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[[東京大学医科学研究所]]の[[河岡義裕]]教授は、「世界中でうがいを推奨してる国は、日本だけだと思います」「インフルエンザに関しては、意味がないと思います」とインフルエンザに対するうがいの効果を否定している<ref>『[[爆笑問題のニッポンの教養]]』「File090 新型インフルエンザの真実」 [[2009年]][[11月3日]]放送</ref>。
[[東京大学医科学研究所]]の[[河岡義裕]]教授は、「世界中でうがいを推奨してる国は、日本だけだと思います」「インフルエンザに関しては、意味がないと思います」とインフルエンザに対するうがいの効果を否定している<ref>『[[爆笑問題のニッポンの教養]]』「File090 新型インフルエンザの真実」 [[2009年]][[11月3日]]放送</ref>。


また、[[浜松医科大学]]の[[野田龍也]][[助教]](公衆衛生学)らは、研究者から疑問視されているにもかかわらず、日本国内でうがいが推奨され続けていることを不思議に思い、調査を実施した。調査は、20061~2月の20日間、福岡市の保育所145か所で、2~6歳の子ども9595人を対象に行った。保育所で回以上、水道水や緑茶などでうがいを行ったグループと、行っていないグループに分け、37・5度以上の発熱をした子どもの割合に差があるかどうかを調べた。その結果、うがいをする子どもが発熱する割合は0・4%だったのに対し、うがいをしない子どもは1%が発熱していた。また、緑茶でうがいをした子どもが最も発熱しにくく、食塩水、水道水の順に発熱者の割合が増えた。<ref>うがい効果あった…浜松医大助教ら調査[http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53338]。</ref>
また、[[浜松医科大学]]の[[野田龍也]][[助教]](公衆衛生学)らは、研究者から疑問視されているにもかかわらず、日本国内でうがいが推奨され続けていることを不思議に思い、調査を実施した。調査は、20061~2月の20日間、福岡市の保育所145か所で、2~6歳の子ども19595人を対象に行った。保育所で11回以上、水道水や緑茶などでうがいを行ったグループと、行っていないグループに分け、37.5度以上の発熱をした子どもの割合に差があるかどうかを調べた。その結果、うがいをする子どもが発熱する割合は0.4%だったのに対し、うがいをしない子どもは1%が発熱していた。また、緑茶でうがいをした子どもが最も発熱しにくく、食塩水、水道水の順に発熱者の割合が増えた。<ref>うがい効果あった…浜松医大助教ら調査[http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53338]。</ref>


== うがい薬 ==
== うがい薬 ==

2012年12月30日 (日) 04:43時点における版

うがい)とは、薬液などをに含み、のどをすすいで口腔に残っている食物のかすや埃、細菌などを除去する行為のこと。風邪インフルエンザなどの伝染病予防に有効とされている。から(塩)水を吸い込んで鼻腔内を洗浄する行為は鼻うがいと呼ばれる。

うがいの種類

口中の洗浄
ブクブクうがいとも呼ばれる。水を含んで口を閉じ、を膨らませたり元に戻したりを交互に素早く行ってすすぐ。
喉の洗浄
ガラガラうがいとも呼ばれる。水を含んで口を開け、上を向いて息を吐く。

語源・歴史

うがいという語の語源は、鵜飼でありレトリック表現である。に魚を飲み込ませ、その後吐き出させる様子が似ていることから、「うがい」と呼ばれるようになった。1444年文安元年)に成立した国語辞典『下学集』には、「鵜飼嗽也」とある。

うがいは、日本では古くは平安時代から行われてきたとされている。欧米では、「下品」な行為とみられ、ほとんど行われていない。[1]。また、研究者の間では、うがいは予防にならないとする意見が多い[2]

効果

京都大学川村孝教授のグループが、被験者を「うがいをしない群」「水うがい群」「ヨード液うがい群」に割り付けて、うがいの風邪予防効果を検証した[3][4]

その結果は、1か月あたり100人中の発症率は、うがいをしない群26.4人、水うがい群17.0人、ヨード液うがい群23.6人であった。多変量解析で群間のばらつきを揃えると、水うがいをした場合の発症確率はうがいをしない場合に比べ、40%低下となった。一方ヨード液うがいをした場合はうがいをしない場合に比べ、12%の低下にとどまり、統計学的に意味のある抑制効果は認められなかった。

この結果について川村教授は、うがいをすることにより、水の乱流によってウイルスや、埃の中にありウイルスにかかりやすくするプロテアーゼという物質が洗い流されること、水道水に含まれる塩素が何らかの効果を発揮したことなどが考えられ、またヨード液でそれほど効果が出なかったことについては、ヨード液がのどに常在する細菌叢を壊して風邪ウイルスの侵入を許したり、のどの正常細胞を傷害したりする可能性があるとみている。

東京大学医科学研究所河岡義裕教授は、「世界中でうがいを推奨してる国は、日本だけだと思います」「インフルエンザに関しては、意味がないと思います」とインフルエンザに対するうがいの効果を否定している[5]

また、浜松医科大学野田龍也助教(公衆衛生学)らは、研究者から疑問視されているにもかかわらず、日本国内でうがいが推奨され続けていることを不思議に思い、調査を実施した。調査は、2006年1~2月の20日間、福岡市の保育所145か所で、2~6歳の子ども1万9595人を対象に行った。保育所で1日1回以上、水道水や緑茶などでうがいを行ったグループと、行っていないグループに分け、37.5度以上の発熱をした子どもの割合に差があるかどうかを調べた。その結果、うがいをする子どもが発熱する割合は0.4%だったのに対し、うがいをしない子どもは1%が発熱していた。また、緑茶でうがいをした子どもが最も発熱しにくく、食塩水、水道水の順に発熱者の割合が増えた。[6]

うがい薬

うがい薬(含嗽薬)には、大別して殺菌消毒用と鎮痛消炎用の2種類がある。

殺菌消毒用の薬は、風邪の予防や口内炎の治療などに使われる。主成分はポビドンヨード塩化セチルピリジニウムグルコン酸クロルヘキシジン塩化ベンゼトニウムなど。のどや口腔内に付着した細菌を殺菌する効果があり、口臭除去にも有効である。

鎮痛・消炎用の薬は、アズレンスルフォン酸ナトリウムグリチルリチン酸ジカリウム塩化リゾチームなどが主成分で、細菌の付着などで損傷を受けたのどや口腔内の粘膜炎症を鎮める作用がある。

脚注

  1. ^ うがい効果あった…浜松医大助教ら調査[1]
  2. ^ 同上
  3. ^ [2]
  4. ^ Kazunari Satomura; Tetsuhisa Kitamura, Takashi Kawamura, et al. (November 2005). “Prevention of Upper Respiratory Tract Infections by Gargling: A Randomized Trial”. American Journal of Preventive Medicine 29 (4): pp. 302-307. 
  5. ^ 爆笑問題のニッポンの教養』「File090 新型インフルエンザの真実」 2009年11月3日放送
  6. ^ うがい効果あった…浜松医大助教ら調査[3]

関連項目

外部リンク