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「ゲシュタルト崩壊」の版間の差分

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2012年6月29日 (金) 12:12時点における版

ゲシュタルト崩壊(ゲシュタルトほうかい、: Gestaltzerfall)とは、知覚における現象のひとつ。 全体性を持ったまとまりのある構造 (Gestalt, 形態) から全体性が失われ、個々の構成部分にバラバラに切り離して認識し直されてしまう現象をいう。幾何学図形、文字、顔など、視覚的なものがよく知られるが、聴覚皮膚感覚においても生じうる。

概要

1947年、ファウストによって失認の一症候として報告されたが、持続的注意に伴って健常者にも生じることが知られるようになった。認知心理学の視点から「文字のゲシュタルト崩壊」が研究されている。これは同じ漢字を長時間注視しているとその漢字がバラバラに見えたり、連続で羅列された文字列を読み続けると途中からなんとも形容しがたい、いわゆる「こんがらがった」状態になる現象である。例えば平仮名の「あ」を長時間凝視したり、連続して大量に書き続けた場合、「あ」という文字はこんな字だったか?と思ってしまう現象がこれにあたる。ただしこの際、静止網膜像のように消失は起きないとされる。近年では、意味飽和との関連も指摘されている[1]。しかしゲシュタルト崩壊の発生要因については未解明な部分が多く、感覚器疲労順応によるものではなく、「比較的高次な認知情報処理過程によって発生する」[2]ことがわかっている程度である。

脚注

  1. ^ 二瀬由理・行場次朗  『持続的注視による漢字認知の遅延: ゲシュタルト崩壊現象の分析』 (心理学研究, 1996)
  2. ^ (二瀬・行場 1996)

関連項目