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|社名= バング&オルフセン アイスパワー |
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2010年4月28日 (水) 09:16時点における版
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本社所在地 |
デンマーク Denmark |
---|---|
設立 | 1999年 |
事業内容 | D級アンプの設計・開発(製品自体は外部委託製造) |
代表者 | Peter Sommer, CEO |
従業員数 | 40+ (2009) |
主要株主 | Bang & Olufsen a/s |
外部リンク | [1] |
概要
バング&オルフセン アイスパワー(Bang & Olufsen ICEpower a/s 、ICEpower)は、1999年にデンマークの首都、コペンハーゲン郊外のリンビー(Kongens Lyngby)で創業した、独自の特許技術を駆使したD級アンプを設計・開発しているメーカーである。
ICEpowerの特許技術は、創設者のひとりであるDr. Karsten Nielsenがデンマーク工科大学(Technical University of Denmark)での博士課程で研究していた技術がベースとなっており、今日においてもICEpower製品の全てでこの技術が基礎となっている。
Dr. Karsten Nielsenの1994年の博士学位論文、"Audio Power Amplifiers Techniques Based on Efficient Power Conversion"[1]はBang & Olufsen(B&O)との共同プロジェクトとして行われ、1997年にBeoLab 1に採用されている。 また、Dr. Nielsenは1998年に博士課程を修了し、その後B&Oに採用されている。
その後、1999年にバング&オルフセンとのジョイントベンチャーとして創業した企業だが、2008年7月のDr. Karsten Nielsenの退職を機にB&Oの100%子会社となっている。 尚、設立当初(1999年)の社名はBang & Olufsen PowerHouseであったが、2001年に社名を現在のBang & Olufsen ICEpowerに変更している。
また、設立当初は一般・プロ用アンプでスタートしたが、現在はオートモーティブ用アンプ、携帯電話・ポータブル機器用アンプの開発も行っている。 アンプの特性を最大限に引き出すためにスイッチング電源の開発も行っており、ICEpowerの独自技術を用いることでAC電源やバッテリーからスピーカーまで高効率な電力伝送が可能となっている。
特徴・技術
ICEpowerのアンプは周波数特性やノイズ特性においても優れた性能を持っており、例としてパイオニアのAVアンプ(SC-LX90)で採用された10chパワーアンプとスイッチング電源では10ch、1400W同時出力を実現しTHXの最高規格であるTHX Ultra2 Plusに対応している。
ICEpowerの高効率アンプ・電源技術と従来のAB級アンプを凌ぐオーディオ性能はオーディオ業界で高く評価され、Bang & Olufsenやパイオニア以外にも海外の高級オーディオアンプで多くの採用実績を持つ。
ICEpowerのアンプはアナログ領域で信号処理を行うため、アナログクラスDと呼ばれている。 従来のPWMアンプとは異なり、ICEpowerは三角波を必要としない自励発振式で複数のフィードバックループを持ち、COM(Controlled Oscillating Modulator)とMECC(Multivariable Enhanced Cascade Control)という2つの独自技術で成り立っている。
COMはローパスフィルターの内側のループで、自励発振型のクローズドループシステムである。 このループで出力段での非線形性を抑制するとともに高いPSRRを実現している。 また、変調とフィードバック制御を同じブロックで行うため、回路構成は非常にシンプルである。
MECCはローパスフィルターの外側、即ちアンプ出力端子からのフィードバックループである。 MECCによってローパスフィルターで生じる非線形性が抑制され、AB級アンプを凌ぐ極めて低い出力インピーダンスと高いスピーカー制動力を得ることができる。
Intelligent Switch-Mode Power Supply
アンプの性能を最大限に引き出すために、ICEpowerでは独自技術を用いて高効率で低ノイズのスイッチング電源を開発している。 ICEpowerのアンプと電源を組み合わせることで、高効率・高性能なオーディオ製品が実現可能となる。
モジュール製品
Aシリーズ[2] : ICEpower250A/ICEpower500A/ICEpower1000A
主に業務用、ハイエンドオーディオ用途向けに開発された1chアンプ(片電源BTL)モジュール。 250W、500W、1000W(4Ω)の3モデル。
ASPシリーズ[3] : ICEpower250ASP/ICEpower500ASP/ICEpower1000ASP
主に業務用、ハイエンドオーディオ用途向けに開発された1chアンプ(片電源BTL)とスイッチング電源を搭載したモジュール。 250W、500W、1000W(4Ω)の3モデル。
ASC、AC、SCシリーズ[4] : ICEpower200ASC/ICEpower200AC/ICEpower200SC
主に民生用機器向けに開発された。 200ASCは1chアンプ(片電源BTL)とスイッチング電源を搭載したモジュール。 200ACは200ASCからスイッチング電源を取り除いたアンプモジュール。 200SCは200ASCからアンプを取り除いた電源モジュール。 200ASCと200ACのアンプ出力は200W(4Ω)。
ASX2シリーズ[5] : ICEpower50ASX2/ICEpower125ASX2/ICEpower250ASX2
民生用、業務用、ハイエンドオーディオ等、様々な用途に幅広く使えるよう開発された2chアンプ(両電源SE)とスイッチング電源を搭載したモジュール。 50W×2ch, 125W×2ch, 250W×2ch(4Ω)の3モデル。 それぞれ1chのBTLアンプとして使用することも可能。
ASH7シリーズ[6] : ICEpower150ASH7
ホームシアター向けの7chアンプ(両電源SE)とスイッチング電源を搭載したモジュール。 150W×7chの1モデルのみ。 THX Select2の認証を取得している。
これらの製品は全てICEpowerが選定したEMS工場で製造されている(日系企業との関係は無い)。 また、これらのモジュールのデータシートはICEpowerのホームページから取得可能である[7]。
また、ICEpowerは上記のモジュール製品以外にもソリューションを供給しており、それらはICEpower独自のチップセットの販売、ICEpower独自のIPをライセンスするなどのビジネスモデルであり、カスタム製品や、オートモーティブ用アンプ、携帯電話・ポータブル機器用アンプなどで採用されている。
英文ではあるが、これらの情報もICEpowerのホームページから取得可能である[8]。
アジアでの拠点
ICEpowerは2007年にICEpower Japanを設立し、東京オフィス(東京都中央区)[9]よりアジア全域のオペレーションを行っている。
但し、ICEpowerは一般消費者向けの販売は行っておらず、取引対象はあくまでも企業のみである。
尚、ICEpowerは基本的に代理店は置いておらず、ICEpower Japanが直接顧客と取引きを行っている。
脚注
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/technology/publications/thesis/
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/solutions/speaker/A_SERIES
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/solutions/speaker/ASP_SERIES
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/solutions/speaker/ASC_SERIES
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/solutions/speaker/ASX2_SERIES
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/solutions/speaker/150ASH7
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/downloads/
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/solutions/
- ^ http://www.icepower.bang-olufsen.com/en/contacts/
関連項目
外部リンク
- ICEpower 公式サイト
- Bang & Olufsen