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2010年9月28日 (火) 14:13時点における版
カズグリ、カズクリとは、栗の突然変異種で、岩手県花巻市の1ヶ所にのみ存在する日本の国指定天然記念物である[1][2]。
概要
本来、普通の栗は花序(後注)の先の部分に多数の雄花があり、基部に雌花が1~2個であるが、カズグリにおいては、すべてが雌花であり、花序に多数のイガをつける特徴がある[1]。これは、突然変異を起こし、雄花がすべて雌花に変異したものと考えられている[1]。一本の花序に多数のイガを付けるが、結実するのは基部の1~3花である[1]。1925年(大正14年)には、すでに岩手県の調査が入ったように、存在が知られており[3]、1927年(昭和2年)にカズグリ自生地として、国の天然記念物に指定されている[4]。
注、花序…単独ではなく、多数の花が枝状に連なってついた状態[5]。
現存地・状態
2010年(平成22年)現在、カズグリは、岩手県花巻市(旧東和町)石鳩岡の数栗稲荷神社境内にあるのみである[1]。原木は枯れ、現存するのは接木によって増殖したもので、7本だけである[2]。
出典・脚注
- ^ a b c d e 花井正光、桂雄三、本間暁:監修、『自然紀行・日本の天然記念物』、講談社、2003年、P54、ISBN 4-06-211899-8
- ^ a b 加藤陸奥雄、沼田眞、渡部景隆、畑正憲:監修、『日本の天然記念物』、講談社、1995年、P310、ISBN 4-06-180589-4
- ^ 岩手県教育委員会編集、『岩手県史蹟名勝天然記念物調査』、国書刊行会、1984年、P691
- ^ 文化庁・国指定文化財等データベース・カズグリ自生地
- ^ ヴェルナー・ラウ著、『植物形態の事典 新装版』、朝倉書店、2009年、P117