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|全幅||14m(45フィート) |
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|機関||型式不明石炭専焼缶 |
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|最大出力||1,370[[馬力|hp]] |
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|航続距離||6ノットで途中停止しつつ10日間の連続航海可能 |
|航続<br />距離||6ノットで途中停止しつつ10日間の連続航海可能 |
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|燃料||石炭:210トン |
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|乗員||96名(戦時には40名増員可能) |
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|兵装|| |
|兵装||[[アームストロング・ホイットワース|アームストロング]] Mark I 10[[インチ]]:25.4cm(15口径)[[前装式|前装式連装砲]]2基<br />12[[ポンド]]:7.62cm[[榴弾砲|単装榴弾砲]]2基([[青銅]]製)<br /> (1883年:[[ノルデンフェルト]] [[機関砲|四銃身機関砲]]4基)<br />(1890年:ノルデンフェルト 6ポンド:5.7cm(40口径)[[速射砲|単装速射砲]]2基)<br />()1897年:[[ハイラム・マキシム|マキシム]]・ノルデンフェルト 14ポンド速射砲2基) |
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|装甲||舷側:150~200mm+[[オーク]]材230~280mm<br />甲板:25~38mm+[[チーク]]材250mm<br />ブレストワーク部:200~230mm+オーク材230~280mm<br />砲塔:230~250mm<br />司令塔:-mm |
|装甲||舷側:150~200mm+[[オーク]]材230~280mm<br />甲板:25~38mm+[[チーク]]材250mm<br />ブレストワーク部:200~230mm+オーク材230~280mm<br />砲塔:230~250mm<br />司令塔:-mm |
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'''サーベラス'''(HMVS Cerberus)は、[[オーストラリア]]・[[ビクトリア州|ビクトリア植民地政府]]海軍が保有した[[モニター艦]]。[[オーストラリア海軍]]が承継し、1921年に'''プラティパス II'''(HMAS Platypus II)と改名した。[[防波堤]]として船体が現存している。 |
'''サーベラス'''(HMVS Cerberus)は、[[オーストラリア]]・[[ビクトリア州|ビクトリア植民地政府]]海軍が保有した[[モニター艦]]で同型艦はない。後に[[オーストラリア海軍]]が承継し、1921年に'''プラティパス II'''(HMAS Platypus II)と改名した。現在も[[防波堤]]として船体が現存している。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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[[イギリス]]の[[植民地]]であった[[オーストラリア]]の[[ビクトリア州|ビクトリア植民地政府]]海軍の[[軍艦]](HMVS=Her Majesty's Victorian Ship)として、イギリスで建造された。[[モニター艦]]に分類され、特に艦中央部にブレストワークと呼ばれる上部構造物を備えることから、[[ブレストワーク・モニター]]と呼ばれる系列である。完成後、オーストラリアへの航海時には、航洋性能を高めるために臨時の改装が施されていた。燃料となる[[石炭]]搭載量がわずか210トンであったため、回航には相当の困難が伴った。 |
[[イギリス]]の[[植民地]]であった[[オーストラリア]]の[[ビクトリア州|ビクトリア植民地政府]]海軍の[[軍艦]](HMVS=Her Majesty's Victorian Ship)として、イギリスで建造された。[[モニター艦]]に分類され、特に艦中央部にブレストワークと呼ばれる上部構造物を備えることから、[[ブレストワーク・モニター]]と呼ばれる系列である。完成後、オーストラリアへの航海時には、航洋性能を高めるために簡易的な帆走設備と乾舷を高める囲いなど臨時の改装が施されていた。燃料となる[[石炭]]搭載量がわずか210トンであったため、回航には相当の困難が伴った。 |
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[[File:Victorian Navy (AWM 300032).jpg|thumb|left|150px|本艦を描いたイラスト。]] |
[[File:Victorian Navy (AWM 300032).jpg|thumb|left|150px|本艦を描いたイラスト。]] |
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[[File:HMVS Cerberus flying deck 1895 AWM P00952.003.jpeg|thumb|left|150px|艦上で対水雷艇用の速射砲を運用する水兵達。]] |
[[File:HMVS Cerberus flying deck 1895 AWM P00952.003.jpeg|thumb|left|150px|艦上で対水雷艇用の速射砲を運用する水兵達。]] |
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サーベラスは、ビクトリア政府海軍の主力艦として、[[メルボルン]]など[[ポートフィリップ湾]]一帯の防衛任務に当てられた。[[1883年]]以降、[[水雷艇]]対策として各種の[[速射砲]]が追加された。 |
サーベラスは、ビクトリア政府海軍の主力艦として、[[メルボルン]]港など[[ポートフィリップ湾]]一帯の防衛任務に当てられた。[[1883年]]以降、[[水雷艇]]対策として各種の[[速射砲]]が追加された。 |
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[[1911年]]に[[オーストラリア海軍]]が成立すると、その所属艦として引き継がれた。旧式化が著しく弾薬庫などとして使用された。1921年にプラティパス II(HMAS Platypus II)と改名され、港に係留されてオーストラリア海軍の[[J級潜水艦]]部隊の支援用に使われた。 |
[[1911年]]に[[オーストラリア海軍]]が成立すると、その所属艦として引き継がれた。旧式化が著しく弾薬庫などとして使用された。1921年に「プラティパス II(HMAS Platypus II)」と改名され、港に係留されてオーストラリア海軍の[[J級潜水艦]]部隊の支援用に使われた。 |
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J級潜水艦部隊の解散に伴い、1924年に[[スクラップ]]として売却された。一旦は解体工事が始まったが、1926年に防波堤に転用されることとなり、ヴィクトリア州メルボルン郊外のブラックロック(Black Rock)にあるハーフムーン湾(Half Moon Bay)に沈められた。船体が残された世界でも稀なモニター艦となったが<ref>[[スウェーデン海軍]]のセルヴは現在も[[イェーテボリ]]の海事博物館で保存されている。モニター艦に近い[[砲塔艦]]としては、チリ海軍の[[ワスカル (装甲艦)|ワスカル]]が[[博物館船|記念艦]]として保存されている。</ref>、波浪の影響で破損が進行しており、地元で保存運動が行われている。 |
J級潜水艦部隊の解散に伴い、1924年に[[スクラップ]]として売却された。一旦は解体工事が始まったが、1926年に防波堤に転用されることとなり、ヴィクトリア州メルボルン郊外のブラックロック(Black Rock)にあるハーフムーン湾(Half Moon Bay)に沈められた。船体が残された世界でも稀なモニター艦となったが<ref>[[スウェーデン海軍]]のセルヴは現在も[[イェーテボリ]]の海事博物館で保存されている。モニター艦に近い[[砲塔艦]]としては、チリ海軍の[[ワスカル (装甲艦)|ワスカル]]が[[博物館船|記念艦]]として保存されている。</ref>、波浪の影響で破損が進行しており、地元で保存運動が行われている。 |
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== 同型艦 == |
== 同型艦 == |
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[[インド海軍]]向けに、同型のモニター艦マグダラ(HMIS Magdala)が建造された。ボンベイ(現・[[ムンバイ]])の防備に当てられた。 |
[[インド海軍]]向けに、同型のモニター艦マグダラ(HMIS Magdala)が建造された。ボンベイ(現・[[ムンバイ]])の防備に当てられた。 |
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== 参考図書 == |
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*「世界の艦船増刊第30集 イギリス戦艦史」(海人社) |
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*「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway) |
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== 注記 == |
== 注記 == |
2010年4月15日 (木) 18:27時点における版
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艦歴 | |
---|---|
発注 | 1867年7月1日 |
起工 | 1867年9月1日 |
進水 | 1868年12月2日 |
就役 | 1870年9月12日 |
退役 | 1924年 |
その後 | 1926年9月2日、防波堤として沈められる。 |
除籍 | |
性能諸元(竣工時) | |
排水量 | 常備:3,340トン 3,560トン(満載) |
全長 | 69m(225フィート) -m(水線長) |
全幅 | 14m(45フィート) |
吃水 | 5m(16フィート) |
機関 | 型式不明石炭専焼角型缶4基&補助缶1基 +Maudslay Son & Field式レシプロ機関2基2軸推進 |
最大 出力 |
1,370hp |
最大 速力 |
9.75ノット (公試時:12.4ノット(1900年4月13日に記録)) |
航続 距離 |
6ノットで途中停止しつつ10日間の連続航海可能 |
燃料 | 石炭:210トン |
乗員 | 96名(戦時には40名増員可能) |
兵装 | アームストロング Mark I 10インチ:25.4cm(15口径)前装式連装砲2基 12ポンド:7.62cm単装榴弾砲2基(青銅製) (1883年:ノルデンフェルト 四銃身機関砲4基) (1890年:ノルデンフェルト 6ポンド:5.7cm(40口径)単装速射砲2基) ()1897年:マキシム・ノルデンフェルト 14ポンド速射砲2基) |
装甲 | 舷側:150~200mm+オーク材230~280mm 甲板:25~38mm+チーク材250mm ブレストワーク部:200~230mm+オーク材230~280mm 砲塔:230~250mm 司令塔:-mm |
サーベラス(HMVS Cerberus)は、オーストラリア・ビクトリア植民地政府海軍が保有したモニター艦で同型艦はない。後にオーストラリア海軍が承継し、1921年にプラティパス II(HMAS Platypus II)と改名した。現在も防波堤として船体が現存している。
概要
イギリスの植民地であったオーストラリアのビクトリア植民地政府海軍の軍艦(HMVS=Her Majesty's Victorian Ship)として、イギリスで建造された。モニター艦に分類され、特に艦中央部にブレストワークと呼ばれる上部構造物を備えることから、ブレストワーク・モニターと呼ばれる系列である。完成後、オーストラリアへの航海時には、航洋性能を高めるために簡易的な帆走設備と乾舷を高める囲いなど臨時の改装が施されていた。燃料となる石炭搭載量がわずか210トンであったため、回航には相当の困難が伴った。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/28/Victorian_Navy_%28AWM_300032%29.jpg/150px-Victorian_Navy_%28AWM_300032%29.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5c/HMVS_Cerberus_flying_deck_1895_AWM_P00952.003.jpeg/150px-HMVS_Cerberus_flying_deck_1895_AWM_P00952.003.jpeg)
サーベラスは、ビクトリア政府海軍の主力艦として、メルボルン港などポートフィリップ湾一帯の防衛任務に当てられた。1883年以降、水雷艇対策として各種の速射砲が追加された。
1911年にオーストラリア海軍が成立すると、その所属艦として引き継がれた。旧式化が著しく弾薬庫などとして使用された。1921年に「プラティパス II(HMAS Platypus II)」と改名され、港に係留されてオーストラリア海軍のJ級潜水艦部隊の支援用に使われた。
J級潜水艦部隊の解散に伴い、1924年にスクラップとして売却された。一旦は解体工事が始まったが、1926年に防波堤に転用されることとなり、ヴィクトリア州メルボルン郊外のブラックロック(Black Rock)にあるハーフムーン湾(Half Moon Bay)に沈められた。船体が残された世界でも稀なモニター艦となったが[1]、波浪の影響で破損が進行しており、地元で保存運動が行われている。
艦歴
- 1867年 イギリスのPalmers Shipbuilding and Iron Companyの造船所で進水。
- 1870年 竣工。
- 1871年 オーストラリアへ回航。
- 1911年 オーストラリア海軍に移籍。
- 1921年 プラティパス IIと改名。潜水艦の係留母艦任務。
- 1924年 スクラップとして売却。
- 1926年 防波堤として沈められる。
同型艦
インド海軍向けに、同型のモニター艦マグダラ(HMIS Magdala)が建造された。ボンベイ(現・ムンバイ)の防備に当てられた。
参考図書
- 「世界の艦船増刊第30集 イギリス戦艦史」(海人社)
- 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)
注記
関連項目
外部リンク
- Friends of the Cerberus - サーベラスの保存運動。
- Ship specifications