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「エースコンバット3 エレクトロスフィア」の版間の差分

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; アビサル・ディジョン (声:[[江原正士]])
; アビサル・ディジョン (声:[[江原正士]])
: 1997年10月10日生まれ。GRDF隊長であり、体力の衰えが出る40の坂を越えてなお第一線にある。TACネームはアビス。GRDFの隊長として、テレビ番組に出演しゼネラルの意思を代弁することもあり、一介のパイロットに留まらない存在感を有している。その性格は沈着冷静で、腕利きの実戦派パイロットが揃うGRDFにあって部下から深い信頼を得ている。一方で深謀遠慮に富み、腕を見込んだプレイヤーに対し作戦飛行中にも関わらず露骨なGRDFへの勧誘を仕掛ける、あるいは上層部の意も得ないまま独断専行で作戦行動を行うなど、片腕のキースですらその真意を測りかねることも多い。黒くカラーリングしたF-15S/MTを専用機としているが、ゲーム中盤以降は同じく黒いF-22Cに乗り換えている。ヨーコとはかつて恋愛関係にあり、彼女の研究にも被験者として協力していた。
: 1997年10月10日生まれ。GRDF隊長であり、体力の衰えが出る40の坂を越えてなお第一線にある。TACネームはアビス。GRDFの隊長として、テレビ番組に出演しゼネラルの意思を代弁することもあり、一介のパイロットに留まらない存在感を有している。その性格は沈着冷静で、腕利きの実戦派パイロットが揃うGRDFにあって部下から深い信頼を得ている。一方で深謀遠慮に富み、腕を見込んだプレイヤーに対し作戦飛行中にも関わらず露骨なGRDFへの勧誘を仕掛ける、あるいは上層部の意も得ないまま独断専行で作戦行動を行うなど、片腕のキースですらその真意を測りかねることも多い。黒くカラーリングしたF-15S/MTを専用機としているが、ゲーム中盤以降は同じく黒いF-22Cに乗り換えている。ヨーコとはかつて恋愛関係にあり、彼女の研究にも被験者として協力していた。
: 実は、ゲーム中で登場するディジョンは2030年の電脳化実験で誕生した、エレクトロスフィア上で生きる実体のない存在でしかない。肉体を持った'''オリジナルのディジョン'''は、ヨーコの研究を危険視したゼネラル上層部が送り込んだ工作部隊の爆破により死亡している。すでにネットワーク上に解放されていた'''電脳化されたディジョン'''は、エレクトロスフィアを介しながら、あたかも自らが爆破事故から生還した体を装い、現実の自分が存在しているように振る舞い始める。だが、自分以外に電脳化されたモノが存在しないエレクトロスフィア上での孤独感は彼の性格を変貌させていき、やがて全人類の電脳化を目指すという野望を目覚めさせる。しかし、物語の最終段階において、実際の目的は恋敵であったサイモンへの復讐であったことが分かる。
: 実は、ゲーム中で登場するディジョンは2030年の電脳化実験で誕生した、エレクトロスフィア上で生きる実体のない存在でしかない。肉体を持った'''オリジナルのディジョン'''は、ヨーコの研究を危険視したゼネラル上層部が送り込んだ工作部隊の爆破により死亡している。すでにネットワーク上に解放されていた'''電脳化されたディジョン'''は、エレクトロスフィアを介しながら、あたかも自らが爆破事故から生還した体を装い、現実の自分が存在しているように振る舞い始める。だが、自分以外に電脳化されたモノが存在しないエレクトロスフィア上での孤独感は彼の性格を変貌させていき、やがて全人類の電脳化を目指すという野望を目覚めさせる。しかし、物語の最終段階において、本当の目的はヨーコの恋敵であったサイモンへの復讐であったことが判明する。
; キース・ブライアン (声:[[中村大樹]])
; キース・ブライアン (声:[[中村大樹]])
: 2010年5月19日生まれ。GRDFのパイロット。TACネームはマッドキャップ。ディジョンとのチームではもっぱら[[戦闘攻撃機]]に乗り、[[制空戦闘機]]に乗るディジョンのバックアップを務める。ディジョンとは古い付き合いで、彼と対等に話せ、またその操縦の腕を認められている数少ない人物。が、最近はディジョンとデータスワローを介する以外でコミュニケーションをとる機会が皆無で、一抹の寂しさを感じている。ストーリー進行によってはGRDFで共に戦うことになるプレイヤーを当初は見下すも、後に「相棒」と認める。意外に古風な考え方をしており、電脳化には全く理解を示さない。そのため全人類の電脳化を掲げるウロボロス、ひいてはディジョンとの対立の道を歩むことになる。
: 2010年5月19日生まれ。GRDFのパイロット。TACネームはマッドキャップ。ディジョンとのチームではもっぱら[[戦闘攻撃機]]に乗り、[[制空戦闘機]]に乗るディジョンのバックアップを務める。ディジョンとは古い付き合いで、彼と対等に話せ、またその操縦の腕を認められている数少ない人物。が、最近はディジョンとデータスワローを介する以外でコミュニケーションをとる機会が皆無で、一抹の寂しさを感じている。ストーリー進行によってはGRDFで共に戦うことになるプレイヤーを当初は見下すも、後に「相棒」と認める。意外に古風な考え方をしており、電脳化には全く理解を示さない。そのため全人類の電脳化を掲げるウロボロス、ひいてはディジョンとの対立の道を歩むことになる。

2015年9月26日 (土) 12:15時点における版

ACE COMBAT 3 electrosphere
(エースコンバット3 エレクトロスフィア)
ジャンル ドラマチックフライトシューティング
対応機種 プレイステーション
開発元 ナムコ
発売元 ナムコ
シリーズ エースコンバットシリーズ
人数 1人
メディア プレイステーション用CD-ROM 2枚組
発売日 1999年5月27日
THE BEST版:2000年12月7日
デバイス ナムコネジコン、アナログジョイスティック、デュアルショック
売上本数 1,164,000本
その他 初回限定版のみピンバッヂが同梱。廉価版にはフォトスフィアが付属しない。
ファミ通 シルバー殿堂入り
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エースコンバット3 エレクトロスフィア』(ACE COMBAT 3 electrosphere、通称エースコンバット3)は、ナムコ(後のバンダイナムコゲームス)より発売された、プレイステーションフライトシューティングゲームエースコンバットシリーズ第3作。付属品としてイラストや資料などが収められた小冊子「フォトスフィア」が同梱された。 シリーズ最後のプレイステーション用ソフトでもある。

作品概要

作品テーマ、設定の特色

サブタイトルの「エレクトロスフィア = Electrosphere」は、コンピュータネットワーク上の空間をイメージした造語である。

シリーズで初めて外部制作のアニメパートを挿入したことと、脚本家の佐藤大を舞台設定・脚本担当として招いたことが大きな特徴となっている。アニメパート制作はProduction I.Gが担当している。

世界情勢やマスメディアの概念・設定を取り入れるなど、世界観の徹底した作り込みが行われ、前作までのシリーズ作品と比較してストーリー性が強くなった。2040年という近未来における大きく進歩したインターネット電脳化AIが世界観の柱に据えられている。作中に登場する建造物や航空機や屋内の物品のデザインはレトロフューチャーをモチーフとしている。また、エレクトロスフィア上で提供されるサービスや軍事技術だけでなく、企業間の構図から一般人の生活環境に至るまで綿密な設定が行われている。各企業により電脳化によるエレクトロスフィアへの意識の解放が実験的に行われている点を考えると、技術的特異点が到来する瞬間の世界を描いていると言える。アニメーションや3Dをふんだんに使いプレイステーションの性能を限界まで引き出したグラフィックのクオリティは高く、機体の挙動についても前作より改善されている。その一方、他のシリーズ作品とは世界観が大きく異なり、サイバーパンクに傾倒し過ぎているため「エースコンバットらしくない」など言われることもある。

システム面について

ゲームの進行システムも他の作品とはやや異なる。まず作戦報酬金額の概念がなくなり、機体の購入や売却といったシステムも同時に削除された。所属組織とシナリオの進行状況によって与えられる複数の機体から1つの搭乗機を選ぶ。飛行時の特徴では、燃料の残量計が無く、所要時間がクリア後のABCD評価の対象になる・ミッションによっては制限時間がある、等、経過時間のタイマーがゲーム上で重要になっている(2でも最速達成時間が保存される等、以前にタイマーが無かったわけではない)。

追加された主なシステムは、機体ごとに特性の異なる機銃とミサイルが複数種用意され個別に選択が可能になったこと、ミッションアップデート(作戦目的追加)、離陸・空中給油・着陸の操作、戦闘結果によるシナリオ・ミッションの分岐、ミッションクリアランク、視点操作、敵機への自動視点あわせなど。これらは続編でも用いられている。本作のみの特徴としては、宇宙ステージと、独特のHUDの表示が挙げられる。HUDは、ベクトルマーカーの表示、傾いている方向が視覚的にわかりやすい角度計、加速度を回転数で示すグラフィックなどが特徴である。

作中で使われる用語の一部については、インターミッション画面で選べる用語集から参照し、詳しく知ることができる。

作戦中でのプレイヤーの行動によってシナリオやミッションが分岐し、5種類のエンディングが用意されている。そして、全てのシナリオをクリアすることで物語の全体像がプレイヤーに分かる様になっている。本シリーズのほとんどは機体選択が比較的自由であるが、本作では本編中で進行しているルートやミッションによって、使用できる機体や第2兵装が固定されている場合がある数少ない作品でもある。

公式サイトに掲載されている開発スタッフのコラムによれば、膨大な追加要素のためデータがCD-ROM2枚分を超えそうになったところをデータを圧縮などの工夫をして収め、さらにCD-ROM上のデータ配置を最適化したことによりロード時間を「ほぼ無い」といえるまでに短縮したという。

その他の作品特徴

  • UGSF』は『ACE COMBAT 3』の数世紀後の世界という設定が『New Space Order』の公式サイトで公表されている。ただし、これはいわゆる後付け設定である。
  • 作中に登場する航空機の半数近くが架空の機体である。残りの航空機も、F-15F-22Su-37などの実在する機体の発展機ということになっている架空機である。
  • ジャケットイラストは白を基調とし、描かれている戦闘機はSu-37をベースにしたゲームオリジナルデザインの機体である。
  • 本作は2013年現在シリーズ中では唯一日本語音声のみの作品となっている。なお、シリーズの他作品は、エースコンバット1、2、04、Xは英語音声のみ、エースコンバット5、ZERO、6、X2、AH、3Dは英語・日本語両音声である。
  • 英語音声は、ゲーム内のナビゲーション音声のみしか収録されていない。そのため、日本国外版はキャラクター・ストーリー面が大幅に削られている。ブリーフィング画面で口頭説明がない代わりにBGMが挿入された。

ストーリー

多国籍企業の台頭によって、国家という枠が意味をなさなくなった2040年の未来世界。ユージア大陸では「ゼネラルリソース」と「ニューコム」の2つの多国籍企業がしのぎを削り、軍事衝突の緊張が高まっていた。両社を調停する立場にある新国際連合共同体(NUN)の治安維持対策機構UPEOが擁する、特別航空部隊SARFに所属する戦闘機パイロットである主人公(プレイヤー)は、同じくSARFのメンバーである絋瀬玲名、フィオナ、エリックらと共に、ゼネラルとニューコム、そして世界の変革を巡る戦いに巻き込まれてゆく。

登場人物

UPEO

プレイヤー(デフォルト名:nemo
名前はゲーム開始時に自由に変更可能。当初はSARF所属の4番機パイロットで、数々の戦闘の中で徐々に頭角を現し、エースパイロットとしての地位を固めていく。全ての戦いが終わった時、エレクトロスフィア(電脳空間)を中心とした、この世界の真の姿を知ることになる。
その正体は、ニューコム社の研究者、サイモン・オレステス・コーエン博士により開発された新世代AI(人工知能)。AIであるため、コンピュータに神経接続された人物の記憶や外部のカメラの映像を読み取ったり、逆にハッキングを行ったり、エアロコフィンの同時操作をしたり、エレクトロスフィアへダイブしたり、といったことも可能である。かつてサイモンが横恋慕していたマーサ・ヨーコ・イノウエ博士の死後、エレクトロスフィアで生き残ったアビサル・ディジョンへの嫉妬に由来する復讐を遂行するための過程で開発されたシミュレーションソフト。エレクトロスフィア上でデータだけの存在となっていたディジョンを、あらゆる分岐先の結果で完全に消去できる可能性を証明すると、任務を果たし終えたと判断したサイモンによってパージされた。ゲームディスクにも "Project NEMO archive disk" と印刷されており、このゲーム自体がサイモンの所業に深く関わっている様を演出している。「あらかじめ仕組まれた物語など存在しない」というサイモンの最後の台詞は、全ルートクリア後に開放される、ストーリーから独立した全ミッションシミュレータこそが「真のゲーム」であるというメッセージでもある。
紘瀬玲名 (声:白鳥由里
2021年4月27日生まれ。TACネームはレナ。SARFのパイロットであり、同隊の隊長を務める。生まれつき太陽光を浴びられない「シルバーストーン病」を患っており、外出時は宇宙服同然の防護服を着る必要がある。そのことによって幼少期に周囲の好奇の目に晒され、内気な性格になり、その反動で空を飛ぶことへの強い憧れを抱いていた。2030年、ゼネラルリソースのエースパイロットだったアビサル・ディジョンとの出会いによって、わずか9歳にしてゼネラルリソースに入社、ゼネラル社の極秘研究「DOE計画」の被験者としてテストパイロットとなる。ゼネラル社の機密に関わっていたため、開発終了後も長期間軟禁されていたが、2037年にUPEOへ移籍し、SARFのエースパイロットとなった。難病を抱えながら天才少女パイロットとして自己実現を果たした姿がマスコミで大きく取り上げられており、感情を表に出さない性格と物静かな口調も相まって、UPEOのアイドルと呼ばれるなど、世間の高い人気を得ている。一方で「空を飛ぶ」ということにアイデンティティの多くを依存しており、空を舞える立場=「翼」を守るためには他を犠牲にすることを躊躇わない。また、現在は別組織に所属しているディジョンに、未だに強い従属心を抱えている。任務の最中、プレイヤーの戦闘機動に自分と似ている部分を感じ、関心を示す様になる。
ゼネラル在籍時に受けた手術によって、自らの中枢神経と操縦する機体とを直結する人工光学神経網「オプトニューロン」を埋め込まれており、空戦時にハイパフォーマンスを発揮する。UPEOでの乗機はオプトニューロン仕様の特殊なENSIシステムに対応した専用のSu-37で、このために作戦に応じた搭乗機の変更を困難としている。パイロットスーツも独自の宇宙服の様なものを着用する。
フィオナ・クリス・フィッツジェラルド (声:渡辺久美子
2016年1月26日生まれ。TACネームはフィー(NEU移籍後はシスター)。SARF所属の2番機パイロット。明るく歯切れの良い性格で、時に粗忽な面も見せる隊のムードメーカーだが、本質はしっかりした優等生。同僚であるプレイヤーに対してはライバル意識も持っているが、寄せる信頼も厚い。両親がゼネラル社上層部に属するという恵まれた家庭に育ち、3歳の頃からパイロットとしてのエリート教育を受けてきたが、自らの正義感やニューコムに入社した姉のシンシアへの反発からゼネラル、ニューコムのどちらも選択せず、UPEOに入りSARFのパイロットとなった。幼い頃から常に比較されてきた天才にして夢想家の姉に対して、強い憧れや愛情、コンプレックスが混在した複雑な感情を抱いており、それが負けず嫌いな性格の元となっている。
エーリッヒ・イェーガー (声:保志総一朗
2016年8月30日生まれ。TACネームはエリック。SARF所属の3番機パイロット。中流階級の出身で、SARFのメンバーの中では最も飛んで戦うことに無自覚である。レナを同僚でありながらアイドル視し、ゼネラルとニューコムの戦争も他人事のようにとらえるなど、未成熟な面が目立ったが、戦いを重ねる中で成長していく。Su-37へのこだわりが強く、ゲーム開始時に同機に乗っているレナを羨ましがり、後に乗機としてからは、最新型のSu-43が配備された後もSu-37に乗り続ける。
ガブリエル・W・クラークソン (声:糸博
1984年2月29日生まれ。穏健派として知られるUPEOの代表。ニューコムと太いパイプがあり、「ゼネラルの傀儡」と揶揄され実質的機能を果たしていなかったUPEOの再建に成功する。対話を重んじる平和的な人物ではあるが、その姿勢は前時代的なものと批判されることも多い。
ギルバート・パーク (声:麦人
1992年3月6日生まれ。UPEO司令。本名は「朴・銀影」であり、それを英語風に表している。
ゼネラルリソースの出身だが、過去にニューコムへの科学者大量流出事件を手引きし、保身を図った科学者たちに首謀者としてゼネラルに売り渡された過去を持つ。ゼネラルのナシメント常務に救われた後はほとぼりを冷ます形でUPEOへ出向させられ、以降はゼネラルの意を汲んでUPEOを操る役を担う。しかしそれに飽きたらぬ野心を秘めていて(ディジョンに言わせると「人間の業そのもの。」)、ゲーム中盤以降では関係の悪いクラークソンを暗殺し、ゼネラルとニューコムの共倒れを画策するようになる。

ゼネラルリソース

アビサル・ディジョン (声:江原正士
1997年10月10日生まれ。GRDF隊長であり、体力の衰えが出る40の坂を越えてなお第一線にある。TACネームはアビス。GRDFの隊長として、テレビ番組に出演しゼネラルの意思を代弁することもあり、一介のパイロットに留まらない存在感を有している。その性格は沈着冷静で、腕利きの実戦派パイロットが揃うGRDFにあって部下から深い信頼を得ている。一方で深謀遠慮に富み、腕を見込んだプレイヤーに対し作戦飛行中にも関わらず露骨なGRDFへの勧誘を仕掛ける、あるいは上層部の意も得ないまま独断専行で作戦行動を行うなど、片腕のキースですらその真意を測りかねることも多い。黒くカラーリングしたF-15S/MTを専用機としているが、ゲーム中盤以降は同じく黒いF-22Cに乗り換えている。ヨーコとはかつて恋愛関係にあり、彼女の研究にも被験者として協力していた。
実は、ゲーム中で登場するディジョンは2030年の電脳化実験で誕生した、エレクトロスフィア上で生きる実体のない存在でしかない。肉体を持ったオリジナルのディジョンは、ヨーコの研究を危険視したゼネラル上層部が送り込んだ工作部隊の爆破により死亡している。すでにネットワーク上に解放されていた電脳化されたディジョンは、エレクトロスフィアを介しながら、あたかも自らが爆破事故から生還した体を装い、現実の自分が存在しているように振る舞い始める。だが、自分以外に電脳化されたモノが存在しないエレクトロスフィア上での孤独感は彼の性格を変貌させていき、やがて全人類の電脳化を目指すという野望を目覚めさせる。しかし、物語の最終段階において、本当の目的はヨーコの恋敵であったサイモンへの復讐であったことが判明する。
キース・ブライアン (声:中村大樹
2010年5月19日生まれ。GRDFのパイロット。TACネームはマッドキャップ。ディジョンとのチームではもっぱら戦闘攻撃機に乗り、制空戦闘機に乗るディジョンのバックアップを務める。ディジョンとは古い付き合いで、彼と対等に話せ、またその操縦の腕を認められている数少ない人物。が、最近はディジョンとデータスワローを介する以外でコミュニケーションをとる機会が皆無で、一抹の寂しさを感じている。ストーリー進行によってはGRDFで共に戦うことになるプレイヤーを当初は見下すも、後に「相棒」と認める。意外に古風な考え方をしており、電脳化には全く理解を示さない。そのため全人類の電脳化を掲げるウロボロス、ひいてはディジョンとの対立の道を歩むことになる。
マーサ・ヨーコ・イノウエ (声:玉川紗己子
1999年9月3日生まれ。ディジョンと恋愛関係にあったが、2030年に研究中の事故に見せかけた、彼女の実験を危険視したゼネラル上層部が仕掛けた爆破工作で死亡する。満30歳没。
ディジョンが電脳化されたことを知る唯一の人物であり、彼女が死亡したことで、電脳化されたディジョンは存在を証明する術をなくし、その性格を歪ませていく。
カルロス・アルデア・ナシメント
1964年7月21日生まれの75歳。ゼネラルリソース社常務。社の真の実力者であり、社内で失脚しかけたパークをUPEOへ送り込むなど、様々な策謀に関与している。心臓に持病を抱えており、人工心臓を含む数度の移植手術を受けている。

ニューコム

シンシア・ブリジット・フィッツジェラルド (声:川村万梨阿
2012年2月9日生まれ。フィオナの姉で、Rナンバー開発に携わる一流の科学者にして、かつNEUのチーフコンサルティングパイロット。主な搭乗機は専用のカラーリングが施されたR-103 デルフィナス#3。TACネームはプリースト。エレクトロスフィアの可能性を狂信的なまでに信じる。両親はともにゼネラルの幹部で本人もかつては在籍していたが、保守的な体質を嫌い革新的なニューコムへ移籍した。
本ゲームのオープニングアニメーションはシンシアがR-103をテスト飛行させるシーンで幕を開ける。
サイモン・オレステス・コーエン (声:中尾隆聖
2000年1月17日生まれ。ニューコムの技術者であり、プレイヤー達に多岐にわたって科学面の助言・協力を行う。先鋭的なニューコムの中でも、科学に関する発言・考え方はラディカル。オープニングフィルムから、かつてヨーコに思いを寄せていたことが見て取れる。ストーリー進行によってはニューコムに移籍するプレイヤーに対し、意味深な発言をする。先鋭的なAI(人工知能)の研究開発者であり「無から人間そっくりのコンピュータを作り出すロボット技術は不可能だが、その逆に、人間がコンピュータになる事ならば可能性がある」と語るなど、その思想はサブリメーションの発想に近い。この作品のストーリーの黒幕で、主人公であるAIを設計した張本人である。

用語集

国家、組織など

ゼネラルリソース (General Resource LTD)
ユージア大陸を実質的に支配する多国籍企業体(Multi-National Company) 。USEA北部の大都市ポート・エドワーズに本社を構えている。数多くの大企業の合併統合の末に誕生した企業であり、衣服から食料、医療などあらゆる産業を網羅し圧倒的なシェアを誇る。ゼネラルリソースのロゴのないものはないと言われるその絶対的な資本力によって、政治・経済・司法・軍事など全ての面で国家を凌ぐ影響力を持つ。しかし、強大な資本力や影響力を背景にした他社への圧力や大規模開発の環境に対する無配慮など、その強権的な経営手法は反グローバリズム団体や環境保護団体などからの強い反発を招いており、反企業過激派によるテロの標的となることも珍しくない。また、巨大企業ゆえに企業としての思想は保守的で、それに不満を持つ技術者のニューコムへの集団移籍が発生するなど、ニューコムと比較して先進性を求める技術職や研究職にとって企業としての魅力に欠ける面がある。あらゆる情報・電子機器の管理を司る電脳空間「エレクトロスフィア (electrosphere) 」と、その端末OSである「データスワロー (Data-swallow) 」を開発した企業でもある。
主に重工業、建設、都市開発、エレクトロニクスを得意としており地下ジオフロントや大陸間道路の建設で知られている。
なお、UGSFシリーズにも銀河連邦宇宙軍に兵器を供給する企業として登場する。『リッジレーサー5』にはゼネラルトレーディング社の看板が、『リッジレーサー6』にはゼネラルリソースが運行している航空機やデータスワローなどの看板が、『リッジレーサーズ2』には新規に追加されたコースにゼネラルリソース社の看板が、『リッジレーサー7』にはニトロシステムの供給元として登場する。続編のエースコンバット6にはグレースメリアの港に陸揚げされたコンテナにゼネラルリソースのロゴマークが見える。
GRDF (General Resource Defense Force)
ゼネラルリソースが有する軍組織。対テロ自主防衛を名目としているが、その実態は合法非合法を問わず内外の反抗勢力を排除することを目的とする部隊である。USEAに対する治安維持協力といった表向きの活動から、敵対する国家や企業に対する妨害工作や不穏分子の暗殺まで、その任務は多岐にわたる。所属隊員は大卒のエリートが中心だが、叩き上げの隊員もいるなど、経歴だけではなく実力と実績も重んじられる。一企業による経済支配で弱体化した国家間では、戦争状態になるほどの対立は発生しなかったため、新たな兵器の開発は進んでおらず、GRDFでは旧来の兵器を改良した物を多く使用している。特に航空機ではそれが顕著で、2040年代に入った現在もF-15F-16の改良型を使用している。パイロットからは安定した飛行ができる堅実な旧型機への信頼は高いが、性能で勝る新機軸の「Rナンバー」シリーズを有するニューコムに対抗するために新型機の開発を進めている。
ジオフロント
ゼネラルリソースの巨大地下都市。隕石の落下によって壊滅したUSEA北東部の都市セント・アークに建造されている。ジオフロントとは地下都市の意。ジオフロント・パスと呼ばれる地下トンネルで地上と結ばれており、多数のシャフト(支柱)で構造を維持している。このシャフトには、災害などの緊急時の技術流出を防ぐために使用される都市起爆システムが組み込まれており、万一の場合には支柱の爆破によって都市全体を崩壊させることも可能である。地下都市という性質上、空気清浄システムとしてイーオン・ジェネレーターが多数設置されている。
ニューコム (Neucom inc.)
近年の急成長によりゼネラルリソースとの対立が深刻化しつつある新進の企業。社名はニューロンコンピュータカンパニーを合わせた造語である。ゼネラルリソースと同じくポート・エドワーズに本社を構える。前身は財政難から民営化されたとある政府機関「政府宇宙管理機構 (EASA)」で、大手航空会社を吸収合併した後、上層部の方針に不満を持つゼネラルリソースの技術者が集団移籍したことで誕生した。現在のニューコムは大別して「ニューコム・バイオ」「ニューコム・インフォ」「ニューコム・スフィア」「ニューコム・スペース」「ニューコム・パブリッシング」の5部門で構成され、近年ではさらなる他業種への進出も見せる巨大複合企業である。ゼネラルリソースと比較して自由で先進的な企業風土を持ち、そのために数多くの優秀な技術者を集めることに成功している。特にバイオ・ナノテク分野や優れた宇宙開発力に支えられた情報通信分野の技術力はゼネラルリソースのそれを大きく上回っており、これらを独占的に利用することで強大なゼネラルリソースの資本力、影響力に対抗している。しかし、ゼネラルリソースが利益至上主義とするならば、ニューコムは科学・研究至上主義であり、非人道的研究や環境破壊がマスコミなどから強く非難されている。
ナノテクノロジー、バイオテクノロジーといった先進的な技術を用いる分野や情報通信、宇宙開発を得意としている。
なお、UGSFシリーズにも、銀河連邦宇宙軍に兵器を供給する企業として登場する。また、『リッジレーサー6』にはニューコムが運行している航空機やエレクトロスフィアなどの看板が、『リッジレーサーズ2』には新規に追加されたコースの上空を飛行する飛行船に登場する。
情報環境開発事業部「ニューコム・インフォ」
新世代AI連想記憶メモリの開発など、コンピュータ技術の研究開発を担当。一部の技術は無人戦闘機などの軍事兵器への応用が行われている。
宇宙環境開発事業部「ニューコム・スペース」
航空宇宙産業を担う。「Rナンバー」シリーズや「イーオン・ジェネレーター」などの新技術を生み出した。ニューコムの高い技術力を支える基幹部門の一つである。
生命環境開発事業部「ニューコム・バイオ」
バイオナノテクノロジーを担当する。生化学研究事業の他に、ナノマシンを建築作業に応用した「ナノバイト」の研究開発なども行っている。
通信環境開発事業部「ニューコム・スフィア」
NOC (Network Operation Center) 事業から、「エレクトロスフィア」を構成する地球規模の衛星ネットワークシステムまで、通信事業全般を担当する。
広報外務部「ニューコム・パブリッシング」
ニューコムの対外的な広報や外務交渉の他、それらを含めた報道や出版による大衆操作なども担当する。
NEU (Neucom Emergency Unit)
ニューコムが有する非常事態対策機構。本来は自社に関連する事件事故などの不測の事態に対応するための警備部門とされているが、現在は主にゼネラルリソースとの軍事的な摩擦に備えた軍組織となっている。配備されている兵器群には同社の誇る最新技術が投入されており、流線形を多用した有機的デザインが特徴の新世代航空機「Rナンバー」シリーズを始めとして、対立するGRDF側の装備を上回る性能の兵器が配備されている。
メガフロート (Mega Float)
ニューコムが2039年に完成させたメガフロート式海上移動都市。島内にはニューコムの研究施設や工場設備を始めとした民間施設も多数存在しているが、軍港や空軍基地などの軍事施設があるため、実質的には移動軍事拠点として機能する。住居に関しては、完成後しばらくの間はニューコム社員にのみ販売していた。
NUN (Neo United Nation)
新国際連合共同体、つまりは国連である。USEA北部のスナイダーズ・トップに本部を置く。国際平和や友好の維持を目的とするが、企業の影響力増大による国家の弱体化や国家数そのものの減少によって、既に大規模な国家間紛争と呼べるものはなくなって久しく、それに代わり激化しつつあるゼネラルやニューコムなどによる企業間紛争の調停役となっている。
UPEO (ユーピオ / Universal Peace Enforcement Organization)
NUN直属の治安維持対策機構であり、USEA東部に位置する都市エキスポ・シティーに本部を構える。民族や国家の枠組みを超えた全世界の平和と治安の維持を目的とし、平和維持委員会が有する権限によって、統治力を失った国家に代わり企業を法的に拘束できる数少ない非企業組織である。しかし、近年までNUN所属議員の大半がゼネラルリソース出身者で占められていたため、国連の体を装ったゼネラルリソースの代行機関とも言えた。2037年にマスコミ出身のクラークソン議員が代表就任したことで改革が進められ、対話による企業間紛争の解決を試みるなど、設立の精神である平和主義を再確認し、その本来の役割を取り戻しつつあると見られている。
ある程度の軍備を保有しているが、中立性維持のために脅威となりうる強力な兵器の保有を意図的に避けていたこと、ゼネラルの影響力などの政治的事情、実際の派兵回数の少なさなどから「張り子の軍隊」と揶揄されている。組織改革によって国際社会でのUPEOの役割が増大しつつある現在では、深刻化する企業間紛争に対応するために新たに軍備の増強を急いでいる。
組織的には安保理に近いが、独自の軍事力を有している点が異なる。『リッジレーサー6』にはISAF軍(エースコンバット04)の機首にUPEOのマークが描かれた航空機が駐機してある。
SARF (サーフ / Special Armed Response Force)
UPEOの特別航空部隊。国連直属の組織というUPEOの立場上、本格的な軍事力の保持は避けられていたが、企業間紛争の深刻化に対応するために、2040年になってSARFが設立された。設立間もない新組織であり、隊員は実戦経験の乏しい若手が主体である。当初は以前からのゼネラルリソースによる圧力の影響を受け、装備はゼネラルリソース系の旧式機体で占められていた。しかし、後に紛争激化を受けて軍備増強を行い、ニューコムからも機体の提供を受けるようになる。それらの機体は性能面で両社の保有する新鋭機に劣るため、UPEOによる戦闘機の自主開発も継続して行われている。
ウロボロス (OUROBOROS)
全人類に肉体を放棄させ、その精神をエレクトロスフィアへサブリメーションさせるという信念に基づき、ゼネラル、ニューコム、UPEOのそれぞれの賛同者たちで構成された蜂起集団。組織マークは、組織名であるウロボロスをイメージしたものである。声明文の映像ではライフゲーム的なものを多用する。空中空母スフィルナを拠点にし、賛同者の所属していた組織が所有する最新鋭のエアロコフィンを黒くカラーリングして使用している。
※ 『リッジレーサー6』にマークが描かれた航空機が登場する。
USEA (ユージア / United States of Euro-Asia)
ユージア大陸の全域を領土とする巨大連邦国家。しかし、都市計画や公共事業を始めとして司法や警察に至るまで、およそ国家としての機能の大半をゼネラルリソースに依存しており、その名称はもはや単なる地域区分以上の意味を持っていない。

架空の技術/製品

エレクトロスフィア
ゼネラルリソースが開発した情報ネットワーク空間。「エレクトロ」と「スフィア」を掛け合わせた合成語。登場以来情報化社会の急激な発展を促し、現在では人々の生活になくてはならないものとなっている。
データースワロー
ゼネラルリソース社が2032年に発売した端末用OS。エレクトロスフィアに接続するブラウザを搭載している。エアロコフィンにも対応しており、戦闘機の制御にも利用されている。
主なコンテンツとして、ビデオフォンやデータ放送、文字放送などがある。ビデオフォンは、留守電のような録画式や多人数による同時会話も可能。発売後からエレクトロスフィアと共に爆発的に普及し、生活の必需品となっている。ゲーム開始時のバージョンは「3.2.2」にアップデートされており、大規模な範囲で蔓延したコンピュータウイルスへの対応や、既に使われなくなった言語の翻訳機能などのソフトの追加がなされている。
起動中、画面はクリーム色のようなチューブ型トンネルのような空間を進んでいく。その時折、トンネルと同じ色の球状の物体が通り過ぎていく。
エアロコフィン
このゲームでの戦闘機の総称。コフィン = CoffinとはConnection For Flight Interfaceの略語で「神経接続による軍用兵器操縦システム」を示している。兵器と神経接続された兵士は、装甲で覆われ完全に外界から遮断されたコクピットの中に横たわり、ヘッドマウントディスプレイや全周モニターから外部の全視野を得て操縦を行う。この状態があたかも「 = Coffin」に入っているように見えることにもにかけたネーミングでもある。単に「コフィン」といえばこの形式のコクピットブロックのみをさすが、これを使用した航空機に関しては機体全体を棺に見立てて「エアロコフィン」と称する。詳しい説明についてはコフィンシステムを参照。
5で登場する「ファルケン」では似たような設定のコクピットが描写され、同じくコフィンシステムと呼称されていた。UGSFシリーズのNew Space Orderではさらに発展し、登場する機体「ジオキャリバー2」の操縦システムもコフィンシステムと呼称されている。
ENSI規格
ENSIとは Electro-Neuron-Synapce-Interface の略語で、パイロットの神経細胞とコンピュータを接続する回路のパス規格を言う。これによってパイロットは、文字通り意のままにエアロコフィンを操縦する。2040年時点では、ENSI規格のケーブルを使って、パイロットの掌から運動神経系と反射神経系の神経細胞の活動を読みとる電極と、機体のコンピュータを繋ぐ形式が一般的なものとして浸透している。ただしレナの使用しているENSIシステムは、オプトニューロンを使用した独自のものである。
UGSFシリーズのNew Space Orderでは、ENSI規格を元にさらに発展した規格「N.B.B.(Navigate By Biosignal = ナビゲート・バイ・バイオシグナル)」が登場している([1]より)。
Rナンバー
ニューコム社製航空機の通称であり、同社の優れた航空技術力の代名詞となっている。ニューコム製航空機の型番には「革新的」を意味する「Radical」の頭文字「R」が使用されていることから生まれた俗称。最新鋭の機体にはエネルギー弾を発射する機銃「パルスレーザー」も搭載可能。
ナノバイト
ニューコム・バイオが開発した建築用途の目的で使用されるナノマシン。自己増殖能力を持ち、建設や製造に用いられる。製品のCMではナノバイトを基にしたデフォルメキャラクターを用いて宣伝を行っている。製造関係で大幅な技術的省力化を達成可能にするが、仮に暴走した際は自己増殖能力により空間汚染される危険性があり、これに対応するための除去物質も存在する。
イーオン粒子
基本的に空気洗浄の目的で使用される粒子。イーオン粒子を発生させる大型の施設「イーオン・ジェネレーター」が都市部に設置されている他、家庭用製品として「イーオンジェット」がある。
サブリメーション(電脳化)
ヒトの人格をコンピュータ上のデータとして複製する技術。マーサ・ヨーコ・イノウエが基礎理論を構築したが、その研究所の爆発事故により研究は凍結される。ニューコムに所属するサイモンのAI理論もこの考え方に近い。

登場架空兵器

ゼネラルリソース

F/A-32C アーン (Erne)
あらゆる任務に対応する高い汎用性を目指して開発されたマルチロール機。しかし、想定任務の多彩さが開発期間とコストの大幅な増加を招き、実戦部隊への配備数は少数に留まっている。主に旧式機であるF-16XF/XA、F/A-18Iからの更新が進められている。
アーン (Erne)とはオジロワシの意。
全長:13.72m、全幅:10.97m、全高:3.51m、総重量:22680kg、最高速度:2324km/h
XFA-36A ゲイム (Game)
ゼネラルリソースがニューコムの新型機に対抗するため、高機動ステルス実験機のデータを基に開発した無尾翼高機動ステルス戦闘機。無尾翼という特殊形状や3次元推力偏向ノズル、飛行速度に応じて折り畳まれる主翼の翼端可変機構といった特徴を持ち、高いステルス能力、機動性、安定性を兼ね備える。
愛称「ゲイム」の由来は公式には説明されていない。Gameにはゲーム狩猟鳥闘鶏に使われる軍鶏の略称といった意味がある(Gamecock)。
全長:19.51m、全幅:13.2m、全高:2.8m、総重量:32116kg、最高速度:3304km/h
アントリオン(Antlion)
ゼネラルリソースの空挺部隊に配備されている多脚空挺戦車キャタピラタイヤではなく、4つの脚によって移動する点が特徴。
アントリオン (Antlion/アントライオン) とはアリジゴクの意。同名称の戦車が『タイムクライシス』に登場している。
O.S.L
Orbital Satellite Laser(衛星軌道上レーザー)の略。R・ヘルナンデス博士によって開発された、衛星軌道上からの攻撃が可能なレーザー兵器。ゼネラルリソースが保有する4基の軍事衛星に搭載されている。

ニューコム

R-101 デルフィナス#1 (Delphinus #1)
全長:20.48m、全幅:12.6m、全高:4.1m、総重量:8098kg、最高速度:2856km/h
従来の常識にとらわれない新しい理論に基づいて設計・開発された制空戦闘機。Rナンバーシリーズの中核を成す主力機。機体の90%を占める新素材と層流制御技術を用いた独特の流線形のボディに、新開発の高出力エンジンを組み合わせ、ニューコムの革新的技術をふんだんに盛り込んだ機体。後にUPEOにもR-101Uとして供与された。
愛称はマイルカ属の学名に由来。
シリーズ後継作である『ACE COMBAT X Skies of Deception』および『ACE COMBAT X2 JOINT ASSAULT』に、機体形状やカラーリングなどに類似点を持つ機体『YR-99 フォルネウス』が登場し、『エースコンバット インフィニティ』に本機が登場した。
R-102 デルフィナス#2 (Delphinus #2)
全長:20.52m、全幅:13.2m、全高:4.5m、総重量:9057kg、最高速度:3304km/h
デルフィナス#1の改良型。エンジンを高出力の単発エンジンに変更するなどの改良により翼面荷重が低下。旋回性をはじめとした機動性能が向上している。
R-103 デルフィナス#3 (Delphinus #3)
全長:20.66m、全幅:13.8m、全高:4.9m、総重量:10040kg、最高速度:3920km/h
デルフィナスシリーズの最新型。カナードの追加などにより安定性が向上しており、より高度な機動をパイロットの技量に依存せずに行うことが可能となっている。また、エンジンをデルフィナス#2と同型のものを2基搭載する双発としたことで、出力が大幅に向上している。
R-201 アステロゾア (Asterozoa)
全長:18.13m、全幅:20.6m、全高:2.9m、総重量:25013kg、最高速度:1540km/h
対地攻撃を目的に開発された攻撃機。双胴式の機体構造が特徴で、搭載量や安定性、耐久性に優れる。その反面、機体重量が重いため運動性は低い。ゲーム中では再現できないが、航空ショーでプガチョフ・コブラを披露して関係者を驚かせた。後にUPEOにもR-201Uとして供与された。
愛称はヒトデなど、星形動物亜門の学名に由来。
R-211 オルシナス (Orcinus)
全長:22.56m、全幅:8.2m、全高:2.21m、総重量:12022kg、最高速度:3304km/h
R-201 アステロゾアの後継となる超音速攻撃機。低速のため被撃墜率が高かった、それまでの主力のアステロゾアの欠点を解消するために新たに開発された。攻撃機としての高い攻撃能力や安定性、耐久性はそのままに、最高速度を大きく向上させている。一方で、改善されてはいるものの、運動性は低いままである。UPEOも調達したが、ニューコム所属機に偽装し極秘作戦に使用されたため、UPEO所属機を表すR-211Uの形式番号は与えられず、塗装もそのままである。
愛称はシャチ属の学名に由来。
R-311 レモラ (Remora)
全長:14.88m、全幅:5.82m、全高:1.8m、総重量:5105kg、最高速度:5068km/h
母機であるR-531 モビュラによって射出、回収される高高度からの奇襲作戦専用のパラサイト・ファイター。翼面積が非常に小さく、兵装も最小限に抑えるなど、最高速度に特化した特徴的なフォルムの機体。極端に軽量化されているため、最高速度や上昇性能、運動性に優れるが、安定性は低く航続距離も短い。公表されている航空機の中では、公式に世界最速の航空機とされている。
愛称はコバンザメの1属ナガコバン属の学名に由来。
R-352 セピア (Sepia)
全長:30.16m、全幅:10.74m、全高:4.9m、総重量:60280kg、最高速度:3054km/h
衛星攻撃など宇宙空間での軍事作戦に用いられる武装シャトル。分類上は成層圏射出用ロケット機とされる。ロケットブースターによって打ち上げられ、作戦完了後はそのまま大気圏に再突入し空港に着陸、帰還する。搭載量の大半は推進剤に充てられており、宇宙空間での機動性は非常に高い。また、大気圏離脱と再突入時に「熱の壁」に達した際に発生する空力加熱に耐えるため、高い耐久性を持つ。兵装として宇宙空間専用のエネルギー兵器であるニュートロン・ビーム(中性子砲)とプラズマ・ビーム(陽電子砲)を備える。
愛称はコウイカ属の学名に由来。色彩の『セピア色』も、元々はイカから来ている。
R-501 ライコドン (Rhincodon)
全長:75.75m、全幅:45.2m、全高:6.85m、総重量:350498kg、最高速度:1836km/h
大量の貨物を積載可能な大型輸送機。また、輸送機としては非常に高速なのも特徴。空中給油機に改造された機体も存在する。
愛称はジンベエザメ属の学名 (Rhincodon / リンコドン)に由来。
R-505U
全長:80m、全幅:22.6m、全高:9.2m、総重量:181030kg、最高速度:3060km/h
要人専用機としてニューコムよりUPEOに提供された超音速旅客機。高速でありながら揺れもほとんど感じられない快適性を誇る。
R-531 モビュラ (Mobura)
全長:99.83m、全幅:110.8m、全高:17.58m、総重量:432040kg、最高速度:1102km/h
R-311 レモラの搭載母機。長距離巡航能力のないレモラの専用輸送機であり、自身には戦闘能力がほぼない。機体胴体下部にレモラを2機まで懸架可能で、高高度で作戦空域へ接近した後にレモラを発進させる。作戦終了後は再びレモラを空中で回収、懸架して離脱する。
愛称はイトマキエイ属の学名に由来。
R-701 トライキス (Triakis)
全長:15.3m、全幅:16.7m、全高:2.66m、総重量:5540kg、最高速度:734km/h
主に拠点防衛に用いられる最新の攻撃ヘリコプター。コンピュータ管理により、攻撃なども全て自動で行われる。
愛称はドチザメ属の学名に由来 (Triakis / トリアキス)。
R-808 フォーカ (Phoca)
全長:29.74m、全幅:15.96m、全高:5.51m、総重量:72310kg、最高速度:不明
衛星軌道基地と地上との往復に用いられる再使用型宇宙往還機スペースシャトルを基にニューコムの最新技術を投入して改良したもの。
愛称はゴマフアザラシ属の学名に由来。
XR-900 ジオペリア (Geopelia)
全長:17.18m、全幅:29.95m、全高:3.72m、総重量:30218kg、最高速度:5068km/h
ゼネラスリソースからニューコムへ移籍した開発者たちが、X-49 ナイトレーベン技術を基に開発中の無人戦闘機。テストのために仮の操縦席が組み込まれており、パイロットは後ろ向きに搭乗する。
愛称はハト科チョウショウバト属の学名に由来。ニューコム系の航空機の中で唯一、愛称が海洋生物ではない機体。

ウロボロス

UI-4053 スフィルナ (Sphyrna)
全長:238.5m、全幅:90.92m、全高:53.44m、総重量:254200kg、最高速度:404km/h
巨大な飛行船型のECM空中空母。革命組織ウロボロスの本拠地。機体下部に発着艦機構を持ち、滑走路後部にある複数のアームを使って飛行する航空機を固定し艦内に格納する。バルーンにあたる部分には格納庫を持つ。大型機であるX-49 ナイトレーベンの収容も可能であり、機動性を向上させるためのイーオン・ジェネレーターも搭載されている。飛行速度は鈍足であるが、満載された対空火器と搭載戦闘機により、容易に敵機の接近を許さない他、見た目に反し耐久力も桁違いであり撃墜は容易ではない。また、ECM空中空母の名の通り、強力なジャミング能力を持つ。
機種名はシュモクザメ属の学名。
UI-4054 オーロラ (Aurora)
全長:30.36m、全幅:17.14m、全高:6.25m、総重量:60100kg、最高速度:3920km/h
漆黒の巨大な機体で、胴体の上下にそれぞれ4機の小型エンジンを合計8機搭載するという独特の形状を持つ。その加速力、機動性、最高速度は一般的な戦闘機と比べて突出しており、カタログスペック上ではX-49 ナイトレーベンに迫る非常に高い性能を誇る。
X-49 ナイトレーベン (Night Raven)
全長:17.2m、全幅:30.11m、全高:3.82m、総重量:39940kg、最高速度:5068km/h
ゼネラスリソースが開発していた次世代戦闘機の研究機。旧来の戦闘機とは一線を画する性能を誇る。ブーメランのようなフォルムの複葉機で、レーザー兵器が搭載されている。
レーベン(Raven / レイヴン)とは、ワタリガラスの意。

UPEO

独自に開発した機体もあるが少数で、主にゼネラルからUPEO向けに改修された機体を供給されている。ニューコムからも以下のRナンバーが供給されている。

その他

UI-4052 クラリアス
匿名のテロリストがテロ行為に用いた、細菌兵器を満載した飛行船。形状はスフィルナに似る。

実在機をモデルとした機体

世界で大きな軍事衝突がなかったため軍用機が新規設計されることは少なく、コフィンシステムなど技術進歩に応じた改修を施した上で未だ現役であるとされている。実在機と型番や愛称が異なるのはそのためである。なお、ニューコム社製機に実在機をモデルとしたものは存在しない。

ゼネラルリソース所属機

UPEO所属独自開発機

UPEO所属ゼネラルリソース社製機

  • F-16XFU:F-16XF ジャーファルコン
  • F/A-18U:F/A-18I ホーネットADV
  • EK-17U:C-17B グローブマスターIV の給油型


  1. ^ 関連書籍では「RAH-66B」と記されているものがあるが、ゲーム内では「AH-66B」と表記されている。
  2. ^ 実在するMiG-29の発展型MiG-33とは無関係である。

関連商品

  • 『ACE COMBAT 3 electrosphere : DIRECT AUDIO with AppenDisc』 メディアファクトリー、1999年
    • 本作のサウンドトラックCD。アペンドディスクが付属する。アペンドディスクには、ゲーム本体でロードするとナイトレーベンが使用可能になる「deadcopy」のセーブデータ、ナイトレーベンの流出動画の報道という設定のムービー、設定資料などの画像集などが収録されている。
  • 『ACE COMBAT 3 electrosphere MISSION & WORLD VIEW』 メディアファクトリー、1999年
  • 『ナムコ公式ガイドブック エースコンバット3 エレクトロスフィア』 ナムコ、1999年
  • 『エースコンバット3 エレクトロスフィア ミッションゼロ』 メディアファクトリー
    • 解説ビデオ。容量の都合などから本編未収録となった映像などが収録されている。
  • 『エースコンバット3 ピンズバッヂ』 ナムコ、1999年
    • コンビニ予約特典。UPEOのロゴマークをあしらったピンズバッヂでコンビニ予約者に配布された。

関連項目

外部リンク