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「ランボー」の版間の差分

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ベトナム戦争の帰還兵であるジョン・ランボー(シルベスター・スタローン)が粗末なバックひとつを担いで戦友に会いにいく場面から始まる。たどり着いた美しい湖畔の家には友人の家族が住んでいたが彼がベトナムで浴びた化学兵器のためにガンで死んでいた事をランボーは知らされる。戸惑うランボー。
ベトナム戦争の帰還兵であるジョン・ランボー(シルベスター・スタローン)が粗末なバックひとつを担いで戦友に会いにいく場面から始まる。たどり着いた美しい湖畔の家には友人の家族が住んでいたが彼がベトナムで浴びた化学兵器のためにガンで死んでいた事をランボーは知らされる。戸惑うランボー。


森の中を道沿いに歩くランボーをパトカーに乗った保安官のディーズル(ブライアン・デネヒー)が見つける。「食事をしたいから町にきた」ランボーを保安官はランボーを車に乗せるが着いたのは町外れだった。よそ者は町に来るなとディーズルはランボーを車から降ろ車が去った後ランボーは来た道を戻り始める。
森の中を道沿いに歩くランボーをパトカーに乗った保安官のディーズル(ブライアン・デネヒー)が見つける。「食事をしたいから町にきた」ランボーを保安官は車に乗せ町外れで下ろす。よそ者は町に来るなとディーズルはランボーを忠告るが、車が去った後ランボーは来た道を戻り始める。


町へ入ろうとするランボーをディーズルは躊躇なしに逮捕、警察署へ連行する。警察署の地下では保安官の助手たちが浮浪者を扱うようにホースで放ながら転げる。息もできず目も開けられないランボーの朦朧とする意識の中でベトナムの地獄の風景が脳裏をよぎる。押さえつけ髭を剃ろうと助手が剃刀を彼の目の前に持ってきた瞬間。ベトナムで敵兵に捕まり拷問で受けた傷、その傷から流れる<血>が彼を支配する。
町へ入ろうとするランボーをディーズルは躊躇なしに浮浪者として逮捕、連行する。警察署の地下では保安官の助手たちがいつものように被疑者をきれいにするために裸にして高圧ホースをかける。転げる様子を笑いながら見ている助手たち。息もできず目も開けられないランボーの朦朧とする意識の中でベトナムの地獄の風景が脳裏をよぎる。


洗いが終わり髭を剃ろうと助手が剃刀を彼の目の前に持ってきた瞬間。ベトナムで敵兵に捕まり拷問で受けた傷、その傷から流れる<血>が彼を支配する。獣のような敏捷さで助手たちを倒すとランボーは身に付けていた大型ナイフを持ち逃亡する。
獣のような敏捷さで助手たちを倒すとランボーは身に付けていた大型ナイフを持ち逃亡。面子をつぶされたディーズルはランボーを捕らえようと彼が逃げ込んだ山を猟犬やハンター、さらに州兵を使って狩り出そうとするが失敗。騒ぎを聞きつけ国防総省から来たトラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)はランボーは特殊な訓練を受けた殺し屋であることをディーズルに伝えるが、彼は保安官としての信念を曲げずに山を封鎖し執拗に追いつづける。


面子をつぶされたディーズルはランボーを捕らえようと彼が逃げ込んだ山を猟犬やハンター、さらに州兵を使って狩り出そうとするが失敗。騒ぎを聞きつけ国防総省から来たトラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)はランボーは特殊な訓練を受けた殺し屋であることをディーズルに伝えるが、彼は保安官としての信念を曲げずに山を封鎖し執拗に追いつづける。
ラスト、包囲を抜けて山から降りてきたランボーはたった一人で町へ殴りこむ。暴れまくりディーズルを倒すが所詮は一人であり軍隊に囲まれ脱出不可能の状況に追い込まれる。追われたランボーは降伏を勧めるトラウトマンへ抑えてきた心情を叩きつける。 国の方針に従って戦争をした同胞に対して、世間はなんと冷たいのかと

ラスト、包囲を抜けて山から降りてきたランボーはたった一人で町へ殴りこむ。暴れまくりディーズルを倒すが所詮は一人であり軍隊に囲まれ脱出不可能の状況に追い込まれる。降伏を勧めるトラウトマンへランボーは抑えてきた心情を叩きつける。 国の方針に従って戦争をした同胞に対して、世間はなんと冷たいのかと


「軍にいたころは100万ドルの兵器を使えたのに、ここでは警備員としても雇ってくれない」と嘆くランボー。しかし彼自身が戦争により社会で暮らせない人間となってしまったことを悟ると隠れていた闇の中から投光機で照らされた光の中へ上官と元部下の二人が歩き出していく場面で映画は終わる。
「軍にいたころは100万ドルの兵器を使えたのに、ここでは警備員としても雇ってくれない」と嘆くランボー。しかし彼自身が戦争により社会で暮らせない人間となってしまったことを悟ると隠れていた闇の中から投光機で照らされた光の中へ上官と元部下の二人が歩き出していく場面で映画は終わる。

2009年10月22日 (木) 05:18時点における版

ランボー
First Blood
監督 テッド・コッチェフ
脚本 マイケル・コゾル
ウィリアム・サックハイム
シルヴェスター・スタローン
製作 バズ・フェイシャンズ
製作総指揮 マリオ・カサール
アンドリュー・G・ヴァイナ
出演者 シルヴェスター・スタローン
リチャード・クレンナ
ブライアン・デネヒー
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
撮影 アンドリュー・ラズロ
編集 ジョアン・E・チャップマン
配給 オライオン・ピクチャーズ
東宝東和
公開 1982年10月22日アメリカ合衆国の旗
1982年12月18日日本の旗
上映時間 97分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $15,000,000
興行収入 $47,212,904アメリカ合衆国の旗
次作 ランボー/怒りの脱出
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ランボー (英語: First Blood) は、1982年のアメリカのアクション映画である。主演はシルヴェスター・スタローン、監督は名匠テッド・コチェフ、共演にブライアン・デネヒーリチャード・クレンナ、スコア(楽曲)はジェリー・ゴールドスミス。心の傷を負ったベトナム帰還兵がある町で冷たく扱われた結果、地獄の戦場をアメリカの田舎町で再現してしまうものであり、原作ともどもベトナム戦争によるアメリカの傷をテーマとしていた。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

ベトナム戦争の帰還兵であるジョン・ランボー(シルベスター・スタローン)が粗末なバックひとつを担いで戦友に会いにいく場面から始まる。たどり着いた美しい湖畔の家には友人の家族が住んでいたが彼がベトナムで浴びた化学兵器のためにガンで死んでいた事をランボーは知らされる。戸惑うランボー。

森の中を道沿いに歩くランボーをパトカーに乗った保安官のディーズル(ブライアン・デネヒー)が見つける。「食事をしたいから町にきた」ランボーを保安官は車に乗せ町外れで下ろす。よそ者は町に来るなとディーズルはランボーを忠告するが、車が去った後でランボーは来た道を戻り始める。

町へ入ろうとするランボーをディーズルは躊躇なしに浮浪者として逮捕、連行する。警察署の地下では保安官の助手たちがいつものように被疑者をきれいにするために裸にして高圧ホースの水をかける。転げる様子を笑いながら見ている助手たち。息もできず目も開けられないランボーの朦朧とする意識の中でベトナムの地獄の風景が脳裏をよぎる。

洗いが終わり髭を剃ろうと助手が剃刀を彼の目の前に持ってきた瞬間。ベトナムで敵兵に捕まり拷問で受けた傷、その傷から流れる<血>が彼を支配する。獣のような敏捷さで助手たちを倒すとランボーは身に付けていた大型ナイフを持ち逃亡する。

面子をつぶされたディーズルはランボーを捕らえようと彼が逃げ込んだ山を猟犬やハンター、さらに州兵を使って狩り出そうとするが失敗。騒ぎを聞きつけ国防総省から来たトラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)はランボーは特殊な訓練を受けた殺し屋であることをディーズルに伝えるが、彼は保安官としての信念を曲げずに山を封鎖し執拗に追いつづける。

ラスト、包囲を抜けて山から降りてきたランボーはたった一人で町へ殴りこむ。暴れまくりディーズルを倒すが所詮は一人であり軍隊に囲まれ脱出不可能の状況に追い込まれる。降伏を勧めるトラウトマンへランボーは抑えてきた心情を叩きつける。 国の方針に従って戦争をした同胞に対して、世間はなんと冷たいのかと

「軍にいたころは100万ドルの兵器を使えたのに、ここでは警備員としても雇ってくれない」と嘆くランボー。しかし彼自身が戦争により社会で暮らせない人間となってしまったことを悟ると隠れていた闇の中から投光機で照らされた光の中へ上官と元部下の二人が歩き出していく場面で映画は終わる。

解説

原作はホラー作品で知られるデイヴィッド・マレルの処女出版小説『一人だけの軍隊』である。映画版と同様に、町を守ろうとする意志が裏目に出てしまう保安官(帰還兵に冷たいアメリカ市民の象徴でもある)と社会から孤立した帰還兵ランボーが対比され、無意味な戦いのやるせなさが描かれるが、結末は異なっている。映画版においては、公開された物とは別バージョンの(原作に近い)ラストシーンが撮影されていたが、モニター試写の結果が不評であり、続編の想定もあったため、そちらは不採用となった。

本作はスタローン自ら危険なスタントを多数こなす渾身の一作だった(崖から落ちるシーンでは肋骨など4箇所を骨折、右腕の傷を自分で治療するシーンでは撮影中に負った傷を実際に縫っている。本作撮影後のスタローンの入院により編集作業に遅れが出たロッキー3は、劇場公開が予定よりも遅れた)が、ベトナム帰還兵の悲劇を訴えた内容が当時の米国ではいまひとつ受け入れられず(当時はベトナム帰還兵を罵倒する団体が多かった)、興行的には中規模のヒットに留まった(米国収入4721万2904ドル。対して同年のスタローン主演作『ロッキー3』は1億2504万9125ドル)。 そのため、続編では大掛かりなアクションを軸に内容を一新。これが大ヒットを飛ばすものの、反戦主題を謳っていながら内容が好戦的であるとの批判も多かった。

なお、ランボー役は当初スティーブ・マックイーンに打診され、本人もやる気でいたが、主人公の年齢設定や、ベトナム帰還兵を演じるには高齢であったことなどから、やむなく変更された。元上官(トラウトマン大佐…原作ではレンジャースクール校長)役を最初に依頼されたカーク・ダグラスは内容を知って断ったという。

原題は「First Blood」[1][2]だが、日本での配給元東宝東和の判断でスタローン演じる主人公の名から邦題は「ランボー」とされた。日本で好評だったことを受けて製作国アメリカでも続編からは題名を「ランボー」となった。

この映画で使用された武器や重火器は全て本物であり、その多くはFBISWATから借用したものだった。撮影中は厳重な管理下に置かれたが、それにも関わらず国際的な武器密輸組織に武器を盗まれ、この武器盗難は当時のマスコミを騒がす事件となってしまった。[3]

本作中において、ランボーに直接殺害された人間はゼロである(間接的には、ヘリコプターからランボーを狙撃しようとした保安官助手が誤って転落、死亡している。また、作中でのティーズルは生死不明である)。“暴力的な殺人マシン”のごとき評価を受けることもあるランボー(及び“暴力的な殺人マシンを描く映画”とされがちな『ランボー』シリーズ)だが、それは2作目以降の描写によるものである。

ただし、原作ではランボーを追跡する保安官助手、州兵、猟師、ライフル愛好家に相当数の犠牲者が出ており、トラウトマンがティールズに対して「簡単にランボーが捕えられたのでは我々の訓練方針に重大な誤りがある」といった内容の皮肉を述べている。

『レインボー』なるスタローンのセルフ・パロディ映画がある。

続編

スタッフ

吹き替えキャスト

日本テレビ版1 TBS版 フジテレビ版 テレビ朝日版 日本テレビ版2
ジョン・ランボー 渡辺謙 羽佐間道夫 銀河万丈 ささきいさお 玄田哲章
トラウトマン大佐 内田稔 小林昭二 阪脩 内田稔 小林修
ティーズル 石田太郎 石田太郎 池田勝 石田太郎 内海賢二
  • フジテレビ版
    • 1993年3月27日(土)フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」 - 翻訳:鈴木導、演出:左近允洋、調整:高橋久義、制作:グロービジョン、担当:山形淳二(フジテレビ)
  • テレビ朝日版
    • 1995年3月26日(日)テレビ朝日「日曜洋画劇場」 - 翻訳:平田勝茂 、制作:ニュージャパンフィルム※DVD収録、
  • 日本テレビ版2
    • 1999年11月5日(金)日本テレビ「金曜ロードショー」 - 翻訳:平田勝茂、演出:佐藤敏夫、調整:山本洋平、プロデューサー:大塚恭司 岡部真一郎(日本テレビ)

※放送順

コンピュータゲーム

ランボー
映画3作を題材にしたシューティングゲーム。『ザハウスオブザデッド4』銃型コントローラーを使っており、手榴弾を撃つボタンを押すことで一定時間無敵になり、無限に弾を発射できる。

パチンコ台

  • 2006年10月より平和からパチンコ台「CRランボーEJ」、「CRランボーES」、「CRランボーMK」とスペックの異なる3機種がリリースされ全国のパチンコ店に設置されている。

関連記事

脚注

  1. ^ 意味は「最高の実戦兵士」。Firstは第一級、Bloodは兵士(ビスマルク鉄血政策から生まれた用法)を意味する。原作を翻訳した沢川進の訳本『一人だけの軍隊』、および岩波書店発行の『英和中辞典』による。
  2. ^ "~draw the first blood"で「~が先にしかけた(けしかけた)」という意味。劇中でもランボーの台詞中にこの意味で使われている。
  3. ^ 本映画のパンフレットより