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「クライムハンターシリーズ」の版間の差分

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2012年11月27日 (火) 05:07時点における版

クライムハンタ-シリーズとは、世良公則主演によるオリジナルビデオのシリーズである。東映ビデオにて、計3作品が東映Vシネマとして製作された。

本稿では以下の作品群について解説する。

  • クライムハンタ- 怒りの銃弾(- いかりのじゅうだん)
  • クライムハンタ- 裏切りの銃弾(- うらぎりのじゅうだん)
  • クライムハンタ-3 皆殺しの銃弾(- みなごろしのじゅうだん)

作品解説

1989年に世良公則主演で製作されたビデオ映画『クライムハンター 怒りの銃弾』を第1作とするガンアクション映画のシリーズ。アメリカ・ロサンゼルスのリトルトーキョーを舞台に、そこに所属する日本人の刑事「ジョーカー」ことジョー・カワムラの活躍を描く。

第1作『怒りの銃弾』は、ビデオ映画「東映Vシネマ」の第1作でもあり、本作の成功は東映を含め各社がオリジナルビデオを量産する切っ掛けとなった[1]

当時脚本家だった大川俊道世良公則と組んでガン・アクションに徹したビデオを作りたがっている、という話を耳にした東映プロデューサー・吉田達が、ビデオ・オリジナル作品の製作を構想していたこともあり本作の製作が決まった[1]。吉田がビデオレンタル店を回ったおり、5本も借りていく若いお客さんに「早送りして見るから」と言われたことから、早送りさせないものを、ということで第一弾『怒りの銃弾』は通常の劇映画より短い60分で製作されている[1]

製作費の予算配分において、作品の売りであるガン・アクションに集中的に投下することで、低予算ながらも外国映画レベルの本格的な銃撃シーンが全編に展開された。この作品の成功でガン・アクション演出の重要性が認知され、以降の日本映画・テレビドラマのガン・アクション演出のレベルアップにつながった。ガンエフェクトを担当した「BIGSHOT」もこの作品で注目を集め、日本でガンエフェクト専門のプロフェッショナル達が業界に定着する切っ掛けとなった。

ストーリー

第1巻 怒りの銃弾

舞台はアメリカ・ロサンゼルス・リトルトーキョー。その警察に所属する刑事・ジョーカーは相棒のアヒルと共に、教会の寄付金500万ドルを強奪したブルース・沢村が隠れている場末のシティホテルへ車を走らせていた。二人はブルースを逮捕することに成功するが、護送中謎の集団に襲撃を受ける。ジョーカーは愛銃・ベレッタM92Fで応戦するが、ブルースはその間隙を抜き逃走。ジョーカーは背後にいた襲撃犯にサブマシンガンで銃撃され負傷。アヒルは襲撃犯のリーダーと思しき男に44オートマグ・カスタムで腹部および額を撃ち抜かれ死亡した。数日後、警察病院で意識を取り戻したジョーカーは捜査主任のドクから事件の顛末を聞く。そして、ジョーカーに傷の完治を理由に捜査から降りるよう命令する。後を引き継ぐのは、ジョーカーとは別地区の刑事・ハント。ドクはそれだけを言い残し去っていく。しかし、相棒を殺されたジョーカーの怒りは収まらず、傷を一時的に癒す鎮静剤を病院から盗み出し、警察バッジを残しアヒルの敵討ちの捜査を単独で行うべく病院から抜け出す。捜査は行き詰まったかに見えたが、そこへ謎の修道尼がジョーカーへ銃を突きつけブルースの事を話すよう脅迫する。しかし、銃にかけては素人のその修道尼はジョーカーにあっさりとかわされる。そこへ、また謎の武装グループが現れジョーカーと銃撃戦になる。ジョーカーはその武装グループを倒し、再び捜査を始める。一人浜辺で鎮静剤を飲みながら黄昏ていると、別地区の捜査官・ハントが情報を持ってジョーカーの前に現れる。ジョーカーはその情報から西部会という組織に潜入しよう敢えて捕まり内情を探ろうとする。すると、目の前には牢屋の鍵を持った先ほどの修道尼の姿があった。

第2巻 裏切りの銃弾

アメリカ・ロサンゼルス・リトルトーキョーの刑事ジョーカーは警察署から211のコールを受け出動する。そこにはポルノショップで現金強奪犯のサル・マッコイがいた。激しい銃撃戦の末サルを逮捕したジョーカーだが、捜査主任から釈放を言い渡される。激しく問いただすジョーカーに、捜査主任は現在潜入捜査を行っているキャッシュ刑事との連絡が途絶えているためサルを利用し救出するのだという。ジョーカーの新しい相棒にはラッツ刑事がなり、二人は釈放されたサルを監視するのだった。ところが二人の目の前で、サルは組織から消されてしまう。行き詰まったジョーカー古売屋のCWのところへ行きサルを撃った弾丸について事情を聞く。すると、CWの店の中にキャッシュがしていたブレスレットが置いてあった。捜査線上に麗子という高級コールガールが浮かんでくる。麗子の身辺をマークしていると早速、組織の襲撃がありジョーカーは寸前のところを救出する。麗子からキャッシュの情報を聞き、ラッツと二人で救助しに行くのだがそれは組織の罠だった。そこでラッツ刑事はスネイクに撃たれ死亡。ジョーカーも救出したはずのキャッシュに背後から撃たれ重傷を負う。ボロボロの体で現場に復帰したジョーカーは全て捜査主任にはめられた事に気がつく。キャッシュは、もうずいぶん前から組織の一員になっていたのだ。キャッシュに気付かれまいと捜査主任はジョーカーたちには情報を隠していたのである。怒りに燃えたジョーカーは単身、キャッシュとの対決に乗り出すのだった。

第3巻 皆殺しの銃弾

雨が降り注ぐアメリカ・ロサンゼスル・リトルトーキョー。寂れたホテルの一室でリトルトーキョーの刑事・ジョーカーは一人の女を待っていた。雨はいっそう激しくなり、嵐の様相を満たしてきた。そして、ジョーカーの泊まっている部屋へその女はやって来た。女の名は芹香といった。彼女はジョーカーの昔の恋人であった。芹香は助けを求めに来たのだ。「殺される」怯える声でジョーカーに訴える。そこへ、謎の一団がホテルのロビーに現れる。リトルトーキョー一帯のコカイン売買を牛耳るニコル達である。ジョーカーは必死に芹香を守るが、ニコル達に連れ去られてしまう。その後、独自の捜査で支那虎という人物からニコルの手下のリキという男にたどり着く。リキはニコルのコカインをこっそり横流ししているのである。リキを仲間に取り込んだジョーカーは、相棒をニコルに殺されたサニーという女刑事と共に芹香を救出するためニコルのアジトへ向かう。リキはニコルの強奪した200万ドルのため、サニーは復讐が目的だった。芹香を何とか救出したジョーカーだが、それと引き換えにサニーがニコルに連れ去られる。警察当局は取引には応じず、ジョーカーは単身サニーを救出するためニコルの待つ取引場所へ向かうのだった。

登場人物

3作共通

ジョー・カワムラ(ジョーカー)
演:世良公則 
主人公。愛用銃はベレッタM92F。 

第1巻

ブルース・沢村
演:又野誠治
愛用銃はコルトパイソン357マグナム 6インチモデル、マンビルXM18グレネートランチャー。
リリー
演:田中美奈子
愛用銃はデトニクス・コンバットマスター、レミントンM31ショットガンステンレスモデル。
アヒル
演:竹内力
愛用銃はS&W M29 センチネルアームズカスタム。
ハント
演:ハント敬士
愛用銃は44オートマグ カスタムモデル。
山猫
演:片桐竜次
ドク
演:原田芳雄
愛用銃はコルトガバメント。

第2巻

スネイク
演:又野誠治
愛用銃はコルトガバメント スタビライザー付カスタム、モスバーグM500プルバップショットガン、M202ロケットランチャー。
麗子
演:葉山レイコ
愛用銃はコルト32オート。
ラッツ
演:堀勉
愛用銃はコルトキングコブラ 4インチ。
主任
演:金子研三
サル・マッコイ
演:ハント敬士
愛用銃はMAC 10。
アンナ
演:羽田圭子
CW
演:山田辰夫
キャッシュ
演:エリック・ダグラス
愛用銃 コルトコンバットコマンダー。エリックはゲスト出演。 

第3巻

芹香
演:辻沢杏子
リキ
演:竹内力
愛用銃はコルトパイソン357マグナム 4インチモデル、SPAS 12(サニーと共有)。
サニー
演:吉田美江
愛用銃はH&K P7、SPAS 12(リキと共有)。
支那虎
演:ハント敬士
愛用銃はコルトガバメント。
弁慶
演:堀勉
BJ
演:又野誠治※友情出演
愛用銃は水平2連ソウドオフショットガン。
主任
演:片桐竜次
ニコル・E・ツカハラ
演:清水健太郎
愛用銃はデザートイーグル44マグナム。

スタッフ

DVD化

2008年に、全3作をDVD化してコンプリートボックスとして発売された。

クライムハンター・蘇える銃弾
ボーナスディスクに収録された、大川監督による新作ショートムービー。主演は芳賀優里亜

出典・脚注

  1. ^ a b c 山根貞男『映画はどこへ行くか 日本映画時評'89‐'92』筑摩書房、1993年、p63-65