利用者:Shizuha/新記事草案スタブその１

中国茶 > 中国茶具

茶器のセット例。これだけあれば台湾式工夫茶を楽しめる。

中国茶を楽しむ為に、数多くの道具が考案されている。中国茶具(ちゅうごくちゃぐ)では、中国茶を楽しむ為に使用する道具を紹介する。

基本的な茶具

王亜琴作普洱茶用茶器 江蘇省美術協会主催「新人新作」展三等賞受賞作品

蓋椀、もしくは茶壷と茶杯があれば、中国茶を楽しむことができる。もちろん、専用の道具がなくとも、急須と湯飲みで充分楽しめる。

蓋椀

蓋椀(ガイワン、がいわん)とは、蓋のついた茶碗である。日本の一般的な湯飲みと違い、蓋は蓋椀のなかに配置するようになっている。茶杯と同じように茶を注ぎ入れて飲むだけでなく、茶壺と同じように茶葉を入れて湯を注いで茶を煎れる事も、また茶葉を蓋椀に煎れた状態で蓋を少しずらし直接茶を飲む事もできる。

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  黄色い蓋椀
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  耐熱ガラス製蓋椀
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  耐熱ガラス製の蓋椀で工芸茶を煎れた様子

茶壺

茶壺(チャフウ、ちゃこ)とは、いわゆる急須である。中国において、茶は、香りを重視しており、その時すぐに飲む量だけをその都度抽出するのが美味であるとされている。そのため、すぐに飲みきる量の茶を抽出できる小さなものが主流である。
使用されている材質には、磁器、陶器、素焼き、耐熱ガラスがある。
その中でも特に紫砂泥で作られる紫砂壷は、青茶や黒茶を煎れるのに適している。また、実用性だけではなく、芸術品としての価値もある。

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  王亜琴作宜興紫砂壺『西施壺』
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  純銀製の茶壺
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  耐熱ガラス製の茶壺。茶漉しも付属している。
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  様々な形状の紫砂壺
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  実用性よりも展示目的の為に制作された紫砂茶壺
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  一般的な茶壺の大きさと撮影者自身の手のひらとの大きさの比較
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  鑑賞目的の為、壺座に茶壺を乗せた様子

茶海

茶海（チャーハイ、ちゃかい)とは、茶壺から茶を一端注ぎ入れる、いわゆるピッチャーの役割を担うものである。茶海に茶を出し切ることで、複数の茶杯に注ぐ茶の濃度を均一に保つことができる。

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  茶海
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  王亜琴作普洱茶用茶器・紫砂茶海
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  変わった形状の茶壺と茶海のセット

茶杯

茶杯(チャーペイ、ちゃはい)とは、茶を飲む為の小さな器である。大きさは、一口で注がれた茶をすべて飲み干せる小さなものから、マグカップのような大きなものまで様々である。基本的に、蓋は付属しない。
使用されている材質には、磁器、陶器、素焼き、耐熱ガラスがある。

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  様々な茶杯。材質も形状も色々である。
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  紫砂朱泥の茶杯。茶杯としては大型である。
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  二重構造になっている紫砂茶杯。

聞香杯

聞香杯(ウェンシアンペイ、もんこうはい)とは、茶の香りを楽しむ為の茶器である。煎れた茶を、一端聞香杯に注ぎ、茶杯に茶を移した後、残り香を楽しむ。単一で販売されることはあまり無く、茶杯と対となっている場合がほとんどである。
使用されている材質には、磁器、陶器がある。
主に台湾式の工夫茶で使用される。

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  龍が描かれている茶杯と聞香杯
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  牡丹が描かれている茶杯と聞香杯

その他の茶具

中国茶をさらに楽しむ為に、数多くの茶具が発明されている。茶壺のメンテナンスを行うものや、茶葉を取り扱う為のものなど様々である。

茶缶

茶缶とは、茶葉を保存しておく容器のことである。金属製のものが主流ではあるが、磁気、陶器、素焼きのものなどもある。特に紫砂泥で制作された茶缶は、陳茶の保存に適しているとされる。

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  王亜琴作普洱茶保存壺(茶缶)

茶托

茶托(ちゃたく)は、蓋椀あるいは茶杯を置くものと、茶杯と聞香杯の２つを並べておくものの２種類ある。蓋椀や茶杯と対となっている茶托もある。(→茶托)

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  同じ釉薬で焼かれた茶杯、聞香杯、茶托。
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  竹製の茶托。大型の茶杯に適している。

茶船

茶船(チャーチュアン、ちゃせん)とは、茶壺を暖めたり、余った湯を受け止めるための鉢状の器である。茶池とも呼ばれる。

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  深皿を茶船の代わりに使用

水孟

水孟(チャーユイ、すいもう)とは、湯や茶殻を捨てるための容器である。

茶盤

茶盤(チャーバン、ちゃばん)とは、茶壺や茶杯などに湯をかける際、こぼれた湯を受け止める為の箱である。茶船と水孟の役割を果たすことができる。
上部がすのこ状になっており、廃棄する湯が箱の中に溜まるようになっている。
特に竹製のものが高級とされる。その他、陶器や木製、プラスチック製のものがある。

花梨製中国茶茶道全組

茶漏

茶漏(ちゃろう)とは、茶葉を茶壺に投入する際、茶葉を入れやすくするための漏斗である。

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  茶漏
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  茶漏を使用する様子

茶挟

茶挟(ちゃぎょう)とは、熱湯で暖められた茶器や工芸茶を挟むなど、素手で触れることを避ける為に用いる、ピンセット状の道具である。

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  茶挟

茶則

茶則(チャーザー、ちゃそく)とは、茶葉を手で触れずに茶缶から茶壺に移し替える道具である。また、茶荷と同じく、茶葉の見た目を楽しむ為にも用いられる。

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  茶則

茶杓・茶通

茶杓(チャーシャオ、ちゃしゃく)とは、茶荷や茶則から茶葉を移すためのさじ状の道具である。
茶通(チャートン、ちゃつう)とは、茶壷の注ぎ口に詰まった茶葉を取り除いたり、茶葉を注いだ茶壺の上部に浮かぶ泡を取り除いたりする為に使用する道具である。
茶杓と茶通は、ひとつの道具としてまとめられている場合が多い。

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  茶杓、茶通

茶巾

茶巾とは、茶具、特に紫砂茶器を手入れする際に使用する布巾の事である。紫砂茶器は、使い込むと光沢が増し、その価値があがる。その茶器を、使用した後に磨くためのものである。

その他

茶壺などから注がれる茶の中に含まれる細かな茶葉を取り除くための茶漉しや、専用の茶漉しを用いて茶を抽出することができるマグカップなど、様々な茶具がある。

参考文献

• 工藤佳治 (2007). 中国茶辞典. 勉誠出版. ISBN 9784585060574 
• 棚橋篁峰 (2003). 中国茶文化. 紫翠会出版. ISBN 9784916007872 
• 成美堂出版編集部 (2004). 茶葉の選び方、おいしい淹れ方が解る中国茶の楽しみ方BOOK. 成美堂出版. ISBN 9784415071336 
• 成美堂出版編集部 (2000). 香りを楽しむ中国茶の事典. 成美堂出版. ISBN 4415009859 

関連項目

• 中国茶