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*編集:[[杉原よし]]
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2012年3月13日 (火) 16:39時点における版

波の塔』(なみのとう)は、松本清張の長編小説。『女性自身』に連載され(1959年5月29日号 - 1960年6月15日号)、1960年6月に光文社カッパ・ノベルス)から刊行された。後に電子書籍版も発売されている。

1960年に松竹で映画化、また過去7度テレビドラマ化されている。

概要

人妻と青年検事の恋愛とその行方を描く、著者の代表的長編恋愛ロマン。

あらすじ

司法修習生の小野木喬夫は、観劇中に隣席の女性が気分を悪くしているのに気づき、医務室へ連れて行く。周囲にその女性の同伴者と思われているうちに、小野木は彼女をタクシーで送ることになり、そのまま縁が切れるのを惜しむ気持ちになる。一週間ほど経ち、小野木のもとに、名刺を渡した彼女-結城頼子から電話が来て、夕食の誘いを受ける。検事になった小野木は、その後も自分を誘ってくれた結城頼子を愛するようになるが、彼女は自分の住所もはっきり答えず、秘密めいたところがあった。気持ちを確かめようとする二人の運命は…。

主な登場人物

  • 原作における設定を記述。
結城頼子
夫と愛の感じられない関係になって久しい中、演舞場で気分の悪くなったところを小野木に助けられ、以後彼と会うようになる。しかし、自分のことも周りのことも、なかなか小野木に話さずにいる。
小野木喬夫
東京地方検察庁の新米検事。古代遺跡の探索が趣味。演舞場で芝居を観覧中に頼子と出会う。地検特捜部で重大事件の捜査に関わっていたが…。
結城庸雄
頼子の夫。あちこちに愛人を持ち外泊を重ねながら、平然とした態度を通している。その仕事の実態は…。
田沢輪香子
女子大を卒業し、一人旅の最中、諏訪湖近くの古代遺跡で小野木に会い、以後小野木のことが気になってゆく。
佐々木和子
輪香子の親友。京橋の呉服屋の娘。人見知りせず、思いつくとすぐに行動する。
田沢隆義
輪香子の父親。R省の局長で、次官になるとも噂されている。
辺見博
F新聞政治部の記者。R省詰めで、輪香子の父も高く評価する。

エピソード

作品の舞台、青木ヶ原原生林
  • 小説中に東京都調布市の古刹・深大寺が舞台となるシーンがあり、「深大寺そば」も登場するが、本作の一部は実際に深大寺で執筆され、2012年現在、清張ゆかりの品目を販売するそば処も存在している。
  • 本作の一部は湯村温泉 (山梨県)で執筆された。滞在ホテルは「常磐ホテル」(2012年現在も営業中)。宿泊した部屋が現存している。

注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


  • 1974年に、山梨県の青木ヶ原樹海内にて、本作を枕にした女性の白骨死体が発見された[1]。同樹海内での自殺者はその後も相次いだが、1985年には再び本作と関連付けた報道がなされた[2]

映画

波の塔
監督 中村登
脚本 沢村勉
製作 小松秀雄
出演者 有馬稲子
津川雅彦
南原宏治
音楽 鏑木創
撮影 平瀬静雄
編集 杉原よし
配給 松竹
公開 日本の旗1960年10月30日
上映時間 99分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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1960年10月30日公開。製作は松竹大船、配給は松竹。現在はDVD化されている。

キャスト
スタッフ

テレビドラマ

1961年版

フジテレビ系列にて、1月9日から4月24日まで全16回の連続ドラマとして放送(13:00-13:30)。

キャスト
スタッフ

1964年版

波の塔
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『波の塔』
脚本 植草圭之助
演出 北代博
出演者 村松英子
早川保ほか
製作
制作 NETテレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1964年8月24日 - 11月2日
放送時間月曜22:00 - 23:00
放送枠ポーラ名作劇場
回数13
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NETテレビ(後にテレビ朝日)系列の「ポーラ名作劇場」枠(22:00-23:00)にて、8月24日から11月2日まで全13回の連続ドラマとして放送。

キャスト
スタッフ
NET系列 ポーラ名作劇場
前番組 番組名 次番組
女のいくさ
(原作:佐藤得二)
(1964.5.11 - 8.17)
波の塔
(1964.8.24 - 11.2)
悪名高き女
(原作:大原富枝)
(1964.11.9 - 12.28)

1970年版

TBS系列の「花王 愛の劇場」枠(13:00-13:30)にて、8月31日から10月30日まで全45回の連続ドラマとして放送。

キャスト
スタッフ
TBS系列 花王 愛の劇場
前番組 番組名 次番組
愛と死と
(1970.6.29 - 8.28)
波の塔
(1970.8.31 - 10.30)
智恵子抄
(1970.11.2 - 12.31)

1973年版

波の塔
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『波の塔』
脚本 砂田量爾
演出 岡崎栄
都成潔
出演者 加賀まりこ
浜畑賢吉ほか
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1973年4月2日 - 5月11日
放送時間平日22:00 - 22:15
放送枠銀河テレビ小説
回数30
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NHKの「銀河テレビ小説」枠(22:00-22:15)にて、4月2日から5月11日まで全30回の連続ドラマとして放送。劇中音楽にシンセサイザーが使用されている。

キャスト
スタッフ
NHK 銀河テレビ小説
前番組 番組名 次番組
芳兵衛物語
(1973.3.5 - 3.30)
波の塔
(1973.4.2 - 5.11)
すべって転んで
(原作:田辺聖子
(1973.5.14 - 6.6)

1983年版

松本清張シリーズ
波の塔
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『波の塔』
脚本 ジェームス三木
演出 和田勉
出演者 佐久間良子
山崎努
鹿賀丈史ほか
製作
制作 NHK
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1983年10月15日 - 10月29日
放送時間毎週土曜20:00 - 21:14
放送枠土曜ドラマ (NHK)
回数3
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松本清張シリーズ・波の塔」。NHKの「土曜ドラマ」枠(20:00-21:14)にて、10月15日から10月29日まで全3話の連続ドラマ化。平均視聴率14.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

キャスト
スタッフ
NHK 土曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
日だまり
(1983.10.8)
松本清張シリーズ
波の塔
(1983.10.15 - 29)
話すことはない
(原作:富岡多恵子
(1983.11.5)

1991年版

松本清張作家活動40年記念
波の塔
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『波の塔』
脚本 大野靖子
演出 藤田明二
出演者 池上季実子
神田正輝ほか
製作
プロデューサー 中山和記
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1991年5月24日
放送時間21:03 - 23:07
放送枠金曜エンタテイメント
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松本清張作家活動40年記念・波の塔」。1991年5月24日フジテレビ系列の「金曜ドラマシアター」枠(21:03-23:07)にて放映。視聴率16.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

キャスト
スタッフ
フジテレビ系列 金曜ドラマシアター
前番組 番組名 次番組
海流Ⅱ
(1991.5.17)
松本清張作家活動40年記念
波の塔
(1991.5.24)
エステに通う女たち
(原作:和田はつ子
(1991.5.31)

2006年版

松本清張ドラマスペシャル
波の塔
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『波の塔』
脚本 竹山洋
演出 大岡進
出演者 麻生祐未
小泉孝太郎ほか
製作
プロデューサー 市川哲夫
中川善晴
制作 TBS
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2006年12月27日
放送時間21:00 - 22:54
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松本清張ドラマスペシャル 波の塔」。TBS系で2006年12月27日21:00~22:54(JST)に放送されたスペシャルドラマ。

キャスト
スタッフ

脚注・出典

  1. ^ 毎日新聞』1974年4月25日付。
  2. ^ 『毎日新聞』1985年10月16日付。

外部リンク