コンテンツにスキップ

「フライングゲット」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
→‎概要: この権利侵害事例の部分は削除でもいいかと思いましたが、いちおう念のため加筆しておきました
19行目: 19行目:
1日早い販売は黙認しているが、それ以上に早い販売は取引拒否をすると警告している販売元もある([[ブロッコリー (企業)|ブロッコリー]]など)。
1日早い販売は黙認しているが、それ以上に早い販売は取引拒否をすると警告している販売元もある([[ブロッコリー (企業)|ブロッコリー]]など)。


フライングゲットの行為自体により消費者が違法性を問われることは全くない(ただし最近は「発売日の設定は[[著作権法]]の範囲」と主張するところもある)が、これにより入手された商品・コンテンツは[[著作権]]を侵害され、[[ブートレグ|違法コピー]]や違法アップロードの対象となることがしばしばある。雑誌記事などを[[スキャナ|スキャン]]してウェブサイト上などで不特定多数へ公開することも同様である。2007年5月には発売日前の漫画雑誌の内容を[[Winny]]にアップロードしたとして、購入者が[[著作権法]]違反で逮捕された<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20070521nt0c.htm YOMIURI ONLINE 2007年5月21日の記事]</ref>。同様に2010年6月14日、漫画雑誌を発売日前に入手しスキャン、動画共有サイトにアップロードしたとしてアップロード者が逮捕された<ref>[http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100614/crm1006141342014-n1.htm Youtube違法投稿で初摘発 14歳、「ワンピース」など漫画4作コマ送り撮影 - MSN産経ニュース]</ref>。
フライングゲットの行為自体により消費者が違法性を問われることは全くない(ただし最近は「発売日の設定は[[著作権法]]の範囲」と主張するところもある)が、これにより入手された商品・コンテンツは[[著作権]]を侵害され、[[ブートレグ|違法コピー]]や違法アップロードの対象となることがしばしばある。雑誌記事などを[[スキャナ|スキャン]]してウェブサイト上などで不特定多数へ公開することも同様である。2007年5月には発売日前の漫画雑誌の内容を[[Winny]]にアップロードしたとして、購入者が[[著作権法]]違反で逮捕された<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20070521nt0c.htm YOMIURI ONLINE 2007年5月21日の記事]</ref>。同様に2010年6月14日、漫画雑誌を発売日前に入手しスキャン、動画共有サイトにアップロードしたとしてアップロード者が逮捕された<ref>[http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100614/crm1006141342014-n1.htm Youtube違法投稿で初摘発 14歳、「ワンピース」など漫画4作コマ送り撮影 - MSN産経ニュース]</ref>。ただし、これらの事例はあくまで、著作権者に無断で作品を複製し頒布したことが著作権を侵害し法律に抵触したものであって、発売日前であったことそのものはこれらの行為の違法性には関係がないことに留意する必要がある。仮にこれらの行為が発売日後に行われていたとしても、同様に違法であることにかわりはない


また、音楽においてアーティスト(及びそのスタッフ)側から見た場合、多くの人物はそれほど気にしてない場合が多く、ブログなどでも記述されることもある。
また、音楽においてアーティスト(及びそのスタッフ)側から見た場合、多くの人物はそれほど気にしてない場合が多く、ブログなどでも記述されることもある。

2011年9月2日 (金) 18:39時点における版

フライングゲットは、ゲームソフト・漫画・音楽CD・パソコン用パーツなどの商品をメーカー側の指定する正規の発売日より1日以上早く購入する(ゲットする)行為を指す俗語インターネットスラングの一つである。

単にフライング(さらに略してフラゲ)、または早売り早バレ(早く買う+内容をばらすの略)とも呼ばれる。購入側からではなく販売側から見た場合には、「フライング販売」などと言われる。

概要

商品を発売日より早く入手する行為を競技における「フライングスタート」になぞらえて表現している。 フライングゲットには何らかの理由で流通段階で小売店あるいは問屋に早期に商品、もしくはその一部が流出し、販売されることが前提となる。この背景として、雑誌など入稿から発売までの日程が逼迫している場合には印刷所から輸送に時間を要する遠隔地向けに印刷されたものの一部が出回るとされる。例えば毎週月曜日発売である週刊少年ジャンプが、2日前の土曜日から一部店舗で発売されている。一方CDやゲームソフトなどの生産に時間や手間を要する商品の場合、早期に生産され納入されたものが出回ると考えられる。

このような行為がメーカーや流通下に通報された場合は、メーカーとの取引契約破棄や作品の取扱量を減らされたり、発売日に入荷(通常は発売日に販売するために前日から3日前に入荷されるのが普通)などのペナルティが課される場合がある(特にゲーム関連ではスクウェア・エニックスカプコンコナミデジタルエンタテイメントが著名)。

ただしメーカー公認のフライング販売も存在する。例えばメーカー直営のオンラインショッピングで購入した場合、発売日の前日に到着させるなどのケースもある。これは、小売店ではなくメーカーから直接買い付けてくれたユーザに対する恩恵や特典の意味合いがあるものと思われ、特にアダルトゲームの通販で多く見かける(他にも、消費税と送料を合わせた金額をメーカー希望小売価格にまで値引きするなど、実質的な大幅な値下げを行うこともある)。例えば、『ぼくは航空管制官』シリーズにおいては、新作発表時、過去リリースした作品の登録ユーザーに対して専用のオンラインショップを開設し、そこで購入したユーザーが発売日前にソフトを入手できるようにしている。他にも雑誌のタイアップ企画などで、発売日前日に配送されることを売りにした懸賞が行われることがある。

CDについてはレコード時代から発売日に全国の小売店に商品が並ぶように発売日の一日前に小売店に商品が届けられている。これを「発売日」に対して「店頭日」と呼ばれるがレコード業界においては「店頭日」に商品を販売することは慣例となっている。したがって発売日の一日前に商品を購入することは厳密な意味ではフライングゲットとは呼べない。

1日早い販売は黙認しているが、それ以上に早い販売は取引拒否をすると警告している販売元もある(ブロッコリーなど)。

フライングゲットの行為自体により消費者が違法性を問われることは全くない(ただし最近は「発売日の設定は著作権法の範囲」と主張するところもある)が、これにより入手された商品・コンテンツは著作権を侵害され、違法コピーや違法アップロードの対象となることがしばしばある。雑誌記事などをスキャンしてウェブサイト上などで不特定多数へ公開することも同様である。2007年5月には発売日前の漫画雑誌の内容をWinnyにアップロードしたとして、購入者が著作権法違反で逮捕された[1]。同様に2010年6月14日、漫画雑誌を発売日前に入手しスキャン、動画共有サイトにアップロードしたとしてアップロード者が逮捕された[2]。ただし、これらの事例はあくまで、著作権者に無断で作品を複製し頒布したことが著作権を侵害し法律に抵触したものであって、発売日前であったことそのものはこれらの行為の違法性には関係がないことに留意する必要がある。仮にこれらの行為が発売日後に行われていたとしても、同様に違法であることにかわりはない。

また、音楽においてアーティスト(及びそのスタッフ)側から見た場合、多くの人物はそれほど気にしてない場合が多く、ブログなどでも記述されることもある。

また、フライングゲットによって商品が未完成品レベルのクオリティ、大量のバグが発覚して掲示板等で報告され、話題になる事も多い(魔法少女アイ参事件が著名)。

脚注