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* iPod classic(160GB、シルバー / ブラック)
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* iPod shuffle(2GB、シルバー / ブルー/ グリーン / ピンク / オレンジ)
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* iPod nano(8GB・16GB、シルバー / グラファイト / ブルー / グリーン / オレンジ / ピンク / (PRODUCT)<sup>RED</sup>
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* iPod touch(8GB・32GB・64GB、ブラック/ ホワイト)
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2012年9月4日 (火) 18:31時点における版

iPod classic
第4世代iPod shuffle

iPod(アイポッド)は、アップルが開発・販売する携帯型デジタル音楽プレイヤー。本体に搭載されている記憶装置に数百から数万曲の音楽を保存することができる。

現在、アップルより発売されているiPodはiPod classiciPod shuffleiPod nanoiPod touchの4種類である。

この項目では、iPodファミリーの共通事項について扱う。各機種の詳細は個別の記事を参照のこと(旧iPodシリーズについてはiPod classicの項に記載)。また、同社製のiPod機能を搭載した携帯電話についてはiPhoneを、タブレット型コンピュータについてはiPadを、それぞれ参照のこと。

バリエーション

アップルは現在4種類のiPodを販売しており、モデルによって容量やデザインが異なっている。

iPod shuffle、iPod nano、iPod touchにはフラッシュメモリが、iPod classicには内蔵型ハードディスクドライブが、それぞれ記録媒体として用いられている。

2011年7月現在販売されているモデルの分類は下記の通り。

  • iPod classic(160GB、シルバー / ブラック)
  • iPod shuffle(2GB、シルバー / ブルー/ グリーン / ピンク / オレンジ)
  • iPod nano(8GB・16GB、シルバー / グラファイト / ブルー / グリーン / オレンジ / ピンク / (PRODUCT)RED
  • iPod touch(8GB・32GB・64GB、ブラック/ ホワイト)

iPod miniはiPod nanoの登場に伴い生産中止された。iPod U2 Special Editionは第5世代iPodの登場に伴って一旦生産中止されたが、2006年6月6日、第5世代 iPodの30GBモデルをベースに、背面のステンレススチールまで黒いオールブラックの筐体で再登場した。

iPodはその時期に応じて投入される新しい世代の存在が牽引力になり、2001年にオリジナルモデル(第1世代)が登場して以来、市場の中で高い地位を確保し続けている。多くのハードディスク型デジタルオーディオプレーヤーと同様に、現在のドライブ容量は音楽、画像向けに利用されていて、データストレージといった用途ではほとんど宣伝されていない。

iPod(オリジナルからの流れをくむ iPod)

ハードディスク内蔵タイプ。iPodファミリーで最大の保存容量を有している。

iPod mini

1インチハードディスクを内蔵し、オリジナルのiPodよりも小型軽量。現在は販売されていない。

iPod shuffle

液晶画面を廃し、シャッフル再生に特化したタイプ。衣服等に付けるためのクリップを備えており、VoiceOver機能により再生している楽曲を合成音声で読み上げる。

iPod nano

フラッシュメモリを使い、iPod miniよりもさらに小型化したシリーズ。iPod miniの後継機種にあたる。第6世代よりタッチスクリーン採用。

iPod touch

全面タッチパネルによるユーザインターフェースをもち、無線LANによるWebブラウズ、アプリケーションの追加などが可能。iPodシリーズで唯一iOSを採用し、iPhoneに準じた仕様である。

特徴

iPodのホイール部分。一部の機種を除きこれでほぼ全ての操作を行う

iPodは光沢のある白または黒、金属的な銀を基調としたシンプルなデザインで、iPodおよび第一、第三世代のiPod nanoの裏面は鏡面加工されたステンレスを用いて高級感を演出している。

最初のiPodは「四角と丸で表す事ができる」デザインで、後の世代やmini、nanoもそれを踏襲している。このデザインは、液晶のないshuffleですらホイールとよく似た形のコントロールパッドを備えるほどに一貫している。ただし、2012年7月現在、このデザインを採用しているのはiPod classicのみである。大きな液晶画面を備え、その下にはiPodの象徴とも言うべきホイールがある。このホイールを用いて選曲、音量調整、早送り、巻き戻し、画像・動画閲覧などすべての操作を直感的に行える。touchは従来のiPodとは異なり、表面全体を液晶画面とし、それに触れることで直観的な操作を実現している。

iPodには1G、2G、3Gというように明確な世代が存在する。なお、これらの数字の後ろにある「G」は、『世代』を意味する英単語である「ジェネレーション(Generation)」の略である。日本語においては第一世代などと称されることもある。

iPodへ音楽・動画やそのプレイリスト、写真などを転送するには、iTunesもしくはXPlayなどのアプリケーションを使用する。開発元のアップルではiTunesを使用することを推奨している。

ユーザーインタフェース

「アーティスト」「アルバム」「ジャンル」等で管理される階層的な検索システムを持つ。これは Creativeの持つ、「ZEN特許」とも呼ばれている[1]ユーザインターフェース関連の特許に該当し、他社製プレイヤーにも同様のユーザーインターフェースを持つ物がある。なお、AppleはCreativeからの訴訟に対し1億ドルの和解金を支払い、和解した[2]

iPod(のちのiPod classic)・第5世代までのiPod nano・iPod miniのユーザインタフェースは、中央のスクロールホイールを使って操作し、階層構造をたどって選曲するタイプのものである。この方法により、何千曲ものライブラリがあったとしても、ユーザは容易に選曲をすることが可能である。また、再生中の曲の頭出しや早送り、音量調整、収録されているゲームの操作や写真・動画の閲覧も、全てスクロールホイールによって行うことができる。このデザインは第一世代から踏襲されており、スクロールホイール(その後、クリックホイールに改良されている)はiPodの象徴ともなっている。

iPod touchiPhoneiPad、iPod nano(第6世代)などは、タッチパネルでの入力となっており、こちらも直感的な操作ができるように工夫されている。

また、GUIの言語はMac OS X同様、21言語を切り替えて使用できる。

モノクロディスプレイの液晶表示の書体は、英数字フォントに「Chicago」、日本語フォントに「Osaka」を採用している。これは9.X以前のMac OSにおいて表示用全般として使われていたフォントである。第四世代以降のカラーiPodは、書体として英数字に「Myriad」、日本語にはゴシック体の「ヒラギノ」を、iPod nanoは「Osaka」のフォントをそれぞれ採用している。「Osaka」以外はいずれもアンチエイリアス処理がなされている。ただし、第四世代以降のiPodでもディスクモードにしたときのフォントはChicagoになる。

USBストレージ

iPod Touchを除く現行モデルのiPodはUSB大容量記憶装置としても利用できる。過去のモデルではFireWire接続の外付けディスクとして利用できるものもあったが、2005年9月発表のiPod nano以降のモデルではFireWire接続には対応していない。MacintoshはFireWire接続の外付けディスクを起動ディスクとすることも可能だが、アップル社はiPodの起動ディスクとしての利用を推奨していない[3]

ソフトウェア

iPodにはさまざまなソフトウェアが搭載されていて、またパソコン側のiTunesを通して、バックアップもとれる。

ミュージック

iPodはMP3WAVAAC/M4AProtected AAC/M4P、AIFFAudible audiobook/AA/M4B、Apple Lossless 音声ファイルフォーマット/M4AおよびM4Vの再生に対応する。ただし、iPod shuffle は Apple Lossless には対応していない。また、第五世代のiPodではこれに加えて H.264MPEG-4の再生にも対応する。iTunes for Windowsでは、コピーガードが無いWMAファイルをAAC、MP3、WAVの各形式に変換し、iPodに取り込めるようにもできる。

アップルはiTunesメディア・ライブラリー・ソフトウェアと連携して利用することを前提としてiPodを設計した。iTunesはコンピュータおよびiPod上の音楽ライブラリを扱うためのソフトウェアである。iTunesは特定のプレイリストまたは音楽ライブラリ全体の内容を、ホスト・コンピュータとiPodを接続するたびに自動同期することができる。もちろん、iTunes上で作成したスマートプレイリストを、そのままiPodに転送することや、iPod上で自動的に更新させることも可能である。また、自動同期を行わず、全ての曲とプレイリスト、あるいは一部のプレイリストのみを手動管理することもできる。

ユーザーはiPodないしiTunes上で音楽のレーティングをつけることもでき、0~5つ星まで指定可能である。

VoiceOver

再生している楽曲を合成音声で読み上げる機能。iPod shuffleとiPod nanoに搭載。

液晶を持たないiPod shuffleを除くiPodは、音楽再生機能に加えて簡易なPDA的な機能を備えていて、PDAの初心者には便利である。最新のiPod touch 64GBを例にとって見ると、

メモ、連絡先

「メモ」では簡単なメモを入力して、各メモの最初の行をリスト名として、あとで見ることができる。ただし、リストは作成日時の逆順に表示されるだけで、アルファベット・五十音順、または分類項目順などにはできないので、メモ魔の人には向いていない。「連絡先」もすべてアルファベット・五十音順になり、分類項目順(親類、知人、同僚など)にはできない。

写真アルバム

「写真」では、iTunesで指定したパソコン側のフォルダーまたはAdobe Photoshop AlbumAdobe社はPhotoshop 2.0.1までを出荷して、その後販売を中止)のコレクションから同期の時にiPodへダウンロードして、写真アルバムを見ることができる。リストはフォルダー名またはコレクション名の五十音順・アルファベット順になる。

多言語処理

「設定」の「一般」から「言語環境」で、世界の30に渡る言語環境から自分の好きな言語を選ぶことができる。また同様に「キーボード」から「各国のキーボード」で、43の各国語のキーボードから日本語、英語(米国)、ロシア語、簡体字中国語など複数を自由に選ぶことができ、これらは入力の際にはキーボードのシフトキーの横の地球マークを押すたびに入れ変わり、外国語ができる人には大変便利である。ただし、英語にはプレディクター機能(Predictor function、例えば「sch」までを入れた段階で「schedule」、「school」などを選択できる機能)はなく、またロシア語を英語キーボード方式で入れるような機能もない。

iTunesでの同期 (パソコン側)

パソコン側のiTunesソフトは音楽データをiPodに送るだけでなく、PDA機能であるカレンダー、連絡先、メモ機能などをiPodまたはパソコン上の最新情報をお互いに同期させる機能がある。これはあらかじめパソコンにiPodを接続したときに自動的に同期するように指定しておくか、同期させたいときにそのつど「ファイル」から「iPodを同期する」を選んでできる。Macのユーザーは、address bookでの連絡先データ・iCalアプリケーションでのスケジュールデータの同期を行える。Windowsパソコンのユーザーは、 Outlookにある予定表、連絡先、メモと同期できるが、iPodには初歩的なPDA機能しかなく、Outlookのカレンダーはすでにある項目の更新は同期されず、また旧暦などのデータも同期はなくて、連絡先は分類項目別(家族、友人など)にはiPod側では表示されず、メモもやはり分類項目別に表示されるわけではない。

ゲーム

iPodではちょっとした待ち時間等をつぶす、という目的で使えるゲームも搭載されている。

第一世代および第二世代のiPodにはAtari社製Breakoutアーケードゲームのクローン『Brick』が収録されている。

第三世代および第四世代のiPod、iPod mini、iPod nano(第一世代および第二世代)にはBrickの他に3つのゲームが含まれる。

Parachute
ユーザーが砲塔を操作し、降下兵やヘリコプターを撃墜するゲーム。Parachuteはマーク・アレンによるApple II ゲーム『Sabotage』を移植したもの。最高は1,000ポイントであり、それを越すと降下兵やヘリコプターは出てこなくなる。
稀に降下兵がパラシュートを付けずに落ちてくることがある。手足をじたばたさせながら急降下するが、1秒以内にパラシュートを開く。:パラシュートを狙って撃つと降下兵のみが地面に降りてくる。地面にすでに降下兵がいた場合、その降下兵もセットで消える。
降下兵が降りると同時にヘリを破壊すると、ヘリの残骸が飛んできて前述のような事が起こることがある。

降下兵が下に降りてきた状態で終了すると、爆弾を投げられ、砲塔が爆発する。だが砲塔から飛んでくる残骸で残りの兵士も死ぬ。

Solitaire
Klondikeトランプのソリティアのような簡単なカードゲーム。
Music Quiz
ユーザー自身の音楽の一部を使用する対話形式の音楽クイズ。
最初は選択肢が5つで、時間経過と共に選択肢が減っていく。もちろん選択肢が多いうちに答えるとより高い得点が得られる。
100問出題されるとループする仕組みになっている。
曲を途中停止する事も可能だが、現在のソフトウェアでは曲を途中停止して答えるとペナルティとしてポイントが与えられない仕組みとなっている。ただし途中停止を解除して答えるとペナルティにならず通常の正解扱い。
なお100万点以上ポイントを獲得した場合、途中停止してもタイムゲージが進んでしまう機能があるため、100万点以上の点のときに曲の再生を停止してもあまり意味は無い。

またメモ機能を利用して、簡単なgames[4]をiPod上で楽しんだり、restaurant information[5]を入れておいたりといった使い方がされていた。

第五世代は当初第三世代および第四世代同様の4つのゲームが添付されているのみだったが、2006年9月12日に公開されたiPodソフトウェア1.2から、iTunes Storeからダウンロード購入したゲームを追加できるようになった。ゲームは1タイトル600円である。具体的にはiPodのゲームタイトル一覧を参照のこと。

iPod classicおよびiPod nano(第三世代)には以下の3つのゲームが含まれるほか、iTunes Storeからダウンロード購入したゲームも追加できたが、2011年10月に取り扱いを終了している[6]。VortexとiPod Quizは第五世代iPod向けにiTunes Storeからダウンロード販売されているものである。

  • Vortex : 360°型のブロック崩しゲーム。クリックホイールを使って行う。
  • Klondike : カードゲーム。上記「Solitaire」の強化版。
  • iPod Quiz : クイズゲーム。上記「Music Quiz」の強化版の他、海外芸能・音楽理論についてのカルトクイズ等含まれる。ただし「Music Quiz2」以外は英語版のみ。

iPod touchはファームウエア2.0以降でiTunes storeのApp storeからゲームやそのほかのアプリケーションを入れることが可能である。

ハードウェア

iPodのデータ転送は、現在販売されている全てのモデルにおいて高速USB 2.0、そして転送速度は遅いがUSB 1.1に対応している。

第二世代iPodまではFireWireのみに対応、第三・第四世代のiPodとiPod miniはUSBおよびFireWireに対応をしていたが、第五世代のiPodおよびiPod nanoではFireWireは充電専用となり、データの転送を行うことは出来なくなった。なおFireWireでPC等と接続すると転送できない旨が表示される。あまり意味の無い裏技として、FireWire端子を持つiPodと接続しても表示される。

iPodの内蔵バッテリへの充電は、コンピュータやiPod ACアダプタのFireWire端子(shuffle以外の全モデル)またはUSB端子(第四世代およびそれ以降のモデル)に接続することで行う。Apple純正のACアダプタは、USB接続に対応するものとFireWire接続に対応するものの2種類のアダプタがある。iPod mini・iPod nanoおよび第三世代以降のiPod は、コンピュータのFireWireまたはUSBポートへケーブルを介して接続する際に30ピン Dock connector を使用する。

なお、第一世代のiPod shuffleの充電及びデータ転送はコンピュータやUSBハブのUSB端子を介して行うことができ、接続にはUSB端子に直接差し込むほかに、USB延長ケーブルやiPod shuffle 向けに用意された iPod shuffle Dock を用いることもできる。第二世代では iPod shuffle 専用の Dock を介し USB 端子へ接続して行う。

iPodの第一世代から第三世代には、心臓部であるCPUとして2つのARM 7TDMI(動作周波数90MHz)が使われた。それに対して、後期モデルは同じバッテリー容量でより長時間駆動させるために、CPU使用率に応じて周波数が動的に変化するスピード・チップ(最高周波数80MHz)が使われた。最新の第五世代iPodで使用されているCPUは、PortalPlayer社製のPP5021というデジタルプレイヤー向けのチップである。このチップにはFireWireインターフェイス機能が内蔵されていないが、次期チップであるPP5022ではFireWireインターフェイス機能が内蔵されている。このため、次期iPodではFireWire接続機能が復活する可能性もある。また、PP5022はPP5020に比べて低電圧低電流で稼働するので、バッテリーでの駆動時間を延ばす事にも寄与することが期待される。

iPodは東芝の1.8インチATAハードディスクドライブが使われ、IDE規格でないコネクターによって接続されている。iPod miniでは日立の1インチ・ハードドライブが、iPod shuffleではIM Flashのフラッシュメモリが、iPod nanoでは8GBモデルが東芝、4GBモデルがサムスン、2GBモデルがHynixのフラッシュメモリがそれぞれ記憶媒体として使われている。

iPodにはケースの中のハードディスクドライブからオペレーティング・システムを読み込む装置に命じるプログラム、ブートローダを含む32MiBフラッシュROMチップが内蔵されている。全てのiPodには、32MiB RAM(第五世代iPodの60GBモデルに限り64MiB RAM)を内蔵している。このRAMの主な用途は、ファームウェアから読み込まれたiPod用のオペレーティングシステムを動作させ、同時に音楽データをキャッシュしてHDDやメモリーからの読み込み回数を軽減し、電池の持続時間を延ばすことである。

第四世代までのiPodは曲の間隔無しに音楽を再生するギャップレス再生機能を搭載していなかったが、第五世代以降のモデルではほぼギャップレス再生に対応した。

既に、携帯型音楽プレーヤー市場では、外部マイクやライン入力からの本格的な生録非圧縮で行えるなど、iPodとの差別化を図った製品が発売されており、そうした製品は、音楽演奏などの収録に活用されている。

iPod の光沢のあるステンレス部分は新潟県東陽理化学研究所(いわゆる磨き屋シンジケートを含む)や台湾のFoxconnブランドを持つHon-Hai社などが製造を担当している。Hon-HaiはiPod nanoの製造を行っているが、検査以外は鏡面仕上げを含め全自動であるという。

イヤフォン

すべてのiPodにはiPodのデザイン色に合わせた、白いコードのインナーイヤーイヤフォンが付属しており、この白いイヤフォンはiPodブランドのシンボルとなっている。この影響を受け、白いコードのインナーイヤーヘッドフォンが各社から多数発売されるといった状況になっている。

他社の音質を追求したモデル(ライバルの SONYのWalkman、東芝のGigabeatなど)を除く、比較的廉価な携帯型音楽プレーヤーと似て、iPodに付属するイヤフォンは決して良い音質を実現しているわけではない。iPodは全モデルで一般的にステレオミニジャックと呼ばれる3.5mmイヤホンジャックを採用しているため、プラグ部分が3.5mm規格もしくはそれに変換できるたいていのイヤフォン・ヘッドフォンを使用することができる。一部のサードパーティからは、iPod向けの代替イヤフォンとして白色のイヤフォン、例えば、ソニー社製EX71の白色モデルやEtymotic Research社製ER-6i、Shure社のE4c、Klipsch社のImage S4i White 等が販売されている。なお、iPod付属のイヤフォンは左右のコードの長さが同じY型であり、イヤーパッド部分も左右のチャンネルの頭文字の「L」「R」の文字は入っているものの色分けはされていないため、慣れるまで扱いづらいことがある。

またiPodなどのデジタルオーディオプレーヤー人気の恩恵を受けて、sennheiser社、Shure社やEtymotic Research社、Ultimate Ears社などが販売している、1万円を超えるような高価なイヤフォンの売り上げが好調となっている。

新第五世代iPod、第二世代iPod nano、第二世代iPod shuffleのカラーバリエーション増加後からは、全体が丸みを帯び、音質を向上させた新しいイヤフォンが付属している。

こうした「白いイヤフォンを装着している人」=「iPodユーザー」という認識が広まる一方で、米国では白いイヤフォンで音楽を聴いているユーザーからiPodを強奪するという事件が近年しばしば発生[7]しており、死者が出た例もある。

このイヤフォンは日本のフォスター電機が単独供給している。

互換性

第一世代iPodはMac OS 9またはMac OS Xが動作するMacintoshコンピューターでのみ使用できたが、2002年7月17日にアップル社はオリジナルのHFS+フォーマットの代わりにFAT32でフォーマットされた内蔵型HDDを持つWindows互換iPodの販売を開始した[8]

アップル社は2003年10月16日にiTunesのWindowsバージョンをリリースした[9]。それ以前は、WindowsユーザーがiPodを使うには、Musicmatch JukeboxephPodまたはXPlayといったサードパーティ製ソフトウェアが必要だった。iTunesのWindowsバージョンがリリースされるまでWindows向けiPodには、Musicmatch Jukeboxが同梱されていた。

初代iPodはMacintoshでしか使えなかった。これは、HFS+でフォーマットされた記憶装置をWindowsで認識することが特別な追加ドライバソフトウェア無しには不可能だからである。第二世代は Macintosh用がHFS+、Windows用がFAT32でフォーマットされて出荷された。第三世代はHFS+フォーマットで出荷され、これをWindowsへ接続した場合FAT32フォーマットに初期化するかどうかの確認メッセージが表示される。なお、FAT32フォーマットのiPodをMacintoshに接続して使うこともできる。Macintoshは、FAT32でフォーマットされた記憶装置を認識し、互換性を保ったまま使用できるからである。現在では、旧世代のMacのみに対応しているiPodも、iPod Updaterで復元することで両OSに対応させる事ができるが、アップル社の保証外動作のため保証は受けられなくなる。

2004年1月8日に、ヒューレット・パッカード社はiPodをベースとしたHPブランド・デジタル音楽プレイヤーの製作のためアップル社からiPodのライセンスを受けたと発表した。次の日、当時のヒューレット・パッカード社のchairman 兼CEOのCarly Fiorinaは2004年にCESでiPodベースの青色の装置を披露した。この「青色iPod」はアップル社の製品ではないが、アップル社製のiPodと全く同等の機能を有しているOEMである。実際に販売されたヒューレット・パッカード社版iPodは青色ではなかったが、本体金属面にAppleロゴとhpロゴの刻印がある。2005年8月、「デジタルエンターテインメント戦略に合致しない」ことを理由に販売打ち切りを表明。同年9月末頃に販売を終了したものと見られる。

iPodLinuxプロジェクトはiPodで動作するLinuxARMバージョンの移植に成功している。これはuCLinuxという仮想メモリの扱えない機器類への組み込み用に設計されたLinuxカーネルをベースとしており、現在第一世代(スクロールホイール)iPodから第三世代iPodまでをサポートし、公式にはサポートされていないが、第四および第五世代iPod、第一および第二世代のiPod mini、第一世代iPod nano上でも利用できる。Mac OS X及びWindows上からインストールするためのインストーラが利用できる。iPodをマウントできれば他のOSからもインストールできる。SourceForge.net内にこのプロジェクトのウェブページ[10]が存在し、多くの関連文書がオンライン上に存在する[11]。また、同じようなものではRockboxプロジェクトというオープンソース・ファームウェアも存在し、音質向上、多機能化を実現する。現時点でiPod 1世代から5.5世代, iPod Mini, iPod Nano 1世代, 2世代 まで互換性をサポートしている。また、iPod Classicは開発中である。これらLinuxやRockboxは設定次第ではマルチブートして併用可能である。そのほかにはゲームボーイおよびゲームボーイカラーに対応したエミュレーターやファミリーコンピュータを動かす技術などが開発されている。市販されたゲームではボンバーマンソニック・ザ・ヘッジホッグなどが既に公式のゲームとして販売されている。

デザイン

本体デザインは同社のMacintoshシリーズと同様、ジョナサン・アイブが中心のデザインチームが担当している。 Macintoshシリーズと同じく、光沢のあるプラスチックやカラーアルマイト、磨き上げられたステンレスなどの質感を重視した素材を使用し、可能な限りシンプルな形状にデザインされているのがシリーズ共通の特徴と言える。

iPod miniリリースまでの全てのiPodのグラフィカル・ユーザー・インターフェースには、Macintoshで使用されていたシカゴと言うフォントが使用されていた。

第三世代iPodの分解画像

左から右へ:

  • iPodの表面ケース。
  • グリーン色のプリント基板はiPodを制御し、その下にある暗いグリーン基板はタッチ・スクロール・ホイール及びボタンを制御する。
  • リチウムイオン二次電池。第四世代までは電池が基板とコネクタ接続されており素人でも容易に電池交換出来るキットなどが販売されていた。
  • ハードディスクドライブ、プリント基板から絶縁するためにソフトゴムの層によって保護されている。ゴムの層はiPodを持ち運ぶ際に発生する衝撃から、動作中のハードディスクを保護する役割も担っている。
  • ステンレス製の筐体背面部。

サードパーティー製アクセサリー

ファイル:録音アダプターが接続されたipod nano.JPG
録音アダプターが接続された第3世代ipod nano
自動車用FMトランスミッター

iPod はアクセサリー産業の二次市場を大きく成長させる発端となり、2005年のMacworld基調演説でアップル社CEOスティーブ・ジョブズはそれを"the iPod economy"と呼んだ。一般的には、生態系になぞらえてエコシステム(ecosystem)と呼ばれることもある。

iPod のアクセサリーにはメモリーカードリーダー、FMトランスミッター、及びボイスレコーダモジュールなどが存在する。それらのコネクターは音の信号を通し電源をiPod またはアクセサリーに送ると同時に制御及び情報を提供する。これらのアクセサリー(ケース類などは除く)について2005年10月にアップル社がロイヤリティ料を徴収する旨の記事が出たが、現在ロイヤリティ料を徴収する決定はアップル社で出されていない。また、PORTER(吉田カバン)PRADAGUCCICOACHPaul SmithLOUIS VUITTONdunhillなど各種ファッションブランドの専用ケース等も存在し、アップル社でもiPod nano tube、ソックスをモチーフにしたiPodソックスを販売している。

  • iPod をサポートするサードパーティー製ツール
    • foobar2000 iPod manager[12]プラグインをオプションとしてインストールしてiPodを管理できる、Windows向け音楽プレイヤー。
    • AmaroK 完全にiPodをサポートしているKDE向け音楽プレイヤー。
    • Rhythmbox GNOME上で動作するiTunesクローン。
    • gtkpod[13] iPodを目標とした GTK 上の GTK ツールキットを使用したシステム向け iPod 管理プログラム。
    • ml ipod[14] iPodをサポートするために加えられたWinamp向けオープンソース・プラグイン。
    • EphPod[15] 多くのiTunesの特徴を備えたWindowsアプリケーション。EphPodはiPodからコンピューターへ音楽のコピーもできる。
    • iPodLinux プロジェクト iPod上でLinux OSが利用できる。現在は1G、2G、および3G iPodのサポートを提供。これはminiも含めて、他の世代のiPodでも利用できるが、iPodLinuxプロジェクトでは、導入方法等に関しての言及はあるが、公式なサポートは行わない、としている。
    • Rockbox iPod上でWMAOgg Vorbisなどの音楽ファイルを再生したり、MP3などのギャップレス再生を可能にするオープンソースのファームウェア。2007年11月15日現在、iPod(第5.5世代以前)、iPod mini、iPod nano(第1世代のみ)に対応。
    • iPodWizard iPodのファームウェア内の画像を入れ替えるWindows用ソフトウェア。
  • Griffin Technology[16]iTripiBeam、iTalk、PowerPodおよびEarJamを含む、いくつかの iPod アクセサリーを作成している。
  • TEN Technology社によるnaviPod[17]はアップル iPod 向け5ボタン赤外線リモート・コントローラーである。
  • ソニークリエイティブテクノロジーは、iPodシリーズと競合するデジタルオーディオプレーヤーを製造しているが、同時に、iPod専用のハードウェアも生産している。

iPodシリーズの歴史

iPod mini(左)、初代iPod(右)

最初のiPodはMacintosh専用のデジタルオーディオプレーヤーとして2001年10月23日に発表され、2002年発売の第2世代でWindowsにも対応した。「iTunesのライブラリに収めた音楽を外へ持ち出す」というコンセプトで開発されており「まずiTunesありき」である点が、先行していた他のデジタル音楽プレイヤーとははっきり異なる。これはiPod発表時の惹句「iTunes to go」によく現れている。この惹句はiBook発表時の「iMac to go」にかけたもの。日本では「Goodbye MD」という惹句でMD市場からの占有率獲得を目指した。iPodはiTunesとの同期機能を備えることにより、自宅での環境をそのまま外へ持ち出すというコンセプトをより鮮明にした。

発売された初期の頃は電池の消耗・劣化が激しく、更に電池の交換費用が高額だったために、米国では購入者から電池交換費用を安くするよう運動やデモを起こされ、集団訴訟にまで発展した。この訴訟でアップル社が応じた和解の条件は以下の通りである。2004年5月31日までに第3世代までのiPodを米国で購入した米国の居住者に対して、バッテリの無償交換もしくは50ドルの商品券を渡すこと、あるいはその期間までにiPodの電池交換を有償で受けた購入者には最大で50パーセントの有償交換金額の返金に応じる、の2点である。また、イギリスの国会でもiPodの電池劣化問題が話題となったが、2004年6月以降からは電池も改良され、更にサポートとしてAppleCare Protection Planが発売されて解決している。2005年10月14日には、電池交換サービスの料金が従来の15,750円から半額以下の6800円に改訂された。

iPodの新製品は発表直後に発売開始されるため、初期出荷数と需要のバランスが悪く、人気が集中する発売から数か月は購入が難しくなる状況に陥る場合が多い。iPod miniやiPod shuffleの場合がそれに該当し、店舗で入手困難な状況が数ヶ月間は続いた。

iPodが普及する要因になったのは、使いやすいUIとシンプルなデザインもあるが、iPodユーザが自らが所有するiPodを他人に見せたり触らせることが多いためである[要出典]。そういったユーザによる活動や、多くのユーザによるネット上でのトラブルシューティングの多さが、iPodをデジタル音楽プレイヤーのスタンダードの地位に押し上げ、今なおiPodユーザを増やしている。そのため、2007年現在日本の総売上の約5割がiPodシリーズである。米国では8割近い。

日本ではiPodが2003年に、iPod miniが2004年に、更にiPod shuffleが2005年に揃ってグッドデザイン賞を受賞した。ちなみにiPod miniが金賞を、iPod shuffleはグッドデザイン賞ベスト15に選ばれた。更にロジクール社が出したiPod用のワイヤレスヘッドホンも同様に2005年グッドデザイン賞に選出された。

2005年10月12日、動画の再生に対応した第5世代のiPodが発表され、同時に動画転送のためのツールであるiTunes 6を発表した。

また、2006年1月11日に「iPod Radio Remote」という名でサードパーティからは既に発売され、以降も公式な対応が求められていたFMラジオチューナー機能付きのワイヤードリモコンが発表され、第5世代以降発表のshuffleを除くモデルでのラジオ受信が可能となった。また、ファームウェア上ではRadio Data System(RDS)標準に準拠したデータが送られ、ラジオ局の情報や聞いている曲、ミュージシャンの名前などの情報が表示される仕様となっている。北米などを中心にRDSは既に開始されているものの、日本のFMラジオ放送ではこのRDSを送信しておらず、現在は特に何も表示されない。また、日本の見えるラジオなどの「FM文字多重放送」には対応していない。 第5世代発表から11か月後の2006年9月12日にはマイナーチェンジが行われ、新たに80GBモデルが投入された。 主な改良点は液晶ディスプレイの高輝度化(従来比160%)、動画再生機能の強化、iTunes Storeからのゲームダウンロードに対応、等。同時に映画コンテンツ(2006年9月現在日本では開始されていない)・5G iPod向けゲームのダウンロードに対応したiTunes 7が発表された。 なお、この際第1世代iPodからリクエストされてきたギャップレス再生機能をサポート。

2007年2月8日、アメリカ合衆国ニューヨーク州のカール・クルーガー上院議員がiPodなどの電子機器を操作しながら横断歩道を渡ることを禁じる法案を同州議会に提出した。同州ではiPodなどの電子機器を操作しながら横断歩道を歩いていた住民が車に轢かれ死亡する事件が3件発生し、そのうち1件は「危ない」と叫んでいたのにもかかわらず気付かずに轢かれて死亡した。

iPodの出荷台数

iPodの出荷台数・累計出荷台数の推移は以下の通り。

期間 出荷台数(万台) 累計出荷台数(万台) ニュース
2003. 7- 9月 33.6 [7]
2003.10-12月 73.3 [8]
2004. 1- 3月 80.7 [9]
2004. 4- 6月 86.0 [10]
2004. 7- 9月 201.6 [11]
2004.10-12月 458.0 約1,000 [12]
2005. 1- 3月 531.1 約1,500 [13]
2005. 4- 6月 615.5 約2,150 [14]
2005. 7- 9月 645.1 約2,800 [15]
2005.10-12月 1,404.3 約4,200 [16]
2006. 1- 3月 852.6 約5,050 [17]
2006. 4- 6月 811.1 約5,900 [18]
2006. 7 -9月 872.9 約6,700 [19]
2006.10-12月 2,106.6 約8,800 [20]
2007. 1- 3月 1,054.9 約9,850 [21]
2007. 4- 6月 981.5 約10,800 [22]
2007. 7- 9月 1020.0 約11,800 [23]
2007.10-12月 2212.1 約14,000 [24]
2008. 1- 3月 1064.4 約15,100 [25]
2008. 4- 6月 1101.1 約16,200 [26]
2008. 7- 9月 1105.2 約17,300 [27]
2008.10-12月 2272.7 約19,600 [28]
2009. 1- 3月 1101.0 約20,700 [29]
2009. 4- 6月 1020.0 約21,700 [30]
2009. 7- 9月 1020.0 約22,700 [31]
2009.10-12月 2100.0 約24,800 [32]
2010. 1- 3月 1089.0 約25,900 [33]
2010. 4- 6月 941.0 約26,900 [34]
2010. 7- 9月 905.0 約27,800 [35]
2010.10-12月 1945.0 約29,700 [36]
2011. 1- 3月 902.0 約30,600 [37]
2011. 4- 6月 754.0 約31,400 [38]
2011. 7- 9月 662.0 約32,100 [39]
2011.10-12月 1540.0 約33,600 [40]
  • 2001年11月17日 iPod発売開始。2002年にはWindowsにも対応。
  • 2003年6月末:累計出荷台数が100万台を突破。アップルNews Release
  • 2004年1月:iPod mini発表。米国で発売後、人気で生産が追いつかず、全世界での発売は7月に延期された。また、同年6月にヨーロッパ(イギリス、フランス、ドイツ)でiTunes Music Storeを開設。
  • 2004年末頃:累計出荷台数が 1,000万台を突破。
  • 2005年1-3月期、四半期だけの出荷台数で500万台を突破し、531万1000台。1-6月の半年足らずで約1,000万台を売った。
  • 2005年8月:日本でiTunes Music Storeを開始。
  • 2005年7-9月期:9月頃に累計販売台数が3000万台を突破、9月末までに累計約3,440万台を出荷[41]
  • 2005年10-12月期:わずか四半期で約1,400万台の出荷を記録。第5世代iPodやiPod nanoの売上が順調で累計販売台数は4200万台に到達。アップル社の売上が前年度と比較すると倍増となった[42]
  • 2006年4月:iPodの累計出荷台数が4900万台を突破。2006年第2四半期(1月~3月)は同社設立以来2番目の業績となった[43][44]
  • 2006年7月:iPodの累計出荷台数が5900万台に到達[45]。同年4月の業績を抜き、同社設立以来2番目の売上高と利益を記録。
  • 2007年4月9日:iPodの累計出荷台数が発売より約5年半で1億台を突破。これは、ウォークマンの13年半で1億台到達という記録を抜き、ミュージックプレーヤー史上最速の販売ペースである[46]

広告

広告方法も斬新なもので、ビビッドカラーの背景に人物のシルエットが踊りまくるCMを大量に投入し、そのCMに採用された曲がヒットすることも多い。2004年10月に放送が開始されたバージョンのCM[18]ではBGMにU2の『Vertigo』が採用され、メンバーたちが微妙に顔が判別できる程度のシルエットの形で出演した。ちなみにU2はそれまでCM等のタイアップに決して応じることが無いと言われていたが、今回は無料で出演している。これ以降、楽曲と共に本人達によるシルエット出演が行われたのはエミネムボブ・ディランポール・マッカートニーコールドプレイ等である。

U2と同様にCM等のタイアップに今まで応じたことが無かったエミネムの起用にあたっては、当初、米国で放送されたCMにおいて自身の楽曲『Lose Yourself』の無断使用が発覚したため、エミネムのレーベル会社であるEight Mile Styleがアップル社とCMを制作した広告代理店に対する著作権侵害を訴える裁判沙汰に発展した。2004年2月に始まった訴訟は翌年5月に和解が成立したため、晴れて同10月からのiPodのCMとしてエミネム本人のシルエット出演と共にタイアップされることになった。

また一方で、CSSの『Music Is My Hot, Hot Sex』をタイアップしたバージョンが2007年10月に放映されたが、これは元々、イギリスの大学生が、アップル社サイトからとってきたビデオ・クリップを組み合わせた映像にCSSの楽曲を乗せて編集した、云わば「iPod風の自作コマーシャル」であった。作成した大学生がこのクリップをYouTubeに投稿していたところ、アップル社の目に留まり、本物のコマーシャルとして採用されて放映されることになったという。

CMリスト

コラボレーションCM

“保証”での交換・修理を減らす技術

  • 2008年4月 AppleはiPodに関し、液体の侵入や極端な温度、過度の衝撃、不正改造したなどの場合、それをメモリーに記録する技術を開発し特許を取得した。一見しただけでは故障原因がわからないような故障の原因を特定することにより、元来であれば無償でしていたような修理交換を有償でできるようにすることに狙いがある[19]

著作権料に関する論争

  • カナダではiPodから著作権料を課金する行為が違法であるとした司法判決が2005年7月に最高裁で下った。
  • フランスではiPodなどの価格に「著作権者への補償金」が含まれている。2005年には、iPod nano などのフラッシュメモリプレイヤーに対する料率が引き下げられる見込みである。


日本における状況

2005年4月28日に行われた文化庁文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の第3回審議において、私的録音補償金制度の見直しについての意見書がJASRACなどの権利団体から提出され、「ハードディスク内蔵型レコーダーとBlu-ray Disc録画機器およびディスクを私的録音補償金制度の対象に含めるべき」と課金対象を具体的に示した。これはまず間違いなくiPodを始めとするハードディスク内蔵型音楽プレイヤーに対してのものである。

しかし、音楽CDなどのデータソースに対する著作権使用料に加えてプレイヤーに対する著作権使用料も徴収される事になってしまうために、「これは著作権料の二重取りになるものだ」といった非難の声が、消費者からはもちろんの事、審議参加議員らからも上がった。そのため、審議は一般人の声にも対応する為に2005年9月以降までに延期されることになり、この課金制度適用については2年先送りすることで決定した。その期間中に寄せられた意見は、iPodなどのハードディスク内蔵型音楽プレイヤーに対して著作権使用料を取得することに対する反対意見が、賛成意見の4倍以上となる結果となった[20]

また、知的財産推進計画2007[21]の策定に際して行われた「知的財産推進計画2006」の見直しに関する意見募集[22]では、日本法人であるアップルジャパン株式会社名で「私的使用複製について結論を得る」に関する意見として、著作物の私的複製による権利侵害には科学的且つ客観的証拠は存在せず、仮に私的複製により権利侵害を被ったと主張するなら、原因は複製防止技術を備えていない著作物パッケージを製造販売しているレーベルに有り、ハードウェア会社に対して責任転嫁するのは無責任且つ自己中心的な姿勢であるとし、「科学的且つ客観的証拠に基づかない理由に依る私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべきである。」と主張する意見が掲載されたが、後に提出者からの要請で撤回された。アップルジャパンは、この意見が同社が提出したものかどうかについてコメントを避けている [23]

難聴論争

アメリカ合衆国ではiPodが難聴音響難聴)を引き起こす原因になるという論争が持ち上がり、訴訟に発展している。

件の訴訟はルイジアナ州の男性によって2006年1月31日に起こされた。訴状によれば、iPodは115デシベル以上の音量を再生することが可能であり、この音量で1日28秒以上聴き続けると、難聴を引き起こすおそれがあるとのこと。iPodには「115デシベル以上を再生できるという、設計上の致命的欠陥」があり、これにより正常な聴覚を失う可能性に関してアップルは適切な警告と対策、補償を十分に行なっていないとされている。

この訴訟は集団訴訟と認定されることが請求されており、被害に対する賠償と、iPodを安全なものにする改善を要求している。

但し、件の男性は2005年にiPodを購入したとされているが、実際にiPodで難聴になったかどうかは訴状では明らかにされていない。男性の弁護士によると、実際にiPodで難聴になったかは重要ではなく、iPodが取り返しのつかない難聴を引き起こす可能性が問題なのだという。

ただ、iPodの騒音性難聴を引き起こす「性能」が他のプレーヤーと比較して高いかに関しては疑問の余地が残る。同様の問題点はウォークマンなど携帯音楽プレーヤーが普及し始めた1980年代より言われていた問題で、他の携帯音楽プレーヤー全てに対して言えることでもあり、危険性はユーザー次第、ユーザーが用いる音量次第であり、自己責任との声もある[24]

現在iPodには、「イヤホンヘッドホンを大音量で使用すると、聴覚を損なうおそれがあります」という警告文が添えられ、アップルからは最高音量の半分以下で使用することが推奨されている。なお、他プレーヤーでもこのような警告文が添えられている。また、最新版のソフトウェアでは、第五世代iPod、iPod nano、iPod shuffle向けに、ある一定以上の音量が出ないように設定する機能が提供されている。但し、この機能は旧世代機(第四世代以前のiPod、iPod mini)には提供されていない。

ちなみに、米国のとある大学で行われた調査によると音量を80パーセント以上で1日90分以上イヤホンやヘッドホンで音楽を聴くと難聴になりやすくなり、音量を100 パーセントで1日5分以上聞くと難聴になる危険性が高いとの結論となった。逆に、音量を10パーセントから50パーセントで1日90分以上聞く場合は難聴になる問題は無いとされている。 ただし、個々のイヤホンのインピーダンスや感度の違いにより、同じ出力信号でも耳に入る音の大きさは違う。

iPod 競合製品

脚注

関連項目

外部リンク

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