「時事通信社」の版間の差分
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== 脚注 == |
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2011年6月26日 (日) 06:08時点における版
種類 | 株式会社 |
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略称 | 時事 |
本社所在地 |
104-8178 東京都中央区銀座五丁目15番8号 |
設立 | 1945年11月1日 |
業種 | 通信、報道 |
法人番号 | 7010001018703 |
事業内容 | ニュース・情報・各種データ等の配信・収集 |
代表者 | 中田正博(代表取締役社長) |
資本金 | 4億9,500万円(2007年3月現在) |
総資産 | 223億4,928万円(2007年3月現在) |
従業員数 | 1,072人(2007年3月現在) |
決算期 | 3月31日 |
関係する人物 | 長谷川才次(初代代表取締役) |
外部リンク | http://www.jiji.com/ |
特記事項:同盟通信社(前身)、共同通信社(同盟通信社分割により発足したもう一方の法人) |
株式会社時事通信社(じじつうしんしゃ、英: Jiji Press Ltd.)は、日本の通信社の1つ。国内82カ所、海外29カ所の支社や支局を有する。
以前は、略語に、JP(JijiPress)を使用していたが、現在はJijiを使用している。
歴史
戦前の国策通信社であった同盟通信社は終戦後、戦争責任でGHQに解体されるのを避けるため1945年11月解散、共同通信社との2社に分割した。主に経済ニュースを民間企業向けに配信する部門と『世界週報』(同盟時代の『同盟世界週報』)をはじめとする出版業務を引き受けたのが時事通信社で、一般報道部門は共同通信社に移った。共同通信社とは異なり、設立当初から株式会社組織である。
1949年には日本商業通信社(もとは1887年発足の東京急報社)と統合。また、AP通信、トムソン・ロイター、AFPといった海外の大手通信社とも発足初期のころより提携関係を結び、戦後直後の混乱期の最中に海外情報の情報源としての役割を果たしていた。
共同通信社とは、分割時から再統合を視野に入れていたため、当初はニュース分野で棲み分けていた。だが、東京オリンピック(1964年)をきっかけに時事がマスメディア向けニュースサービスに進出。両社とも互いの分野を侵食し合う競合関係となって、再統合構想は消滅した。
民間の通信社がマスコミから得られる収入はわずかで、大半の社は金融機関向けの情報サービスを稼ぎ頭としている。この収入構造は時事通信も同じだが、60年代に大蔵省(現財務省)の指導のもと、日本経済新聞社が金融機関向けに開始した経済情報サービス「QUICK」(クイック)に急速に市場を奪われ、経営が悪化。大手報道機関の社員待遇が他の業界に比べて恵まれている中で、業界内では「産経残酷、時事地獄」と社員待遇の悪さを揶揄された。さらに日本経済の国際化が進み、英ロイターや米ブルームバーグなど国際通信社が日本市場に本格参入したことで、時事通信社の役割は薄れた。90年代には経営再建をかけてロイターと提携。このことは「時事買収のための布石か」と見られたが、2000年頃にはロイター自身の経営も悪化。2006年現在ではこの提携が効果を上げているとは言えない状況である。また、共同通信との再統合の話もたびたび浮上するものの、実現には至っていない。
1996年の三菱銀行と東京銀行の合併のスクープを日本経済新聞とほぼ同時に流した。両行の合併はこの年の最大のニュースで、時事、日経の両社とも、その年最大のスクープを表彰する「新聞協会賞」の候補として日本新聞協会に申請した。しかし、時事通信の経営陣は、顧客である日経を差し置いて受賞できないと判断し、申請を取り下げた。これに反発した当時の取材チームの1人は退社し、TBSに転職。別のメンバー、堺祐介は時事に残留するものの、1996年に不整脈により33歳で死亡。堺は当時、日銀クラブの記者として住専問題などの取材で月100時間程度の残業が続いており、東京・中央労働基準監督署は労災と認定した。それに前後して、大量の社員が退社、民放や外資系へ転職するという事態に経営失策と社内からの批判が強まり、2005年榊原潤社長が任期途中で退任に追い込まれた(対外的には「健康悪化」が理由とされた)。
沿革
- 1901年 日本広告株式会社および電報通信社が創立(現在の電通)
- 1906年 電報通信社を改組し株式会社日本電報通信社が創立
- 1907年 日本広告株式会社と株式会社日本電報通信社が合併
- 1914年 国際通信社、東方通信社が発足
- 1926年 国際通信社と東方通信社が合併、日本新聞聯合社が発足(後に新聞聯合社と省略、改称)
- 1936年 新聞聯合社の解散を受け、社団法人同盟通信社が発足。同盟通信社の広告事業部門を日本電報通信社に、日本電報通信社の通信事業部門を同盟通信社が引き継ぐ。
- 1945年 同盟通信社の解散を受け、株式会社時事通信社が発足
- 1946年 UP通信と経済通信契約を締結
- 1948年 ロイターと経済通信契約を締結
- 1949年
- 日本商業通信社(旧・東京急報社)と合併。
- フランス通信社と通信契約を締結。
- 「家庭の医学」を発刊。
- 関連企業・PANA通信社を設立。
- 1952年
- 相場報道を開始。
- 「官庁速報」(行政専門の日刊紙)を発刊
- 海外向け英文サービスを開始
- 1953年 海外在住の法人などを対象に「時事速報」を発刊。当初はテレックスで配信していた。
- 1955年
- 1959年 新聞・放送向けサービスを開始
- 1965年 東京-ニューヨーク-ロンドン間に専用線を開設
- 1980年 新華社と報道協定を締結
- 1982年 英文経済ニュース開始
- 1983年
- JACS」(新聞社向け新ニュース配信システム、1982年より開始)構築の功績により、1983年度新聞協会賞を受賞
- バンコク支局を駐在員事務所から現地法人に格上げ
- 1984年 AFP通信による撮影写真の日本での配信権を取得
- 1985年 「教育奨励賞」を創設
- 1986年 「MAIN」(電子メディアの金融情報サービス)開始
- 1989年 新編集システム稼動
- 1995年 緊急事態発生時における協力で共同通信社との共同で覚書に調印
- 1996年 NTTDoCoMoポケットベルサービス(インフォチャネル)でニュース配信開始
- 1997年 ロイター通信と包括的業務提携契約を締結
- 1999年
- 2000年 「iJAMP」(インターネット行政情報サービス)開始
- 2003年 EPA通信と契約、本社を現在地(銀座東急ホテル跡)に移転
- 2007年 週刊国際情報誌『世界週報』が3月27日号(通巻4287号)限りで休刊。
- 2009年 香港支局で「時事速報ASIAベトナム版」の発行を開始
海外支局・総支局
地名の後の人名は支局長、ないしは赴任中の記者。
時事速報ASIA
中国と東南アジア(バンコク、クアラルンプール、シンガポール、ジャカルタ)の各支局では、地元日系企業向けにFAXや電子メールで最新ニュースを配信する有料サービス「時事速報ASIA」が行われている。このため該当する支局は現地法人化され、支局長は現地法人の社長を兼ねている。
出版業務
同盟通信社から出版業務を引き継ぎ、経済・産業・行政関係、ビジネス書、行政研究書、教育書を出版している。
雑誌
雑誌は『教員養成セミナー』がある。かつては『週刊時事』や『世界週報』[1]、男性誌『エルメディオ』を発行していた。
その他
- 共同通信社から国内ニュースの配信を受けていない新聞社にも、時事は国内ニュースを配信している。特に日本新聞協会に加盟できない聖教新聞や世界日報、あるいは政党紙(公明新聞、しんぶん赤旗)で一般ニュースを掲載する場合は、国内のニュースであれば時事通信、海外発なら時事通信の契約先であるAFP通信からの配信記事に依存することが多い。ただし、しんぶん赤旗はロイターと独自に契約しており、AFPからの記事が載ることは少ない。朝日新聞の「asahi.com」では発表モノや発生モノの記事で、自社の記者が原稿を書き上げるまでの間、時事から配信を受けた記事を掲載して間を持たせることもある。
- 設立の経緯から、同盟通信社の母体の一つである電通の大株主となっており、役員を派遣している。2001年に電通が東京証券取引所に新規上場したときには、保有していた電通株の一部を売り出し、その売却益が東京・銀座に新本社を建設するための原資となった。以前は筆頭株主であったが、近年は財務上の理由から株式の売却を進めており、2008年6月に、その座を共同通信社に譲っている。
同社出身者
- 屋山太郎(評論家)
- 藤原作弥(元日本銀行副総裁)
- 樋口恵子(評論家、東京家政大学名誉教授)
- 安藤元雄(詩人)
- 田久保忠衛(外交評論家、杏林大学客員教授)
- 伊藤洋一(ジャーナリスト、住信基礎研究所主席研究員)
- 五十嵐文彦(衆議院議員)
- 信太謙三(東洋大学教授)
- 黒崎誠(帝京大学准教授)
- 田崎史郎(時事通信社解説委員長、政治評論家)
- 湯川鶴章(IT評論家)
- 小関哲哉(国際問題評論家)
- 本多八潮(香川大学客員教授)
- 八牧浩行(レコードチャイナ社長)
脚注
参考文献
- 里見脩『ニュース・エージェンシー 同盟通信社の興亡』(2000年)ISBN 978-4121015570
関連項目
外部リンク
- 時事ドットコム
- 時事通信社 - YouTubeチャンネル
- 時事ドットコム on Twitter