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{{基礎情報 特定非営利活動法人
{{基礎情報 特定非営利活動法人・国際テロリスト集団
|組織名 = シーシェパード・コンサヴェーション・ソサエティ
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|英文組織名 = Sea Shepherd Conservation Society
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'''シーシェパード''' (''Sea Shepherd Conservation Society'') は、生態系と生物種の保全を名目とした海洋生物保護団体のひとつであり、[[国際連合|国連]]世界自然憲章を根拠とし<ref>{{Cite web|last=Campbell|first=Duncan|url=http://www.guardian.co.uk/environment/2002/jun/03/fish.food|title=Champion of seas faces attempted murder case|publisher=guardians.co.uk|accessdate=2009年7月29日}}</ref>、「世界の海洋における野生生物の棲息環境破壊と虐殺の終焉」を目指して活動する国際[[非営利組織]]<ref>{{Cite web|url=http://www.seashepherd.org/who-we-are/|title=Who We Are|publisher=Sea Shepherd|accessdate=2009年7月29日}}</ref>。[[アメリカ合衆国]][[ワシントン州]]フライデーハーバーに本部を置く。視点によっては[[環境保護団体]]であり[[エコテロリスト]]グループでもある。
'''シーシェパード''' (''Sea Shepherd Conservation Society'') は、生態系と生物種の保全を名目とした海洋生物保護団体のひとつであり、[[国際連合|国連]]世界自然憲章を根拠とし<ref>{{Cite web|last=Campbell|first=Duncan|url=http://www.guardian.co.uk/environment/2002/jun/03/fish.food|title=Champion of seas faces attempted murder case|publisher=guardians.co.uk|accessdate=2009年7月29日}}</ref>、「世界の海洋における野生生物の棲息環境破壊と虐殺の終焉」を目指して活動する国際[[非営利組織]]<ref>{{Cite web|url=http://www.seashepherd.org/who-we-are/|title=Who We Are|publisher=Sea Shepherd|accessdate=2009年7月29日}}</ref>。[[アメリカ合衆国]][[ワシントン州]]フライデーハーバーに本部を置く。表向きは[[環境保護団体]]を装う、悪質な国際テロ組織・[[エコテロリスト]]グループでもある。


== 概要 ==
== 概要 ==
国際的な[[環境保護団体]]である[[グリーンピース (NGO)|グリーンピース]] に所属していたポール・ワトソン(Paul Watson) らが同団体を脱退し、1977年に設立した。シーシェパードはカナダ、ロシア、ノルウェー、アイスランド、[[フェロー諸島]]、アメリカ、日本などで派手な抗議活動を行っており、「環境保護団体」を自称しながら、自らの目的達成のために捕鯨船やその乗員に向けて発砲したり、捕鯨船に[[爆薬]]を仕掛けたり抗議船を衝突させて捕鯨船を撃沈させるなど手段を選ばない不法な[[暴力]]手段を用いている。このためメンバーが威力妨害等の容疑で逮捕ならびに国際手配されたこともある。また捕鯨船などに対する妨害活動の際に、環境中への放出禁止が指定された薬物の投擲やワイヤーの海洋投棄等の数々の環境破壊を行っている。
国際的な[[環境保護団体]]である[[グリーンピース (NGO)|グリーンピース]] に所属していたポール・ワトソン(Paul Watson) らが同団体を脱退し、1977年に設立した。シーシェパードはカナダ、ロシア、ノルウェー、アイスランド、[[フェロー諸島]]、アメリカ、日本などで派手な抗議活動を行っており、「環境保護団体」を自称しながら、自らの目的達成のために捕鯨船やその乗員に向けて発砲したり、捕鯨船に[[爆薬]]を仕掛けたり抗議船を衝突させて捕鯨船を撃沈させるなど手段を選ばない不法な[[暴力]]手段・テロ行為を用いている。このためメンバーが威力妨害等の容疑で逮捕ならびに国際手配されたこともある。また捕鯨船などに対する妨害活動の際に、環境中への放出禁止が指定された薬物の投擲やワイヤーの海洋投棄等の数々の環境破壊・テロ活動を行っている。


シーシェパードの活動は度々[[エコテロリズム|エコテロリスト]]によるエコテロリズムであると批判されており<ref>[http://www.j-cast.com/2008/01/16015654.html [[水産庁]]や同庁管轄の[[財団法人]][[日本鯨類研究所]]はシーシェパードを[[エコテロリスト]]」や「[[テロリスト]]」と非難している(J-CASTニュース 2008年1月16日)]</ref>、ポール・ワトソンが及ぼす影響力についてカルト的であると指摘され<ref>{{Cite web
シーシェパードの活動は度々[[エコテロリズム|エコテロリスト]]によるエコテロリズムであると批判されており<ref>[http://www.j-cast.com/2008/01/16015654.html [[水産庁]]や同庁管轄の[[財団法人]][[日本鯨類研究所]]はシーシェパードを[[エコテロリスト]]」や「[[テロリスト]]」と非難している(J-CASTニュース 2008年1月16日)]</ref>、ポール・ワトソンが及ぼす影響力についてカルト的であると指摘され<ref>{{Cite web
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ポール・ワトソン自身は動物から取られた食材(牛乳・チーズなど)を取らない[[菜食主義]](ビーガン)であり、根拠として大量の植物を必要とする家畜は環境に負荷がかかるという主旨を挙げた。当然だが、[[鯨肉]]は食べたことがないと語っている<ref>朝日新聞2008/04/03より、電話取材に答えて。</ref>。<!-- 本人の記事が出来次第移項が望ましい -->
ポール・ワトソン自身は動物から取られた食材(牛乳・チーズなど)を取らない[[菜食主義]](ビーガン)であり、根拠として大量の植物を必要とする家畜は環境に負荷がかかるという主旨を挙げた。当然だが、[[鯨肉]]は食べたことがないと語っている<ref>朝日新聞2008/04/03より、電話取材に答えて。</ref>。<!-- 本人の記事が出来次第移項が望ましい -->


== 過去の犯罪行為 ==
== 過去のテロ活動・犯罪行為 ==
*1980年 - 独行型捕鯨船「シエラ」を[[リスボン]]港で[[リムペットマイン]]を使用して爆破し沈没させた<ref>「シエラ」は、IWC非加盟の[[ソマリア]]船籍船なので、IWCの捕獲制限を守る義務を持たなかったが、反捕鯨派からは「海賊捕鯨船 (pirate whaler)」と呼ばれていた。なお、捕獲された鯨の肉の大半は日本に輸出されていた。TIME - 1979/07/30 "[http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,948497,00.html?iid=chix-sphere Victory at Sea]", FAO - 1979 "[http://www.fao.org/docrep/n5525e/n5525e05.htm Unasylva - No. 125 - Combating the trade in endangered species through CITES]", Whale and Dolphin Conservation Society - May 2005 "[http://www.wdcs.org/submissions_bin/rmsreview.pdf page.13 of 'The RMS - A question of confidence?(PDF)']" この船の存在が問題視されたのはアメリカ合衆国下院議会公聴会でのヒアリングが発端であり{{要出典}}、その後イギリスのオブザーバーもこの船についての報道を行った{{要出典}}。現在Web上で読める情報としては、シーシェパードのほか、グリーンピースやアースアイランドインスティテュートなどの環境保護団体によるものがある。それによると、シエラのオーナーはノルウェー人資本家と日本企業であり、当時すでに絶滅危惧種としてIWCが禁漁種としていた[[シロナガスクジラ]]を含む捕鯨を行っていたとされる。ECO - June 2006 "[http://www.earthislandprojects.org/immp/ECO2006/issue1.html Eco - The Voice of Conservaion at the IWC Conference - June 2006]", GP Sweden "[http://www.greenpeace.se/norway/english/9camp/4whales/wha_ille.htm Illegal whaling]"</ref><ref name="IRC">[http://www.icrwhale.org/eng/history.pdf SEA SHEPHERD’S VIOLENT HISTORY]、日本鯨類研究所。</ref>。同じく1980年、[[マッコウクジラ]]の捕獲一時停止への反対票を[[カナダ]]の代表が投じたことで「彼等を殺す」とポール・ワトソンが脅迫、これによりカナダ政府は自国の警察を派遣し代表を保護している<ref name="IRC" />。
*1980年 - 独行型捕鯨船「シエラ」を[[リスボン]]港で[[リムペットマイン]]を使用して爆破し沈没させた<ref>「シエラ」は、IWC非加盟の[[ソマリア]]船籍船なので、IWCの捕獲制限を守る義務を持たなかったが、反捕鯨派からは「海賊捕鯨船 (pirate whaler)」と呼ばれていた。なお、捕獲された鯨の肉の大半は日本に輸出されていた。TIME - 1979/07/30 "[http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,948497,00.html?iid=chix-sphere Victory at Sea]", FAO - 1979 "[http://www.fao.org/docrep/n5525e/n5525e05.htm Unasylva - No. 125 - Combating the trade in endangered species through CITES]", Whale and Dolphin Conservation Society - May 2005 "[http://www.wdcs.org/submissions_bin/rmsreview.pdf page.13 of 'The RMS - A question of confidence?(PDF)']" この船の存在が問題視されたのはアメリカ合衆国下院議会公聴会でのヒアリングが発端であり{{要出典}}、その後イギリスのオブザーバーもこの船についての報道を行った{{要出典}}。現在Web上で読める情報としては、シーシェパードのほか、グリーンピースやアースアイランドインスティテュートなどの環境保護団体によるものがある。それによると、シエラのオーナーはノルウェー人資本家と日本企業であり、当時すでに絶滅危惧種としてIWCが禁漁種としていた[[シロナガスクジラ]]を含む捕鯨を行っていたとされる。ECO - June 2006 "[http://www.earthislandprojects.org/immp/ECO2006/issue1.html Eco - The Voice of Conservaion at the IWC Conference - June 2006]", GP Sweden "[http://www.greenpeace.se/norway/english/9camp/4whales/wha_ille.htm Illegal whaling]"</ref><ref name="IRC">[http://www.icrwhale.org/eng/history.pdf SEA SHEPHERD’S VIOLENT HISTORY]、日本鯨類研究所。</ref>。同じく1980年、[[マッコウクジラ]]の捕獲一時停止への反対票を[[カナダ]]の代表が投じたことで「彼等を殺す」とポール・ワトソンが脅迫、これによりカナダ政府は自国の警察を派遣し代表を保護している<ref name="IRC" />。
*1983年 - カナダ警察が乗り込んだ際、舟の[[デッキ]]の周りに電気ワイヤーをはりめぐらせた17人が逮捕される。ポール・ワトソンら3名が逃走するも逮捕<ref name="IRC" />。
*1983年 - カナダ警察が乗り込んだ際、舟の[[デッキ]]の周りに電気ワイヤーをはりめぐらせた17人が逮捕される。ポール・ワトソンら3名が逃走するも逮捕<ref name="IRC" />。

2010年2月12日 (金) 01:24時点における版

Template:基礎情報 特定非営利活動法人・国際テロリスト集団 シーシェパード (Sea Shepherd Conservation Society) は、生態系と生物種の保全を名目とした海洋生物保護団体のひとつであり、国連世界自然憲章を根拠とし[1]、「世界の海洋における野生生物の棲息環境破壊と虐殺の終焉」を目指して活動する国際非営利組織[2]アメリカ合衆国ワシントン州フライデーハーバーに本部を置く。表向きは環境保護団体を装う、悪質な国際テロ組織・エコテロリストグループでもある。

概要

国際的な環境保護団体であるグリーンピース に所属していたポール・ワトソン(Paul Watson) らが同団体を脱退し、1977年に設立した。シーシェパードはカナダ、ロシア、ノルウェー、アイスランド、フェロー諸島、アメリカ、日本などで派手な抗議活動を行っており、「環境保護団体」を自称しながら、自らの目的達成のために捕鯨船やその乗員に向けて発砲したり、捕鯨船に爆薬を仕掛けたり抗議船を衝突させて捕鯨船を撃沈させるなど手段を選ばない不法な暴力手段・テロ行為を用いている。このためメンバーが威力妨害等の容疑で逮捕ならびに国際手配されたこともある。また捕鯨船などに対する妨害活動の際に、環境中への放出禁止が指定された薬物の投擲やワイヤーの海洋投棄等の数々の環境破壊・テロ活動を行っている。

シーシェパードの活動は度々エコテロリストによるエコテロリズムであると批判されており[3]、ポール・ワトソンが及ぼす影響力についてカルト的であると指摘され[4]、実際にアメリカ連邦捜査局(FBI)などの各国の治安当局によりテロ組織エコテロリスト)の1つとして監視下に置かれている [5]。1986年にアイスランドの捕鯨船を撃沈したため、国際捕鯨委員会 (IWC) によりIWCのオブザーバー資格を剥奪され、2008年3月にはシーシェパードを名指しした非難決議が全会一致で採択されている[6]

シーシェパードの数々の活動に対して、反捕鯨の立場をとる欧米諸国でも短絡的で愚かであるとして批判する論調は度々聞かれるが、欧米やオセアニア各国のメディアの論調や世論は、各々の思想に関わらず概ねシーシェパードに同調的である。例えばシーシェパードのスポンサーでもある衣類メーカーのパタゴニア社やイギリスのバス用品を扱うラッシュは、彼らのテロ活動を「捕鯨を止めさせるためにはやむを得ない」とする立場を表明している[7]

シーシェパードは、過激なパフォーマンスを積極的に行い、メディアや芸能人を利用し環境保護を訴えることにより、環境保護でイメージアップを図りたい企業や有名人や利権団体などから多額の寄付金を集める事に成功し、これを活動の原資にしている。2005年頃から始めた日本の調査捕鯨船団に対する暴力的な反捕鯨キャンペーンや反イルカ漁キャンペーンは、マスコミにニュースとしてとりあげさせ反捕鯨派等から注目と寄付金を集めることに成功しており[8]、寄付金を資金として新たな妨害活動用の船舶や兵器を購入し過激で暴力的な反捕鯨キャンペーンをエスカレートさせることに成功している。例えば、米国のケーブルネットワークの「アニマルプラネット」などはシーシェパードの海上活動を同行撮影し、これを「Whale Wars」と題して2008年から放映するなど、活動を事実上後援している。番組はドラマ仕立てて構成されており、ポール・ワトソンと船員達が日本の捕鯨船に対抗する様子がヒロイックに描かれ、視聴者の熱烈な支持を集めている[9]。一方でこういった非科学的で扇情的で暴力的なシーシェパードの反捕鯨キャンペーンが、特に日本のネット上で「反捕鯨に反対」という世論を喚起している側面もある。また、シーシェパードは密猟者や捕鯨者に対して「海洋保護」の名目で最大25,000ドルの懸賞金を出して情報を収集してもいる[10]

ポール・ワトソン自身は動物から取られた食材(牛乳・チーズなど)を取らない菜食主義(ビーガン)であり、根拠として大量の植物を必要とする家畜は環境に負荷がかかるという主旨を挙げた。当然だが、鯨肉は食べたことがないと語っている[11]

過去のテロ活動・犯罪行為

  • 1980年 - 独行型捕鯨船「シエラ」をリスボン港でリムペットマインを使用して爆破し沈没させた[12][13]。同じく1980年、マッコウクジラの捕獲一時停止への反対票をカナダの代表が投じたことで「彼等を殺す」とポール・ワトソンが脅迫、これによりカナダ政府は自国の警察を派遣し代表を保護している[13]
  • 1983年 - カナダ警察が乗り込んだ際、舟のデッキの周りに電気ワイヤーをはりめぐらせた17人が逮捕される。ポール・ワトソンら3名が逃走するも逮捕[13]
  • 1986年 - フェロー諸島にてライフルを使用して捕鯨船のゴムボートを沈めようとし、フェロー諸島の警察にも発砲、同海域にいたシーシェパードの船舶はフェロー領海から退去命令を受ける。また、三価リンを含む信号照明弾を警察に投げつけたり、ガソリンを警察の船に散布、ガソリンに火が付くように信号照明弾を投げつけた[13]
  • 1993年 - 日本の漁船に銃弾1発を発砲している[13]
  • 1999年 - ワシントン州アメリカ・インディアン部族、マカー族が70年ぶりに捕鯨を再開。マカー族の領海を侵犯し、彼らの手漕ぎのカヌーに対してモーターボートで威嚇を行った。ケン・ニコルズはマカー族部族警官の制止を振り切って暴れ、部族警官に拘束された。
  • 2003年、太地のイルカキャンペーンの一環として、和歌山県太地町のイルカ漁に用いる網を切断する。これによりシーシェパードのメンバー2人が23日間拘束される。また、シーシェパードの公式ホームページに漁業関係者や県知事の住所、電話番号を日本語で掲載し、抗議の手紙、電話を送るよう推奨している[14]
  • 2007年:捕鯨船「日新丸」を妨害。後述日本捕鯨船に対する妨害行為参照。また、9月8日にマカー族のカヌーによる捕鯨を領海を侵犯して威力妨害した。
  • 2008年1月:調査捕鯨船「第2勇新丸」を酪酸ビンを投げ込むなどして襲撃した上、活動家2名が乗り込み、拘束される。また、カナダオットセイを捕まえようとした調査船を妨害したとして、カナダ警察にメンバーが逮捕される。

日本捕鯨船団に対する犯罪行為

1980年

ソマリア船籍の捕鯨船「シエラ」を撃沈。同船は日本の捕鯨船ではないが、グリーンピースなどの反捕鯨派環境保護団体は、同船がノルウェー人と日本人の共同所有であったと主張している(前述)。

2007年

2007年2月9日、日本の調査捕鯨母船「日新丸」に対して船2隻が接近し化学薬品(酪酸)入りの瓶を投げ付け、日新丸乗組員のうち1人は瓶の破片で、もう1人は液体が目に入り、船内で治療を受けた。

尚、日新丸のスクリューに縄を絡ませようとした活動家の高速ボートが接近しすぎ沈没、オーストラリア人とアメリカ人のテロ活動家2人が行方不明となった。 水産庁によると、シー・シェパード側は妨害活動を中止し、約3時間後に日本側に救助要請。日新丸も救助活動に参加、連絡が途絶えてから約7時間後にシー・シェパードが不明の2人を救助した。ジョニー・バシック(Jonny Vasic)会長はこの件に関し、「日本の捕鯨船には感謝しているが、今後も妨害活動は続けるつもりだ」と語った。

2007年2月12日、日本の目視調査船「海幸丸」が同団体の抗議船に衝突された。同団体によると、海幸丸は捕鯨を妨害しようとした抗議船を回避しようとして別の抗議船に衝突したとのこと。その後、海幸丸はスクリューが破損したと訴え、遭難信号を出した。ニュージーランド当局も遭難信号を確認した。一方、抗議船は船体を損傷したが航行に支障はない。

このことに関し、同団体のワトソンは、オーストラリアおよびニュージーランド当局が全力で捕鯨をやめさせるとの保証が得られるなら引き揚げると述べる一方、捕鯨妨害のため抗議船を捕鯨船の船尾に衝突させる(スクリュー、舵などの破壊の為)ことも辞さないと警告した。

この「日新丸」は、同年2月15日に船内において火災が発生し、乗務員である27歳の男性が焼死するという事故が発生した。

2009年

1月6日、調査捕鯨船が行方不明の乗組員を捜索する為に発信した救難信号で居場所をつきとめ、無灯火で近づき衝突を試みたが調査船に回避された。シーシェパードは即座に行方不明者の捜索への協力と弁解したが、調査捕鯨船から無灯火の航行、他船への意図的な異常接近などの不法行為を指摘されると、行方不明者を捜索中の調査船団に対し、約4時間にわたって幾度も衝突を試み、執拗に行方不明者捜索の妨害をおこなった。日本側の海賊対策として人間に不快な周波数の音波を放射する音響兵器が使用された。シー・シェパード側は、「この装置により、妨害活動に集中することが困難になったことを認めざるを得ない」との声明を出し、日本側の海賊対策が功を奏したことが明らかになった[15]

2010年

1月6日、妨害活動を行っていたシーシェパードのアディ・ギル号(AG号)と日本の監視船第2昭南丸が公海上で衝突する。AG号が進路に割り込んできたという第2昭南丸側の主張に対し、完全に停船していたところにぶつかってきたとシーシェパードは主張する。AG号は船首部分が大破し、船員の1人が肋骨を折る。第2昭南丸側の船員に被害はない。第2昭南丸はシーシェパードの監視船で、捕鯨船は別行動のため、日本の調査活動には影響はない。

シーシェパードはこの事件の直前まで、ロープを使用した危険な航行妨害や、異臭を放つ袋を甲板に投げ込む、殺傷能力があるボウガンを船体に撃ち込む、目に有害なレーザー光線を照射するなどの直接的な攻撃行動を行っており、第2昭南丸側も放水などでこれに対抗していた。事件後、シーシェパードは証拠として衝突の瞬間のビデオを公開し、オーストラリア政府に海軍による保護を要請したが受け入れられなかった。これに応じる形で第2昭南丸側から撮影されたビデオも公開された。1月7日には、オーストラリア政府は、ニュージーランド政府と共に海上保安当局が船舶衝突の実態解明調査を行うことを表明した。1月8日、シーシェパードは「海賊行為」の疑いで、第2昭南丸の乗組員をオランダ司法当局に告訴した。

シーシェパードの公式発表ではAG号は沈没したとされたが、シーシェパードの小型船によって曳航された後にロープが切れ、放棄されて海上を漂う。AG号の船内には殺傷能力のある長さ80cmのボウガンの矢4本が放置されており[16]、船体からはクジラが棲息する海を汚染する重油が流出するままにされていた。

1月6日、ボブ・バーカー号ノルウェー船籍に偽装し、日本の調査捕鯨船団の母船「日新丸」の進路を妨害したほか[17]、その後も異常接近・緑色レーザー光線の照射などの妨害行為を行い[18]、2月6日には悪臭を放つ化学物質の入った瓶を「第3勇新丸」の甲板に投げ込む際に同船と衝突した。[19]

2月9日にワトソン代表は南極海での捕鯨妨害の次は、地中海でクロマグロ漁の妨害を行うと宣言した。クロマグロの消費は漁獲高の8割が日本で消費されており、再度日本を標的にする狙いがあると見られている。また日本人女性が通訳としてスティーブ号に乗船してることが判明した。[20]

所有船

シーシェパードは、彼らが 「Neptune's Navy (海神の海軍)」と呼ぶ船を3隻保有している。不法行為により船籍を何度も剥奪されているのでそのたびに他の国の船籍に変えている。最初は「NGOの直接行動」ということで特に欧米の一般市民の間で評判がよく、船籍を与えることも多かったが、最近では度重なる暴力行為を含む不法行為(国際法上の海賊行為)のため、他の環境保護団体からも非難されるようになり、先進国では船籍をあたえる国が無くなっている。ただし、捕鯨反対派が多いとされるオランダなどでは、船籍を与えている場合もある。

Ady Gil
2009年10月17日にロサンゼルスで行われたイベントで導入が発表された三胴式の小型高速船で、速度は最大50ノット、船籍はニュージーランド[21]。船名はシーシェパードによってEarthraceから改名された[22]。この船名はシーシェパードに100万ドルを出資したアメリカ人、アディ・ギルにちなむ[23]。2010年1月6日、日本の捕鯨船団に所属する監視船に衝突し、大破した。[24] シー・シェパードの別の抗議船、ボブ・バーカー号に曳航され、南極のフランス基地に向かったが、途中、船体に浸水し沈んだと、シーシェパードは発表したが、現在も南極海に放置されていることが確認されている。
R/V Farley Mowat
元はノルウェーの漁業調査船として1956年に建造された船。1996年にシーシェパードが購入し、シーシェパードIIIと名づける。1999年にオーシャン・ウォリアーに改名し、2002年からは現在の名前となる。船の名の由来はカナダのナチュラリストで作家のファーレイ・モウワット。全長54メートル、排水量657トン、1400馬力[25]。2006年12月に一度、ベリーズから船籍を剥奪されているが、その後、オランダ船籍を取得したとのことである[26][27]。2007年7月には、カナダのモホーク族の船籍も得ている[28]。2007年2月に旧名Robert Hunter号とともに、日本の調査船を襲撃した。このときのFarley Mowat号の塗装は黒色であった。
Steve Irwin(旧名Robert Hunter)
シーシェパードの所有する高速船。2007年2月現在詳細は明らかにされてないが[29]、シーシェパードのプレスリリース[30]を見る限り、2007年1月南極海で、日本の調査船の調査捕鯨を妨害(彼らはリヴァイアサン作戦 "Operation Leviathan" と呼んでいる[31])に参加したのが初任務である[32]。2007年2月19日付でイギリスから船籍剥奪を通告されているが、その後すぐ、オランダ船籍を取得したとのことである[26][27]。Robert Hunter の名の由来は、カナダの環境活動家で2005年に亡くなったロバート・ハンター。この船は、取材中にエイに刺されて死んだテレビタレント兼活動保護家のスティーブ・アーウィンの妻の許可を得て、2007年12月にスティーブ・アーウィン号に改名した。従って、2007年2月(ロバート・ハンター号)と2008年1月(スティーブ・アーウィン号)に日本の調査船を襲撃した船は同一船である。2007年の襲撃時には塗装は薄い青緑であったが、2008年の襲撃時には船名の変更とともに全面黒色塗装されている。排水量1017トン。
Sirenian
元はアメリカの沿岸警備隊巡視艇として1955年に建造された船。用途廃止された後に1991年にシーシェパードが購入。1999年秋にシアトルで捕鯨推進派とのにらみ合いの際破壊されるが、修理・オーバーホールされる[33]。Sirenianとは英語で「ジュゴン目」という意味。

支援者

オーストラリア政府は、与野党共同でシーシェパード支援を表明している。ピーター・ギャレット環境相(反捕鯨担当)は元グリーンピースの理事。イアン・キャンベル元環境相は現在シーシェパードの国際諮問委員に就任している。

レイ・ガンベル (Ray Gambell)はIWC委員長だった1994年に「IWC とその全ての構成員がシーシェパードのテロ行為を非難する」との声明を発した。だが、退任後ガンベルはBBCで「日本ノルウェー の範囲内で留めてくれるのならはるかに良いでしょうに」と、シーシェパードへの一部支持を明らかにしている。また2006年、ホルスト・クラインシュミット (Horst Kleinschmidt) IWC元副議長は、アドバイザーとしてシーシェパードに加入した。

以下は活動への参加や支持・支援を表明、あるいはシーシェパードが支援を受けているとした者の一部である。

捕鯨関係者・政治家および著名人

団体・企業

脚注

  1. ^ Campbell, Duncan. “Champion of seas faces attempted murder case”. guardians.co.uk. 2009年7月29日閲覧。
  2. ^ Who We Are”. Sea Shepherd. 2009年7月29日閲覧。
  3. ^ 水産庁や同庁管轄の財団法人日本鯨類研究所はシーシェパードをエコテロリスト」や「テロリスト」と非難している(J-CASTニュース 2008年1月16日)
  4. ^ ICR to Australia, Holland: prosecute Sea Shepherd” (英語). The Japan Times Online (2008年12月23日). 2009年7月29日閲覧。
  5. ^ Testimony of James F. Jarboe” (英語). FBI. 2009年12月10日閲覧。
  6. ^ シー・シェパード非難声明を採択 IWC中間会合
  7. ^ パタゴニア社の公式見解」参照。
  8. ^ 和歌山県太地で行われているイルカ漁に対する反対キャンペーンではヘイデン・パネッティーアを利用した。米国のニュース番組などではイルカが捕殺されヘイデン・パネッティーアが泣く姿が大々的に取り上げられた。また「日本のイルカ漁を告発する」目的で太地での活動を記録した映画『The Cove』が製作されサンダンス映画祭で観客賞を受賞した
  9. ^ この番組はリアリティーショー特有の演出がある(「日本の捕鯨船にポール船長が撃たれるものの、防弾ベストのおかげでかすり傷で助かった」等のエピソードがあるが、実際には捕鯨船側からの威嚇射撃は全て空砲である。)。また船員の思慮に欠けた行動や、ワトソンの無茶や不注意によって誰かが怪我をしたり、船そのものが窮地に陥ることも少なくないなど、団体の足下のおぼつかなさが垣間見られる。痛烈な社会風刺で有名なサウスパークでは、「Whale Whores(鯨娼婦)」と題してこの番組を取り扱い、シーシェパードとそれに追随するリアリティーショー、そしてそれらの視聴率のために演出するシステムそのものが風刺されており、ワトソンや遊び気分で無能なシーシェパード船員などが面白おかしく扱われている。なお、英文ニュースの翻訳に頻繁に出てくる「捕鯨『戦争』」というフレーズは、このリアリティーショーの題名をもじったものである
  10. ^ http://www.seashepherd.org/rewards.html#grizzly
  11. ^ 朝日新聞2008/04/03より、電話取材に答えて。
  12. ^ 「シエラ」は、IWC非加盟のソマリア船籍船なので、IWCの捕獲制限を守る義務を持たなかったが、反捕鯨派からは「海賊捕鯨船 (pirate whaler)」と呼ばれていた。なお、捕獲された鯨の肉の大半は日本に輸出されていた。TIME - 1979/07/30 "Victory at Sea", FAO - 1979 "Unasylva - No. 125 - Combating the trade in endangered species through CITES", Whale and Dolphin Conservation Society - May 2005 "page.13 of 'The RMS - A question of confidence?(PDF)'" この船の存在が問題視されたのはアメリカ合衆国下院議会公聴会でのヒアリングが発端であり[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。、その後イギリスのオブザーバーもこの船についての報道を行った[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。現在Web上で読める情報としては、シーシェパードのほか、グリーンピースやアースアイランドインスティテュートなどの環境保護団体によるものがある。それによると、シエラのオーナーはノルウェー人資本家と日本企業であり、当時すでに絶滅危惧種としてIWCが禁漁種としていたシロナガスクジラを含む捕鯨を行っていたとされる。ECO - June 2006 "Eco - The Voice of Conservaion at the IWC Conference - June 2006", GP Sweden "Illegal whaling"
  13. ^ a b c d e SEA SHEPHERD’S VIOLENT HISTORY、日本鯨類研究所。
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関連項目

外部リンク