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== テスト ==
== テスト ==
[[2007年]]7月に多量の埃がある環境で6000発発射させる品質テストにおいて[[M4カービン]]、[[H&K XM8]]、[[H&K HK416]](M4カービンの近代改良型)と共にテストが行われたが、その際にSCARは226発のジャム(排莢不良)を起こし、127回しか起こさなかったXM8に敗北した。もっともこのテストはM4カービンの近代改良化の有用性についての実験である。
[[2007年]]7月に多量の埃がある環境で6000発発射させる品質テストにおいて[[M4カービン]]、[[H&K XM8]]、[[H&K HK416]](M4カービンの近代改良型)と共にテストが行われたが、その際にSCARは226発のジャム(排莢不良)を起こし、127回しか起こさなかったXM8に敗北した。もっともこのテストはM4カービンの近代改良化の有用性についての実験である(M4は882回、HK 416は233回)


== バリエーション ==
== バリエーション ==

2010年5月18日 (火) 10:05時点における版

FN SCAR
ファイル:FN SCAR rifle.jpg
SCAR-L(上)とSCAR-H(下)
FN SCAR
種類 軍用小銃
製造国 ベルギーの旗 ベルギー
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
設計・製造 ファブリックナショナル
仕様
種別 カービン
口径 5.56mm(SCAR-Hは7.62mm)
銃身長

SCAH-L
254mm(CQC)
355mm(STD)
457mm(LB)

SCAH-H
330mm(CQC)
406mm(STD)
508mm(LB)
ライフリング 6条右転
使用弾薬 5.56mm NATO弾
7.62mm NATO弾
7.62×39mm弾
装弾数 20発/30発(箱型弾倉)
作動方式 ガス圧利用(ショートストロークピストン式)、ターンロックボルト
全長

SCAH-L
・CQC
533.4mm(ストック折畳み)
723.9~787.4mm(ストック展開)
・STD
635mm(ストック折畳み)
825.5~889mm(ストック展開)
・LB
736.6mm(ストック折畳み)
927.1~990.6mm(ストック展開)

SCAH-H
・CQC
635mm(ストック折畳み)
825.5~889mm(ストック展開)
・STD
711.2mm(ストック折畳み)
901.7~965.2mm(ストック展開)
・LB
812.8mm(ストック折り畳み)
1003.3~1066.8mm(ストック展開)
重量 L:3280g
H:3510g
発射速度 550~600発/分
銃口初速 920m/秒
有効射程

SCAR-L
300m(CQC)
500m(STD)
600m(LB)

SCAR-H 
300m(CQC)
600m(STD)
800m(LB)
歴史 
配備期間 2009年4月[1]-現在
テンプレートを表示

FN SCAR(FN Special operations forces Combat Assault Rifle:特殊部隊用戦闘アサルトライフル)は、ベルギーの銃火器メーカーであるFN社(ファブリックナショナル社)がアメリカ特殊作戦軍(以下SOCOMと表記)向けに開発しているアサルトライフルである。

概要

SCARは2003年に行われたSOCOMのトライアルの為に開発され、ロビンソンアーマメント社XCRと共に参加していたが、XCRが部品調達の遅れによりトライアルから脱落し、結果SCARが選定された。

その後、2005年にはヘッケラー&コッホH&K XM8を開発しているが、アメリカ海兵隊SOCOMが猛反発し白紙となり、SCARを大量に購入してトライアルしている為、現在アメリカ軍が使用しているM16M4カービンなどの後継の大部分がこのSCARで統一される可能性がある。実際にイラク戦争に投入されている特殊部隊が使用しており、高い評価を得ている。

特徴

SCARを携帯した第75レンジャー連隊の隊員。

基本的には同社のFN FNCをベースに近代的な改良を加えるという設計だが、様々な改良を加えられた結果、事実上ほとんど別のライフルになっている。辛うじてFNCから継承されたといえるのはアルミ合金の削り出しのロアレシーバーだが、これも最新ロット(後述)では樹脂製に変更されている。

作動機構はガス圧利用方式だが、M16チャンバー内のボルトキャリアまでガスを流入させる方式を採用したのに対し、SCARはボルトキャリアの前方で発射後のガスを受け止めてボルトを後退させる機構を取っている。そのため、命中精度は若干低下するものの、ボルトキャリアが汚れることはなくなった。これはM1カービンと非常によく似たシステムである。他にも、89式小銃のようなガス調整弁を備えて作動不良に備えるなど、M16で不満とされた信頼性の高さを向上させる工夫が施されている。

また、SCARの特徴の一つとして、高い汎用性が挙げられる。SCARには5.56mmNATO弾と7.62mmNATO弾を使用するモデルが存在するが、二つのSCARの相違点を少なくした上で共通性を持たせる事で維持コストを下げ、新しい口径の弾丸が開発されたとしても最小限の改良で対応できる。また、アッパーレシーバー上部とハンドガードにはピカティニー規格の20mmマウントレールが標準装備されており、各種アクセサリの取り付けが可能。加えて、バレルのフリーフローティング化や、全長のみならずチークパッドの調節まで行える折り畳み式ストックによって、狙撃銃からCQBにも対応出来る多様性を持つ。他にも、マガジンキャッチやセレクター、装填ハンドルはアンビ(左右両用)であり、操作性に優れる。

度重なるテストによって年々改良を加えられており、現在のバージョンはGen3となる。変更点は以下の通り。

  • グリップをFNCタイプからM16タイプに変更。
  • ストックは三段階から六段階まで調節可能に。
  • アルミ製だったロアレシーバーを樹脂製に換装。
  • マガジンウェルもフレア(開口)に変更。
  • フラッシュハイダーをM16タイプより大型のオリジナルに変更。
  • 着脱式だったフロントサイトは折り畳み式に変更。
  • カラーリングがブラックからFDE(フラットダークアース)と砂漠塗装の2種類に。
  • 弾倉をスチールから樹脂製に、塗装もFDEへ変更。

また、M203 グレネードランチャーの後継としてFN F2000用のGL1をベースとした専用のFN40GL(MK13)40mmグレネードランチャー(EGLM)も併せて開発された。このランチャーはM320のように砲身を横に向ける動作を加えたため、より全長の長い弾薬を使用出来るようになった。更にトリガーグループはマガジンを迂回してライフル本体のトリガーの真下に配置されており、引き金を引く側の手の人差し指でライフルとランチャー両方の発射が行えるようになっている。

テスト

2007年7月に多量の埃がある環境で6000発発射させる品質テストにおいてM4カービンH&K XM8H&K HK416(M4カービンの近代改良型)と共にテストが行われたが、その際にSCARは226発のジャム(排莢不良)を起こし、127回しか起こさなかったXM8に敗北した。もっともこのテストはM4カービンの近代改良化の有用性についての実験である(M4は882回、HK 416は233回)。

バリエーション

ファイル:FN Scar Light.jpg
5.56mm口径のSCAR-L(プロトモデル)
  • SCAR-L - Lightの意。5.56mmx45mm NATO弾仕様で、M4、M16の後継とされる。通称Mk 16
  • SCAR-H - Heavyの意。7.62mmx51mm NATO弾仕様で、M14の後継とされる。通称Mk 17
  • また現在導入が検討されている6.8mm×43SPC弾にもモジュールを交換するだけで即座に対応出来るように設計されている。
  • IAR - Infantry Automatic Rifleの略。5.56mmx45mm NATO弾仕様。
  • SCAR 16S - SCAR-Lの民間用セミオートバージョン。16インチバレルで、値段は一丁2,994ドル。[2]

SCARが登場するメディア作品

ゲーム

ゴーストリコン アドバンスウォーファイター
SCAR-L、SCAR-H共に登場。
ゴーストリコン アドバンスウォーファイター2
レインボーシックス ベガス
「SCAR-H CQC」という名称だが、装弾数はSCAR-Lと同様の30発。フォアグリップ装備。
レインボーシックス ベガス2
前作同様、装弾数が30発。
サドンアタック
SCAR-Lが登場。ダットサイト付きもあるが、ただの飾り。
BLACKSHOT
SCAR-Hが登場。脅威の命中率、脅威の威力とゲーム内で優遇されている。
経験値を貯めるとサイレンサーやスコープを装着出来る。
バトルフィールド2
拡張パックのスペシャルフォースではSEAL'sの特殊兵がSCAR-L、突撃兵がSCAR-Hが使用できる。SCAR-Hは何故か装弾数が30発になっている。ダットサイト、フォアグリップ装備でプロトモデル。
バトルフィールド バッド カンパニー
特殊兵でサプレッサーが装着されたモデルが使用可能。
メタルギアソリッド4
本編ではPMCの標準装備としてMk.17(Gen.2)が登場。MGOではDPポイント採用ラウンドで登場。ドットサイト、4倍ズームスコープ、フォアグリップがオプションとして選べる。
クロスファイア (オンラインゲーム)
SCAR-H、SCAR-L共に登場。
Operation Flashpoint: Dragon Rising
MK16 MOD0とMK17 MOD0が登場。ドットサイトやACOGスコープが装着されている。全て第2世代(Gen.2)モデル。
レッドスティール
特に終盤に活躍する。
コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2
SCAR-Hが登場。アサルトライフルとしてシングル、マルチプレイ両方で使用可能。シングルプレイでは装弾数が30発になっている(マルチプレイでは基本的に20発)。
Left 4 Dead 2
メインウェポンの上位武器として登場。このゲーム内での装弾数は60発。また3点バースト連射のみで、フルオートや単発に切り替えることは出来ない。命中精度は非常に高い設定だが、リロード時間は同ゲームに登場するM16より非常に遅いなど、対象との距離を置いて戦うことを主眼に性能が設定されている。
カウンターストライクオンライン
カウンターテロリスト側の初期支給のアサルトライフルとして登場。状況によってSCAR-H(装弾数20発)とSCAR-L(装弾数30発)を切り替えて使える。スコープなど各種アクセサリは装備されていない。

脚注

  1. ^ Matthew Cox (2009年5月14日). “75th Rangers will take SCAR to war”. Army Times. http://www.armytimes.com/news/2009/05/army_scar_051109w/ 2010年3月7日閲覧。 
  2. ^ 月刊Gun 2010年5月号

関連項目

外部リンク