「国鉄381系電車」の版間の差分
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主制御器などを搭載する中間電動車。定員76名。定員を確保するため[[列車便所|トイレ]]・[[洗面器#洗面台・洗面所|洗面所]]は省略されている。9両は[[操縦席|運転台]]を取付け、クモハ381形に改造された。 |
主制御器などを搭載する中間電動車。定員76名。定員を確保するため[[列車便所|トイレ]]・[[洗面器#洗面台・洗面所|洗面所]]は省略されている。9両は[[操縦席|運転台]]を取付け、クモハ381形に改造された。現在、モハ381-1は[[美濃太田車両区]]にて保存されている。 |
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2011年11月2日 (水) 14:43時点における版
国鉄381系電車 | |
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![]() 車体を大きく傾けてカーブを曲がる381系 (2009年1月9日 伯備線 備中川面 - 方谷) | |
主要諸元 | |
編成 | 3・4・6・9両 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流 1,500 V(架空電車線方式) |
最高運転速度 | 120 km/h(曲線通過時は本則+25km/h) |
全長 | 21,300 mm |
全幅 | 2,920 mm |
全高 | 3,383 mm |
主電動機 |
直流直巻電動機 MT58・MT58A |
駆動方式 | 中空軸平行カルダン駆動方式 |
歯車比 | 4.21 |
定格出力 | 120 kW |
国鉄381系電車(こくてつ381けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が1973年から1982年の間に設計・製造した振子式の直流特急形車両である。
国鉄分割民営化後は東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)に承継された。
製造の背景
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/82/JNR_381_shiunten_okayama.jpg/200px-JNR_381_shiunten_okayama.jpg)
(1982年 山陽本線 岡山駅)
日本の鉄道路線は、地形上の問題から勾配や急カーブが多く、出力の増大によるスピードアップには限界があった。
そこで国鉄は、1970年に振子式電車591系を試作した。その実績をもとに、営業列車用として1972年に本系列を開発し、翌1973年から中央本線特急「しなの」に投入した。その後、1978年に阪和線・紀勢本線特急「くろしお」、1982年に伯備線特急「やくも」にも投入された。
構造
この節では、新製時の構造について述べる。
車体
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e4/JNR_381_shinano_yamazaki.jpg/200px-JNR_381_shinano_yamazaki.jpg)
(1983年 東海道本線山崎付近)
振子車両に必要とされる軽量化と低重心化を図った車体構造となっている。
車体は軽量化と振子作用を容易にするため、アルミニウム合金製構体となっている。前面形状は183系0番台車や485系200番台車などと同様、「電気釜」と呼ばれる形状である。また、貫通形と非貫通形があるがそれについては後述する。側面はグリーン車の窓や普通車の客用扉の数を除き183系に似ているが、振子作用による車両限界への抵触を防ぐため183系に比べて車体下部の裾絞りが大きい。台枠上面幅は 2,600 mm となっている。また重心を下げるため、重量物である冷房装置は床下に設置しており、屋根上はパンタグラフなどの必要最小限の設置物がある程度で非常にすっきりしている。客室床面高さは181系とほぼ同じ 1,105 mm とした。屋根高さは 3,385 mm だが、天井は冷房ダクトを通した平天井構造のため、床面からの高さは 2,050 mm で181系よりも低い。また、国鉄の電車では初めて全長を新基準の 21,300 mm としている。アルミ製車体だが外観は183系など他の昼行特急形電車と同様にクリーム4号地に赤2号帯が塗装されている。
製造年による違い
製造年度によって細部が異なる。1976年に製造された車両からはクハ381形の貫通扉が廃止され100番台となっている。またモハ381形、モハ380形、サロ381形には側面中央部付近の窓下に非常口を設けたが、1981年から「やくも」向けに製造された最終製造車ではこれが廃止された。
台車・機器
台車は振子装置(車体傾斜用コロ装置)を組込むことから本系列専用の台車が新設計されており、形式は電動車用がDT42形、制御車・付随車用がTR224形となっている。固定軸距はいずれも 2,300 mm である。591系と異なり心皿移動方式は採用していない。591系での性能試験の結果から、振り子中心高さを上げた方が振り子作用がしやすく乗り心地も良くなることが判明したが、無闇に上げる事は転覆限界である風速値が下がることや、振り子作用による車両限界の接触から来る車内環境の低下を避ける観点から、振り子中心高さは 2,300 mm 、車体最大傾斜角は5°とした。
モハ381形に主制御器や主抵抗器などの主回路機器を、モハ380形にパンタグラフと電動空気圧縮機 (CP)などの補機類を、クハ381形とサロ381形にサービス電源用の電動発電機 (MG) を搭載している。後述する改造車についても種車に準じている。主電動機は591系で試験された高回転型のMT58X形(出力110kW)を容量アップした出力120kW、定格回転数2100rpmのMT58形(1978年製造車からはMT58A形)で、歯車比は急行形電車と同じ4.21に設定し、MT比2:1の編成を基本として山岳線区での使用に適応させている。これにより定格速度は従来の特急形電車より若干上がって 77.0 km/h となり、高速性能も軽量車体と相まって向上している。
屋根上にパンタグラフを直接載せているため、振子を作動させた場合は架線の張り方を変える必要があり、実際に振子装置を使用する区間は新規に電化された中央本線・篠ノ井線・紀勢本線・伯備線と山陰本線の一部と、阪和線鳳駅 - 和歌山駅間に限られている。それ以外の区間(東海道本線・山陽本線・大阪環状線など)では、架線やATSなど地上の設備が補強されていないので、走行に制限がかかるため振子機能を停止して走行する[1]。
しかし、特急「くろしお」系統では、実際には全区間で「振子制御NFB(ノーヒューズブレーカー)」は「入」にするよう決められている(運転途中で「振子制御NFB」を「入」「切」しない)ので、事実上京都 - 和歌山間でも振子は動作していることになる。ただし、速度制限は他列車と同一である。線路(架線)規格が低い線区(たとえば和歌山線)では「振子制御NFB」は「切」にするよう決められている。
振子装置
先述のように本系列では振子装置を装備しており、これにより半径 400 m[2]の曲線における通過速度は本則+20 km/h(機関車牽引の高速貨物列車の制限速度より 20 km/h 高い速度)で走行した場合の、乗客にかかる遠心力を軽減することができ、急カーブが続く路線のスピードアップに貢献している。
本系列で使用されている振子装置はコロ軸支持式の自然振子装置である。これはカーブで生じる遠心力をコロにより伝達して車体を傾けるものである。しかしこの方式では、カーブでの遠心力がコロに伝わり車体を傾けるまでの間に時間差が生じてしまい、不自然な揺れを生じることに加え、カーブを走行中に一般の乗客には不慣れな縦方向の荷重が加わるという振り子式車両の特性もあり、乗り物酔いを起こす乗客が多発し、乗心地の面で問題が残った。車掌が酔客のために酔い止め薬を常備していた逸話が残っている[要出典]。
「くろしお」用の車両では制御振子の実験が行われた。また1985年11月26日に湖西線で行われた高速試験では 179.5 km/h を達成した。これは現在に至るまで、日本における在来線の最高速度記録である。
JR移行後は自然振子式に比べて乗心地が良い制御付き自然振子式を使用する車両の導入が進められており、自然振子式は古い方式となっている。営業用電車で自然振子式の車両はこの381系のみである。
接客設備
座席は、普通車が 910 mm 間隔の簡易リクライニングシート、グリーン車が 1,160 mm 間隔のリクライニングシートである。これは183系電車(基本番台)と同一の仕様である。最終製造の車両の普通車は、座席の背もたれにロックがかかるように改良されている。座席の端部には取手を設け、曲線通過時の立ち席客の安全に配慮している。客室と出入口との仕切り扉は新幹線0系電車と同一のマットスイッチ式自動ドアを用いた。運転開始直後に乗物酔いが多発したことから、当初はエチケット袋が各座席に用意された。これは本系列特有の装備品であった。しかし今でもエチケット袋は、「くろしお」の洗面台に用意されている。
窓の日除けはベネシャンブラインドを採用した。これは591系の装備を踏襲したもので、開閉方式は591系の電動式から手動式に変更されている。これはJR西日本では後年の各種改装で一般的な横引きカーテンに換装され、最後まで維持していたJR東海も運用から退いたため、現存する装備ではない。
冷房装置はAU33形ユニットクーラーを床下に各車1台搭載し、冷風はダクトにより天井の吹出口から吹出す床下集中方式である。ダクトは各車両中央、左右二箇所の窓柱部の床から立ち上がっている。
製造経費
本形式は振子装置を装備している上、車体材料にアルミ合金を使用しており、加えて低重心化と床下スペース確保のために冷房装置はじめとする多くの機器・部品が本系列専用のものであることから他の在来線車両に比較して製造費用は高価となっている。
実際に、「やくも」を電車化する際には、費用対効果の面から本系列の導入を見送り、上越新幹線の開業によって余剰となる183系1000番台の転用が検討された。しかし上越新幹線の開業の遅れと、事情を知った地元が新車を導入するため一致団結し、出雲市知井宮の車両基地出雲運転区の建設が早く進んだため、本系列の導入となった[3]。
また、「北近畿」登場時にも本系列を導入する予定であったが、こちらは国鉄末期で予算がなく、「くろしお」の全面381系化で捻出した車両を主体とした485系で運転が開始された。また、高山本線の電化完成時にも「ひだ」に投入する計画だったが、電化自体が中止となったため導入されなかった。
形式
新製形式
新製形式は以下の4形式277両からなる。
モハ381形 (M)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f2/JNR_EC_M381-69.jpg/200px-JNR_EC_M381-69.jpg)
主制御器などを搭載する中間電動車。定員76名。定員を確保するためトイレ・洗面所は省略されている。9両は運転台を取付け、クモハ381形に改造された。現在、モハ381-1は美濃太田車両区にて保存されている。
モハ380形 (M')
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/ef/Moha380-72.jpg/200px-Moha380-72.jpg)
パンタグラフ(2基)、電動空気圧縮機 (CP) を搭載する中間電動車。定員72名。モハ381形またはクモハ381形とユニットを組む。92ユニットが製造された。
クハ381形 (Tc, Tc')
最大4両給電の110kVA電動発電機 (MG) を搭載する制御車。定員60名。本形式は引通しが両渡りとなっており、奇数・偶数いずれの方向でも使用が可能。「しなの」用として製造された貫通扉付きの0番台が18両、「くろしお」「やくも」用として製造された非貫通形の100番台が44両ある。
0番台全車と100番台2両の20両がJR東海に、他の車両がJR西日本に承継された。0番台は2001年までに全て廃車され、そのうち1が美濃太田車両区に保存された後、現在は「リニア・鉄道館」で保存・展示されている。
サロ381形 (Ts)
中間付随車のグリーン車である。定員48名。本系列には食堂車がないことから183・189系グリーン車と同じく2位側車端部に車販準備室・車販コーナーが設けられた。本形式は窓の形状が他の特急形電車のグリーン車と異なり、中間に柱を設けた2列ごとの大窓となっており、急行形電車のグリーン車に似た外観の窓である。側窓長は 1,930 mm 。座席は取手が付いていることを除けば他の特急形電車のグリーン車の座席と大差ない。MG を搭載する。
31両が製造されたが、「しなの」用の10両はすべてクロ381形に改造され、「くろしお」用の12両は5両がパノラマグリーン車クロ380形に改造、残り7両は普通車サハ381形に格下げ改造されており、「やくも」用の9両のうちパノラマグリーン車に改造された2両を除く7両のみが残っていたが、2007年から実施のリニューアルにより、これらもサハ381形200番台(後述)へ格下げ改造される。最後まで残っていたサロ381-24も2011年3月に後藤総合車両所へ入場、同年7月にサハ381-224に格下げ改造され出場したことで形式消滅した。
予算 | 目的 | モハ381形 | モハ380形 | クハ381形 | サロ381形 | 新製配置 |
---|---|---|---|---|---|---|
昭和47年第1次債務 | 中央西線電化訓練用 | 1・2 | 1・2 | 1・2 | 長野運転所 | |
昭和48年債務 | 3 - 15 | 3 - 15 | 3 - 12 | 1 - 5 | 長野運転所 | |
昭和49年債務 | 16 - 25 | 16 - 25 | 13 - 18 | 6 - 9 | 長野運転所 | |
昭和50年第3次債務 | 紀勢線電化訓練用 | 26・27 | 26・27 | 101・102 | 10 | 鳳電車区 |
昭和52年第1次債務 | 28 - 55 | 28 - 55 | 103 - 120 | 11 - 19 | 鳳電車区 | |
昭和52年第2次債務 | 56 - 59 | 56 - 59 | 121・122 | 20 | 長野運転所 | |
昭和54年第2次債務 | 「くろしお」増発用 | 60 - 65 | 60 - 65 | 123 - 126 | 21 - 22 | 日根野電車区 |
昭和54年第3次債務 | 伯備・山陰線電化訓練用 | 66 - 68 | 66 - 68 | 127・128 | 23 | 出雲運転区 |
昭和55年第2次債務 | 伯備線電化開業用 | 69 - 80 | 69 - 80 | 129 - 136 | 24 - 27 | 出雲運転区 |
昭和56年第1次債務 | 伯備線電化開業用 | 81 - 92 | 81 - 92 | 137 - 144 | 28 - 31 | 出雲運転区 |
改造形式
モハ380形 (M')
200番台
2007年から登場した「やくも」用のリニューアル改造車(通称ゆったりやくも(後述))で、洋式トイレの女性専用化、男性小用トイレと喫煙ルームが新設された。しかし、2009年6月1日から全車禁煙となったため、喫煙ルームも使用中止になった[4]。定員58名。基本編成の2号車(2011年3月改正までは4号車)に連結される。車両番号は種車+200である。
500番台
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d5/JR_EC_M380-502.jpg/200px-JR_EC_M380-502.jpg)
(モハ380-502 登場時)
「スーパーくろしお」の白浜駅における増解結の効率化のため、増結編成の新宮側編成端部に連結する車両として改造されたもので、1990年と翌年に吹田工場で3両が改造された。 非ユニット側の貫通扉をふさぎ、自動解結装置・電気連結器を装備した。増結編成単独で運行することはなく、運転台は設けられていない。
- モハ380-34・36・43→モハ380-501 - 503
クモハ381形 (Mc)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d0/JR_EC_Mc381-5.jpg/200px-JR_EC_Mc381-5.jpg)
(クモハ381-5)
1986年11月1日のダイヤ改正で「やくも」の基本編成をサロ381形を連結したままで6両編成に短縮、捻出した車両を「くろしお」全列車の381系化用に転用するためモハ381形を先頭車化改造した車両である。改造施工は吹田工場と後藤車両所。本形式は国鉄のアルミ車両では初の先頭車化改造車である。種車の前位寄に運転台ユニットを接合し、多客期の増結を考慮して簡易構造の貫通扉が設置された。
登場以来「やくも」に使用している。
- モハ381-78・81・76・90・88・75・66・84・72→クモハ381-1 - 9
クロ381形 (Tsc)
「しなの」「くろしお」「やくも」用先頭グリーン車。0番台が7両、10番台が3両、50番台が5両、100番台が8両改造された。
0番台
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/ea/381_kuro381-4_Shinano-Exp.jpg/200px-381_kuro381-4_Shinano-Exp.jpg)
(クロ381-4)
「しなの」用で、1987年から実施された「しなの」の短編成化に伴ってサロ381形を先頭車化改造したものである。改造施工は10番台・50番台ともに名古屋工場。運転台はクモハ381形と同様、前位寄の車販準備室を撤去して簡易構造の貫通扉が設置された「電気釜形」の運転台ユニットを新製して取付けている。
1・2の落成日が国鉄最後の日である1987年3月31日で、国鉄最後の新形式となった。末期には連結作業省力化のために、前面貫通幌を装着したままで運用された。2001年までに全車廃車となり現存しない。
- サロ381-8・9・5・3・1・2・4 → クロ381-1 - 7
10番台
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4b/JR_EC_Tsc381-11.jpg/200px-JR_EC_Tsc381-11.jpg)
(クロ381-11)
「しなの」用で、1988年にサロ381形を先頭車化改造したパノラマ車。前部約1/3は展望室で、前頭部は前面展望を考慮し傾斜した構造となり、側面窓も拡大されている。日除けは横引きカーテンに変更された。展望室内には1列2人+2人掛のフリーストップリクライニングシートを3列配置し、床高さも従来より 150 mm かさ上げされた。後位は従来のグリーン室のままである。展望室の後方に車掌室を設け、展望室と従来のグリーン室を区切る形で車両中央部にデッキと出入口を設けている。先頭の運転台部分のみ鋼製となっている。車体との結合は特殊ボルトを用いている。愛称表示器はLED方式が採用された。
1988年3月13日のダイヤ改正で使用開始され、その後の383系の編成の礎になっている。11が後に美濃太田車両区にて保存され1998年に、12が2006年に、13が2008年に廃車されたが、11は「リニア・鉄道館」で保存・展示されている。
- サロ381-6・7・20 → クロ381-11 - 13
50番台
「しなの」用で10番台と同様、1988年の改正にあわせて準備された車両である。クハ381形0番台を格上げ改造したもので、座席は10番台の展望室と同様の1列2人+2人掛のフリーストップリクライニングシートとしている。1997年までに全車廃車となり現存しない。
- クハ381-7・13・11・17・5 → クロ381-51 - 55
100番台
「くろしお」「やくも」用で、クハ381形100番台からの格上げ改造車である。「くろしお」用は1998年、「やくも」用は2007年から実施されたリニューアルにより登場した。座席は1列1人+2人掛となっている。「くろしお」用は新幹線0系電車グリーン車の発生品を改造の上使用している。番号は改造元となったクハ381形の番号を踏襲している。
- クハ381-104・106・110・114・120・124・126・129 → クロ381-104・106・110・114・120・124・126・129
クロ380形 (Tsc')
「スーパーくろしお」「スーパーやくも」用のパノラマグリーン車。サロ381形の先頭車化改造車である。改造は1989年に「スーパーくろしお」用の1 - 5が吹田工場で、1994年に「スーパーやくも」用の6・7が後藤車両所で施工された。
クロ381形と異なり種車の後位寄に、前面展望を考慮し傾斜した構造の前頭部が取付けられている。これに併せて車掌室を車販準備室に、車販準備室を洋式トイレ・洗面所に改造している。座席は1列2人+2人掛のフリーストップリクライニングシートに取替えられており、展望を考慮して座席の枕の部分が少し小さくなっているのが特徴である。定員は44人。床高さは 100 mm かさ上げされた。これに併せて側窓が上方へ拡げられ、窓の構造も普通の合せガラスに変更された。日除けもベネシャンブラインドから横引プリーツカーテンへ交換された。
1 - 5 は1996年に座席を新幹線0系発生品で1列2人+1人掛け(最後尾のみ1人+1人掛け)に交換したため6・7とは室内設備と定員(32人)は異なっていたが、6・7も2007年から2008年にかけて座席を新品に交換するなどのリニューアルが施工され、改造当初の座席はすべて撤去された。2006年3月で「スーパーやくも」は「やくも」に統一されたため6・7は「やくも」に投入されている。
- サロ381-10・14・18・21・15・26・27→クロ380-1 - 7
クハ381形 (Tc, Tc')
500番台
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a5/JR_EC_Tc381-501.jpg/200px-JR_EC_Tc381-501.jpg)
(クハ381-501)
「スーパーくろしお」の増解結の効率化のため、「くろしお」用のクハ381形100番台に自動解結装置・電気連結器を装備した車両で、吹田工場で5両が改造された。モハ380形500番台と同一の装備である。
- クハ381-101・102・105・117・118→クハ381-501 - 505
サハ381形 (T)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f0/JRW_Series_381_Saha381-200.jpg/200px-JRW_Series_381_Saha381-200.jpg)
(サハ381-223)
サロ381形を格下げした車両。「くろしお」用の0番台と「やくも」用の200番台がある。
0番台
1998年から実施されたリニューアルにより登場した。グリーン車 → 普通車格下げ工事を行い、車両番号は種車と同じである。
- サロ381-11・12・13・16・17・19・22→サハ381-11・12・13・16・17・19・22
200番台
2007年から実施のリニューアルによって登場の車両で、「やくも」全席禁煙化により喫煙ルームが設置された。しかし、2009年6月1日からは喫煙スペースも使用廃止となった。岡山方にクモハ381形を連結する編成の2号車(2011年3月改正までは4号車)に連結される。車両番号は種車の元番号+200となる。
- サロ381-23 - 25・28 - 31→サハ381-223 - 225・228 - 231
運用
製造以来、基本的に「しなの」「くろしお」「やくも」のみで使用されている。
「しなの」用として落成した車両(国鉄分割民営化後はJR東海に所属)と「くろしお」「やくも」用(国鉄分割民営化後はJR西日本に所属)の二つに分けて述べる。
JR東海所有分
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9f/CentralJapanRailwayCompanyType381-1.jpg/200px-CentralJapanRailwayCompanyType381-1.jpg)
先頭車はパノラマ形車両のクロ381形10番台である。
(2006年7月15日 中央本線 春日井駅)
1973年から1975年にかけて77両が、1978年7月には11両が長野運転所に新製配置された。導入後1年の時点で長野工場で検査をしたところ、振り子作用の影響による車輪の摩耗が予想以上に激しい事が判明し、予備車確保のため1974年5月から1975年5月までの間(多客期を除く)、3・4号車を減車した7両編成で運転した[5]。その後、1982年11月15日のダイヤ改正で神領電車区に転属した。
← 名古屋・大阪 長野 →
| |||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
D編成 | クハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
サロ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
D編成9本と編成を組まない7両(クハ381形2両、 モハ381形2両、モハ380形2両、サロ381形1両)が所属。 |
JR東海には神領電車区に配置されていた88両が承継された。
民営化前後の1987年から1988年3月にかけて、サロ381形・クハ381形をクロ381形に改造し、長野向き先頭車は全てクロ381形に統一すると同時に編成の短縮化が行われた。同時期に普通車のアコモデーション改善も行われ、普通車全車がフリーストップ型のリクライニングシートに交換された。
← 長野 名古屋・大阪 →
| ||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|
6両編成(14本) | クロ 381 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
クハ 381 |
4両編成(1本) | クロ 381 |
モハ 381 |
モハ 380 |
クハ 381 |
||
6両編成のうち3本(P1 - P3編成)は 1号車がパノラマグリーン車(クロ381形10番台)。 |
- パノラマグリーン車(クロ381形10番台)を含む編成はP編成として限定運用となり、時刻表にもその旨掲載されていた。その他はD編成としてクロ381形0番台とクロ381形50番台組み込み編成は共通で運用された。
- 1996年11月以降、383系(「ワイドビューしなの」)への置換えにより定期運用を失う。クロ381形50番台組み込み編成を中心に余剰車の廃車が開始された。P編成は臨時「しなの」に優先的に使用し、廃車を逃れた車両は4両編成に組み変えられて飯田線の特急「伊那路」81号・82号(のちに「ふれあい伊那路」)として運転されたほか、373系の代走として定期「伊那路」や東海道本線の「ホームライナー」に充当されたこともある。
- 1998年2月開催の長野オリンピックでの波動輸送の終了後から大規模な廃車が進み、2001年以降6両編成2本のみが残されるが、2006年に1本(P1編成)が廃車され、もう1本のP2編成も2008年5月をもって運用を終え、同年5月7日にJR東海浜松工場へ廃車回送され[7]、5月9日から12日にかけて車籍が抹消された[8]。オリジナルタイプの貫通形の先頭車は「しなの」用のみに存在したが2001年までに廃車されている。
- 383系の開発にあたり、高速走行用のパンタグラフやシングルアームパンタグラフ、自動操舵式台車などのテストが営業列車で行われた実績がある。
- 美濃太田車両区にはクハ381-1をはじめとする4両編成1本が保管されていたが、このうちクハ381-1とクロ381-11の先頭車2両が、2011年3月に開館した「リニア・鉄道館」へ移設・整備の上展示されている。
JR西日本所有分
JR西日本には「くろしお」用として日根野電車区に配置されていた126両と、「やくも」用として出雲電車区に配置されていた63両が承継されている。2011年に初めて廃車が発生した。2012年までに「くろしお」の一部置換え用として287系電車51両を新造することが発表されており、それにともなう大きな動きが予想される[9][10]。
日根野電車区
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a9/JRW_EC_381_series_JNR_color_kinoyama_-_butchu-kawamo.jpg/200px-JRW_EC_381_series_JNR_color_kinoyama_-_butchu-kawamo.jpg)
2011年4月1日現在で、「くろしお」用B編成が6両編成7本と増結ユニット21両、国鉄色C編成が6両編成3本、「スーパーくろしお」用D編成が基本6両編成5本と付属3両編成3本の計120両が所属する[11]。
← 新宮 新大阪・京都 →
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備考 | |||||||||
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号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
B編成 | クロ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
サハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
クロ381・クハ381は100番台 斜字は増結ユニット |
C編成 | クハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
クハ381は100番台 国鉄色 | |||
D編成(基本) | クロ 380 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
クハ381は500番台 | |||
D編成(付属) | モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
モハ380は500番台 クハ381は100番台 |
後述するリニューアル工事が施工されていない国鉄色の6両編成4本は、ホームライナー(「はんわライナー」「やまとじライナー」)および臨時列車で運用されていたが、この両列車は2011年3月のダイヤ改正で廃止され[12]、C601編成(クハ381-115以下6両)が廃車となった。年末年始など多客期には「やくも」の増結のため後藤総合車両所出雲支所に貸し出されることもあった。
推移
1976年に紀勢線電化訓練用を名目として7両編成1本が鳳電車区に投入された。その後、1978年10月の「くろしお」充当開始に合わせて101両が落成し、9両編成12本が配置された。なお、381系「くろしお」運転開始に合わせて108両すべてが日根野電車区に転属している。
1986年11月から485系「くろしお」を381系に置き換えるために、出雲電車区から18両(全車普通車の6両編成3本)が転属した。
← 新宮 天王寺 →
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号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
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9両編成(12本) | クハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
サロ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
6両編成(3本) | クハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
国鉄分割民営化時には126両が継承された。
1989年7月22日より「スーパーくろしお」を運行開始するのにあたり、一部の車両に対して改造工事が施工された(#「スーパーくろしお」編成改造を参照)。
1996年からは「スーパーくろしお」編成を除く大半の車両にリニューアル工事が施工された(#リニューアル工事を参照)。
2010年12月30日から翌年1月3日にかけて、KTR001形の故障や年末年始の輸送力の確保で183系が不足したため福知山線(JR宝塚線)・山陰本線の特急「北近畿」の代走として運用された。[13] そして2011年3月12日のダイヤ改正から同年5月31日まで、「北近畿」より改称された「こうのとり」の287系での運用分のうち、一部列車にて車両が出揃うまでの代走として運用されていた[14]。一時的とはいえ、結果的には当初計画されていた381系での運用が実現したことになったが、福知山線・山陰本線電化区間においては振り子装置を作動させずに走行していた。
「スーパーくろしお」編成改造
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e2/JR_West_kuro380_super_kuroshio_kyoto.jpg/200px-JR_West_kuro380_super_kuroshio_kyoto.jpg)
普通車では座席が従来品の改造ながらバケット式、フリーストップタイプのリクライニングシートとなり、座席背面には大形テーブルも設けられ、簡易式リクライニングシートながら座席背面の構造に工夫を凝らし、リクライニング角度を大きく取っている。その結果、485系グレードアップ改造車の新品のリクライニングシートと遜色ないものになった。グリーン車はパノラマグリーン車クロ380形となっている。塗装は白地にオレンジ色、赤の帯に改められた。
その後、後述するリニューアル工事により、普通車は座席はそのままで座席前後間隔(シートピッチ)の拡大が実施され、塗色も再度変更され、「スーパーくろしお」化未施工の編成と塗装が統一された。
リニューアル改造
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/30/Super-kuroshio3.jpg/200px-Super-kuroshio3.jpg)
「くろしお」系統において当分は381系を使用することから、日根野所属車の一部を除く本系列に大規模なリニューアル工事が実施された。
改造内容は普通車のシートピッチ拡大と座席の改造、グリーン車の3人掛座席化、塗色変更などである。「くろしお」編成用車両の普通車は座席が「スーパーくろしお」編成用と同じ改良型簡易リクライニングシートへと改造された。また、シートピッチを 1,000 mm に広げたため、一部の席で側壁の冷房立上りダクトと競合するようになり、その部分の席は片側1人掛席に変更されている。具体的にはクハ381形の11番、モハ380形の6番、モハ381形の6番、サハ381形の12番のそれぞれA・D席、クロ381形の4番A席が欠番となっている。グリーン車の座席は、2列側は0系「ウエストひかり」グリーン車の転用である。また、トイレにあった小窓が埋められている。グリーン車・普通車ともベネシャンブラインドは取外されて横引カーテンに交換された。クロ380形と異なり窓構造はそのままである。
塗装は「くろしお」編成は283系に似た白地にエメラルドグリーン・青色の帯となり、「スーパーくろしお」編成も同一塗装になっている。「やくも」編成は灰色地に緑色・黄色の帯となった。こちらは「スーパーやくも」とは別塗装のままであったが、先述のように「スーパーやくも」を「やくも」に統一した後は混用されている。なお、「ゆったりやくも」編成についてもリニューアル「くろしお」同様、冷房立上りダクト側面の座席は欠番となっているが、パノラマグリーン車に限り当該部分の座席が欠番となっていない。
出雲電車区(現・後藤総合車両所)
2011年4月1日現在、61両が所属する。そのうち57両がリニューアル工事を施工した「ゆったりやくも」車両である。
← 出雲市 岡山 →
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号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|
パノラマ編成 | クロ 380 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
ノーマル編成 | クロ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
サハ 381 |
モハ 380 |
クモハ 381 |
サブ編成 | クロ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
備考 | 2・3号車を抜き取って4両編成になることがある。 多客期には、岡山寄りに3両増結する場合がある。 |
推移
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a5/Yakumo-kokutetsucolor.jpg/200px-Yakumo-kokutetsucolor.jpg)
1981年から1982年にかけて9両編成9本が配置され、1982年7月から「やくも」で運用を開始した。
← 出雲市 岡山 →
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号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
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形式 | クハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
サロ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 | |
編成 | 1 | 128 | 68 | 68 | 23 | 67 | 67 | 66 | 66 | 127 |
2 | 130 | 71 | 71 | 24 | 70 | 70 | 69 | 69 | 129 | |
: | : | : | : | : | : | : | : | : | : | |
8 | 142 | 89 | 89 | 30 | 88 | 88 | 87 | 87 | 141 | |
9 | 144 | 92 | 92 | 31 | 91 | 91 | 90 | 90 | 143 |
1986年11月1日ダイヤ改正で、特急「くろしお」に充当されていた485系を381系に置き換えるため、一部車両が日根野電車区に転属した。各編成から3両ずつ(クハ381形+モハ381形+モハ380形)の計27両を抜き取り、そのうちの18両が485系置き換え用として日根野電車区に転属、残り9両は増結用として残留した。クハ381形が不足するため、各編成の6号車(基本編成岡山寄り先頭車両)は先頭車化改造をおこなったクモハ381形を連結する。また、指定席車両のグレードアップ改造も行われた(#「やくも」編成指定席車両のグレードアップ工事を参照)。
← 出雲市 岡山 →
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号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基本編成 | 6両編成(9本) | クハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
サロ 381 |
モハ 380 |
クモハ 381 |
|||
増結編成 | 3両編成(3本) | モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 |
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e1/JRW-381-yakumo-color.jpg/200px-JRW-381-yakumo-color.jpg)
国鉄分割民営化時には63両がJR西日本に継承された。分割民営化後から編成の短縮化が見られるようになり、一部列車では普通車のみの3両編成となるものもあらわれた。また、1994年12月3日からは速達列車である「スーパーやくも」が運転を開始。塗装などを変更した専用編成が用意された(#「スーパーやくも」編成改造工事を参照)。「スーパーやくも」編成以外の車両は、リニューアル改造施工(#リニューアル改造を参照)に合わせて緑と灰色の「やくも」色に塗り替えられている。
← 出雲市 岡山 →
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号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
スーパー やくも |
パノラマ編成 | 2本 | クロ 380 |
モハ 380 |
モハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 | |
非パノラマ編成 | 2本 | クハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
サロ 381 |
モハ 380 |
クモハ 381 | ||
増結用車両 | 1本 | モハ 380 |
モハ 381 |
クハ 381 | |||||
やくも | 6両編成 | 4本 | クハ 381 |
モハ 380 |
モハ 381 |
サロ 381 |
モハ 380 |
クモハ 381 | |
1本 | クハ 381 |
モハ 380 |
クモハ 381 |
サロ 381 |
モハ 380 |
クモハ 381 | |||
増結用編成 | クモハ381:1両、クハ381:2両 モハ381:1両、モハ380:2両 | ||||||||
備考 | 2・3号車を抜き取って4両編成になることがある。 2 - 4号車を抜き取って3両編成になることがある。 多客期には、1 - 3両増結する場合がある。 |
予備車両に関係から、多客期を中心に「スーパーやくも」編成に通常の「やくも」色の車両が混結される場合が少なからずあった。2006年3月ダイヤ改正で「スーパーやくも」が「やくも」に統合され、混色編成が見られることが多くなった。2007年4月3日から内装や塗装をリニューアルした「ゆったりやくも」編成が登場した(#「ゆったりやくも」改造工事を参照)。リニューアル工事は順次施工され、現在は全ての列車が「ゆったりやくも」編成で運転される。
「やくも」編成指定席車両のグレードアップ工事
「やくも」編成は国鉄最末期の1987年から普通車指定席車の座席が従来の座席を改造したバケットシートとなった。リクライニング機構はそのままであるが、座席モケットの色はピンク色と赤紫の2色となり、座席背面に大形テーブルが設けられ、廊下には赤色のカーペットが敷かれた。その後、民営化直後から1990年代初頭にかけて、指定席車両のみリクライニングシートに交換するなどして自由席と指定席の格差を付けた特急列車が多く登場したが、その嚆矢となったのがこの「やくも」編成である。このとき車体塗装は国鉄色のままであった。この後、自由席車両も「くろしお」編成に準じた座席の改造が行われ、これ以降は自由席・指定席の区別なく両タイプが混用されるようになった。
その後、後述するリニューアル工事により、座席はそのままで座席前後間隔(シートピッチ)の拡大が実施され、塗色も変更された。
「スーパーやくも」編成改造工事
1994年12月3日の「スーパーやくも」運行開始に伴って改造されたもの。仕様は塗装以外は「スーパーくろしお」編成に準じる。塗装は薄紫色地に青紫・白・赤紫の帯となっている。パノラマグリーン車クロ380形も登場したが、従来のサロ381形をパノラマグリーン車と同じ座席に取替えた編成もある。
その後、座席はそのままで座席前後間隔(シートピッチ)の拡大が実施された。また2006年3月ダイヤ改正で「スーパーやくも」の名称を「やくも」に統一したのに伴い、これまで「スーパーやくも」に充当されていた車両に表記されていた英称「SUPER YAKUMO」から「SUPER」という表記と「WEST JAPAN RAILWAY COMPANY」の文字が除去された。
「ゆったりやくも」改造工事
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/f2/JRW_381_Yuttari_Yakumo_20071022.jpg/200px-JRW_381_Yuttari_Yakumo_20071022.jpg)
2006年12月にJR西日本から「やくも」編成のリニューアル化が発表された[17]主な改造内容は、座席を683系と同型のものへ交換、和式トイレの洋式化および女性用トイレ、男子小用トイレの設置、喫煙室の設置(2009年6月1日廃止)、塗装変更など。改造が終了した車両には「ゆったりやくも」の愛称が与えられる。また、それまで統一されていなかった(2007年現在)「やくも」塗装および「スーパーやくも」塗装が、改造に伴いリニューアル「くろしお」と似たレイアウトの白と赤系統のものに変更されている。これは、大山の冠雪の「白」と、出雲大社の巫女の「赤」をイメージしている[18]。
この改造工事は、2010年(平成22年)度までに全ての編成に施工されるとあったが[17]、一部車両はリニューアル化の対象外となり廃車となっている[19]。
脚注
- ^ 『鉄道ジャーナル』1982.10 列車追跡"高速特急"やくも1号
- ^ これは中央本線や紀勢本線(きのくに線)和歌山駅 - 紀伊田辺駅間の標準的な連続曲線半径の数値である。本則 70 km/h 制限であるため、本系列の投入により、同区間を走行する「しなの」・「くろしお」など特急列車は同区間を 90 km/h で連続走行することが可能となり、その結果所要時間が大幅に短縮した。
- ^ これにより、183系導入の場合と比べて所要時間をさらに30分近く短縮することができた。
- ^ 在来線特急列車などの全席禁煙化ならびに在来線ホームの禁煙化の拡大について[リンク切れ] - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年3月26日
- ^ 「鉄道ファン」No.162(1974年10月号)p134
- ^ 『復刻版国鉄電車編成表1986.11ダイヤ改正』ジェー・アール・アール、交通新聞社、p.66、ISBN 978433016090
- ^ 交通新聞社『鉄道ダイヤ情報』2008年7月号
- ^ ジェー・アール・アール『JR電車編成表'09冬号』
- ^ 2010年11月定例社長会見 - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年11月17日
- ^ 特急〈くろしお〉に287系投入 - ネコ・パブリッシング『鉄道ホビダス』 2010年11月17日
- ^ a b ジェー・アール・アール 編『JR電車編成表 2011夏』交通新聞社、2011年、p.158頁。ISBN 9784330212111。
- ^ 平成23年春ダイヤ改正について (PDF) JR西日本近畿統括本部ニュースリリース2010年12月17日
- ^ “北近畿”を381系が代走 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2011年1月3日
- ^ 平成23年春ダイヤ改正について (PDF) JR西日本福知山支社ニュースリリース2010年12月17日
- ^ ジェー・アール・アール 編『JR電車編成表 2011夏』交通新聞社、2011年、p.193頁。ISBN 9784330212111。
- ^ 『JR電車編成表』'03年夏号、ジェー・アール・アール、2003年、p.185、ISBN 4-88283-039-6
- ^ a b 「ゆったりやくも」が新登場!(インターネット・アーカイブ)西日本旅客鉄道プレスリリース、2006年12月12日付
- ^ “快適”に大変身! その秘密を解剖 - 山陰観光【神々のふるさと山陰】旅のポータルサイト
- ^ クモハ381-4+モハ380-90は改造対象から除外され、2011年2月に廃車となった
参考文献
- 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』
- 1989年9月号 No.516 特集:381系特急形電車
- 1997年4月号 No.635 特集:振子式車両
関連項目
このテンプレートは廃止により使われていません。{{Commonscat}}に張り替えてください。
- ^ “地球環境保全への貢献”. 東海旅客鉄道. 2023年11月29日閲覧。