢酸ナトリウム水溶液を加え、2〜3日放置すると八水和物の結晶が析出する。 または封管中で鉄(II)塩水溶液とリン酸水素二ナトリウム水溶液の混合物を加熱すると析出する。

3 Fe2+(aq) + 2 HPO42−(aq) + 8 H2O → Fe3(PO4)2·8H2O + 8 H+

性質

水に不溶で、モル質量は357.49 g/mol。八水和物の形で市販されている。

一水和物は暗緑色の結晶、六水和物および八水和物は白色の結晶性粉末であるが、空気中では一部酸化され速やかに青色に変化する。藍鉄鉱も空気に触れると同様の変化を起こし、これが鉱物名の由来となっている。

八水和物は単斜晶系で水に不溶、強酸水溶液に可溶である。

用途

農業用・園芸用としての除去に用いられる。

関連項目