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「FN ポケット・モデル M1906」の版間の差分

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尚、一般的には“M1906”と呼ばれるが、これは製造開始年から取られたもので、FN社での正式な呼称は特許所得年である“M1905”となっている。


== 概要 ==
== 概要 ==
1906年に発売された、.25口径(0.25インチ)、ストレートブローバックのストライカー方式の自動式拳銃で、内部機構は後の[[FN ブローニングM1910|M1910]]にも通じるものが使われており、基本設計の確かさが見受けられる。
1906年に発売され、護身用として人気を博した自動拳銃である。全長5インチ(127ミリメートル)ほどしかない、まさに「[[ポケット]]に入る」サイズの銃であり、携帯性が高かった。


アメリカではM1906そのものの輸入品、また1953年から1968年にかけて生産されたアメリカ向け仕様の輸出型が大量に販売された他、同じ原型銃を元にしたものが[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社により[[コルト・ベスト・ポケット|コルト M1908 ベスト・ポケット(コルト M1908)]]として発売された。これらの他にも、M1906もしくはコルト M1908を基にしたコピー生産品が大量に製造されて流通し、これらの中にはフランスの'''ユニーク モデル10(Unique Model 10)'''やスペインの'''アストラ ヴィクトリア1911(Astra-Unceta Victoria 1911 Model)'''のように、グリップセフティの廃止、セイフティレバーをグリップの前方に移動させるなどした独自改良型も存在している。
.25口径(0.25インチ)、ストレートブローバックのストライカー方式の自動式拳銃で、内部機構は後の[[FN ブローニングM1910|M1910]]にも通じるものが使われており、基本設計の確かさが見受けられる。


M1906は1926年から1927年にかけてマイナーチェンジが行なわれ、グリップセフティの廃止などの変更が加えられ、更に小型化された。1931年からはマイナーチェンジモデルが'''FN Baby'''、または'''ブローニング・ベビー(Browning Baby)'''として製造・販売された。
アメリカでは[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社により[[コルト・ベスト・ポケット]]として発売された。
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一説には400万丁の生産が行なわれたとされるロングセラー商品であり、後にマイナーチェンジが行なわれ、細かな変更が加えられ、さらに小型化された。マイナーチェンジ後は'''FN Baby'''、また'''ブローニング・ベビー(Browning Baby)'''と呼ばれている。
1979年のFN社での生産終了まで、M1906とFN Babyを合わせて約400万丁の生産が行なわれたとされるロングセラー商品であり、FN社以外での生産現在も続けられている。


== 用途 ==
戦前の日本の警察においても、主要な[[府県警察部]]で主に私服警察官向けとして採用された他、[[警視庁 (内務省)|警視庁]][[特別警備隊 (警視庁)|特別警備隊]]に編成されていた[[警官突撃隊]]も使用していた。
M1906は全長4.5インチ(114[[ミリメートル]])ほどしかない、まさに「[[ポケット]]に入る」サイズの銃であり、携帯性が高く、護身用として人気を博した。


小型軽量であることを活かした個人の護身用や警察組織での要人護衛用として、また、治安組織や諜報機関による特殊任務用として用いられた。戦前の日本の警察においても、主要な[[府県警察部]]で主に私服警察官向けとして採用された他、[[警視庁 (内務省)|警視庁]][[特別警備隊 (警視庁)|特別警備隊]]に編成されていた[[警官突撃隊]]も使用していた。
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また[[大日本帝国陸軍]]でも、将校が自費で購入する私用拳銃として数多く用いられた。
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
*ワールドフォトプレス:編『<small>ミリタリー・イラストレイテッド 4</small> 世界の拳銃』(光文社文庫)(ISBN 978-4334700713)[[光文社]] 1984年
*ワールドフォトプレス:編『<small>ミリタリー・イラストレイテッド 4</small> 世界の拳銃』(光文社文庫)(ISBN 978-4334700713)[[光文社]] 1984年
*[[床井雅美]]:著 『現代軍用ピストル図鑑』(徳間文庫) (ISBN 978-4198916602) [[徳間書店]] 2002年
*[[床井雅美]]:著 『現代軍用ピストル図鑑』(徳間文庫) (ISBN 978-4198916602) [[徳間書店]] 2002年
*[[佐山二郎]]:著『日本の小火器徹底研究 小銃・拳銃・機関銃入門』(光人社NF文庫) (ISBN 978-4769822844) [[光人社]] 2008年
*床井雅美、[[小林宏明]]、[[白石光]] :著 『<small>歴史群像シリーズ</small>[完全版] <small>図説</small> 世界の銃 パーフェクトバイブル』(ISBN 978-4056060614) [[学習研究社]] 2010年
*床井雅美、[[小林宏明]]、[[白石光]] :著 『<small>歴史群像シリーズ</small>[完全版] <small>図説</small> 世界の銃 パーフェクトバイブル』(ISBN 978-4056060614) [[学習研究社]] 2010年


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*[[FN社]]
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2013年12月24日 (火) 06:55時点における版

FN Pocket Model1906
FN ポケット・モデル 1906
FN Pocket Model1906
種類 自動拳銃
製造国 ベルギーの旗 ベルギー
設計・製造 ジョン・ブローニング
ファブリックナショナル
仕様
口径 .25口径(0.25インチ(6.35 mm)
銃身長 53.6 mm
使用弾薬 .25ACP弾
装弾数 6発
作動方式 ストレートブローバック ストライカー方式
全長 11.4 mm
重量 370 g
歴史 
設計年 1905年
製造期間 1906年1959年(M1906)
 ~1979年(FN社)
※現在もFN社以外での生産は継続されている
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FN ポケット・モデル M1906(FN Pocket Model1906)は、ベルギー銃器メーカーであるFN社(Fabrique Nationale)が開発した自動拳銃である。

尚、一般的には“M1906”と呼ばれるが、これは製造開始年から取られたもので、FN社での正式な呼称は特許所得年である“M1905”となっている。

概要

1906年に発売された、.25口径(0.25インチ)、ストレートブローバックのストライカー方式の自動式拳銃で、内部機構は後のM1910にも通じるものが使われており、基本設計の確かさが見受けられる。

アメリカではM1906そのものの輸入品、また1953年から1968年にかけて生産されたアメリカ向け仕様の輸出型が大量に販売された他、同じ原型銃を元にしたものがコルト社によりコルト M1908 ベスト・ポケット(コルト M1908)として発売された。これらの他にも、M1906もしくはコルト M1908を基にしたコピー生産品が大量に製造されて流通し、これらの中にはフランスのユニーク モデル10(Unique Model 10)やスペインのアストラ ヴィクトリア1911(Astra-Unceta Victoria 1911 Model)のように、グリップセフティの廃止、セイフティレバーをグリップの前方に移動させるなどした独自改良型も存在している。

M1906は1926年から1927年にかけてマイナーチェンジが行なわれ、グリップセフティの廃止などの変更が加えられ、更に小型化された。1931年からはマイナーチェンジモデルがFN Baby、またはブローニング・ベビー(Browning Baby)として製造・販売された。

1979年のFN社での生産終了まで、M1906とFN Babyを合わせて約400万丁の生産が行なわれたとされるロングセラー商品であり、FN社以外での生産は現在も続けられている。

用途

M1906は全長4.5インチ(114ミリメートル)ほどしかない、まさに「ポケットに入る」サイズの銃であり、携帯性が高く、護身用として人気を博した。

小型軽量であることを活かした個人の護身用や警察組織での要人護衛用として、また、治安組織や諜報機関による特殊任務用として用いられた。戦前の日本の警察においても、主要な府県警察部で主に私服警察官向けとして採用された他、警視庁特別警備隊に編成されていた警官突撃隊も使用していた。

また大日本帝国陸軍でも、将校が自費で購入する私用拳銃として数多く用いられた。

参考文献

関連項目