コンテンツにスキップ

「火砕丘」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
volcanic cone は火山円錐丘
1行目: 1行目:
[[ファイル:KOMETUKA01.jpg|thumb|[[スコリア丘]]の[[米塚]]([[阿蘇山]])]]
[[ファイル:KOMETUKA01.jpg|thumb|[[スコリア丘]]の[[米塚]]([[阿蘇山]])]]
[[ファイル:Izu-omuroyama-stereo.jpg|thumb|[[大室山 (静岡県)|大室山]]の[[ステレオグラム|ステレオ]]空中写真(1976年) {{国土航空写真}}]]
[[ファイル:Izu-omuroyama-stereo.jpg|thumb|[[大室山 (静岡県)|大室山]]の[[ステレオグラム|ステレオ]]空中写真(1976年) {{国土航空写真}}]]
'''火砕丘'''(かさいきゅう、{{Lang-en-short|pyroclastic cone}}<ref>{{Cite book|和書
'''火砕丘'''(かさいきゅう、{{Lang-en-short|pyroclastic cone}}<ref name="terms">{{Cite book|和書
|author = [[文部省]]編
|author = [[文部省]]編
|title = [[学術用語集]] 地学編
|title = [[学術用語集]] 地学編
8行目: 8行目:
|publisher = [[日本学術振興会]]
|publisher = [[日本学術振興会]]
|isbn = 4-8181-8401-2
|isbn = 4-8181-8401-2
|page = 63
|page = 63・382頁
}}</ref><!-- 、{{Lang|en|volcanic cone}} ←日本地質学会編『地質学用語集』[[共立出版]]、2004 によると「火山円錐丘」を指す。 -->)は、[[火山活動]]で噴出した[[火山砕屑物]]が[[火口]]の周囲に積もり、[[丘]]を形成したものの総称。
}}</ref><!-- 、{{Lang|en|volcanic cone}} ←日本地質学会編『地質学用語集』[[共立出版]]、2004 によると「火山円錐丘」を指す。 -->)は、[[火山活動]]で噴出した[[火山砕屑物]]が[[火口]]の周囲に積もり、[[丘]]を形成したものの総称。


17行目: 17行目:
; [[スコリア丘]]
; [[スコリア丘]]
: [[玄武岩]]質の[[マグマ]]からできた[[スコリア]]が積もったもの。活動時にスコリア丘の頂部にある火口に[[溶岩湖]]ができている場合、それが決壊すると、しばしば[[馬蹄形]](U字型)の火口を持つスコリア丘になる。また、スコリア丘は[[発泡]]したスコリアが多く、[[密度]]が小さいため、密度の大きな[[溶岩]]が火口に溜まらずに、スコリア丘の底部から流れ出すこともある([[大室山 (静岡県)|大室山]]、[[阿蘇山]]米塚などが有名)。
: [[玄武岩]]質の[[マグマ]]からできた[[スコリア]]が積もったもの。活動時にスコリア丘の頂部にある火口に[[溶岩湖]]ができている場合、それが決壊すると、しばしば[[馬蹄形]](U字型)の火口を持つスコリア丘になる。また、スコリア丘は[[発泡]]したスコリアが多く、[[密度]]が小さいため、密度の大きな[[溶岩]]が火口に溜まらずに、スコリア丘の底部から流れ出すこともある([[大室山 (静岡県)|大室山]]、[[阿蘇山]]米塚などが有名)。
; [[軽石丘]]
; {{仮リンク|軽石丘|en|pumice cone}}
: [[安山岩]]〜[[流紋岩]]質の[[マグマ]]からできた[[軽石]]が積もったもの。このようなマグマは、[[ガス]]成分が多く、玄武岩質マグマよりも爆発的な[[噴火]]を起こしやすいので、一般にスコリア丘よりも大きな火口をもつ。阿蘇山の[[草千里]]などが有名。
: [[安山岩]]〜[[流紋岩]]質の[[マグマ]]からできた[[軽石]]が積もったもの。このようなマグマは、[[ガス]]成分が多く、玄武岩質マグマよりも爆発的な[[噴火]]を起こしやすいので、一般にスコリア丘よりも大きな火口をもつ。阿蘇山の[[草千里]]などが有名。
; [[タフリング]]、[[タフコーン]](火山灰丘)
; [[タフリング]]、{{仮リンク|タフコーン|en|tuff cone}}凝灰岩丘<ref name="terms" /><!-- 火山灰丘? -->
: [[マグマ水蒸気爆発]]で形成される。マグマ水蒸気爆発は、マグマの成分とは無関係に、マグマが[[地下水]]や湖水などの冷たい水と接触すると起こる。爆発力が大きいため、火口が大きく高さは低い。マグマと水の量比によって爆発力や噴出物量が異なり、爆発力が比較的強く高さの低いものをタフリング、爆発力が比較的弱く高めのものをタフコーンと呼ぶ。[[屈斜路湖|屈斜路カルデラ]]の中島、[[ハワイ]]・[[オアフ島]]の[[ダイヤモンドヘッド]]はタフリングである。
: [[マグマ水蒸気爆発]]で形成される。マグマ水蒸気爆発は、マグマの成分とは無関係に、マグマが[[地下水]]や湖水などの冷たい水と接触すると起こる。爆発力が大きいため、火口が大きく高さは低い。マグマと水の量比によって爆発力や噴出物量が異なり、爆発力が比較的強く高さの低いものをタフリング、爆発力が比較的弱く高めのものをタフコーンと呼ぶ。[[屈斜路湖|屈斜路カルデラ]]の中島、[[ハワイ]]・[[オアフ島]]の[[ダイヤモンドヘッド]]はタフリングである。



2012年2月28日 (火) 16:56時点における版

スコリア丘米塚阿蘇山
大室山ステレオ空中写真(1976年) 国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

火砕丘(かさいきゅう、: pyroclastic cone[1])は、火山活動で噴出した火山砕屑物火口の周囲に積もり、を形成したものの総称。

通常は単成火山であり、大きくても直径2〜3km程度である。

火砕丘の種類

火砕丘はいくつかの種類に分けられる。

スコリア丘
玄武岩質のマグマからできたスコリアが積もったもの。活動時にスコリア丘の頂部にある火口に溶岩湖ができている場合、それが決壊すると、しばしば馬蹄形(U字型)の火口を持つスコリア丘になる。また、スコリア丘は発泡したスコリアが多く、密度が小さいため、密度の大きな溶岩が火口に溜まらずに、スコリア丘の底部から流れ出すこともある(大室山阿蘇山米塚などが有名)。
軽石丘英語版
安山岩流紋岩質のマグマからできた軽石が積もったもの。このようなマグマは、ガス成分が多く、玄武岩質マグマよりも爆発的な噴火を起こしやすいので、一般にスコリア丘よりも大きな火口をもつ。阿蘇山の草千里などが有名。
タフリングタフコーン(凝灰岩丘[1]
マグマ水蒸気爆発で形成される。マグマ水蒸気爆発は、マグマの成分とは無関係に、マグマが地下水や湖水などの冷たい水と接触すると起こる。爆発力が大きいため、火口が大きく高さは低い。マグマと水の量比によって爆発力や噴出物量が異なり、爆発力が比較的強く高さの低いものをタフリング、爆発力が比較的弱く高めのものをタフコーンと呼ぶ。屈斜路カルデラの中島、ハワイオアフ島ダイヤモンドヘッドはタフリングである。

形成される場所

火砕丘の形成される場所は大きく分けて3種類ある。

複成火山の一部
成層火山楯状火山カルデラなど長期にわたる火山活動の一環として、火砕丘が形成されることがある。主要な火口から離れた場所に側火山としてできることも多い。たとえば、富士山側火山として多数のスコリア丘がある。
単成火山
複成火山の存在しない場所で、火砕丘や溶岩ドームが集まった単成火山群を形成することがある。単成火山群は地殻が引っ張られている場所にできると考えられている。伊豆東部火山群阿武火山群などが有名。
単独の火砕丘
他に火山の全くないところにポツリと火砕丘ができることもある。

脚注

  1. ^ a b 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、63・382頁頁。ISBN 4-8181-8401-2http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 

参考文献

関連項目