「デスメタル」の版間の差分
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'''デスメタル'''は、[[音楽]]([[ヘヴィメタル]])のジャンルの一種。現在は特定の音楽性を指した言葉として定着しているが、そもそもは”死”や”死体”、“地獄”などが歌詞のテーマとして多く出てくる[[スラッシュメタル]]バンドを形容した呼称であった。音楽的に「デスメタル」と呼ぶよりは「アグレッシブでよりエクストリームなスラッシュメタル」といった感じの[[Death]]が元祖デスメタルと呼ばれるのは、そのような理由がある。 |
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* [[デスヴォイス]]と呼ばれる、死神のように演出する歌唱法(限りなく低い声で唸り叫ぶ) |
* [[デスヴォイス]]と呼ばれる、死神あるいは魔獣のように演出する歌唱法(限りなく低い声で唸り叫ぶ/歌詞を高速で叫ぶ)。 |
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* 歌詞は暴虐的、邪悪的、終末的、下卑た雰囲気 |
* 歌詞は暴虐的、邪悪的、終末的、下卑た雰囲気が多い。 |
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[[ヘヴィメタル]]より先鋭化した音楽として[[スラッシュメタル]]が産まれたが、時代の流れか徐々に攻撃性を失い、ヘヴィな側面を強調するようになってきた。それとは対照的に、 |
それまでの[[ヘヴィメタル]]よりも先鋭化した音楽として[[スラッシュメタル]]が産まれたが、時代の流れか徐々に攻撃性を失い、ヘヴィな側面を強調するようになってきた。それとは対照的に、[[スラッシュメタル]]をさらに極悪化させたバンドがいくつか出現し、こちらはデスメタルと呼ばれるようになった。当初フロリダから現れた[[Death]]や[[Obituary]]などはデスメタルの始祖と言われるが、音楽的には[[デスヴォイス]]を用いたダークかつヘヴィな[[スラッシュメタル]]と呼ぶべきであろう。 |
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一般にデスメタルと言えば[[グラインドコア]]を発祥とする[[ブラストビート]]を多用した[[Morbid Angel]]や[[Cannibal Corpse]]、[[Deicide]]辺りが典型と言える。それらのバンドは後のデスメタルの多様化に伴いブルータルデスメタルなどと称される。 |
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古くは[[Napalm Death]]、近年では[[Nasum]]を筆頭とする[[グラインドコア]]・バンドはデスメタルと音楽的に近い関係にあるが、こちらは[[ハードコア]]・[[パンク]]をルーツとするため破滅的ではなく、社会への不満などの現実的なテーマを置いているという点で異なる。[[Carcass]]や[[Dismember]]などのバンドはいち早くデスメタルに叙情性を持ち込み、[[メロディックデスメタル]]というスタイルを開拓した。 |
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最近ではデスメタルもさらに細分化され、もはやバンドの数だけスタイルがあると言える。 |
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ヨーロピアン・デス、オールドスクール・デス、ニュースクール・デス、ゴア・デスメタル、グラインディング・デス、エクストリーム・テクニカル・ブルータル・デス、カオティック・デス、デスコア、ドゥーム・デス、ヴァイキング・デス、デスラッシュ、ブルータル・ブラック・デスあるいはサタニック・デスなど。 |
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== 主なバンド == |
== 主なバンド == |
2005年11月30日 (水) 14:24時点における版
デスメタルは、音楽(ヘヴィメタル)のジャンルの一種。現在は特定の音楽性を指した言葉として定着しているが、そもそもは”死”や”死体”、“地獄”などが歌詞のテーマとして多く出てくるスラッシュメタルバンドを形容した呼称であった。音楽的に「デスメタル」と呼ぶよりは「アグレッシブでよりエクストリームなスラッシュメタル」といった感じのDeathが元祖デスメタルと呼ばれるのは、そのような理由がある。 デスメタルには以下のような特徴がある。
- 超重低音を強調したチューニング。
- 音楽の常識そのものを崩壊させたようなメロディーやコード、曲構成。
- 疾走時には爆風のようなインパクトと、削岩機、マシンガンのようなリズム(ブラストビートと呼ばれるビートでブラックメタル、グラインドコア、ファストコアも多用する)。
- デスヴォイスと呼ばれる、死神あるいは魔獣のように演出する歌唱法(限りなく低い声で唸り叫ぶ/歌詞を高速で叫ぶ)。
- 歌詞は暴虐的、邪悪的、終末的、下卑た雰囲気が多い。
それまでのヘヴィメタルよりも先鋭化した音楽としてスラッシュメタルが産まれたが、時代の流れか徐々に攻撃性を失い、ヘヴィな側面を強調するようになってきた。それとは対照的に、スラッシュメタルをさらに極悪化させたバンドがいくつか出現し、こちらはデスメタルと呼ばれるようになった。当初フロリダから現れたDeathやObituaryなどはデスメタルの始祖と言われるが、音楽的にはデスヴォイスを用いたダークかつヘヴィなスラッシュメタルと呼ぶべきであろう。
一般にデスメタルと言えばグラインドコアを発祥とするブラストビートを多用したMorbid AngelやCannibal Corpse、Deicide辺りが典型と言える。それらのバンドは後のデスメタルの多様化に伴いブルータルデスメタルなどと称される。
古くはNapalm Death、近年ではNasumを筆頭とするグラインドコア・バンドはデスメタルと音楽的に近い関係にあるが、こちらはハードコア・パンクをルーツとするため破滅的ではなく、社会への不満などの現実的なテーマを置いているという点で異なる。CarcassやDismemberなどのバンドはいち早くデスメタルに叙情性を持ち込み、メロディックデスメタルというスタイルを開拓した。 最近ではデスメタルもさらに細分化され、もはやバンドの数だけスタイルがあると言える。 ヨーロピアン・デス、オールドスクール・デス、ニュースクール・デス、ゴア・デスメタル、グラインディング・デス、エクストリーム・テクニカル・ブルータル・デス、カオティック・デス、デスコア、ドゥーム・デス、ヴァイキング・デス、デスラッシュ、ブルータル・ブラック・デスあるいはサタニック・デスなど。
スリップノット、スタティックX、マッドヴェインなどに代表されるヘヴィロック/モダン・ヘヴィ系と言われている若いバンドも、往年のデスメタルやブラックメタルに強く影響を受けている。