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「Su-27 (航空機)」の版間の差分

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当局の命令に応じ、スホーイ設計局では[[TsAGI]](中央流体力学研究所)の研究結果を基に、流体工学的に優れているとされる機体形状を追求した機体の設計を進めた。提出された案は当局の認可を得て正式に「'''T-10'''」の設計局内名称が与えられ、試作機の製作が行われた。
当局の命令に応じ、スホーイ設計局では[[TsAGI]](中央流体力学研究所)の研究結果を基に、流体工学的に優れているとされる機体形状を追求した機体の設計を進めた。提出された案は当局の認可を得て正式に「'''T-10'''」の設計局内名称が与えられ、試作機の製作が行われた。


T-10は“[[オージー翼]]”と呼ばれる緩やかな曲線を描いた後退翼の主翼を持つ機体であった。この機体は、ソビエトの実用戦闘機としては初の[[フライ・バイ・ワイヤ]]による機体制御を実装して完成され、[[1977年]][[5月20日]]には[[ウラジミール・イリューシン]]の操縦により初飛行し<ref>[[隔週刊ファイティング・エアクラフトDVDコレクション]]24号</ref>、各種の飛行テストが進められた。しかし、飛行の結果は好ましいとはいえなかった。空中安定性が激しく不安定で、機体制御を司る電子機器の信頼性が低く、操縦安定性が極めて低く危険なものであった。[[1978年]]には試作2号機であるT-10-2が完成し更なる飛行試験が続けられた。しかし、T-10-2は超音速飛行試験中に主翼の空中分解を起こして墜落、パイロットのイブゲニー・ソロビヨフが死亡するという大事故を引き起こした。
T-10は“[[オージー翼]]”と呼ばれる緩やかな曲線を描いた後退翼の主翼を持つ機体であった。この機体は、ソビエトの実用戦闘機としては初の[[フライ・バイ・ワイヤ]]による機体制御を実装して完成され、[[1977年]][[5月20日]]には[[ウラジミール・イリューシン]]の操縦により初飛行し<ref>[[隔週刊ファイティング・エアクラフトDVDコレクション]]24号</ref>、各種の飛行テストが進められた。しかし、飛行の結果は好ましいとはいえなかった。迎え角が8度を超えると[[LERX|ストレーキ]]と外翼前縁から発生した渦がが大きくなって交わり、気流が剥離することで激しい振動が発生するなど空中安定性が激しく不安定で、機体制御を司る電子機器の信頼性が低く、操縦安定性が極めて低く危険なものであった。[[1978年]]には試作2号機であるT-10-2が完成し更なる飛行試験が続けられた。しかし、T-10-2は超音速飛行試験中に主翼の空中分解を起こして墜落、パイロットのイブゲニー・ソロビヨフが死亡するという大事故を引き起こした。


この事故を受け、T-10設計根本から見直された。特徴であったオージー翼を直線形状の後退翼に変更さたのを手始めに機体のほぼすべての箇所に設計の見直しが行われた。これらの設計改良が行われた試作7号機以降は、名称も「'''T-10S'''」と改称された。
この事故もあり、前任者のナウム・チェルニャコフが病気になったため計画担当になっていた[[ミハイル・シモノフ]]は、T-10設計根本から見直しを徹底的に討議・検討し実行した。それにより特徴であったオージー翼を直線形状の後退翼に変更さたのを手始めに機体のほぼすべての箇所に設計の見直しが行われた。これらの設計改良が行われた試作7号機以降は、名称も「'''T-10S'''」と改称され、1981年4月20日にチーフテストパイロットであるウラジミール・イリューシンの手により初飛行した。


ちなみにシモノフはこの時に生じた設計局内の軋轢により、設計が一段落した1979年に航空工業省の科学・新技術担当時間として引き取られたが、1983年1月に設計局長としてスホーイに復帰している。
T-10Sの完成により飛行性能は大幅に改善された。満足する性能を実現したとしてソビエト防空軍及び空軍への導入も決定した。そして、「'''{{lang|ru|Су-27}}'''」の制式名称が与えられて量産が開始され、[[1989年]]から配備が開始された。

就役時期の大幅な遅れや工場の生産準備のやり直しなどがあったものの、T-10Sの完成により飛行性能は大幅に改善された。満足する性能を実現したとしてソビエト防空軍及び空軍への導入も決定した。そして、「'''{{lang|ru|Су-27}}'''」の制式名称が与えられて量産が開始され、[[1989年]]から配備が開始された。


== 性能と特徴 ==
== 性能と特徴 ==

2013年6月1日 (土) 12:36時点における版

Su-27 / Су-27

Su-27SKM

Su-27SKM

Su-27(スホーイ27、スホイ27;ロシア語: Су-27 スー・ドヴァーッツァチ・スィェーミ)は、ソビエト連邦で設計・製造された戦闘機である。現在でもロシアを中心とする旧ソ連諸国や第三世界で使用され、極めて強力な格闘性能、長大な航続距離を有する。

ロシアでは、非公式な愛称として「」の指小形である「ジュラーヴリク」(Журавлик) を用いている[1]

Su-27は「フランカー」(英語: Flankerラグビーアメリカンフットボールのポジションの一つ)という名称でも呼ばれるが、これは北大西洋条約機構 (NATO) のつけたNATOコードネームである。ただし、近年ではロシアでも対外的にこの名称を用いている場合がある。

開発までの経緯

1960年代の終わり、ソ連防空軍は新たなる防空戦闘機の開発を計画した。想定敵である西側諸国、特にアメリカ合衆国イギリスの保有する超音速/遷音速長距離爆撃機、及び開発中と見られるXB-70新型超音速爆撃機に対しては既にMiG-25の配備とその後継機MiG-31の開発が進められていた。しかし、アメリカがMiG-25に対抗するために新型戦闘機の開発を進めていたことから、ソ連空軍/防空軍としてもそれらに対抗しうる新型防空戦闘機の開発が急務とされていた。

従来、防空軍にとっての「迎撃戦闘機」として求められる要件は以下のようなものであった。

  • 敵機の侵入空域にいち早く急行すること
  • 大出力エンジンによる高速性能の発揮・航続能力を両立させるための大きな燃料搭載量(更に広大な国土を持ち長大な航続距離を要するため)
  • 長距離空対空ミサイルとその火器管制装置の搭載能力(大型の戦略爆撃機を極力遠距離で撃墜するため)
  • 空力抵抗や兵装の減少を招く増槽を搭載しないこと(能力を阻害しないため)
  • 可能な限り全てを機内搭載すること

これらの要求は必然的に機体の大型化を招いた。 なお、それまでに完成した迎撃戦闘機は、いずれも、長射程の空対空ミサイルを装備して超音速で飛行すること以外の能力を殆ど持たない「対爆撃機迎撃専用機」として開発・配備されることになった。

しかし、アメリカ空軍空中給油の技術を完成させて小型の戦闘機に対する空中給油を可能にしたことにより、長距離戦略爆撃機にも戦闘機の護衛が付くこととなった。さらにベトナム戦争の戦訓から、領海に接近した空母機動部隊(現 空母打撃群)の搭載機による対地攻撃が大きな脅威となることも認識されるようになった。これらのために、防空戦闘機であっても爆撃機以外との空中戦が発生することが想定されるようになった。そのため、爆撃機のみを対象とした機動性能の低い「対爆撃機迎撃機」では機動性能で勝る戦闘機に対して大きく劣ることになる、と判断された。新型防空戦闘機の開発に当たっては、従来の「高速性能」「航続能力」「長射程対空兵装の運用能力」「多弾数搭載能力」に加えて「敵戦闘機と充分な機動戦闘が行える空中機動性能」が求められることとなった。この要求に基づいて、スホーイ設計局に設計開発が命じられた。

開発

試作機型 T-10

当局の命令に応じ、スホーイ設計局ではTsAGI(中央流体力学研究所)の研究結果を基に、流体工学的に優れているとされる機体形状を追求した機体の設計を進めた。提出された案は当局の認可を得て正式に「T-10」の設計局内名称が与えられ、試作機の製作が行われた。

T-10は“オージー翼”と呼ばれる緩やかな曲線を描いた後退翼の主翼を持つ機体であった。この機体は、ソビエトの実用戦闘機としては初のフライ・バイ・ワイヤによる機体制御を実装して完成され、1977年5月20日にはウラジミール・イリューシンの操縦により初飛行し[2]、各種の飛行テストが進められた。しかし、飛行の結果は好ましいとはいえなかった。迎え角が8度を超えるとストレーキと外翼前縁から発生した渦がが大きくなって交わり、気流が剥離することで激しい振動が発生するなど空中安定性が激しく不安定で、機体制御を司る電子機器の信頼性が低く、操縦安定性が極めて低く危険なものであった。1978年には試作2号機であるT-10-2が完成し更なる飛行試験が続けられた。しかし、T-10-2は超音速飛行試験中に主翼の空中分解を起こして墜落、パイロットのイブゲニー・ソロビヨフが死亡するという大事故を引き起こした。

この事故もあり、前任者のナウム・チェルニャコフが病気になったため計画担当になっていたミハイル・シモノフは、T-10設計の根本からの見直しを徹底的に討議・検討し実行した。それにより特徴であったオージー翼を直線形状の後退翼に変更さたのを手始めに機体のほぼすべての箇所に設計の見直しが行われた。これらの設計改良が行われた試作7号機以降は、名称も「T-10S」と改称され、1981年4月20日にチーフテストパイロットであるウラジミール・イリューシンの手により初飛行した。

ちなみにシモノフはこの時に生じた設計局内の軋轢により、設計が一段落した1979年に航空工業省の科学・新技術担当時間として引き取られたが、1983年1月に設計局長としてスホーイに復帰している。

就役時期の大幅な遅れや工場の生産準備のやり直しなどがあったものの、T-10Sの完成により飛行性能は大幅に改善された。満足する性能を実現したとしてソビエト防空軍及び空軍への導入も決定した。そして、「Су-27」の制式名称が与えられて量産が開始され、1989年から配備が開始された。

性能と特徴

R-27RとR-27Tを搭載したSu-27

Su-27の最大の特徴は高い機動性である。機動性の高さを示す例としてはコブラがよく話題にあがる。コブラは水平飛行しているところからさほど高度を変えることなく急激に機首を上げ失速寸前まで速度を落とす機動であり、1989年パリ航空ショーテストパイロットヴィークトル・プガチョーフの手によって初めて西側諸国の前で行われて注目を浴びた。[3]

発展型であるSu-35では旋回中にコブラを行うフックを行うことが可能であった。更にその発展型であるSu-37では、高度を変えることなく1回転するクルビットを行うことが可能である。クルビットが出来るのは推力偏向エンジンを持つおかげだと思われているが、回転半径こそ大きくなってしまうもののSu-30MKMでも可能である。

また、Su-27は長大な航続距離とミサイル搭載能力も持ち合わせている。機内燃料のみでミサイルを10t近く搭載し、4,000km近く飛行を行うことが可能である。ミサイル搭載能力については、中距離空対空ミサイルであるR-27を8発搭載でき、加えて短距離空対空ミサイルを4発搭載することが可能である。なお、Su-27の発展型の機体が搭載する射程延長型のR-27EMは約110 kmの射程を持つとされる。また、最新型のR-77は約90kmの射程とされている。

Su-27の他の特徴として、IRST、レーザー測距装置やヘッドマウントディスプレイ (HMD) があげられる。

  • IRSTはUOMS製OPES-27と言う赤外線を探知する装置で、最大で約50km先の目標まで探知することができる。レーダーは電波を探知されるのを防ぐため運用にある程度の制約がつくが、電波などの放出がないIRSTは、探知される危険性がないため運用の制限はない。一部ではこの機能によって『F-22が撃墜できるのではないか?』という推論もあるが、F-22は赤外線放出の減少も図られているため探知は困難とも考えられている。
  • レーザー測距装置は敵機との距離を測定する装置。上述したIRSTでわかるのは敵機の方向のみで距離がわからないため、レーザー測距装置で敵機との距離を測定する。レーザー測距装置は約18km程度までしか使用できないが、編隊内のデータリンクにより、他の機体で測定した距離と自機で測定した距離、自機と他の機体との位置関係を利用した三角測量で放射源との距離を算出できる。
  • HMDは従来のヘッドアップディスプレイ (HUD) とは違い、ヘルメットに直接映像を映し出すシステムで、Su-27では頭の動きとHMDがリンクし、レーダーの探知範囲から外れている航空機をロックオン、攻撃することも出来る。
Su-27UBのコクピット周り

高い機体性能をもつSu-27だが、アビオニクスは西側と比べ全体的に劣っている。Su-27に搭載されているレーダーは、探知距離はNATOのものと比べてそれほど劣らないものの、複数目標の同時ロックオンが出来ないなど他の面でかなり劣る部分があった。だが、発展型ではレーダーの換装が行われており、例えば初期型のSu-27は1目標ロックオンのジューク27 N001を装備しているが、中華人民共和国に輸出されたSu-30MKKの初期型は2目標ロックオンが可能となっており、インド向けや中国向け後期型は24目標探知8目標追尾が可能なジュークPH N011を装備し、対地レーダーモードも地図を作り出すSARモードや動目標探知のGMTモードが追加・強化され地形追随レーダーモードが可能との事である。

発展型の開発

Su-27は多くの発展型が開発・配備されてきた。冷戦後の軍縮とロシアの財政逼迫により、本来は輸出されなかったであろう国内向けの機体や新型機がソ連諸国から海外に売却された。Su-27も各国に輸出されている。そのため、国内向けの機体よりも輸出向けの機体の開発が先行するというソ連時代では考えられなかった状態が続いた。実際、Su-30Su-33等一部の新型機が国内向けに配備されているものの、生産された新型機の多くは海外へ輸出されており、国内配備数は2000年代まではごく少数に留まった。

近年になって、ようやく国内向け主力機となるSu-27の発展型、Su-27SMが配備され始めた。Su-27SMは、これまで運用してきたロシア空軍のSu-27に寿命中近代化 (MLU) 改修を施した機体で、輸出型として開発が始まったSu-35や、やはり海外向けに公開されていた試験機のSu-37をもとに開発されたものである。単座の戦闘機型であるSu-27SMは、複座の戦闘爆撃機型であるSu-30MKよりも空中戦能力に優れる。レーダーも、より新しく探知距離の長い大型のものが装備されている。また、Su-30MKIなどと同様、推力偏向システムも装備するとされる。ロシア空軍の展示飛行チームのひとつである、「ルースキエ・ヴィーチャズィ」に配備された機体が、2005年に初めて公開された。発展型の国内向け新造機も、Su-35S、Su-30SM、Su-34などが2010年頃から予算化され、納入され始めた。

同機の複座の練習戦闘機型であるSu-27UBMは、空中給油プローブのないSu-30KNに基づいて開発されたSu-27UBのマルチロール改修型である。また、ベラルーシで先行配備されている同種のSu-27UBM1は、イルクーツク航空製造連合の開発したロシア空軍向けのSu-27UBMの派生型となる機体である。今後ロシア空軍に配備されるのもベラルーシのSu-27UBM1に準じた機体となるようである。

ベラルーシ空軍及び防空軍では、従来より保有するSu-27を近代化改修する計画を進めている。すでに数機のSu-27UBがSu-27UBM1にアップグレードして配備されており、同国では、今後さらにアップグレード機が増備されていく予定である。インド空軍で使用されていたSu-30KとMKも同様の仕様のSu-30KNに改修され、ベラルーシが取得する可能性がある。

インド空軍のSu-30MKI

現在最も注目を集めているSu-27の発展型のひとつが、インド空軍に配備されているSu-30MKIである。同型は推力偏向システムを備えた初めての実用機として知られている。初期の機体はロシア製のものだが、以降はインド国内で多数のライセンス生産が行われており、インドの航空産業の発展にも大きく寄与している。Su-30MKIの開発が遅れたため、インドにはつなぎとしてSu-30K/MKが配備されていたが、現在は返却されている。

中華人民共和国には、輸出を睨んで開発されたSu-27Sのダウングレード型(いわゆるモンキーモデル、ただしレーダーはオリジナルのSu-27が限定的なTWS能力しか持たなかったのに対し、10目標の同時追跡、2目標の同時攻撃が可能なN001 Zhuk-VEに強化されている。)である、Su-27SK/UBKが配備されており、また国内で百機弱程がライセンス生産の殲撃11型 (J-11) として配備されている。この型は対地攻撃能力が追加されたが、非誘導兵器のみの搭載が可能となっている、アビオニクスに関してはガルデーニヤECCMElectric Counter Counter Measure:対電子妨害対抗手段)を中核とするLTTS統合防御システムが追加装備されている。これはF-15EのTEWS(内蔵型戦術電子戦システム)であるAN/ALQ-135と同等の能力を発揮するとも言われている。また、Su-30MKKが76機空軍に、MK2が24機海軍に輸入され配備された。これはSu-35の垂直尾翼を装備しているが、Su-30MKIとは違い推力偏向システムは装備していない。それに加え対艦攻撃能力も削除された。但し搭載レーダーは8目標同時攻撃可能なジュークPH N011という情報もある。同機の実戦配備により、中華人民共和国は初めて台湾中華民国)全土への有効な航空攻撃手段を手に入れたことになった。また、遼寧の艦載機にはSu-33をもとにしたJ-15が選定された。

インドネシアには、以前よりSu-27やSu-30の輸出契約が結ばれては、経済危機や同国の政権交代のたびにキャンセルされるという状態が続いていた。しかし、2005年現在Su-27SとSu-30MKと同様の規格と思われる機体がそれぞれ2機ずつ納入されている。同国では旧式化したF-16Aなどを代替する機体を必要としており、また国内ゲリラ組織への対地攻撃機の需要もあることから、またもや別の理由でキャンセルが発生しない限りは、今後Su-30等が増備されていくと思われる。

メキシコでは、同国の沿岸権益を守るためとして海軍にSu-27とSu-27UBを配備することを決定した。しかし、後にアメリカの圧力を受けて撤回された。

ベネズエラでは、Su-30MK2を配備し、従来より使用してきたF-16A/Bをイランへ輸出すると発表している。

アメリカでは、1990年代に評価試験用に中古の2機をアメリカ空軍が購入したというが詳細は不明である。これとは別に、2009年、イリノイ州ロックフォードのPride Aircraftがウクライナ空軍の中古のSu-27UBを2機購入している。同社のSu-27UBは民間機である事から固定武装及び兵装システムは撤去されており、各種通信・電子機器もマルコーニ社製など旧西側製の物に換装する改造が施されている。主として曲技飛行展示飛行に用いられていたが、現在(2012年)はコレクターに全機売却されたとみられる。

なお、Su-30MKの派生型はマレーシアアルジェリアなどにも配備が進んでおり、同シリーズは現在最も販売が順調なロシア製戦闘機となっている。また、Su-27シリーズに対するメンテナンスや小規模な近代改修は、ロシアのほかウクライナやベラルーシでも行われている。

ライバルとの比較

Su-27を相手にした空中格闘戦での想定勝率グラフ[4]
性能向上型のSu-27と空戦時の勝利確率をそれぞれの機体の能力から求めた。ユーロファイター タイフーンの開発主体であるBAEシステムズ社のデータである。[5][6]

Su-27は、F-15F-14などの当時の新鋭戦闘機に対抗して作られた戦闘機であるため、それらと比べられることが多い。

初期型のSu-27は、現在の空中戦の勝敗を決定する上で最も重要なレーダーなど電子機器全般の性能や信頼性が、アクティブ式フェーズドアレイレーダー(AESAレーダー)であるAN/APG-63(V)2以降を搭載しているF-15に比べて圧倒的に低い。さらに早期警戒管制機 (AWACS) など後方支援を担当するシステムとの連携もF-15に比べて劣っている。ただし、広大なロシアの国土を効率的に防衛するため、Su-27各型はF-15等アメリカ製の戦闘機が搭載するAIM-120空対空ミサイルなどよりも射程が長いR-27空対空ミサイルを装備している。このため、もし単機同士が向かい合って、電子的な妨害が無い状態で戦闘を行う場合を想定すると(そのような戦闘は現代ではまずありえないが)、ロシア製戦闘機の方が有利であるとアメリカ軍の当局者も認めている。また、ロシア空軍向け近代化改修型のSu-27SMは新型のR-77空対空ミサイルを搭載するとされている。

なお、アメリカがシミュレーションでSu-30(Su-27の発展型で、複座の戦闘爆撃機型)とF-15Cの1対1での空戦を行ったところ、ある一定の状況に追い込んだ場合確実にSu-30が勝利するという結果が出た。ただし、「一定の状況」とは「お互いに僚機を伴わず、レーダーサイトやAWACSの管制もなく、その他の電子的支援もないという環境で、特定の戦術飛行をした場合に限る」というものであり、現実にはこの様な状況はあり得ないことに留意する必要がある。これはF-22の予算を獲得するためSu-30をわざと勝たせたとの説もある。

1992年にロシアのSu-27部隊がラングレー空軍基地を親善訪問した際、模擬空戦でSu-27がF-15Cに勝利したという情報もあったが、それは虚偽であるとの情報[1]もあり確かではない。

また、Su-27は同時期に開発されたMiG-29と比較されることも多い。しかし、スホーイ設計局では広大な国土を防空する用途として長い航続距離と高い積載能力をコンセプトにして開発されたのに対し、ミコヤン設計局では局地における格闘戦用途の戦闘機という方針で開発された。両設計局とも中央流体力学研究所の研究結果を基にしたため基本形状が似ているが、その点に関してはMiG-29の項目を参照されたい。なお、1999年2月25日にエリトリアが使用しているMiG-29とエチオピアが使用しているSu-27が交戦した。Su-27がMiG-29を撃墜し勝利に終わっているが、その詳細についてもMiG-29の項を参照のこと。

主な派生型

Su-27は艦上機型であるSu-33や戦闘爆撃機型であるSu-34など多数の発展型が開発されている。 F-15イーグルの戦闘爆撃機型であるF-15EがストライクイーグルとよばれることからSu-32/34はストライクフランカーと呼ばれることもある。

T-10
原型機。全面改良型である7号機 (T-10-7) 以降はT-10Sと呼ばれ、それ以前の製作機体は便宜的にT-10-1と呼ばれて区別される。偵察衛星で存在を確認したアメリカは当機をラムK (Ram-K) と呼んで識別し、NATOではフランカーA (Flanker-A) と呼んで識別した。
T-10S
T-10試作7号機以降の名称。T-10の設計を全面的に見直した改良型。飛行性能が改善され当機が生産型の基本型となった。量産型Su-27とはキャノピーの形状が異なっていることと、垂直尾翼の翼端が傾斜していないことで区別出来る。
T-10-20R
T-10Sのうちの1機(試作20号機)を周回速度記録用に改造した機体。テイルコーンが延長されている他、レドームがより空気抵抗の少ない形状のものに換装され、ハードポイント等の武装關係は撤去されている。
T-10-24
T-10Sのうちの1機(試作24号機)に左右差動式(左右の翼が独立して動く方式)のカナード翼を装備した機体。カナード翼装備型の試験に用いられ、Su-33等の開発に貢献した。別名、T-10S-24。
T-10M
Su-27にSu-27K (Su-33) の設計を取り入れて開発されたマルチロール型試作機。
T-10-701
数機制作されたT-10MのうちT-10Sから改造された機体(T-10 701号機)。他の機体(T-10-702、-706、-707)と異なりベースが試作型Su-27のため機体形状が一部異なっている。
T-10V
ロシア語表記ではT-10Β。Su-27IB (Su-34) の試作型。
P-42
エンジンを推力1000kg増しの特別型であるR-32に換装し、必要最低限の電子機器だけを搭載した記録挑戦型。1988年から各種の速度・高度記録に挑戦し27の世界記録を樹立した。
Su-27
T-10Sを基に量産された初期量産型。現在も大多数の実戦配備機はこの型である。
Su-27S
Su-27の改修型。Su-27とはテイルコーン側面のアンテナの有無及びチャフ/フレアディスペンサーの装備数が異なる。ソビエト時代にはソビエト連邦諸国にのみ配備されていたが、近年はウクライナベラルーシなどから中古機としてエチオピアなどに転売されている。NATOではフランカーB (Flanker-B) と呼んで識別した。
Su-27SK
Su-27Sの輸出向けの機体として開発されたダウングレード型。二文字目の「K」はКоммерческий(カメルチスキー)の略号で、“輸出型”を意味する。
殲撃11型(殲-11、J-11)
Su-27SKの中華人民共和国ライセンス生産型。生産は1995年から行われた。
殲撃11型B(殲-11B、J-11B)
機体設計の変更とレーダー波吸収塗料の使用により、レーダー反射断面をJ-11の15平方メートルから5~3平方メートルに抑制し、マルチロール化した近代化改修機。
Su-27SKM
Su-27SKの発展型。デモ機はSu-30KIから改造されたもので、塗装が同一である。
Su-27SM
近年ロシア空軍で既存のSu-27に対し近代化改修がされた型。外見は殆ど変わらないが、90年代に開発されたSu-35/37などのデモンストレーション機で蓄積された技術が投入されており、アビオニクス面で大幅に強化されている。R-77の発射能力と、10目標探知2目標追尾のレーダーを装備したことによる同時交戦能力を獲得した。
Su-27SMK
SM型のハードポイントを12箇所に増やし、対地攻撃能力を強化したマルチロール型。輸出を意識した機体だが、2008年現在デモ機のみで量産はされていない。
Su-27SM2
Su-27SMを更に発展させた機体。当機はSu-27を元に改造された機体で、一時期Su-35を名乗っていたが現在は完全新造機にSu-35の名称を譲っている。
Su-35
Su-27SM2に準じた発展型。ロシア空軍がSu-35Sの名称で160機を調達予定とされ、Su-35の最初の量産型となると見られる。カナード翼を廃した。Su-27M系列の初代Su-35との混同を避けるために試作機名称T-10BMに基づいてSu-35BMとも呼ばれている。
Su-27LL
各種試験用機。試験用装備以外の通常型との一番の差異はIRSTが装備されていないこと。サイドスティック式操縦装置、レーザー索敵装置欺瞞装置、三次元ノズル等の運用試験に用いられている。
Su-27RV
ロシア空軍のアクロバットチーム、ルースキエ・ヴィーチャズィ用の改修機。GPS航法装置を装備し、西側の周波数に対応した航空無線機を特別に搭載している。また、演技用のスモーク発生装置を翼端に搭載する。
Su-27UB
Su-27の複座練習機型。NATOではフランカーC (Flanker-C) と呼んで識別した。
Su-27UBK
Su-27UBの輸出型。
Su-27UBM
Su-27UBの対地攻撃能力を強化したマルチロール改修型。
Su-27UBM1
Su-27UBをベラルーシが改修したマルチロール型。既存のSu-27UBから改修され、ベラルーシ空軍及び防空軍に配備されている。
Su-27PD
長距離飛行を目的とした長航続時間試験機。空中給油装置の装備、IRSTの移動、尾部の改修がなされている。
Su-27P
Su-27PDを量産化した防空軍仕様。Pとは防空軍(PVO;ロシア語: ПВО)仕様の意味。非常に細かな差異[7]はあるが基本的に空軍型Su-27Sと同一の機体である。ソ連崩壊に伴い、現役機のほぼ全ては改修されてSu-27S仕様に統一されている。
Su-27PU
長距離迎撃戦闘機として開発された複座戦闘機。
Su-30
Su-27PUを改称。複座の長距離迎撃機型。ロシア空軍自体には少数が配備されたに留まった。NATOではフランカーF1 (Flanker-F1) と呼んで識別した。
Su-30K
対地攻撃能力を付与した輸出型。生産の遅れていたSu-30MKIの代替としてインド空軍に少数が配備され、のちに返却された。
Su-30KI
Su-30Kの単座型。インドネシア向けに開発されたが、同国の国内事情により何度か契約締結・契約破棄を繰り返した。また、同機に関連してメガワティ大統領の贈収賄疑惑も生じたことがあった。2005年現在、数機が同国空軍に配備されている。
Su-30KN
Su-30Kのアップグレード型。インド空軍へ配備されていたSu-30MK及びKが同仕様に改修されベラルーシが取得する可能性がある。
Su-30M
Su-30を多用途任務化したもので、対地攻撃用兵装システムを装備したもの。NATOではフランカーF2 (Flanker-F2) と呼んで識別した。
Su-30M2
カナード翼とTVCを搭載した型が1997年に初飛行しているが、同名称の現在の機体にはカナード翼は装備されていない[8]
Su-30SM
2016年までにロシア向けに60機の納入が決まっている。Su-30MKIをベースとしており、推力偏向装置を備える[9]
Su-30MK
Su-30の設計を発展させた複座のマルチロール輸出型。数種類の発展型が開発されている。
Su-30MKA
アルジェリア向けマルチロール型。
Su-30MKI
インドに配備中の複座のマルチロール型で、カナード翼と推力偏向装置を備える。同国でのライセンス生産も契約されている。NATOではフランカーH (Flanker-H) と呼んで識別した。
Su-30MKK
中華人民共和国に配備中の複座マルチロール型。推力偏向装置は装備されず、MKKでは対艦攻撃能力もオミットされているが、レーダーと電子装置は新型に換装されている。NATOではフランカーG (Flanker-G) と呼んで識別した。
Su-30MKM
マレーシアに輸出された複座のマルチロール型で、Su-30MKIに準ずる機体。なお、2005年12月19日の報道によれば、タイ王国も5億ドルで12機のSu-30MKMの購入を契約したが実現しなかった。
Su-30MK2
Su-30MKの能力向上型でKh-59などの空対艦ミサイルを運用可能である[10]。中国海軍やウガンダなど数カ国で運用中。カナード翼とTVCは非搭載。
Su-30MKV
2006年にベネズエラに輸出された複座のマルチロール型。
Su-30MK2V
ベトナム向け生産型
Su-27K
Su-27の艦上戦闘機型。K型とはКорабль(艦上型)の意味。NATOではフランカーD (Flanker-D) と呼んで識別した。
Su-33
Su-27Kを改称。ソビエト海軍時代に開発された艦上戦闘機型。ロシア海軍に採用された。尚、中華人民共和国は本機の原型機であるT-10Kをウクライナから1機購入しJ-15を開発した。
Su-27KUB (Su-33UB)
Su-27K (Su-33) の並列複座型。
Su-30K2
Su-33UBを発展させた複座迎撃型。
Su-27KM
1980年代の初めに、建造計画が進められている「重航空機搭載巡洋艦(後のアドミラル・クズネツォフ級)」に搭載するために開発された大型艦上戦闘機。続いて建造されるソビエト海軍初の正規航空母艦(プロィェクト11437型、ウリヤノフスク級)の搭載機としても内定していた。
「Su-27KM」の制式番号だが、Su-27シリーズとの共通性はほぼ無く、Su-27の基礎設計を発展させた新規設計の機体である。前進翼を採用した革命的な新型戦闘機として期待されたが、財政難によりソビエト海軍が航空母艦の整備に消極的になった為に計画は中止され、Su-27の艦上機改修型であるSu-27K (Su-33) の開発計画に一本化された。
後にスホーイ設計局はSu-27KMの設計を陸上戦闘機に発展させてS-32を計画し、S-37 (Su-47) を製造するに至る。[11]
Su-27IB / Su-32 / Su-34
Su-30をベースとした戦闘爆撃機。飛行中における乗員間の意思疎通を考慮しコックピットは並列複座方式に変更されており、機首はSu-27に比べて大型化されている。コックピットは通常巡航時には与圧され、生存性向上のためにチタン合金によって装甲されている。与圧構造のためもありキャノピーは開閉せず、搭乗員は前脚収容庫内の扉から乗降する。操縦席後方には長時間飛行に備えて簡易トイレと簡易ギャレーも設置されている。
低空侵入能力向上のための航法・攻撃・地形追随・回避レーダー、レーニネツB-004フェーズド・アレイ・レーダー、大型化されたテイルコーンに後方警戒レーダー、深部侵攻作戦時の低空飛行安定性向上のため飛行安定制御システムを装備した。重量増加に対応するため主脚はタンデム配置のダブルタイヤになっている。
原型機Su-27IBは1990年4月に初飛行、2006年にロシア空軍が制式採用し、2015年までに58機を調達予定である。NATOでは「Fullbackフルバック:「フランカー」と同じくラグビーアメリカンフットボールのポジションの一つ)」と呼んで識別した。
前述のように旧西側からは「ストライクフランカー」の俗称が付けられているが、同様に海外では「プラティパス」(platypus:「カモノハシ」の意)というニックネームも使われることがある。
正式名称については当初Su-27IBとされていたが、後にスホーイがSu-24の後継機を印象付けるためにSu-34の名称を強調し、輸出型にはSu-32を使用していた。その後もこの3つの名称で度々変更を繰り返しており、今後どれが正式名称となるのか不明瞭である。
Su-27M / Su-27M2
主に輸出を目的として開発が開始されたSu-27の発展型。
Su-35
Su-27Mを改称。開発中の機体はカナード翼を装備していた。NATOではフランカーE1 (Flanker-E1) と呼んで識別した。
Su-35UB
Su-35の複座練習機型。
Su-37
Su-27M2を改称。Su-35の更なる発展型として開発が行われていたマルチロール型機。推力偏向装置をシリーズで初めて装備した。2機製作されたが1機は墜落、もう1機は推力偏向装置が撤去されている。NATOではフランカーE2 (Flanker-E2) と呼んで識別した。非公式愛称は「Терминатор(チルミナータル、英語のTerminator(ターミネーター)のロシア語表記/読み)」及び「スーパーフランカー (Super Flanker)。

運用国

Su-27と派生型を採用した国(青)
インド空軍のSu-30K
ソ連
空軍 - Su-27/S/UB
防空軍 - Su-27/P/UB
海軍 - Su-27K
海軍航空隊 - Su-27/UB
ロシア連邦
空軍 - Su-27/S/SM/P/UB/UBM/30/30M/30MK/34
海軍 - Su-33/32
海軍航空隊 - Su-27/UB
ウクライナ
空軍 - Su-27/S/UB
防空軍 - Su-27/S/UB
海軍航空隊 - Su-27/UB
ベラルーシ
空軍及び防空軍 - Su-27/S/UB/UBM1/30KN 計25機
カザフスタン
防空軍 - Su-27/UB 計80機
ウズベキスタン
空軍 - Su-27/UB 計25機
中華人民共和国
空軍 - Su-27SK、Su-27UBK、J-11/B/BS、Su-30MKK
海軍 - Su-30MKK2、J-15
インド
空軍 - Su-30MKI 40機
インドネシア
空軍 - Su-27SK 2機、Su-27SKM 3機、Su-30MK 2機、Su-30MK2 3機
マレーシア
空軍 - Su-30MKM 18機
モンゴル国
空軍 - Su-27/S/UB 計10機
ベトナム
空軍 - 苏-27SK 6機、苏-27UBK 3機、苏-27K 2機、Su-30MK2V 12機
アンゴラ
空軍 - Su-27/S/UB 計8機
エチオピア
空軍 - Su-27/S/UB 計15機
エリトリア
空軍 - Su-27/S/UB 計8機
ベネズエラ
空軍 - Su-30MK2 24機
アメリカ
空軍 - 機種不明 2機(1990年代に入手)
民間 - Su-27UB 2機(Pride Aircraftがウクライナ空軍より2009年に購入)

購入計画のあった国

日本
航空自衛隊 - Su-27
1990年代の末、防衛庁(当時)にロシア側から打診があり、航空自衛隊飛行教導隊アグレッサー機として配備する計画があり、ロシアは日本にSu-27の売り込みを続け、技術ライセンスを含む購入計画もあったものの、諸事情によりキャンセルとなった、とする内容を記載するサイトもあるが、実際に予算に盛り込んだり日本での代理店やライセンス生産を請け負う企業が名乗りを上げるなど「購入計画」と言えるほどに具体化したことはない。
航空自衛隊にロシア製の航空機を導入する事は、各種規格が全く違う航空機を運用しなければならないために制約と困難が多く、実際にSu-27が導入されていたとしても、配備先が教導飛行隊のみでは費用対効果を始め、補給整備の煩雑化や稼働率の維持など、どれだけの意義があったのかの疑問も呈されている。
機体の購入こそ行わなかったものの、平成10年10月に航空自衛隊のパイロット2名をロシアに派遣し、実際にSu-27への体験搭乗を行わせている。
スホーイ設計局のミハイル・A・ボゴジアンは平成12年8月の日経産業新聞のインタビューで「もし希望があれば所定の手続きにのっとって交渉できる。フランカーの開発、実用化の過程で膨大な国家資金を投じた。購入機数が数機程度では、商談に発展しないだろう。交渉を前進させるには一定の機数(十二機)確保が前提条件となる」と答えた。このことから(このインタビューの数年前にあったであろう)交渉は「所定の手続き」に至るだけの進展はなかったこと、自衛隊側が購入を意図したとしても数機以下の、かつてのヴァンパイア練習機のようなサンプル購入であり、ロシア側の望むような飛行隊が編成できる数量ではなかったことが推察できる。実際、購入予定であったものは新造品ではなく中古機であったという。
アルジェリア
空軍 - Su-30MKA(予定はあったが部品強度の不備を理由に導入キャンセル。アメリカの圧力、政権内部の権力闘争などの背景が噂されているが詳細は不明)
ブラジル
空軍 - Su-35/UB
メキシコ
海軍 - Su-27/UB

仕様

  • 乗員: パイロット1名
  • 全長: 21.94 m
  • 全幅: 14.70 m
  • 全高: 5.93 m
  • 翼面積: 62.0 m2
  • 空虚重量: 17,700kg
  • 運用時重量: -- kg
  • 最大離陸重量: 33,000kg
  • 動力: リューリカ設計局製 AL-31Fサルトゥンエンジン A/B付きターボファン×2
  • 推力 (A/B) 122.58 kN
    12,500 kgf ×2
  • 最大速度: マッハ 2.3 @A/Bオン
  • 航続距離: 約4,000km
  • 最大運用高度: 18,000m
  • 上昇率: -- m/min
  • 翼面荷重(最大離陸重量時): 532 kg/m2
  • 固定武装: GSh-30-1 30mm 機関砲×1(150発)
  • 搭載兵器 
    • 電子兵装 N-100型SLOTBACKレーダー。RLPK-27型FCS
    • 空対空ミサイルR-27R-73

脚注

  1. ^ これは「鶴」を意味する「ジュラーヴリ」(Журавль) の指小形で、「若い鶴」や「子鶴」あるいは愛称形として「お鶴ちゃん」といったニュアンスになる
  2. ^ 隔週刊ファイティング・エアクラフトDVDコレクション24号
  3. ^ 当初はドッグファイトにおいてもコブラは有効であると考えられていたが、実際のところコブラは約250 kt(時速460km)程度の低速域でしか行うことが出来ず、コブラを行った後は急激に速度が落ちてしまうため、空戦には不向きであった。現在においては、ドッグファイトでコブラを使用することはほぼ不可能であり、またそのメリットもない、というのが一般的な評価である。しかし、コブラのような高迎え角の状態で機体を制御できるほどのポスト・ストール性能を持つという事実は、現在でも高く評価されている。参考までに、ハリアーも類似の目的の機動が出来る。ドッグファイトで敵機に後尾を取られたとき、ジェット排気口を下に向けて急上昇し、その下を敵機が通過してその後排気口を水平に戻し後尾を取る戦法が有効と言われていた。しかしコブラ同様、速度が著しく低下するため、「仕切り直し」以上の効果はなさそうである。(出典-『自衛隊VS米軍・もし戦わば』)
  4. ^ 「BVR」とは Beyond Visual Range:目視外射程 の略
  5. ^ 石川潤一著 『ユーロファーター・タイフーン』 軍事研究 2008/12号 59-71頁
  6. ^ http://typhoon.starstreak.net/Eurofighter/tech.php
  7. ^ 航法装置にソビエト本土以外の地図が用意されていない、無線機のチャンネルセレクタが防空軍の使用周波数以外には対応していない、火器管制装置のモードセレクタに空対空兵装以外の兵装の選択モードがない(搭載そのものは空対空兵装以外も可能)といった差異がある。
  8. ^ http://www.knaapo.ru/eng/gallery/aircrafts/combat/su-30m2/index.wbp
  9. ^ http://www.flightglobal.com/news/articles/russian-air-force-orders-thrust-vectoring-su-30sm-fighters-359732/
  10. ^ http://www.knaapo.ru/eng/products/su-30mk2/index.wbp
  11. ^ http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/41101473.html

登場作品

関連項目

外部リンク


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