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「クォーク」の版間の差分

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2010年10月10日 (日) 17:00時点における版

ハドロンである陽子の内部。陽子は、u(アップ)2つとd(ダウン)1つの3つのクォークからなる。ハドロン内部で強い相互作用を伝播しているのはグルーオンである。(SVG画像)

クォーク(quark)とは、ハドロンを構成する素粒子である。実験によるとそれ以上の内部構造があることを示唆する有意な結果が無いため、現在、クォークは素粒子であるとされている。[1]

クオークとも。[2]

クォークという名称は、モデルの提唱者の一人マレー・ゲルマンにより、ジェイムズ・ジョイスの小説『フィネガンズ・ウェイク』中の鳥の鳴き声「quark」から取って付けられた。

概要

我々が生活する通常の温度・密度ではハドロンの中にクォークは閉じ込められており、単独で取り出すことは不可能であるとされる。NASAの発表によると、天体が超新星爆発を起こした後に、クォークが裸の状態で存在する「クォーク星」と呼ぶべきものが発見されたとのことである。

クォークは、1対ずつ3つの階層に分類され、それぞれ「アップダウン」、「チャームストレンジ」、「トップボトム」と名付けられている。また、「色荷(カラー)」と呼ばれる量子数を持ち、他の粒子同様逆の電荷を持つ反クォークが存在する

ハドロンとクォーク

クォークモデルが確立するまではハドロンが強い相互作用を行う粒子であり、また素粒子であると考えられていた。しかし、新たなハドロンの発見が続くにつれ、より小さい構成要素による構造を仮定せざるを得なくなった。現在では、ハドロンは、6種類のクォークとハドロン内部で強い相互作用を伝播する8種類のグルーオンとから構成されるものとして考えられている。

ハドロンは、バリオンとメソン(中間子)に分けられるが、バリオンはクォーク3個、中間子はクォークと反クォークの2個で構成される。例えば、

  • バリオンである陽子はアップクォーク2個とダウンクォーク1個
  • バリオンである中性子はアップクォーク1個とダウンクォーク2個
  • メソンであるK中間子はストレンジクォーク1個と反アップクォーク1個

からなる。

クォークの質量

クォーク一個の質量は、たとえばu(アップクォーク)は電子の10倍、d(ダウンクォーク)は20倍程度だが、これらが集まると質量は普通とは違った結果になる。例えば、

  • uudの組み合わせは陽子を構成するが、質量は10+10+20=40とはならず電子の1836倍程度
  • uddでは中性子だが、10+20+20=50とはならず1839倍程度

となる。これはカイラル対称性の破れに起因する。

ペンタクォーク

これまでは、ハドロンは上記のようにクォーク2個または3個の組み合わせでしか見つかっていなかったが、理論予測されていた5個の組み合わせからなる新ハドロンペンタクォークが最近発見された可能性がある。

クォークの一覧

世代(フレーバー) 名前 記号 電荷 静止質量(単位:MeV
第1世代 アップ u +2/3 1.5 から 3.3 [3]
ダウン d -1/3 3.5 から 6.6 [3]
第2世代 チャーム(センタ) c +2/3 1160 から 1340
ストレンジ(サイドウェイ) s -1/3 70 から 130
第3世代 トップ(トゥルース) t +2/3 (171.2 ± 2.1)x103
ボトム(ビューティ) b -1/3 4.13x103 から 4.37x103

出典: "The Review of Particle Physics", C. Amsler et al., Physics Letters B667, 1 (2008).

脚注

  1. ^ 同様に素粒子であるとされる粒子にレプトン (素粒子)がある。
  2. ^ 学術用語集物理学編では「クォーク」を採用している。
  3. ^ a b アップクォークとダウンクォークの質量の推定については、まだ議論の余地が残されており、現在でも盛んに実験が行われている。実際、アップクォークには本質的に質量が無いとする文献もある。

関連項目

外部リンク

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